JP2001106947A - インク組成物および印刷物 - Google Patents

インク組成物および印刷物

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JP2001106947A
JP2001106947A JP28388199A JP28388199A JP2001106947A JP 2001106947 A JP2001106947 A JP 2001106947A JP 28388199 A JP28388199 A JP 28388199A JP 28388199 A JP28388199 A JP 28388199A JP 2001106947 A JP2001106947 A JP 2001106947A
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phosphine
compound
light
phosphorus
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JP28388199A
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Komei Fukushima
功明 福島
Yoshinori Yamamoto
芳典 山本
Yukinori Yamada
幸憲 山田
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Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光領域で実質的に不可視であつて、かつ
印刷されたマ―クを下地の色に影響されることなく高感
度で検出でき、しかも人体に対して安全であり、そのう
え初期の発光量が大きく、かつ高温保存後にも発光量の
低下が少なく、更に高温長期保存後もモヤ(沈殿物)の
発生がない、紫外線励起型のインク組成物を提供する。 【解決手段】 可視光領域で実質的に不可視であつて、
紫外線により励起されて615±20nmに発光中心波
長を有するユウロピウムを含む色素と、ポリビニル系樹
脂とを含有するとともに、ホスフインオキサイド化合
物、ホスフインサルフアイド化合物およびホスフイン化
合物の中から選ばれる少なくとも1種の、炭化水素基の
分岐成分が5%以下のリン系有機化合物を含有し、かつ
水または/およびエタノ―ルを溶媒中94重量%以上含
有することを特徴とするインク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光領域で実質
的に不可視である色素を用いたマ―カ―ペン、インクジ
エツトプリンタなどの印字に用いられる紫外線励起型の
インク組成物と、その印刷物とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、物品に関する製造業者、商品名な
どの情報をバ―コ―ドなどで表示し、その模様を光学的
検出法で読み取つて、商品の売上集計や、流通の分析な
どに利用することが行われている。最近では、このよう
なバ―コ―ドシステムを利用した商品が多くみられるだ
けでなく、このシステムをフアイル管理などに応用した
ものがあり、たとえば、コ―ド管理による区分けにより
物品を分配するシステムを適用する郵便物などに利用し
た例もみられる。
【0003】バ―コ―ドの印刷には、白地に黒字のバ
―コ―ドを印刷する方法、300〜400nmの紫外
線で励起されて青色または緑色の可視光を発光するイン
ク組成物を印刷する方法、300〜400nmの紫外
線によつて励起されて615±20nmで発光するイン
ク組成物を印刷する方法、等が利用又は提案されてい
る。
【0004】の方法は、非常に安価であるという長所
があり広く利用されているが、黒のバ―コ―ドと下地と
の反射率の違いを利用して読み取るものであるため、物
品などに汚れが生じた場合、読み取りが極端に困難にな
るという欠点がある。また可視光領域の反射光を利用す
るため、必然的に物品の外観を損ねてしまう欠点もあ
る。
【0005】の方法は、物品の外観を損ねることなく
印刷できるという利点はあるが、青色または緑色の可視
光を発光するため検出性に劣りやすいという欠点があ
る。即ち、一般に白紙には蛍光増白剤が添加されている
ため、この蛍光増白剤が添加された白紙上に青色に発光
するインク組成物を形成して、励起光を照射すると、下
地に添加されている蛍光増白剤も発光して、発光の光量
差が実質的に小さくなり、マ―クを検出できなくなる。
また、発光する可視光の検出に際し、光電変換素子とし
て一般的に安価で入手が容易であるシリコ─ンフオトダ
イオ―ドを用いると、可視光の受光感度が長波長側より
短波長側で低くなり、青色または緑色の比較的短波長の
可視光は、600nm付近の長波長の可視光に比べて、
