JP3714054B2 - プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン系樹脂、紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル及び芳香族ビニル化合物をラジカル反応条件下に付して得られる紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂と、プロピレン系樹脂、光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル及び芳香族ビニル化合物をラジカル反応条件下に付して得られる光安定剤含有プロピレン系樹脂とを含むプロピレン系樹脂組成物に関する。
本発明はまた、上記の組成物に加えてプロピレン系樹脂を含有する、成形性、耐候性、紫外線吸収性、及び表面外観が良好で、農業用フィルム、建材、包装袋等の長期間の耐候性が要求される用途において特に有用なプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外装用建材や建材用化粧シート、農業用フィルムや食品包装フィルム等の材料としては、透明性、二次加工性、耐白化性及び耐候性等の性能をバランス良く有する塩化ビニル系樹脂が従来より広く用いられている。しかしながら、塩化ビニル系樹脂は、焼却時に塩化水素等のガスを発生し、焼却炉によっては炉材の損傷を引き起こすことがある等の問題があり、その代替品としてオレフィン系樹脂を使用する例が見られるようになっている。
【0003】
オレフィン系樹脂は、低コストで機械的強度、耐熱性、耐油性等に優れ、かつ透明性等の外観にも優れているため、各種の成形法で成形されて、フィルム、繊維、成形品などの広範囲な用途に使用されているが、建材用、農業用シートまたはフィルム分野といった長期間の耐候性が要求される分野では、オレフィン系樹脂に加えて、紫外線吸収剤や光安定剤等の各種の添加剤が使用される。
しかしながら、このような添加剤の分子量は、基材であるオレフィン系樹脂に比べて相対的に小さく、また樹脂との相溶性が不十分なものも多いため、成形中にこれらが揮散してしまい十分な耐候性改良効果が得られなかったり、そのブリードやプレートアウトによる加工設備、特にロールの汚染やその汚染の転写等による製品外観の不良等の問題があった。
【0004】
特に、長期間の使用を前提とする建材用化粧シート等の用途においては下地の印刷層の保護を目的として多量の紫外線吸収剤が配合されるので、これらの問題の解決は重要である。
これを解決するため、特開昭63−227575号公報において、分子内に重合性不飽和基を有する紫外線吸収剤を樹脂の製造時に添加して共重合体とすることにより、樹脂骨格に紫外線吸収剤を導入する方法が提案されている。しかしながら、この方法はアクリル系の樹脂やメタクリル系の樹脂については有効であるが、チーグラー・ナッタ触媒等のいわゆる配位アニオン触媒を用いて製造されるオレフィン系樹脂の場合は、紫外線吸収剤自体がこのような触媒に対して触媒毒として作用するため、重合反応が進行しなくなる等の問題があり、この手法を適用することは困難であった。
【0005】
そこで、オレフィン系樹脂については、分子内に不飽和基を有する紫外線吸収剤をポリプロピレン系樹脂とラジカル反応条件下で溶融混練して樹脂中に紫外線吸収剤を導入する方法が提案されている(特開平8−208765号公報)。しかしながら、この方法によっても耐候性が不十分な場合があり、特にポリオレフィン系樹脂に多く用いられるヒンダードアミン系光安定剤を配合した場合は、そのプレートアウトについては改良効果が見られないのみならず、耐候性についても改良効果が不十分であった。
【0006】
プレートアウトやブリードについてはヒンダードアミン系光安定剤とエチレンとの共重合体である重合体型光安定剤を用いると一定の改良効果が得られるものの、耐候性については依然不十分なものであった。
一方、特開平7−11031号公報には、上記のような反応性を両者ともに有する紫外線吸収剤と光安定剤とをポリプロピレン系樹脂に反応させることが提案されているが、反応性が低く、残留する未反応の紫外線吸収剤や光安定剤のため、プレートアウトやブリード等の問題は十分には解決されてはいない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような問題点のない、成形性、ブリード、プレートアウト( ロール汚れ) 、耐候性、及び透明性に優れたプロピレン系樹脂組成物及びフィルム又はシートを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題点を解決するために種々検討を行った結果、特定の条件下で、プロピレン系樹脂にそれぞれ紫外線吸収能を有するラジカル重合性化合物又は光安定化能を有するラジカル重合性化合物を反応させて得られるプロピレン樹脂を共存させることにより、良好な結果が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、下記の成分(A)及び成分(B)を、両者の重量割合(成分(A)/成分(B))として99/1〜1/99の範囲で含有するプロピレン系樹脂組成物、に存している。
【0009】
成分(A):以下の(a1)〜(a3)をラジカル反応条件下に付して得られる紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂
成分(B):以下の(b1)〜(b3)をラジカル反応条件下に付して得られる光安定剤含有プロピレン系樹脂
【0010】
