JP2001100022A - カラーフィルターとその製造方法及び液晶表示装置とその製造方法並びに電子機器 - Google Patents

カラーフィルターとその製造方法及び液晶表示装置とその製造方法並びに電子機器

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JP2001100022A
JP2001100022A JP28083499A JP28083499A JP2001100022A JP 2001100022 A JP2001100022 A JP 2001100022A JP 28083499 A JP28083499 A JP 28083499A JP 28083499 A JP28083499 A JP 28083499A JP 2001100022 A JP2001100022 A JP 2001100022A
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color filter
ink
manufacturing
liquid crystal
crystal display
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Tetsuhiko Takeuchi
哲彦 竹内
Mitsuo Nagata
光夫 永田
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純なヘッドの駆動でインクジェット方式に
よる製造が可能なカラーフィルター、およびそのカラー
フィルターを備えた液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明の液晶表示装置に用いるカラーフ
ィルターは、基板上の複数の着色領域5内にインクが定
着されてなり、各着色領域5の横寸法W1、縦寸法L
1、領域間の間隔G1,G2が、当該カラーフィルター
の製造時に用いるインクジェットヘッドから吐出される
インクの1ドットの径の整数倍に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
とその製造方法及び液晶表示装置とその製造方法並びに
電子機器に関し、特に、インクジェット方式で製造する
カラーフィルターを備えた液晶表示装置に好適な画素構
成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に用いられるカラーフィル
ターを製造する方法として、従来から印刷法、電着法、
染色法または顔料分散法などがある。
【0003】印刷法は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させ
た塗料を繰り返し印刷することによって3色を塗り分
け、樹脂を熱硬化させて着色層を形成する方法である。
この印刷法は、工程が簡単であるものの、平坦性に劣る
ものであった。
【0004】電着法は、パターニングされた透明電極を
基板に設けておき、これを顔料、樹脂、電解液等の入っ
た電着塗装液に浸漬して第1色を電着させる。そして、
この工程を3回繰り返し、最後に焼成を行う方法であ
る。この電着法は、平坦性に優れており、ストライプパ
ターンのカラー配列であれば有効であるが、モザイクパ
ターンのようなカラー配列を形成することは困難であ
る。
【0005】印刷法、電着法にはこれらの欠点があった
ことから、従来から、染色法および顔料分散法が主とし
て用いられてきた。
【0006】染色法は、染色用材料である水溶性高分子
材料に感光剤に添加して感光し、これをフォトリソグラ
フィー工程でパターニングした後、染色液に浸漬し、着
色パターンを得る方法である。ところが、この染色法で
形成されたカラーフィルターは、透過率が高くて色が鮮
やかな反面、耐候性、耐光性、耐熱性および吸湿性に劣
る、という欠点を有している。
【0007】次に、顔料分散法は、顔料を分散した感光
性樹脂を基板に塗布し、これをパターニングすることに
より単色のパターンを得る、という工程を繰り返す方法
である。上記染色法が、染色用材料をパターニングして
から染色する方法であったのに対して、顔料分散法は、
予め着色された感光性樹脂を基板に塗布するものであ
る。この顔料分散法にて製造されたカラーフィルター
は、耐候性が高いという特性を持っている。ところが、
従来の顔料分散法で使用される感光性樹脂は、塗布され
たうちの多くが除去、廃棄されることになり、材料の利