半分以下の感度となり、十分な検出感度が得られにく
い。
【0006】の方法は、を改良する方法として発明
者等が提案した方法で、ユウロピウムを発光中心とする
色素を使用し、可視光領域で実質的に不可視であつて、
かつ紫外線によつて励起されて615±20nmで発光
するインク組成物を使用する。このインク組成物は物品
上に印刷しても物品の外観を損ねることがないととも
に、印刷されたマ―クは紫外線による励起によつて上記
波長側の可視光を発光するため、下地の色に影響される
ことが少なく、従来から使用されているシリコ─ンフオ
トダイオ―などでも高感度で検出でき、またこのインク
組成物の主溶媒として人体に対して安全な水またはエタ
ノ―ルを使用することができ、これにより使用環境の制
限という問題も回避できるという特長を有している。ま
た、保存特性も比較的優れていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このイ
ンク組成物も非常に長期間の保存や高温での長期保存に
よりモヤ状の物質(非常に細かい沈殿物)が発生すると
いう問題点があることがわかった。このようなモヤが発
生しても発光強度や印刷物の外観自体は変化しないが、
インクの外観が悪い、インクジェットノズルが詰まり易
いという問題がある。
【0008】本発明は、上記の事情に照らし、非常に長
期間の保存や高温での長期保存によってもモヤ状の物質
が発生しない、紫外線励起型のインク組成物とその印刷
物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、インク組成物に
含有されるリン系有機化合物中の炭化水素基の分岐成分
を特定量以下にすると、非常に長期間の保存や高温での
長期保存によってもモヤ状の物質が発生しないことを見
いだした。
【0010】リン系有機化合物中の炭化水素基の分岐成
分は5%以下が好ましく、1%以下がさらに好ましい。
5%以下が好ましいのは、リン系有機化合物中の炭化水
素基の分岐成分が5%を越えると、インク組成物の安定
性が低下し、非常に長期間の保存や高温で長期保存でモ
ヤ状の物質が発生しやすくなるためである。
【0011】本発明は、以上の知見をもとにして、完成
されたものである。すなわち、本発明は、可視光領域で
実質的に不可視であつて、紫外線により励起されて61
5±20nmに発光中心波長を有するユウロピウムを含
む色素と、ポリビニル系樹脂とを含有するとともに、ホ
スフインオキサイド化合物、ホスフインサルフアイド化
合物およびホスフイン化合物の中から選ばれる少なくと
も1種のリン系有機化合物を含有し、かつ水または/お
よびエタノ―ルを溶媒中94重量%以上含有するインク
組成物において、上記リン系有機化合物中の炭化水素基
の分岐成分が5%以下であることを特徴とするインク組
成物(請求項1〜4)およびこのインク組成物からなる
印刷層を有することを特徴とする印刷物(請求項5)に
係るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる色素は、40
0〜750nmの可視光領域に吸収を持たず、したがつ
て可視光領域で実質的に不可視であつて、かつ紫外線に
より励起されて615±20nmに発光中心波長を有す
るユウロピウムを含み、これにテノイルトリフルオロア
セトン、ナフトイルトリフルオロアセトン、ベンゾイル
トリフルオロアセトン、メチルベンゾイルトリフルオロ
アセトン、フロイルトリフルオロアセトン、ピバロイル
トリフルオロアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセト
ン、トリフルオロアセチルアセトン、フルオロアセチル
アセトン、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン
などを配位子とする金属錯体が挙げられ、その中でも、
発光量の大きなテノイルトリフルオロアセトン、ナフト
イルトリフルオロアセトン、メチルベンゾイルトリフル
オロアセトンを配位子とするユウロピウム化合物が好ま
しい。このような色素は、J.Am.Chem.So
c.第186巻、第5117頁、1964年(メルビ―
など)や特公平6−15269号公報に記載の方法で合
成でき、市販品としては、リ―デルデハ―ン社製の商品
名「CD335」、三井化学社製の商品名「ER−12
0」などが用いられる。
【0013】本発明に用いられるリン系有機化合物は、
ホスフインオキサイド化合物、ホスフインサルフアイド
化合物およびホスフイン化合物の中から選ばれる少なく
とも1種で、このようなリン系有機化合物中の炭化水素
基の分岐成分が5%以下でという特長を有する。このよ
うなリン系有機化合物をインク組成物中に含ませると、
インクのpHを維持でき、また分解により色素の対イオ
ンが金属錯体から離脱した場合でも、上記のリン系有機
化合物が色素の対イオンとして配位している配位子と置
