JP2001103857A - 養液栽培方法及びそれに用いる培地 - Google Patents

養液栽培方法及びそれに用いる培地

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JP2001103857A JP28672699A JP28672699A JP2001103857A JP 2001103857 A JP2001103857 A JP 2001103857A JP 28672699 A JP28672699 A JP 28672699A JP 28672699 A JP28672699 A JP 28672699A JP 2001103857 A JP2001103857 A JP 2001103857A
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Tadashi Ito
正 伊東
Tatsu Maruo
達 丸尾
Hidekazu Kobori
英和 小堀
Hirotaka Sato
裕隆 佐藤
Shinichi Tsunoda
真一 角田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 培養液を給液し栽培する方式の養液栽培方法
において、生育に適した培地を調整し、より簡易な培養
液管理が可能となり且つ周囲環境への影響を極力抑える
ことができる養液栽培方法、並びにそれに用いる培地を
提供することを目的とする。 【解決手段】 易効性水分量(−3kPa〜−1600
kPaで保持される水分量)が150リットル/m3
上で且つ難効性水分量(−100kPa〜−1600k
Paで保持される水分量)が50リットル/m3以上に
調整された培地を用いて養液栽培を行うことにより、よ
り簡易な培養液管理が可能となり且つ周囲環境への影響
を極力抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養液栽培方法及び
それに用いる培地に関する。更に詳細には、周辺土壌か
ら隔離された容器に培地となる資材を詰め、その中に野
菜園芸(トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、メロン等
の果菜類)、及び花卉園芸(バラ、カーネーション
等)、及び果樹園芸(モモ、ブドウ等)を植え付け、培
養液を給液し栽培する方式の養液栽培方法において、生
育に適した培地を調整し、より簡易な培養液管理が可能
となり且つ周囲環境への影響を極力抑えることができる
養液栽培方法、並びにそれに用いる培地に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、主として普及している養液栽培方
式を大別すると、湛液型循環式水耕、NFT、固形培地
耕がある。湛液型水耕には、ベッド内に一定量の培養液
をたたえておき、これを間欠的・多量に強制循環、ある
いは、少量の液を瀑気しながら間欠的に循環、または、
各ベッド交互に、多量に交換させる方式などがある。N
FTは、緩傾斜をつけたフィルム利用による水路状のベ
ッドに、上方から培養液を少しずつ流下させ、タンクに
戻して、液を循環させる方法である。これらの方法は、
培地が液相だけで構成され、根の呼吸に必要な酸素は溶
存酸素として供給される。根圏が単純で、根圏環境の制
御がし易いという特徴を持つため葉菜類を中心とした大
規模な植物工場的生産方式に適している。これに対し
て、固形培地耕は礫、ロックウール等の培地を用いた養
液栽培方式で、培地に固相、液相、気相の三相を有し、
最も土耕に近い養液栽培である。用いる培地の種類によ
って、無機培地耕と有機培地耕に大別され、無機培地耕
には礫耕、砂耕、もみがらくん炭耕、バーミキュライト
耕、パーライト耕、ロックウール耕があり、有機培地耕
はさらに樹皮耕、ヤシ殻耕、ピートモス耕、おがくず
耕、もみがら耕など天然有機物を用いるものとポリウレ
タン耕、ポリフェノール耕、ビニロン耕など有機合成物
を用いるものがある。このうち、製鉄時に発生する残渣
を用いるロックウール耕が安価で、保水性があり、化学
的に不活性で培養液の組成にほとんど影響を与えない培
地である等の理由から最も普及しており、施設園芸の重
要品目である果菜類、切り花等の栽培に用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしロックウール耕
に用いられる培地は燃えず、腐らないため栽培終了後の
廃棄に大きな問題がある。また、培地としてロックウー
ルは、その固相率が3〜5%と低く、保持する水分のほ
とんどが−50kPa以下の易有効性水分であることか
ら、植物の養水分吸収が行いやすい反面、土耕栽培に比
べて養水分吸収過多による栄養生長過多になりやすい、
果実の糖度を上げるための水分ストレス処理がしにくい
等の問題があった。また、物理的な緩衝力が小さいこと
から、培地内の水分が減少すると急激に植物の吸水が抑
制されたり、一度乾燥してしまうと培地内に水みちがで
きやすい等の問題があった。また、培地に化学的、生物
的緩衝力がないことから微量要素の欠乏が起きやすい、
土壌病原菌の混入による病害が発生しやすいと言った問
題点もあった。
【0004】近年これらの問題点を解決するためにロッ
クウールとピートモスを混合した培地を利用する方法
(特開平7−298778号公報)、椰子の果肉を培地
に利用する方法(特開平8−107729号公報)や木
材破砕粒を加熱圧縮成型された培地を用いる方法(特開
平9−98681号公報)、上方開放のケース内に植物
栽培用の培地を収容したものを用いる方法(特開平8−
331990号公報;少量土壌培地システム(養液栽培
の手引き;(社)日本施設園芸協会編;誠文堂新光社;
p.208〜212;1996)、透水性を有するが根
は通さない長尺状シートに作物育成に必要な栄養分を含
有する培地を載置して包み込む根域制限作物栽培床(特
開平9−61号公報)等が様々な手法が試みられてい
る。しかしながら、養液栽培に適した培地の原材料組成
やその培地に適した給液管理方法について十分確立され
ているとは言えない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、より簡易な
培養液管理が可能であり且つ周囲環境への影響を極力抑
えることができる養液栽培方法、並びにそれに用いる培
地を見出すことを目的として鋭意研究した結果、培地の
易効性水分量、即ち団粒間孔隙の毛管力によって保持さ
れる水分量と、培地の難効性水分量、即ち団粒内孔隙に
よって生じる毛管力によって保持される水分量とを特定
