JP2001099913A - 受波ビーム形成方法、受波ビーム形成装置およびマッチドフィルタ - Google Patents
受波ビーム形成方法、受波ビーム形成装置およびマッチドフィルタInfo
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Abstract
よく形成することができる受波ビーム形成方法を提供す
る。 【解決手段】 円筒形の受信アレイで90°の範囲の6
0エレメントを使用して1つの受波ビームを形成する。
ビーム0を形成するエレメント0〜エレメント59を前
後に2等分し2グループに分けて受波ビームを形成す
る。すなわち、ビーム方向に対して後ろの方のグループ
1(エレメント0〜エレメント8、エレメント51〜エ
レメント59)と前の方のグループ2(エレメント9〜
エレメント50)に分け、グループ1の今回のスキャン
周期のサンプリングデータとグループ2の前回のスキャ
ン周期のサンプリングデータを用いて受波ビームを形成
することにより、短いパルス信号でも受信波が全アレイ
にかかるようにサンプリングすることができ、短いパル
スにおけるビーム形成の指向性、感度等を改善すること
ができる。
Description
診断装置などにおいて、短パルスの受信波から受波ビー
ムを形成する受波ビーム形成方法、受波ビーム形成装置
およびマッチドフィルタに関する。
列した受信アレイを用いて受波ビームを形成する装置と
しては、各エレメント毎に遅延回路を接続した時間領域
ビームフォーマや各エレメント毎に位相シフト回路を接
続した周波数領域ビームフォーマが実用化されている。
これらの装置を使用すれば、短パルスの受信波に対して
も受波ビームを形成することができるが、大規模な回路
が必要になるため、比較的周波数が低い軍用など一部の
装置以外には使用されていない。
では、全てのエレメントに個別に遅延回路などを接続す
ることは装置の規模やコストなどの問題から不可能であ
るため、各エレメントが受信した信号を所定の周期ごと
に順次サンプリングし、このサンプリングデータを用い
てビームを形成するようにしている。したがって、各エ
レメントの受信信号を継続的に監視することができない
ため、受信アレイ全体(少なくとも受波ビーム形成に用
いられる全てのエレメント)に一様に受信波がかかるほ
どパルス幅が長いものであることを前提として受波ビー
ムを形成している。この方式の例として、アナログの移
相器方式、複素DFTによる方式、マッチドフィルタ方
式などがある。
受信アレイ全体に一様に受信波がかかることを前提とし
た装置では、受信波のパルス幅が短くなり、受波ビーム
の形成に必要なエレメントに同時に受信波が入力されな
いとビーム形成の性能は著しく低下する。
精度に海底検出するためには、送信パルス幅を短くして
受信波(反射エコー)のパルス幅を短くする必要があ
る。また、海底探査ソナー以外の一般のソナーや超音波
診断装置においても同様に、高分解能を得るために短パ
ルス化やFM変調によるパルス圧縮が行われるようにな
り、上記従来の受波ビーム形成方式では性能の低下が問
題になる。
レイに短パルス波が到来したときの状態を説明する。図
19は一部切欠の円筒形受信アレイを示している。この
受信アレイは、たとえば半径:125mmで1.5°お
きに160個のエレメントを配置したものであり、アレ
イ範囲は1.5×159=238.5°になる。この受
信アレイの受信波を処理する受信回路は、約90°の範
囲の60個のエレメントを用いて1ビームを形成し、
1.5°ごとに101個のビームを形成して、150°
の範囲にビームをスキャンすることができる。
ると、アレイの一番前面(ビーム方向に一番近いアレ
イ)とアレイの一番後方では約7.5波長の距離があ
る。受信波が短パルス波であり6周期分のパルス幅しか
ない場合には、図19に示すようにその方向のビーム形
成に必要な90°範囲のアレイに同時に受信波がかかる
ことはなく、全アレイを使用した受波ビームの形成がで
きない。
列したリニアアレイの例を示している。このリニアアレ
イは、0.5波長ごとに80素子のエレメントを配置し
たものである。アレイのほぼ正面から受信波が到来した
場合には、それの受信波が6周期程度の短パルスであっ
ても受信波は同時に全アレイにかかる。しかし、この短
パルスの受信波が−60°の角度から到来した場合に
は、リニアアレイのごく一部にしか同時に受信波がかか
らず、ビーム形成の性能すなわちビーム幅、感度などが
著しく低下する。
受信波やパルスの立ち上がり時や立ち下がり時に発生す
る一様でない受信波に対しても鋭いビームを感度よく形
成することができる受波ビーム形成方法、受波ビーム形
成装置およびマッチドフィルタを提供することを目的と
する。
状に配列された複数の超音波振動子を、受波ビーム形成
方向における位置に応じて複数のブロックに分割し、各
超音波振動子が受信した信号の各々を、所定のスキャン
周期で繰り返しサンプリングし、各ブロック毎にそれぞ
れ別のスキャン周期のサンプリングデータを選択し、選
択されたサンプリングデータに基づいて受波ビームを形
成することを特徴とする。
配列された(または後述の直線状に配列された)複数の
超音波振動子が受信した信号を各1回とおりサンプリン
グする周期である。
て、前記複数の超音波振動子が受信する信号は、前記円
弧に配列された複数の超音波振動子の受波ビーム形成方
向における長さよりも短いパルス信号であることを特徴
とする。
て、前記複数の超音波振動子が受信する信号は、徐々に
振幅が大きくなってゆく増加波または徐々に振幅が小さ
くなってゆく減衰波であることを特徴とする。
数の超音波振動子から一部円弧状の超音波振動子を選択
して、請求項1に記載の円弧状に配列された複数の超音
波振動子とし、前記一部円弧状の超音波振動子の選択を
順次切り換えることにより受波ビーム形成方向を回転さ
せることを特徴とする。
の超音波振動子を複数のブロックに分割し、各超音波振
動子が受信した信号の各々を、所定のスキャン周期で繰
り返しサンプリングし、各ブロック毎に別のスキャン周
期のサンプリングデータを選択し、選択されたサンプリ
ングデータに基づいて所定方向に受波ビームを形成する
ことを特徴とする。
て、前記複数の超音波振動子が受信する信号は、前記線
状に配列された複数の超音波振動子の前記所定方向から
見た奥行きよりも短いパルス信号であることを特徴とす
る。
