JP2001109286A - ベルト定着器 - Google Patents

ベルト定着器

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JP2001109286A
JP2001109286A JP28480699A JP28480699A JP2001109286A JP 2001109286 A JP2001109286 A JP 2001109286A JP 28480699 A JP28480699 A JP 28480699A JP 28480699 A JP28480699 A JP 28480699A JP 2001109286 A JP2001109286 A JP 2001109286A
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belt
fixing belt
fixing
backup roller
high grip
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JP28480699A
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Kaneo Yoda
兼雄 依田
Takao Kagami
孝夫 鏡味
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した定着動作がなされるベルト定着器を
提供する。 【解決手段】 加熱される定着ベルト110に圧接され
る回転体120と、その圧接部において定着ベルトを内
方から支持する、ベルト幅よりも長いバックアップロー
ラ130とを有し、トナー画像が形成された記録材Sを
定着ベルトと回転体との圧接部に通してトナー画像を定
着させる。バックアップローラにおける、回転体に直接
圧接される部位に高グリップ部材Gが固着されていると
ともに、定着ベルトの裏面または定着ベルト裏面と接す
るバックアップローラの表面にも高グリップ部材Gが固
着されている。高グリップ部材Gの表面の凹凸パターン
がベルト幅方向に対して傾斜している。凹凸パターン
は、定着ベルトの幅方向に関する中心線に関して線対称
となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのでき
るプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置
に用いられる定着器、より詳しくは加熱される定着ベル
トを用いたベルト定着器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真技術を用いて用紙等の
記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転
駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電
潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してト
ナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に
転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像
が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上に
トナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】定着器は、通常、加熱される回転体と、こ
れに圧接されている回転体とを有しており、これら両回
転体によって、通過する記録材を挟圧しつつ加熱し、記
録材上のトナー画像を記録材上に溶融定着させるように
なっている。このような定着器においては、2つの回転
体に周速差があると、その挟圧部(圧接部)を通過する
記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱れること
から、2つの回転体とも駆動するということはなされて
おらず、一方の回転体のみを駆動し、他方の回転体はこ
れに従動させる構成が採用されている。また、加熱され
る回転体がローラであると、その初期的な加熱に長時間
を要することから、加熱される回転体を無端ベルト(定
着ベルト)として、その初期的加熱時間を短縮したベル
ト定着器が知られている。
【0004】図13はベルト定着器の一例を示す図であ
る(特開平8−334997号公報)。このベルト定着
器は、回転駆動される定着ローラ2と、ヒータを内蔵し
た加熱ローラ3との間に定着ベルト1を巻掛け張架し、
定着ベルト1を介して定着ローラ2に加圧ローラ4を圧
接させ、この圧接部Nに、トナー画像Tが形成された記
録材Sを図示矢印方向に通し、前記トナー画像Tを加熱
溶融して記録材S上に定着させるようになっている。ま
た、この定着器は、記録材上のトナーが定着ベルト1の
表面に転移してしまうという現象(いわゆるオフセット
現象)を防止するために、定着ベルト1の表面に離型剤
としてシリコーンオイル等の離型オイルを塗布するオイ
ル塗布ローラ5を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】<課題1>図13に示
した従来のベルト定着器では、定着ローラ2で定着ベル
ト1を駆動する構成となっているので、定着ローラ2と
定着ベルト1との間でスリップが生じると、安定した定
着動作がなされなくなるおそれがある。特に、このベル
ト定着器では、ベルト1の表面に離型オイルが塗布され
るので、ベルト1の表面に塗布されたオイルが定着ロー
ラ2と加圧ローラ4との圧接部Nの端部N’に徐々に侵
入し、この端部N’を介してベルト1と定着ローラ2と
の間(ベルト1の裏面1a)にも侵入して定着ローラ2
とベルト1との間の摩擦力を低減させる。このため、上
記スリップが助長され、結果として、定着動作が一層不
安定になるおそれがある。本発明の第1の目的は、以上
のような問題を解決し、定着ローラでベルトを駆動する
ものにおいて安定した定着動作がなされるベルト定着器
を提供することにある。 <課題2>図13に示した従来のベルト定着器では、定
着ローラ2で駆動されるベルト1とこれに従動する加圧
ローラ4との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材が供給
されると、この滑り易い記録材の介在によって、ベルト
1と記録材との間および/または記録材と従動側の加圧
ローラ4との間でスリップが生じ、そのためにベルト1
と加圧ローラ4との間に周速差が生じ、結果として安定
した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