の値以上に調整することによって、目的とする養液栽培
方法が達成され、またそれに適した培地が得られること
を見出し本発明を完成させた。
【0006】しかして、本発明は、周辺土壌から隔離さ
れた容器に培地を詰め、そこに栽培植物を植え付け、培
養液を給液して栽培する養液栽培方法において、培地と
して、易効性水分量(−3kPa〜−100kPaで保
持される水分量)が100リットル/m3以上で且つ難
効性水分量(−100kPa〜−1600kPaで保持
される水分量)が50リットル/m3以上に調整された
培地を用いることを特徴とする養液栽培方法である。こ
の養液栽培方法においては、培地は、易効性水分量が1
50リットル/m3以上で且つ難効性水分量が70リッ
トル/m3以上に調整されているのが好ましい。また、
培地の陽イオン交換容量が30〜100me/100g
に調整されているのが好ましい。この養液栽培方法とし
ては、長さ方向に防水シートで培地を包含する栽培床を
構成することにより、あるいは上端が広く開口した固定
式栽培床に培地を詰めることにより、周辺土壌から培地
を隔離し、隔離された栽培床内に点滴あるいは散水方式
の灌水チューブを設置し灌水を行う養液栽培方法が適し
ている。
【0007】更に、本発明は、易効性水分量(−3kP
a〜−100kPaで保持される水分量)が100リッ
トル/m3以上で且つ難効性水分量(−100kPa〜
−1600kPaで保持される水分量)が50リットル
/m3以上である養液栽培用培地である。この養液栽培
用培地は、易効性水分量が150リットル/m3以上で
且つ難効性水分量が70リットル/m3以上であるのが
好ましい。また、陽イオン交換容量が30〜100me
/100gであるのが好ましい。更には、非有機質系資
材と有機質系資材とを混合した培地であるのが好まし
い。更には、有機質系資材の割合が、培地の30〜60
重量%であるのが好ましい。更には、非有機質系資材と
して浄水場発生土を用いるのが好ましい。また、養液栽
培用培地には、植物病原菌に拮抗性を有する拮抗微生物
を添加するのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の養液栽培方法では、使用
する培地の易効性水分量(−3kPaで保持される水分
量〜−100kPaで保持される水分量)を100リッ
トル/m3以上、望ましくは150リットル/m3以上、
且つ難効性水分量(−100kPaで保持される水分量
〜−1600kPaで保持される水分量)を50リット
ル/m3以上、望ましくは70リットル/m3以上に調整
する。易効性水分量は団粒間孔隙の毛管力によって保持
される水分量であり、難効性水分量は団粒内孔隙によっ
て生じる毛管力によって保持される水分量である。本発
明では、養液栽培の培地の易効性水分量を、望ましくは
150リットル/m3以上、且つ難有効水分量を70リ
ットル/m3以上に調整することによって、植物の蒸散
または培地表面からの蒸発によって培地中から水分が奪
われた際、培地中の毛管力により急激な乾燥(−100
〜−1600kPa)による乾燥害を防ぐことができ
る。また、枯死まで至らない程度の適度の水分ストレス
(水分張力:−30〜−50kPa)を容易に、また安
定的に植物に与えることが可能となり、例えば高糖度ト
マトの生産などが可能となる。また、このように調整し
た培地は、従来から養液栽培用培地として用いられてい
るロックウール、ピート等に比べ水分保持力が高いた
め、小容量の培地量で栽培が可能であり、さらに、植物
の吸水量と同量の灌水を行うことにより、廃液を出さず
に閉鎖系の培養液管理も可能となる。
【0009】本発明の養液栽培方法では、培地の陽イオ
ン交換容量を、好ましくは30〜100me/100
g、特に好ましくは30〜70me/100gに調整す
るのがよい。これによって植物による養分吸収を著しく
抑制することなく、培地に十分な養分を保持しながら栽
培することができる。また、急激なpHの変動や特定の
成分の欠乏や集積を防ぐことができ、さらに培養液をか
け流して栽培した場合、余剰の無機成分の排出を極力減
らすことができる。
【0010】本発明で提供される養液栽培用培地は、上
記から明らかなように、易効性水分量が100リットル
/m3以上、望ましくは150リットル/m3以上、且つ
難効性水分量が50リットル/m3以上、望ましくは7
0リットル/m3以上に調整された培地である。また、
陽イオン交換容量が、好ましくは30〜100me/1
00g、特に好ましくは30〜70me/100gに調
整された培地が望ましい。
【0011】このような特性を持った培地は、非有機質
系資材と有機質系資材とを適当な割合で混合し、その易
効性水分量と難効性水分量、必要により更に陽イオン交
換容量を測定しそれらが上記した特定の値を有するもの
を選択することにより得ることができる。ここで用いる
非有機質系資材としては、例えば、浄水場発生土;森林
土壌(赤土、黒土、マサ土など)、水田土壌、畑土壌等
の一般土壌;ゼオライト、バーミキュライト、パーライ
ト等の無機物などが挙げられる。これらの非有機質系資
材はそれぞれ単独で用いてもよく、またこれらの2種以
上を混合して用いてもよい。有機質系資材としては、例
えば、バーク堆肥、ピートモス、ヤシガラ解砕物、もみ
がらなどが挙げられる。培地中の有機質系資材の含有量
は、30〜60容量%であることが好ましい。このよう
な量の有機質系資材を用いることにより、培地中におい
て腐植を分解する微生物相の活動が活発化する。その結
果、微生物が有機質系資材を分解する事により、有機物
→アミノ酸→アンモニア態窒素→硝酸態窒素と長期に渡
る緩効的な窒素養分の溶出が好ましく行われる。
【0012】本発明の養液栽培用培地に用いる非有機質
系資材の好ましい例としては、浄水場発生土を挙げるこ
とができる。本発明で用いる浄水場発生土は浄水処理過
程で発生する沈積泥土(浄水汚泥)を濃縮脱水した浄水
ケーキが望ましい。また、本発明で用いる浄水場発生土
は凝集剤としてポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウ
ムを添加して沈殿処理され、無石灰処理により脱水され
たものが望ましい。本発明の養液栽培用培地として利用
するために望ましくは浄水場発生土は、含水率が40%
以上60%以下、望ましくは50%以上55%以下に調
整され、目開き2mmの篩を通過するものが50容量%
以上90容量%以下、目開き10mmの篩を通過し目開
き2mmの篩に残るものが10容量%以上50容量%以
下の構成を有するのが望ましい。
【0013】本発明の培地において浄水場発生土を非有
