JP2001100559A - ベルト定着器 - Google Patents

ベルト定着器

Info

Publication number
JP2001100559A
JP2001100559A JP27507899A JP27507899A JP2001100559A JP 2001100559 A JP2001100559 A JP 2001100559A JP 27507899 A JP27507899 A JP 27507899A JP 27507899 A JP27507899 A JP 27507899A JP 2001100559 A JP2001100559 A JP 2001100559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing belt
belt
fixing
roller
high grip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27507899A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaneo Yoda
兼雄 依田
Takao Kagami
孝夫 鏡味
Takayuki Shiraki
貴幸 白木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP27507899A priority Critical patent/JP2001100559A/ja
Publication of JP2001100559A publication Critical patent/JP2001100559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した定着動作がなされるベルト定着器を
提供する。 【解決手段】 加熱される定着ベルト110に圧接され
る回転体120と、その圧接部において定着ベルトを内
方から支持する、ベルト幅よりも長いバックアップロー
ラ130とを有し、トナー画像が形成された記録材Sを
定着ベルトと回転体との圧接部に通してトナー画像を定
着させる。バックアップローラにおける、回転体に直接
圧接される部位に高グリップ部Gが設けられているとと
もに、定着ベルトの裏面または定着ベルト裏面と接する
バックアップローラの表面にも高グリップ部Gが設けら
れており、高グリップ部は、テープ状の高グリップ部材
を、定着ベルトの裏面またはバックアップローラの表面
に巻き回して固着することで形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのでき
るプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置
に用いられる定着器、より詳しくは加熱される定着ベル
トを用いたベルト定着器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真技術を用いて用紙等の
記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転
駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電
潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してト
ナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に
転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像
が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上に
トナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】定着器は、通常、加熱される回転体と、こ
れに圧接されている回転体とを有しており、これら両回
転体によって、通過する記録材を挟圧しつつ加熱し、記
録材上のトナー画像を記録材上に溶融定着させるように
なっている。このような定着器においては、2つの回転
体に周速差があると、その挟圧部(圧接部)を通過する
記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱れること
から、2つの回転体とも駆動するということはなされて
おらず、一方の回転体のみを駆動し、他方の回転体はこ
れに従動させる構成が採用されている。また、加熱され
る回転体がローラであると、その初期的な加熱に長時間
を要することから、加熱される回転体を無端ベルト(定
着ベルト)として、その初期的加熱時間を短縮したベル
ト定着器が知られている。
【0004】図12はベルト定着器の一例を示す図であ
る(特開平8−334997号公報)。このベルト定着
器は、回転駆動される定着ローラ2と、ヒータを内蔵し
た加熱ローラ3との間に定着ベルト1を巻掛け張架し、
定着ベルト1を介して定着ローラ2に加圧ローラ4を圧
接させ、この圧接部Nに、トナー画像Tが形成された記
録材Sを図示矢印方向に通し、前記トナー画像Tを加熱
溶融して記録材S上に定着させるようになっている。ま
た、この定着器は、記録材上のトナーが定着ベルト1の
表面に転移してしまうという現象(いわゆるオフセット
現象)を防止するために、定着ベルト1の表面に離型剤
としてシリコーンオイル等の離型オイルを塗布するオイ
ル塗布ローラ5を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】<課題1>図12に示
した従来のベルト定着器では、定着ローラ2で定着ベル
ト1を駆動する構成となっているので、定着ローラ2と
定着ベルト1との間でスリップが生じると、安定した定
着動作がなされなくなるおそれがある。特に、このベル
ト定着器では、ベルト1の表面に離型オイルが塗布され
るので、ベルト1の表面に塗布されたオイルが定着ロー
ラ2と加圧ローラ4との圧接部Nの端部N’に徐々に侵
入し、この端部N’を介してベルト1と定着ローラ2と
の間(ベルト1の裏面1a)にも侵入して定着ローラ2
とベルト1との間の摩擦力を低減させる。このため、上
記スリップが助長され、結果として、定着動作が一層不
安定になるおそれがある。本発明の第1の目的は、以上
のような問題を解決し、定着ローラでベルトを駆動する
ものにおいて安定した定着動作がなされるベルト定着器
を提供することにある。 <課題2>図12に示した従来のベルト定着器では、定
着ローラ2で駆動されるベルト1とこれに従動する加圧
ローラ4との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材が供給