特に、このベルト定着器では、ベルト1の表面に離型オ
イルが塗布されるので、上記スリップが助長される。ま
た、ベルト1の表面に塗布されたオイルは前記圧接部N
の端部N’に徐々に侵入し、当該端部N’における定着
ローラ2と加圧ローラ4との摩擦力を低減させる。さら
に、圧接部Nの端部N’に侵入したオイルはベルト1と
定着ローラ2との間にも侵入して定着ローラ2とベルト
1との間の摩擦力をも低減させる。このため、ベルト1
と加圧ローラ4との間の周速差が一層助長され、結果と
して、定着動作がより不安定になるおそれがある。な
お、このような問題は例えば定着ローラ1に代えて加圧
ローラ4を駆動ローラとして構成した場合にも生じる問
題である。本発明の第2の目的は、以上のような問題を
解決し、安定した定着動作がなされるベルト定着器を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1記載のベルト定着器は、加熱される定
着ベルトと、この定着ベルトに圧接される回転体と、そ
の圧接部において前記定着ベルトを内方から支持しかつ
定着ベルトを駆動するバックアップローラとを有し、ト
ナー画像が形成された記録材を、前記定着ベルトと回転
体との圧接部に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記
録材上に定着させる定着器であって、前記定着ベルトの
裏面またはこの定着ベルトの裏面と接するバックアップ
ローラの表面に、その周方向に沿って高グリップ部材が
設けられており、かつこの高グリップ部材の表面の凹凸
パターンが、ベルト幅方向またはバックアップローラの
軸線方向に対して傾斜していることを特徴とする。上記
第2の目的を達成するために請求項2記載のベルト定着
器は、加熱される定着ベルトと、この定着ベルトに圧接
される回転体と、その圧接部において前記定着ベルトを
内方から支持する、定着ベルトの幅よりも長いバックア
ップローラとを有し、前記定着ベルトと回転体のうち一
方が駆動され、他方が従動し、トナー画像が形成された
記録材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部に通し
て、前記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着させる
定着器であって、前記バックアップローラにおける、前
記回転体に直接圧接される部位に、その周方向に沿って
高グリップ部材が設けられているとともに、前記定着ベ
ルトの裏面またはこの定着ベルトの裏面と接するバック
アップローラの表面に、その周方向に沿って高グリップ
部材が設けられており、かつ上記高グリップ部材の表面
の凹凸パターンが、ベルト幅方向またはバックアップロ
ーラの軸線方向に対して傾斜していることを特徴とす
る。
【0007】
【作用効果】請求項1記載のベルト定着器によれば、ト
ナー画像が形成された記録材が、バックアップローラ
(上記従来技術における定着ローラ1に相当する)で駆
動され、加熱される定着ベルトと、この定着ベルトに圧
接される回転体との圧接部を通過することにより、前記
トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられ
る。そして、前記定着ベルトの裏面または定着ベルト裏
面と接するバックアップローラの表面には、その周方向
に沿って、高グリップ部材が設けられているので、この
高グリップ部材の作用によってバックアップローラと定
着ベルトとの間のグリップ力が向上し、バックアップロ
ーラと定着ベルトとの間でスリップが生じ難くなる。し
たがって、この請求項1記載のベルト定着器によれば、
バックアップローラでベルトを駆動するものにおいて、
安定した定着動作を得ることが可能となる。しかも、前
記高グリップ部材の表面の凹凸パターンが、ベルト幅方
向またはバックアップローラの軸線方向に対して傾斜し
ているので、バックアップローラと定着ベルトとの間に
おいて(特に回転体との圧接部に対応する部位におい
て)、上記傾斜した凹凸パターンによる、いわば楔効果
(回転方向(駆動伝達方向)に関する楔効果)が得られ
ることとなる。したがって、上記高グリップ部における
グリップ力が向上し、上記スリップが一層良好に防止さ
れ(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として一層
安定した定着動作がなされることとなる。また、仮に、
高グリップ部材の表面の凹凸パターンが、ベルト幅方向
またはバックアップローラの軸線方向に対して傾斜して
いないとすると、駆動伝達による振動(凹凸パターンに
起因する振動)が大きくなるおそれがあるが、この請求
項1記載のベルト定着器によれば、前記高グリップ部材
の表面の凹凸パターンが、ベルト幅方向またはバックア
ップローラの軸線方向に対して傾斜しているので、その
ような振動が著しく低減され、駆動伝達が円滑になされ
ることとなる。請求項2記載のベルト定着器によれば、
トナー画像が形成された記録材が、一方が駆動され他方
が従動する、加熱される定着ベルトとこの定着ベルトに
圧接される回転体との圧接部を通過することにより、前
記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられ
る。そして、前記圧接部において定着ローラを内方から
支持するバックアップローラが定着ベルトの幅よりも長
く構成されており、このバックアップローラにおける、
前記回転体に直接圧接される部位に、その周方向に沿っ
て高グリップ部材が設けられているとともに、前記定着
ベルトの裏面または定着ベルト裏面と接するバックアッ
プローラの表面にも、その周方向に沿って高グリップ部
材が設けられているので、これら高グリップ部材の作用
によって、バックアップローラと回転体との間、および
定着ベルトとバックアップローラとの間におけるグリッ
プ力が向上することとなる。したがって、上記定着ベル
トと回転体との圧接部の中央部に、比較的滑り易い記録
材が供給され、この滑り易い記録材の介在によって、駆
動側の定着ベルト(または回転体)と記録材との間およ
び/または記録材と従動側の回転体(または定着ベル
ト)との間でスリップが生じそうになったとしても、前
記高グリップ部材の作用によって駆動側の定着ベルト
(または回転体)に対する従動側の回転体(または定着
ベルト)の従動性が向上し、定着ベルトと回転体とが略
同一の周速で回転することとなる。このため、上記スリ
ップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結
果として安定した定着動作がなされることとなる。した
がってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくく
なって画像乱れがほとんど生じなくなる。しかも、前記
高グリップ部材の表面の凹凸パターンが、ベルト幅方向
またはバックアップローラの軸線方向に対して傾斜して
いるので、上述したように、高グリップ部におけるグリ
ップ力が向上し、また、駆動伝達が円滑になされること
となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 <第1の実施の形態>図1は本発明に係るベルト定着器
の第1の実施の形態を示す概略側面図、図2は主要部の
概略斜視図である。
【0009】この定着器100は、加熱される定着ベル
ト110と、この定着ベルト110に圧接される回転体
としての加圧ローラ120とを有し、トナー画像(図示
せず)が形成された記録材Sを、矢印S1で示すように
定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの中
央部N1に通して、トナー画像を加熱溶融し記録材S上
に定着させるようになっている。この実施の形態の定着
器100は、前記圧接部Nにおいて定着ベルト110を
内方から支持するバックアップ部材としてのバックアッ
プローラ130と、定着ベルト110を加熱する加熱手
段としての加熱ローラ140とを有しており、定着ベル
ト110は、バックアップローラ130と加熱ローラ1
40との間に張架されている。図2に示すように、加熱
ローラ140には、定着ベルト110の側端部(後述す
る高グリップ部材Gの側端部)G5と当接することでベ
ルト110の片寄りを規制する規制部としてのガイドリ
ング145,145が設けられている。
【0010】150はオイル塗布手段としてのオイル塗
布ローラであり、定着ベルト110の表面に離型オイル
を塗布するようになっている。
【0011】この実施の形態では、定着ベルト110お
よび各ローラを回転させるための駆動ローラとして、バ
ックアップローラ130を用いている。すなわち、バッ
クアップローラ130は、図示しない駆動手段によって
図1の矢印方向(時計方向)に回転駆動され、定着ベル
ト110、加熱ローラ140、加圧ローラ120、およ
びオイル塗布ローラ150が従動するようになってい
る。
【0012】図1において、111はバックアップロー
ラ130への巻掛け部における定着ベルト110の表面
温度を検出するためのサーミスタである。このサーミス
タ111は加圧ローラ120との圧接部Nの上流側に設
けられている。
【0013】バックアップローラ130は、金属製の芯
材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的
肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸1
31aで定着器100のフレームの側板101に対して
回転可能に支持されている。加熱ローラ140は、熱伝
導性に優れた材料(例えばアルミニウム)でパイプ状に
形成されており、その内部に熱源であるハロゲンランプ
141が配置されている。この加熱ローラ140は、定
着ベルト110の巻掛け部において定着ベルト110を
急速に加熱することが可能である。この実施の形態の加
熱ローラ140はテンションローラとして構成されてお
り、図示しない適宜の付勢手段で定着ベルト110の張
り方向に付勢されている。なお、図1において、143
は加熱ローラ140の温度を検出するためのサーミスタ
である。
【0014】加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性
に優れた芯材121と、この芯材121の表面に設けら
れた比較的肉薄で前記バックアップローラ130の弾性
層132よりは硬い弾性層122と、この弾性層122
の表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離
性に優れた表層122aとを備え、芯材121の内部に
熱源であるハロゲンランプ123が配置されている。加
圧ローラ120は、定着器100のフレーム側板101
に対して回転可能に支持されており、この定着器100
が取り付けられる画像形成装置本体(図示せず)に設け
られた図示しない駆動手段によって図1の矢印方向(反
時計方向)に回転駆動される。なお、加圧ローラ120
は、その半径方向へは移動不能に取り付けられており、
弾性層122および前記バックアップローラ130の弾
性層132の弾性力で、定着ベルト110を介してバッ
クアップローラ130に圧接されている。その圧接部N
は、バックアップローラ130の弾性層132が加圧ロ
ーラ120の弾性層122よりも肉厚で柔らかいことか
ら、バックアップローラ130側に凸状に形成される。
図1において、124は加圧ローラ120の表面温度を
検出するためのサーミスタである。
【0015】フレーム101には、図示しない画像形成
装置の転写部でトナー画像が形成(転写)された記録材
Sを定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部
(ニップ部)Nの中央部N1に導く、ガイド102が設
けられている。また、圧接部Nの下流側には、排紙ロー
ラ対103と、定着後の記録材Sを図示しない画像形成
装置の排紙経路に導くガイド104とが設けられてい
る。なお、上記各サーミスタは、図示しない画像形成装
置の制御部に接続されており、各サーミスタからの検出
温度に応じ、制御部によって前記各熱源123,141
への通電量が制御されるようになっている。
【0016】この実施の形態の主な特徴は定着ベルト1
10の構造にあるので、それについて説明する。図3は
定着ベルト110(バックアップローラ130と加熱ロ
ーラ140との間に張架される前の状態の定着ベルト1
10)の端部の斜視図である。図4(a)は定着ベルト
110の部分省略裏面図、(b)(c)はそれぞれ高グ
リップ部材Gの凹凸パターンの例を示す裏面図である。
【0017】定着ベルト110は耐熱性のベルトであ
り、図3,図4に示すように、無端状のベルト基体11
2と、このベルト基体112の表面に被覆された表層1
13とを備えており、ベルト基体112の裏面両端部1
12bには、その周方向に沿って高グリップ部材Gが、
接着層116(図5参照)を介して固着されている。表
層113は、ベルト基体112の表面に高離型材料(記
録材およびトナーに対する剥離性に優れた材料であり、
例えばシリコーンゴム)をコーティングすることによっ
て形成してある。
【0018】高グリップ部材Gは、その表面G4の凹凸
パターンGPが、ベルト幅方向に対して傾斜している。
図4においては、ベルトの円周方向(図4において上下
方向)に対する凹凸パターンGPの傾斜角度をθで示し
てある。凹凸パターンGPの傾斜角度は、定着ベルト1
10の幅方向に関する中心線CLに関して線対称となる