て、前記複数の超音波振動子が受信する信号は、徐々に
振幅が大きくなってゆく増加波または徐々に振幅が小さ
くなってゆく減衰波であることを特徴とする。
おいて、前記受波ビーム形成方向の前記線状に配列され
た複数の超音波振動子に対する角度に応じて各ブロック
毎のスキャン周期の選択を変更することを特徴とする。
の超音波振動子が受信した信号を所定のスキャン周期で
サンプリングしたサンプリングデータを入力し、該サン
プリングデータを複数スキャン周期分記憶し、前記複数
の超音波振動子を複数のブロックに分割し、各ブロック
毎にそれぞれ別のスキャン周期のサンプリングデータを
読み出し、各サンプリングデータを移相することによっ
て、所定のサンプリング面の連続したサンプリングデー
タ列を形成し、該サンプリングデータを用いて所定方向
に受波ビームを形成することを特徴とする。
複数の超音波振動子を有する受信トランスデューサの各
超音波振動子が受信したエコー信号を、該超音波振動子
の数よりも少ない系統に多重化するマルチプレクサと、
各系統において各超音波振動子のエコー信号の各々を、
所定のスキャン周期で繰り返しサンプリングして複素サ
ンプリングデータを出力するAD変換器と、前記複数の
超音波振動子を受波ビーム形成方向における位置に応じ
て複数のブロックに分割し、各ブロック毎にそれぞれ別
のスキャン周期のサンプリングデータを選択し、選択さ
れた各複素サンプリングデータを用いて前記受波ビーム
形成方向の受波ビームを形成する信号処理部と、を備え
たことを特徴とする。
おいて、前記受信トランスデューサは、円周状に配列さ
れた複数の超音波振動子からなり、前記信号処理部は、
一部円弧状の超音波振動子を選択して前記円弧状に配列
された複数の超音波振動子とし、前記一部円弧状の超音
波振動子の選択を順次切り換えることにより受波ビーム
形成方向を回転させることを特徴とする。
複数の超音波振動子から一部円弧状の超音波振動子を選
択し、該円弧の中心方向の受波ビーム形成を形成するマ
ッチドフィルタであって、「前記円周状に配列された複
数の超音波振動子の個数×(n−1)+前記一部円弧状
の超音波振動子の個数」の段数を有し、前記円周状に配
列された複数の超音波振動子から順次複数のスキャン周
期分入力される信号列を、第n周期の信号列、第n−1
周期の信号列、…、第2周期の信号列、第1周期のうち
前記前記一部円弧状の信号列、の順に記憶するシフトレ
ジスタと、前記一部円弧状の超音波振動子を前記受波ビ
ーム形成方向における位置に応じてn個のブロックに分
割し、ビーム方向に最も近いブロックの超音波振動子の
信号は第n周期の信号列から取り出し、ビーム方向に2
番目に近いブロックの超音波振動子の信号は第n−1周
期の信号列から取り出し、…、ビーム方向から2番目に
遠いブロックの超音波振動子の信号は第2周期の信号列
から取り出し、ビーム方向から最も遠いブロックの超音
波振動子の信号は第1周期の信号列から取り出して、そ
れぞれ対応する係数を乗算する複数の乗算器と、各乗算
器の乗算結果を加算して相関データとして出力する加算
器と、を備えたことを特徴とする。
列された複数の超音波振動子から一部円弧状の超音波振
動子を選択し、該円弧の中心方向の受波ビーム形成を形
成するマッチドフィルタであって、前記一部切欠円周状
に配列された複数の超音波振動子の段数を有するn個の
シフトレジスタ、および、前記一部円弧状の超音波振動
子の段数を有するシフトレジスタを並列に接続して、前
記一部切欠円周状に配列された複数の超音波振動子から
順次複数のスキャン周期分入力される信号列を、第n+
1周期の信号列、第n周期の信号列、第n−1周期の信
号列、…、第2周期の信号列、第1周期のうち前記前記
一部円弧状の超音波振動子の信号列、の順に各スキャン
周期の信号列毎に各シフトレジスタ間を並列にロードし
ながら記憶し、前記一部円弧状の超音波振動子を前記受
波ビーム形成方向における位置に応じてn個のブロック
に分割し、ビーム方向に最も近いブロックの超音波振動
子の信号は第n周期の信号列から取り出し、ビーム方向
に2番目に近いブロックの超音波振動子の信号は第n−
1周期の信号列から取り出し、…、ビーム方向から2番
目に遠いブロックの超音波振動子の信号は第2周期の信
号列から取り出し、ビーム方向から最も遠いブロックの
超音波振動子の信号は第1周期の信号列から取り出し
て、それぞれ対応する係数を乗算する複数の乗算器と、
各乗算器の乗算結果を加算して相関データとして出力す
る加算器と、を備えたことを特徴とする。
発明において、前記複数の超音波振動子から入力される
信号列は複素サンプリングデータ列であり、前記シフト
レジスタを信号列の実数部データ用および虚数部データ
用に2系統備え、前記複数の乗算器および加算器を、実
数部データ×実数部係数用、虚数部データ×虚数部係数
用、実数部データ×虚数部係数用、虚数部データ×実数
部係数用の4系統備え、実数部データ×実数部係数の加
算結果および虚数部データ×虚数部係数の加算結果を減
算することによって相関値の実数部を割り出し、実数部
データ×虚数部係数の加算結果および実数部データ×虚
数部係数の加算結果を加算することによって相関値の虚
数部を割り出す出力部と、を備えたことを特徴とする。
発明において、それぞれ異なる距離に受波ビームの焦点
が結ぶよう前記係数を複数組備えたことを特徴とする。
数の超音波振動子が受信した信号を所定のスキャン周期
でサンプリングしたサンプリングデータを入力し、該サ
ンプリングデータを複数スキャン周期分記憶する記憶手
段と、前記複数の超音波振動子を複数のブロックに分割
し、各ブロック毎にそれぞれ別のスキャン周期のサンプ
リングデータを前記記憶手段から読み出し、読み出した
各サンプリングデータを用いて所定方向に受波ビームを
形成するビーム形成手段と、を備えたことを特徴とす
る。
おいて、前記受波ビーム形成方向の前記直線に対する角
度に応じて各ブロック毎のスキャン周期の選択を変更す
ることを特徴とする。
発明において、前記ビーム形成手段は、読み出した各サ
ンプリングデータと所定の係数とを乗算することによっ
て所定方向に受波ビームを形成するマッチドフィルタで
あり、該マッチドフィルタは、それぞれ異なる距離に受
波ビームの焦点が結ぶ複数組の係数を備えたことを特徴
とする。
数の超音波振動子が受信した信号を所定のスキャン周期
でサンプリングしたサンプリングデータを入力し、該サ
ンプリングデータを複数スキャン周期分記憶する記憶手
