JP2001103785A - ブラシレスモータの駆動制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの駆動制御装置

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JP2001103785A
JP2001103785A JP27560899A JP27560899A JP2001103785A JP 2001103785 A JP2001103785 A JP 2001103785A JP 27560899 A JP27560899 A JP 27560899A JP 27560899 A JP27560899 A JP 27560899A JP 2001103785 A JP2001103785 A JP 2001103785A
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pattern
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brushless motor
pwm duty
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Kojiro Nakamura
康次郎 中村
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Calsonic Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源電圧の変動にかかわらず、速やかな起動
を実現することができる「ブラシレスモータの駆動制御
装置」を提供する。 【解決手段】 ロータ、ステータ及び複数相の巻線を有
するブラシレスモータ3の駆動制御装置である。巻線に
順次パルス電圧を印加する複数のスイッチング素子2
と、順次連続する複数の電圧範囲のそれぞれに対応し
て、該電圧範囲内の電圧で起動する場合に最適なPWM
デューティに関する起動パターンが記憶された記憶装置
6と、電源1の電圧を検出する電圧検出装置7と、電圧
検出装置7により検出された起動時の電圧値が含まれる
電圧範囲に対応する起動パターンを記憶装置6から取り
出し、該取り出した起動パターンに従って変調されたパ
ルス電圧を印加するようスイッチング素子2を制御する
制御装置5とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に搭載
される空調機のコンプレッサ等に使用されるブラシレス
モータの駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレスモータは、一般にロータ(回
転子)の磁極位置を検出するために、ホール素子等の検
出器を備えている。しかしながら、例えば、ブラシレス
モータを電気自動車に搭載される空調機のコンプレッサ
に用いようとする場合には、高温高圧環境で運転される
ため、ホール素子のような検出器では、その信頼性が保
証できない。このため、このような応用においては、ホ
ール素子等の磁極位置検出器を用いず、通電していない
相の巻線(複数の巻線からなる巻線組を含む)に誘起さ
れる電圧を検出して、該検出値に基づいて磁極位置を求
め、モータの駆動信号を生成する方法が用いられてい
る。
【0003】しかし、巻線に電圧が誘起されるのはロー
タが回転している場合だけなので、停止している場合は
磁極位置を得ることはできず、起動時にはこの電圧検出
による方法を用いることはできない。従って、起動時に
はロータの磁極位置にかかわらず巻線に回転磁界が発生
するような特定の駆動信号を与えて、ロータを強制回転
させることになる。
【0004】ところが、この駆動信号はロータの磁極位
置を無視して与えられるため、起動時に大きな始動電流
が流れる場合があり、この始動電流が巻線への通電を選
択的に実施するスイッチング素子等からなる駆動回路の
許容電流値を越える場合は起動することができない。
【0005】このため、従来は、比較的に低いPWMデ
ューティから始めて、その値を時間とともに徐々に増加
するように設定した所定の起動パターンに従ってパルス
電圧を印加する起動モードを実行し、一定時間運転した
後に、通電していない相の巻線に誘起される電圧に基づ
いてパルス電圧を印可する位置検出回転モードに移行す
るようにしている。かかる所定の起動パターンを実行し
て、起動に失敗した場合には、負荷が軽くなるのを待っ
て同じ起動パターンで再起動し、あるいは試行錯誤的に
他の起動パターンに変更して再起動するようにしてい
る。
【0006】なお、PWMデューティとは、一のパルス
電圧の印加時間を、該一のパルス電圧を印加してから次