換することにより、発光強度の低下を抑制するという特
長を維持したまま、非常に長期間の保存や高温での長期
保存後もモヤが発生しなくなる。これは、炭化水素基の
分岐成分が5%を越えると、リン系有機化合物または色
素に配位したリン系有機化合物の、水および/またはエ
タノールへの溶解度が低下し、モヤが発生すると考えら
れる。
【0014】これに対し、本発明のように、インク組成
物中のリン系有機化合物中の炭化水素基の分岐成分を5
%以下にすると、リン系有機化合物または色素に配位し
たリン系有機化合物の水および/またはエタノールへの
溶解度が上昇し、モヤの発生が抑制されると考えられ
る。
【0015】上記のホスフインオキサイド化合物として
は下記の式(1)で表される化合物が、上記のホスフイ
ンサルフアイド化合物としては下記の式(2)で表され
る化合物が、上記のホスフイン化合物としては下記の式
(3)で表される化合物が、それぞれ挙げられる。これ
らの化合物は、いずれも、pHが4以上であるのが好ま
しい。ここで、pHとは、各化合物単位の濃度1重量%
のエタノ―ル溶液での値である。なお、下記の式(1)
〜(3)中、R1 〜R9 は、好ましくは炭素数が1〜
8、より好ましくは2〜6であり、代表的な炭化水素基
としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基
などのアルキル基、またはベンジル基などのアラルキル
基などを挙げることができる。好ましくない分岐成分を
有する炭化水素基としては、1−メチルプロピル基、1
−メチルペンチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチ
ルヘキシル基、2.2ジメチルエチル基等である。これ
等の分岐成分を有する炭化水素基は合成過程で副生する
が、融点の違いを利用して除去することができる。
【0016】 (式中、R1 〜R3 は炭素数1〜12の直鎖状または環
状の炭化水素基であり、これらは同一であつても異なつ
ていてもよく、互いに結合した環状構造であつてもよ
い) (式中、R4 〜R6 は炭素数1〜12の直鎖状または環
状の炭化水素基であり、これらは同一であつても異なつ
ていてもよく、互いに結合した環状構造であつてもよ
い) (式中、R7 〜R9 は炭素数1〜12の直鎖状または環
状の炭化水素基であり、これらは同一であつても異なつ
ていてもよく、互いに結合した環状構造であつてもよ
い) 本発明において、上記のようなリン系有機化合物は、こ
れがあまりに多すぎると色素の含有量が減少して、発光
量の低下を招くおそれがある。このため、上記のリン系
有機化合物の使用量としては、色素に対して0.01〜
10重量倍、好ましくは0.1〜5重量倍とするのがよ
い。
【0017】また、本発明においては、人体に対して安
全な水および/またはエタノ―ル系をインク組成物の溶
媒として(以下、単に水系という)を用いるが、上記色
素を使用する場合、アクリル系樹脂、ロジン系樹脂、ス
チレン系樹脂などのバインダでは色素との反応性が高
く、また色素が不均一な分散状態となり、所望の発光量
が得られにくくなるとともに、高温保存後に著しく発光
量が低下するので、色素分散用樹脂として、ポリビニル
系樹脂を使用する。
【0018】本発明に用いられるポリビニル系樹脂とし
ては、ポリビニルアルコ―ル、ポリビニルブチラ―ル、
ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル
共重合体などがある。これらの中でも、水系溶媒への溶
解性が高く、かつ色素の分散性にすぐれるビニルピロリ
ドン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、とくにビニルピ
ロリドンと酢酸ビニルとの共重合比が8/2〜2/8の
範囲にあるものが好ましい。これらポリビニル系樹脂の
使用量は、色素に対し、0.5〜50重量倍、好ましく
は2〜30重量倍、さらに好ましくは5〜20重量倍と
するのがよい。なお、このようなポリビニル系樹脂とと
もに、必要により、フエノ―ル樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂、セルロ―ス系樹脂、ポリアミド樹
脂などの他の樹脂を併用してもよい。ただし、これら他
の樹脂は、水系溶媒において前記色素の分散不良をもた
らすため、上記のポリビニル系樹脂に対して、30重量
%以下の使用量とするのが好ましい。
【0019】本発明では、上記の色素とポリビニル系樹
脂と炭化水素基の分岐成分が5%以下のリン系有機化合
物とを、水系溶媒に溶解ないし分散させて、インク組成
物とする。水系溶媒は、既述のとおり、水または/およ
びエタノ―ルを主溶媒としたものであり、インクの安定
性などの向上のために、アセトン、酢酸エチル、メチル
エチルケトンなどの他の有機溶剤を併用できるが、これ