されると、この滑り易い記録材の介在によって、ベルト
1と記録材との間および/または記録材と従動側の加圧
ローラ4との間でスリップが生じ、そのためにベルト1
と加圧ローラ4との間に周速差が生じ、結果として安定
した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
特に、このベルト定着器では、ベルト1の表面に離型オ
イルが塗布されるので、上記スリップが助長される。ま
た、ベルト1の表面に塗布されたオイルは前記圧接部N
の端部N’に徐々に侵入し、当該端部N’における定着
ローラ2と加圧ローラ4との摩擦力を低減させる。さら
に、圧接部Nの端部N’に侵入したオイルはベルト1と
定着ローラ2との間にも侵入して定着ローラ2とベルト
1との間の摩擦力をも低減させる。このため、ベルト1
と加圧ローラ4との間の周速差が一層助長され、結果と
して、定着動作がより不安定になるおそれがある。な
お、このような問題は例えば定着ローラ1に代えて加圧
ローラ4を駆動ローラとして構成した場合にも生じる問
題である。本発明の第2の目的は、以上のような問題を
解決し、安定した定着動作がなされるベルト定着器を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1記載のベルト定着器は、加熱される定
着ベルトと、この定着ベルトに圧接される回転体と、そ
の圧接部において前記定着ベルトを内方から支持しかつ
定着ベルトを駆動するバックアップローラとを有し、ト
ナー画像が形成された記録材を、前記定着ベルトと回転
体との圧接部に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記
録材上に定着させる定着器であって、前記定着ベルトの
裏面または定着ベルト裏面と接するバックアップローラ
の表面に高グリップ部が設けられており、かつ、高グリ
ップ部は、テープ状の高グリップ部材を、定着ベルトの
裏面またはバックアップローラの表面に巻き回して固着
することで形成されていることを特徴とする。上記第2
の目的を達成するために請求項2記載のベルト定着器
は、加熱される定着ベルトと、この定着ベルトに圧接さ
れる回転体と、その圧接部において前記定着ベルトを内
方から支持する、定着ベルトの幅よりも長いバックアッ
プローラとを有し、前記定着ベルトと回転体のうち一方
が駆動され、他方が従動し、トナー画像が形成された記
録材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部に通して、
前記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着させる定着
器であって、前記バックアップローラにおける、前記回
転体に直接圧接される部位に高グリップ部が設けられて
いるとともに、前記定着ベルトの裏面または定着ベルト
裏面と接するバックアップローラの表面にも高グリップ
部が設けられており、かつ、これら高グリップ部は、テ
ープ状の高グリップ部材を、定着ベルトの裏面またはバ
ックアップローラの表面に巻き回して固着することで形
成されていることを特徴とするベルト定着器。
【0007】
【作用効果】請求項1記載のベルト定着器によれば、ト
ナー画像が形成された記録材が、バックアップローラ
(上記従来技術における定着ローラ1に相当する)で駆
動され、加熱される定着ベルトと、この定着ベルトに圧
接される回転体との圧接部を通過することにより、前記
トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられ
る。そして、前記定着ベルトの裏面または定着ベルト裏
面と接するバックアップローラの表面には高グリップ部
が設けられているので、この高グリップ部の作用によっ
てバックアップローラと定着ベルトとの間のグリップ力
が向上し、バックアップローラと定着ベルトとの間でス
リップが生じ難くなる。したがって、この請求項1記載
のベルト定着器によれば、バックアップローラでベルト
を駆動するものにおいて安定した定着動作がなされるこ
ととなる。しかも、前記高グリップ部は、テープ状の高
グリップ部材を、定着ベルトの裏面またはバックアップ
ローラの表面に巻き回して固着することで形成されてい
るので、例えばベルトの裏面またはバックアップローラ
の表面にリング状の高グリップ部材を嵌め合わせて固着
したり、ベルトの裏面またはバックアップローラの表面
自体を、これが高グリップ部となるように加工したりす
る場合に比べて定着ベルトおよび/またはバックアップ
ローラの製造が簡単になる。請求項2記載のベルト定着
器によれば、トナー画像が形成された記録材が、一方が
駆動され他方が従動する、加熱される定着ベルトとこの
定着ベルトに圧接される回転体との圧接部を通過するこ
とにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に
定着させられる。そして、前記圧接部において定着ロー
ラを内方から支持するバックアップローラが定着ベルト
の幅よりも長く構成されており、このバックアップロー
ラにおける、前記回転体に直接圧接される部位に高グリ
ップ部が設けられているとともに、前記定着ベルトの裏
面または定着ベルト裏面と接するバックアップローラの
表面にも高グリップ部が設けられているので、バックア
ップローラと前記回転体とが直接圧接される部位におけ
るグリップ力が向上するとともに、バックアップローラ
と定着ベルトとの間のグリップ力も向上することとな
る。したがって、上記定着ベルトと回転体との圧接部の
中央部に、比較的滑り易い記録材が供給され、この滑り
易い記録材の介在によって、駆動側の定着ベルト(また
は回転体)と記録材との間および/または記録材と従動
側の回転体(または定着ベルト)との間でスリップが生
じそうになったとしても、前記高グリップ部の作用によ
って駆動側の定着ベルト(または回転体)に対する従動
側の回転体(または定着ベルト)の従動性が向上し、定
着ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとな
る。このため、上記スリップが防止され(少なくとも著
しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がな
されることとなる。したがってまた、記録材上のトナー
画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じ
なくなる。しかも、前記高グリップ部は、テープ状の高
グリップ部材を、定着ベルトの裏面またはバックアップ
ローラの表面に巻き回して固着することで形成されてい
るので、例えばベルトの裏面またはバックアップローラ
の表面にリング状の高グリップ部材を嵌め合わせて固着
