JP2001104771A - 薄膜および薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜および薄膜の製造方法

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JP2001104771A
JP2001104771A JP28495899A JP28495899A JP2001104771A JP 2001104771 A JP2001104771 A JP 2001104771A JP 28495899 A JP28495899 A JP 28495899A JP 28495899 A JP28495899 A JP 28495899A JP 2001104771 A JP2001104771 A JP 2001104771A
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Tomohiro Inoue
智博 井上
Hiroshi Kondo
浩 近藤
Fuminao Matsumoto
文直 松本
Akihiko Kanemoto
明彦 金本
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疎水性物質の薄膜層と電極との密着性を改善
し、実用デバイスへの応用可能な均一な薄膜の製造方法
および該薄膜の提供。 【解決手段】 疎水性物質を水性媒体中で界面活性剤に
よりミセル化して可溶化、または分散し、得られたミセ
ル化液を電気化学的に酸化または還元し、電極上に薄膜
を形成する製造方法おいて、該電極の表面粗さが、中心
線平均粗さRaが0.005〜0.05μmであること
を特徴とする薄膜の製造方法、および中心線平均粗さR
aが0.005〜0.05μmである表面粗さを有する
電極上に電気化学的に酸化または還元して形成された薄
膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は疎水性物質の各種製
品の着色、光導電体デバイス、表示デバイス、感光デバ
イスなどに応用が期待される均一な薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、疎水性物質の薄膜は、蒸着法、C
VD法などの乾式成膜法、スピンコート法、スプレー塗
布法、浸漬塗布法などの湿式成膜法により作製されてい
る。しかし、乾式成膜法は1μm以下の極薄い膜が均一
に生成可能であるが、大規模な装置が必要であり、生産
性、経済性が低かったり、成膜する疎水性物質によって
は、成膜工程で分解してしまい目的物質の薄膜が得られ
ないなどの問題がある。また、前記有機溶媒を用いた湿
式成膜法は工業的には広く用いられているが、疎水性物
質の分散液を作製するのが難しかったり、有機溶媒を用
いることから環境面への問題が無視できない状況であ
る。
【0003】前記のような問題点を解決するため、水性
媒体中に疎水性物質を界面活性剤によって可溶化して、
電気化学的に酸化または還元し、導電性電極上に薄膜を
形成する方法が提案された(J.Am.Chem.So
c.1991,113,450−456、特許公報18
12057、特開平2−164435、特開平3−23
227)。このような方法は有機溶媒を用いることによ
るデメリットはなく、さらにバインダー樹脂等のマトリ
クスを用いずにも成膜可能であることから、種々の特性
面において有利であるため、前述のように種々のデバイ
スに応用が期待されている。しかし、成膜後の洗浄工程
において成膜した薄膜の剥離による膜の不均一化が起き
やすく、これは1μm以下の薄膜になると顕著であると
いう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、生産性、経済性に優れ、また環境面にも配慮され、
かつ、目的の特性の薄膜が得られる電気化学的薄膜の製
造方法、すなわち、水性媒体中に疎水性物質を界面活性
剤によってミセル化して可溶化、または分散して、得ら
れたミセル化液を電気化学的に酸化または還元し、電極