ように構成することが望ましく、この実施の形態では、
略45°となるように構成してある。高グリップ部材G
は、適宜の材料、例えばゴム、合成樹脂等で構成するこ
とができる。また、その表面の凹凸パターンGPも適宜
のパターンを採用することができ、例えば、図4(a)
に示すような格子状のパターンや、図(b)に示すよう
な長穴または楕円状(トラック形状)凸部GP1の連続
パターンや、図(c)に示すような、矩形ないし菱形の
穴または凸部GP2の連続パターンを採用することがで
きる。
【0019】図5はこの実施の形態で採用した定着ベル
ト110の端部を示す図で、(a)は部分省略拡大裏面
図、(b)は図(a)におけるb−b断面図(図3にお
けるVb−Vb断面図)である。この実施の形態では、
高グリップ部材Gを、図5に示すように、互いに交差す
る糸体114a、114bで織るまたは編んだ布(網状
体を含む)で構成してある。糸体114(a,b)は、
単線(例えばいわゆるモノフィラメント)で構成しても
よいし、複数本の細線の集合体(例えばいわゆるマルチ
フィラメント)で構成してもよい。いずれにしても、糸
体114の材料としては、アラミド、ポリイミド、ガラ
ス繊維、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用
いることができる糸体114を単線で構成した布の場合
でも、糸体114同士の隙間C1にオイルが保持され得
るので、この布Gはオイル吸収性を有することとなる
が、糸体114を複数本の細線の集合体で構成すると、
糸体114自体の内部にもオイルが吸収されることとな
るので、オイル吸収性を高めるには糸体114を複数本
の細線の集合体で構成することが望ましい。また、前記
隙間C1は、図5(b)において上下方向に開いている
とともに、ベルト周方向(図5(b)において紙面と直
交する方向)においても連通しているので、この布Gは
オイル通過性を有しているとともに、ベルト周方向への
オイル流動性を有している。
【0020】この実施の形態では、高グリップ部材G
(図3参照)を、エンドレスベルト状に構成し、この高
グリップ部材Gを、ベルト基体112の裏面端部に接着
層116で固着してある。接着層116は、可撓性およ
びオイル吸収性を有する接着剤(例えばシリコーン系接
着剤)で構成する。
【0021】この実施の形態による定着器100によれ
ば、次のような作用効果が得られる。 (a)トナー画像が形成された記録材Sが、バックアッ
プローラ130で駆動され、加熱される定着ベルト11
0と、この定着ベルト110に圧接される回転体である
加圧ローラ120の圧接部Nを通過することにより、前
記トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着させら
れる。そして、定着ベルト110の裏面には、その周方
向に沿って、高グリップ部材Gが固着されているので、
この高グリップ部材Gの作用によってバックアップロー
ラ130と定着ベルト110との間のグリップ力が向上
し、バックアップローラ130と定着ベルト110との
間でスリップが生じ難くなる。したがって、この実施の
形態のベルト定着器によれば、バックアップローラ13
0で定着ベルト110を駆動するものにおいて、安定し
た定着動作を得ることが可能となる。しかも、高グリッ
プ部材Gの表面G4の凹凸パターンGPが、ベルト幅方
向(したがってバックアップローラ130の軸線方向)
に対して傾斜しているので、バックアップローラ130
と定着ベルト110との間において(特に加圧ローラ1
20との圧接部Nに対応する部位において)、上記傾斜
した凹凸パターンによる、いわば楔効果(回転方向(駆
動伝達方向)に関する楔効果)が得られることとなる。
したがって、上記高グリップ部Gにおけるグリップ力が
向上し、上記スリップが一層良好に防止され(少なくと
も著しく生じ難くなり)、結果として一層安定した定着
動作がなされることとなる。また、仮に、高グリップ部
材の表面の凹凸パターンが、ベルト幅方向またはバック
アップローラの軸線方向に対して傾斜していないとする
と、駆動伝達による振動(凹凸パターンに起因する振
動)が大きくなるおそれがあるが、この実施の形態のベ
ルト定着器によれば、高グリップ部材Gの表面G4の凹
凸パターンが、ベルト幅方向に対して傾斜しているの
で、そのような振動が著しく低減され、駆動伝達が円滑
になされることとなる。
【0022】(b)高グリップ部材Gの表面G4の凹凸
パターンGPが、定着ベルト110の幅方向に関する中
心線CL(したがってバックアップローラ130の幅方
向に関する中心線)に関して線対称となっているので、
凹凸パターンGPが傾斜していることにより生じるスラ
スト力(ベルト幅方に作用する力)が相殺され、定着ベ
ルト110の安定した走行状態が得られることとなる。
【0023】(c)高グリップ部材Gは、エンドレスベ
ルトで構成されているので、定着ベルト110の端部1
12bに対して高グリップ部材Gが良好にフィットし、
定着ベルト110の端部112bに対して良好に沿った
状態の高グリップ部を形成することができる。また、例
えばテープ状の高グリップ部材を定着ベルト110の両
端部に巻き付けて固着した場合には、その継ぎ目(図6
のL参照)から高グリップ部材が剥がれやすくなるとい
うおそれがあるが、この実施の形態の構成によれば、そ
のようなおそれがなくなるので、機械的信頼性が向上す
る。結果として、定着ベルト110を薄く構成すること
が可能となるので、画像を形成しているトナーのその付
着量に応じた凹凸に対する定着ベルト110の追従性が
向上し、定着強度ないし定着の均一性が向上することと
なる。また、定着ベルト110の熱容量がより小さくな
るので、より急速な加熱が可能となる。
【0024】(d)高グリップ部材Gが布で構成されて
いるので、高グリップ部材Gの表面G4(図4参照)
は、布を形成する糸体(織られまたは編まれ等した糸
体)114によって細かな凹凸状となり、この凹凸が高
グリップ部材Gの表面G4に略均一に広がった状態とな
る。したがって、高グリップ部材Gにおける駆動伝達で
発生する振動および速度変動が非常に少なくなり、結果
として一層スムーズな駆動伝達がなされることとなる。
また、前記凹凸は、糸体114で形成されるので、その
凸部は丸みをおびている。したがって、バックアップロ
ーラ130における応力集中が軽減され、バックアップ
ローラ130の耐久性が向上することとなる。さらに、
高グリップ部材Gを、例えば凹凸を有する合成樹脂フィ
ルムやゴム部材等で構成した場合に比べて、強度的(特
に剪断力に対する強度)にも優れたものとなる。すなわ
ち、高グリップ部材Gが例えばフィルムやゴム部材等で
構成されている場合には、その端縁部に剪断力が加わる
と、先ず、端縁部にクラックが入り、次いでこれが急速
に伝播拡大して裂けてしまうが、高グリップ部材Gが布