用効率の面で大きな課題を有している。
【0008】このように、従来のカラーフィルターの製
造方法はそれぞれ問題点を有しており、これらの問題点
を解決するために、近年、インクジェット方式によるカ
ラーフィルターの製造方法が提案されている。インクジ
ェット方式とは、いわゆるインクジェットプリンタでよ
く知られているカラー印刷技術であり、インクジェット
ヘッドから多数のインクの液滴を透明基板上に吐出させ
て定着させ、カラーフィルターの着色層を形成するもの
である。インクジェット方式によれば、微細な領域にイ
ンクの液滴を正確に吐出できるので、フォトリソグラフ
ィーを行うことなく、所望の着色領域に直接インクを定
着させることができる。したがって、材料の無駄も発生
せず、製造コストの低減も図れ、非常に合理的な方法と
なる。
【0009】なお、インクジェット方式によるカラーフ
ィルター形成方法には、例えば透明基板上に各種ポリマ
ー等からなるインク受容層を設け、インク受容層上にイ
ンクを吐出する方法、もしくは透明基板上に格子状の隔
壁を設け、隔壁によって区画された領域内にインクを充
填する方法、などが挙げられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、カラ
ーフィルターを製造する場合にインクジェット方式を用
いると、多くの利点が得られる反面、以下のような問題
点も有していた。
【0011】通常、液晶表示装置に用いられるカラーフ
ィルターの着色領域は、液晶パネルの画素領域に対応し
て形成されるものであり、したがって、着色領域の寸法
は独自に設定されるのではなく、画素領域の寸法に合わ
せて設定される。
【0012】ここで、その寸法の一例を示すと、図13
に示すように、例えばカラーフィルター100のR
(赤)、G(緑)、B(青)の各着色領域101の横寸
法W1が65μm、横方向の着色領域101間の間隔G
1が15μm、着色領域101のピッチPが80μm、
各着色領域101の縦寸法L1が225μm、縦方向の
着色領域101間の間隔G2が15μm、したがって、
R、G、Bの3色の画素領域からなる1画素の寸法が2
40μm角、である。これらの寸法は、液晶パネルの特
性を大きく左右するスイッチング素子や蓄積容量の各部
の寸法、配線の寸法等の設計上の要因、あるいはフォト
リソグラフィーの加工精度等の製造プロセス上の要因、
等を考慮した上で設定されている。
【0013】ところで、インクジェット方式でカラーフ
ィルターを製造する場合、通常のインクジェットプリン
タのヘッドを流用するのが普通であり、そのヘッドによ
り固有の解像度、例えば720dpi(dot per inc
h)、1440dpiといった解像度を有している。そ
して、使用するヘッドによって解像度が決まるというこ
とは、このヘッドから吐出されるインク1滴あたりの径
が決まるということである。インク1滴あたりの径は、
例えば720dpiで約35μm、1440dpiで約
18μmとなる。
【0014】そこで、このようなインクジェットヘッド
を走査させてカラーフィルターの着色層を描いていく
と、上述したように、各着色領域の寸法もしくは着色領
域間の間隔は予め決定されているので、着色領域終端部
の描き終わりの部分(図13においてヘッドを左から右
に走査させるとすると、各着色領域の右端の部分)では
常に中途半端な寸法が残ることになる。
【0015】したがって、通常のインクジェットプリン
タにおけるヘッドの駆動のように、ただ単純にインクジ
ェットヘッドを走査させたのでは、着色領域となるべき
領域にインクが吐出されなかったり、逆に着色領域以外
の部分にインクが吐出されるといった状況が発生し、所
望のカラーフィルターが得られないことになる。よっ
て、設計寸法通りの着色領域を得ようとすれば、例えば
着色領域終端部の描き終わりの部分でインクの最後の液
滴のみをその前の液滴に一部重ね打ちする、というよう
に複雑なヘッドの駆動制御が必要となるため、通常のイ
ンクジェットプリンタと異なって、ヘッドの駆動系に負
担が掛かってしまう。その結果、カラーフィルター製造
時における着色層形成工程のスループットの悪化、製造
コストの高騰等の問題を引き起こしていた。
【0016】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、通常のインクジェットプリンタの
ような単純なヘッドの駆動でインクジェット方式による
製造が可能なカラーフィルターとその製造方法、および
