JP2001106655A - イソカンフィルグアヤシルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてなるトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製造方法 - Google Patents
イソカンフィルグアヤシルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてなるトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い選択率で白檀様の香気を持つ香料成分と
して有用なトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサ
ノールを製造するために用いる原料、その製造方法及び
それを用いてなるトランス−3−イソカンフィルシクロ
ヘキサノールの製造方法を提供する。 【解決手段】 式(I) (ただし、式中R1はOCH3基に対し2−または4−の
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示されるイソカンフィルグアヤ
シルカルボナートを加水分解した後、水素化してなる、
トランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製
造方法。
して有用なトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサ
ノールを製造するために用いる原料、その製造方法及び
それを用いてなるトランス−3−イソカンフィルシクロ
ヘキサノールの製造方法を提供する。 【解決手段】 式(I) (ただし、式中R1はOCH3基に対し2−または4−の
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示されるイソカンフィルグアヤ
シルカルボナートを加水分解した後、水素化してなる、
トランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製
造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイソカンフィルグア
ヤシルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてな
るトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの
製造方法に関する。詳細には、式(I) (ただし、式中R1はOCH3基に対し2−または4−の
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示されるイソカンフィルグアヤ
シルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてなる
トランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製
造方法に関する。
ヤシルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてな
るトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの
製造方法に関する。詳細には、式(I) (ただし、式中R1はOCH3基に対し2−または4−の
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示されるイソカンフィルグアヤ
シルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてなる
トランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トランス−3−イソカンフィルシクロヘ
キサノールは、白檀様の香気を持つ香料成分として有用
である。
キサノールは、白檀様の香気を持つ香料成分として有用
である。
【0003】従来より、トランス−3−イソカンフィル
シクロヘキサノールの製造方法として、グアヤコールに
対するカンフェンのアルキル化反応、ついで水素化する
方法(Chemical Abstracts,Vol.51,17107a(1957)やYouj
i Huaxue,Vol.15,318(1995))が知られている。
シクロヘキサノールの製造方法として、グアヤコールに
対するカンフェンのアルキル化反応、ついで水素化する
方法(Chemical Abstracts,Vol.51,17107a(1957)やYouj
i Huaxue,Vol.15,318(1995))が知られている。
【0004】しかし、前記方法ではトランス−3−イソ
カンフィルシクロヘキサノールの選択率(グアヤコール
基準)が低いとの問題があった。
カンフィルシクロヘキサノールの選択率(グアヤコール
基準)が低いとの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
選択率で白檀様の香気を持つ香料成分として有用なトラ
ンス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールを製造す
るために用いる原料、その製造方法及びそれを用いてな
るトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの
製造方法を提供することにある。
選択率で白檀様の香気を持つ香料成分として有用なトラ
ンス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールを製造す
るために用いる原料、その製造方法及びそれを用いてな
るトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる課題
を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、イソカンフィル
グアヤシルカルボナートを用いる場合には、高い選択率
でトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールを
製造し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、イソカンフィル
グアヤシルカルボナートを用いる場合には、高い選択率
でトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールを
製造し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)式(I) (ただし、式中R1はOCH3基に対し2−または4−の
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示されるイソカンフィルグアヤ
シルカルボナートであり、
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示されるイソカンフィルグアヤ
シルカルボナートであり、
【0008】(2)式(II) (ただし、式中R3はC1〜C6のアルキル基である。)
で示される2−メトキシフェニルアルキルカルボナート
とカンフェン類とを酸触媒の存在下において反応させて
なる、(1)記載のイソカンフィルグアヤシルカルボナ
ートの製造方法であり、
で示される2−メトキシフェニルアルキルカルボナート
とカンフェン類とを酸触媒の存在下において反応させて
なる、(1)記載のイソカンフィルグアヤシルカルボナ
ートの製造方法であり、
【0009】(3)(1)記載のイソカンフィルグアヤ
シルカルボナートを加水分解した後、水素化してなる、
トランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製
造方法である。
シルカルボナートを加水分解した後、水素化してなる、
トランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製
造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
のイソカンフィルグアヤシルカルボナートは、式(I) (ただし、式中R1はOCH3基に対し2−または4−の
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示される。C1〜C6のアルキル
基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブ
チル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、
i-ブチル基、t-ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキ
シル基等、好ましくはメチル基、エチル基、さらに好ま
しくはメチル基が挙げられる。
のイソカンフィルグアヤシルカルボナートは、式(I) (ただし、式中R1はOCH3基に対し2−または4−の
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示される。C1〜C6のアルキル
基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブ
チル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、
i-ブチル基、t-ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキ
シル基等、好ましくはメチル基、エチル基、さらに好ま
しくはメチル基が挙げられる。
【0011】本発明のイソカンフィルグアヤシルカルボ
ナートの製造方法は、2−メトキシフェニルアルキルカ
ルボナートとカンフェン類とを酸触媒の存在下において
反応させる方法である。
ナートの製造方法は、2−メトキシフェニルアルキルカ
ルボナートとカンフェン類とを酸触媒の存在下において
反応させる方法である。
【0012】本発明に用いる2−メトキシフェニルアル
キルカルボナートは、式(II) (ただし、式中R3はC1〜C6のアルキル基である。)
で示される。C1〜C6のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル
基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、t-ブチ
ル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基等、好ましく
はメチル基、エチル基、さらに好ましくはメチル基が挙
げられる。これを用いる事により、式(I)のイソカン
フィルグアヤシルカルボナートを高い選択率で合成する
事ができる。
キルカルボナートは、式(II) (ただし、式中R3はC1〜C6のアルキル基である。)
で示される。C1〜C6のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル
基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、t-ブチ
ル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基等、好ましく
はメチル基、エチル基、さらに好ましくはメチル基が挙
げられる。これを用いる事により、式(I)のイソカン
フィルグアヤシルカルボナートを高い選択率で合成する
事ができる。
【0013】カンフェン類としては、例えば、カンフェ