段と、前記複数のスキャン周期のサンプリングデータを
移相または補間することによって、所定角度のサンプリ
ング面の連続したサンプリングデータ列を形成するサン
プリング面生成手段と、該サンプリングデータを用いて
所定方向に受波ビームを形成するビーム形成手段と、を
備えたことを特徴とする。
が受信した信号の各々を、所定のスキャン周期で繰り返
しサンプリングし、複数のスキャン周期でサンプリング
したサンプリングデータに基づいて受波ビームを形成す
ることを特徴とする。
〜図5を参照して説明する。
路に本願発明を適用する場合を示す図である。この受信
アレイは、上記従来技術で示したものと同様の半径12
5mmで1.5°おきの160個のエレメント(超音波
振動子)で構成された円筒形の受信アレイの一部であ
る。受信回路は、約90°の範囲の60エレメントを使
用して1つの受波ビームを形成する。したがって、受信
回路は、エレメント0〜エレメント59を用いたビーム
0から、エレメント100〜エレメント159を用いた
ビーム100までの101個のビームを順次形成する。
図1にはビーム0を形成するエレメント0〜エレメント
59を示している。ビームは右回りに形成され、ビーム
0が最初に形成される。ビーム方向を0°すると、ビー
ム0の場合、±0.75°の位置に先端のエレメント2
9,30があり、+44.25°の位置にエレメント
0、−44.25°の位置にエレメント59がある。
速を1500m/sとすると、一番前のエレメント2
9,30と一番後のエレメント0,59とは受波ビーム
形成方向において約7.5波長分の距離があり、ビーム
方向から到来する受信波が一番後のエレメント0,59
に達したとき、その受信波は7.5波長の距離の伝搬時
間(7.5周期)前に一番前のエレメント29,30を
通過している。所定のスキャン周期たとえば4波長毎に
サンプリングされたサンプリングデータでビームを形成
する場合には、前後7.5波長の範囲に配置されている
エレメントを前後に2等分し2グループに分けて受波ビ
ームを形成する。すなわち、ビーム方向に対して後ろの
方のグループ1(エレメント0〜エレメント8、エレメ
ント51〜エレメント59)と前の方のグループ2(エ
レメント9〜エレメント50)に分け、グループ1の今
回のスキャン周期におけるサンプリングデータとグルー
プ2の前回のスキャン周期におけるサンプリングデータ
を用いて受波ビームを形成することにより、6波長程度
の短いパルス信号でも受信波が全アレイにかかるように
して受波ビームを形成することができ、短いパルスにお
けるビーム形成の指向性、感度等を改善することができ
る。
からエレメント159に向けて順次行う、いわゆる斜め
サンプリングの場合を示しており、この斜めサンプリン
グのタイミングに最適化したグループ分けは、エレメン
ト番号が大きくなるほどサンプリングタイミングが遅れ
るため、グループ1(エレメント0〜エレメント9、エ
レメント53〜エレメント59)、グループ2(エレメ
ント10〜エレメント52)となる。
ープ(2ブロック)に分割したが、分割数は2に限定さ
れるものではなく、任意の正の整数nに分割することが
可能であり、その場合にはそれぞれ別のスキャン周期の
サンプリングデータを選択すればよい。
形成に本願発明を適用する場合を示す図である。このリ
ニアアレイは、上記従来技術で説明したものと同様、
0.5波長ごとに80のエレメントを直線状に配列した
ものである。同図は、左側の素子から10素子ずつ階段
状にI,Qサンプリングを行う処理を4波長のスキャン
周期で15周期(N−7〜N+7)繰り返した場合のサ
ンプリングタイミングのチャートを示している。同図に
おいて−60°から到来する受信波を例示しているが、
この受信波に対して、全エレメントにわたって同じスキ
ャン周期のサンプリングデータを用いて受波ビームを形
成するのでなく、10素子ずつスキャン周期をずらし、
図中太線で示すサンプリングデータを用いてビームフォ
ームすることにより、受信波が同時にかかっている幅を
AからBに大きく広げることができ、ビーム形成の性能
を改善できる。
ン周期で得られるサンプリングデータ列に対してマッ
チドフィルタを適用するだけでなく、アレイを複数エリ
ア(同図では8エリア)に分割し、各エリアごとに異な
るスキャン周期のサンプリングデータを用いることによ
り、、、、のように様々な方向に向いたサンプ
リングデータ列を生成することができる。ビーム方向に
よって適当なサンプリングデータ列を選択することによ
り、受信波が短パルスであってもビーム形成の性能を改
善できる。リニアアレイであっても、100°前後の範
囲でビーム形成されるため、各ビームの角度(ビーム番
号)に合わせて各エリアのスキャン周期の組み合わせ
(サンプリングデータ列)を決定することにより、全て
のビームについてビーム形成の性能を改善することが可
能である。
+59.25°(ビーム79)の範囲で1.5°ごとに
80個のビームを形成する場合を考える。図3におい
て、サンプリングデータ列の方向は−56.3°、サ
ンプリングデータ列の方向は−35.0°、サンプリ
ングデータ列の方向は+5.7°、サンプリングデー
タ列の方向は+41.2°、サンプリングデータ列
の方向は+59.5°になっている。サンプリングデー
タ列とサンプリングデータ列の中間値−45.64
°よりマイナスのビーム番号は、サンプリングデータ列
のデータを使用してビーム形成するようにする。以下
同様に、隣り合うサンプリングデータ列の角度の中間で
ビームを分けると、ビーム番号と適用するサンプリング
データ列の関係は、以下のようになる。
キャン周期との間に補間によって新たなサンプリングデ
ータを生成した場合のタイミングチャートを示す図であ
る。上記複数のスキャン周期のデータを用いたサンプリ
ングデータ列の生成方式をさらに改善するためには、4
波長で繰り返した斜め階段状のサンプリングをより速い
スキャン周期で、たとえば2波長で繰り返すようにすれ
ばよいが、装置の多重化処理の都合などで4波長よりも
短くできない場合がある。このような場合には、同図に
示すように、実際のスキャン周期は、そのままとして各
スキャン周期間の補間を行って4波長の中間のサンプリ
ングデータを生成し、サンプリングデータ列の方向を増
やしたり、その方向を最適化すればよい。なお、図3の
サンプリングデータ列〜サンプリングデータ列の方