そのカラーフィルターを備えた液晶表示装置とその製造
方法、ならびにその液晶表示装置を用いた電子機器を提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のカラーフィルターは、基板上の複数の着
色領域内にインクが定着されてなり、前記着色領域の横
寸法が、当該カラーフィルターの製造時に用いるインク
ジェットヘッドから吐出されるインクの1ドットの径の
整数倍に設定されていることを特徴とするものである。
【0018】また、前記着色領域の横寸法に加えて、前
記着色領域の縦寸法も、当該カラーフィルターの製造時
に用いるインクジェットヘッドから吐出されるインクの
1ドットの径の整数倍に設定されていることが好まし
い。
【0019】さらに、隣接する前記着色領域の間の間隔
も、当該カラーフィルターの製造時に用いるインクジェ
ットヘッドから吐出されるインクの1ドットの径の整数
倍に設定されていることがより好ましい。
【0020】カラーフィルター、もしくはカラーフィル
ターを備えた液晶表示装置における従来の設計の考え方
は、液晶パネルの特性面、製造プロセス面等の要求か
ら、まず最初に画素領域の寸法(カラーフィルターで言
えば着色領域の寸法)が決定され、その設計寸法に応じ
てカラーフィルターが製造されていた。言い換えると、
設計に際して、カラーフィルターをインクジェット方式
で製造するに適した構成などは何ら考慮していないた
め、上述したような問題点が生じていた。
【0021】そこで、本発明者らは、これとは逆の発
想、つまりカラーフィルターをインクジェット方式で製
造する側の要求から、画素領域の寸法(着色領域の寸
法)を決定するという発想に至った。本発明は、この発
想の下に生まれたものである。
【0022】すなわち、本発明のカラーフィルターによ
れば、着色領域の横寸法、縦寸法、隣接する着色領域の
間の間隔等が当該カラーフィルターの製造時に用いるイ
ンクジェットヘッドから吐出されるインクの1ドットの
径の整数倍に設定されているため、着色領域の一端から
単純にインクジェットヘッドを走査していっても、他端
側で中途半端な寸法の領域が残ることがない。したがっ
て、設計寸法通りの着色領域を得るために、従来法にお
けるドットの重ね打ちのような複雑なヘッドの駆動制御
を行うことなく、通常のインクジェットプリンタにおけ
る単純な駆動制御で済むため、ヘッドの駆動系が複雑に
なることがない。また、カラーフィルター製造時におけ
る着色層形成工程のスループットが向上するとともに、
製造コストも低減することができる。
【0023】また他の表現によれば、本発明のカラーフ
ィルターは、基板上の複数の着色領域内にインクが定着
されてなり、前記着色領域の横寸法W[μm]が、当該
カラーフィルターの製造時に用いるインクジェットヘッ
ドの解像度をα[dpi]とした時に、 W=(25400/α)×n(n:1以上の整数) に設定されていることを特徴とするものである。
【0024】また、前記着色領域の横寸法に加えて、前
記着色領域の縦寸法L[μm]が、当該カラーフィルタ
ーの製造時に用いるインクジェットヘッドの解像度をα
[dpi]とした時に、 L=(25400/α)×m(m:1以上の整数) に設定されていることが好ましい。
【0025】さらに、隣接する前記着色領域の間の間隔
G[μm]が、当該カラーフィルターの製造時に用いる
インクジェットヘッドの解像度をα[dpi]とした時
に、 G=(25400/α)×k(k:1以上の整数) に設定されていることがより好ましい。
【0026】すなわち、カラーフィルター製造時に用い
るインクジェットヘッドの解像度をα[dpi]とする
と、インクの1ドットあたりの径[μm]は、2540
0/αと表される。したがって、着色領域の横寸法、縦
寸法、隣接する着色領域の間の間隔等を、(25400
/α)の整数倍に設定すれば、本発明の目的を達成する
ことができる。
【0027】なお、本明細書では「インクの1ドットの
径の整数倍」という表現を用いているが、例えば解像度
α=1440dpiとして上記の(25400/α)を
単純に計算すると、インクの1ドットの径は17.63
888…[μm]となる。よって、その整数倍の値も、
2倍で35.277…[μm]、3倍で52.916…
[μm]、というように小数点以下が限りなく続く値と
なる。しかしながら、本明細書における「インクの1ド
ットの径の整数倍」という語句は、このような小数点以
下が限りなく続く値を意味するのではなく、上記2倍の