ン、カンフェンヒドロクロライド等が挙げられる。
ン、カンフェンヒドロクロライド等が挙げられる。
【0014】式(II)で示される2−メトキシフェニル
アルキルカルボナートとカンフェン類との混合量は、通
常、カンフェン類1モルに対して2−メトキシフェニル
アルキルカルボナート0.1〜10モル、好ましくは
0.5〜2モルである。
アルキルカルボナートとカンフェン類との混合量は、通
常、カンフェン類1モルに対して2−メトキシフェニル
アルキルカルボナート0.1〜10モル、好ましくは
0.5〜2モルである。
【0015】酸触媒としては、例えば、ルイス酸(三弗
化ホウ素、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化銅等)、プロトン酸
(塩酸、硫酸、りん酸等)及び固体酸(ゼオライト等)
からなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられ、就
中、ルイス酸が挙げられ、特に塩化鉄の適用が推奨され
る。
化ホウ素、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化銅等)、プロトン酸
(塩酸、硫酸、りん酸等)及び固体酸(ゼオライト等)
からなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられ、就
中、ルイス酸が挙げられ、特に塩化鉄の適用が推奨され
る。
【0016】イソカンフィルグアヤシルカルボナートの
製造に際しては、反応を溶媒存在下で行ってもよい。溶
媒としては、例えばベンゼン類(モノクロロベンゼン、
ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等)、炭化水素類
(ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等)、エーテル類
(ジエチルエーテル、ジオキサン等)が挙げられ、就
中、ベンゼン類が挙げられ、特にモノクロロベンゼンの
適用が推奨される。反応温度は、通常、−30〜150
℃、好ましくは−10〜100℃、さらに好ましくは0
〜70℃である。
製造に際しては、反応を溶媒存在下で行ってもよい。溶
媒としては、例えばベンゼン類(モノクロロベンゼン、
ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等)、炭化水素類
(ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等)、エーテル類
(ジエチルエーテル、ジオキサン等)が挙げられ、就
中、ベンゼン類が挙げられ、特にモノクロロベンゼンの
適用が推奨される。反応温度は、通常、−30〜150
℃、好ましくは−10〜100℃、さらに好ましくは0
〜70℃である。
【0017】本発明のトランス−3−イソカンフィルシ
クロヘキサノールの製造方法は、前記イソカンフィルグ
アヤシルカルボナートを加水分解した後、水素化してな
る方法である。
クロヘキサノールの製造方法は、前記イソカンフィルグ
アヤシルカルボナートを加水分解した後、水素化してな
る方法である。
【0018】加水分解は、アルカリ溶液を添加して行え
ばよい。前記アルカリ溶液としては、例えばアルカリ金
属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム等)またはアルカリ土類金属の水酸化物
(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)の水溶液
が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液が挙げ
られる。アルカリ溶液の添加量は、通常、式(I)のカ
ルボナートに対して1〜5モル倍、好ましくは1〜2モ
ル倍である。アルカリ溶液の濃度は、通常、1〜50重
量%、好ましくは5〜20重量%である。
ばよい。前記アルカリ溶液としては、例えばアルカリ金
属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム等)またはアルカリ土類金属の水酸化物
(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)の水溶液
が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液が挙げ
られる。アルカリ溶液の添加量は、通常、式(I)のカ
ルボナートに対して1〜5モル倍、好ましくは1〜2モ
ル倍である。アルカリ溶液の濃度は、通常、1〜50重
量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0019】加水分解に際しては、加水分解に不活性な
溶媒を存在させて行うこともできる。加水分解時に存在
させる溶媒としては、例えば、ベンゼン類(ベンゼン、
トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、炭
化水素類(ペンタン、ヘキサン、石油エーテル、シクロ
ヘキサン、デカリン等)、エーテル類(ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル
等)が挙げられ、就中、炭化水素類が挙げられ、特にデ
カリンの適用が推奨される。加水分解は、0.1気圧〜
10気圧の範囲で行う事ができる、好ましくは0.5〜
5気圧、さらに好ましくは、1〜2気圧である。
溶媒を存在させて行うこともできる。加水分解時に存在
させる溶媒としては、例えば、ベンゼン類(ベンゼン、
トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、炭
化水素類(ペンタン、ヘキサン、石油エーテル、シクロ