したり、ベルトの裏面またはバックアップローラの表面
自体を、これが高グリップ部となるように加工したりす
る場合に比べて定着ベルトおよび/またはバックアップ
ローラの製造が簡単になる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 <第1の実施の形態>図1は本発明に係るベルト定着器
の第1の実施の形態を示す概略側面図、図2は主要部の
概略斜視図である。
【0009】この定着器100は、加熱される定着ベル
ト110と、この定着ベルト110に圧接される回転体
としての加圧ローラ120とを有し、トナー画像(図示
せず)が形成された記録材Sを、矢印S1で示すように
定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの中
央部N1に通して、トナー画像を加熱溶融し記録材S上
に定着させるようになっている。この実施の形態の定着
器100は、前記圧接部Nにおいて定着ベルト110を
内方から支持するバックアップ部材としてのバックアッ
プローラ130と、定着ベルト110を加熱する加熱手
段としての加熱ローラ140とを有しており、定着ベル
ト110は、バックアップローラ130と加熱ローラ1
40との間に張架されている。
【0010】バックアップローラ130は、定着ベルト
110の幅(バックアップローラ130の軸線方向長
さ)よりも長く形成されており、その両端部133が加
圧ローラ120に対して直接圧接されている。
【0011】150はオイル塗布手段としてのオイル塗
布ローラであり、定着ベルト110の表面に離型オイル
を塗布するようになっている。
【0012】この実施の形態では、定着ベルト110お
よび各ローラを回転させるための駆動ローラとして、バ
ックアップローラ130を用いている。すなわち、バッ
クアップローラ130は、図示しない駆動手段によって
図1の矢印方向(時計方向)に回転駆動され、定着ベル
ト110、加熱ローラ140、加圧ローラ120、およ
びオイル塗布ローラ150が従動するようになってい
る。
【0013】図1において、111はバックアップロー
ラ130への巻掛け部における定着ベルト110の表面
温度を検出するためのサーミスタである。このサーミス
タ111は加圧ローラ120との圧接部Nの上流側に設
けられている。
【0014】バックアップローラ130は、金属製の芯
材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的
肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸1
31aで定着器100のフレームの側板101に対して
回転可能に支持されている。バックアップローラ130
は、定着器100のフレーム側板101に対して回転可
能に支持されており、この定着器100が取り付けられ
る画像形成装置本体(図示せず)に設けられた図示しな
い駆動手段によって図1の矢印方向(時計方向)に回転
駆動される。
【0015】加熱ローラ140は、熱伝導性に優れた材
料(例えばアルミニウム)でパイプ状に形成されてお
り、その内部に熱源であるハロゲンランプ141が配置
されている。この加熱ローラ140は、定着ベルト11
0の巻掛け部において定着ベルト110を急速に加熱す
ることが可能である。この実施の形態の加熱ローラ14
0はテンションローラとして構成されており、図示しな
い適宜の付勢手段で定着ベルト110の張り方向に付勢
されている。なお、図1において、143は加熱ローラ
140の温度を検出するためのサーミスタである。
【0016】加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性
に優れた芯材121と、この芯材121の表面に設けら
れた比較的肉薄で前記バックアップローラ130の弾性
層132よりは硬い弾性層122と、この弾性層122
の表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離
性に優れた表層122aとを備え、芯材121の内部に
熱源であるハロゲンランプ123が配置されている。な
お、加圧ローラ120は、その半径方向へは移動不能に
取り付けられており、弾性層122および前記バックア
ップローラ130の弾性層132の弾性力で、定着ベル
ト110を介してバックアップローラ130に圧接され
ている。その圧接部Nは、バックアップローラ130の
弾性層132が加圧ローラ120の弾性層122よりも
肉厚で柔らかいことから、バックアップローラ130側
に凸状に形成される。図1において、124は加圧ロー
ラ120の表面温度を検出するためのサーミスタであ
る。
【0017】フレーム101には、図示しない画像形成
装置の転写部でトナー画像が形成(転写)された記録材
Sを定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部
(ニップ部)Nの中央部N1に導く、ガイド102が設
けられている。また、圧接部Nの下流側には、排紙ロー
ラ対103と、定着後の記録材Sを図示しない画像形成
装置の排紙経路に導くガイド104とが設けられてい
る。なお、上記各サーミスタは、図示しない画像形成装
置の制御部に接続されており、各サーミスタからの検出
温度に応じ、制御部によって前記各熱源123,141
への通電量が制御されるようになっている。
【0018】この実施の形態の主な特徴は定着ベルト1
10の構造にあるので、それについて説明する。図3
(a)は定着ベルト110(バックアップローラ130
と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着
ベルト110)の部分斜視図、(b)はテープ状の高グ
リップ部材の正面図、図4(a)は図3におけるIVa
−IVa断面図である。
【0019】定着ベルト110は耐熱性のベルトであ
り、無端状のベルト基体112と、このベルト基体11
2の表面に被覆された表層113とを備えており、両端
部の裏面には、テープ状の高グリップ部材Gが巻き付け
られて固着されている。ベルト基体112は、例えば導
電性を有するポリイミドで構成する。表層113は、ベ
ルト基体112の表面に高離型材料(記録材およびトナ
ーに対する剥離性に優れた材料であり、例えばシリコー
ンゴム)をコーティングすることによって形成してあ
る。テープ状の高グリップ部材Gは、後述する種々の材
料ないし構造のものを用いることができるが、その他、
単に表面に凹凸を有する高摩擦材料(例えば、ゴム等)
からなるテープを用いることもできる。この実施の形態
では、図3(b)に示すようなテープ状高グリップ部材
Gを、ベルト基体112の端部の裏面にその周方向に沿
って、接着剤を介して巻き付けて接着剤で固着してあ
