JP2001106739A - オレフィン系樹脂組成物及びこれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

オレフィン系樹脂組成物及びこれを含有する熱可塑性樹脂組成物

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JP2001106739A
JP2001106739A JP29070299A JP29070299A JP2001106739A JP 2001106739 A JP2001106739 A JP 2001106739A JP 29070299 A JP29070299 A JP 29070299A JP 29070299 A JP29070299 A JP 29070299A JP 2001106739 A JP2001106739 A JP 2001106739A
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Tadashi Ueda
正 植田
Yoshio Kato
容志夫 加藤
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、ブリード、プレートアウト(ロール
汚れ)、耐候性、及び透明性に優れたオレフィン系樹脂
組成物及びこれに基づく耐候性の良好な熱可塑性樹脂組
成物の提供。 【解決手段】 下記の成分(A)〜(C)を含有する混
合物をラジカル反応条件下で反応させて得られるオレフ
ィン系樹脂組成物。 (A)オレフィン系樹脂 100重量部 (B)光安定化能を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル 0.1〜20重量部 (C)芳香族ビニル化合物 0.1〜50重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光安定化能を有す
るα, β−不飽和カルボン酸エステル及び芳香族ビニル
化合物をラジカル反応条件下でオレフィン系樹脂に反応
させて得られる変性オレフィン系重合体を含むオレフィ
ン系樹脂組成物に関する。本発明はまた、上記オレフィ
ン系樹脂組成物を含有する、成形性、耐候性、表面外観
が良好で、農業用フィルム、建材、包装袋等の長期間の
耐候性が要求される用途において特に有用な熱可塑性樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外装用建材や建材用化粧シート、農業用
フィルムや食品包装フィルム等の材料としては、透明
性、二次加工性、耐白化性及び耐候性等の性能をバラン
ス良く有する塩化ビニル系樹脂が従来より広く用いられ
ている。しかしながら、塩化ビニル系樹脂は、焼却時に
塩化水素等のガスを発生し、焼却炉によっては炉材の損
傷を引き起こすことがある等の問題があり、その代替品
としてオレフィン系樹脂を使用する例が見られるように
なっている。
【0003】オレフィン系樹脂は、低コストで機械的強
度、耐熱性、耐油性等に優れ、かつ透明性等の外観にも
優れているため、各種の成形法で成形されて、フィル
ム、繊維、成形品などの広範囲な用途に使用されている
が、建材用、農業用シートまたはフィルム分野といった
長期間の耐候性が要求される分野では、オレフィン系樹
脂に加えて、光安定剤等の各種の添加剤が使用される。
しかしながら、このような添加剤の分子量は、基材であ
るオレフィン系樹脂に比べて相対的に小さく、また樹脂
との相溶性が不十分なものも多いため、成形中にこれら
が揮散してしまい十分な耐候性改良効果が得られなかっ
たり、そのブリードやプレートアウトによる加工設備、
特にロールの汚染やその汚染の転写等による製品外観の
不良等の問題があった。
【0004】そこで、ブリードやプレートアウトを起こ
しにくくするために、光安定化能を有する官能基を持つ
単量体とオレフィン系単量体との共重合体が提案されて
いる。この方法によって、一定程度の改良効果を得るこ
とができるが、使用できるオレフィン系単量体種には制
限があり、また共重合反応によりポリオレフィン骨格に
導入可能な光安定化剤の量は、単量体の反応性により制
限される等の問題があるため、用途によっては耐候性が
不十分な場合も見られた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な問題点のない、成形性、ブリード、プレートアウト
(ロール汚れ) 、耐候性、及び透明性に優れたオレフィ
ン系樹脂組成物及びこれに基づく耐候性の良好な熱可塑
性樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
成分(A)〜(C)を含有する混合物をラジカル反応条
件下で反応させて得られるオレフィン系樹脂組成物に存
している。 (A)オレフィン系樹脂 100重量部 (B)光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル 0.1〜20重量部 (C)芳香族ビニル化合物 0.1〜50重量部 また、本発明の要旨は、成分(A)のオレフィン系樹脂
がプロピレン系樹脂である上記のオレフィン系樹脂組成
物、成分(B)の光安定化能を有するα, β−不飽和カ
ルボン酸エステルが、ヒンダードアミン化合物である上
記のオレフィン系樹脂組成物にも存しており、また成分
(A)〜(C)を含有する混合物をラジカル発生剤の存
在下で溶融混練することにより得られる上述のオレフィ
ン系樹脂組成物にも存している。