ヘキサン、デカリン等)、エーテル類(ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル
等)が挙げられ、就中、炭化水素類が挙げられ、特にデ
カリンの適用が推奨される。加水分解は、0.1気圧〜
10気圧の範囲で行う事ができる、好ましくは0.5〜
5気圧、さらに好ましくは、1〜2気圧である。
【0020】前記加水分解により、式(III) (ただし、式中R4はOCH3基に対し4−の位置にある
イソカンフィル基である。)で示される5−イソカンフ
ィルグアヤコールが得られる。
イソカンフィル基である。)で示される5−イソカンフ
ィルグアヤコールが得られる。
【0021】次いで、得られた式(III)の5−イソカ
ンフィルグアヤコールを水素化することにより、トラン
ス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールを得ること
ができる。
ンフィルグアヤコールを水素化することにより、トラン
ス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールを得ること
ができる。
【0022】水素化に際しては、安価であり入手しやす
い水素ガスを用いて行えばよく、具体的にはステンレス
鋼製オートクレーブ等に5−イソカンフィルグアヤコー
ルを所定量入れ、水素ガスを充填し攪拌しながら水素化
反応を行うことが好ましい。また、水素化反応は触媒の
存在下及び/又は溶媒の存在下で行ってもよい。前記水
素化は、通常、温度60〜250℃、水素圧2気圧〜3
0気圧の範囲で行うことが好ましい。
い水素ガスを用いて行えばよく、具体的にはステンレス
鋼製オートクレーブ等に5−イソカンフィルグアヤコー
ルを所定量入れ、水素ガスを充填し攪拌しながら水素化
反応を行うことが好ましい。また、水素化反応は触媒の
存在下及び/又は溶媒の存在下で行ってもよい。前記水
素化は、通常、温度60〜250℃、水素圧2気圧〜3
0気圧の範囲で行うことが好ましい。
【0023】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明のトランス−
3−イソカンフィルシクロヘキサノールを製造方法は、
白檀様の香気を持つ香料成分として有用であるトランス
−3−イソカンフィルシクロヘキサノールを高い選択率
で製造し得るものである。また、本発明のイソカンフィ
ルグアヤシルカルボナートは、トランス−3−イソカン
フィルシクロヘキサノールの製造原料として有益であ
る。さらに、本発明のイソカンフィルグアヤシルカルボ
ナートの製造方法は、イソカンフィルグアヤシルカルボ
ナートを高い選択率で製造し得る方法であり、その産業
上の利用価値は大である。
3−イソカンフィルシクロヘキサノールを製造方法は、
白檀様の香気を持つ香料成分として有用であるトランス
−3−イソカンフィルシクロヘキサノールを高い選択率
で製造し得るものである。また、本発明のイソカンフィ
ルグアヤシルカルボナートは、トランス−3−イソカン
フィルシクロヘキサノールの製造原料として有益であ
る。さらに、本発明のイソカンフィルグアヤシルカルボ
ナートの製造方法は、イソカンフィルグアヤシルカルボ
ナートを高い選択率で製造し得る方法であり、その産業
上の利用価値は大である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例中の測定には、次の分析機器及び測定条
件を採用した。 ガスクロマトグラフィー; 機器:HP−6890(ヒューレットパッカード社製) カラム:DB−FFAP(30m×0.25mm×0.25μm)(J
&W社製) 測定温度:150〜230℃(20℃/分で昇温) 注入温度:230℃ キャリアガス:ヘリウム(1.0ml/分) 内部標準物質:2−トリデカノン
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例中の測定には、次の分析機器及び測定条
件を採用した。 ガスクロマトグラフィー; 機器:HP−6890(ヒューレットパッカード社製) カラム:DB−FFAP(30m×0.25mm×0.25μm)(J
&W社製) 測定温度:150〜230℃(20℃/分で昇温) 注入温度:230℃ キャリアガス:ヘリウム(1.0ml/分) 内部標準物質:2−トリデカノン
【0025】実施例1 グアヤコール38.3g(試薬特級、和光純薬工業株式
会社製)を10%NaOH水溶液135.8gに室温で
溶解した。10℃に冷却しクロロぎ酸メチル30.6g
(試薬一級、和光純薬工業株式会社製)を1時間かけて
滴下した。滴下終了後3時間攪拌し、分液した。水層を
トルエンで抽出して、有機層とあわせ5%塩酸で洗浄し
た。溶液を減圧濃縮し、式(II)で示される2−メトキ
シフェニルメチルカルボナート54.4gを得た。
会社製)を10%NaOH水溶液135.8gに室温で
溶解した。10℃に冷却しクロロぎ酸メチル30.6g
(試薬一級、和光純薬工業株式会社製)を1時間かけて
滴下した。滴下終了後3時間攪拌し、分液した。水層を
トルエンで抽出して、有機層とあわせ5%塩酸で洗浄し
た。溶液を減圧濃縮し、式(II)で示される2−メトキ
シフェニルメチルカルボナート54.4gを得た。
【0026】実施例2 実施例1で得た、式(II)で示される2−メトキシフェ
ニルメチルカルボナート9.1g、塩化鉄(III)(試
薬、和光純薬工業株式会社製)4.1g及びモノクロロベ
ンゼン(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)26gの
混合溶液中に、10℃で攪拌しながら、カンフェン3.4
gのモノクロロベンゼン12g溶液を1時間かけて滴下
した。滴下終了後、10℃で2時間攪拌した後、20℃
で2時間、60℃で2時間攪拌した。反応溶液を冷却