向は、種々の角度のサンプリングデータ列を生成可能で
あることを示すための例示であり、ビーム方向の範囲に
応じて適宜最適なものを選択すればよい。
ングデータを斜め階段状のサンプリングデータの場合に
ついて説明したが、斜め連続のサンプリングデータや全
エレメントを同時にサンプリングした平行サンプリング
データの場合でも同様にこの発明を適用可能である。
た受信回路において、複素DFTを用いた受波ビームの
形成を改善する方法について説明する。従来は、スキャ
ン周期Nのサンプリングデータ列のみを用いて複素DF
Tを行い、受波ビームを形成していたが、この方式で
は、6波長程度の短い受信波が−60°から到来した場
合、同図の範囲Aのアレイしか同時に信号が入力されず
ビーム形成の性能は低下する。
の両方の情報を持っており、信号の帯域幅が広くない
(広くても中心周波数に対して±20%程度の)ソナー
信号などの場合、サンプリングデータの補間計算等によ
って各サンプリングデータを前後にシフトすることが可
能で、複数のスキャン周期のサンプリングデータを適宜
選択して任意の角度のサンプリング面のサンプリングデ
ータ列を生成することができる。図5に示すように−4
5°のサンプリング面のサンプリングデータ列を生成す
れば、−60°から到来した6波長の受信波は同図の範
囲Bで同時に信号が受信されていることになり、受波ビ
ームの形成をこのサンプリングデータ列で行えばスキャ
ン周期Nのみのサンプリングデータ列を用いた場合より
もビーム形成の精度が改善される。
海底探査ソナーのブロック図、図7は同海底探査ソナー
のトランスデューサの設置形態を示す図、および、同ト
ランスデューサが形成する送波ビーム、受波ビームを示
す図である。
サ11、受信トランスデューサ122はともに、複数の
超音波振動子エレメントを1列に配列した超音波振動子
アレイからなっている。送信トランスデューサ11は、
振動子の配列方向が船首,船尾方向になるように船底に
設置され、受信トランスデューサ12は、振動子の配列
方向が船側方向になるように船底に設置される。
1、受信トランスデューサ12からなるトランスデュー
サ部1のほかに、送信トランスデューサ11に超音波の
バースト信号を印加するとともに、反射エコーを受信し
てデジタルサンプリングデータに変換する送受信部2が
設けられる。そして、船室には、演算処理部3が設けら
れる。演算処理部は、送受信部2から伝送入力されたサ
ンプリングデータに基づいて受波ビームの形成および海
底検出等を行う。
スデューサ11の各エレメントに対してパルス信号を印
加する。送信トランスデューサ11の各エレメントは、
このパルス信号によって駆動され、超音波信号を海中に
送出する。送信回路26は、320kHzの信号を発振
する発振器を内蔵しており、送波ビームが図7(B)に
示すように船体の真下に扇形に形成されるように各エレ
メント毎にタイミングを制御してパルス信号を印加す
る。このようにして形成される送波ビームは、前後1.
5°、左右170°程度の扇形である。このソナー装置
では距離検出精度を向上するためめ各エレメントに入力
されるパルス信号のパルス幅は、320kHzで6波程
度である。このように真下にビームが形成されるため、
船が動いていても殆どドップラ効果の影響がなく、海底
からの反射エコーは送信時と同じ320kHzのバース
ト波となる。
ように160個のエレメントを円周上に配置した円筒形
状になっている。この受信トランスデューサ12に接続
されている送受信部2および演算処理部3は、各エレメ
ントが受信した反射エコーをサンプリングし、マッチド
フィルタでリファレンスと比較することによって、図7
(B)に示すような前後20°、左右1.5°程度の受
波ビームを形成する。この受波ビームを高速に右から左
にスキャンさせ、このスキャンを1回のパルス送信に対
して何度も繰り返して行うことにより海底探査を行う。
図8において、受信トランスデューサ12は、半径12
5mmの円筒形状であり、1.5°間隔で160個の超
音波振動子エレメントが配列されているため、中心角2
38.5°で円筒の一部が切り欠かれた形状になってい
る。
が受信した信号は送受信部2に入力される。送受信部2
では、各エレメントが受信した信号を別々のプリアンプ
13で増幅するとともに、フィルタ14でろ波し、TV
Gアンプ15で増幅する。フィルタ14は、送信トラン
スデューサ11から送信された超音波ビームの周波数
(320kHz)付近の周波数以外を除去するバンドパ
スフィルタである。上述したように反射エコー信号はほ
ぼ320kHzの狭帯域の信号であり、このバンドパス
フィルタにより、帯域外の超音波機器の信号や帯域外シ
ーノイズ等のノイズが除去される。
プであり、送信トランスデューサ11がバースト波を発
射したのち時間が経過するとともにゲインを上昇させて
ゆくアンプである。これはバースト波を発射してから時
間が経過するとともに遠くで反射し、伝搬距離が長く信
号レベルの小さい反射エコーを受信する必要があるた
め、これに対応してゲインを高くしてゆくものである。
TVGアンプ15の後段にはこのTVGアンプ15のノ
イズを除去するための簡略なフィルタ16が介挿入され
ている。こののち、マルチプレクサ17により、160
エレメントの信号が10系統に時分割多重化される。第
k(=0〜9)マルチプレクサには、10n(=0〜1
5)+kの信号が入力される。すなわち、第0マルチプ
レクサにはエレメント0,10,20,…140,15
0の信号が入力され、第1マルチプレクサにはエレメン
ト1,11,21,…,141,151の信号が入力さ
れ、…、第9マルチプレクサにはエレメント9,19,
29,…149,159の信号が入力される。第0〜第
9マルチプレクサは、同期して全て同じタイミングに入
力信号の選択nを順次切り換えてゆく。
は、再度TVGアンプ18で増幅される。一般的なTV
Gアンプはゲイン制御範囲が40dB程度であり、広い
範囲の海底探査を行おうとすれば40dB以上のTVG
範囲を必要とするため、このようにTVGアンプを2段
にしている。
D変換器19によってサンプリングされデジタルサンプ
リングデータに変換される。AD変換器19のサンプリ
ングタイミングおよびマルチプレクサ17の切換タイミ
ングは、前記送信回路の発振器が発振する信号に基づい
て作成される。すなわち、送信パルス(反射エコー信
号)の周波数と、マルチプレクサ切換タイミングおよび