また、本発明の他の要旨は、成分(A)、成分(B)に加えて成分(C)としてプロピレン系樹脂を、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量の99重量%以下含有してなる上記のプロピレン系樹脂組成物にも存しており、更に、紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルが、ベンゾトリアゾール基を有するものである上述のプロピレン系樹脂組成物及び紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルが、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体である上述のプロピレン系樹脂組成物にも存している。本発明の別の要旨は、光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルが、ヒンダードアミン化合物である上述のプロピレン系樹脂組成物及び成分(A)又は成分(B)を得るためのラジカル反応を、ラジカル発生剤の存在下で溶融混練することにより行う上述のプロピレン系樹脂組成物にも存している。
更に、本発明のもう一つの要旨は、上記のプロピレン系樹脂組成物からなるフィルム又はシートにも存している。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)プロピレン系樹脂組成物の各成分
成分(A):紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂
成分(A)は、以下の(a1)〜(a3)をラジカル反応条件下に付して得られる紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂である。
以下、その原料となる成分について説明し、続いてその調製方法について説明する。
【0012】
<(a1):プロピレン系樹脂>
成分(A)の原料となる(a1)プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体又はプロピレンを主体とするプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体が好適に使用される。その具体例としてはアイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体等が挙げられる。また、これらのプロピレン系樹脂を混合して用いることもできる。
【0013】
<(a2):紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル>
(a2)の紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルとしては、紫外線吸収性を示す官能基を1個以上分子中に有するα, β−不飽和カルボン酸エステルであれば特に限定されることなく使用できる。紫外線吸収性を示す官能基としては2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール基、又は2−ヒドロキシベンゾフェノン基が好ましく、特に着色性等を考慮すると2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール基が好ましい。
例えば本発明に用いるのに好適なベンゾトリアゾール基を含有するα, β−不飽和カルボン酸エステルは下式(1)により表わされるものである。
【0014】
【化1】
【0015】
上記の式(1)において置換基R1 、R2 及びR3 の少なくとも1つは、α, β−不飽和カルボン酸エステル基を有する置換基であり、残りの基は水素、炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、もしくは芳香族炭化水素基、又はハロゲン原子である。また置換基R2 及びR3 の位置は、ヒドロキシル基に対してオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよく、また置換基R1 の位置も特に限定はされない。
【0016】
α, β−不飽和カルボン酸残基の代表的な例としては例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸の残基やマレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸の残基が挙げられ、中でもアクリル酸又はメタクリル酸の残基が好ましい。なおジカルボン酸の残基の場合、そのエステル結合の数はモノエステル及びジエステルのどちらでもよい。
このような紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルの具体例としては、2−ヒドロキシ−4−(2′−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2′−アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5′−アクリロイルオキシエトキシ−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0017】
<(a3):芳香族ビニル化合物>
成分(a3)の芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ニトロスチレン、クロルメチルスチレン、シアノスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、中でもスチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0018】
<成分(A)の組成>
成分(A)を構成する(a1)〜(a3)の含有量としては、(a1)のプロピレン系樹脂の使用量を100重量部としたとき、(a2)の紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルが、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部の範囲にあり、(a3)の芳香族ビニル化合物が、0.1〜50重量部、好ましくは、0.5〜30重量部の範囲とする。
(a2)の紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルの含有量が0.1重量部未満の場合は、添加の目的である紫外線吸収能が不足し、一方20重量部を超えて加えても、量の増加に見合う効果の向上は見られず、逆にブリード等を引き起こす可能性が大きくなるのであまり好ましくない。
