JP2001100560A - ベルト定着器 - Google Patents

ベルト定着器

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JP2001100560A
JP2001100560A JP27507999A JP27507999A JP2001100560A JP 2001100560 A JP2001100560 A JP 2001100560A JP 27507999 A JP27507999 A JP 27507999A JP 27507999 A JP27507999 A JP 27507999A JP 2001100560 A JP2001100560 A JP 2001100560A
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belt
fixing belt
fixing
roller
backup roller
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JP27507999A
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Kaneo Yoda
兼雄 依田
Takao Kagami
孝夫 鏡味
Yoshiyuki Takeda
義之 武田
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した定着動作がなされるベルト定着器を
提供する。 【解決手段】 加熱される定着ベルト110に圧接され
る回転体120と、その圧接部において定着ベルトを内
方から支持する、ベルト幅よりも長いバックアップロー
ラ130とを有し、トナー画像が形成された記録材Sを
定着ベルトと回転体との圧接部に通してトナー画像を定
着させる。バックアップローラにおける、回転体に直接
圧接される部位に高グリップ部Gが設けられているとと
もに、定着ベルトの裏面または定着ベルト裏面と接する
バックアップローラの表面にも高グリップ部Gが設けら
れており、高グリップ部は、布で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのでき
るプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置
に用いられる定着器、より詳しくは加熱される定着ベル
トを用いたベルト定着器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真技術を用いて用紙等の
記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転
駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電
潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してト
ナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に
転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像
が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上に
トナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】定着器は、通常、加熱される回転体と、こ
れに圧接されている回転体とを有しており、これら両回
転体によって、通過する記録材を挟圧しつつ加熱し、記
録材上のトナー画像を記録材上に溶融定着させるように
なっている。このような定着器においては、2つの回転
体に周速差があると、その挟圧部(圧接部)を通過する
記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱れること
から、2つの回転体とも駆動するということはなされて
おらず、一方の回転体のみを駆動し、他方の回転体はこ
れに従動させる構成が採用されている。また、加熱され
る回転体がローラであると、その初期的な加熱に長時間
を要することから、加熱される回転体を無端ベルト(定
着ベルト)として、その初期的加熱時間を短縮したベル
ト定着器が知られている。
【0004】図11はベルト定着器の一例を示す図であ
る(特開平8−334997号公報)。このベルト定着
器は、回転駆動される定着ローラ2と、ヒータを内蔵し
た加熱ローラ3との間に定着ベルト1を巻掛け張架し、
定着ベルト1を介して定着ローラ2に加圧ローラ4を圧
接させ、この圧接部Nに、トナー画像Tが形成された記
録材Sを図示矢印方向に通し、前記トナー画像Tを加熱
溶融して記録材S上に定着させるようになっている。ま
た、この定着器は、記録材上のトナーが定着ベルト1の
表面に転移してしまうという現象(いわゆるオフセット
現象)を防止するために、定着ベルト1の表面に離型剤
としてシリコーンオイル等の離型オイルを塗布するオイ
ル塗布ローラ5を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】<課題1>図11に示
した従来のベルト定着器では、定着ローラ2で定着ベル
ト1を駆動する構成となっているので、定着ローラ2と
定着ベルト1との間でスリップが生じると、安定した定
着動作がなされなくなるおそれがある。特に、このベル
ト定着器では、ベルト1の表面に離型オイルが塗布され
るので、ベルト1の表面に塗布されたオイルが定着ロー
ラ2と加圧ローラ4との圧接部Nの端部N’に徐々に侵
入し、この端部N’を介してベルト1と定着ローラ2と
の間(ベルト1の裏面1a)にも侵入して定着ローラ2
とベルト1との間の摩擦力を低減させる。このため、上
記スリップが助長され、結果として、定着動作が一層不
安定になるおそれがある。本発明の第1の目的は、以上
のような問題を解決し、定着ローラでベルトを駆動する
ものにおいて安定した定着動作がなされるベルト定着器
を提供することにある。 <課題2>図11に示した従来のベルト定着器では、定
着ローラ2で駆動されるベルト1とこれに従動する加圧
ローラ4との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材が供給
されると、この滑り易い記録材の介在によって、ベルト