らの有機溶剤は溶媒中6重量%以下、つまり、水または
/およびエタノ―ルが溶媒中94重量%以上となるよう
にするのが肝要である。このように水または/およびエ
タノ―ルを主溶媒とすることで、インク組成物としての
安全性が確保され、使用環境になんら制限を受けること
はない。
【0020】本発明のインク組成物は、これをマ―カ―
ペン、インクジエツトプリンタなどの印字用インクとし
て使用するが、たとえば連続式インクジエツトプリンタ
用のインクとしては、偏光電極によりインク粒子の飛行
軌道制御を行うため、インク粒子を荷電させて導電性粒
子とする必要があり、このため、電荷調整剤として、下
記の式(4)で表されるカチオン化合物を含ませるのが
好ましい。
【0021】
【0022】(式中、AはNまたはPであり、R10〜R
13は水素原子または炭素数1〜12の直鎖状もしくは環
状の炭化水素基であり、これらは同一であつても異なつ
ていてもよく、互いに結合した環状構造であつてもよ
い)上記の式(4)中、R10〜R13が炭化水素基である
場合、その代表的な炭化水素基としては、メチル基、エ
チル基、ブチル基、オクチル基などのアルキル基、また
はベンジル基などのアラルキル基などが挙げられる。イ
ンク組成物中に添加する際には、たとえば、N−ベンジ
ルピリジニウム、N−メチルピリジニウム、1,4−ジ
メチルピリジニウムなどのピリジニウムカチオン、テト
ラブチルホスホニウムなどのホスホニウムカチオンなど
のカチオンと、ハロゲン、トリアゾレ―ト、β−ジケト
ン構造などを有するアニオンとの塩として添加すればよ
く、この塩はインク組成物中でイオン解離してカチオン
化合物となる。
【0023】従来より、インクジエツトプリンタ―用イ
ンクでは、電荷調整剤として、LiNO3 などのLi
塩、KCN、KSCNなどのK塩が用いられているが、
本発明のインク組成物中にこのような従来の電荷調整剤
を含ませると、これを含ませないものに比べて、発光量
が20%程度まで低下する。これに対して、上記の電荷
調整剤として、前記の式(4)で表される特定のカチオ
ン化合物を含ませると、導電性を低下させることなく、
発光量の低下を低減できることが見い出された。この理
由は明らかではないが、以下のように考えられる。
【0024】従来のLi塩やK塩からなる電荷調整剤
は、カチオンのイオン化傾向が高いため、色素の発光中
心となるユウロピウムと配位子となる対イオンとの間を
攻撃し、その際上記カチオンのイオン半径が小さいた
め、上記対イオンとイオン交換しやすく、結果として、
発光強度が弱められるものと思われる。とくに、本発明
のような水系を主溶媒とするインクでは、有機溶剤系に
比べ溶媒の誘電係数が高いため、このようなイオン交換
が起こりやすいものと思われる。
【0025】これに対し、本発明では、前記特定のカチ
オン化合物を使用することにより、添加されたカチオン
化合物とイオン交換が生じても、これらの化合物が脱離
した対イオンとイオン交換してユウロピウムに配位する
ため、発光強度の低下を抑制でき、また式(4)で表さ
れるような大きな立体障害構造を有するため、上記のイ
オン交換自体も生じ難く、この点でも好ましいものと思
われる。
【0026】本発明において、上記の式(4)で表され
るカチオン化合物は、あまりに多すぎると色素の安定性
を阻害するばかりでなく、印字物の耐水性などを低下さ
せるため、色素に対し、前記カチオンとアニオンとの塩
の形態で、0.01〜100重量倍、好ましくは0.1
〜50重量倍の使用量とするのがよい。
【0027】本発明のインク組成物において、上記カチ
オン化合物を含ませる場合、さらにpH調製剤を添加す
るのが好ましい。これは、上記カチオン化合物が低いp
Hを有し、インクのpHを低下させて色素の分解を促進
するおそれがあるため、pH調整剤により色素が分解し
ない雰囲気とする必要があるからである。このようなp
H調整剤には、ジエタノ―ルアミン、トリエタノ―ルア
ミン、トリエチレンテトラミンなどのアミン化合物のほ
か、アミド化合物、炭酸塩などが挙げられる。添加量と
しては、上記のカチオン化合物に対して、0.01〜5
重量倍、好ましくは0.08〜2重量倍とするのがよ
い。
【0028】本発明のインク組成物は、これを被印刷物
としてポリエチレンテレフタレ―トフイルムなどのイン
クを吸収しない非吸収性物品に印刷する場合には、フツ
素系界面活性剤を添加しておくのが好ましい。水系イン
ク組成物は表面張力が低く、上記の非吸収性物品では、
インクの濡れ性がよいため、にじみが生じやすいが、フ
ツ素系界面活性剤を含ませると、上記濡れ性が低下して
にじみを抑制できる。このようなフツ素系界面活性剤に
は、旭硝子社製の「サ―フロン」、3M社製の「フロラ
―ド」、大日本インキ社製の「メガフアツク」などがあ
る。フツ素系界面活性剤の使用量は、多すぎるとインク
の泡立ちが生じやすくなるため、インク組成物中、0.