機質系資材として用いる場合、浄水場発生土を単独で用
いても必要に応じて他の非有機質系資材と組み合わせて
用いてもよく、浄水場発生土と必要に応じて他の非有機
系資材と共に有機質系資材と適当な割合で混合して本発
明の好ましい培地が得られる。この場合、用いる浄水場
発生土の量は、培地中に40容量%以上60容量%以
下、望ましくは45容量%以上55容量%以下含まれる
量がよい。本発明の培地の非有機資材として用いる浄水
場発生土は、加圧法あるいは乾熱法によって得られる浄
水場発生土が好ましい。その理由は、これらの方法によ
って得られる浄水場発生土は、脱水過程で堅固に締め固
められているため耐水性が高く、灌液、根の伸長等の作
用による培地の物理性の変化が起こりにくく、また、分
解による容積損失が小さいため、長期の利用にも物理的
に安定である。さらに、植物の成育に必要な微量要素を
多く含むため、養液栽培用培地で問題となる微量要素の
欠乏が回避でき、また、養液栽培の培養液としてはN、
P、Kのみを施用するだけで栽培することができる。ま
た、日本各地に浄水場が点在しており、培地用の資材と
しては安定的に供給することが可能である。
【0014】本発明の培地の非有機質系資材として浄水
場発生土を用いた場合、浄水場発生土は浄水処理過程で
添加されるアルミニウム化合物の影響でリン酸吸収係数
が高いため、培地に肥料成分としてリン酸肥料を適当な
量で添加するのが好ましい。リン酸肥料の添加量が少な
いとリン酸欠乏を引き起こす。また、リン酸添加量が多
いと土壌中の塩類濃度を高めて根に障害を及ぼしたり、
リン酸肥料の副成分であるカルシウムやマグネシウム等
が過剰となり培地中のミネラルバランスを損なう。ま
た、養液栽培では、栽培期間が長期にわたるため、持続
的にリン酸成分を植物体に供給することが望ましい。た
だし、養液栽培で給水される培養液中に通常リン酸肥料
が含まれることから、栽培開始時のリン酸欠乏を発生さ
せずに、しかも培地の電気伝導度を上げることなく、ま
た、カルシウムやマグネシウムが過剰でないリン酸肥料
を使用することが望ましい。本発明で用いるリン酸肥料
の種類については、含有リン酸成分のうち水溶性リン酸
を除く、く溶性リン酸が50重量%以上であるリン酸肥
料を用いるのが望ましい。具体的には熔燐、リンスタ
ー、重焼リン等が例示される。培地に添加するリン酸肥
料の量は、得られる培地1リットルあたりリン酸成分と
して1500mg以上4000mg以下、好ましくは2
000mg以上、3000mg以下となる量が望まし
い。
【0015】本発明で非有機質系資材の一つである無機
物として用いるゼオライトは、主にアナルサイム、モル
デナイト、クリノプチノライトの3種類があり、特にモ
ルデナイトとクリノプチノライトは陽イオン交換容量が
高く、交換性陽イオン含量が高くアンモニウムイオンを
選択的に吸着する性質を持っている。さらに物理性の改
善効果として土壌の保水性特に易効性水分量、および透
水性を高める効果があり、砂質土壌等保水性の低い土壌
では、保水性を高める働きがあることから農業用として
広く使われている。本発明で用いるゼオライトは、農業
用として優れた効果を持つクリノプチロライトが最も望
ましい。本発明では、ゼオライトを培地に添加すること
で、前述の無機質資材の効果のうち、培地の保水性、特
に易効性水分量および透水性が向上され、前述の無機質
資材の効果以外にとくに化学性を改良し、保肥力及び緩
衝能が高い培地を得ることができる。
【0016】本発明で非有機質系資材の一つである無機
物として用いられるバーミキュライトは、土壌改良材と
して市販のものであればいずれのものでも良い。バーミ
キュライトは蛭石を高温で焼成したもので、多孔質の軽
い資材である。また、陽イオン交換容量が高い。このた
めバーミキュライトを培地に添加することで、とくに培
地の主に易効性水分量が上昇し保水性が向上し、また、
特に保肥力及び緩衝能が高い培地を得ることができる。
【0017】本発明で非有機質系資材の一つである無機
物として用いられるパーライトは、真珠岩や黒曜石を粉
砕して高温で焼成したもので、孔隙率が高く、軽量であ
る。本発明では、保水性、即ち、易効性及び難効性水分
量を高め、透水性を高める土壌改良材として、市販のも
のであればいずれのものでも良い。パーライトを培地に
添加することで、特に透水性が向上し、また、高い気相
率を有する培地を得ることができる。
【0018】本発明で非有機質系資材の一つである無機
物として用いる炭化物は、土壌改良材として市販のもの
であればいずれのものでも良いが、炭の原料として木
片、もみがら、食品汚泥等の植物質資材を炭化したもの
が好ましく用いられ、特に木片を炭化した木炭、もみが
らを炭化したもみがらくん炭が望ましい。本発明では、
炭を培地に添加することで、とくに培地の透水性が向上
され、特に気相率が高い培地を得ることができる。ま
た、炭に含有される各種ミネラル等の微量成分を植物に
供給することができるため、化学性が長期にわたって維
持された培地を得ることができる。
【0019】本発明の非有機質系資材の一つとして用い
る一般土壌は、森林土壌(黒土、赤土、マサ土など)、
水田土壌、畑土壌等の周辺土壌すべてを指す。これらの
一般土壌は、種類によって有効水分量の特性に与える効
果が異なり、団粒構造が発達している黒ボク土、畑土
等、また、粘土含有量が高い赤土、水田土壌、森林土壌
等は易効性水分量及び難効性水分量の有効水分量を高め
る効果が期待できる。これ以外の鹿沼土、砂壌土等は有
効水分量を高める効果は期待できないが、気相率、透水
性を高める効果が期待できる。
【0020】本発明では有機質系資材の一つとしてバー
ク堆肥を用いることができる。バーク堆肥は、特に浄水
場発生土と組み合わせて用いるのが好ましい。バーク堆
肥を用いることによって培地を膨軟化し、容積重が軽く
扱いやすくなるだけでなく、適度な保水性を有する培地
を得ることができる。また、堆肥化中に増殖した微生物
相により培地の生物的緩衝力を高める効果がある。バー
ク堆肥を用いる場合のその使用量は、培地に対して30
容量%以上50容量%以下となる量が望ましく、さらに
望ましくは35容量%以上45容量%以下となる量であ
る。本発明で用いるバーク堆肥は広葉樹あるいは針葉樹
の樹皮に鶏ふんや尿素などの窒素源を加えて長期間醗酵
腐熟させたもので、土壌改良資材として政令指定されて
おり、市販品であればいずれのものを用いることができ
る。バーク堆肥の粒径は12mm以下が望ましく、10
mm以下のものがさらに望ましい。さらにバーク堆肥の
C/N比が35以下、全窒素含有量が1.0%以上1.