1と記録材との間および/または記録材と従動側の加圧
ローラ4との間でスリップが生じ、そのためにベルト1
と加圧ローラ4との間に周速差が生じ、結果として安定
した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
特に、このベルト定着器では、ベルト1の表面に離型オ
イルが塗布されるので、上記スリップが助長される。ま
た、ベルト1の表面に塗布されたオイルは前記圧接部N
の端部N’に徐々に侵入し、当該端部N’における定着
ローラ2と加圧ローラ4との摩擦力を低減させる。さら
に、圧接部Nの端部N’に侵入したオイルはベルト1と
定着ローラ2との間にも侵入して定着ローラ2とベルト
1との間の摩擦力をも低減させる。このため、ベルト1
と加圧ローラ4との間の周速差が一層助長され、結果と
して、定着動作がより不安定になるおそれがある。な
お、このような問題は例えば定着ローラ1に代えて加圧
ローラ4を駆動ローラとして構成した場合にも生じる問
題である。本発明の第2の目的は、以上のような問題を
解決し、安定した定着動作がなされるベルト定着器を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1記載のベルト定着器は、加熱される定
着ベルトと、この定着ベルトに圧接される回転体と、そ
の圧接部において前記定着ベルトを内方から支持しかつ
定着ベルトを駆動するバックアップローラとを有し、ト
ナー画像が形成された記録材を、前記定着ベルトと回転
体との圧接部に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記
録材上に定着させる定着器であって、前記定着ベルトの
裏面または定着ベルト裏面と接するバックアップローラ
の表面に、その周方向に沿って布が固着されていること
を特徴とする。上記第2の目的を達成するために請求項
2記載のベルト定着器は、加熱される定着ベルトと、こ
の定着ベルトに圧接される回転体と、その圧接部におい
て前記定着ベルトを内方から支持する、定着ベルトの幅
よりも長いバックアップローラとを有し、前記定着ベル
トと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動し、トナ
ー画像が形成された記録材を、前記定着ベルトと回転体
との圧接部に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記録
材上に定着させる定着器であって、前記バックアップロ
ーラにおける、前記回転体に直接圧接される部位に、そ
の周方向に沿って布が固着されているとともに、前記定
着ベルトの裏面または定着ベルト裏面と接するバックア
ップローラの表面にも、その周方向に沿って布が固着さ
れていることを特徴とする。
【0007】
【作用効果】請求項1記載のベルト定着器によれば、ト
ナー画像が形成された記録材が、バックアップローラ
(上記従来技術における定着ローラ1に相当する)で駆
動され、加熱される定着ベルトと、この定着ベルトに圧
接される回転体との圧接部を通過することにより、前記
トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられ
る。そして、前記定着ベルトの裏面または定着ベルト裏
面と接するバックアップローラの表面には、その周方向
に沿って布が固着されているので、この布によって、定
着ベルトとバックアップローラとの間には高グリップ部
が形成されることとなる。したがって、この高グリップ
部の作用によってバックアップローラと定着ベルトとの
間のグリップ力が向上し、バックアップローラと定着ベ
ルトとの間でスリップが生じ難くなる。すなわち、この
請求項1記載のベルト定着器によれば、バックアップロ
ーラでベルトを駆動するものにおいて安定した定着動作
がなされることとなる。しかも、前記高グリップ部は布
で形成されているので、その高グリップ部の表面は、布
を形成する糸体(織られまたは編まれ等した糸体)によ
って細かな凹凸状となり、この凹凸は高グリップ部の表
面に略均一に広がった状態となる。したがって、高グリ
ップ部における駆動伝達で発生する振動および速度変動
が非常に少なくなり、結果としてスムーズな駆動伝達が
なされることとなる。また、前記凹凸は、糸体で形成さ
れるので、その凸部は丸みをおびている。したがって、
高グリップ部に圧接される部材(定着ベルトまたはバッ
クアップローラ)における応力集中が軽減され、上記部
材の耐久性が向上することとなる。さらに、前記高グリ
ップ部を、例えば凹凸を有するゴム部材等で構成した場
合に比べて、強度的(特に剪断力に対する強度)にも優
れたものとなる。すなわち、高グリップ部が例えばフィ
ルムやゴム部材等で構成されている場合には、その端縁
部に剪断力が加わると、先ず、端縁部にクラックが入
り、次いでこれが急速に伝播拡大して裂けてしまうが、
高グリップ部が布で構成されている場合には、端縁部の
繊維にクラックが入ってこれが破断しても、この破断が
伝播するということがなく、1本の繊維破断にとどまる
こととなるので強度的にも優れたものとなる。したがっ
てまた、例えば、定着ベルトの蛇行を、定着ベルトが張
架されるローラのフランジ(ガイドリング)の内側面に
ベルトの端縁部を当接させて規制しようとする場合に
は、ベルトの端縁部に作用する剪断力が大きなものとな
るが、定着ベルトの裏面両端部に布で構成された高グリ
ップ部を設けた場合には、高グリップ部の破断が生じ難
くなるとともに、ベルト全体への破断の伝播も生じ難く
なる。しかも、前記高グリップ部は、定着ベルトの裏面
または定着ベルト裏面と接するバックアップローラの表
面に、その周方向に沿って布を固着するだけで構成する
ことができるので、例えば定着ベルトの裏面または定着
ベルト裏面と接するバックアップローラの表面自体を、
これが高グリップ部となるように加工する場合に比べて
定着ベルトおよび/またはバックアップローラの製造が
簡単になる。請求項2記載のベルト定着器によれば、ト
ナー画像が形成された記録材が、一方が駆動され他方が
従動する、加熱される定着ベルトとこの定着ベルトに圧
接される回転体との圧接部を通過することにより、前記
トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられ
る。そして、前記圧接部において定着ローラを内方から