で構成されている場合には、端縁部の繊維(糸体)11
4にクラックが入ってこれが破断しても、この破断が伝
播するということがなく、1本の繊維破断にとどまるこ
ととなるので、強度的にも優れたものとなる。
【0025】(e)高グリップ部材Gは、可撓性を有す
る接着層116を介して定着ベルト110の裏面に固着
されているので、さらに次のような作用効果が得られ
る。すなわち、この種の定着器においては、その作動時
に定着ベルト110が加熱されて高温(例えば150〜
200°C程度)に達することとなるので、仮に、定着
ベルト110に高グリップ部材Gを固着している接着層
が可撓性を有していないとすると、定着ベルト110と
高グリップ部材Gとの熱膨張差によって定着ベルト端部
が破損しやすくなったり、高グリップ部材Gがベルトか
ら剥がれやすくなってしまうという問題が生ずるおそれ
がある。これに対し、この実施の形態のベルト定着器1
00によれば、定着ベルト110の端部に高グリップ部
材Gを固着している接着層116が可撓性を有している
ので、定着ベルト110と高グリップ部材Gとの熱膨張
差が接着層116によって吸収されることとなる。した
がって、定着ベルト110の端部が破損したり、高グリ
ップ部材Gがベルトから剥がれてしまうという不具合が
生じ難くなり、結果として、定着ベルト110の耐久性
がより一層向上することとなる。
【0026】(f)定着ベルト110の表面に離型オイ
ルを塗布するオイル塗布手段150が設けられているの
で、オフセット現象が生じ難くなる。前述したように、
定着ベルト110の表面に離型オイルが塗布される構成
とすると、このオイルが定着ベルト110と加圧ローラ
120との圧接部の端部N2に侵入し、さらに定着ベル
ト110とバックアップローラ130との間にも侵入し
て行くこととなるが、このベルト定着器100によれ
ば、定着ベルト110の両端部に、高グリップ部材Gが
固着されているとともに、この高グリップ部材Gがオイ
ル吸収性を有しているので、前記定着ベルト110とバ
ックアップローラ130との間に侵入していったオイル
は、高グリップ部材Gによって吸収されることとなる。
したがって、高グリップ部材の表面G4に存在するオイ
ルの量は僅かなものとなり、結果として高グリップ部材
Gによるグリップ力が確保され、上記スリップが防止さ
れて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定
着動作がなされることとなる。すなわち、このベルト定
着器100によれば、定着ベルト110の表面に離型オ
イルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定
着動作を得ることが可能となる。 (g)高グリップ部材Gがオイル通過性を有しており、
かつ接着層116がオイル吸収性を有しているので、定
着ベルト110とバックアップローラ130との間に侵
入していったオイルは、接着層116によって直接また
は高グリップ部材Gを経て接着層116によっても吸収
されることとなる。したがって、高グリップ部材Gの表
面G4に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果
として高グリップ部材Gにおけるグリップ力がより良好
に確保され、上記スリップがより確実に防止されて(少
なくとも著しく生じ難くなって)、一層安定した定着動
作がなされることとなる。
【0027】<第2の実施の形態>図6,図7は本発明
に係るベルト定着器の第2の実施の形態の要部を示す図
で、図6(a)は定着ベルト110(バックアップロー
ラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状
態の定着ベルト110)の部分斜視図、(b)は高グリ
ップ部材Gの展開正面図、図7(a)は図6におけるV
IIa−VIIa断面図である。これらの図において、
上記第1の実施の形態と同一部分ないし相当する部分に
は同一の符号を付してある。この実施の形態が上記第1
の実施の形態と異なる点は、図6(b)に示すようなテ
ープ状の高グリップ部材Gを、図6(a)に示すように
ベルト基体112の裏面端部にその周方向に沿って、接
着層116を介して巻き付けて接着層116で固着した
点にあり、その他の点に変わりはない。この実施の形態
では、図6(a)および図7(a)に示すように、テー
プ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部
G2とが重なり合わないように巻き付けて固着してあ
る。したがって、巻き付け始端部G1と終端部G2との
間には、多少の隙間Lが形成されるが、この隙間Lは極
力少なくする(少なくとも定着ベルト110と加圧ロー
ラ120との圧接部Nの周方向長さよりも短くする)こ
とが望ましい。なお、図7(b)に示すように、巻き付
け始端部G1と終端部G2とが重なり合うように巻き付
けて固着してもかまわないが、このようにすると、巻き
付け始端部G1と終端部G2との重畳部分G3が厚くな
るため、この重畳部分G3がバックアップローラ130
と圧接している時期とそれ以外の時期とで、従動側の定
着ベルト110に速度変動が生じるおそれがあり、ま
た、前記重畳部分G3がバックアップローラ130に圧
接した際には、重畳部分G3と対向する部位においてバ
ックアップローラ130に応力が集中してバックアップ
ローラ130の耐久性が低下してしまうおそれがあるの
で、望ましくはない。この実施の形態によれば、上記第
1の実施の形態により得られる(c)以外のが得られ、
さらに次のような作用効果が得られる。すなわち、定着
ベルト110両端の高グリップ部を、定着ベルト110
の裏面両端部に、テープ状の高グリップ部材Gを巻き付
けて固着するだけで構成することができるので、定着ベ
ルトの製造(したがって定着器の製造)が簡単になる。
【0028】<第3の実施の形態>図8は本発明に係る
ベルト定着器の第3の実施の形態の要部を示す図で、
(a)は定着ベルト110の部分裏面図、(b)はテー
プ状の高グリップ部材Gの展開図である。図8におい
て、上記第2の実施の形態と同一部分ないし相当する部
分には同一の符号を付してある。この実施の形態が上記
第2の実施の形態と異なる点は、テープ状の高グリップ
部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが、相対向
して傾斜している点にあり、その他の点に変わりはな
い。すなわち、この実施の形態におけるテープ状の高グ
リップ部材Gの巻き付け始端部G1および終端部G2は
バックアップローラ130の軸線方向と平行とはなって
いないし、定着ベルト110の循環方向に関しても傾斜
している。この実施の形態によれば、上記第2の実施の
形態により得られる作用効果に加え、さらに次のような