サンプリングタイミングとは完全に同期している。
イミングを説明する図である。
複素データとして処理するため、サンプリングにおいて
複素データ化しておくことが望ましい。しかし、実数値
信号にcos信号、sin信号をミキシングして実部
I、虚部Qの信号に分離し、別々にサンプリングするこ
とは、回路構成が複雑化するとともに、位相ずれなどに
よる測定誤差を招く原因になる。
ー信号の周波数が安定しており、サンプリングクロック
がこれに完全に同期していることを利用し、90°の位
相差で2回サンプリングすることによって一方を実部
(In−phase)のデータとし、他方を虚部(Qu
adrature)のデータとして用いることにより、
複素サンプリングデータを生成するようにしている。さ
らに、この装置では、反射エコー信号を90°の位相差
で4回(0°、90°、180°、270°)サンプリ
ングし、0°サンプリングデータと180°サンプリン
グデータを組み合わせ、且つ、90°サンプリングデー
タと270°サンプリングデータを組み合わせることに
よって反射エコー信号のDCバイアス成分を除去するよ
うにしている。
号を時分割で10系統に多重化しているため、各系統
は、16のエレメントを担当することになる。各系統で
は、反射エコーの周波数320kHzの1波長(1λ)
の時間に4エレメントの信号をサンプリングし、4波長
で16エレメントの信号をサンプリングするようにして
いる。
ついて詳細に説明する。AD変換器AD0にはマルチプ
レクサ16を介してエレメント10n+0,(n=0,
1,…,15:以下同じ)の信号が選択的に入力され
る。また、AD変換器AD1にはマルチプレクサ16を
介してエレメント10n+1の信号が選択的に入力され
る。同様にAD変換器ADk,(k=0,1,…,9:
以下同じ)には、エレメント10n+kの信号が選択的
に入力される。各AD変換器は1/16λ(0.195
625μ秒)毎に入力信号をサンプリングする。したが
って1λの間に16回サンプリングが行われる。
は、エレメントk、エレメント10+k、エレメント2
0+k、エレメント30+kを1サンプリング毎に切り
換えて4回ずつサンプリングする。これにより、各エレ
メントの信号は、1/16λ×4=1/4λ、すなわち
90°の間隔で4回サンプリングされることになるた
め、各エレメント毎に(相対的に)0°、90°、18
0°、270°の4つのデータを得ることができる。
エレメント40+k、エレメント50+k、エレメント
60+k、エレメント70+kを1サンプリング毎に切
り換えて4回ずつサンプリングする。さらに次の1波長
の間、各AD変換器ADkは、エレメント80+k、エ
レメント90+k、エレメント100+k、エレメント
110+kを1サンプリング毎に切り換えて4回ずつサ
ンプリングする。さらに次の1波長の間、各AD変換器
ADkは、エレメント120+k、エレメント130+
k、エレメント140+k、エレメント150+kを1
サンプリング毎に切り換えて4回ずつサンプリングす
る。このようにして、4波長の間に、全てのエレメント
について4つ(0°、90°、180°、270°)の
データを得ることができる。この4波長の間の処理が1
スキャン周期の処理である。
9)のサンプリングタイミングは、完全に同期してお
り、サンプリング終了後のマルチプレクサ16の切り換
えも同時である。AD変換器ADkとして20MHz程
度の高速AD変換器を使用すれば、サンプリング直前の
入力だけがサンプリングデータに影響するため、入力信
号のサンプリングを行った直後に、マルチプレクサの切
り換え、後段のTVGアンプの応答を実行することによ
り、次のサンプリングタイミング(0.195625μ
秒後)までには、マルチプレクサの選択信号の作動とA
D変換器の出力データの変化で発生した雑音は十分に減
衰しているため、次のサンプリングに悪影響を及ぼさな
い。また、上記のように10系統のマルチプレクサ、A
D変換器の切り換えを同期して行っているため、ある系
統の切換ノイズが他の系統に侵入して悪影響を及ぼすこ
ともない。
で多重化をした場合のノイズを防止するためこのソナー
装置では斜め階段状のサンプリングタイミングを採用し
ている。
処理回路20に入力される。平均処理回路20は、各エ
レメント毎に、0°サンプリングデータと180°サン
プリングデータ、および、90°サンプリングデータと
270°サンプリングデータの対で平均処理を行う。送
信周波数(反射エコー周波数)と同じクロックでタイミ
ングを設定されたサンプリングデータであるため、0°
サンプリングデータと180°サンプリングデータ、お
よび、90°サンプリングデータと270°サンプリン
グデータは、それぞれ殆ど同じ振幅レベルで極性が異な
る値になっているはずである。したがって、(0°サン
プリングデータ−180°サンプリングデータ)/2の
平均処理を行うことにより、DCオフセット成分をキャ
ンセルした0°サンプリングデータ(実部データR)を
算出することができる。なお、DCオフセット成分は、
正負非対称でのAC結合やAD変換器のオフセット誤差
によって発生するものである。また、90°サンプリン
グデータと270°サンプリングデータについても、
(90°サンプリングデータ−270°サンプリングデ
ータ)/2の平均処理を行うことにより、DCオフセッ
ト成分をキャンセルした90°サンプリングデータ(虚
部データI)を算出することができる。これら実部デー
タRと虚部データIを複素サンプリングデータとして出
力する。
プリングデータのタイミングを示す図である。平均処理
回路20が出力するサンプリングデータは、同図折線a
に示すような斜め階段状のサンプリング時刻のものであ
る。すなわち、0°、90°、180°、270°の4
回サンプリングしているが、180°サンプリングデー
タ、270°サンプリングデータはDCオフセット成分
を除去するために用いられ、90°サンプリングデータ
は虚部データとして用いられるため、結局は0°サンプ
リングデータのタイミングの複素サンプリングデータと
して演算処理部3に入力される。
バ等で結合された高速リンクにより船室の演算処理部3
に伝送される。なお、送受信部2のAD変換器19以後
はデジタル処理であるため、サンプリングデータの伝送
タイミングがこの同図の階段状折線aのタイミングに正
確に一致している必要はなく、以下の演算処理がリアル