支持するバックアップローラが定着ベルトの幅よりも長
く構成されており、このバックアップローラにおける、
前記回転体に直接圧接される部位に、その周方向に沿っ
て布が固着されているとともに、前記定着ベルトの裏面
または定着ベルト裏面と接するバックアップローラの表
面にも、その周方向に沿って布が固着されているので、
これらの布によって、バックアップローラと回転体との
間、および定着ベルトとバックアップローラとの間には
高グリップ部が形成されることとなる。したがって、上
記定着ベルトと回転体との圧接部の中央部に、比較的滑
り易い記録材が供給され、この滑り易い記録材の介在に
よって、駆動側の定着ベルト(または回転体)と記録材
との間および/または記録材と従動側の回転体(または
定着ベルト)との間でスリップが生じそうになったとし
ても、前記高グリップ部の作用によって駆動側の定着ベ
ルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または
定着ベルト)の従動性が向上し、定着ベルトと回転体と
が略同一の周速で回転することとなる。このため、上記
スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くな
り)、結果として安定した定着動作がなされることとな
る。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生
じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。しか
も、前記高グリップ部は布で形成されているので、その
高グリップ部の表面は、布を形成する糸体(織られまた
は編まれ等した糸体)によって細かな凹凸状となり、こ
の凹凸は高グリップ部の表面に略均一に広がった状態と
なる。したがって、高グリップ部における駆動伝達で発
生する振動および速度変動が非常に少なくなり、結果と
してスムーズな駆動伝達がなされることとなる。また、
前記凹凸は、糸体で形成されるので、その凸部は丸みを
おびている。したがって、高グリップ部に圧接される部
材(定着ベルト、バックアップローラ、または前記回転
体)における応力集中が軽減され、上記部材の耐久性が
向上することとなる。さらに、前記高グリップ部を、例
えば凹凸を有するゴム部材等で構成した場合に比べて、
強度的(特に剪断力に対する強度)にも優れたものとな
る。すなわち、高グリップ部が例えばフィルムやゴム部
材等で構成されている場合には、その端縁部に剪断力が
加わると、先ず、端縁部にクラックが入り、次いでこれ
が急速に伝播拡大して裂けてしまうが、高グリップ部が
布で構成されている場合には、端縁部の繊維にクラック
が入ってこれが破断しても、この破断が伝播するという
ことがなく、1本の繊維破断にとどまることとなるので
強度的にも優れたものとなる。したがってまた、例え
ば、定着ベルトの蛇行を、定着ベルトが張架されるロー
ラのフランジ(ガイドリング)の内側面にベルトの端縁
部を当接させて規制しようとする場合には、ベルトの端
縁部に作用する剪断力が大きなものとなるが、定着ベル
トの裏面両端部に布で構成された高グリップ部を設けた
場合には、高グリップ部の破断が生じ難くなるととも
に、ベルト全体への破断の伝播も生じ難くなる。しか
も、前記高グリップ部は、定着ベルトの裏面または定着
ベルト裏面と接するバックアップローラの表面に、その
周方向に沿って布を固着するだけで構成することができ
るので、例えば定着ベルトの裏面または定着ベルト裏面
と接するバックアップローラの表面自体を、これが高グ
リップ部となるように加工する場合に比べて定着ベルト
および/またはバックアップローラの製造が簡単にな
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 <第1の実施の形態>図1は本発明に係るベルト定着器
の第1の実施の形態を示す概略側面図、図2は主要部の
概略斜視図である。
【0009】この定着器100は、加熱される定着ベル
ト110と、この定着ベルト110に圧接される回転体
としての加圧ローラ120とを有し、トナー画像(図示
せず)が形成された記録材Sを、矢印S1で示すように
定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの中
央部N1に通して、トナー画像を加熱溶融し記録材S上
に定着させるようになっている。この実施の形態の定着
器100は、前記圧接部Nにおいて定着ベルト110を
内方から支持するバックアップ部材としてのバックアッ
プローラ130と、定着ベルト110を加熱する加熱手
段としての加熱ローラ140とを有しており、定着ベル
ト110は、バックアップローラ130と加熱ローラ1
40との間に張架されている。
【0010】バックアップローラ130は、定着ベルト
110の幅(バックアップローラ130の軸線方向長
さ)よりも長く形成されており、その両端部133が加
圧ローラ120に対して直接圧接されている。
【0011】150はオイル塗布手段としてのオイル塗
布ローラであり、定着ベルト110の表面に離型オイル
を塗布するようになっている。
【0012】この実施の形態では、定着ベルト110お
よび各ローラを回転させるための駆動ローラとして、バ
ックアップローラ130を用いている。すなわち、バッ
クアップローラ130は、図示しない駆動手段によって
図1の矢印方向(時計方向)に回転駆動され、定着ベル
ト110、加熱ローラ140、加圧ローラ120、およ
びオイル塗布ローラ150が従動するようになってい
る。
【0013】図1において、111はバックアップロー
ラ130への巻掛け部における定着ベルト110の表面
温度を検出するためのサーミスタである。このサーミス
タ111は加圧ローラ120との圧接部Nの上流側に設
けられている。
【0014】バックアップローラ130は、金属製の芯
材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的
肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸1
31aで定着器100のフレームの側板101に対して
回転可能に支持されている。バックアップローラ130
は、定着器100のフレーム側板101に対して回転可
能に支持されており、この定着器100が取り付けられ
る画像形成装置本体(図示せず)に設けられた図示しな