【0019】
(a3)の芳香族ビニル化合物の含有量が0.1重量部未満では、(a2)の(a1)との反応性が低下して未反応体の残留が起きやすくなり、成形加工する際に、ロールが汚れたり、ブリードアウトによって成形品の外観が悪化することがある。一方、これを50重量部を超えて配合すると得られる成分(A)の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂及びこれから得られるプロピレン系樹脂組成物の透明性が悪化すること等があるのでやはり好ましくない。
なお、(a2)の紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルに対する(a3)の芳香族ビニル化合物の重量比率は、(a2)/(a3)が1/99〜99/1の範囲、好ましくは10/90〜90/10の範囲が好適である。
【0020】
<成分(A)の調製>
成分(A)の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂組成物は上述の(a1)、(a2)及び(a3)を含有する混合物をラジカル反応条件下で反応させて得ることができる。
このラジカル反応を行うために用いられるラジカル発生剤としては、例えばt−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、過酸化カリウム、過酸化水素等の有機及び無機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物、及びジクミル等の炭素ラジカル発生剤等が例示できる。これらのラジカル発生剤は、(a2)の紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルの種類や反応条件に応じて適宜選択すればよく、また2種以上を併用してもよい。このラジカル発生剤は有機溶剤等に溶解して用いることもできる。
【0021】
ラジカル発生剤の使用量としては、上記の(a1)のプロピレン系樹脂100重量部に対して0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜10重量部の範囲とするのが好ましい。ラジカル発生剤の使用量が0.01重量部未満では(a2)の成分(a1)への付加量が低下して、未反応体の残留が起きやすくなり好ましくない。一方、30重量部を越えて使用すると、プロピレン樹脂の主鎖切断による劣化が進行し、この樹脂が本来有する特性を著しく損なうためやはり好ましくない。
【0022】
上記のラジカル発生剤を用いて、成分(A)の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂組成物を調製する方法としては、溶融混練法、溶液法、及び懸濁法等の方法が特に限定することなく使用できるが、溶融混練法を用いるのが好ましい。
溶融混練法に用いる混練機としては、ラボプラストミル、一軸又は二軸押出機等の押出機、横型二軸多円板装置、横型二軸表面更新機等の横型二軸撹拌機、ダブルヘリカルリボン撹拌機等の縦型二軸撹拌機等が挙げられる。
溶融混練の温度は、ラジカル発生剤からラジカルが生成し、かつプロピレン系樹脂が溶融状態になる温度であれば特に限定されないが、用いるプロピレン系樹脂の劣化防止を考慮すれば300℃以下が好ましい。混練時間は、0.1〜10分、好ましくは0.5〜5分の範囲とするのがよい。
【0023】
(a1)〜(a3)の各成分及びラジカル発生剤の添加方法としては、予め(a1)のプロピレン系樹脂とその他の成分を一括混練してドライブレンドとする方法、(a2)、(a3)又はラジカル発生剤のいずれかと(a1)のプロピレン系樹脂とをドライブレンドしておいて、これを溶融混練する途中で残る成分を添加する方法、あるいは溶融状態となった(a1)のプロピレン系樹脂にその他の配合成分とラジカル発生剤とを添加混合する方法等がある。
なお、混練時の粘度調節や反応効率向上を目的としてキシレン等の有機溶剤を、例えば(a1)のプロピレン系樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部程度添加してもよい。また未反応物や添加した溶剤等を除去するために、前記の混練機や撹拌機の内部を13〜1333Pa程度の減圧にしてもよい。
また溶液法を用いる場合は、沸点が100℃以上のハロゲン置換または非置換の芳香族炭化水素系の溶剤、例えばクロルベンゼン、キシレン等に各成分を溶解し、通常80〜120℃程度の温度で、2〜8時間程度反応させる方法を用いることができる。
【0024】
成分(B):光安定剤含有プロピレン系樹脂組成物
成分(B)は、以下の(b1)〜(b3)をラジカル反応条件下に付して得られる光安定剤含有プロピレン系樹脂である。
以下、その原料となる成分について説明し、続いてその調製方法について説明する。
<成分(b1):プロピレン系樹脂>
成分(b1)のプロピレン系樹脂としては、上記成分(A)の項で例示したものと同様のものが好適に使用できる。また、その種類として、成分(A)の調製に用いたものと同じプロピレン系樹脂を用いてもよいし、異なるものを使用してもよいが、相溶性の点から同じものを用いるのが好ましい。
<成分(b2):光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル
成分(b2)の光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルとしては、光安定化能を示す官能基を1個以上分子中に有するα, β−不飽和カルボン酸エステルであれば特に限定されることなく使用できる。光安定化能を示す官能基としてはピペリジン環を有するものが好ましく、特に下記式(2)で示される構造式を有する、いわゆるヒンダードアミン系化合物が好ましい。
【0025】
【化2】
【0026】