上に薄膜を形成する製造方法において、疎水性物質の薄
膜層と電極との密着性を改善し、実用デバイスへの応用
可能な均一な薄膜の製造方法および該薄膜を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水性媒体
中に疎水性物質を界面活性剤によってミセル化して可溶
化、または分散して、該ミセル化液を電気化学的に酸化
または還元し、電極上に薄膜を形成する製造方法におい
て、疎水性物質の堆積する電極上を粗面化し、該表面粗
さをある特定範囲に限定すること、すなわち、電極の中
心線平均粗さRaが0.005〜0.05μmとするこ
とによって、形成される疎水性物質の薄膜層と電極の密
着性が向上することを見出し、本発明に到達することが
できた。本発明においては、薄膜の膜厚が薄いほど、す
なわち1μm、好ましくは5000Å以下、さらに好ま
しくは1000〜5000Åである場合、界面活性剤が
フェロセン誘導体である場合、疎水性物質がフタロシア
ニン化合物である場合、および疎水性物質が炭素材料、
特に疎水性物質がCNTである場合に効果的である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。 成膜 本発明の成膜に用いる水性媒体中に疎水性物質を界面活
性剤によって可溶化して、電気化学的に酸化または還元
し導電性電極上に薄膜を形成する方法について説明す
る。これらには、(1)いわゆるミセル電解法と呼ばれ
る方法(特許公報1812057など)、(2)電解以
外の酸化還元反応を用いる方法(特開平3−23227
など)、(3)その他の電解処理法(特開平2−164
435など)が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0007】(1)のミセル電解法では、疎水性物質を
フェロセン誘導体からなる界面活性剤によりミセル化し
て水性媒体に可溶化、または分散して、この分散液に必
要に応じて支持塩を添加して電解すると、陽極近傍でフ
ェロセン誘導体中のFeイオンが酸化されることにより
ミセルが分解し、ミセル内の疎水性物質の分散粒子が陽
極上に堆積するものである。これら疎水性物質をミセル
化する際に用いるフェロセン誘導体界面活性剤は、電解
反応に必要なフェロセン部位と非イオン性、カチオン
性、アニオン性の界面活性部位を合わせ持ち、特開昭6
3−243298、特開平1−226894、特開平1
−45370、特開平2−88387、特開平2−96
585、特開平2−250892に開示されているが、
特に限定される物ではない。ミセル電解液の水性媒体と
しては、水を初め、これにアルコール、アセトンなどを
必要に応じて混合して用いる。また、ミセル電解液中に
は、水性媒体の電気伝導度を調節するために、必要に応
じて支持電解質を添加する。この支持電解質としては、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、などの硫酸塩、ハロ
ゲン化物、酢酸塩、水溶性酸化物など、一般に広く用い
られているものが用いられる。
【0008】上記材料を用いて、ミセル電解液を調製す
るには、上記水性媒体中に疎水性物質、酸化還元可能な
界面活性剤、必要に応じて、導電性粒子、支持電解質な
どを入れて、ホモジナイザー、三本ロールミル、サンド
ミル、パールミル、スターラーなどの分散方法で、均一
に分散、あるいは可溶化する。ここで、界面活性剤濃度
は0.1mmol/l〜1.0mol/lが好ましく、
分散粒子濃度は1〜500g/lが好ましい。このよう
にして調製したミセル電解液を用いて薄膜を作製するに
は、電極を電解液中に浸漬し通電処理するわけだが、こ
の時の電解条件としては、用いる界面活性剤の酸化還元
電位以上で、水素発生電位以下の電圧で行なう。具体的
には、0.1〜1.5V、電流密度は1mA/cm
下が好ましく、定電位、定電流などの電解方法にて行な
う。このような条件で電解するとミセル電解法の原理に
従って、所望の薄膜が形成する。