い駆動手段によって図1の矢印方向(時計方向)に回転
駆動される。
【0015】加熱ローラ140は、熱伝導性に優れた材
料(例えばアルミニウム)でパイプ状に形成されてお
り、その内部に熱源であるハロゲンランプ141が配置
されている。この加熱ローラ140は、定着ベルト11
0の巻掛け部において定着ベルト110を急速に加熱す
ることが可能である。この実施の形態の加熱ローラ14
0はテンションローラとして構成されており、図示しな
い適宜の付勢手段で定着ベルト110の張り方向に付勢
されている。なお、図1において、143は加熱ローラ
140の温度を検出するためのサーミスタである。
【0016】加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性
に優れた芯材121と、この芯材121の表面に設けら
れた比較的肉薄で前記バックアップローラ130の弾性
層132よりは硬い弾性層122と、この弾性層122
の表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離
性に優れた表層122aとを備え、芯材121の内部に
熱源であるハロゲンランプ123が配置されている。な
お、加圧ローラ120は、その半径方向へは移動不能に
取り付けられており、弾性層122および前記バックア
ップローラ130の弾性層132の弾性力で、定着ベル
ト110を介してバックアップローラ130に圧接され
ている。その圧接部Nは、バックアップローラ130の
弾性層132が加圧ローラ120の弾性層122よりも
肉厚で柔らかいことから、バックアップローラ130側
に凸状に形成される。図1において、124は加圧ロー
ラ120の表面温度を検出するためのサーミスタであ
る。
【0017】フレーム101には、図示しない画像形成
装置の転写部でトナー画像が形成(転写)された記録材
Sを定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部
(ニップ部)Nの中央部N1に導く、ガイド102が設
けられている。また、圧接部Nの下流側には、排紙ロー
ラ対103と、定着後の記録材Sを図示しない画像形成
装置の排紙経路に導くガイド104とが設けられてい
る。なお、上記各サーミスタは、図示しない画像形成装
置の制御部に接続されており、各サーミスタからの検出
温度に応じ、制御部によって前記各熱源123,141
への通電量が制御されるようになっている。
【0018】この実施の形態の主な特徴は定着ベルト1
10の構造にあるので、それについて説明する。図3
(a)は定着ベルト110(バックアップローラ130
と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着
ベルト110)の部分斜視図、(b)は高グリップ部材
(布)の展開正面図、図4(a)は図3におけるIVa
−IVa断面図である。図5(a)は定着ベルト110
の部分省略断面図(図3(a)におけるVa−Va断面
図)、(b)(c)はそれぞれ図(a)の部分拡大図で
ある。
【0019】定着ベルト110は耐熱性のベルトであ
り、無端状のベルト基体112と、このベルト基体11
2の表面に被覆された表層113とを備えており、両端
部の裏面には、布からなるテープ状の高グリップ部材G
が巻き付けられて固着されている。ベルト基体112
は、例えば導電性を有するポリイミドで構成する。表層
113は、ベルト基体112の表面に高離型材料(記録
材およびトナーに対する剥離性に優れた材料であり、例
えばシリコーンゴム)をコーティングすることによって
形成してある。この実施の形態では、図3(b)および
図4に示すような布からなるテープ状高グリップ部材G
を、ベルト基体112の端部の裏面にその周方向に沿っ
て、接着剤を介して巻き付けて接着剤で固着してある。
また、この実施の形態では、図3(a)および図4
(a)に示すように、テープ状高グリップ部材Gの巻き
付け始端部G1と終端部G2とが重なり合わないように
巻き付けて固着してある。したがって、巻き付け始端部
G1と終端部G2との間には、多少の隙間Lが形成され
るが、この隙間Lは極力少なくすることが望ましい。な
お、図4(b)に示すように、巻き付け始端部G1と終
端部G2とが重なり合うように巻き付けて固着してもか
まわないが、このようにすると、巻き付け始端部G1と
終端部G2との重畳部分G3が厚くなるため、この重畳
部分G3が定着ベルト110を介して加圧ローラ120
と圧接している時期とそれ以外の時期とで、従動側の加
圧ローラ120に速度変動が生じるおそれがあり、ま
た、前記重畳部分G3がバックアップローラ130およ
び加圧ローラ120に圧接した際には、重畳部分G3と
対向する部位において定着ベルト110,バックアップ
ローラ130、および加圧ローラ120に応力が集中し
て定着ベルト110,バックアップローラ130、およ
び加圧ローラ120の耐久性が低下してしまうおそれが
あるので、望ましくはない。
【0020】布Gは、図5に示すように、横糸114a
と縦糸114bとで織るまたは編んだものであり、目の
細かな網体も含む。また、後述するように、図6に示す
ような不織布も含まれる。糸体(横糸および縦糸)11
4は、図5(b)に示すように単線(例えばいわゆるモ
ノフィラメント)で構成してもよいし、図5(c)に示
すように複数本の細線114cの集合体(例えばいわゆ
るマルチフィラメント)で構成してもよい。いずれにし
ても、糸体114の材料としては、アラミド、ポリイミ
ド、ガラス繊維、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)等を用いることができる図5(b)に示すように糸
体114を単線で構成した布の場合でも、糸体114同
士の隙間C1にオイルが保持され得るので、この布Gは
オイル吸収性を有することとなるが、図5(c)に示す
ように糸体114を複数本の細線の集合体で構成する
と、糸体114自体の内部にもオイルが吸収されること
となるので、オイル吸収性を高めるには糸体114を複
数本の細線の集合体で構成することが望ましい。少なく
とも横糸114a、縦糸114bのうちいずれか一方
は、複数本の細線の集合体で構成することが望ましい。
また、前記隙間C1はベルト面と直交する方向(図5に
おいて上下方向)に開口しているとともにベルト周方向
(図5の紙面と直交する方向)においても連通している