上記の式(2)において置換基R4 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基であり、R5 はα, β−不飽和カルボン酸エステル基を有する置換基である。
α, β−不飽和カルボン酸残基としては、上記成分(A)の(a2)に関する項で例示したものと同様のものが好適に使用できる。特に好ましいものはアクリル酸又はメタクリル酸の残基である。
このような光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルの具体例としては、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
【0027】
<(b3):芳香族ビニル化合物>
成分(b3)の芳香族ビニル化合物としては、上記の成分(A)の(a3)の項で例示したものと同様のものが好適に使用できる。これについても(b1)と同様に、成分(A)の調製に用いた(a3)と同じものでも異なるものでもよいが、同じものが好ましい。
<成分(B)の組成>
成分(B)を構成する(b1)〜(b3)の含有量としては、(b1)のプロピレン系樹脂の使用量を100重量部としたとき、(b2)の光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルが、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部の範囲にあり、(b3)の芳香族ビニル化合物が、0.1〜50重量部、好ましくは、0.5〜30重量部の範囲とする。
【0028】
(b2)の光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルの含有量が0.1重量部未満の場合は、添加の目的である光安定化能が不足し、耐光安定性が不十分となる。一方、20重量部を超えて加えても、量の増加に見合う効果の向上は見られず、逆にブリード等を引き起こす可能性が大きくなるのであまり好ましくない。
(b3)の芳香族ビニル化合物の含有量が0.1重量部未満では、(b2)と(b1)との反応性が低下して未反応体の残留が起きやすくなり、成形加工する際に、ロールが汚れたり、ブリードアウトによって成形品の外観が悪化することがある。一方、これを50重量部を超えて配合すると得られる成分(B)の光安定剤含有プロピレン系樹脂及びこれから得られるプロピレン系樹脂組成物の透明性が悪化すること等があるのでやはり好ましくない。
【0029】
なお、(b2)の光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルに対する(b3)の芳香族ビニル化合物の重量比率は、(b2)/(b3)が1/99〜99/1の範囲、好ましくは10/90〜90/10の範囲が好適である。
<成分(B)の調製>
成分(B)の光安定剤含有プロピレン系樹脂組成物は上述の(b1)、(b2)及び(b3)を含有する混合物をラジカル反応条件下で反応させて得ることができる。
このラジカル反応を行うために用いられるラジカル発生剤としては、上記の成分(A)の調製の項で例示したものと同様のものが好適に使用できる。また、ラジカル発生剤の使用量も同様である。
また、成分(B)の調製方法等も成分(A)の項で記したものと同様の手法が好適に使用できる。
【0030】
成分(C):プロピレン系樹脂
成分(C)のプロピレン系樹脂としては、上記成分(A)の項で例示した(a1)と同様に、プロピレンの単独重合体又はプロピレンを主体とするプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体が好適に使用され、例えば、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体等が挙げられる。また、これらのプロピレン系樹脂を混合して用いてもよい。
この成分(C)として用いるプロピレン樹脂は上記成分(A)及び成分(B)における(a1)や(b1)と同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0031】
(2)プロピレン系樹脂組成物の組成
本発明のプロピレン系樹脂組成物中の成分(A)及び(B)の含有割合は、両者の重量割合(成分(A)/成分(B))として99/1〜1/99の範囲である。
どちらか一方の成分を添加しなかったりその比率が低すぎると、得られるプロピレン系樹脂組成物やそれに基づく成形体の紫外線吸収能や耐候性が不十分となる。
また、これらの成分に加えて成分(C)を用いる場合は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量を100重量%としたとき、成分(C)は99重量%以下の量で加えるのが好ましい。
更に本発明のプロピレン系樹脂組成物には、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、その目的に応じて各種の添加剤、例えば酸化防止剤、中和剤、増核剤、滑剤、流動性改良剤、離型剤、充填剤、無機フィラー、着色剤等を添加してもよい。
【0032】
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の成形に通常用いられる成形方法、即ち押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、カレンダー加工法などにより所望の形状に成形できる。
また、この組成物をTダイ成形、インフレーション成形等して得られるフィルム又はシートは、耐候性、紫外線吸収性、表面外観が良好であるので、農業用フィルム、建材、包装袋等の長期間の耐候性が要求される用途に用いるのに特に好適である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の実施例・比較例においては「部、%」は特記するものを除き重量基準の値を示す。
(1)成分(A)紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂及び成分(B)光安定剤含有プロピレン系樹脂の製造
【0034】