01〜2重量%とするのが好ましい。
【0029】本発明のインク組成物の調製は、溶媒の種
類などに応じて、適宜の方法で行えばよい。たとえば、
エタノ―ルを主溶媒とし少量のアセトンなどの他の有機
溶剤を併用するときは、まず、上記他の有機溶剤に色素
を溶解させ、これをエタノ―ルで希釈したのち、ポリビ
ニル系樹脂およびリン系有機化合物とさらに前記所要の
添加剤を加えて溶解ないし分散させればよい。また、水
を主溶媒とするときは、水中に色素をこれ単独でまたは
有機微粒子などに被着させた状態で分散させ、またポリ
ビニル系樹脂およびリン系有機化合物とさらに前記所要
の添加剤を溶解ないし分散させればよく、分散に際して
は、適宜の分散剤を使用してもよいし、使用しなくても
よい。
【0030】このように調製されるインク組成物におい
て、各成分の使用量はとくに限定されないが、通常は、
色素が0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量
%、ポリビニル系樹脂が1〜30重量%、好ましくは3
〜20重量%、リン系有機化合物が0.01〜10重量
%、好ましくは0.1〜5重量%、その他の添加剤が1
0重量%以下、好ましくは5重量%以下、残りが溶媒と
なるようにするのがよい。とくに、ポリビニル系樹脂が
多すぎると色素量が減少し、発光量が低下するととも
に、インク組成物の増粘を招きやすく、逆に少なすぎる
と色素が不均一な分散となりやすいので、好ましくな
い。このインク組成物は、物品への印刷後に全体として
透明であることが望まれるが、印刷すべき物品の下地色
と同一であつて、印刷層の存在を肉眼で認識できない限
り、適宜の色を呈していてもよい。
【0031】本発明においては、このインク組成物をマ
―カ―ペンやインクジエツトプリンタなどによつて葉書
などの郵便物をはじめとする各種物品の表面に印刷し
て、バ―コ―ドなどの所望のマ―クからなる印刷層を形
成し、印刷物とする。その際、上記のインク組成物は、
人体に対して安全な水系溶媒、つまり水または/および
エタノ―ルを主溶媒としているため、使用環境になんら
制限を受けず、密閉されたオフイスなどでも安全に作業
できる。また、とくにエタノ―ルを主溶媒としたもの
は、印刷時の乾燥性にもすぐれ、印刷作業性にすぐれた
ものとなる。
【0032】このように作製される印刷物は、上記の印
刷層が透明であるか、下地色と同一のために、物品の外
観が損なわれず、しかもこのように可視光領域で実質的
に不可視であるが、紫外線を照射すると励起されて61
5±20nmで発光する、たとえば赤色に発光するた
め、これを光電変換素子としてシリコンフオトダイオ―
ドなどを用いた読み取りリ―ダで検出すれば、所望のマ
―ク情報を、物品の下地色に影響されることなく、高密
度で読み取ることができる。
【0033】図1は、上記読み取り方式の一例を示した
ものであつて、読み取りリ―ダは、光学系Aと読み取り
回路Bとからなる。光学系Aは、紫外線ランプ1、光学
レンズ2、光学フイルタ3、スリツト4、シリコンフオ
トダイオ―ドに代表される光電変換素子を備えた光電変
換部5により構成されている。読み取り回路Bは、信号
増幅・2値化物6と、認識部7とにより構成されてい
る。
【0034】光学系Aでは、郵便物などの物品11の表
面にバ―コ―ドなどの所望のマ―クからなる印刷層12
を形成した印刷物10に対し、紫外線ランプ1より紫外
線を照射して印刷層12を励起させ、その発光を光学レ
ンズ2で集光する一方、光学フイルタ3により上記ラン
プ1による印刷物10からの紫外線の反射光を除去して
上記発光のみを透過させ、さらにスリツト4によつて印
刷層12のバ―コ―ド間の発光を分解し、光電変換部5
により上記発光を電気信号fとして検出する。読み取り
回路Bでは、このように検出した電気信号fを信号増幅
・2値化物6により増幅・2値化し、この2値化信号g
を認識部7を通してシリアルインタ―フエイスからデ―
タ処理部に読み取りデ―タjとして送出する。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、さらに
具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるもの
ではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を
意味するものとする。また、実施例で使用する炭化水素
基の分岐成分が5%以下のホスフィン化合物は、比較例
で使用した分岐成分5%以上の化合物を再結晶法により
分離精製して使用した。また、分岐成分の含有率はガス
クロマトグラフィーを使用して確認した。
【0036】実施例1 メチルイソブチルケトン5部に、可視光領域で実質的に
不可視であつて、紫外線により励起されて発光する色素
(リ―デルデハ―ン社製の商品名「CD335」、発光
中心元素:ユウロピウム、発光中心波長:615nm、
配位子:テノイルトリフルオロアセトン)1部を溶解
し、これをエタノ―ル80.9部により希釈した(溶媒
中のエタノ―ル含有量:約94重量%)。これにビニル