ので、この布Gはオイル通過性を有しているとともにベ
ルト周方向へのオイル流動性を有している。布Gとして
は、図6に示すような、不織布(例えばノーメック不織
布)を用いることもできる。不織布もオイル通過性、オ
イル吸収性、およびベルト周方向へのオイル流動性を有
している。なお、図5、図6において、115は布Gを
ベルト基体112に固着している接着層(例えば接着
剤)である。
【0021】この実施の形態による定着器100によれ
ば、次のような作用効果が得られる。 (a)トナー画像が形成された記録材Sが、バックアッ
プローラ130で駆動され、加熱される定着ベルト11
0と、この定着ベルト110に圧接される回転体として
の加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1を通過す
ることにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材
S上に定着させられる。そして、定着ベルト110の裏
面には、その周方向に沿って布Gが固着されているの
で、この布Gによって、定着ベルト110とバックアッ
プローラ130との間には高グリップ部Gが形成される
こととなる。したがって、この高グリップ部Gの作用に
よってバックアップローラ130と定着ベルト110と
の間のグリップ力が向上し、バックアップローラ130
と定着ベルト110との間でスリップが生じ難くなる。
すなわち、この実施の形態のベルト定着器100によれ
ば、バックアップローラ130でベルト110を駆動す
るものにおいて安定した定着動作がなされることとな
る。しかも、高グリップ部Gは布で形成されているの
で、その高グリップ部Gの表面G4(図5参照)は、布
Gを形成する糸体114(織られまたは編まれ等した糸
体)によって細かな凹凸状となり、この凹凸は高グリッ
プ部Gの表面G4に略均一に広がった状態となる。した
がって、高グリップ部Gにおける駆動伝達で発生する振
動および速度変動が非常に少なくなり、結果としてスム
ーズな駆動伝達がなされることとなる。また、前記凹凸
は、糸体114で形成されるので、その凸部は丸みをお
びている。したがって、高グリップ部Gに圧接されるバ
ックアップローラ130における応力集中が軽減され、
バックアップローラ130の耐久性が向上することとな
る。さらに、高グリップ部を、例えば凹凸を有するゴム
部材等で構成した場合に比べて、強度的(特に剪断力に
対する強度)にも優れたものとなる。すなわち、高グリ
ップ部が例えばフィルムやゴム部材等で構成されている
場合には、その端縁部に剪断力が加わると、先ず、端縁
部にクラックが入り、次いでこれが急速に伝播拡大して
裂けてしまうが、高グリップ部が布Gで構成されている
場合には、端縁部の繊維にクラックが入ってこれが破断
しても、この破断が伝播するということがなく、1本の
繊維破断にとどまることとなるので強度的にも優れたも
のとなる。したがってまた、例えば、定着ベルト110
の蛇行を、定着ベルト110が張架されるローラのフラ
ンジ(例えば図2に示す加熱ローラ140のガイドリン
グ145)の内側面(145a)にベルトの端縁部を当
接させて規制しようとする場合には、ベルト110の端
縁部に作用する剪断力が大きなものとなるが、定着ベル
ト110の両端部に布で構成された高グリップ部Gが設
けられていると、高グリップ部Gの破断が生じ難くなる
とともに、ベルト110全体への破断の伝播も生じ難く
なる。したがって、また、定着ベルト110を薄く構成
することが可能となるので、画像を形成しているトナー
のその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルト110の
追従性が向上し、定着強度ないし定着の均一性が向上す
ることとなる。さらにまた、定着ベルト110の熱容量
が小さくなるので、より急速な加熱が可能となる。しか
も、高グリップ部Gは、定着ベルト110の裏面に、そ
の周方向に沿って布Gを固着するだけで構成することが
できるので、例えば定着ベルトの裏面自体を、これが高
グリップ部となるように加工する場合に比べて定着ベル
ト110の製造が簡単になる。 (b)テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G
1と終端部G2とが重なり合っていないので、さらに次
のような作用効果が得られる。すなわち、先に図4
(b)を参照して説明したように、テープ状の高グリッ
プ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが重なり
合っていたとすると、その重畳部分G3が厚くなるた
め、この重畳部分G3が定着ベルト110を介して加圧
ローラ120と圧接している時期とそれ以外の時期と
で、従動側の加圧ローラ120に速度変動が生じるおそ
れがある。また、重畳部分G3がバックアップローラ1
30および加圧ローラ120に圧接した際には、前記重
畳部分G3と対向する部位において定着ベルト110,
バックアップローラ130、および加圧ローラ120に
応力が集中することとなるので、定着ベルト110,バ
ックアップローラ130、および加圧ローラ120の耐
久性が低下してしまうおそれがある。これに対し、この
実施の形態のベルト定着器によれば、前記テープ状の高
グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが
重なり合ってはいないので、従動側の加圧ローラ120
に速度変動が生じ難くなるとともに、定着ベルト11
0,バックアップローラ130、および加圧ローラ12
0に応力が集中し難くなって、定着ベルト110,バッ
クアップローラ130、および加圧ローラ120の耐久
性も低下し難くなる。 (c)定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布する
オイル塗布手段150が設けられているので、オフセッ
ト現象が生じ難くなる。前述したように、定着ベルト1
10の表面に離型オイルが塗布される構成とすると、こ
のオイルが定着ベルト110とバックアップローラ13
0との間に徐々に侵入して行くこととなるが、この実施
の形態によれば、定着ベルト110の裏面両端部に、そ
の周方向に沿って布Gが固着されており、この布Gが、
オイル吸収性を有しているので、定着ベルト110とバ
ックアップローラ130との間に侵入していったオイル