作用効果が得られる。すなわち、仮に、テープ状の高グ
リップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが傾
斜(例えばベルト110の幅方向ないしバックアップロ
ーラ130の軸線方向に対して傾斜)していないとする
と、前記始端部G1と終端部G2との間に形成されてい
る隙間L部分がバックアップローラ130と圧接してい
る時期とそれ以外の時期とで、従動側の定着ベルト11
0および加圧ローラ120に速度変動が生じるおそれが
ある。例えば、仮に上記第2の実施の形態にける前述し
た隙間Lが、定着ベルト110と加圧ローラ120との
圧接部Nの周方向長さよりも長くなっているとすると、
上記速度変動が生じるおそれは大きくなる。これに対
し、この第3の実施の形態によれば、テープ状の高グリ
ップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが、相
対向して傾斜しているので、従動側の定着ベルト110
および加圧ローラ120に速度変動が生じ難くなる。
【0029】<第4の実施の形態>図9は本発明に係る
ベルト定着器の第4の実施の形態における定着ベルト1
10の部分裏面図、図10は高グリップ部材Gの展開正
面図である。これらの図において、上記第1〜3の実施
の形態と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を
付してある。この実施の形態が上記第1〜3の実施の形
態と異なる点は、高グリップ部材Gの側端縁G5が周方
向に関してずれている点にあり、その他の点に変わりは
ない。すなわち、側縁部G5は、ベルト幅方向(図9に
おいて左右方向)と直交する直線状とはなっていない。
この実施の形態では、図10に示すように両側縁部G
5,G5を正面視でそれぞれ緩やかな波形状に形成する
ことによって、両側縁部G5,G5を周方向に関してず
らしてある。高グリップ部材Gは第1の実施の形態同様
リング状に形成することもできる。この実施の形態によ
れば、上記各実施の形態により得られる作用効果に加
え、さらに次のような作用効果が得られる。すなわち、
仮に、高グリップ部材Gの側端部G5が周方向に関して
ずれていない(ベルト幅方向(図9において左右方向)
と直交する直線状となっている)とすると、定着ベルト
110に圧接されるバックアップローラ130におけ
る、高グリップ部材Gの側縁部G5と圧接される部位1
36,136(図11(b)参照)が局部的に(円環状
に)摩耗ないし変形し、結果としてバックアップローラ
130の耐久性が低くなってしまうおそれがある。これ
に対し、この実施の形態によれば、高グリップ部材Gの
側端縁G5が周方向に関してずれているので、バックア
ップローラ130の局部的な摩耗ないし変形が低減され
(摩耗等が、ずれ幅方向において分散され)、結果とし
てバックアップローラ130の耐久性が向上することと
なる。すなわち、高グリップ部材Gの側端縁G5が周方
向に関してずれているという構成は、高グリップ部材G
がより強い圧接力でバックアップローラ130に圧接さ
れる構造とした場合において、特に有効である。
【0030】<第5の実施の形態>図11(a)は本発
明に係るベルト定着器の第5の実施の形態の要部を示す
図で、定着ニップ部Nの端部を示す断面図である。同図
において、上記第1〜第4の実施の形態と同一分ないし
相当する部分には同一の符号を付してある。この実施の
形態が上記第1〜4の実施の形態と異なる点は、高グリ
ップ部材Gの幅方向(図11(a)において左右方向)
における側縁部G5が面取り(G6)されている点にあ
り、その他の点に変わりはない。この実施の形態によれ
ば、高グリップ部材Gの側縁部G5が面取り(G6)さ
れているので、高グリップ部材Gの端部(G6)による
バックアップローラ130に対する応力集中が緩和さ
れ、結果としてバックアップローラ130の耐久性が一
層向上することとなる。したがってまた、このように高
グリップ部材Gの側縁部G5が面取り(G6)されてい
る構成は、高グリップ部材Gが強い圧接力で加圧ローラ
バックアップローラ130に圧接される構造である場合
に、特に有効である。なお、図11(b)に示すよう
に、上記第1〜第4の実施の形態においては、高グリッ
プ部材Gの幅方向における端部G5を面取りしなくても
かまわないが、このようにすると、上記端部G5との圧
接部においてバックアップローラ130に応力が集中し
てバックアップローラ130の耐久性が低下してしまう
おそれがあるので、望ましくはない。
【0031】<第6の実施の形態>この実施の形態の特
徴は、上記面取りされた面G6を平滑化した点にある。
面取りされた面G6を平滑化する手段としては、当該面
G6にフッ素樹脂やシリコーン系樹脂をコーティングす
る、あるいは、例えば当該面6が傾斜するように加熱溶
融させつつ平滑化する、等の手段を採ることができる。
このような構成にすれば、面取りされた面G6が平滑化
されているので、さらにバックアップローラ130の耐
久性が一層向上することとなる。
【0032】<第7の実施の形態>図12は本発明に係
るベルト定着器の第7の実施の形態におけるバックアッ
プローラ130の端部の分解斜視図、(b)は端部の斜
視図である。同図において、上記第1の実施の形態と同
一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してあ
る。この実施の形態が上記第1の実施の形態と異なる点
は、高グリップ部材Gを定着ベルト110にではなく、
図2に仮想線Gで示すように、また図12(b)に示す
ように、定着ベルト110の裏面と接するバックアップ
ローラ130の表面に設けた点にあり、その他の点に変
わりはない。この実施の形態では、布からなる高グリッ
プ部材Gを、自由状態でバックアップローラ130の端
部の外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエン
ドレスベルト状に構成し、この高グリップ部材Gを、図
12(a)に示すように、その伸縮性を利用してバック
アップローラ130の端部の外径よりも多少広げた状態
で端部に接着層116を介して図(b)に示すように装
着し、高グリップ部材Gを、その収縮性および接着層1
16でバックアップローラ130の端部に固着してあ
る。このような構成によれば、高グリップ部材Gが、自
由状態でバックアップローラ130端部の外径よりも小
さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルトで構
成されているので、バックアップローラ130の端部に
対して高グリップ部材Gが伸縮してフィットし、バック
アップローラ130の端部に対して良好に沿った状態の
高グリップ部を形成することができる。この実施の形態