【0009】(2)の電解以外の酸化還元反応を用いる
方法では、ミセル化までは(1)と同様であるが、界面
活性剤としてフェロセン誘導体を使用する場合、薄膜を
形成する電極上にフェロセン誘導体の酸化電位よりも貴
な金属化合物を付着させたものを用いてミセル分散液中
で半電池電極を形成させる。すると、ミセル分散液中に
浸漬するだけで、金属化合物中の金属イオンが還元さ
れ、フェロセン誘導体のFeが酸化されるため、ミセル
が分解して、分散粒子の疎水性物質が陽極上に堆積す
る。ここで用いるフェロセン誘導体は(1)と同様なも
のが用いられる。
【0010】(3)のその他の電解処理法は、界面活性
剤としてフェロセン誘導体以外のHLB値10.0〜2
0.0のものを用いて陰極上に分散粒子の疎水性物質が
堆積するものである。界面活性剤としてはポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリエキシエチレンアルキルフェニルエーテル
などの非イオン性の界面活性剤が用いられ、陽極、陰極
間を3.0〜5.0Vに設定し、電流密度10〜100
μA/cmとして行う。薄膜の膜厚は薄いほど、すな
わち、1μm以下、好ましくは5000Å以下、さらに
好ましくは1000〜5000Åである場合、膜厚むら
の問題が大きく低減して、均一な薄膜が作製できる。
【0011】電極基板 電極基板に関しては、前記(1)の場合には、フェロセ
ン化合物の酸化電位よりも貴な導電体、たとえば、金・
銀・白金・カーボン・ITOなどの導電性金属酸化物、
導電性高分子などが挙げられる。これらは、単体で用い
ても、各種金属、セラミックス、ガラス、ポリマーフィ
ルム等の支持体基板上にスパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、真空蒸着法、CVD法等の物理的方法、
印刷法、塗布法、化学蒸着法などの化学的方法などによ
り形成して用いてもよい。
【0012】前記(2)の場合には、各種金属、カーボ
ン、導電性金属酸化物、導電性高分子などの上に、フェ
ロセン化合物の酸化電位よりも貴な金属化合物を付着さ
せたものを用いる。金属化合物としてはPbO、MnO
、CuO、WO、WO 、ZnO、CuS、
HgS、AgSなどが挙げられ、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、真空蒸着法、CVD法等の物
理的方法、印刷法、塗布法、化学蒸着法などの化学的方
法などによって付着させることができる。また、鉛、マ
ンガン、アルミニウム、亜鉛などの金属単体を酸化して
使用することもできる。
【0013】前記(3)の場合には、前記(1)で挙げ
たもの以外に、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、ニッケル
などの金属、合金、結晶シリコン、アモルファスシリコ
ンなどの半導体などを用いることができる。
【0014】電極の表面粗さを制御する方法 電極の表面粗さを制御する方法としては、上記電極の材
料、作製条件により制御する方法、電極を表面処理する
方法が挙げられる。前者の方法としては種々考えられる
が、特に支持体基板上に導電性の粗面化層を設けて電極
としたものが効果的である。導電性の粗面化層とは、た
とえば、ITOなどの導電性粒子をフィラーとして分散
した樹脂分散層などが挙げられる。後者の方法の表面処
理法としては、前述の塩酸、硫酸、りん酸等の酸性溶液
等に浸漬したり、スプレー散布したりする化学的研磨に
よる方法やサンドブラスト、ショットブラスト、ブラシ
研磨、バフ研磨等による機械的粗面化方法、プラズマ中
に暴露する方法等が挙げられる。
【0015】本発明は前記課題の解決のために、電極表
面を中心線平均粗さRaが0.005〜0.05μmと
することを一つの特徴点とするものであるが、ここで、
中心線平均粗さRaとは、JIS−B0601記載の方
法であり、凹凸の中心線から各凹凸までの偏差の平均値
を表している。本発明では、DEKTAK触針式表面粗
さ計を用いて、測定長さ500μm、カットオフ値0.