4%以下、電気伝導度が1.0dS/m以下のものが望
ましい。バーク堆肥を使用することで、特にバーク堆肥
中に含有する肥料成分が長期にわたり培地中に溶出して
供給され、また含有する無機成分や腐植酸質の影響で化
学的な緩衝能が高まることにより良好な培地の化学性を
栽培期間中維持することができる。また、微生物の活性
に必要な腐植等の炭素源が豊富に含まれているため、微
生物相が活性化され植物に有害な病原菌が侵入した際に
競合、及び拮抗作用により病原菌の拡散が防げるととも
に、特に病害が発生しない限り消毒の手間が省ける。本
発明で用いるバーク堆肥は、針葉樹の樹皮を発酵して製
造したものが望ましい。広葉樹に対して分解が遅いため
長期間の使用した場合にも物理性を維持することができ
る。
【0021】本発明では有機質系資材の一つとして、ピ
ートモスを用いることができる。本発明で用いるピート
モスは保水性の向上を目的とした土壌改良材として政令
指定されており、市販されているものであればいずれの
ものでもよい。ピートモスは、特に浄水場発生土と組み
合わせて用いるのが好ましい。ピートモスを用いること
で、特に保水性が高い培地を得ることができる。ピート
モスの粒径は12mm以下が望ましく、10mm以下の
ものがさらに望ましい。ピートモス用いる場合のその使
用量は、培地に対して5容量%以上25容量%以下とな
る量が望ましく、さらに望ましくは10容量%以上20
容量%以下となる量である。
【0022】本発明では有機質系資材の一つとしてヤシ
ガラ解砕物を用いることができる。ヤシガラ解砕物は、
ヤシの果肉部や木質部の組織を断裁して得られるもので
ある。特公昭63−52848号公報、特公平6−23
号公報、特開平1−312934号公報等に記載されて
いるように、ヤシガラ解砕物はそれ単独もしくは炭、肥
料などを加えることによって、保水性、透水性、保肥性
のバランスのとれた植物育成培地として利用されてお
り、また、主に保水性の改善、保肥力の改善を目的とし
た土壌改良材として一般に市販されている。ヤシガラ解
砕物は断裁の程度により、粉状の細かいものから直径3
cm程度の粒径ものもがある。本発明で用いるヤシガラ
解砕物は、粒径2mm以上12mm以下のものが望まし
い。粒径2mm以下のヤシガラ解砕物は保水性が著しく
高く、透水不良の原因となり好ましくない。また、12
mm以上では培地内の物理性が不均一になり好ましくな
い。ヤシガラ解砕物を培地の有機質系資材として用いる
ことで、培地の気相率が高く、透水性が向上した培地を
得ることができる。
【0023】本発明では有機質系資材の一つとして、も
みがらを用いることができる。もみがらとは、米を脱穀
した際に得られる否可食部の繊維質資材を指す。もみが
らは容易に崩れない構造を有しているため、培地の有機
質系資材として用いることで、特に気相率が高く、透水
性が向上された培地を得ることができる。用いるもみが
らは粉砕等の加工がされておらず、形状がよく維持され
たものが望ましい。
【0024】本発明で提供される養液栽培用培地は、上
記した、浄水場発生土、ゼオライト、バーミキュライ
ト、パーライト、炭化物、一般土壌などの非有機質系資
材と、バーク堆肥、ピートモス、ヤシガラ解砕物、もみ
がらなど有機質系資材とを混合して、得られる混合物の
易効性水分量と難効性水分量、必要により更に陽イオン
交換容量を測定しそれらが上記した特定の値を有するも
のを選択することにより得ることができる。非有機質系
資材と有機質系資材の好ましい組み合わせとしては、例
えば、浄水場発生土と、バーク堆肥及び/又はピートモ
スと、更に必要に応じてヤシガラ解砕物及び/又はもみ
がらとを用いる組み合わせ、あるいは浄水場発生土と、
ゼオライト、バーミキュライト、パーライト、炭化物及
び一般土壌から選ばれる少なくとも一種とを、バーク堆
肥及び/又はピートモスと、更に必要に応じてヤシガラ
解砕物及び/又はもみがらと共に用いる組み合わせなど
が挙げられる。いずれにせよ、浄水場発生土を非有機質
系資材の一つとして用いるのが好ましい。
【0025】本発明の培地には、植物病原菌に拮抗性を
有する拮抗微生物を添加しても良い。かかる微生物とし
ては植物病原菌に拮抗性を有するものであれば、特に制
限はなく、細菌類、放線菌類、真菌類などいずれも使用
できる。これら微生物は、生菌類は勿論、生菌体を凍結
保存したもの、凍結融解したものであっても良い。さら
に異種間の二種又はそれ以上を同時に使用しても良い。
本発明に使用される微生物は、液体培養で得られるもの
は勿論、個体培養して得た胞子であっても良い。このよ
うな拮抗菌としては、例えば特公平3−61424号公
報、特公平3−61425号公報などに記載されたもの
が挙げられる。より具体的には、土壌伝染性植物病原菌
フザリウム(Fusarium spp)に拮抗性を有
するバチルス・ライケルホルミス(Bacillus
licheniformis)、サーモアクチノマイセ
ス エスピー(Thermoactinomyces
sp)及びペニシリウム エスピー(Penicill
ium sp);土壌伝染性植物病原菌コルチシウム・
ロルフシイ(Corticium rolfsii)に
拮抗性を有するアスペルギルス・テルリウス(Aspe
rgillus terreus)及びトリコデルマ・
ビリデ(Trichoderma Viride)など
が挙げられる。
【0026】これらの菌を実際に添加する場合は、本発
明の養液栽培用培地に菌の培養液を添加して混合すれば
良い。拮抗菌の添加量は本発明の養液栽培用培地1m3
当り、通常培養液として5〜30リットルである。拮抗
菌の添加時期は、バーク堆肥を培地の有機質系資材とし
て用いる場合には、バーク堆肥の堆積中でも良い。この
場合、得られる養液栽培用培地は、バーク堆肥が添加さ
れているため微生物的緩衝力が高く、さらに拮抗菌を添
加することによって、立ち枯れ病菌が発生しても微生物
の拮抗作用によって発生防除に有効である。また、特に
病害が発生しない限り、栽培終了後も特に殺菌せずに、
次作の作付けが可能となる。
【0027】本発明では、以上に述べた資材に加えて、
主として物理性を調整するために、通常用いられる土壌
改良材を添加してもよい。土壌改良材は物理性改善を目
的として政令指定されたものや、培地原料として一般的
に用いられているものならばいずれのものでもよい。
【0028】本発明の養液栽培方法を実施するには、例
えば、長さ方向が100〜120cmの防水シートで本
発明の培地を包含し、栽培床を構成して栽培を行う。該
防水シートは水と根を通さない素材のものであり、ポリ
オレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン)フィル
ム、フッ素系フィルム、合成樹脂フィルム、防根シー
ト、生分解性プラスティックフィルム等が使える。ま
た、プラスティック、鉄骨、コンクリート、木材等で、
上端が広く開口した固定式栽培床を構成し、これに培地
を詰め、栽培床を作成して行うことができる。さらに設
置した栽培床内に点滴及び散水方式の灌水チューブを設
置し灌水を行う。灌水を行う際には、通常の植物栽培に
もちいる培養液を添加してもよい。養液栽培を行う際に
は使用する培地は、灌液の水圧、根のからみつきによる
団粒の崩壊がほとんどないのが望ましい。これによっ