場合で35μmまたは36μm、3倍の場合で52μm
または53μmというように、上記の計算値を含む±
0.5μm程度の範囲の1μm刻みの値のことを意味す
る。その理由は、基板上にインクを吐出させた際に生じ
る微細なインクのにじみ、あるいは液晶パネルの製造プ
ロセスにおける各部の寸法精度の限界等、種々の誤差要
因により、着色領域の寸法を例えば35.277…μm
などと設定しても意味がないためである。上記の要因を
考慮すれば、35μm、または36μmと1μm単位で
設定すれば充分である。本明細書における「インクの1
ドットの径の整数倍」とは、このような意味を含むもの
である。
【0028】本発明のカラーフィルターの製造方法は、
透明基板上に設けたインク受容層上にインクジェットヘ
ッドからインクを吐出させ、前記インク受容層中にイン
クを定着させることにより、各領域の横寸法、縦寸法、
および各領域間の間隔が前記インクの1ドットの径の整
数倍となる複数の着色領域を形成することを特徴とする
ものである。
【0029】本発明のカラーフィルターの製造方法とし
ては、透明基板上に樹脂等からなるインク受容層を形成
し、このインク受容層上にインクジェットヘッドからイ
ンクを吐出、定着させることにより複数の着色領域を形
成する方法を採用するのが好適である。この方法によれ
ば、上記の効果を有するカラーフィルターを容易に製造
することができる。ただし、インク受容層やインクの種
類を適切に選択することにより、インク受容層上にイン
クの液滴を吐出させた際のインクのにじみを極力抑える
ことが望ましい。
【0030】本発明の液晶表示装置は、上記本発明のカ
ラーフィルターを備え、画素領域の横寸法が前記着色領
域の横寸法に一致して設定されていることを特徴とする
ものである。
【0031】また、画素領域の縦寸法が前記着色領域の
縦寸法に一致して設定されていることが好ましい。
【0032】さらに、隣接する画素領域間の間隔が前記
隣接する着色領域間の間隔に一致して設定されているこ
とがより好ましい。
【0033】本発明の液晶表示装置は上記本発明のカラ
ーフィルターを備えたものであるので、良好な特性を有
する低コストのカラーフィルターを備えた液晶表示装置
を実現することができる。
【0034】本発明の液晶表示装置の製造方法は、各画
素領域の縦寸法、横寸法、および隣接する画素領域間の
間隔を設定するに際して、当該カラーフィルターの製造
時に用いるインクジェットヘッドの解像度を決定し、そ
の解像度に応じて決まるインクの1ドットの径の整数倍
に前記各画素領域の縦寸法、横寸法、および隣接する画
素領域間の間隔を一致させることを特徴とするものであ
る。
【0035】本発明の液晶表示装置の製造方法によれ
ば、上記本発明の液晶表示装置を容易に得ることができ
る。上述したように、本発明の液晶表示装置の製造方法
は、当該カラーフィルターの製造時に用いるインクジェ
ットヘッドを先に決定し、その解像度に応じて各画素領
域の縦寸法、横寸法、隣接する画素領域間の間隔等を設
定するものである。したがって、解像度の低い従来のイ
ンクジェットヘッドを用いた場合には、寸法を設定し得
る刻み幅が粗くなり、例えば隣接する画素領域間の間隔
が大きくなり過ぎるなどにより、液晶パネルの諸特性や
画素設計の自由度が制約を受ける恐れもある。しかしな
がら、その場合には従来のインクジェットプリンタには
なかった解像度の値を設定したり、解像度をより向上さ
せるなど、ヘッド側の改善により従来と同等の液晶パネ
ルの諸特性を確保することが可能である。
【0036】本発明の電子機器は、上記本発明の液晶表
示装置を備えたことを特徴とするものである。
【0037】本発明の電子機器は上記本発明の液晶表示
装置を備えているので、良好なカラー表示が可能な低コ
ストの電子機器を実現することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1ないし図6を参照して説明する。
【0039】図1は本実施の形態のカラーフィルターを
備えた液晶表示装置の概略構成図、図2はこの液晶表示
装置の概略断面図、図3はカラーフィルターの1つの着
色領域を拡大視した平面図、図4はカラーフィルターの
製造プロセスを説明するための工程断面図、図5および
図6はカラーフィルターの製造に用いるインクジェット
ヘッドの構成を示す図である。
【0040】[液晶表示装置の構成]本実施の形態の液
晶表示装置1は、アクティブマトリクス型のカラー液晶
表示装置であり、図1に示すように、画素電極2とその