る。また、この実施の形態では、図3(a)および図4
(a)に示すように、テープ状高グリップ部材Gの巻き
付け始端部G1と終端部G2とが重なり合わないように
巻き付けて固着してある。したがって、巻き付け始端部
G1と終端部G2との間には、多少の隙間Lが形成され
るが、この隙間Lは極力少なくすることが望ましい。な
お、図4(b)に示すように、巻き付け始端部G1と終
端部G2とが重なり合うように巻き付けて固着してもか
まわないが、このようにすると、巻き付け始端部G1と
終端部G2との重畳部分G3が厚くなるため、この重畳
部分G3が定着ベルト110を介して加圧ローラ120
と圧接している時期とそれ以外の時期とで、従動側の加
圧ローラ120に速度変動が生じるおそれがあり、ま
た、前記重畳部分G3がバックアップローラ130およ
び加圧ローラ120に圧接した際には、重畳部分G3と
対向する部位において定着ベルト110,バックアップ
ローラ130、および加圧ローラ120に応力が集中し
て定着ベルト110,バックアップローラ130、およ
び加圧ローラ120の耐久性が低下してしまうおそれが
あるので、望ましくはない。
【0020】この実施の形態による定着器100によれ
ば、次のような作用効果が得られる。 (a)トナー画像が形成された記録材Sが、バックアッ
プローラ130で駆動され、加熱される定着ベルト11
0と、この定着ベルト110に圧接される回転体として
の加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1を通過す
ることにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材
S上に定着させられる。そして、定着ベルト110の裏
面には高グリップ部Gが設けられているので、この高グ
リップ部Gの作用によってバックアップローラ130と
定着ベルト110との間のグリップ力が向上し、バック
アップローラ130と定着ベルト110との間でスリッ
プが生じ難くなる。したがって、この実施の形態のベル
ト定着器によれば、バックアップローラ130で定着ベ
ルト110を駆動するものにおいて安定した定着動作が
なされることとなる。しかも、高グリップ部は、テープ
状の高グリップ部材Gを、定着ベルト110の裏面に巻
き回して固着することで形成されているので、例えばベ
ルト110の裏面にリング状の高グリップ部材を嵌め合
わせて固着したり、ベルトの裏面自体を、これが高グリ
ップ部となるように加工したりする場合に比べて定着ベ
ルト110の製造が簡単になる。 (b)テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G
1と終端部G2とが重なり合っていないので、さらに次
のような作用効果が得られる。すなわち、先に図4
(b)を参照して説明したように、テープ状の高グリッ
プ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが重なり
合っていたとすると、その重畳部分G3が厚くなるた
め、この重畳部分G3が定着ベルト110を介して加圧
ローラ120と圧接している時期とそれ以外の時期と
で、従動側の加圧ローラ120に速度変動が生じるおそ
れがある。また、重畳部分G3がバックアップローラ1
30および加圧ローラ120に圧接した際には、前記重
畳部分G3と対向する部位において定着ベルト110,
バックアップローラ130、および加圧ローラ120に
応力が集中することとなるので、定着ベルト110,バ
ックアップローラ130、および加圧ローラ120の耐
久性が低下してしまうおそれがある。これに対し、この
実施の形態のベルト定着器によれば、前記テープ状の高
グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが
重なり合ってはいないので、従動側の加圧ローラ120
に速度変動が生じ難くなるとともに、定着ベルト11
0,バックアップローラ130、および加圧ローラ12
0に応力が集中し難くなって、定着ベルト110,バッ
クアップローラ130、および加圧ローラ120の耐久
性も低下し難くなる。 (c)定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布する
オイル塗布手段150が設けられているので、オフセッ
ト現象が生じ難くなる。前述したように、定着ベルト1
10の表面に離型オイルが塗布される構成とすると、こ
のオイルが定着ベルト110とバックアップローラ13
0との間に徐々に侵入して行くこととなるが、この実施
の形態によれば、定着ベルト110の裏面に高グリップ
部材Gが設けられているので、定着ベルト110とバッ
クアップローラ130との間のスリップは生じ難くな
る。しかしながら、オイル塗布ローラ150によるオイ
ル塗布幅は、通紙領域幅(記録材Sの幅)よりも小さく
することが望ましい。
【0021】<第2の実施の形態>図5は本発明に係る
ベルト定着器の第2の実施の形態におけるバックアップ
ローラ130の端部を示す概略斜視図である。同図にお
いて、上記第1の実施の形態と同一部分ないし相当する
部分には同一の符号を付してある。この実施の形態が上
記第1の実施の形態と異なる点は、高グリップ部材Gを
定着ベルト110にではなく、図2に仮想線Gで示すよ
うに、また図5に示すように、定着ベルト110の裏面
と接するバックアップローラ130の表面に設けた点に
あり、その他の点に変わりはない。この実施の形態によ
れば、上記第1の実施の形態と同様、次のような作用効
果が得られる。 (a’)第1の実施の形態同様、トナー画像が形成され
た記録材Sが、圧接部Nの中央部N1を通過することに
より、トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着さ
せられる。定着ベルト110の裏面と接するバックアッ
プローラ130の表面には高グリップ部Gが設けられて
いるので、この高グリップ部Gの作用によってバックア
ップローラ130と定着ベルト110との間のグリップ
力が向上し、バックアップローラ130と定着ベルト1
10との間でスリップが生じ難くなる。したがって、こ
の実施の形態のベルト定着器によっても、バックアップ
ローラ130で定着ベルト110を駆動するものにおい
て安定した定着動作がなされることとなる。しかも、高
グリップ部は、テープ状の高グリップ部材Gを、バック
アップローラ130の表面に巻き回して固着することで
形成されているので、例えばバックアップローラ130
の表面にリング状の高グリップ部材を嵌め合わせて固着
したり、バックアップローラ130の表面自体を、これ
が高グリップ部となるように加工したりする場合に比べ
てバックアップローラ130の製造が簡単になる。 (b’)テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部