は、布Gによって吸収されることとなる。したがって、
高グリップ部をなす布Gの表面G4に存在するオイルの
量は僅かなものとなり、結果としてバックアップローラ
130に対するグリップ力が確保され、上記スリップが
防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定
した定着動作がなされることとなる。すなわち、この実
施の形態のベルト定着器100によれば、定着ベルト1
10の表面に離型オイルを塗布するものであるにもかか
わらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。し
かしながら、オイル塗布ローラ150によるオイル塗布
幅は、通紙領域幅(記録材Sの幅)よりも小さくするこ
とが望ましい。
【0022】<第2の実施の形態>図7は本発明に係る
ベルト定着器の第2の実施の形態におけるバックアップ
ローラ130の端部を示す概略斜視図である。同図にお
いて、上記第1の実施の形態と同一部分ないし相当する
部分には同一の符号を付してある。この実施の形態が上
記第1の実施の形態と異なる点は、高グリップ部材Gを
定着ベルト110にではなく、図2に仮想線Gで示すよ
うに、また図7に示すように、定着ベルト110の裏面
と接するバックアップローラ130の表面に設けた点に
あり、その他の点に変わりはない。この実施の形態によ
れば、上記第1の実施の形態と同様、次のような作用効
果が得られる。 (a’)第1の実施の形態同様、トナー画像が形成され
た記録材Sが、圧接部Nの中央部N1を通過することに
より、トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着さ
せられる。定着ベルト110の裏面と接するバックアッ
プローラ130の表面には高グリップ部Gが設けられて
いるので、この高グリップ部Gの作用によってバックア
ップローラ130と定着ベルト110との間のグリップ
力が向上し、バックアップローラ130と定着ベルト1
10との間でスリップが生じ難くなる。したがって、こ
の実施の形態のベルト定着器によっても、バックアップ
ローラ130で定着ベルト110を駆動するものにおい
て安定した定着動作がなされることとなる。しかも、高
グリップ部は、テープ状の高グリップ部材Gを、バック
アップローラ130の表面に巻き回して固着することで
形成されているので、例えばバックアップローラ130
の表面にリング状の高グリップ部材を嵌め合わせて固着
したり、バックアップローラ130の表面自体を、これ
が高グリップ部となるように加工したりする場合に比べ
てバックアップローラ130の製造が簡単になる。 (b’)テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部
G1と終端部G2とが重なり合っていないので、従動側
の加圧ローラ120に速度変動が生じ難くなるととも
に、定着ベルト110および加圧ローラ120に応力が
集中し難くなって、定着ベルト110および加圧ローラ
120の耐久性も低下し難くなる。なお、高グリップ部
Gが布であることによる作用効果も第1の実施の形態と
同様に得られ、また第1の実施の形態による(c)と同
様な効果も得られる。
【0023】<第3の実施の形態>図8(a)は本発明
に係るベルト定着器の第3の実施の形態におけるバック
アップローラ130の端部の分解斜視図、(b)は端部
の斜視図である。同図において、上記第2の実施の形態
と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付して
ある。この実施の形態が上記第2の実施の形態と異なる
点は、布からなる高グリップ部材Gを、自由状態でバッ
クアップローラ130の端部の外径よりも小さな内径を
有する伸縮性を備えたエンドレスベルト状に構成し、こ
の高グリップ部材Gを、図8(a)に示すように、その
伸縮性を利用してバックアップローラ130の端部の外
径よりも多少広げた状態で端部に接着層115(図8に
おいては図示を省略してある)を介して図(b)に示す
ように装着し、高グリップ部材Gを、その収縮性および
接着層115でバックアップローラ130の端部に固着
した点にあり、その他の点に変わりはない。この実施の
形態によれば、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、高グリップ部材Gが、自由状態でバックアッ
プローラ130端部の外径よりも小さな内径を有する伸
縮性を備えたエンドレスベルトで構成されているので、
バックアップローラ130の端部に対して高グリップ部
材Gが伸縮してフィットし、バックアップローラ130
の端部に対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成
することができる。また、例えばテープ状の高グリップ
部材をバックアップローラ130の両端部に巻き付けて
固着した場合には、その継ぎ目(図7のL参照)から高
グリップ部材が剥がれやすくなるというおそれがある
が、この実施の形態の構成によれば、そのようなおそれ
がなくなるので、機械的信頼性が向上する。
【0024】<第4の実施の形態>この実施の形態の特
徴は、上記第1、第2,または第3の実施の形態の構成
に加え、図2に仮想線Gで示すように、また図7(また
は図8)に示すように、バックアップローラ130にお
ける加圧ローラ120に直接圧接される部位(両端部)
にも高グリップ部Gを設けた点にある。なお、この実施
の形態にあっては、定着ベルト110および各ローラを
回転させるための駆動ローラとしては、バックアップロ
ーラ130に限らず、オイル塗布ローラ150以外のロ
ーラであればどのローラを用いることもでき、例えば、
加圧ローラ120を駆動ローラとして用いることができ
る。加圧ローラ120を駆動ローラとして用いた場合、
加圧ローラ120が図示しない駆動手段によって図1の
矢印方向(反時計方向)に回転駆動され、バックアップ
ローラ130、定着ベルト110、加熱ローラ140、
およびオイル塗布ローラ150が従動することとなる。
具体的には、加圧ローラ120に対して定着ベルト11
0およびバックアップローラ130が圧接されているこ
とにより、定着ベルト110およびバックアップローラ
130が加圧ローラ120に従動し、定着ベルト110
が加熱ローラ140に巻き掛けられていることにより、