のパルス電圧を印加するまでの時間で除した値をいう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、例えば、電気
自動車の空調機のコンプレッサの駆動モータとして用い
られる場合、電気自動車のバッテリ(直流電源)の電圧
は比較的に大きく変動し、これに応じて起動のための最
適な起動パターンは変化する。
【0008】しかしながら、従来は、かかる起動時にお
ける電圧値を考慮せずに、一律に所定の起動パターンで
の起動を試みて、失敗した場合には何回も再起動を試み
るため、電源電圧の状態に応じて起動に要する時間が変
動するとともに、起動に長時間を要する場合があるとい
う問題があった。
【0009】また、所定の起動パターンでの起動に成功
した場合には、その後、位置検出回転モードに移行する
ことになるが、従来は一定時間の経過後に一律に移行す
るため、電圧印加のタイミングが必ずしもロータの磁極
位置に整合せず、円滑な移行ができない場合があった。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、起動に失敗する確率を低く
し、また、起動モードから位置検出回転モードへの円滑
な移行を実現して、ブラシレスモータの性能を向上する
ことができる駆動制御装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載のブラシレスモータの駆動制御装置
は、ロータ、ステータ及び複数相の巻線を有するブラシ
レスモータの駆動制御装置において、前記巻線に順次パ
ルス電圧を印加する複数のスイッチング手段と、順次連
続する複数の電圧範囲のそれぞれに対応して、該電圧範
囲内の電圧で起動する場合に最適なPWMデューティに
関する起動パターンが記憶された記憶手段と、電源の電
圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により
検出された起動時の電圧値が含まれる電圧範囲に対応す
る起動パターンを前記記憶手段から取り出し、該取り出
した起動パターンに従って変調されたパルス電圧を印加
するよう前記スイッチング手段を制御する起動モードを
実行する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】本発明によると、起動時における電源電圧
を検出して、予め求めておいた起動パターンのうちの最
適な起動パターンに従って起動するようにしたので、電
源電圧が変動した場合であっても常に最適な起動パター
ンで起動することができる。従って、起動に失敗する確
率が低くなり、電源電圧の状態にかかわらず、速やかな
起動が可能となる。
【0013】また、請求項2に記載のブラシレスモータ
の駆動制御装置は、請求項1に記載のものにおいて、パ
ルス電圧を印加していない巻線に誘起される電圧信号に
基づいて前記ロータの回転位置を検出する回転位置検出
手段をさらに備え、前記制御手段は、前記起動モードを
実行した後に、前記回転位置検出手段による検出値に基
づいて前記スイッチング手段を制御する位置検出回転モ
ードに移行することができるか否かを判断する移行チェ
ック処理を実行し、移行できないと判断した場合には、
現在のPWMデューティを予め決められた所定値だけ変
更して、前記移行チェック処理を実行することを特徴と
する。
【0014】本発明によれば、起動モードの実行後、移
行チェック処理を行い、移行できないと判断した場合に
はPWMデューティを所定値だけ変更(例えば、減少)
して、さらに移行チェック処理を行うようにしたので、
より最適なタイミングで起動モードから位置検出回転モ
ードへの移行を行うことができるようになる。なお、P
WMデューティを変更した後においても移行できない場
合には、さらに繰り返してPWMデューティを変更する
ようにできる。
【0015】特に限定されないが、前記起動パターンと
しては、比較的に低いPWMデューティから始めて、そ
の値を経過時間に応じて段階的に増加するように設定し
たものを採用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の実施形態のブラシレ
スモータの駆動制御装置の構成を示す回路図である。こ
のブラシレスモータは、例えば、電気自動車に搭載され
る空調装置のコンプレッサを駆動するモータである。
【0017】同図において、1は電気自動車のバッテリ
(直流電源)、2は半導体スイッチング素子群で、6個
のパワートランジスタからなるスイッチング素子Ut,
Vt,Wt,Ub,Vb,Wbとそれぞれに逆並列接続
された不図示の6個のダイオードから構成される。3は
制御対象としてのモータ本体で、ステータ(固定子)、
該ステータに装着された3相結線された電機子巻線(巻
線組)、該ステータと同軸上に回転自在に軸支されたロ
ータ(回転子)、及び該ロータに装着された永久磁石等