ピロリドン−酢酸ビニル共重合体(ISP社製の「PV
P/VA E735」)10部を加え、さらにトリn−
ブチルホスフインオキサイド(pH4.2、分岐成分含
有率0.7%)1部、テトラフエニルホスホニウムブロ
マイド2部、トリエタノ―ルアミン0.01部、フツ素
系界面活性剤(3M社製の「フロラ―ドFC430」)
0.1部を加え、よく攪拌混合して、紫外線励起型のイ
ンク組成物を調製した。
【0037】実施例2 酢酸エチル5部に、可視光領域で実質的に不可視であつ
て、紫外線により励起されて発光する色素(三井化学社
製の商品名「ER−120」、発光中心元素:ユウロピ
ウム、発光中心波長:612nm、配位子:メチルベン
ゾイルトリフルオロアセトン)1部を溶解し、これをエ
タノ―ル87.9部により希釈した(溶媒中のエタノ―
ル含有量:約95重量%)。これにポリビニルブチラ―
ル樹脂(積水化学社製の「BMS」)3部を加え、さら
にトリn−ブチルホスフインオキサイド(pH4.2、
分岐成分含有率0.7%)1部、テトラブチルアンモニ
ウムブロマイド2部、トリエタノ―ルアミン0.01
部、フツ素系界面活性剤(3M社製の「フロラ―ドFC
431」)0.1部を加え、よく攪拌混合して、紫外線
励起型のインク組成物を調製した。
【0038】実施例3 メチルエチルケトン5部に、可視光領域で実質的に不可
視であつて、紫外線により励起されて発光する色素(リ
―デルデハ―ン社製の商品名「CD335」、発光中心
元素:ユウロピウム、発光中心波長:615nm、配位
子:テノイルトリフルオロアセトン)1部を溶解し、こ
れをエタノ―ル80.9部により希釈した(溶媒中のエ
タノ―ル含有量:約94重量%)。これにビニルピロリ
ドン−酢酸ビニル共重合体(ISP社製の「PVP/V
A E335」)10部を加え、さらにトリn−ブチル
ホスフインオキサイド(pH4.2、分岐成分含有率
0.7%)1部、テトラブチルホスホニウムベンゾトリ
アゾレイト2部、トリエタノ―ルアミン0.01部、フ
ツ素系界面活性剤(大日本インク社製の「F−172
D」)0.1部を加え、よく攪拌混合して、紫外線励起
型のインク組成物を調製した。
【0039】実施例4 トリn−ブチルホスフインオキサイド(pH4.2、分
岐成分含有率0.7%)1部に代えて、トリn−ブチル
ホスフインサルフアイド(pH5.0、分岐成分含有率
1.0%)1部を使用した以外は、実施例1と同様にし
て、紫外線励起型のインク組成物を調製した。
【0040】実施例5 トリn−ブチルホスフインオキサイド(pH4.2、分
岐成分含有率0.7%)1部に代えて、トリn−ブチル
ホスフイン(pH7.1、分岐成分含有率0.8%)1
部を使用した以外は、実施例1と同様にして、紫外線励
起型のインク組成物を調製した。
【0041】実施例6 特公平6−15269号公報に記載の方法により、可視
光領域で実質的に不可視であつて、紫外線により励起さ
れて発光する色素を合成した。すなわち、ナフトイルト
リフルオロアセトン8部、トリフエニルホスフインオキ
サイド5.6部にエタノ―ル200部を加え、加熱溶解
したのち、1Nの水酸化ナトリウム水溶液30部を加え
て中和し、これを30〜40℃に保ちながら、1モル/
リツトルのユウロピウム(III )塩水溶液10部を攪拌
しながら滴下し、冷却後生成した錯体を分別して、色素
を合成した。この色素は、発光中心波長が620nmで
あり、ガスクロマトグラフイ―質量分析および蛍光X線
分析により、ユウロピウムを発光中心元素とし、ナフト
イルトリフルオロアセトンを配位子とする色素であるこ
とが確認された。このユウロピウムを含む色素1部を使
用した以外は、実施例1と同様にして、紫外線励起型の
インク組成物を調製した。
【0042】実施例7 トリn−ブチルホスフィンオキサイド(pH4.2、分
岐成分含有率0.7%)1部に代えて、トリn−オクチ
ルホスフィンオキサイド(pH4.2、分岐成分含有率
1.6%)1部を使用したことを除き、実施例1と同様
にして、紫外線励起型のインク組成物を調製した。
【0043】実施例8 トリn−ブチルホスフィンオキサイド(pH4.2、分
岐成分含有率0.7%)1部に代えて、トリn−オクチ
ルホスフィンオキサイド(pH4.2、分岐成分含有率
3.2%)1部を使用したことを除き、実施例1と同様
にして、紫外線励起型のインク組成物を調製した。
【0044】比較例1 アセトン5部に、可視光領域で実質的に不可視であつ
て、紫外線により励起されて発光する色素(リ―デルデ
ハ―ン社製の商品名「CD335」、発光中心元素:ユ
ウロピウム、発光中心波長:615nm、配位子:テノ
イルトリフルオロアセトン)0.5部を溶解し、これを
エタノ―ル91.5部により希釈した(溶媒中のエタノ
―ル含有量:約95重量%)。これにロジン樹脂(荒川
化学社製の「タマノルNo.32」)7部と、硝酸リチ
ウム1部を加え、よく攪拌混合して、紫外線励起型のイ
ンク組成物を調製した。
【0045】比較例2 ロジン樹脂(荒川化学社製の「タマノルNo.32」)
7部に代えて、アクリル樹脂(星光化学社製の「AW−
36H」)7部を使用した以外は、比較例1と同様にし