<製造例1>
(a1)粉末状ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製、商品名「TA8」、MFR=0.8g/10分)100重量部、(a2)反応性紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール構造を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル(大塚化学株式会社製、商品名「RUVA93」)5重量部、及び(a3)芳香族ビニル単量体としてスチレン5重量部を、ラジカル発生剤のα, α'-ビス( t- ブチルパーオキシ) ジイソプロピルベンゼン(日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルP」、以下「パーブチルP」と略記することがある)1重量部とともにドライブレンドした後、二軸混練機(株式会社日本製鋼所製、型番「TEX−30」)にて、180℃、回転数250rpm、吐出量10kg/時間の条件で混練し、本発明の成分(A)の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂を製造した。
【0035】
<製造例2>
上記製造例1において、(a2)反応性紫外線吸収剤に代えて、(b2)反応性光安定剤としてヒンダードアミン構造を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル(旭電化工業株式会社製、商品名「アデカスタブLA82」)5重量部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、本発明の成分(B)光安定剤含有プロピレン系樹脂を製造した。
【0036】
<製造例3>
製造例2において、(b2)ヒンダードアミン構造を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルとして、旭電化工業株式会社製「アデカスタブLA82」に代えて、旭電化工業株式会社製「アデカスタブLA87」(商品名)を5重量部用いたこと以外は製造例2と同様にして、本発明の成分(B)光安定剤含有プロピレン系樹脂を製造した。
【0037】
<製造例4>
製造例1において、(a1)粉末状ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製、商品名「TA8」)の使用量を95重量部とし、(a3)のスチレンを添加しなかったこと以外は製造例1と同様にして、本発明の範囲外の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂を製造した。
【0038】
<製造例5>
製造例2において、(a1)粉末状ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製、商品名「TA8」)の使用量を95重量部とし、(a3)のスチレンを添加しなかったこと以外は製造例2と同様にして、本発明の範囲外の光安定剤含有プロピレン系樹脂を製造した。
【0039】
<製造例6>
製造例3において、(a1)粉末状ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製、商品名「TA8」)の使用量を95重量部とし、(a3)のスチレンを添加しなかったこと以外は製造例3と同様にして、本発明の範囲外の光安定剤含有プロピレン系樹脂を製造した。
【0040】
<製造例7>
(a1)粉末状ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製、商品名「TA3」、MFR=10g/10分)を95重量部と、(a2)に相当するものを添加しない代わりに、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール構造を有するが、反応性基であるα, β−不飽和カルボン酸エステル基を有していない紫外線吸収剤(旭電化工業株式会社製、商品名「アデカスタブLA31」)5重量部とをドライブレンドした後、製造例1と同様にして混練して本発明の範囲外の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂を製造した。
【0041】
<製造例8>
(b1)粉末状ポリプロピレン(日本ポリケム株式会社製「TA3」、MFR=10g/10分)を95重量部と、(b2)に相当するものを添加しない代わりに、ヒンダードアミン構造を有するが、反応性基であるα, β−不飽和カルボン酸エステル基を有していない光安定剤(三共株式会社製、商品名「サノールLS770」)5重量部とをドライブレンドした後、製造例1と同様にして混練して本発明の範囲外の光安定剤含有プロピレン系樹脂を製造した
【0042】
(2)プロピレン系樹脂組成物及びフィルム/シート
<実施例1>
成分(C)に相当するポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」、MFR=7g/10分)78.1重量%と製造例1の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂15重量%(成分(A))、製造例2の光安定剤含有プロピレン系樹脂6.9重量%(成分(B))とをドライブレンドした後、株式会社プラコー製35φTダイ小型フィルム成形機を用いて、成形温度260℃、押出機の回転数90rpm、ロール温度30℃、引取速度7.5m/分の条件で成形して厚さ80μmのフィルムを作成した。
【0043】
<実施例2>
実施例1において、成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を77.9重量%とし、成分(B)として、製造例2の光安定剤含有プロピレン系樹脂に代えて製造例3の光安定剤含有プロピレン系樹脂を7.1重量%用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0044】
<実施例3>