タイムに実行できるように送受信部2から演算処理部3
に入力されればよい。すなわち、階段状のサンプリング
データのうち、たとえばエレメント0のデータ〜エレメ
ント9のデータは同タイミングのものであるが、送受信
部2から演算処理3への伝送はシリアルに行われ、演算
処理部3の処理においてこれらのデータが同タイミング
のものとして処理される。
12は、1.5°間隔で160個のエレメントを有する
中心角238.5°の円筒形状になっているが、受波ビ
ームの形成には、ビーム方向を中心とする約90°の範
囲の60エレメントが使用される。エレメント0〜エレ
メント59で受波ビームを形成する場合、ビーム方向
は、エレメント29,エレメント30間の方向であり、
この方向を0°とすると、エレメント0は、44.25
°の方向になり、エレメント59は、−44.25°の
方向になる。
で受波ビームを形成し、これを右から左にスキャンす
る。すなわち、エレメント0〜エレメント59で形成す
る受波ビーム(ビーム0)からエレメント100〜エレ
メント159で形成する受波ビーム(ビーム100)ま
での101の受波ビームを連続して形成する。
サ12は、半径が125mmであるため、ビーム方向に
対して一番前のエレメント29,30と、一番後ろのエ
レメント0,59とは約7.5波長分の距離がある。す
なわち、 125×(1−√1/2)/(1500/320)≒
7.5 である。
は、送信トランスデューサ11から送信するバースト波
のパルス幅を6波長程度に短かくし探査精度の向上を図
っている。このため、反射エコーのパルス幅も短くな
り、反射エコーが受波ビーム形成用の60のエレメント
に同時に掛からない。そこで、演算処理部3では、2ス
キャン周期分(前回と今回)のサンプリングデータを用
いることで全てのエレメントで反射エコーを受信して受
波ビームを形成できるようにしている。すなわち、スキ
ャン周期は4波長ごとであり、前回のサンプリングから
今回のサンプリングまでの間に反射エコーは4波長の距
離を進んでいるため、反射エコーの長さが6波長であっ
ても、6λ+4λの範囲に反射エコーがかかることにな
り、7.5波長の距離をカバーすることができる。
ント0〜エレメント9、エレメント53〜エレメント5
9)と前の方のグループ2(エレメント10〜エレメン
ト52)に分け、反射エコーが遅く到達するグループ1
については今回のスキャン周期にサンプリングしたデー
タを用い、反射エコーが速く到達するグループ2につい
ては今回のスキャン周期から4波長前の時間帯にサンプ
リングされた前回のスキャン周期のサンプリングデータ
を用いてビーム形成を行う。
プリングデータを斜め階段状サンプリングの場合のグル
ープ分けであり、同タイミングのデータをサンプリング
した場合には、グループ1がエレメント0〜エレメント
8およびエレメント51〜エレメント59、グループ2
がエレメント9〜エレメント50となる。
2の構成を示す図である。ビーム形成部22は60点の
複素マッチドフィルタによって受波ビームの形成を行う
回路である。このビーム形成部は、従来のマッチドフィ
ルタである60段のシフトレジスタ51,61に加えて
107段のシフトレジスタ52,62、43段のシフト
レジスタ53,63を備えている。シフトレジスタ5
1,52,53およびシフトレジスタ61,62,63
は、それぞれ別々に縦列接続されている。
すなわち複素サンプリングデータの実部データが入力さ
れ、この0°サンプリングデータは、シフトレジスタ5
1の入力端子に入力される。また、前段の受信部から9
0°サンプリングデータすなわち複素サンプリングデー
タの虚部データが入力され、この90°サンプリングデ
ータは、シフトレジスタ61の入力端子に入力される。
60段のシフトレジスタ51,61の後端に今回のサン
プリングサイクルのエレメント59のサンプリングデー
タが入力されたとき、ビーム番号0のビームが形成され
る。次に、1シフトし、後端にエレメント60のサンプ
リングデータが入力されたときビーム番号1のビームが
形成される。このように、ビーム番号を+1するとき
に、サンプリングデータのみ1シフトし、乗算器の係数
(CRn、CInで表示)は固定でよい。
で、窓処理の重み付け、サンプリングタイミング差、素
子位置と音速の関係を補正する係数である。マッチドフ
ィルタは全体として、各素子の受信信号のベクトルを合
わせるように加算することでビームを形成する。ここ
で、60段のシフトレジスタ51,61は、エレメント
0〜エレメント9、エレメント53〜エレメント59の
サンプリングデータの出力タップを有し、43段のシフ
トレジスタ53,63では、エレメント10〜エレメン
ト52のサンプリングデータの出力タップを有してい
る。
プリングデータの実部データは、60段のシフトレジス
タ51、107段のシフトレジスタ52、43段のシフ
トレジスタ53に順次入力される。また、90°サンプ
リングデータは、60段のシフトレジスタ61、107
段のシフトレジスタ62、43段のシフトレジスタ63
に順次入力される。
ングデータ(実部データ)を示し、RNnは今回のスキャ
ン周期でサンプリング入力されたデータ、ROnは前回の
スキャン周期でサンプリング入力されたデータを示す。
また、INn、IOnは90°サンプリングデータ(虚部デ
ータ)であり、INnは今回のスキャン周期でサンプリン
グ入力されたデータ、IOnは前回のスキャン周期でサン
プリング入力されたデータを示す。そして、CRn、CIn
は、複素マッチドフィルタのリファレンス係数を示し、
CRnはリファレンスの実部係数、CInはリファレンスの
虚部係数を示す。添字の数字はビーム中のエレメント番
号である。なお、同図において、乗算されるリファレン
ス係数CRn、CInおよびサンプリングデータRNn,
ROn,INn,IOnには、ともに0〜59の番号が付され
ており、このうちリファレンス係数C Rn、CInは0〜5
9の番号で示される固定された値であるが、サンプリン
グデータRNn,ROn,INn,IOnには、シフトレジスタ
に順次入力されるエレメント0〜159のデータが、順
次割り当てられる。このとき、n=29,30に割り当
てられたエレメントの方向をビーム方向として受波ビー
ムが形成される。
IR、RI、IIの4系列からなっている。RRは、R
Nn,ROn(実部データ)、とCRn(実部係数)との相関
度を算出するフィルタであり、60個の乗算器55がリ