08μmでの測定を行なった。前記中心線平均粗さRa
が0.005μm未満では効果がほとんど認められず、
また0.05μmを超えると効果が大きく低下したり、
薄膜表面にその凹凸が現れてしまうなどの不具合が生じ
る。
【0016】本発明で用いられる疎水性物質とは、有
機、無機問わず様々なものが挙げられ、たとえば、ペリ
レン顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔
料、アントラキノン系、金属置換フタロシアニン系顔
料、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料などのように
表示デバイス用カラーフィルター材料、光メモリー用材
料、その他エレクトロニクスデバイス用材料として用い
れらるものが挙げられる。無機物質としては、Ti
、ZnO、In、SnO、ZrO、Al
、WO、CuS、ZnS、CdS、Cなどが挙
げられる。本発明では、これらの中で、フタロシアニン
化合物、そしてCNTを中心とした炭素材料の場合が、
薄膜の応用用途は多いが、基板との密着性の優れた薄膜
が得られていないため、効果的である。ここで炭素材料
とは、CNT以外にも、以前から、導電性付与剤、電池
電極、触媒、構造強化剤等に用いられていたグラファイ
ト(黒鉛)、ピッチコークス、合成高分子、天然高分子
の焼成体、各種炭素繊維等が挙げられる。CNTについ
てさらに詳細に説明すると、厚さ数原子層のグラファイ
ト状炭素原子面を丸めた円筒が、複数個入れ子構造にな
ったものであり、nmオーダーの外径の極めて微小な物
質であり、1991年に発見され(Nature,35
4,1991,P56)、その化学的特性、電子的特
性、力学的特性などにより大きな注目を集めた。特に、
化学的安定性、金属的、半導体的な電気伝導性、高い電
子放出能、高い機械的強度、高い熱伝導性など様々な物
性が観測、および期待されている。
【0017】CNTの製造方法は、黒鉛などのアーク放
電(Nature,354,P56,1991:Nat
ure,358,P220,1992)による方法、触
媒を用いた熱分解法(J.Phys.Chem.Sol
ids,54,P1841,1993)、レーザー蒸発
法(Science,273,P483,1996)、
CVD法(Science,274,P1701,19
96)などが挙げられる。さらに、遠心分離法、ろ過
法、酸化法、クロマトグラフ法等の種々の精製法が検討
され、より高純度なCNTが生成可能となってきた。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0019】実施例1 ITOを成膜したガラス基板(ジオマテック社製 面抵
抗20Ω/□、厚さ1200Å,ガラス;コーニング社
製#7059)を2NFeCl/6NHClに1分間
浸漬した後、水洗、ブローを行ない、薄膜作製用の電極
基板とした。なお、この電極の中心線平均粗さRaを触
針法(DEKTAK)にて測定したところ、0.005
1μmであった。次に、α型銅フタロシアニン1.4
g、フェロセン誘導体としてFPEG(同仁化学製)
0.2g、支持塩としてLiBr1.0gを水100m
lに加えて10分間超音波分散し、3日間マグネチック
スターラーにて攪拌後、遠心分離(2000rpm60
分)により凝集成分を分離して、電解用の分散液を作製
した。陽極に前記電極、陰極に白金板、参照電極に飽和
カロメル電極電極(SCE)を用いて、25℃、0.5
Vの定電位電解を2.0mC/cm行ない、陽極上に
薄膜を形成した。これを電解液から取り出し、純水で洗
浄、乾燥後の膜厚を触針法(DEKTAK)にて測定し
た。なお、膜厚は9点測定し平均値を求め、また、膜厚
のばらつきとして、9点の測定点の最大値と最小値の差
を平均値で割った値(%)を求めて表1に示した。
【0020】実施例2 実施例1において、電解条件を25℃、0.5Vの定電
位電解を1.0mC/cmとした以外は同様である。
【0021】実施例3 ガラス基板(コーニング社製#7059)上に、以下の
ようにして、高周波(RF)イオンプレーティング法に
て透明導電薄膜を形成し、Arスパッタエッチングにて
表面処理を行なった。すなわち、蒸発材にITO焼結タ
ブレット(SnO5%含有)とし、O圧力7×10
−4torr、高周波電力200W、直流バイアス50
0V、基板温度200℃にて、RFイオンプレーティン
グを行なった後、Ar圧力5×10−4torr、高周
波電力100Wにて1分間スパッタエッチングを行な
い、中心線平均粗さRa0.0065μmの薄膜作製用
電極を作製した。以下、実施例2と同様な条件で薄膜を
作製し、膜厚を評価した。
【0022】実施例4 ポリビニルブチラール(ユニオンカーバイドXYHL)
1重量部をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン(7
/3vol)5重量部に溶解して、導電性TiO4重
量部を加えて三本ロールミルにて分散し、Al板上に浸
漬塗布し120℃1時間乾燥して、中心線平均粗さRa
0.045μmの薄膜作製用電極とした。以下、実施例
1において、疎水性物質をα型銅フタロシアニンの代わ
りにX型無金属フタロシアニンとした以外は同様であ
る。
【0023】実施例5 アニリン0.1mol/l、支持電解質としてLiCl
0.2mol/l水溶液に、実施例4と同様なAl
板を浸漬して、0.5V(vs S.C.E)の定電位
電解を2分間行ない、ポリアニリンを電解重合し、中心
線平均粗さRa0.014μmの薄膜作製用電極とし
た。以下、実施例4と同様な条件で薄膜を作製し、膜厚
を評価した。
【0024】実施例6 Al板を1N希硫酸中に浸して、酸化アルミニウム層を
形成し、コーニング社製#800カーボランダ粒を用い
てブラスト処理し、中心線平均粗さRa0.019μm
の薄膜作製用電極とした。次に、カーボンブラック1.