画素電極2のスイッチング素子である薄膜トランジスタ
3(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)
とがマトリクス状に配置されたTFTアレイ基板4と、
R、G、Bの各着色領域5が所望の色配置パターン(こ
の図では縦ストライプとして示している)に配置された
カラーフィルター6と対向電極7とを備えた対向基板8
とを有している。そして、TFTアレイ基板4上の画素
電極2で規定される各画素領域9とカラーフィルター6
の各着色領域5とでは、横寸法、縦寸法、隣接する領域
間の寸法の全てが同一に設定されており、両領域5,9
が対応するように位置合わせされている。
【0041】本実施の形態の液晶表示装置1は、図2に
示すように、TFTアレイ基板4と対向基板8とが所定
の間隔を開けてシール材(図示せず)により貼り合わさ
れ、両基板4,8とシール材とに囲まれた空間に液晶1
0が封入されて構成されている。
【0042】TFTアレイ基板4は、石英基板やガラス
基板等からなる透明基板11の上面に多数のTFT3が
マトリクス状に形成されたものである。図2に示すよう
に、透明基板11上にシリコン酸化膜等からなる下地保
護膜12が形成され、下地保護膜12上に複数のTFT
3が形成されている。各TFT3においては、ポリシリ
コンからなる半導体層13の両端に、リン、ボロン等の
n型またはp型不純物が導入されてなるソース領域1
4、ドレイン領域15がそれぞれ形成され、ソース領域
14−ドレイン領域15間がトランジスタのチャネル領
域16となる。そして、半導体層13を覆うようにシリ
コン酸化膜、シリコン窒化膜等からなるゲート絶縁膜1
7が形成され、ゲート絶縁膜17を介して前記チャネル
領域16上に導電性ポリシリコンからなるゲート電極1
8が形成され、TFT3が構成される。さらに、TFT
3を覆うようにシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等から
なる層間絶縁膜19が形成され、この層間絶縁膜19を
貫通して半導体層13のソース領域14、ドレイン領域
15にそれぞれ達するコンタクトホール20a、20b
が形成されている。そして、アルミニウム等の低抵抗金
属や金属シリサイド等からなるデータ線21がコンタク
トホール20aを通じてソース領域14に接続され、イ
ンジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと
略記する)等の透明導電膜からなる画素電極2がコンタ
クトホール20bを通じてドレイン領域15に接続され
ている。また、TFTアレイ基板4の全面を覆うように
ポリイミド等からなる配向膜(図示略)が形成されてい
る。
【0043】対向基板8は、TFTアレイ基板4側と同
様の透明基板22の上面にカラーフィルター6が形成さ
れている。カラーフィルター6は、R、G、Bの各着色
領域5を格子状に区画するとともに各着色領域5間を遮
光する遮光層、いわゆるブラックマトリクス23が透明
基板22上に形成され、その上にインク受容層24が設
けられている。インク受容層24の材料としては、イン
ク受容能を持つとともに、インクのにじみが少なくドッ
ト精細性に優れ、透明性に優れていることが重要であ
る。さらには、透明基板やその上に形成する膜との間の
密着性や、耐熱性、耐薬品性等を持っていることが好ま
しい。これらの条件を満たす材料としては、例えば水溶
性、親水性を有する各種の樹脂が挙げられる。
【0044】そして、このインク受容層24中にR、
G、Bの各色のインクが定着されることにより着色層2
5が形成されている。着色層25の形成に用いるインク
としては、通常のインクジェットヘッドに使用可能なも
のであれば、特に限られることはなく、インク受容層2
4の種類に応じてドット精細性等に優れた材質のものを
選択すればよい。
【0045】そして、このカラーフィルター6上の全面
にITO等の透明導電膜からなる対向電極7が形成され
ている。また、対向基板8側にもポリイミド等からなる
配向膜(図示略)が形成されている。
【0046】本実施の形態におけるカラーフィルター6
の各着色領域5の平面形状は、図3に示す通りである。
本実施の形態の場合、カラーフィルター6の製造にあた
って解像度1440dpi(1ドットの径:約17.6
μm、2点鎖線の円で表す)のインクジェットヘッドを
用いるものとして設定されている。各着色領域5の横寸
法W1が53μm(17.6μm×3ドット分=52.