て、トマト、キュウリ、メロン等の長期に渡る栽培、ま
た、数作に渡る連続使用に対しても、培地の追加をせず
使用が可能である。
【0029】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限さ
れるものではない。
【0030】実施例1 (1)方法 本試験では、物理性、特に保水性の異なる数種培地を用
いて、培地の保水性の違う養液栽培用培地がトマトの生
育、収量、品質に及ぼす影響について調査した。また、
培地内の含水率の日変化をFDR土壌水分計を用いて調
査した。供試品種はトマト品種(ハウス桃太郎)とし、
1999年5月20日に播種し、本葉6〜7枚展開時
に、供試培地を詰めた15リットル容のポリエチレン製
のバッグに定植し、1バッグあたり2株の苗を植穴をあ
け株間40cm、畝間120cmの条件で定植した(1
株当たり7.5リットルの培地)。灌水は9時、14時
に株当たり1000mlの水道水を点滴方式で与え、余
剰水を排出するためバッグの下部には長さ2〜3cmの
スリットを3ヶ所開けた。その他の栽培管理は慣行に準
じて行った。栽培試験は第4果房収穫まで行った。供試
培地は保水性の高い資材として易効性水分量が高いピー
トモス、難効性水分量の高い浄水場発生土(粒径が4m
m以下のもの)、赤土(粒径が4mm以下のもの)、ま
た保水性の低い資材としてヤシガラ繊維を表1の通り混
合した。
【0031】
【表1】
【0032】(2)結果 表2に、表1に示した供試培地の保水性の測定結果を示
した。
【0033】
【表2】
【0034】表2に示した結果から判るように、処理
1、2は処理3、4に比べ全有効水分量が大きく、難効
性水分量については処理1が処理2に比べ、処理3が処
理4に比べ大きかった。表3に、保水性の異なる養液栽
培用培地がトマトの収量及び品質に及ぼす影響調べた結
果を示した。試験開始時の培地中の窒素、リン酸、カリ
ウム含有量は全て等しくなるように調節した。調査はト
マトの生育・収量、果実のBrix値とした。
【0035】
【表3】
【0036】表3の結果から、草丈,地上部生体重,収
量ともに易効性水分含量が高い処理1、2が優れ、さら
に難効性水分量が高い処理1が処理2に対して、処理3
が処理4に比べ若干高かった。また、処理2、4はトマ
トの生育が進むに従い、灌水後急激に培地が乾燥し、植
物体の萎れが目立った。果実品質の指標となるBrix
糖度は、易効性水分含有量の高低には影響されず、難効
性水分含量の高低に影響を受けた。難効性水分量が高い
処理1、3、5のBrix糖度は生育期間を通じ安定し
ていた。一方、難効性水分量の低い処理2、4のBri
x糖度は生育初期に低かったが、生育中期以降は急激な
水分ストレスにより高糖度となった。また、各培地内の
含水率の日変化をFDR土壌水分計を用いて調査した。
その結果を図1に示した。図1の結果から、灌水直後は
全ての処理区が50〜70%の体積含水率を示し、処理
区間の差は見られなかった。処理1、3、5の含水率は
緩やかに変動し、また、処理1は処理3に比べ含水率が
常に高く推移した。一方、処理2、4は含水率が処理
1、3、5に比べ灌水後急激に低下し、生育後期には培
地が撥水性を帯び、灌水をしても水みちができる現象が
見られた。以上から、易効性水分量が150リットル/
3以上であり、難効性水分量が30リットル/m3以上
である培地は、灌水後の含水率が高く、さらに灌水後の
水分低下が緩やかに推移し、生育期間を通じ、高品質、
多収量のトマトを安定的に得ることが可能になると判断
した。このことから、養液栽培用培地は、易効性水分量
が150リットル/m3以上、難効性水分量が30リッ
トル/m3以上であることが望ましいことが判明した。
【0037】実施例2 (1)方法 本試験では試験培地(浄水場発生土:50%、バーク堆
肥:20%、ピートモス:20%、バーミキュライト:
10%)、ロックウールとゼオライトを用い、陽イオン
置換容量および有機質系資材の含有量が異なる培地を作
成し、トマトを栽培した場合、生育に及ぼす影響につい
て検討した。供試品種はトマト品種(ハウス桃太郎)と
し、1999年3月28日に播種し、本葉6〜7枚展開
時に、本葉3〜4枚展開時の均一なトマト苗を1/50
00aワグネルポットに定植した。灌液方法は個々の処
理区について次の2種類について評価した。 5日ごとに1単位の培養液(園試処方)を与え、その
他は毎日灌水のみ行う方法。 処理開始から1/5単位の培養液を毎日与え続ける方
法。 それぞれの方法で与える培養液、水はワグネルポット下
部より余剰水が排出されるまで行った。その他の栽培方
法は実施例1と同様とした。用いた各培地の組成と陽イ
オン交換容量は表4に示した。また各培地の易効性水分
量及び難効性水分量を表5に示した。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】(2)結果 灌液方法の違いと培地の陽イオン交換容量の違いがトマ
トの生育、品質に及ぼす影響について調べた結果を表6
に示した。
【0041】
【表6】
【0042】表6の結果から、トマトの生育は灌液方法
では処理、、、の生育が処理、に比べ優
れ、特に処理、、が優れた。処理、では生育
後期に微量要素欠乏が見られ、特に処理では顕著に見
られた。灌液方法では明確な差違は認められなかった
が、処理5、6は生育後期には他区に比べ葉色が濃く、
生育が停滞する傾向が見られた。原因としては陽イオン
交換容量が必要以上に高かったため、培地内養分の過剰
な吸着により、塩基バランスが乱れ、また、アンモニア
吸着によるpHの変動が植物の生育にとってマイナスに
働いたものと思われる。以上から、培養液を常に与えた
場合には、トマトの生育に差は見られず、陽イオン交換
容量の違いによる影響は小さいが必要以上に陽イオン交
換容量が高い場合には培地内の塩基バランスが乱れる危
険性がある。一方、1週間ごとに肥料を与え、その他は
灌水のみを与えた場合、培地の陽イオン交換容量が30
〜100me/100g好ましくは30〜80me/1
00gに調整され、さらに有機質系資材の含有量が30
〜60容量%含まれ、難効性水分量が50リットル/m
3含まれ、肥料を適度に保持することができ、生育期間
中の培地内pHの変動も少く、培地に適度に水分が保持
され、植物の生育にとって適した環境となることが判っ
た。また、液肥管理行う際、化学的な緩衝力が高いため
に、より簡略化された液肥管理が可能となると思われ
る。しかし、有機質系資材の含有量が50重量%以上含
まれていた場合は、保水力の低下、微生物分解に伴う窒
素栄養の欠乏等が考えられるため、注意を要する。この
ため、養液栽培用培地は、陽イオン交換容量が好ましく
は30〜100me/100g、特に好ましくは30〜
80me/100gに調整され、さらに有機質系資材の
含有量が30〜60容量%含まれていることが望ましい
ことが判明した。
【0043】実施例3 (1)方法 培地の種類がキュウリの苗立ち枯れ病(病原菌:ピシウ
ム)の発病に及ぼす影響について、調査した。浄水場発
生土50容量%、バーク堆肥35容量%、ピートモス1
5容量%を混合した処理区;浄水場発生土50容量
%、バーク堆肥30容量%、ピートモス15容量%、ス
ミリンユーキデルマ(スミリン農産工業株式会社製)5
容量%を混合した処理区;ヤシガラ繊維とピートモス