加熱ローラ140が定着ベルト110に従動し、定着ベ
ルト110に対してオイル塗布ローラ150が圧接され
ていることにより、オイル塗布ローラ150が定着ベル
ト110に従動することとなる。
【0025】この実施の形態によれば次のような作用効
果が得られる。トナー画像が形成された記録材Sが、一
方が駆動され他方が従動する、加熱される定着ベルト1
10とこの定着ベルト110に圧接される回転体として
の加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1を通過す
ることにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材
S上に定着させられる。そして、前記圧接部Nにおいて
定着ベルト110を内方から支持するバックアップロー
ラ130が定着ベルト110の幅よりも長く構成されて
おり、このバックアップローラ130における、加圧ロ
ーラ120に直接圧接される部位に高グリップ部Gが設
けられているとともに、定着ベルト110の裏面、また
は定着ベルト裏面と接するバックアップローラ130の
表面にも高グリップ部G(この実施の形態ではバックア
ップローラ130端部の高グリップ部材Gと共通の高グ
リップ部材Gである)が設けられているので、バックア
ップローラ130と加圧ローラ120とが直接圧接され
る部位におけるグリップ力が向上するとともに、バック
アップローラ130と定着ベルト110との間のグリッ
プ力も向上することとなる。したがって、定着ベルト1
10と加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1に、
比較的滑り易い記録材Sが供給され、この滑り易い記録
材Sの介在によって、駆動側の加圧ローラ120(また
は定着ベルト110)と記録材Sとの間および/または
記録材Sと従動側の定着ベルト110(または加圧ロー
ラ120)との間でスリップが生じそうになったとして
も、前記高グリップ部Gの作用によって駆動側の加圧ロ
ーラ120(または定着ベルト110)に対する従動側
の定着ベルト110(または加圧ローラ120)の従動
性が向上し、定着ベルト110と加圧ローラ120とが
略同一の周速で回転することとなる。このため、上記ス
リップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、
結果として安定した定着動作がなされることとなる。し
たがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにく
くなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0026】<第5の実施の形態>図9は本発明に係る
ベルト定着器の第5の実施の形態の要部を示す図で、
(a)は定着ベルト110の裏面端部(ないしバックア
ップローラ130の端部)の部分正面図、(b)はテー
プ状の高グリップ部材Gの展開図である。図9におい
て、上記第1〜第4の実施の形態と同一部分ないし相当
する部分には同一の符号を付してある。この実施の形態
が上記第1〜第4の実施の形態と異なる点は、テープ状
の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2
とが、相対向して傾斜している点にあり、その他の点に
変わりはない。すなわち、この実施の形態におけるテー
プ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1および終
端部G2はバックアップローラ130の軸線方向と平行
とはなっていないし、定着ベルト110の循環方向に関
しても傾斜している。この実施の形態によれば、さらに
次のような作用効果が得られる。すなわち、仮に、テー
プ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部
G2とが傾斜(例えばベルト110の幅方向ないしバッ
クアップローラ130の軸線方向に対して傾斜)してい
ないとすると、前記始端部G1と終端部G2との間に形
成されている隙間L部分が加圧ローラ120(または定
着ベルト110)と圧接している時期とそれ以外の時期
とで、従動側のバックアップローラ130(または加圧
ローラ120)に速度変動が生じるおそれがある。例え
ば、仮に上記第2の実施の形態における前述した隙間L
が、バックアップローラ130と加圧ローラ120との
圧接部Nの周方向長さよりも長くなっているとすると、
上記速度変動が生じるおそれは大きくなる。これに対
し、この第5の実施の形態によれば、テープ状の高グリ
ップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが、相
対向して傾斜しているので、従動側のバックアップロー
ラ130(または加圧ローラ120)に速度変動が生じ
難くなる。
【0027】<第6の実施の形態>図10は本発明に係
るベルト定着器の第6の実施の形態の要部を示す図で、
(a)は定着ベルト110の裏面端部(ないしバックア
ップローラ130の端部)の部分正面図、(b)は図
(a)におけるb−b断面図である。図10において、
上記第1〜第5の実施の形態と同一部分ないし相当する
部分には同一の符号を付してある。この実施の形態の特
徴は、オイル通過性を有する布からなる高グリップ部材
Gが、オイル吸収性を有する接着層116を介してベル
ト裏面又はバックアップローラ130の両端部に固着さ
れている点にある。なお、図6に示した不織布を上記接
着層116を介してベルト裏面又はバックアップローラ
130表面に固着してもよい。この実施の形態によれ
ば、さらに次のような作用効果が得られる。前述したよ
うに、定着ベルト110の表面に離型オイルが塗布され
る構成とすると、このオイルが定着ベルト110ないし
バックアップローラ130と加圧ローラ120との圧接
部Nの端部N2(図2参照)に徐々に侵入して行くこと
となるが、この実施の形態によれば、高グリップ部材G
が設けられているとともに、この高グリップ部材Gがオ
イル通過性を有しており、かつオイル吸収性を有する接
着層116を介してベルト110裏面又はバックアップ
ローラ130表面に固着されているので、圧接部Nの端
部N2に侵入していったオイルは、高グリップ部材Gを
経て前記接着層116によって吸収されることとなる。
したがって、高グリップ部材Gの表面G4に存在するオ