8μm≒53μm)、横方向の着色領域5間の間隔G1
が18μm(1ドット分)、着色領域5のピッチPが7
1μm(53μm+18μm=71μm)、各着色領域
5の縦寸法L1が194μm(17.6μm×11ドッ
ト分=193.6μm≒194μm)、縦方向の着色領
域5間の間隔G2が18μm(1ドット分)、に設定さ
れている。したがって、R、G、Bの3色の画素領域か
らなる1画素の寸法が213μm×212μm、であ
る。すなわち、1つの着色領域5は横方向にインクを3
ドット、縦方向に11ドット並べた分に相当する寸法で
あり、着色領域5間の間隔は横方向、縦方向ともにイン
ク1ドット分の寸法となっている。
【0047】[カラーフィルターの製造プロセス]次
に、対向基板8の製造プロセスについて簡単に説明す
る。
【0048】まず、図4(1)に示すように、透明基板
22上に周知の方法によりブラックマトリクス23を形
成する。この方法は、例えばクロム等の非反射性の金属
膜を透明基板22上に成膜した後、これをフォトリソグ
ラフィーにより格子状にパターニングすればよい。その
後、その上にインク受容層24の形成材料を任意の溶剤
中に溶解させた溶液を塗布し、これをベークして溶剤を
蒸発させることにより、インク受容層24を形成する。
【0049】次に、図4(2)に示すように、インクジ
ェットヘッド26を用いてインク受容層24上にR、
G、Bの3色のインクの液滴27を吐出させ、定着させ
ることにより、R、G、Bの各着色層25が所定の色配
置パターン、例えば縦ストライプパターンに配置された
カラーフィルター6が形成される。
【0050】ここで用いるインクジェットヘッド26の
構造の一例を図5および図6に示す。当該インクジェッ
トヘッド26は、図5に示すように、例えばステンレス
製のノズルプレート31と振動板32とを備え、両者は
仕切部材(リザーバプレート)33を介して接合されて
いる。ノズルプレート31と振動板32との間には、仕
切部材33によって複数の空間34と液溜まり35とが
形成されている。各空間34と液溜まり35の内部はイ
ンクで満たされており、各空間34と液溜まり35とは
供給口36を介して連通している。さらに、ノズルプレ
ート31には、空間34からインクを噴射するためのノ
ズル孔37が設けられている。一方、振動板32には液
溜まり35にインクを供給するための孔38が形成され
ている。
【0051】また、図6に示すように、振動板32の空
間34に対向する面と反対側の面上には圧電素子39が
接合されている。この圧電素子39は一対の電極40の
間に位置し、通電すると圧電素子39が外側に突出する
ように撓曲し、同時に圧電素子39が接合されている振
動板32も一体となって外側に撓曲する。これによって
空間34の容積が増大する。したがって、空間34内に
増大した容積分に相当するインクが液溜まり35から供
給口36を介して流入する。次に、圧電素子39への通
電を解除すると、圧電素子39と振動板32はともに元
の形状に戻る。これにより、空間34も元の容積に戻る
ため、空間34内部のインクの圧力が上昇し、ノズル孔
37から基板に向けてインクの液滴27が吐出される。
【0052】次に、図4(3)に示すように、各着色層
25が形成されてなるカラーフィルター6上にITO膜
からなる対向電極7を形成する。その後、図示を省略し
たが、全面に配向膜を形成することにより、対向基板8
の作製が完了する。
【0053】なお、TFTアレイ基板4に関しては、従
来と全く変わらない周知の方法で製造できるため、製造
プロセスの説明は省略する。ただし、製造プロセスは従
来と同様であるが、設計段階においては、データ線、走
査線、TFT、画素電極等、TFTアレイ基板を構成す
るの各部の寸法を決定するにあたって、最終的な画素領
域の寸法や隣接する画素領域間の間隔がインクの1ドッ
トの径の整数倍(先に具体的に示した寸法)になるよう
に設定する必要がある。
【0054】本実施の形態の液晶表示装置1によれば、
カラーフィルター6の着色領域5および画素領域9の横
寸法、縦寸法、隣接する領域間の間隔が、当該カラーフ
ィルター6の製造時に用いるインクジェットヘッド26
から吐出されるインクの1ドットの径の整数倍に設定さ
れているため、カラーフィルター製造時に着色領域5の
一端から単純にインクジェットヘッド26を走査してい
っても、他端側で中途半端な寸法の領域が残ることがな
い。したがって、設計寸法通りの所望の着色領域5を得
るために、従来法におけるインクの重ね打ちのような複
雑なヘッドの駆動制御を行うことなく、通常のインクジ
ェットプリンタにおける単純な駆動制御で済むため、ヘ
ッドの駆動系が複雑になることがない。また、カラーフ
ィルター製造時における着色層形成工程のスループット
が向上するとともに、液晶表示装置全体の製造コストの
低減に寄与することができる。
【0055】本実施の形態では、アクティブマトリクス
型液晶表示装置であって、スイッチング素子にTFTを
用いた例を示したが、スイッチング素子として薄膜ダイ
オード(Thin Film Diode,以下、TFDと略記する)を
用いた液晶表示装置に本発明を適用することもできる。
その例を図7に示す。
【0056】この液晶表示装置45においては、図7に
示すように、複数の画素電極46とこれら画素電極46
に対応した複数のTFD47とがマトリクス状に配置さ