を容量比1:1で混合した処理区;及びロックウール
粒状綿の処理区;の計4処理区を供試した。各培地の
易効性水分量及び難効性水分量を表7に示した。
【0044】
【表7】
【0045】処理区に用いたスミリンユーキデルマ
は、十分発酵したバーク堆肥に、ピシウム属菌、フザリ
ウム属菌、リゾクトニア菌等の植物病原菌に拮抗性を有
するバチルス・ライケルホルミス(Bacillus
licheniformis)、サーモアクチノマイセ
ス エスピー(Thermoactinomycess
p)及びペニシリウム エスピー(Penicilli
um sp);土壌伝染性植物病原菌コルチシウム・ロ
ルフシイ(Corticium rolfsii)に拮
抗性を有するアスペルギルス・テルリウス(Asper
gillusterreus)及びトリコデルマ・ビリ
デ(Trichoderma Viride)(詳しく
は特公平3−61424号公報、特公平3−61425
号公報に記載)を液体培養したものを体積比2%混合
し、さらに発酵切返しを行って得られる微生物資材であ
る。供試培地を長さ47cm、幅32cm、深さ7cm
のプラスチック製の容器に充填し、キュウリ(品種:青
長四葉)種子を40粒播種した。播種3日後子葉が展開
したときに、寒天培地で培養したピシウム属菌をホモジ
ナイズした液体を土壌表面に散布し、その後の発病株率
を調べた。
【0046】(2)結果 発病株率の調査結果を図2に示した。図2の結果から、
病原菌散布3日後の発病率を見ると、拮抗菌を添加した
処理区の発病率が最も小さく、次に処理区の発病率
が小さく、いずれも20%以下であった。次いで処理区
、の順で発病率が小さかったが、病原菌散布後3日
でいずれの発病率も80%以上であった。浄水場発生土
50容量%、バーク堆肥35容量%、ピートモス15容
量%を混合した処理区、は浄水場発生土、バーク堆
肥中に多くの微生物が含まれるため、発芽後散布したピ
シウム属菌との間の競合作用によりピシウム属菌の蔓延
がある程度抑制されたものと思われた。さらに拮抗菌を
添加することによりピシウム属菌の蔓延およびキュウリ
の発病が著しく抑制されることがわかった。以上の結果
から、浄水場発生土、バーク堆肥、ピートモスを混合し
た培地、さらに拮抗微生物を添加することによって、栽
培中に病原菌が培地中に侵入してもそれら病原菌の著し
い蔓延が防止され、安定的に作物生産できることが判明
した。
【0047】実施例4 (1)方法 本発明で得られた養液栽培用培地のトマト萎凋病(J
3)の防除効果を調べた。供試培地は実施例3と同様と
した。具体的には表8に示した通りである。
【0048】
【表8】
【0049】各培地の易効性水分量及び難効性水分量を
表9に示した。
【0050】
【表9】
【0051】ポットは5号黒色ポリポットを用い、本葉
2葉のトマト苗を鉢上げした。鉢上げ後、2ヶ月間、温
室により慣行により育苗した。病原菌(フザリウム)の
接種は鉢上げ直後に、病原菌の分生胞子を1平方センチ
メートル当たり740個になるように鉢土表面に噴霧接
種した。育苗終了後、全鉢について根の腐敗程度、導管
の褐変程度及び地際部茎内のフザリウム菌保菌の有無を
調べた。
【0052】(2)結果 用いた培地、並びに育苗終了後の根の腐敗程度、導管の
褐変程度及び地際部茎内のフザリウム菌保菌の有無を調
べた結果を表6に示した。
【0053】
【表10】
【0054】表10の結果から、本発明の養液栽培用培
地で育苗した区の苗の生育は極めて良好であり、枯死株
率、枯死+萎凋株率、導管保菌率も低い値であった。特
に拮抗菌を添加した本発明培地では菌による感染がほと
んど見られず、育苗終了時の導管褐変も全く見られなか
った。以上から本発明で得られる培地は微生物活性に有
用なバーク堆肥等の有機質系資材を添加するとともに、
病原菌に拮抗作用を示す拮抗微生物を添加することが望
ましいことが判明した。
【0055】実施例5 (1)方法 本試験では、固形培地耕の主要な培地であるロックウー
ルと比較しながら、本発明で得られる混合培地を防根、
防水製バッグに充填してトマトを栽培する、養液栽培シ
ステムの実用性について検討した。供試品種はトマト品
種(ハウス桃太郎)とし、ポット育苗後、ビニルハウス
に定植した。ハウス内に供試培地を詰めた30リットル
容のポリエチレン製のバッグを並べ、1バッグあたり2
株の苗を植穴をあけ株間40センチメートル、畝間12
0センチメートルの条件で定植した(1株当たり15リ
ットルの培地)。灌水は試験圃場の水道水を用い点滴チ
ューブにより行った。その他の栽培管理は慣行に準じて
行った。栽培試験は第4果房収穫まで行った。培地は浄
水場発生土並びにゼオライト混合資材(ゼオライト残
土。赤土とゼオライトを含む)の非有機質系資材および
バーク堆肥とピートモスの有機質系資材からなる培地を
供試した。表11に示したように、各処理は、非有機質
系資材の割合が30、50、70容量%となるように
し、さらに、浄水場発生土の混合割合を変え計8処理区
とした。
【0056】
【表11】
【0057】処理区の易効性水分量と難効性水分量を表
12に示した。
【0058】
【表12】
【0059】表11及び12に示した処理区50−50
の培地の物理性について赤土、ロックウール、もみがら
くん炭を比較培地とし、有効水分保持量、三相分布を、
化学性についてEC、有効態リン酸・交換性無機成分、陽
イオン交換容量を測定した。また、各処理区に14株の
トマトを定植し、トマトについては生育・収量、果実の
Brix値を測定した。
【0060】(2)結果 表13に、表11に示した処理区50−50の培地の物
理性について赤土、ロックウール、もみがらくん炭を比
較培地とし、有効水分量及び三相分布の測定結果を示し
た。
【0061】
【表13】
【0062】表13に示した結果から判るように、浄水
場発生土混合培地の有効水分量は、易効性水分量(−3
〜−100kPa)が、ロックウール、もみがらくん炭
に比べ低かったが、難効性水分量(−100〜−160
0kPa)は高い傾向を示した。表14に、表7に示し
た処理区50−50の培地の化学性について、EC、有効
態リン酸・交換性無機成分、陽イオン交換容量を測定し
た結果を示した。
【0063】
【表14】
【0064】表14において、NH4−Nはアンモニア
態窒素、NO3−Nは硝酸態窒素、EX−K2Oは交換性
加里、EX−CaOは交換性石化、EX−MgOは交換
性苦土、CECは陽イオン交換容量を表わす。表14に
示した結果から判るように、培地の化学性は浄水場発生
土の混合割合が増加するに従い、ECが上昇する傾向が
みられたが、逆にCECはゼオライトの割合が減るため
低下した。培地中の交換性無機成分含有量については、
浄水場発生土の混合割合が増加するに従い、カリウム、
カルシウム含有量が低下した。表15に、トマトについ
ての生育・収量、果実のBrix値を測定した結果を示し
た。
【0065】
【表15】
【0066】表15に示した結果から判るように、トマ
トの生育・収量はともに非有機質系資材50容量%区が
高く、中でも50−50区が最も高かった。Brix糖度は
処理区間に一定の傾向がみられなかった。以上から、浄
水場発生土混合培地は、ロックウール等の資材に比べ、
乾燥時の有効水分量が高く物理的に緩衝力が高いことが
明らかとなった。また、浄水場発生土を培地に使用した