【0007】更に、本発明のもう一つの要旨は、熱可塑
性樹脂と上記のオレフィン系樹脂組成物とを含有する熱
可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂とオレフィ
ン系樹脂組成物との合計量を100重量%とした時に、
オレフィン系樹脂組成物の含有量が0.1〜50重量%
である熱可塑性樹脂組成物、及びこの熱可塑性樹脂組成
物からなるフィルム又はシートにも存している。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)オレフィン系樹脂組成物の各成分成分(A):オレフィン系樹脂 本発明の組成物の原料として用いるオレフィン系樹脂
は、炭素原子数2〜12、好ましくは2〜8のα−オレ
フィンの単独重合体又はそれらを主成分とする共重合体
である。これらのα−オレフィンの具体例としては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−
メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテ
ン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1
−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメ
チル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、アリ
ルシクロペンタン、アリルシクロヘキサン、アリルベン
ゼン、3−シクロヘキシル−1−ブテン、ビニルシクロ
プロパン、ビニルシクロヘキサン、2−ビニルビシクロ
[2.2.1]−ヘプタンなどを挙げることができる。
これらのα−オレフィンは1種類を用いても、また、2
種以上を用いても差し支えない。
【0009】これらのα−オレフィンのうちで好ましい
ものとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−
1−ヘキセン等であり、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、3−メチル−1−ブテン又は4−メチル−1−ペ
ンテンが更に好ましい。
【0010】上記のようなオレフィン系樹脂の中でもプ
ロピレン系樹脂、即ちプロピレン単独重合体及びプロピ
レンを主体とする他のα−オレフィンとの共重合体が特
に好ましく、具体的にはアイソタクティックポリプロピ
レン、シンジオタクティックポリプロピレン、プロピレ
ン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等
が挙げられる。また、これらのプロピレン系樹脂を混合
して用いることもできる。成分(B):光安定化能を有するα, β−不飽和カルボ
ン酸エステル 成分(B)の光安定化能を有するα, β−不飽和カルボ
ン酸エステルとしては、光安定化能を示す官能基を1個
以上分子中に有するα, β−不飽和カルボン酸エステル
であれば特に限定されることなく使用できる。光安定化
能を示す官能基としてはピペリジン環を有するものが好
ましく、特に下記式(1)で示される構造式を有する、
いわゆるヒンダードアミン系化合物が好ましい。
【0011】
【化1】
【0012】上記の式(1)において置換基R1 は水素
原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基又はアルコキシ
基であり、R2 はα, β−不飽和カルボン酸エステル基
を有する置換基である。α, β−不飽和カルボン酸残基
の代表的な例としては例えば、アクリル酸、メタクリル
酸等のモノカルボン酸の残基やマレイン酸、フマル酸等
のジカルボン酸の残基が挙げられ、中でもアクリル酸又
はメタクリル酸の残基が好ましい。なおジカルボン酸の
残基の場合、そのエステル結合の数はモノエステル及び
ジエステルのどちらでもよい。このような光安定化能を
有するα, β−不飽和カルボン酸エステルの具体例とし
ては、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−
1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メ
タクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
【0013】成分(C):芳香族ビニル化合物 本発明の組成物において成分(C)として用いられる芳
香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、α−メトキシスチレン、メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレ
ン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレ
ン、ニトロスチレン、クロルメチルスチレン、シアノス
チレン、t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙
げられ、中でもスチレン、α−メチルスチレン、メチル
スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は単
独で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0014】(2)オレフィン系樹脂組成物の組成 本発明のオレフィン系樹脂組成物の原料となる混合物中