ファレンス係数CRnと、そのタイミング(ビーム方向)
で対応する0°サンプリングデータとの乗算を行い、加
算器56がその乗算結果を加算する。また、I・Iは、
INn,IOn(虚部データ)、とCIn(虚部係数)との相
関度を算出するフィルタであり、60個の乗算器57が
リファレンス係数CInと、そのタイミング(ビーム方
向)で対応する90°サンプリングデータとの乗算を行
い、加算器58がその乗算結果を加算する。加算器55
の加算結果すなわちRR系統のフィルタ出力(RR)お
よびII系統のフィルタ出力(II)は減算器71に入
力され(RR)−(II)の演算が行われ、複素サンプ
リングデータの実部と複素リファレンス係数の実部との
位相の相関値が算出される。すなわち、
の相関が算出される。
タ)、とCRn(実部係数)との相関度を算出するフィル
タであり、60個の乗算器65がリファレンス係数CRn
と、そのタイミング(ビーム方向)で対応する90°サ
ンプリングデータとの乗算を行い、加算器66がその乗
算結果を加算する。また、R・Iは、RNn,ROn(実部
データ)、とCIn(虚部データ)との相関度を算出する
フィルタであり、60個の乗算器67がリファレンス係
数CInと、そのタイミング(ビーム方向)で対応する0
°サンプリングデータとの乗算を行い、加算器68がそ
の乗算結果を加算する。加算器65の加算結果すなわち
IR系統のフィルタ出力(IR)およびRI系統のフィ
ルタ出力(RI)は加算器72に入力され(IR)+
(RI)の演算が行われ、複素サンプリングデータの実
部と複素リファレンス係数の実部との位相の相関値が算
出される。すなわち、上記〔数1〕の演算が実行され
る。
は、振幅検出部73に入力される。振幅検出部73は、
この演算結果に基づいて受波ビームの振幅を求める。こ
の振幅は、(I2 +Q2 )1/2 で求めることができ、ハ
ード処理する場合は、テーブルや近似処理する回路など
を用いればよい。取出回路74は、図8に示すように受
信トランスデューサの全周に素子がないために必要にな
る回路で、シフトレジスタのクロックの59〜159の
101ビームを取り出す。この101ビームは、上記し
たようにエレメント29−30間方向のビーム0からエ
レメント129−130間方向のビーム100までの1
01個のビームである。
0°サンプリングデータが円周に沿った同タイミングの
データの場合、マッチドフィルタは、60段のシフトレ
ジスタ51,61の前30段と後30段で対称となり、
シフトレジスタを中央で折り返すようにして加算後に乗
算するようにすれば乗算器の数を1/2にできる。これ
は43段シフトレジスタにも適用することができ、この
場合、同時サンプリングであるため、n=9〜50の4
2段シフトレジスタとなる。
ランスデューサを用いたビーム形成部の他の実施形態を
示す図である。図11のマッチドフィルタをハード回路
で実現すると、サンプリングデータと係数との乗算部分
が一番大きく、乗算器の時分割使用が必要である。図1
1のビーム形成部では実際に受波ビームを形成できない
時間範囲(n=0〜59の範囲にデータの不連続点(エ
レメント159−エレメント0)が存在する時間範囲)
であってもフィルタ演算を行い、取出回路74でこのデ
ータを捨てていたが、図12のビーム形成部では、図1
1のビーム形成部に並列ロードシフトレジスタを追加す
ることにより、上記無駄な演算をなくし、必要な乗算お
よび加算の回数を減らすことで、回路規模を軽減を可能
にしている。図11のビーム形成部では、RR,IR,
RI,IIの4つの複素マッチドフィルタの240個の
乗算を、1秒間にスキャン周期(320kHz/4)×
データシフト回数(160)=12800000回実行
する必要があったが、図12のビーム形成部ではフィル
タ演算の回数が実際にビームを形成する101回でよい
ため、1秒当たりの演算回数を(320kHz/4)×
101=8080000回に軽減することができる。
示したビーム形成部に追加した構成部は、並列ロード1
60段シフトレジスタ81,84、並列ロード101段
シフトレジスタ82,85である。図12の160段シ
フトレジスタ80,83は、図11の、60段シフトレ
ジスタ51,61と107段シフトレジスタ52,62
をそれぞれ連結したものと等価である。
データ、90°サンプリングデータは、それぞれ160
段シフトレジスタ80、160段シフトレジスタ83に
入力され、RN0,IN0が160段の一番奥に転送され、
RN0〜RN159、IN0〜IN159の160個のデータが揃っ
た時点(4波長ごとに発生)で、このデータ列が並列ロ
ード160段シフトレジスタ81および並列ロード16
0段シフトレジスタ84に並列ロードされる。
並列ロード101段シフトレジスタ85は、それぞれ並
列ロード160段シフトレジスタ81、並列ロード16
0段シフトレジスタ84に接続されている。160段シ
フトレジスタ80,83から並列ロード160段シフト
レジスタ81,84にデータがロードされるタイミング
と同じタイミングに、並列ロード160段シフトレジス
タ81,84から並列ロード101段シフトレジスタ8
2,85に(1スキャン周期前の)データがロードされ
る。なお、この構成では、0°サンプリングデータ、9
0°サンプリングデータが入力されはじめたのち、これ
が2周するまで(8波長分)ビーム形成できないが、極
近距離であるため全く問題ない。
ドシフトレジスタのシフトを101回ずつ行う。この処
理は次の並列ロードのタイミングまでに終わっていれば
よい。このようにして、無駄なビーム形成演算をなくす
ことで、1つの乗算器で時分割できる乗算の数を増やす
ことができ、全体規模の縮小ができる。
ッチドフィルタの係数Cを固定としたが、受波ビームの
形成中に係数Cを連続に変更し、ビームのフォーカスを
変更できるようにしてもよい(ダイナミックフォーカ
ス)。ダイナミックフォーカスにすれば、特に近距離の
ビーム形成の性能を改善することができる。
の実施形態およびその動作を示す図である。この実施形
態のビーム形成部は、図12のビーム形成部のシフトレ
ジスタの多くをRAMに置き換えたものである。図13
はその構成図である。この実施形態では、1つの処理回
路が並列処理できるデータ数が16であることから、ビ
ームを形成する60個のサンプリングデータを14、1
6、16、14に4分割して処理する。このうち中央の