場合、混合率50容量%が好適であることが判った。
【0067】実施例6 (1)方法 本試験では、浄水場発生土混合率が50容量%である本
発明培地(浄水場発生土:45容量%、バーク堆肥:2
7.5容量%、ピートモス:17.5容量%、ココピー
ト:7容量%、ゼオライト:3容量%、易効性水分量:
155 l/m3、難効性水分量:138 l/m3)を用
いてトマトのバッグカルチャー栽培を行い、好適な培地
量、水分管理法について検討するため、慣行のロックウ
ール栽培と比較した。供試品種はトマト品種(ハウス桃
太郎)を用いた。本葉6〜7枚のトマト苗をビニルハウ
ス内に設置した本発明培地を用いたバッグカルチャーベ
ッド(BC)およびロックウールスラブの栽培ベッド
(RW)に定植した。処理区は、表6に示したように、
1株当たりの浄水場発生土含有培地量を5.4リットル
(容量大)と2.7リットル(容量小)の2水準にし、
培養液の給液量を多灌液区、標準区、少灌液区の3水準
設け、これらを組み合わせて6処理区とした。さらに対
照区として、RWスラブの厚さを市販の7.5cmとそ
の半分の3.75cmの2水準を設け、計8処理区2反
復とした。
【0068】
【表16】
【0069】RW区については10〜20%の排液が出
るように園試処方0.5単位程度の培養液を灌液した。
吸水量は給液量と排液量の差とした。BCの試験区の灌
液量は、標準でRW大区の植物の吸水量と等量の培養液
を与えた。多灌液区、少灌液区はそれぞれ、標準区の
1.2倍、0.8倍の培養液を与えた。第6果房上の葉
3枚を残して摘心した。生育、収量、果実品質(Brix)
および培地の化学性を調査した。
【0070】(2)結果 トマトの生育、収量及び果実品質(Brix)を調べた結果
を表17に示した。
【0071】
【表17】
【0072】表17に示した結果から判るように、生
育、収量はRW区の方が良好であったが、BC区間では
培地量が多いほど、また灌液量が多いほど生育が進み、
収量も多くなる傾向にあった。BC区でも培地容量が大
きく多灌水の区では、RW小区と同等程度の収量が得ら
れた。また、BC区の中では、灌液量の多い区で、収量
増加の傾向が認められた。BC区のBrixは、RW区に比
べ相対的に高くなった。培地の化学性を調べた結果を表
18に示した。
【0073】
【表18】
【0074】表18に示した結果からわかるように、培
地のEC値は、灌液量が多い区で小さくなる傾向が見ら
れた。また、栽培後期になるとEC値は、多灌液区、標
準液区では高くなり、少灌液区では低くなる傾向が見ら
れた。以上の試験では本発明培地が、RWに比べ全有効
水分量が低いため、RW区より低い収量となったと考え
られた。しかし、BC区で最も収量の多かった大容量多
灌水区では、市販のRWを使用したRW大区の約8割を
確保でき、Brixも1割程度高くなった。このことから、
本発明培地はある程度の収量を維持し、Brixを高められ
ることが明らかになった。
【0075】実施例7 (1)方法 固形培地耕における使用後の培地の処理方法として、周
辺の農地に投入する土壌改良材への利用が考えられる。
そこで栽培終了後の培地の土壌改良効果を調べた。供試
植物はトマト‘ハウス桃太郎’とし、試験は露地で行っ
た。試験土壌はマサ土とした。供試培地は固形培地耕で
使用される培地として、ロックウール、もみがらくん
炭、ピート、ヤシガラ、樹皮、実施例6で用いたと同様
の本発明培地とし、さらに無改良区を加え、計7処理区
で行った。個々の供試培地は試験圃場にそれぞれ10ア
ール当たり3m3投入され、さらに化成肥料によって全
ての処理区が慣行施肥量になるように調整された。本葉
6〜7枚のトマト苗を試験圃場に定植し、5段果房まで
収穫を行った。その他の管理は慣行法に従った。
【0076】(2)結果 摘心時における個々の処理区内の土壌を採土管で採取
し、全孔隙率、三相分布、保水性、飽和透水係数を測定
した。測定結果を表19に示した。
【0077】
【表19】
【0078】表19に示した結果から割るように、全孔
隙率は処理区間に大きな差異は見られなかったが、ヤシ
ガラ繊維、樹皮区が他区に比べ若干高かった。本発明培
地のの易効性有効水分はロックウール、ピートモス区に
比べ低かったものの、難効性水分量は他区に比べ高かっ
た。また、飽和透水係数は本発明培地が最も低く、ヤシ
ガラ繊維、樹皮区で高い値となった。以上から、本発明
培地はある程度土壌の排水性を高めるとともに、乾燥時
に毛管力によって保持される難効性水分量が他の区に比
べ有意に高かった。土壌の物理性が劣悪であるマサ土に
おいて、本発明培地は土壌の水はけ、保水性ともに植物
の生育にとって好適な環境を維持する資材であった。摘
心時における個々の処理区内土壌を無作為に3〜4点採
取し、供試試料としその化学性を調べた。結果を表20
に示した。
【0079】
【表20】
【0080】表20の結果から、pHはロックウール、
もみがらくん炭が弱アルカリ性を示し、その他の区につ
いてはpH6〜7と植物の生育にとって適正な範囲とな
った。ECは本発明培地が他区に比べ顕著に高く、ロッ
クウール、もみがらくん炭、樹皮等が低かった。強熱減
量は本発明培地、樹皮区が他区に比べ顕著に高かった。
陽イオン交換容量は本発明培地が32me/100gと
最も高く、次いでピートモス、ヤシガラ繊維、樹皮とな
り、ロックウール、もみがらくん炭は極端に低い値とな
った。以上から、本発明培地が肥料の付与効果、保肥力
の改善効果が最も大きく、土壌の化学性を改善する土壌
改良資材として適している。トマトの生育、品質に及ぼ
す影響について調べた結果を表21に示した。
【0081】
【表21】
【0082】表21の結果から、トマトの生育、収量と
も本発明培地が最も良く、次いでピートモス、ロックウ
ールが良かった。その他の区について、もみがらくん炭
では高温乾燥時の土壌の乾燥が早く、これに伴いトマト
の萎れも早かった。また、撥水性があるため、水分の拡
散がうまく行われず、収量が上がらなかった。また、ヤ
シガラ繊維、樹皮は未分解の有機物が多量に含まれてい
たため、微生物分解に伴う窒素消費が起こり、生育・収
量が低下したものと思われる。トマトの品質の指標とし
てBrix糖度、滴定酸度を測定した。その結果、収量
が少ないほど果実の内容成分が増える結果となり、培地
素材の違いによる影響はなかった。しかし、高温乾燥時
には、高水分張力域でも水分を保持できる本発明培地
は、灌水制御をすることで収量を落とすことなく品質を
高めることが可能であると思われる。
【0083】実施例8 (1)方法 本試験では、浄水場発生土の耐水性を評価するため、赤
土と畑土と比較検討した。供試試料は粒径が5〜15m
mで、含水率が45〜55%の浄水場発生土、赤土及び
黒土の単粒または団粒とし、100ml容のビーカーに
個々の処理区試料を一粒入れ、50mlの蒸留水を加
え、100rpmで12時間振とうした。調査は振とう
前、振とう後の重量および粒子の直径を測定し、6反復
で行った。
【0084】(2)結果 振とう後、赤土は8割近くの構造が壊れ、最大直径は1
/3となった。また、黒土は振とうによってすべての構
造が壊れ、団粒の形状は確認できなかった。これに対し
浄水場発生土は振とう後も9割近い構造が維持されてい
たことから、浄水場発生土は赤土、黒土に比べ耐水性が