て、紫外線励起型のインク組成物を調製した。
【0046】比較例3 ロジン樹脂(荒川化学社製の「タマノルNo.32」)
7部に代えて、スチレン−マレイン酸共重合樹脂(荒川
化学社製の「KG613」)7部を使用した以外は、比
較例1と同様にして、紫外線励起型のインク組成物を調
製した。
【0047】比較例4 トリn−ブチルホスフィンオキサイド(pH4.2、分
岐成分含有率0.7%)1部に代えて、トリn−ブチル
ホスフィンオキサイド(pH4.2、分岐成分含有率
7.6%)1部を使用したことを除き、実施例1と同様
にして、紫外線励起型のインク組成物を調製した。
【0048】比較例5 トリn−ブチルホスフィンオキサイド(pH4.2、分
岐成分含有率0.7%)1部に代えて、トリn−オクチ
ルホスフィンオキサイド(pH4.2、分岐成分含有率
5.1%)1部を使用したことを除き、実施例1と同様
にして、紫外線励起型のインク組成物を調製した。
【0049】上記の実施例1〜8および比較例1〜5の
各インク組成物を、インクジエツトプリンタ(日立社製
の「GX−PA」)により、白、青、赤、黄色の4種類
の紙に、バ―コ―ド印刷した。なお、上記の各インク組
成物は実質的に透明なため、上記の印刷により、各下地
の色をほとんど損なうことはなかつたが、比較例2のイ
ンク組成物は、印字後にインクジエツトプリンタ―ヘツ
ドに目詰まりが観察された。この印刷物を、前記の図1
に示す読み取りリ―ダにより、紫外線を照射し印刷層中
の色素を励起させて、上記バ―コ―ドの読み取り試験を
行つた。その結果、いずれの紙上においても、読み取り
可能であることを確認した。
【0050】この結果より、本発明のインク組成物によ
れば、下地の外観を損なうことなく印刷でき、かつ下地
の色に影響されることなく印刷情報を高感度で読み取れ
ることがわかつた。また、上記の各インク組成物は、エ
タノ―ルを主溶媒としているため、人体に対し安全で、
印刷時の乾燥性にもすぐれ、たとえば、各インク組成物
をポリエチレンテレフタレ―トフイルム上に印刷し、こ
の印刷後60秒放置後に指で印刷面を擦つても、印刷層
が擦りとられることはなかつた。
【0051】次に、上記の実施例1〜6および比較例1
〜5の各インク組成物について、発光強度および高温保
存特性を調べるため、インクの状態で紫外線を照射し
て、蛍光出力を測定した。蛍光出力は、各インク組成物
を透明ガラスビンに入れ、励起中心波長365nmの紫
外線ランプを用いて照射し、対物レンズでインクからの
蛍光発光を受光し、分光器により分光したのち、光電子
増倍管により測定した。下記の表1に、各インク組成物
のインク調製初期時の蛍光出力と、60℃の恒温槽に4
00時間保存したのちの蛍光出力とを、実施例3の初期
時の蛍光出力を100%としたときの相対値で示した。
【0052】更に、上記実施例1〜6および比較例1〜
5の各インク組成物について、室温1年保存した場合と
60℃1600時間保存した際の、沈殿物(モヤ)発生
の有無を目視で確認した。沈殿物が発生せずクリアな状
態のものを○、沈殿物が発生している場合を×として評
価した。
【0053】
【表1】
【0054】上記表1の結果から、本発明の色素とポリ
ビニル系樹脂とpH4以上、炭化水素基が分岐成分が5
%以下の特定のリン系有機化合物とを使用し、また特定
のカチオン化合物を用いた実施例1〜6の各インク組成
物は、初期の蛍光出力が高く、すぐれた発光強度を有
し、高温保存後でも初期の発光強度の低下が抑えられた
インク組成物であることがわかる。これに対し、比較例
1〜3のインク組成物は、ポリビニル系樹脂以外の樹脂
を用い、また上記特定のリン系有機化合物やカチオン化
合物を含まないため、初期の蛍光出力が低く、かつ保存
後に蛍光出力の劣化が大きくなつている。比較例4〜5
の炭化水素基が分岐成分が5%を越えるリン系有機化合
物を使用した場合にはモヤ(沈殿物)が発生した。
【0055】つぎに、上記の実施例1〜8および比較例
4〜5の各インク組成物について、室温に保存した際
の、沈殿物(モヤ)発生までの時間を調べた。モヤの発
生の有無は1月に1度の割合で目視で調べた。モヤの発
生が確認された時間を下記の表2に示した。なお、表2
に「1.5年以上」と記載した試料は1.5年が経過し
てもモヤの発生がないことを示す。
【0056】
【表2】
【0057】上記表2の結果から、炭化水素基の分岐成
分含有率が5%以下のリン系有機化合物を使用した場合
(実施例1〜8)には1年以上モヤの発生がないのに対
して、炭化水素基の分岐成分が5%を越えるリン系有機
化合物を使用した場合(比較例4〜5)には5月以内に
モヤ(沈殿物)が発生した。通常1年以上モヤが発生し
なければ実用上問題がないと言われており、炭化水素基
の分岐成分含有率が5%以下のリン系有機化合物を使用
した本発明のインク組成物の保存特性は実用上問題のな
いレベルにある。更に炭化水素基の分岐成分含有率が1
%以下のリン系有機化合物を使用した場合(実施例1〜
6)には1.5年以上モヤの発生がなく、長期保存特性
が非常に優れている。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、可視