によれば、上記第1の実施の形態と同様な作用効果が得
られる。念のため、主として相違点に留意して説明する
と、 (a’)第1の実施の形態同様、トナー画像が形成され
た記録材Sが、圧接部Nの中央部N1を通過することに
より、トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着さ
せられる。定着ベルト110の裏面と接するバックアッ
プローラ130の表面には高グリップ部Gが設けられて
いるので、この高グリップ部Gの作用によってバックア
ップローラ130と定着ベルト110との間のグリップ
力が向上し、バックアップローラ130と定着ベルト1
10との間でスリップが生じ難くなる。したがって、こ
の実施の形態のベルト定着器によっても、バックアップ
ローラ130で定着ベルト110を駆動するものにおい
て安定した定着動作がなされることとなる。しかも、高
グリップ部材Gの表面G4の凹凸パターンGPが、バッ
クアップローラ130の軸線方向に対して傾斜している
ので、バックアップローラ130と定着ベルト110と
の間において(特に加圧ローラ120との圧接部Nに対
応する部位において)、上記傾斜した凹凸パターンによ
る、いわば楔効果(回転方向(駆動伝達方向)に関する
楔効果)が得られることとなる。したがって、上記高グ
リップ部Gにおけるグリップ力が向上し、上記スリップ
が一層良好に防止され(少なくとも著しく生じ難くな
り)、結果として一層安定した定着動作がなされること
となる。また、高グリップ部材Gの表面G4の凹凸パタ
ーンが傾斜しているので、駆動伝達振動が著しく低減さ
れ、駆動伝達が円滑になされることとなる。 (b’)高グリップ部材Gの表面G4の凹凸パターンG
Pが、バックアップローラ130の幅方向に関する中心
線に関して線対称となっているので、凹凸パターンGP
が傾斜していることにより生じるスラスト力(ベルト幅
方に作用する力)が相殺され、定着ベルト110の安定
した走行状態が得られることとなる。 (c’)高グリップ部材Gは、エンドレスベルトで構成
されているので、バックアップローラ130の端部に対
して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することが
できる。また、機械的信頼性が向上する。 (d’)高グリップ部材Gが布で構成されているので、
一層スムーズな駆動伝達がなされ、また、定着ベルト1
10の耐久性が向上することとなる。 (e’)高グリップ部材Gは、可撓性を有する接着層1
16を介してバックアップローラ130の表面に固着さ
れているので、バックアップローラ130の端部が破損
したり、高グリップ部材Gがバックアップローラ130
から剥がれてしまうという不具合が生じ難くなる。 (f’)定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布す
るオイル塗布手段150が設けられているので、オフセ
ット現象が生じ難くなる。バックアップローラ130の
両端部に、高グリップ部材Gが固着されているととも
に、この高グリップ部材Gがオイル吸収性を有している
ので、定着ベルト110とバックアップローラ130と
の間に侵入していったオイルは、高グリップ部材Gによ
って吸収されることとなる。したがって、高グリップ部
材Gによるグリップ力が確保され、安定した定着動作が
なされることとなる。 (g’)高グリップ部材Gがオイル通過性を有してお
り、かつ接着層116がオイル吸収性を有しているの
で、定着ベルト110とバックアップローラ130との
間に侵入していったオイルは、接着層116によって直
接または高グリップ部材Gを経て接着層116によって
も吸収されることとなる。したがって、一層安定した定
着動作がなされることとなる。なお、上記第2〜第6の
実施の形態と同様な構成を採用した場合には、それに応
じた作用効果が得られる。
【0033】<第8の実施の形態>この実施の形態の特
徴は、上記第1〜第6,または第7の実施の形態の構成
に加え、図2に仮想線Gで示すように、また図12に示
したように、バックアップローラ130における加圧ロ
ーラ120に直接圧接される部位(両端部)133にも
高グリップ部Gを設けた点にある。すなわち、図12に
示したバックアップローラ130は、この実施の形態に
おけるバックアップローラ130をも示している。な
お、この実施の形態にあっては、定着ベルト110およ
び各ローラを回転させるための駆動ローラとしては、バ
ックアップローラ130に限らず、オイル塗布ローラ1
50以外のローラであればどのローラを用いることもで
き、例えば、加圧ローラ120を駆動ローラとして用い
ることができる。加圧ローラ120を駆動ローラとして
用いた場合、加圧ローラ120が図示しない駆動手段に
よって図1の矢印方向(反時計方向)に回転駆動され、
バックアップローラ130、定着ベルト110、加熱ロ
ーラ140、およびオイル塗布ローラ150が従動する
こととなる。具体的には、加圧ローラ120に対して定
着ベルト110およびバックアップローラ130が圧接
されていることにより、定着ベルト110およびバック
アップローラ130が加圧ローラ120に従動し、定着
ベルト110が加熱ローラ140に巻き掛けられている
ことにより、加熱ローラ140が定着ベルト110に従
動し、定着ベルト110に対してオイル塗布ローラ15
0が圧接されていることにより、オイル塗布ローラ15
0が定着ベルト110に従動することとなる。
【0034】この実施の形態によれば次のような作用効
果が得られる。トナー画像が形成された記録材Sが、一
方が駆動され他方が従動する、加熱される定着ベルト1
10とこの定着ベルト110に圧接される回転体として
の加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1を通過す
ることにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材
S上に定着させられる。そして、前記圧接部Nにおいて
定着ベルト110を内方から支持するバックアップロー
ラ130が定着ベルト110の幅よりも長く構成されて
おり、このバックアップローラ130における、加圧ロ
ーラ120に直接圧接される部位に高グリップ部Gが設
けられているとともに、定着ベルト110の裏面、また
は定着ベルト裏面と接するバックアップローラ130の
表面にも高グリップ部G(この実施の形態ではバックア
ップローラ130端部の高グリップ部材Gと共通の高グ
リップ部材Gである)が設けられているので、バックア
ップローラ130と加圧ローラ120とが直接圧接され
る部位におけるグリップ力が向上するとともに、バック
アップローラ130と定着ベルト110との間のグリッ
プ力も向上することとなる。したがって、定着ベルト1