し、不溶物をろ過により除去して、組成物A(イソカン
フィルグアヤシルカルボナートを2.5重量%含有す
る。)を得た。組成物Aをガスクロマトグラフィーによ
り分析した。イソカンフィルグアヤシルメチルカルボナ
ートがグアヤコール基準の選択率で33%生成してい
た。
ニルメチルカルボナート9.1g、塩化鉄(III)(試
薬、和光純薬工業株式会社製)4.1g及びモノクロロベ
ンゼン(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)26gの
混合溶液中に、10℃で攪拌しながら、カンフェン3.4
gのモノクロロベンゼン12g溶液を1時間かけて滴下
した。滴下終了後、10℃で2時間攪拌した後、20℃
で2時間、60℃で2時間攪拌した。反応溶液を冷却
し、不溶物をろ過により除去して、組成物A(イソカン
フィルグアヤシルカルボナートを2.5重量%含有す
る。)を得た。組成物Aをガスクロマトグラフィーによ
り分析した。イソカンフィルグアヤシルメチルカルボナ
ートがグアヤコール基準の選択率で33%生成してい
た。
【0027】実施例3 実施例2で得られた組成物A 117g、塩化ベンジル
トリエチルアンモニウム(試薬、関東化学株式会社製)
1g及びトルエン(試薬特級、和光純薬工業株式会社
製)117gの混合溶液中に、70℃の20%水酸化ナ
トリウム水溶液282gを1時間かけて滴下した。滴下
終了後、70℃で2時間攪拌し、36%塩酸143gを
加えて中和し、中和液を得た。中和液から有機層を分液
し、次いで有機層からトルエンを留去して、組成物B
(5−イソカンフィルグアヤコールを24重量%含有す
る。)を得た。組成物Bをガスクロマトグラフィーによ
り分析した。5−イソカンフィルグアヤコールがイソカ
ンフィルグアヤシルメチルカルボナート基準の選択率で
72%生成した(また、これは5−イソカンフィルグア
ヤコールがグアヤコール基準の選択率で24%生成して
いたことを示す)。
トリエチルアンモニウム(試薬、関東化学株式会社製)
1g及びトルエン(試薬特級、和光純薬工業株式会社
製)117gの混合溶液中に、70℃の20%水酸化ナ
トリウム水溶液282gを1時間かけて滴下した。滴下
終了後、70℃で2時間攪拌し、36%塩酸143gを
加えて中和し、中和液を得た。中和液から有機層を分液
し、次いで有機層からトルエンを留去して、組成物B
(5−イソカンフィルグアヤコールを24重量%含有す
る。)を得た。組成物Bをガスクロマトグラフィーによ
り分析した。5−イソカンフィルグアヤコールがイソカ
ンフィルグアヤシルメチルカルボナート基準の選択率で
72%生成した(また、これは5−イソカンフィルグア
ヤコールがグアヤコール基準の選択率で24%生成して
いたことを示す)。
【0028】実施例4 1Lの攪拌機付きステンレス鋼製オートクレーブに、実
施例3で得られた組成物B 53g、触媒として展開ラ
ネーニッケル(商品名:展開ラネーニッケルNDT−6
5、川研ファインケミカル株式会社製)11g、水酸化
ナトリウム1g及び2−プロパノール(試薬特級、和光
純薬工業株式会社製)105gを入れ、水素ガスを充填
し水素圧20気圧・反応温度200℃において10時間
攪拌して水素化反応を行った。得られた反応生成物をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。トランス−3−
イソカンフィルシクロヘキサノールが、5−イソカンフ
ィルグアヤコール基準の選択率で33%、2−メトキシ
フェニルメチルカルボナート基準の選択率で8%生成し
ていた。
施例3で得られた組成物B 53g、触媒として展開ラ
ネーニッケル(商品名:展開ラネーニッケルNDT−6
5、川研ファインケミカル株式会社製)11g、水酸化
ナトリウム1g及び2−プロパノール(試薬特級、和光
純薬工業株式会社製)105gを入れ、水素ガスを充填
し水素圧20気圧・反応温度200℃において10時間
攪拌して水素化反応を行った。得られた反応生成物をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。トランス−3−
イソカンフィルシクロヘキサノールが、5−イソカンフ
ィルグアヤコール基準の選択率で33%、2−メトキシ
フェニルメチルカルボナート基準の選択率で8%生成し
ていた。
【0029】比較例1 グアヤコール(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)3
7g、カンフェン(試薬、東京化成工業株式会社製)2
0gの溶液に、室温で三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯
体(試薬一級、和光純薬工業株式会社製)2.1gを1時
間かけて滴下した。40℃で1時間攪拌した後、トルエ
ン16gを加え、ついで5%水酸化ナトリウム水溶液1
5gを加えた。分液した後、有機層を飽和食塩水で洗浄
し、ガスクロマトグラフィーで分析した。5−イソカン
フィルグアヤコールがグアヤコール基準の選択率で12
%生成していた。
7g、カンフェン(試薬、東京化成工業株式会社製)2
0gの溶液に、室温で三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯
体(試薬一級、和光純薬工業株式会社製)2.1gを1時
間かけて滴下した。40℃で1時間攪拌した後、トルエ
ン16gを加え、ついで5%水酸化ナトリウム水溶液1
5gを加えた。分液した後、有機層を飽和食塩水で洗浄
し、ガスクロマトグラフィーで分析した。5−イソカン
フィルグアヤコールがグアヤコール基準の選択率で12
%生成していた。
【0030】2−メトキシフェニルメチルカルボナート
を用いる方法の5−イソカンフィルグアヤコールの選択
率は、グアヤコールをカンフェンでアルキル化して2−
メトキシフェニルメチルカルボナートを用いない方法に