G1と終端部G2とが重なり合っていないので、従動側
の加圧ローラ120に速度変動が生じ難くなるととも
に、定着ベルト110および加圧ローラ120に応力が
集中し難くなって、定着ベルト110および加圧ローラ
120の耐久性も低下し難くなる。なお、第1の実施の
形態による(c)と同様な効果も得られる。
【0022】<第3の実施の形態>この実施の形態の特
徴は、上記第1または第2の実施の形態の構成に加え、
図2に仮想線Gで示すように、また図5に示すように、
バックアップローラ130における加圧ローラ120に
直接圧接される部位(両端部)にも高グリップ部Gを設
けた点にある。なお、この実施の形態にあっては、定着
ベルト110および各ローラを回転させるための駆動ロ
ーラとしては、バックアップローラ130に限らず、オ
イル塗布ローラ150以外のローラであればどのローラ
を用いることもでき、例えば、加圧ローラ120を駆動
ローラとして用いることができる。加圧ローラ120を
駆動ローラとして用いた場合、加圧ローラ120が図示
しない駆動手段によって図1の矢印方向(反時計方向)
に回転駆動され、バックアップローラ130、定着ベル
ト110、加熱ローラ140、およびオイル塗布ローラ
150が従動することとなる。具体的には、加圧ローラ
120に対して定着ベルト110およびバックアップロ
ーラ130が圧接されていることにより、定着ベルト1
10およびバックアップローラ130が加圧ローラ12
0に従動し、定着ベルト110が加熱ローラ140に巻
き掛けられていることにより、加熱ローラ140が定着
ベルト110に従動し、定着ベルト110に対してオイ
ル塗布ローラ150が圧接されていることにより、オイ
ル塗布ローラ150が定着ベルト110に従動すること
となる。
【0023】この実施の形態によれば次のような作用効
果が得られる。トナー画像が形成された記録材Sが、一
方が駆動され他方が従動する、加熱される定着ベルト1
10とこの定着ベルト110に圧接される回転体として
の加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1を通過す
ることにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材
S上に定着させられる。そして、前記圧接部Nにおいて
定着ベルト110を内方から支持するバックアップロー
ラ130が定着ベルト110の幅よりも長く構成されて
おり、このバックアップローラ130における、加圧ロ
ーラ120に直接圧接される部位に高グリップ部Gが設
けられているとともに、定着ベルト110の裏面、また
は定着ベルト裏面と接するバックアップローラ130の
表面にも高グリップ部G(この実施の形態ではバックア
ップローラ130端部の高グリップ部材Gと共通の高グ
リップ部材Gである)が設けられているので、バックア
ップローラ130と加圧ローラ120とが直接圧接され
る部位におけるグリップ力が向上するとともに、バック
アップローラ130と定着ベルト110との間のグリッ
プ力も向上することとなる。したがって、定着ベルト1
10と加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1に、
比較的滑り易い記録材Sが供給され、この滑り易い記録
材Sの介在によって、駆動側の加圧ローラ120(また
は定着ベルト110)と記録材Sとの間および/または
記録材Sと従動側の定着ベルト110(または加圧ロー
ラ120)との間でスリップが生じそうになったとして
も、前記高グリップ部Gの作用によって駆動側の加圧ロ
ーラ120(または定着ベルト110)に対する従動側
の定着ベルト110(または加圧ローラ120)の従動
性が向上し、定着ベルト110と加圧ローラ120とが
略同一の周速で回転することとなる。このため、上記ス
リップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、
結果として安定した定着動作がなされることとなる。し
たがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにく
くなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0024】<第4の実施の形態>図6は本発明に係る
ベルト定着器の第4の実施の形態の要部を示す図で、
(a)は定着ベルト110の裏面端部(ないしバックア
ップローラ130の端部)の部分正面図、(b)はテー
プ状の高グリップ部材Gの展開図である。図6におい
て、上記第1〜第3の実施の形態と同一部分ないし相当
する部分には同一の符号を付してある。この実施の形態
が上記第1〜第3の実施の形態と異なる点は、テープ状
の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2
とが、相対向して傾斜している点にあり、その他の点に
変わりはない。すなわち、この実施の形態におけるテー
プ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1および終
端部G2はバックアップローラ130の軸線方向と平行
とはなっていないし、定着ベルト110の循環方向に関
しても傾斜している。この実施の形態によれば、上記第
1〜第3の実施の形態により得られる作用効果に加え、
さらに次のような作用効果が得られる。すなわち、仮
に、テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1
と終端部G2とが傾斜(例えばベルト110の幅方向な
いしバックアップローラ130の軸線方向に対して傾
斜)していないとすると、前記始端部G1と終端部G2
との間に形成されている隙間L部分が加圧ローラ120
(または定着ベルト110)と圧接している時期とそれ
以外の時期とで、従動側のバックアップローラ130
(または加圧ローラ120)に速度変動が生じるおそれ
がある。例えば、仮に上記第1〜第3の実施の形態にお
ける前述した隙間Lが、バックアップローラ130と加
圧ローラ120との圧接部Nの周方向長さよりも長くな
っているとすると、上記速度変動が生じるおそれは大き
くなる。これに対し、この第4の実施の形態によれば、
テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終
端部G2とが、相対向して傾斜しているので、従動側の
バックアップローラ130(または加圧ローラ120)
に速度変動が生じ難くなる。
【0025】<第5の実施の形態>図7(a)は本発明
に係るベルト定着器の第5の実施の形態の要部を示す図
で、定着ベルト110(ないしバックアップローラ13