光領域で実質的に不可視であつて、紫外線により励起さ
れて615±20nmに発光中心波長を有するユウロピ
ウムを含む色素と、ポリビニル系樹脂とを含有するとと
もに、ホスフインオキサイド化合物、ホスフインサルフ
アイド化合物およびホスフイン化合物の中から選ばれる
少なくとも1種のリン系有機化合物を含有し、かつ水ま
たは/およびエタノ―ルを溶媒中94重量%以上含有す
るインク組成物において、前記リン系有機化合物中の炭
化水素基の分岐成分が5%以下の特定のリン系有機化合
物を使用したことにより、物品上に印刷しても物品の外
観を損ねることがなく、しかも上記印刷されたマ―クを
下地の色に影響されることなく高感度で検出でき、その
うえ人体に対して安全であつて、使用環境になんら制限
を受けず、さらに初期の発光量が大きく、かつ高温保存
後にも発光量の低下が少ないと共に、高温長期保存後も
モヤの発生がない、紫外線励起型のインク組成物とその
印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク組成物による印刷物の読み取り
方式を示す模式図である。
【符号の説明】
1 紫外線ランプ 2 光学レンズ 3 光学フイルタ 4 スリツト 5 光電変換部 6 信号増幅・2値化部 7 認識部 10 印刷物 11 郵便物などの物品 12 印刷層(バ―コ―ドなどのマ―ク) f 電気信号 g 2値化信号 j 読み取りデ―タ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 幸憲 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA55 BA59 4J039 AD06 AD07 AD08 AD23 BA39 BC06 BC07 BC54 BC56 BC59 BE01 BE12 BE22 CA03 CA06 EA06 EA44 GA24 GA26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光領域で実質的に不可視であつて、
    紫外線により励起されて615±20nmに発光中心波
    長を有するユウロピウムを含む色素と、ポリビニル系樹
    脂とを含有するとともに、ホスフインオキサイド化合
    物、ホスフインサルフアイド化合物およびホスフイン化
    合物の中から選ばれる少なくとも1種のリン系有機化合
    物を含有し、かつ水または/およびエタノ―ルを溶媒中
    94重量%以上含有するインク組成物において、前記リ
    ン系有機化合物中の炭化水素基の分岐成分が5%以下で
    あることを特徴とするインク組成物。
  2. 【請求項2】 ホスフインオキサイド化合物が、下記の
    式(1); (式中、R1 〜R3 は炭素数1〜12の直鎖状または環
    状の炭化水素基であり、これらは同一であつても異なつ
    ていてもよく、互いに結合した環状構造であつてもよ
    い) で表される化合物である請求項1に記載のインク組成
    物。
  3. 【請求項3】 ホスフインサルフアイド化合物が、下記
    の式(2); (式中、R4 〜R6 は炭素数1〜12の直鎖状または環
    状の炭化水素基であり、これらは同一であつても異なつ
    ていてもよく、互いに結合した環状構造であつてもよ
    い) で表される化合物である請求項1に記載のインク組成
    物。
  4. 【請求項4】 ホスフイン化合物が、下記の式(3); (式中、R7 〜R9 は炭素数1〜12の直鎖状または環
    状の炭化水素基であり、これらは同一であつても異なつ
    ていてもよく、互いに結合した環状構造であつてもよ
    い) で表される化合物である請求項1に記載のインク組成
    物。
  5. 【請求項5】 物品上に請求項1〜4のいずれかに記載
    のインク組成物からなる印刷層を有することを特徴とす
    る印刷物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1288268A1 (en) * 2001-08-31 2003-03-05 Orient Chemical Industries, Ltd. Blue luminous ink composition
JP2005272832A (ja) * 2004-02-25 2005-10-06 Shachihata Inc ステルス型インキ組成物及び真偽判定方法
JP2009119848A (ja) * 2007-10-23 2009-06-04 Seiko Epson Corp 液体噴射装置及び液体噴射方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005272832A (ja) * 2004-02-25 2005-10-06 Shachihata Inc ステルス型インキ組成物及び真偽判定方法
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