の各成分の配合量としては、成分(A)のポリオレフィ
ン樹脂の使用量を100重量部としたとき、成分(B)
の光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステ
ルの配合量は、0.1〜20重量部、好ましくは0.5
〜15重量部の範囲であり、また成分(C)の芳香族ビ
ニル化合物の配合量は、0.1〜50重量部、好ましく
は0.5〜30重量部の範囲である。
【0015】成分(B)の配合量が0.1重量部未満の
場合は、添加の目的である耐光安定性が不足する。一
方、配合量が20重量部を超えても、量の増加に見合う
効果の向上は見られず、逆にこれらがブリード等の原因
となる可能性が大きくなり好ましくない。成分(C)の
配合量が0.1重量部未満では、成分(B)の成分
(A)との反応性が低下してしまい、未反応体の残留が
起きやすくなり、得られた組成物を成形加工する際に、
ロールが汚れたり、ブリードアウトによって成形品の外
観が悪化することがある。一方、成分(C)を50重量
部を超えて配合した場合は、ポリオレフィン樹脂の柔軟
性が阻害されたり、得られる組成物の透明性が悪化する
ことがあるので、やはり好ましくない。なお、成分
(B)の光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸
エステルに対する成分(C)の芳香族ビニル化合物の重
量比率は1/99〜99/1の範囲、好ましくは10/
90〜90/10の範囲が好適である。
【0016】(3)ラジカル発生剤 上述の各成分を含有する混合物をラジカル反応条件下で
反応させて本発明のオレフィン系樹脂組成物を得ること
ができる。このラジカル反応を行わせるために用いるラ
ジカル発生剤としては、例えばt−ブチルヒドロパーオ
キシド、クメンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル
ヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキシド、ジ
クミルパーオキシド、1,3−ビス(t−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキシド、
メチルエチルケトンパーオキシド、過酸化カリウム、過
酸化水素等の有機及び無機過酸化物、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イソブチ
ルアミド)ジハライド、2,2′−アゾビス[2−メチ
ル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド]、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物、及びジクミ
ル等の炭素ラジカル発生剤等が例示できる。これらのラ
ジカル発生剤は、成分(B)の光安定化能を有するα,
β−不飽和カルボン酸エステルの種類や反応条件に応じ
て適宜選択すればよく、また2種以上を併用してもよ
い。このラジカル発生剤は有機溶剤等に溶解して用いる
こともできる。
【0017】ラジカル発生剤の使用量としては、上記成
分(A)のオレフィン系樹脂100重量部に対して0.
01〜30重量部、好ましくは0.05〜10重量部の
範囲とするのがよい。ラジカル発生剤の使用量が0.0
1重量部未満では、成分(B)の成分(A)への付加量
が低下してしまい、未反応体の残留が起きやすくなり好
ましくない。一方、30重量部を超えて使用すると、例
えばポリプロピレン系樹脂では主鎖切断による劣化が進
行し、ポリエチレン系樹脂ではゲル化が著しくなるな
ど、オレフィン系樹脂が本来有する特性を著しく損なう
ためやはり好ましくない。
【0018】(4)オレフィン系樹脂組成物の調製 本発明のオレフィン系樹脂組成物は、上述の各成分をラ
ジカル反応条件下で反応させて調製されるが、その調製
に際しては、溶融混練法、溶液法、及び懸濁法等の方法
が特に限定することなく使用できるが、溶融混練法を用
いるのが好ましい。溶融混練法に用いる混練機として
は、ラボプラストミル、一軸または二軸押出機等の押出
機、横型二軸多円板装置、横型二軸表面更新機等の横型
二軸撹拌機、ダブルヘリカルリボン撹拌機等の縦型二軸
撹拌機等が挙げられる。溶融混練の温度は、ラジカル発
生剤からラジカルが生成し、かつオレフィン系樹脂が溶
融状態になる温度であれば特に限定されないが、用いる
オレフィン系樹脂の劣化防止を考慮すれば300℃以下
が好ましい。混練時間は、0.1〜10分、好ましくは
0.5〜5分の範囲とするのがよい。
【0019】各配合成分及びラジカル発生剤の添加方法
としては、予め成分(A)のオレフィン系樹脂とその他
の成分を一括混練してドライブレンドとする方法、成分
(B)、(C)又はラジカル発生剤のいずれかと成分
(A)のオレフィン系樹脂とをドライブレンドしておい
て、これを溶融混練する途中で残る成分を添加する方
法、あるいは溶融状態となった成分(A)のオレフィン
系樹脂にその他の配合成分とラジカル発生剤とを添加混
合する方法等がある。なお、混練時の粘度調節や反応効
率向上を目的としてキシレン等の有機溶剤を、例えばオ
レフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部
程度添加してもよい。また未反応物や添加した溶剤等を
除去するために、前記の混練機や撹拌機の内部を13.