比べて高いことがわかる。トランス−3−イソカンフィ
ルシクロヘキサノールの選択率は、イソカンフィルグア
ヤコールの選択率に比例する。従って、2−メトキシフ
ェニルメチルカルボナートを用いる方法のトランス−3
−イソカンフィルシクロヘキサノールの選択率は、従来
のグアヤコールをカンフェンでアルキル化する方法に比
べて高くなることがわかる。
を用いる方法の5−イソカンフィルグアヤコールの選択
率は、グアヤコールをカンフェンでアルキル化して2−
メトキシフェニルメチルカルボナートを用いない方法に
比べて高いことがわかる。トランス−3−イソカンフィ
ルシクロヘキサノールの選択率は、イソカンフィルグア
ヤコールの選択率に比例する。従って、2−メトキシフ
ェニルメチルカルボナートを用いる方法のトランス−3
−イソカンフィルシクロヘキサノールの選択率は、従来
のグアヤコールをカンフェンでアルキル化する方法に比
べて高くなることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 68/06 C07C 68/06 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 葉賀 徹 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB84 AC21 BA19 BA37 BA67 BB11 BB12 BD70 BE20 BE60 4H039 CA40 CA41 CA60 CB10 CF10 CG40
Claims (6)
- 【請求項1】 式(I) (ただし、式中R1はOCH3基に対し2−または4−の
位置にあるイソカンフィル基であり、R2はC1〜C6の
アルキル基である。)で示されるイソカンフィルグアヤ
シルカルボナート。 - 【請求項2】 式(II) (ただし、式中R3はC1〜C6のアルキル基である。)
で示される2−メトキシフェニルアルキルカルボナート
とカンフェン類とを酸触媒の存在下において反応させて
なる、請求項1記載のイソカンフィルグアヤシルカルボ
ナートの製造方法。 - 【請求項3】酸触媒がルイス酸であることを特徴とする
請求項2記載のイソカンフィルグアヤシルカルボナート
の製造方法。 - 【請求項4】酸触媒が塩化鉄であることを特徴とする請
求項2記載のイソカンフィルグアヤシルカルボナートの
製造方法。 - 【請求項5】反応をベンゼン類存在下で行うことを特徴
とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のイソカンフ
ィルグアヤシルカルボナートの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1記載のイソカンフィルグアヤシ
ルカルボナートを加水分解した後、水素化してなる、ト
ランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28399499A JP2001106655A (ja) | 1999-10-05 | 1999-10-05 | イソカンフィルグアヤシルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてなるトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28399499A JP2001106655A (ja) | 1999-10-05 | 1999-10-05 | イソカンフィルグアヤシルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてなるトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001106655A true JP2001106655A (ja) | 2001-04-17 |
Family
ID=17672923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28399499A Pending JP2001106655A (ja) | 1999-10-05 | 1999-10-05 | イソカンフィルグアヤシルカルボナート、その製造方法及びそれを用いてなるトランス−3−イソカンフィルシクロヘキサノールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001106655A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011132098A1 (en) * | 2010-04-21 | 2011-10-27 | Firmenich Sa | Organic carbonates with vanilla odor |
-
1999
- 1999-10-05 JP JP28399499A patent/JP2001106655A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011132098A1 (en) * | 2010-04-21 | 2011-10-27 | Firmenich Sa | Organic carbonates with vanilla odor |
JP2013525535A (ja) * | 2010-04-21 | 2013-06-20 | フイルメニツヒ ソシエテ アノニム | バニラ臭を有する有機カルボナート |
US8648033B2 (en) | 2010-04-21 | 2014-02-11 | Firmenich Sa | Organic carbonates with vanilla odor |
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