0)の部分省略断面図(図6におけるVIIa−VII
a断面図に相当する図)である。同図において、上記第
1〜第4の実施の形態と同一部分ないし相当する部分に
は同一の符号を付してある。この実施の形態の特徴は、
テープ状の高グリップ部材Gが、布で構成されている点
にある。ここでいう布は、横糸114aと縦糸114b
とで織るまたは編んだものであり、目の細かな網体も含
む。糸体(横糸および縦糸)114は、図7(b)に示
すように単線(例えばいわゆるモノフィラメント)で構
成してもよいし、図7(c)に示すように複数本の細線
114cの集合体(例えばいわゆるマルチフィラメン
ト)で構成してもよい。いずれにしても、糸体114の
材料としては、アラミド、ポリイミド、ガラス繊維、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いることが
できる図7(b)に示すように糸体114を単線で構成
した布の場合でも、糸体114同士の隙間C1にオイル
が保持され得るので、この布はオイル吸収性を有するこ
ととなるが、図7(c)に示すように糸体114を複数
本の細線の集合体で構成すると、糸体114自体の内部
にもオイルが吸収されることとなるので、オイル吸収性
を高めるには糸体114を複数本の細線の集合体で構成
することが望ましい。少なくとも横糸114a、縦糸1
14bのうちいずれか一方は、複数本の細線の集合体で
構成することが望ましい。なお、115はテープ状の高
グリップ部材Gをベルトまたはローラに固着している接
着層(例えば接着剤)である。
【0026】この実施の形態によれば、上記第1〜第4
の実施の形態により得られる作用効果に加え、さらに次
のような作用効果が得られる。すなわち、テープ状の高
グリップ部材Gが布で構成されているので、その高グリ
ップ部材の表面G4は、布を形成する糸体(織られまた
は編まれ等した糸体)114によって細かな凹凸状とな
り、この凹凸は前記表面G4に略均一に広がった状態と
なる。したがって、高グリップ部Gにおける駆動伝達で
発生する振動および速度変動が非常に少なくなり、結果
としてスムーズな駆動伝達がなされることとなる。ま
た、前記凹凸は、糸体114で形成されるので、その凸
部は丸みをおびている。したがって、高グリップ部材G
に圧接される部材(定着ベルト110,加圧ローラ12
0、またはバックアップローラ130)における応力集
中が軽減され、その耐久性が向上することとなる。さら
に、テープ状の高グリップ部材を、例えば凹凸を有する
ゴム部材等で構成した場合に比べて、強度的(特に剪断
力に対する強度)にも優れたものとなる。すなわち、高
グリップ部材Gが例えばフィルムやゴム部材等で構成さ
れている場合には、その端縁部に剪断力が加わると、先
ず、端縁部にクラックが入り、次いでこれが急速に伝播
拡大して裂けてしまうが、高グリップ部材が布で構成さ
れている場合には、端縁部の繊維(糸体)114にクラ
ックが入ってこれが破断しても、この破断が伝播すると
いうことがなく、1本の繊維破断にとどまることとな
る。したがってまた、例えば、定着ベルト110の蛇行
を、定着ベルト110が張架されるローラのフランジ
(例えば図2に示す加熱ローラ140のガイドリング1
45)の内側面(145a)にベルトの端縁部を当接さ
せて規制しようとする場合には、ベルトの端縁部に作用
する剪断力が大きなものとなるが、定着ベルト110の
裏面両端部に布で構成された高グリップ部材Gが設けら
れていると、高グリップ部材Gの破断が生じ難くなると
ともに、ベルト110全体への破断の伝播も生じ難くな
る。
【0027】<第6の実施の形態>図8は本発明に係る
ベルト定着器の第6の実施の形態の要部を示す図で、
(a)は定着ベルト110(ないしバックアップローラ
130)の部分省略断面図(図6におけるVIIa−V
IIa断面図に相当する図)、(b)は図(a)の部分
拡大図である。同図において、上記第1〜第4の実施の
形態と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付
してある。この実施の形態の特徴は、テープ状の高グリ
ップ部材Gが、オイル吸収性を有している点にある。具
体的には、テープ状の高グリップ部材Gをノーメック不
織布で構成してある。この実施の形態によれば、上記第
1〜第4の実施の形態により得られる作用効果に加え、
さらに次のような作用効果が得られる。前述したよう
に、定着ベルト110の表面に離型オイルが塗布される
構成とすると、このオイルが定着ベルト110と加圧ロ
ーラ120との圧接部Nの端部N2(図2参照)に徐々
に侵入して行くこととなるが、この実施の形態によれ
ば、定着ベルト裏面またはバックアップローラ130の
両端部に、テープ状の高グリップ部材Gが巻き付けられ
て固着されているとともに、このテープ状の高グリップ
部材Gがオイル吸収性を有しているので、前記圧接部の
端部N2に侵入していったオイルは、高グリップ部材G
によって吸収されることとなる。したがって、高グリッ
プ部材Gの表面G4に存在するオイルの量は僅かなもの
となり、結果として高グリップ部Gにおけるグリップ力
が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著
しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされるこ
ととなる。すなわち、この実施の形態によれば、定着ベ
ルト110の表面に離型オイルを塗布するものであるに
もかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能とな
る。なお、この作用効果は、布もオイル吸収性を有して
いることから、上記第5の実施の形態によっても得られ
る。
【0028】<第7の実施の形態>図9は本発明に係る
ベルト定着器の第7の実施の形態の要部を示す図で、
(a)は定着ベルト110の部分裏面図(ないしバック
アップローラ130の部分平面図)、(b)(c)はそ
れぞれ図(a)におけるb−b断面図(図6におけるV
IIa−VIIa断面図に相当する図)である。同図に
おいて、上記第1〜第6の実施の形態と同一部分ないし
相当する部分には同一の符号を付してある。この実施の
形態の特徴は、高グリップ部材Gが、オイル吸収性およ
び周方向(図9(a)または図6において上下方向)へ
のオイル流動性を有する材料で構成されている点にあ
る。具体的には、図(a)(b)に示すように、テープ
状の高グリップ部材Gを、ベルト面ないしローラ面と直
交する方向(図(b)において上下方向)、横方向(図
(a)において左右方向)、および縦方向(図(a)に
おいて上下方向)に伸びる微細な空隙C2を有する合成
樹脂製の耐熱テープで構成する。または、図(c)に示
すように、テープ状の高グリップ部材Gを連泡多孔質材