3〜1333Pa程度の減圧にしてもよい。また溶液法
を用いる場合は、沸点が100℃以上のハロゲン置換又
は非置換の芳香族炭化水素系の溶剤、例えばクロルベン
ゼン、キシレン等に各成分を溶解し、通常80〜120
℃程度の温度で、2〜8時間程度反応させる方法を用い
ることができる。
【0020】(5)熱可塑性樹脂組成物 上記のようにして調製されるオレフィン系樹脂組成物
は、その光安定化能を活かして、他の熱可塑性樹脂に添
加して組成物として用いることができる。用いることが
できる熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、スチ
レン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。中で
も、オレフィン系樹脂が好ましく、特にポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体が好ましい。特に、
本発明のオレフィン系樹脂組成物を製造する際に使用し
たものと同じ種類のオレフィン系樹脂を用いると、相溶
性が良好であるだけでなく、耐候性の改良効果も大きく
なるので好ましい。
【0021】熱可塑性樹脂組成物中の本発明のオレフィ
ン系樹脂組成物の含有量は、熱可塑性樹脂と本発明のオ
レフィン系樹脂組成物との合計量を100重量%とした
時に、0.1〜50重量%であるのが好ましく、0.5
〜30重量%であるのが更に好ましい。またこの熱可塑
性樹脂組成物には、目的に応じて各種の添加剤、例えば
紫外線吸収剤、酸化防止剤、中和剤、増核剤、滑剤、流
動性改良剤、離型剤、充填剤、無機フィラー、着色剤等
を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
上記の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の成形に通
常用いられる成形方法、即ち押出成形法、射出成形法、
圧縮成形法、カレンダー加工法などにより所望の形状に
成形できる。また、この組成物をTダイ成形、インフレ
ーション成形等して得られるフィルム又はシートは、耐
候性、表面外観が良好であるので、農業用フィルム、建
材、包装袋等の長期間の耐候性が要求される用途に用い
るのに特に好適である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。なお、以下の実
施例・比較例においては「部、%」は特記するものを除
き重量基準の値を示す。
【0023】(1)オレフィン系樹脂組成物の製造 <製造例1>成分(A)粉末状ポリプロピレン(日本ポ
リケム株式会社製、商品名「TA8」、MFR=0.8
g/10分)100重量部、成分(B)反応性光安定剤
としてヒンダードアミン構造を有するα, β−不飽和カ
ルボン酸エステル(旭電化工業株式会社製、商品名「ア
デカスタブLA82」)5重量部、成分(C)芳香族ビ
ニル単量体としてスチレン5重量部を、ラジカル発生剤
のα, α'-ビス( t-ブチルパーオキシ) ジイソプロピ
ルベンゼン(日本油脂株式会社製、商品名「パーブチル
P」、以下「パーブチルP」と略記することがある)1
重量部とともにドライブレンドした後、二軸混練機(株
式会社日本製鋼所製、型番「TEX−30」)にて、1
80℃、回転数250rpm、吐出量10kg/hrの
条件で混練し、本発明のオレフィン系樹脂組成物を製造
した。
【0024】<製造例2>上記製造例1において、成分
(B)ヒンダードアミン構造を有するα, β−不飽和カ
ルボン酸エステルとして、旭電化工業株式会社製「アデ
カスタブLA82」に代えて、旭電化工業株式会社製
「アデカスタブLA87」(商品名)を5重量部用いた
こと以外は同様にして本発明のオレフィン系樹脂組成物
を製造した。 <製造例3>上記製造例1において、成分(A)粉末状
ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製、商品名「T
A8」)の使用量を95重量部とし、成分(C)のスチ
レンを添加しなかったこと以外は同様にして、本発明の
範囲外のオレフィン系樹脂組成物を製造した。
【0025】<製造例4>上記製造例2において、成分
(A)粉末状ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社
製、商品名「TA8」)の使用量を95重量部とし、成
分(C)のスチレンを添加しなかったこと以外は同様に
して、本発明の範囲外のオレフィン系樹脂組成物を製造
した。 <製造例5>上記製造例1において、成分(A)粉末状
ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製「TA3」、
MFR=10g/10分)の使用量を95重量部とし、
(B)成分に代えてヒンダードアミン構造を有するが、
反応性基であるα, β−不飽和カルボン酸エステル基を
有していない光安定剤(三共株式会社製、商品名「サノ
ールLS770」)5重量部を用いたこと以外は同様に
して混練を行って、本発明の範囲外のオレフィン系樹脂
組成物を製造した。
【0026】<製造例6>上記製造例5において、ヒン
ダードアミン構造を有するが、反応性基であるα, β−
不飽和カルボン酸エステル基を有していない光安定剤と
して、三共株式会社製「サノールLS770」に代えて
三共株式会社製「サノール LS944」(商品名)を
5重量部用いた以外は同様にして混練を行って、本発明
の範囲外のオレフィン系樹脂組成物を製造した。
【0027】(2)熱可塑性樹脂組成物及びフィルム/
シート <実施例1>ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会
社製、商品名「FX3」、MFR=7g/10分)9
3.1重量%と製造例1のオレフィン系樹脂組成物6.