5g、フェロセン誘導体としてFPEG(同仁化学製)
0.2g、支持塩としてLiBr 1gを水100ml
に加えて10分間超音波分散し、3日間マグネチックス
ターラーにて攪拌後、遠心分離(2000rpm60
分)により凝集成分を分離して分散液を作製した。陽極
に前記電極、陰極に白金板、参照電極に飽和カロメル電
極電極(SCE)を用いて、25℃、0.5Vの定電位
電解を3.0mC/cm行ない、陽極上に薄膜を形成
し、評価した。
【0025】実施例7 実施例6において、電界条件を25℃、0.5Vの定電
位電解を2.0mC/cmとした以外は同様である。
【0026】実施例8 Al板に、コーニング社製#800カーボランダ粒を用
いてブラスト処理し、中心線平均粗さRa0.027μ
mの薄膜作製用電極とした。カーボンブラック1.2
g、フェロセン誘導体としてFPEG(同仁化学製)
0.4g、支持塩としてLiBr1gを水100mlに
加えて10分間超音波分散し、3日間マグネチックスタ
ーラーにて攪拌後、遠心分離(2000rpm60分)
により凝集成分を分離して分散液を作製した。陽極に前
記電極、陰極に白金板、参照電極に飽和カロメル電極電
極(SCE)を用いて、25℃、0.5Vの定電位電解
を2.0mC/cm行ない、陽極上に薄膜を形成し、
評価した。
【0027】実施例9 Bucky USA社製CNT(BU−200)1.2
g、フェロセン誘導体としてFPEG(同仁化学製)
0.4g、支持塩としてLiBr1gを水100mlに
加えて10分間超音波分散し、3日間マグネチックスタ
ーラーにて攪拌後、遠心分離(2000rpm60分)
により凝集成分を分離して分散液を作製した。陽極に実
施例6と同じ電極、陰極に白金板、参照電極に飽和カロ
メル電極電極(SCE)を用いて、25℃、0.5Vの
定電位電解を2.0mC/cm行ない、陽極上に薄膜
を形成し、評価した。
【0028】比較例1 実施例1において、ITOを成膜したガラス基板(ジオ
マテック社製 面抵抗20Ω/□、厚さ1200Å,ガ
ラス;コーニング社製#7059)に、2NFeCl
/6NHClによる処理を行なわなわなかった以外は同
様である。なお、電極表面の中心線平均粗さRa0.0
009μmであった。
【0029】比較例2 実施例2において、ITOを成膜したガラス基板(ジオ
マテック社製 面抵抗20Ω/□、厚さ1200Å,ガ
ラス;コーニング社製#7059)に、2NFeCl
/6NHClによる処理を行なわなわなかった以外は同
様である。なお、電極表面の中心線平均粗さRa0.0
009μmであった。
【0030】比較例3 実施例3において、Al板上に中心線平均粗さRa0.