れたTFDアレイ基板48が、液晶を挟持する一方の基
板を構成している。また、他方の基板を構成する対向基
板49は、R、G、Bの3色の着色領域50を有するカ
ラーフィルター51と対向電極52を有している。TF
D型の場合、対向電極52は、TFDアレイ基板48に
形成されているデータ線53(または走査線)と直交す
る方向に帯状に延びる複数本の電極として形成される。
【0057】また、アクティブマトリクス型液晶表示装
置に限らず、パッシブマトリクス型液晶表示装置に本発
明を適用することもできる。その例を図8に示す。
【0058】この液晶表示装置55においては、図8に
示すように、一方の透明基板56に一方向に帯状に延び
る複数の画素電極57が形成され、他方の透明基板58
には、図7と同様の着色領域59を有するカラーフィル
ター60とともに、前記画素電極57と直交する方向に
帯状に延びる複数の対向電極61が形成されている。
【0059】図7に示すTFD型液晶表示装置45、図
8に示すパッシブマトリクス型液晶表示装置55のいず
れにおいても、本発明の液晶表示装置においては、カラ
ーフィルターの各着色領域および各画素領域の横寸法、
縦寸法、領域間の間隔が当該カラーフィルターの製造時
に用いるインクジェットヘッドから吐出されるインクの
1ドットの径の整数倍に設定されているため、上記実施
の形態と同様の効果を奏することができる。
【0060】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記実施の形態においては、解像度1440dpi
のインクジェットヘッドを用いるものとして着色領域各
部の具体的な寸法を示したが、これはほんの一例であ
り、適宜変更が可能である。例えば上記の例では解像度
が1440dpi、インク1ドットあたりの径が18μ
mとなり、18μm刻みでしか寸法を設定できないた
め、設計の自由度がかなり制約を受けるように思われ
る。ところが、これは現存のインクジェットプリンタの
解像度である1440dpiをそのまま使用したからで
あり、逆に着色領域として欲しい寸法となるようにイン
クジェットヘッド側の解像度を調整してもよい。さら
に、インクジェット技術が進歩して解像度がより高まれ
ば、寸法刻み幅をより細かくでき、設計の自由度が上が
るため、本発明にとって好適である。
【0061】また、本発明の特徴点は、カラーフィルタ
ーの着色領域、および液晶表示装置の画素領域の平面的
な寸法にあり、図2に示したような断面構造については
適宜変更が可能である。
【0062】[電子機器]以下、本発明の液晶表示装置
を備えた電子機器の具体例について説明する。
【0063】図9は、携帯電話の一例を示した斜視図で
ある。
【0064】図9において、符号1000は携帯電話本
体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた
液晶表示部を示している。
【0065】図10は、腕時計型電子機器の一例を示し
た斜視図である。
【0066】図10において、符号1100は時計本体
を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液
晶表示部を示している。
【0067】図11は、ワープロ、パソコンなどの携帯
型情報処理装置の一例を示した斜視図である。
【0068】図11において、符号1200は情報処理
装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1
204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶
表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0069】図9から図11に示す電子機器は、上記の
液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えたものであるの
で、良好なカラー表示が可能な低コストの電子機器を実
現することができる。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、インクジェット方式を用いてカラーフィルター
を製造する際に、所望の着色領域を得るために、従来法
におけるインクの重ね打ちのような複雑なヘッドの駆動
制御を行うことなく、通常のインクジェットプリンタに
おける単純な駆動制御で着色領域の形成が可能であり、
ヘッドの駆動系が複雑になることがない。また、カラー
フィルター製造時における着色層形成工程のスループッ
トが向上するとともに、液晶表示装置全体の製造コスト
の低減にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態のカラーフィルターを
備えた液晶表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】 同、液晶表示装置の概略構成を示す断面図で
ある。
【図3】 同、カラーフィルターの1つの着色領域を拡
大視した平面図である。
【図4】 同、カラーフィルターの製造プロセスを説明
するための工程断面図である。
【図5】 同、カラーフィルターの製造に用いるインク
ジェットヘッドの構成を示す斜視図である。
【図6】 同、断面図である。
【図7】 本発明を適用し得る液晶表示装置の他の例を