非常に高いことが明らかとなった。乾燥重量及び粒径の
測定結果を表17に示す。
【0085】
【表22】
【0086】実施例9 1)目的 本実験では有機質系資材および非有機質系資材を混合し
た培地を、防水製のバッグに充填し、トマトの栽培を行
い、好適な混合割合について検討した。
【0087】2)材料および方法 供試品種はトマト品種‘ハウス桃太郎’とした。ポット
育苗後、ビニルハウス内に設置されたバッグに植穴を開
け定植した。条件は株間40cm、畝間120cmと
し、培地量が株当たり5リットルとなるようにした。処
理区は表23に示したとおり、有機質系培地と非有機質
系培地の割合を段階的に変えた計11処理区とした。
【0088】
【表23】
【0089】各処理区の培地の組成を表24に示した。
【0090】
【表24】
【0091】表24に示したとおり、処理区の培地は、
有機質系培地にバーク堆肥とピートモスを、非有機質系
培地には、浄水場発生土およびゼオライトと赤土の混合
物を用いた。調査は個々の処理区培地について、易、難
効性水分量を測定し、栽培終了時の地上部生体重、全収
量、品質の指標としてBrix糖度を測定した。
【0092】3)結果および考察 培地の易、難効性水分量について表25に示した。有機
質系資材の混合割合が増加するに従い、非有機質系資材
が減少するに従い、易効性水分量は増加し、難効性水分
量は減少する傾向にあった。
【0093】
【表25】
【0094】トマトの生育について調べた結果、地上部
生体重は有機質系資材が30%以上、非有機質系資材が
70%以下である時、株当たり3000g以上であった
が、有機質系資材が20%以下、非有機質系資材が80
%以上である時、顕著に低下した。収量も地上部生体重
と同様、有機質系資材が30%以上、非有機質系資材が
70%以下である時、株当たり1500g以上であった
が、それ以外の処理区では株当たり1000g前後であ
った。一方、品質の指標であるBrix糖度は、有機質系資
材が60%以下、非有機質系資材が40%以上では7.
0以上であったのに対し、有機質系資材が70%以上、
非有機質系資材が30%以下では5.5以下であった。
以上から、有機質系資材が30容量%以上60容量%以
下、非有機質系資材が40容量%以上70容量%以下で
あれば、ある程度収量が確保でき、糖度の高い高品質ト
マトを収穫できることが明らかとなった、その理由とし
て、易効性水分量が約100 l/m3以上あることによ
り、植物の生育にとって有効な水分域が確保されたこ
と、また、難効性水分量が約50 l/m3以上あること
により、培地内の水ポテンシャルが低く維持され、トマ
トの糖度が高まったことが考案された。故に、本発明培
地は、有機質系資材30容量%以上60容量%以下、非
有機質系培地が40容量%以上70容量%以下であるこ
とが望ましい。
【0095】
【発明の効果】以上の結果から判るように、本発明の養
液栽培用培地を用いることにより、より簡便な水分管理
によって、作物に水分ストレスを安定的に与え、高品質
の作物の収穫物を得ることが可能となる。本発明の養液
栽培方法は、特に易効性水分量と難効性水分量とが特定
値以上の培地を養液栽培に利用することにより、少培地
量で培養液管理等がより簡易化され、病原菌拡散の危険
率が極めて低く、安定的に高品質の農作物の収穫物が得
られ、栽培終了後の培地廃棄が問題とならない養液栽培
方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、各種培地内の含水率の日変化をFDR
土壌水分計を用いて測定した結果を示すグラフである。
【図2】図2は、キュウリの苗立ち枯れ病の病原菌に対
する拮抗菌をキュウリに散布した時の発病株率を調べた
結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小堀 英和 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 住友林業株式会社内 (72)発明者 佐藤 裕隆 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 住友林業株式会社内 (72)発明者 角田 真一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 住友林業株式会社内 Fターム(参考) 2B022 AB15 BA02 BA03 BA04 BA07 BA14 BA16 BA18 2B314 NA25 PB18 PB19 PC16 PC17 PC25

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周辺土壌から隔離された容器に培地を詰
    め、そこに栽培植物を植え付け、培養液を給液して栽培
    する養液栽培方法において、培地として、易効性水分量
    (−3kPa〜−100kPaで保持される水分量)が
    100リットル/m3以上で且つ難効性水分量(−10
    0kPa〜−1600kPaで保持される水分量)が5
    0リットル/m3以上に調整された培地を用いることを
    特徴とする養液栽培方法。
  2. 【請求項2】 易効性水分量が150リットル/m3
    上で且つ難効性水分量が70リットル/m3以上に調整
    された培地である請求項1記載の養液栽培方法。
  3. 【請求項3】 培地の陽イオン交換容量が30〜100
    me/100gに調整された培地である請求項1又は2
    記載の養液栽培方法。
  4. 【請求項4】 長さ方向に防水シートで培地を包含する
    栽培床を構成することにより、あるいは上端が広く開口
    した固定式栽培床に培地を詰めることにより、周辺土壌
    から培地を隔離し、隔離された栽培床内に点滴あるいは
    散水方式の灌水チューブを設置し灌水を行う請求項1か
    ら3のいずれかに記載の養液栽培方法。
  5. 【請求項5】 易効性水分量(−3kPa〜−100k
    Paで保持される水分量)が100リットル/m3以上
    で且つ難効性水分量(−100kPa〜−1600kP
    aで保持される水分量)が50リットル/m3以上であ
    る養液栽培用培地。
  6. 【請求項6】 易効性水分量が150リットル/m3
    上で且つ難効性水分量が70リットル/m3以上である
    請求項5記載の養液栽培用培地。
  7. 【請求項7】 陽イオン交換容量が30〜100me/
    100gである請求項5又は6記載の養液栽培用培地。
  8. 【請求項8】 非有機質系資材と有機質系資材とを混合
    した培地である請求項5から7のいずれかに記載の養液
    栽培用培地。
  9. 【請求項9】 有機質系資材の割合が、培地の30〜6
    0容量%である請求項8記載の養液栽用培地。
  10. 【請求項10】 非有機質系資材として浄水場発生土を
    用いる請求項8又は9記載の養液栽培用培地。
  11. 【請求項11】 培地に、植物病原菌に拮抗性を有する
    拮抗微生物が添加されている請求項5から10のいずれ
    かに記載の養液栽培用培地。
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