料(例えばシリコーン製スポンジ)で構成する。図
(c)において連泡孔部をC3で示してある。この実施
の形態によれば、上記第1〜第6の実施の形態により得
られる作用効果に加え、さらに次のような作用効果が得
られる。すなわち、テープ状の高グリップ部材Gが周方
向へのオイル流動性を有する材料で構成されているの
で、仮に高グリップ部材Gがオイルで飽和状態となった
としても、この高グリップ部材G内に吸収されたオイル
は、前記圧接部N2においては、その圧接力によって図
(a)に矢印Y1,Y2で示すように周方向において当
該圧接部N2以外の部位へと排除されることとなる。し
たがって、仮に高グリップ部材Gがオイルで飽和状態と
なったとしても、圧接部N2においては、高グリップ部
材Gの表面G4に存在するオイルの量が僅かなものとな
り、結果として圧接部両端N2におけるグリップ力が確
保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく
生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることと
なる。なお、この作用効果は、布(不織布を含む)もオ
イル吸収性および周方向へのオイル流動性を有している
ことから、上記第5、第6の実施の形態によっても得ら
れる。
【0029】<第8の実施の形態>図10、図11は本
発明に係るベルト定着器の第8の実施の形態の要部を示
す図である。これらの図において、上記第1〜第7の実
施の形態と同一部分ないし相当する部分には同一の符号
を付してある。この実施の形態の特徴は、テープ状の高
グリップ部材Gが、オイル通過性を有しており、かつオ
イル吸収性を有する接着層116を介してベルト裏面又
はバックアップローラ130の両端部に固着されている
点にある。具体的には、例えば、図10(a)(b)に
示すように、布からなるテープ状の高グリップ部材G
を、オイル吸収性を有する接着層(例えばシリコーン系
接着剤層)116を介してベルト110裏面又はバック
アップローラ130の表面に固着する。または、図11
(a)に示すように、微細な空隙C2を有する合成樹脂
製の耐熱テープ(図9(a)(b)に示したテープ)か
らなる高グリップ部材Gを、上記接着層116を介して
ベルト裏面又はバックアップローラ130表面に固着す
る。あるいはまた、図11(b)(c)に示すように、
多数の貫通孔C4を有する合成樹脂製の耐熱テープから
なる高グリップ部材Gを、上記接着層116を介してベ
ルト裏面又はバックアップローラ130表面に固着す
る。なお、図8に示した不織布、あるいは図9(c)に
示した連泡多孔質材料を上記接着層116を介してベル
ト裏面又はバックアップローラ130表面に固着しても
よい。この実施の形態によれば、さらに次のような作用
効果が得られる。前述したように、定着ベルト110の
表面に離型オイルが塗布される構成とすると、このオイ
ルが定着ベルト110ないしバックアップローラ130
と加圧ローラ120との圧接部Nの端部N2(図2参
照)に徐々に侵入して行くこととなるが、この実施の形
態によれば、テープ状の高グリップ部材Gが巻き付けら
れて固着されているとともに、このテープ状の高グリッ
プ部材Gがオイル通過性を有しており、かつオイル吸収
性を有する接着層116を介してベルト110裏面又は
バックアップローラ130表面に固着されているので、
圧接部Nの端部N2に侵入していったオイルは、テープ
状の高グリップ部材Gを経て前記接着層116によって
吸収されることとなる。したがって、高グリップ部材G
の表面G4に存在するオイルの量は僅かなものとなり、
結果として高グリップ部Gにおけるグリップ力が確保さ
れ、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ
難くなって)、安定した定着動作がなされることとな
る。すなわち、この実施の形態によっても、定着ベルト
110の表面に離型オイルを塗布するものであるにもか
かわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0030】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能
である。例えば、 上記実施の形態においては、高グリップ部材Gを定着
ベルト110の裏面両端部に設けたが、裏面全面に亘っ
て複数箇所に等間隔で設けてもよいし、裏面全面を覆う
ように設けてもよい。また、裏面の中央部(幅方向にお
ける中央部)にのみ設けてもよい。 上記実施の形態においては、高グリップ部材Gをバッ
クアップローラ130の両端部に設けたが、表面全面に
亘って複数箇所に等間隔で設けてもよいし、表面全面を
覆うように設けてもよい。また、請求項1の発明に関し
ては、中央部(幅方向における中央部)にのみ設けても
よい。
【0031】
【発明の効果】請求項1、2記載のいずれのベルト定着
器によっても、安定した定着動作がなされることとな
る。しかも、定着ベルトおよび/またはバックアップロ
ーラの製造が簡単になる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト定着器の第1の実施の形態
を示す概略側面図。
【図2】主要部の概略斜視図。
【図3】(a)は定着ベルト110(バックアップロー
ラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状
態の定着ベルト110)の部分斜視図、(b)はテープ
状の高グリップ部材の正面図。
【図4】(a)は図3におけるIVa−IVa断面図、
(b)は巻き付け始端部G1と終端部G2とが重なり合
った状態の断面図。
【図5】本発明に係るベルト定着器の第2および第3の
実施の形態におけるバックアップローラ130の端部を
示す概略斜視図。
【図6】本発明に係るベルト定着器の第4の実施の形態
の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110の裏面端
部(ないしバックアップローラ130の端部)の部分正
面図、(b)はテープ状の高グリップ部材Gの展開図で
ある。
【図7】(a)は本発明に係るベルト定着器の第5の実
施の形態の要部を示す図で、定着ベルト110(ないし
バックアップローラ130)の部分省略断面図(図6に
おけるVIIa−VIIa断面図に相当する図)であ
る。(b)(c)はそれぞれ図(a)の部分拡大図で、
(b)は糸体114を単線で構成した場合を、(c)は
糸体114を複数本の細線114cの集合体で構成した
場合の図である。
【図8】本発明に係るベルト定着器の第6の実施の形態
の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110(ないし