実施例1において、成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を74.1重量%とし、成分(A)(製造例1の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂、15重量%)、成分(B)(製造例2の光安定剤含有プロピレン系樹脂、6.9重量%)に加えて、日本ポリケム株式会社製「KOKANOX XJ100H」(エチレン/4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン共重合体、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン含量5wt%、MFR3g/10分(190℃,2.16kg荷重))4重量%をドライブレンドした後、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0045】
<実施例4>
実施例3において、成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を73.9重量%とし、成分(B)として、製造例2の光安定剤含有プロピレン系樹脂に代えて製造例3の光安定剤含有プロピレン系樹脂を7.1重量%用いたこと以外は、実施例3と同様にしてフィルムを作成した。
【0046】
<比較例1>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を85重量%とし、成分(B)である製造例2の光安定剤含有プロピレン系樹脂を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0047】
<比較例2>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を81重量%とし、成分(B)を使用することなく、日本ポリケム株式会社製「KOKANOX XJ100H」を4重量%用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0048】
<比較例3>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を77重量%とし、成分(B)を使用することなく、日本ポリケム株式会社製「KOKANOX XJ100H」を8重量%用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0049】
<比較例4>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を77.6重量%とし、製造例2の光安定剤含有ポリプロピレン樹脂に代えて製造例8の光安定剤含有プロピレン系樹脂を7.4重量%用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0050】
<比較例5>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を93.1重量%とし、成分(A)である製造例1の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0051】
<比較例6>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を92.9重量%とし、成分(A)である製造例1の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂を配合しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムを作成した。
【0052】
<比較例7>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を79.6重量%とし、製造例1の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂に代えて製造例7の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂を13.5重量%用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0053】
<比較例8>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を79.4重量%とし、製造例1の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂に代えて製造例7の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂を13.5重量%用いたこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムを作成した。
【0054】
<比較例9>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を86.5重量%とし、製造例1の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂組成物に代えて製造例4の紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂組成物を13.5重量%用い、かつ成分(B)を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0055】
<比較例10>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を96重量%とし、成分(A)を配合せず、かつ製造例2の光安定剤含有プロピレン系樹脂に代えて製造例5の光安定剤含有プロピレン系樹脂を4重量%用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0056】
<比較例11>