9重量%とをドライブレンドした後、株式会社プラコー
製35φTダイ小型フィルム成形機を用いて、成形温度
260℃、押出機の回転数90rpm、ロール温度30
℃、引取速度7.5m/分の条件で成形して厚さ80μ
mのフィルムを作成した。
【0028】<実施例2>上記実施例1において、ポリ
プロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「F
X3」)の配合量を92.9重量%とし、製造例1のオ
レフィン系樹脂組成物に代えて製造例2のオレフィン系
樹脂組成物を7.1重量%用いたこと以外は同様にして
フィルムを作成した。
【0029】<比較例1>上記実施例1において、ポリ
プロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「F
X3」)の配合量を96重量%とし、製造例1のオレフ
ィン系樹脂組成物に代えて製造例3のオレフィン系樹脂
組成物を4重量%用いたこと以外は同様にしてフィルム
を作成した。
【0030】<比較例2>上記実施例1において、ポリ
プロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「F
X3」)の配合量を96重量%とし、製造例1のオレフ
ィン系樹脂組成物に代えて製造例4のオレフィン系樹脂
組成物を4重量%用いたこと以外は同様にしてフィルム
を作成した。
【0031】<比較例3>上記実施例1において、ポリ
プロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「F
X3」)の配合量を92.6重量%とし、製造例1のオ
レフィン系樹脂組成物に代えて製造例5のオレフィン系
樹脂組成物を7.4重量%用いたこと以外は同様にして
フィルムを作成した。
【0032】<比較例4>上記実施例1において、ポリ
プロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「F
X3」)の配合量を90.5重量%とし、製造例1のオ
レフィン系樹脂組成物に代えて製造例6のオレフィン系
樹脂組成物を9.5重量%用いたこと以外は同様にして
フィルムを作成した。
【0033】<比較例5>上記実施例1において、ポリ
プロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「F
X3」)の配合量を96重量%とし、製造例1のオレフ
ィン系樹脂組成物に代えて日本ポリケム株式会社製「K
OKANOX XJ100H」(エチレン/4−アクリ
ロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン共重合体、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン含量5wt%、MFR3g/
10分(190℃,荷重21.18N(2.16kg
f)))を4重量%用いたこと以外は同様にしてフィル
ムを作成した。
【0034】(3)評価方法 <オレフィン系樹脂組成物の評価>上記の製造例におい
て得られたオレフィン系樹脂組成物中の、成分(B)光
安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル
(以下「変性剤」と記す)の付加量及び該組成物のメル
トフローレート(MFR)を以下のようにして測定し
た。結果を表1に示す。
【0035】i)変性剤付加量 変性剤(反応性光安定剤)のオレフィン系樹脂への付加
量は、得られたオレフィン系樹脂組成物0.3gを14
0℃で20ミリリットルのキシレンに溶解し、このキシ
レン溶液をテトラヒドロフラン200ミリリットル中に
注加して得られる沈殿物(精製樹脂)をプレス成形して
得られたフィルムの赤外線吸収スペクトルにおける17
25cm-1付近のカルボニル基の吸収から、別途作成し
た検量線を用いて求めた。
【0036】ii)メルトフローレート(MFR) JIS K7210に従って、株式会社東洋精機製作所
製メルトインデクサを用いて温度230℃、荷重21.