バックアップローラ130)の部分省略断面図(図6に
おけるVIIa−VIIa断面図に相当する図)、
(b)は図(a)の部分拡大図である。
【図9】本発明に係るベルト定着器の第7の実施の形態
の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110の部分裏
面図(ないしバックアップローラ130の部分平面
図)、(b)(c)はそれぞれ図(a)におけるb−b
断面図(図6におけるVIIa−VIIa断面図に相当
する図)である。
【図10】本発明に係るベルト定着器の第8の実施の形
態の要部の第1例を示す図で、(a)は定着ベルト11
0の部分裏面図(ないしバックアップローラ130の部
分正面図)、(b)は図(a)におけるb−b断面図で
ある。
【図11】(a)は本発明に係るベルト定着器の第8の
実施の形態の要部の第2例を示す断面図(図10(a)
におけるb−b断面図に相当する図)。(b)(c)は
本発明に係るベルト定着器の第8の実施の形態の要部の
第3例を示す図で、(b)は定着ベルト110部分平面
図(ないしバックアップローラ130の部分平面図)、
(c)は図(b)におけるc−c断面図である。
【図12】従来技術の説明図。
【符号の説明】
S 記録材 100 定着器 110 定着ベルト G テープ状の高グリップ部材 120 加圧ローラ(回転体) 130 バックアップローラ N 圧接部 N1 圧接部の中央部 N2 圧接部の端部
フロントページの続き (72)発明者 白木 貴幸 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA02 AA23 AA31 BA11 BB01 BB30 BB37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱される定着ベルトと、この定着ベル
    トに圧接される回転体と、その圧接部において前記定着
    ベルトを内方から支持しかつ定着ベルトを駆動するバッ
    クアップローラとを有し、トナー画像が形成された記録
    材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部に通して、前
    記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着させる定着器
    であって、 前記定着ベルトの裏面または定着ベルト裏面と接するバ
    ックアップローラの表面に高グリップ部が設けられてお
    り、かつ、高グリップ部は、テープ状の高グリップ部材
    を、定着ベルトの裏面またはバックアップローラの表面
    に巻き回して固着することで形成されていることを特徴
    とするベルト定着器。
  2. 【請求項2】 加熱される定着ベルトと、この定着ベル
    トに圧接される回転体と、その圧接部において前記定着
    ベルトを内方から支持する、定着ベルトの幅よりも長い
    バックアップローラとを有し、前記定着ベルトと回転体
    のうち一方が駆動され、他方が従動し、トナー画像が形
    成された記録材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部
    に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着
    させる定着器であって、 前記バックアップローラにおける、前記回転体に直接圧
    接される部位に高グリップ部が設けられているととも
    に、前記定着ベルトの裏面または定着ベルト裏面と接す
    るバックアップローラの表面にも高グリップ部が設けら
    れており、かつ、これら高グリップ部は、テープ状の高
    グリップ部材を、定着ベルトの裏面またはバックアップ
    ローラの表面に巻き回して固着することで形成されてい
    ることを特徴とするベルト定着器。
JP27507899A 1999-09-28 1999-09-28 ベルト定着器 Pending JP2001100559A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27507899A JP2001100559A (ja) 1999-09-28 1999-09-28 ベルト定着器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27507899A JP2001100559A (ja) 1999-09-28 1999-09-28 ベルト定着器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001100559A true JP2001100559A (ja) 2001-04-13

Family

ID=17550520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27507899A Pending JP2001100559A (ja) 1999-09-28 1999-09-28 ベルト定着器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001100559A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3785872B2 (ja) ベルト定着器
JP3783482B2 (ja) ベルト定着器
JP2001100559A (ja) ベルト定着器
JP3783486B2 (ja) ベルト定着器
JP3783483B2 (ja) ベルト定着器
JP4223639B2 (ja) ベルト定着器
JP3932734B2 (ja) ベルト定着器
JP4223633B2 (ja) ベルト定着器
JP3674408B2 (ja) ベルト定着器
JP3656718B2 (ja) ベルト定着器
JP2001100560A (ja) ベルト定着器
JP3669228B2 (ja) 定着器
JP3671767B2 (ja) ベルト定着器
JP2001100568A (ja) ベルト定着器
JP2001100552A (ja) ベルト定着器
JP2001100565A (ja) ベルト定着器
JP2001100562A (ja) ベルト定着器
JP2001109287A (ja) ベルト定着器
JP2001109284A (ja) ベルト定着器
JP2001109285A (ja) ベルト定着器
JP2001109286A (ja) ベルト定着器
JP3799892B2 (ja) ベルト定着器
JP3669229B2 (ja) 定着器
JP2001100555A (ja) ベルト定着器
JP2001075397A (ja) ベルト定着器