10と加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1に、
比較的滑り易い記録材Sが供給され、この滑り易い記録
材Sの介在によって、駆動側の加圧ローラ120(また
は定着ベルト110)と記録材Sとの間および/または
記録材Sと従動側の定着ベルト110(または加圧ロー
ラ120)との間でスリップが生じそうになったとして
も、前記高グリップ部Gの作用によって駆動側の加圧ロ
ーラ120(または定着ベルト110)に対する従動側
の定着ベルト110(または加圧ローラ120)の従動
性が向上し、定着ベルト110と加圧ローラ120とが
略同一の周速で回転することとなる。このため、上記ス
リップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、
結果として安定した定着動作がなされることとなる。し
たがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにく
くなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0035】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能
である。例えば、 上記実施の形態においては、高グリップ部Gを定着ベ
ルト110の裏面両端部に設けたが、裏面全面に亘って
複数箇所に等間隔で設けてもよいし、裏面全面を覆うよ
うに設けてもよい。また、裏面の中央部(幅方向におけ
る中央部)にのみ設けてもよい。 上記実施の形態においては、高グリップ部をバックア
ップローラ130の両端部に設けたが、表面全面に亘っ
て複数箇所に等間隔で設けてもよいし、表面全面を覆う
ように設けてもよい。また、請求項1の発明に関して
は、中央部(幅方向における中央部)にのみ設けてもよ
い。
【0036】
【発明の効果】請求項1、2記載のいずれのベルト定着
器によっても、安定した定着動作がなされることとな
る。しかも、駆動伝達が円滑になされることとなる。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト定着器の第1の実施の形態
を示す概略側面図。
【図2】主要部の概略斜視図。
【図3】定着ベルト110(バックアップローラ130
と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着
ベルト110)の端部の斜視図である。
【図4】(a)は定着ベルト110の部分省略裏面図、
(b)(c)はそれぞれ凹凸パターンの例を示す正面図
である。
【図5】定着ベルト110の端部を示すで、(a)は部
分省略拡大裏面図、(b)は図(a)におけるb−b断
面図である。
【図6】本発明に係るベルト定着器の第2の実施の形態
の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110(バック
アップローラ130と加熱ローラ140との間に張架さ
れる前の状態の定着ベルト110)の部分斜視図、
(b)は高グリップ部材Gの展開正面図である。
【図7】同上実施の形態の要部を示す図で、(a)は図
6におけるVIIa−VIIa断面図、(b)は巻き付
け始端部G1と終端部G2とが重なり合った状態の断面
図。
【図8】本発明に係るベルト定着器の第3の実施の形態
の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110の部分裏
面図、(b)は高グリップ部材Gの展開図である。
【図9】本発明に係るベルト定着器の第4の実施の形態
における定着ベルトの端部の裏面図である。
【図10】同上実施の形態における高グリップ部材Gの
展開正面図である。
【図11】(a)は本発明に係るベルト定着器の第5の
実施の形態の要部を示す図で、圧接部Nの端部を示す断
面図。(b)は比較例を示す断面図。
【図12】本発明に係るベルト定着器の第7の実施の形
態におけるバックアップローラ130の端部の分解斜視
図、(b)は端部の斜視図である。
【図13】従来技術の説明図。
【符号の説明】
S 記録材 100 定着器 110 定着ベルト G 高グリップ部材 GP 凹凸パターン G4 表面 116 接着層 120 加圧ローラ(回転体) 130 バックアップローラ N 圧接部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱される定着ベルトと、この定着ベル
    トに圧接される回転体と、その圧接部において前記定着
    ベルトを内方から支持しかつ定着ベルトを駆動するバッ
    クアップローラとを有し、トナー画像が形成された記録
    材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部に通して、前
    記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着させる定着器
    であって、 前記定着ベルトの裏面またはこの定着ベルトの裏面と接
    するバックアップローラの表面に、その周方向に沿って
    高グリップ部材が設けられており、かつこの高グリップ
    部材の表面の凹凸パターンが、ベルト幅方向またはバッ
    クアップローラの軸線方向に対して傾斜していることを
    特徴とするベルト定着器。
  2. 【請求項2】 加熱される定着ベルトと、この定着ベル
    トに圧接される回転体と、その圧接部において前記定着
    ベルトを内方から支持する、定着ベルトの幅よりも長い
    バックアップローラとを有し、前記定着ベルトと回転体
    のうち一方が駆動され、他方が従動し、トナー画像が形
    成された記録材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部
    に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着
    させる定着器であって、 前記バックアップローラにおける、前記回転体に直接圧
    接される部位に、その周方向に沿って高グリップ部材が
    設けられているとともに、前記定着ベルトの裏面または
    この定着ベルトの裏面と接するバックアップローラの表
    面にも、その周方向に沿って高グリップ部材が設けられ
    ており、かつ上記高グリップ部材の表面の凹凸パターン
    が、ベルト幅方向またはバックアップローラの軸線方向
    に対して傾斜していることを特徴とするベルト定着器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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