から構成される。4はロータの回転位置検出手段として
のフィルタ回路であり、ロータの回転に伴い通電してい
ない相(巻線)に誘起される電圧を分離検出して、各相
(U相、V相、W相)についてのロータ回転位置信号を
制御装置(CPU)5に供給する。
【0018】制御装置5は記憶装置(メモリ)6を備え
ており、記憶装置6には、制御装置が駆動制御処理を行
うために実行すべきプログラム及び各種のデータが予め
あるいは適宜にサンプリングされて記憶保持されてい
る。7はバッテリ1の電圧を検出する電圧検出装置(電
圧計)である。制御装置5は記憶装置6に記憶保持され
たプログラムに従って、該記憶装置6に記憶保持された
各種データ、フィルタ回路4及び電圧検出装置7からの
信号等に基づいて、半導体スイッチング素子群2の各ス
イッチング素子Ut,Vt,Wt,Ub,Vb,Wbの
作動(オン・オフ)を制御する。
【0019】この制御装置5は、モータ3が停止されて
いる状態から運転を開始するため、所定の起動パターン
に従ってパルス幅変調されたパルス電圧を印加する起動
モードと、該起動モードを実行して起動に成功した後に
ロータの磁極位置をフィルタ回路4によるロータの回転
位置検出信号に基づいて検出してこの検出値に従って制
御する位置検出回転モードの二つのモードを実行する。
【0020】まず、位置検出回転モードについて、図2
(a)を参照して説明する。同図は、位置検出回転モー
ドにおけるスイッチング素子Ut,Vt,Wt,Ub,
Vb,Wbのオン・オフのタイミングを示す図である。
同図において、11〜13はロータの回転に伴い通電し
ていない相について誘起される、フィルタ回路4により
検出される電圧に基づく回転位置検出信号を示してお
り、11はU相についての回転位置検出信号を、12は
V相についての回転位置検出信号を、13はW相につい
ての回転位置検出信号を示している。
【0021】U相についての回転位置検出信号11の立
ち下がりエッジUdにおいて出力すべきトルクや回転数
等から決定されるPWMデューティに従ってパルス電圧
を印加するためのスイッチング素子Wtのオン・オフを
開始する。次に、W相についての回転位置検出信号13
の立ち上がりエッジWuにおいてスイッチング素子Vb
をオンする。
【0022】その後、V相についての回転位置検出信号
12の立ち下がりエッジVdにおいてスイッチング素子
Wtのオン・オフ(即ち、パルス電圧の印加)を終了し
て、スイッチング素子Utのオン・オフを開始する。次
に、U相についての回転位置検出信号11の立ち上がり
エッジUuにおいてスイッチング素Vbをオフして、ス
イッチング素子Wbをオンする。
【0023】その後、W相についての回転位置検出信号
13の立ち下がりエッジWdにおいて、スイッチング素
子Utのオン・オフを終了して、スイッチング素子Vt
のオン・オフを開始する。次に、V相についての回転位
置検出信号12の立ち上がりエッジVuにおいてスイッ
チング素子Wbをオフして、スイッチング素子Ubをオ
ンする。その後、U相についての回転位置検出信号11
の立ち下がりエッジUdにおいてスイッチング素子Vt
のオン・オフを終了する。これにより1ターン(1回
転)が行われたことになり、以後同様に制御することに
より連続的に回転させることができる。
【0024】ここで、PWMデューティ(Dn)とは、
図2(a)中の円で囲まれた部分を拡大した図2(b)
に示されるように、一のパルス電圧の印加時間(スイッ
チング素子オンの時間)Anを、該一のパルス電圧を印
加してから次のパルス電圧を印加するまでの時間(スイ
ッチング素子オンの時間+スイッチング素子オフの時
間、即ち1周期)で除した値An/Bnをいう。図2
(a)中、Tnはスイッチングタイマ割り込み時間(6
分の1ターン)である。
【0025】次いで、本発明で特徴的な起動モード及び
該起動モードから位置検出回転モードへの移行処理につ
いて説明する。図1に示した記憶装置6には、図3及び
図4に示されているようなパターン情報が予め求められ
て記憶保持されている。ここで、図3は起動モードで使
用される起動パターンを、図4は移行処理で使用される
移行パターンを示している。
【0026】この実施形態では、パターン情報として、
5つの起動パターン(起動パターン1〜5)が設定され
ている。これらの起動パターン1〜5は、順次連続する
複数の電圧範囲のそれぞれに対応して設定されている。
ここでは、バッテリ1の電圧の変動範囲190〜430
Vを、5つの電圧範囲に分割して、電圧範囲Aとして1
90〜240V、電圧範囲Bとして240〜290V、
電圧範囲Cとして290〜340V、電圧範囲Dとして
340〜390V、電圧範囲Eとして390〜430V
とし、それぞれに対応して最適な起動パターン1〜5
を、経験的、実験的ないし理論的に求めて、これに基づ
いて各起動パターンを生成した。