イルの量は僅かなものとなり、結果として高グリップ部
Gにおけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止
されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した
定着動作がなされることとなる。すなわち、この実施の
形態によっても、定着ベルト110の表面に離型オイル
を塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動
作を得ることが可能となる。
【0028】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能
である。例えば、 上記実施の形態においては、高グリップ部材Gを定着
ベルト110の裏面両端部に設けたが、裏面全面に亘っ
て複数箇所に等間隔で設けてもよいし、裏面全面を覆う
ように設けてもよい。また、裏面の中央部(幅方向にお
ける中央部)にのみ設けてもよい。 上記実施の形態においては、高グリップ部材Gをバッ
クアップローラ130の両端部に設けたが、表面全面に
亘って複数箇所に等間隔で設けてもよいし、表面全面を
覆うように設けてもよい。また、請求項1の発明に関し
ては、中央部(幅方向における中央部)にのみ設けても
よい。
【0029】
【発明の効果】請求項1、2記載のいずれのベルト定着
器によっても、安定した定着動作がなされることとな
る。しかも、スムーズな駆動伝達がなされるとともに、
耐久性が向上し、定着ベルトおよび/またはバックアッ
プローラの製造が簡単になる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト定着器の第1の実施の形態
を示す概略側面図。
【図2】主要部の概略斜視図。
【図3】(a)は定着ベルト110(バックアップロー
ラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状
態の定着ベルト110)の部分斜視図、(b)はテープ
状の高グリップ部材(布)の正面図。
【図4】(a)は図3におけるIVa−IVa断面図、
(b)は巻き付け始端部G1と終端部G2とが重なり合
った状態の断面図。
【図5】(a)は定着ベルト110の部分省略断面図
(図3(a)におけるVa−Va断面図)、(b)
(c)はそれぞれ図(a)の部分拡大図である。
【図6】(a)は定着ベルト110の部分省略断面図
(図3(a)におけるVa−Va断面図に相当する
図)、(b)は図(a)の部分拡大図である。
【図7】本発明に係るベルト定着器の第2の実施の形態
におけるバックアップローラ130の端部を示す概略斜
視図。
【図8】(a)は本発明に係るベルト定着器の第3の実
施の形態におけるバックアップローラ130の端部の分
解斜視図、(b)は端部の斜視図である。
【図9】本発明に係るベルト定着器の第5の実施の形態
の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110の裏面端
部(ないしバックアップローラ130の端部)の部分正
面図、(b)はテープ状の高グリップ部材Gの展開図で
ある。
【図10】本発明に係るベルト定着器の第6の実施の形
態の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110の部分
裏面図(ないしバックアップローラ130の部分正面
図)、(b)は図(a)におけるb−b断面図である。
【図11】従来技術の説明図。
【符号の説明】
S 記録材 100 定着器 110 定着ベルト G 高グリップ部材(布) 120 加圧ローラ(回転体) 130 バックアップローラ N 圧接部 N1 圧接部の中央部 N2 圧接部の端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 義之 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA23 BA11 BB01 BB30 BB37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱される定着ベルトと、この定着ベル
    トに圧接される回転体と、その圧接部において前記定着
    ベルトを内方から支持しかつ定着ベルトを駆動するバッ
    クアップローラとを有し、トナー画像が形成された記録
    材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部に通して、前
    記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着させる定着器
    であって、 前記定着ベルトの裏面または定着ベルト裏面と接するバ
    ックアップローラの表面に、その周方向に沿って布が固
    着されていることを特徴とするベルト定着器。
  2. 【請求項2】 加熱される定着ベルトと、この定着ベル
    トに圧接される回転体と、その圧接部において前記定着
    ベルトを内方から支持する、定着ベルトの幅よりも長い
    バックアップローラとを有し、前記定着ベルトと回転体
    のうち一方が駆動され、他方が従動し、トナー画像が形
    成された記録材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部
    に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着
    させる定着器であって、 前記バックアップローラにおける、前記回転体に直接圧
    接される部位に、その周方向に沿って布が固着されてい
    るとともに、前記定着ベルトの裏面または定着ベルト裏
    面と接するバックアップローラの表面にも、その周方向
    に沿って布が固着されていることを特徴とするベルト定
    着器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012220503A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Ricoh Co Ltd 定着装置および画像形成装置

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