0016μmのインジウム−錫酸化物層をスパッタリン
グ法により形成し電極として用いた以外は同様である。
なお、スパッタリングターゲットにはインジウム:錫=
9:1(重量比)で充填密度95%のインジウム−錫タ
ーゲットを用いて、真空装置内を1×10−6torr
以下に減圧しAr:O=96:4(体積比)混合ガス
を導入し、真空装置内の圧力を5×10−3torrと
し、Al基板温度を150℃に加熱し、ターゲット印加
電圧140Vにて行なった。
【0031】比較例4 実施例4において、Al板上にポリビニルブチラール/
TiOの粗面化層を設けなかった以外は同様である。
この際、電極の表面の酸化アルミニウム層の中心線平均
粗さRaは0.0038μmであった。
【0032】比較例5 実施例6において、ブラスト処理を行なわなかった以外
は同様である。この際、電極の表面の酸化アルミニウム
層の中心線平均粗さRaは0.0038μmであった。
【0033】比較例6 実施例8において、ブラスト処理を行なわなかった以外
は同様である。この際、電極表面のAlの中心線平均粗
さRaは0.0026μmであった。
【0034】比較例7 実施例9において、比較例5のブラスト処理を行なわな
かった基板を用いた以外は同様である。この際、電極の
表面の酸化アルミニウム層の中心線平均粗さRaは0.
0038μmであった。
【0035】比較例8 実施例4で成形したAl板上のポリビニルブチラール/
TiOの粗面化層をさらにコーニング社製#800カ
ーボランダ粒を用いてブラスト処理し、中心線平均粗さ
Raは0.066μmとした以外は実施例4と同様であ
る。
【0036】
【表1】
【0037】
【効果】1.請求項1 電極の中心線平均粗さRaが0.005〜0.05μm
とすることによって、疎水性物質の薄膜層と電極の密着
性が向上し、洗浄後の膜厚むらの少ない均一な薄膜が得
られることができた。 2.請求項2 特に膜厚むらの少ない均一な薄膜が得られた。 3.請求項3 膜厚むらの問題を大きく低減して、均一な薄膜が作製で
きた。 4.請求項4 電解条件での制御が行い易く高成膜効率で薄膜が作製で
きた。 5.請求項5 密着性の問題が大きく改善され、膜厚の均一性の点で優
れた薄膜が作製できた。 6.請求項6〜7 密着性の問題が大きく改善され、膜厚の均一性の点で優
れた薄膜が作製できた。 7.請求項8〜10 電極との密着性が向上し、膜厚むらの少ない均一な薄
膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 文直 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 金本 明彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 4G046 CB03 CC05 4G075 AA24 AA27 AA62 BA06 BC02 BC03 CA20 CA57 FB03 FC11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性物質を水性媒体中で界面活性剤に
    よりミセル化して可溶化、または分散し、得られたミセ
    ル化液を電気化学的に酸化または還元し、電極上に薄膜
    を形成する製造方法おいて、該電極の表面粗さが、中心
    線平均粗さRaが0.005〜0.05μmであること
    を特徴とする薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 電極が支持体基板上に設けた導電性の粗
    面化層である請求項1記載の薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性の粗面化層の膜厚が1μm以下で
    ある請求項2記載の薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 界面活性剤がフェロセン誘導体である請
    求項1〜3のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 疎水性物質がフタロシアニン化合物であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 疎水性物質が炭素材料である請求項1〜
    4のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 疎水性物質がカーボンナノチューブ(C
    NT)である請求項6記載の薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 中心線平均粗さRaが0.005〜0.
    05μmである表面粗さを有する電極上に疎水性物質を
    水性媒体中で界面活性剤によりミセル化して可溶化、ま
    たは分散して得られた分散液を電気化学的に酸化または
    還元して形成された薄膜。
  9. 【請求項9】 電極が支持体基板上に設けた導電性の粗
    面化層である請求項8記載の薄膜
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれかに記載の薄膜
    の製造方法で作製された請求項8〜9のいずれかに記載
    の薄膜。
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