【0027】図3において、D0は最初のPWMデュー
ティであり、Dmaxは最大のPWMデューティ(モー
タの仕様上これ以上とすることはできない)であり、D
pはPWMデューティを何ターン毎に変化させるかを示
す定数である。この実施形態では、全ての起動パターン
1〜5に共通的に、Dpに示されたターン数が経過する
毎に固定的に0.4%だけPWMデューティを増大させ
るようにした。但し、この0.4%の値は、この数値に
限定されず、他の数値でもよく、経時的にあるいは適宜
に変化させてもよく、また、起動パターン1〜5間で互
いに相違させてもよい。
【0028】図3において、最上段の1〜100の数値
はターン数(1〜100ターン)を示し、最下段のTC
Bは、スイッチングタイマ割り込み時間Tnを求めるた
めの制御装置の性能(処理速度)に依存する変数であ
り、割り込み時間Tnは、Tn=(256−TCB)*
2048/5000000により求めることができる。
なお、1ターンの時間Tは、T=6Tnである。T0は
最初のスイッチングタイマ割り込み時間(T0=(25
6−190)*2048/5000000)、Tmin
は最小のスイッチングタイマ割り込み時間(Tmin=
(256−239)*2048/5000000)、T
pは何ターン毎に割り込み時間を変化させるかについて
の定数である。
【0029】上述した各種データを含むパターン情報に
基づいて、以下のように処理する。即ち、Tmin<T
nのときは、Tpターン毎にTnを小さくする。Tmi
n=Tnのときは、Tnは変化させない。Dmax>D
nのときは(Dnは現在のPWMデューティ)、Dpタ
ーン毎にDnを大きくする。Dmax=Dnのときは、
Dnは変化させない。Tnの経過毎にスイッチング素子
をそれぞれ適宜にスイッチングする。これらの処理は最
大で100ターン行われる。
【0030】なお、パターン情報の表現形式としては、
上述したように、各種定数等の代表的な値を記憶保持し
ておき、実行時に規則的に展開するようにすることがで
き、このようにすることにより、データ量が少なくなる
というメリットがある。但し、必ずしもこれに限定され
ず、展開した状態のデータを記憶保持しておくようにし
てもよく、このようにすることにより、PWMデューテ
ィが不規則的に変化するようなパターンの場合に対応す
ることができる。
【0031】一例として、起動パターン1についてより
具体的に説明すると、この場合、最初のPWMデューテ
ィD0は3.2%で、6ターン毎に0.4%ずつ増加せ
しめ、これを84ターンまで行い、85ターンから10
0ターンまでは最大のPWMデューティであるDmax
8.8%でスイッチング素子を制御する。
【0032】このようなパターン情報は、電圧範囲とP
WMデューティの関係を経験的、実験的ないし理論的に
予め求めて設定される。図5は本願発明者によるパター
ン情報の導出に用いたデータである。各電圧範囲につい
てその中間電圧で代表して、例えば、電圧範囲A(19
0〜240V)の場合は215Vとし、PWMデューテ
ィが0.8%から8.8%に至るまで、0.4%増加す
る毎に、順次見かけの電圧を算出する(例えば、215
V*0.8%=1.7V)。これを全ての電圧範囲につ
いて実施し、図5に示したようなデータを得る。
【0033】次いで、電圧範囲A(190〜240V)
について、各PWMデューティのうち、どのPWMデュ
ーティで始まるパターンが最適であるかを、試行錯誤的
に実際にモータに通電して起動できるかどうか判断する
等により求める。この場合、PWMデューティが3.2
%で始まるパターンが最適であるものとする。これによ
り、電圧範囲A(190〜240V)についての起動パ
ターン(D0が3.2%、上昇率が0.4%、Dmax
が8.8%)が求まった。
【0034】次いで、中間電圧215VでPWMデュー
ティが3.2%の場合の見かけの電圧は6.9Vである
から、電圧範囲B(240〜290V)についての見か
けの電圧でこれに最も近いものを選択し(この場合、
7.4Vとする)、この時のPWMデューティである
2.8%から始まるパターンを電圧範囲Bについてのパ
ターンとする。他の電圧範囲C〜Eについても同様にし
て求めることができる。
【0035】このようにして起動パターンを生成するこ
とにより、全ての電圧範囲について試行錯誤的に実験を
する必要がなく、起動パターンの導出が簡単化される。
なお、このようにして求めた起動パターンに基づいて実
際にモータに通電してみて、最適化することが望まし
い。また、これは一例であり、全てを試行錯誤的に実験
して起動パターンを求めてもよい。さらに、ここでは、
簡単のため、PWMデューティの上昇率及びターン数に
ついては説明していないが、これらについても同様に試
行錯誤的に実験して最適なものを選定することが望まし
い。