示す斜視図である。
【図8】 同、液晶表示装置のさらに他の例を示す斜視
図である。
【図9】 本発明の液晶表示装置を用いた電子機器の一
例を示す斜視図である。
【図10】 同、電子機器の他の例を示す斜視図であ
る。
【図11】 同、電子機器のさらに他の例を示す斜視図
である。
【図12】 一般のカラーフィルターを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1,45,55 液晶表示装置 2,46,57 画素電極 3 薄膜トランジスタ(TFT) 4 TFTアレイ基板 5,50,59 着色領域 6,51,60 カラーフィルター 7,52,61 対向電極 8,49 対向基板 9 画素領域 10 液晶 24 インク受容層 25 着色層 26 インクジェットヘッド 27 インクの液滴 47 薄膜ダイオード(TFD) 48 TFDアレイ基板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の複数の着色領域内にインクが定
    着されてなり、前記着色領域の横寸法が、当該カラーフ
    ィルターの製造時に用いるインクジェットヘッドから吐
    出されるインクの1ドットの径の整数倍に設定されてい
    ることを特徴とするカラーフィルター。
  2. 【請求項2】 前記着色領域の縦寸法が、当該カラーフ
    ィルターの製造時に用いるインクジェットヘッドから吐
    出されるインクの1ドットの径の整数倍に設定されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ
    ー。
  3. 【請求項3】 隣接する前記着色領域の間の間隔が、当
    該カラーフィルターの製造時に用いるインクジェットヘ
    ッドから吐出されるインクの1ドットの径の整数倍に設
    定されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    のカラーフィルター。
  4. 【請求項4】 基板上の複数の着色領域内にインクが定
    着されてなり、前記着色領域の横寸法W[μm]が、当
    該カラーフィルターの製造時に用いるインクジェットヘ
    ッドの解像度をα[dpi]とした時に、 W=(25400/α)×n(n:1以上の整数) に設定されていることを特徴とするカラーフィルター。
  5. 【請求項5】 前記着色領域の縦寸法L[μm]が、当
    該カラーフィルターの製造時に用いるインクジェットヘ
    ッドの解像度をα[dpi]とした時に、 L=(25400/α)×m(m:1以上の整数) に設定されていることを特徴とする請求項4に記載のカ
    ラーフィルター。
  6. 【請求項6】 隣接する前記着色領域の間の間隔G[μ
    m]が、当該カラーフィルターの製造時に用いるインク
    ジェットヘッドの解像度をα[dpi]とした時に、 G=(25400/α)×k(k:1以上の整数) に設定されていることを特徴とする請求項4または5に
    記載のカラーフィルター。
  7. 【請求項7】 透明基板上にインク受容層を形成し、該
    インク受容層上にインクジェットヘッドからインクを吐
    出させ、前記インク受容層中にインクを定着させること
    により、各領域の横寸法、縦寸法、および各領域間の間
    隔が前記インクの1ドットの径の整数倍となる複数の着
    色領域を形成することを特徴とするカラーフィルターの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または4に記載のカラーフィル
    ターを備え、画素領域の横寸法が前記着色領域の横寸法
    に一致して設定されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項2または5に記載のカラーフィル
    ターを備え、画素領域の縦寸法が前記着色領域の縦寸法
    に一致して設定されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項3または6に記載のカラーフィ
    ルターを備え、隣接する画素領域間の間隔が前記隣接す
    る着色領域間の間隔に一致して設定されていることを特
    徴とする液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 カラーフィルターを備えた液晶表示装
    置の製造方法において、各画素領域の縦寸法、横寸法、
    および隣接する画素領域間の間隔を設定するに際して、
    当該カラーフィルターの製造時に用いるインクジェット
    ヘッドの解像度を決定し、前記各画素領域の縦寸法、横
    寸法、および隣接する画素領域間の間隔を前記解像度に
    応じて決まるインクの1ドットの径の整数倍に一致させ
    ることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項8ないし10のいずれかに記載
    の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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