18N(2.16kgf)にて測定した。なお、MFR
が100g/10分を越えるものに関しては、180℃
においてMFR測定を行い、別途作成した換算式を用い
て230℃における値に換算した。
【0037】<熱可塑性樹脂組成物の評価>上記の実施
例及び比較例で作成したフィルムについて、以下の方法
により成形性、耐候性、及び成形品外観を評価した。結
果を表2にまとめて示す。
【0038】i)成形性(ロール汚れ) Tダイ小型フィルム成形機によるフィルムの製造を10
分行った後の、巻き取りロールの汚れの付着状況を観察
し、下記の基準により評価した。 ○:ロール汚れが認められない △:ロール汚れが若干認められる。 ×:ロール汚れが著しい
【0039】ii)耐候性 得られた成形フィルムをMD方向に14.5cm×3.
5cmの大きさに切り出し、スガ試験機株式会社製「デ
ューパネル光コントロールウェザーメーター」(ブラッ
クパネル温度:63℃、紫外線照射:8時間、蒸気噴
霧:4時間)中で暴露試験を行い、フィルム表面に微細
なヒビが発生したこと又はフィルムを折り曲げた際にク
ラックが発生することが目視により確認できる状態に至
るまでの紫外線照射時間を観測し、下記の基準により評
価した。 ○:200 時間以上劣化せず。 ×:200 時間までに劣化。
【0040】iii )成形品外観(透明性とブリード特
性) 得られた成形フィルムのヘーズを、初期及び80℃熱風
オーブン中に2週間放置後に、JIS K7105に従
って測定した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】(4)結果の評価 上記の実施例及び比較例から次の点が明らかである。 ・成分(C)を含まない場合(製造例3→比較例1、製
造例4→比較例2)では、反応性を有する光安定化剤の
付加量が少ないため、残留する未反応体によりロール汚
れやヘーズが劣る。 ・成分(B)を含まない場合(製造例5→比較例3、製
造例6→比較例4)では、光安定化剤がブリードしたり
プレートアウトするため、ロール汚れやヘーズの悪化が
起こる。 ・本発明のオレフィン樹脂組成物に代えて、光安定性オ
レフィン系共重合体を用いた場合(比較例5)は、光安
定化能が不十分であった。
【0044】
【発明の効果】上述した通り、本発明のオレフィン系樹
脂組成物及びこれに基づく熱可塑性樹脂組成物は成形
性、ブリード、プレートアウト( ロール汚れ) 、耐候
性、及び透明性がいずれもバランスよく良好で、特に、
耐候性が要求される農業用、建材用、包装用に好適に使
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA20 AA77 AA78 AH01 AH03 BA01 BB04 BB05 BB06 BB09 BC01 4J002 AA011 BB001 BB121 BB202 BN032 GA01 GL00 4J011 AA05 PA43 PA44 PA64 PB24 4J026 AA11 AA13 BA04 BA05 BA06 BA29 BA39 BA40 DB05 DB12 DB13 GA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)〜(C)を含有する混
    合物をラジカル反応条件下で反応させて得られるオレフ
    ィン系樹脂組成物。 (A)オレフィン系樹脂 100重量部 (B)光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル 0.1〜20重量部 (C)芳香族ビニル化合物 0.1〜50重量部
  2. 【請求項2】 オレフィン系樹脂がプロピレン系樹脂で
    ある請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 光安定化能を有するα, β−不飽和カル
    ボン酸エステルが、ヒンダードアミン化合物である請求
    項1又は2に記載のオレフィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(A)〜(C)を含有する混合物を
    ラジカル発生剤の存在下で溶融混練することにより得ら
    れる請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン系
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂と請求項1〜4のいずれか
    1項に記載のオレフィン系樹脂組成物とを含有する熱可
    塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂とオレフィン
    系樹脂組成物との合計量を100重量%とした時に、オ
    レフィン系樹脂組成物の含有量が0.1〜50重量%で
    ある熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物か
    らなるフィルム又はシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018225709A1 (ja) * 2017-06-08 2018-12-13 タキロンシーアイ株式会社 屋外成型体用変性ポリオレフィン樹脂、それを用いた屋外成型体及びこれらの製造方法
JP2022001691A (ja) * 2016-08-22 2022-01-06 凸版印刷株式会社 発泡壁紙用原反及び発泡壁紙

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