【0036】次に、移行パターンについて、図4を参照
して説明する。移行パターンを求めるためのデータとし
て、記憶装置6には、規定ターン数(ここでは、10タ
ーンとする)、該規定ターン数の経過後にPWMデュー
ティを減少させる率を示す所定値(ここでは、0.4%
とする)、及びPWMデューティの減少を繰り返す場合
の最大回数である規定回数等が予め求められて記憶保持
されている。
【0037】起動パターン1〜5の何れかによる起動が
終了(100ターンが終了)した時点で、後に詳述する
移行チェック処理を行い、移行できない場合には、現在
のPWMデューティから0.4%だけ減少させて、1タ
ーン毎に移行チェック処理を行い、移行できるまで同じ
PWMデューティで規定ターン数である10ターンの
間、移行チェックを繰り返し実施し、なお移行できない
場合には、10ターン毎に0.4%ずつPWMデューテ
ィを減少させて同様に移行チェック処理を繰り返す。な
お、PWMデューティの減少に関する所定値(ここでは
0.4%)やPWMデューティを減少させる規定ターン
数(ここでは、10ターン)は、上述した起動パターン
と同様に、経験的、実験的ないし理論的に最適なものを
求める。
【0038】次に、制御装置5による処理を図6に示す
フローチャートを参照して説明する。まず、モータの始
動が指令されたか否かを判断し(ST1)、始動が指令
されていない場合には指令されるまで待機し、始動が指
令された場合には、電圧検出装置7により検出された現
時点におけるバッテリ1の電圧値を読み込む(ST
2)。
【0039】この検出された電圧値が最初の電圧範囲A
に含まれるか否かを判断し(ST3−1)、含まれない
場合には次の電圧範囲Bに含まれるか否かを判断し(S
T3−2)、さらに含まれない場合には以下電圧範囲D
まで同様に判断する。ST3−1〜において、検出され
た電圧値が電圧範囲A〜Eに含まれる場合には、当該電
圧範囲(例えば、電圧範囲Aとする)に対応する起動パ
ターン(例えば、起動パターン1)を記憶装置6のパタ
ーン情報(図3参照)から抽出して、当該起動パターン
についてのPWMデューティに従ってパルス幅変調され
たパルス電圧を印加するように、スイッチング素子U
t,Vt,Wt,Ub,Vb,Wbのオン・オフを制御
する起動モードを実行する(ST4−1〜ST4−
5)。
【0040】次いで、移行チェック処理を実行する(S
T5)。この移行チェック処理は、例えば、図7(a)
及び(b)に示されているように実施する。即ち、スイ
ッチング素子Ubの立ち上がりエッジとスイッチング素
子Wbの立ち下がりエッジにおいて、図7(a)に示さ
れているように、フィルタ回路4からのV相についての
回転位置検出信号12がローレベル(L)である場合に
は、移行OK(可)と判断し、図7(b)に示されてい
るように、ハイレベル(H)である場合には、移行NG
(不可)と判断する。
【0041】このような移行チェック処理を行うことに
より、処理負担が大幅に軽減されている。即ち、スイッ
チング素子Ubの立ち上がりエッジとスイッチング素子
Wbの立ち下がりエッジにおいて、V相についての回転
位置検出信号12の立ち上がりエッジが一致することが
移行の円滑の観点からは最も望ましいのであるが、かか
る一致を判断するための処理は複雑であり、処理負担が
大きい。ところが、V相についての回転位置検出信号1
2がローレベルかハイレベルかを判断する処理は単純で
あり、処理負担が小さい。但し、モータの特性等によっ
ては、このような判断ができない場合もあり得る。
【0042】図6のST5において、移行チェック処理
を実施した結果、移行OKと判断された場合には、記憶
装置6のパターン情報に従って電圧の印加を制御する起
動モードを終了して、フィルタ回路4による各相につい
ての回転位置検出信号11〜13に基づいて電圧の印加
を制御する前記位置検出回転モードに移行する(ST
6)。
【0043】ST5において、移行NGと判断された場
合には、予め決められて記憶装置6にパターン情報の一
部として記憶保持された規定ターン数(10ターン)が
経過したか否かを判断し(ST7)、経過していない場
合にはST5に戻って移行チェック処理を繰り返す。経
過した場合には、予め決められて記憶装置6にパターン
情報の一部として記憶保持されたPWMデューティの減
少に関する所定値(0.4%)だけ、現在のPWMデュ
ーティを減少する(ST8)。
【0044】次いで、予め決められて記憶装置6にパタ
ーン情報の一部として記憶保持されたPWMデューティ
の減少に関する規定回数が経過したか否かを判断し(S
T9)、経過していないと判断した場合には、ST5に
戻って移行チェック処理を繰り返し、経過したと判断し
た場合には、即ち、起動に失敗したと判断した場合に
は、ST1に戻って再起動する。
【0045】本実施形態によると、起動時におけるバッ