成分(C)のポリプロピレン樹脂(日本ポリケム株式会社製、商品名「FX3」)の配合量を96重量%とし、成分(A)を配合せず、製造例2の光安定剤含有プロピレン系樹脂に代えて製造例6の光安定剤含有プロピレン系樹脂を4重量%用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
【0057】
(3)評価方法
<成分(A)紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂及び成分(B)光安定剤含有プロピレン系樹脂の評価>
上記の製造例において得られた紫外線吸収剤含有プロピレン系樹脂または光安定剤含有プロピレン系樹脂中の、(a2)紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルまたは成分(b2)光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステル(以下両者をまとめて「変性剤」と記す)の付加量及び該樹脂のメルトフローレート(MFR)を以下のようにして測定した。結果を表1に示す。
【0058】
i)変性剤付加量
変性剤(反応性紫外線吸収剤または反応性光安定剤)のプロピレン系樹脂への付加量は、得られたプロピレン系樹脂0.3gを140℃で20ミリリットルのキシレンに溶解し、このキシレン溶液をテトラヒドロフラン200ミリリットル中に注加して得られる沈殿物(精製樹脂)をプレス成形して得られたフィルムの赤外線吸収スペクトルにおける1725cm-1付近のカルボニル基の吸収から、別途作成した検量線を用いて求めた。
【0059】
ii)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に従って、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサを用いて温度230℃、2.16kg荷重にて測定した。なお、MFRが100g/10分を越えるものに関しては、180℃においてMFR測定を行い、別途作成した換算式を用いて230℃における値に換算した。
【0060】
<プロピレン系樹脂組成物とフィルムの評価>
上記の実施例及び比較例で作成したフィルムについて、以下の方法により成形性、耐候性、紫外線吸収性、及び成形品外観を評価した。結果を表2にまとめて示す。
i)成形性(ロール汚れ)
Tダイ小型フィルム成形機によるフィルムの製造を10分行った後の、巻き取りロールの汚れの付着状況を観察し、下記の基準により評価した。
○:ロール汚れが認められない
△:ロール汚れが若干認められる
×:ロール汚れが著しい
【0061】
ii)耐候性
得られたフィルムをMD方向に14.5cm×3.5cmの大きさに切り出し、スガ試験機株式会社製「デューパネル光コントロールウェザーメーター」(ブラックパネル温度:63℃、紫外線照射:8時間、蒸気噴霧:4時間)中で暴露試験を行い、フィルム表面に微細なヒビが発生したこと又はフィルムを折り曲げた際にクラックが発生することが目視により確認できる状態に至るまでの紫外線照射時間で評価した。
【0062】
iii )紫外線吸収性
得られた成形フィルムの、340nm付近で最大吸収を示す波長における紫外線透過率を株式会社島津製作所製「紫外可視分光光度計UV−2200」を用いて測定した。
iv)成形品外観(透明性とブリード特性)
得られた成形フィルムのヘーズを、80℃熱風オーブン中に2週間放置前後で測定した。ヘーズ測定はJIS K7105に従って測定した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
(4)結果の評価
上記の実施例及び比較例から次の諸点が明らかである。
1)成分(A)を含まない場合、比較例5、6では紫外線吸収性を示さないばかりか耐候性が不足する。反応性の紫外線吸収剤を使用しなかった比較例7、8ではロール汚れやヘーズが劣る。
2)成分(B)を含まない場合(比較例1〜4)では、耐候性が不足する。
3)成分(A)あるいは成分(B)において、(a3)又は(b3)を含まない場合(製造例4→比較例9、製造例5→比較例10、製造例6→比較例11)では、反応性を有する紫外線吸収剤や光安定化剤の付加量が少ないため、残留する未反応体によりロール汚れやヘーズが劣る。
【0066】
【発明の効果】
上述した通り、本発明のプロピレン系樹脂組成物は成形性、ブリード、プレートアウト(ロール汚れ)、耐候性、及び透明性がいずれもバランスよく良好であり、特に耐候性が要求される農業用、建材用、包装用に特に好適に使用できる。
Claims (7)
- 成分(A)、成分(B)に加えて成分(C)としてプロピレン系樹脂を、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量の99重量%以下含有してなる請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルが、ベンゾトリアゾール基を有するものである請求項1又は2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 紫外線吸収能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルが、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体である請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 光安定化能を有するα, β−不飽和カルボン酸エステルが、ヒンダードアミン化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 成分(A)又は成分(B)を得るためのラジカル反応を、ラジカル発生剤の存在下で溶融混練することにより行う請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物からなるフィルム又はシート。
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