テリ1の電圧を検出して、予め求めておいた起動パター
ンのうちの最適な起動パターンに従って起動するように
したので、バッテリ1の電圧が変動した場合であっても
常に最適な起動パターンで起動することができる。従っ
て、起動に失敗することが少なくなり、バッテリ1の電
圧の大小にかかわらず、速やかな起動が可能となる。
【0046】また、起動モードの実行後、移行チェック
処理を行い、移行できないと判断した場合にはPWMデ
ューティを変更しつつ、さらに移行チェック処理を繰り
返すようにしたので、より最適なタイミングで起動モー
ドから位置検出回転モードへの移行を行うことができる
ようになる。
【0047】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。従って、
上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的
範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨であ
る。
【0048】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成したの
で、ブラシレスモータの起動における失敗の確率を小さ
くすることができ、起動に要する時間やそのバラツキを
小さくすることができる。また、起動モードから位置検
出回転モードへの移行を円滑に行うことができる。従っ
て、ブラシレスモータの性能を大幅に向上することがで
きるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のブラシレスモータの駆動制
御装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態の駆動制御装置による位置検
出回転モードにおける制御を説明するための図(a)及
びPWMデューティを説明するための図(b)である。
【図3】本発明の実施形態の駆動制御に用いたパターン
情報の起動パターンを示す図である。
【図4】本発明の実施形態の駆動制御に用いたパターン
情報の移行パターンを示す図である。
【図5】本発明の実施形態の起動パターンを作成するた
めに用いた見かけの電圧を示す図である。
【図6】本発明の実施形態の制御装置による処理を示す
フローチャートである。
【図7】本発明の実施形態の制御装置による移行チェッ
ク処理を説明するための図であり、(a)は移行可の場
合を、(b)は移行不可の場合を示している。
【符号の説明】
1…バッテリ(電源) 2…半導体スイッチング素子群 3…モータ 4…フィルタ回路(回転位置検出手段) 5…制御装置(制御手段) 6…記憶装置(記憶手段) 7…電圧検出装置(電圧検出手段) 11〜13…回転位置検出信号 Ut,Vt,Wt,Ub,Vb,Wb…スイッチング素

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータ、ステータ及び複数相の巻線を有
    するブラシレスモータの駆動制御装置において、 前記巻線に順次パルス電圧を印加する複数のスイッチン
    グ手段(2)と、 順次連続する複数の電圧範囲のそれぞれに対応して、該
    電圧範囲内の電圧で起動する場合に最適なPWMデュー
    ティに関する起動パターンが記憶された記憶手段(6)
    と、 電源(1)の電圧を検出する電圧検出手段(7)と、 前記電圧検出手段により検出された起動時の電圧値が含
    まれる電圧範囲に対応する起動パターンを前記記憶手段
    から取り出し、該取り出した起動パターンに従って変調
    されたパルス電圧を印加するよう前記スイッチング手段
    を制御する起動モードを実行する制御手段(5)と、を
    備えたことを特徴とするブラシレスモータの駆動制御装
    置。
  2. 【請求項2】 パルス電圧を印加していない巻線に誘起
    される電圧信号に基づいて前記ロータの回転位置を検出
    する回転位置検出手段(4)をさらに備え、 前記制御手段(5)は、前記起動モードを実行した後
    に、前記回転位置検出手段による検出値に基づいて前記
    スイッチング手段(2)を制御する位置検出回転モード
    に移行することができるか否かを判断する移行チェック
    処理を実行し、移行できないと判断した場合には、現在
    のPWMデューティを予め決められた所定値だけ変更し
    て、前記移行チェック処理を実行することを特徴とする
    請求項1に記載のブラシレスモータの駆動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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