16サンプリングデータ+16サンプリングデータは早
くビームが到達するため古いスキャン周期のデータを用
い、左右周辺の14サンプリングデータ+14サンプリ
ングデータは遅くビームが到達するため新しいスキャン
周期のデータを用いる。
16段シフトレジスタ91、92および並列ロード16
段シフトレジスタ95、96が設けられ、これらに対応
するフィルタ係数を記憶した係数レジスタ105、10
6、マッチドフィルタの演算を実行する演算部101、
102が設けられている。また、周辺の14+14サン
プリングデータ用に14段シフトレジスタ90、93お
よび並列ロード14段シフトレジスタ94、97が設け
られ、これらに対応するフィルタ係数を記憶した係数レ
ジスタ104、107、マッチドフィルタの演算を実行
する演算部100、103が設けられている。そして、
演算部100〜103の演算結果を加算する加算部10
8が設けられている。
について1系統しか示していないが、各構成部は、サン
プリングデータの実部、虚部に合わせてそれぞれ2系統
あり、演算部100〜103は、データの実部×係数の
実部、データの実部×係数の虚部、データの虚部×係数
の実部、データの虚部×係数の虚部の4回の演算をす
る。
レジスタには移相器21、RAM−1、RAM−2から
サンプリングデータが供給される。なお、RAM−0
は、移相器21から入力される最新のサンプリングデー
タをバッファするRAMであり、エレメント14〜エレ
メント159の146個のデータを記憶する領域を有す
るものである。なお、RAM−1、RAM−2も同様に
エレメント14〜エレメント159の146個のデータ
を記憶する領域を有している。エレメント0〜エレメン
ト13のデータはシフトレジスタに直接ロードされるた
め、RAMは不要である。詳細は後述する。
成部の動作を説明する。移相器21は、階段状のサンプ
リングデータを斜め連続サンプリングデータに移相す
る。1スキャン分のデータすなわちエレメント0のデー
タからエレメント159のデータは、ページデータとし
て順次RAM0および14段シフトレジスタ90および
14段シフトレジスタ93に入力される。
ャンのエレメント13〜エレメント0のサンプリングデ
ータが入力される。14段シフトレジスタ93には新し
いスキャンのエレメント159〜エレメント146のサ
ンプリングデータが入力される。また、16段シフトレ
ジスタ91には古いスキャンのエレメント14〜エレメ
ント29のサンプリングデータが入力される。16段シ
フトレジスタ92には古いスキャンのエレメント30〜
エレメント45のサンプリングデータが入力される。こ
こで、図14、図15において、古いスキャンのデータ
を0−n(n=0〜159)と記述し、新しいスキャン
のデータを1−n(n=0〜159)と記述する。
4(A))、各シフトレジスタ90〜93から並列ロー
ドシフトレジスタ94〜97にデータがロードされる
(図14(B))。並列ロードシフトレジスタ94〜9
7にデータがロードされると、このデータは演算部10
0〜103に供給されるため、このデータに基づいてビ
ームが形成される。同図(B)の場合にはエレメント0
〜エレメント59を用いたビーム番号0のビーム(ビー
ム0)が形成される。このとき、バッファであったRA
M−0のデータは新しいスキャンデータを格納するRA
M−1に転送され、それまでRAM−1に格納されてい
たデータは古いスキャンデータを格納するRAM−2に
転送される。
94〜97のデータが1つずつシフトされてゆき、ビー
ム番号1(ビーム1)〜ビーム番号100(ビーム10
0)のビームが形成される。図15(A)は、図14
(B)の状態から1つだけサンプリングデータがシフト
された状態を示している。このデータのセットでビーム
1が形成される。
図15(B)のように並列ロードシフトレジスタ97に
1−159〜1−146のサンプリングデータがセット
され、並列ロードシフトレジスタ96に0−145〜0
−130のサンプリングデータがセットされ、並列ロー
ドシフトレジスタ95に0−129〜0−114のサン
プリングデータがセットされ、並列ロードシフトレジス
タ94に1−113〜1−100のサンプリングデータ
がセットされると、これらのデータがビーム100が形
成される。
ータセットとなり、ビーム形成ができないが、このと
き、RAM−0、14段シフトレジスタ90、93に
は、次の新たなスキャンのデータ2−n(n=0〜15
9)が入力されており、16段シフトレジスタ91、9
2には、RAM−1から1−45〜1−30、1−29
〜1−14のデータが入力されている。すなわち、これ
らのデータは次のスキャンのビーム0のデータセットで
ある。
ロードすることにより、次のスキャンのビーム0を形成
することができ、図14(A)→(B)→図15(A)
→(B)→図14(A)の手順を繰り返してゆくこと
で、不連続なデータセットをスキップしてビーム形成に
有効なデータセットのみを並列ロードシフトレジスタ9
4〜97にセットすることができる。
ばせるダイナミックフォーカスを行うため、係数レジス
タ104〜107にセットされる係数は、ビーム形成を
開始してからの時間すなわちビームの距離に応じて一斉
に書き換えられる。
RAM−0→RAM−1→RAM−2とデータを転送す
るとしているが、実際には、書込アドレス、読出アドレ
スを変更することで対応し、データの転送は行わない。
が切りかかれた円筒形アレイについて説明しているが、
全周にエレメントを備えた完全に円筒形のトランスデュ
ーサにこの発明を適用することもできる。
受波ビームを形成するマッチドフィルタを備えたビーム
形成部の例を示す図である。このビーム形成部は、図3
で説明した原理を具体化したものである。このマッチド
フィルタを、図6の海底探査ソナーにおいて受信用のト
ランスデューサとして直線状の超音波振動子アレイを用
いた場合、同図のビーム形成部22としてこのビーム形
成部を用いればよい。
では階段状のサンプリングデータをそのまま用いるた
め、図6の移相器21は不要である。ただし、サンプリ
ングデータを斜め等間隔サンプリングに移相して入力す
るなどの場合には移相器を用いればよい。
複数のスキャン周期に跨がるサンプリングデータ列〜
サンプリングデータ列を作るために必要で、例えばデ
ュアルポートRAMで構成される。図3ようにサンプリ
ングデータ列を作成する場合、スキャン周期N+8のサ
ンプリングデータをバッファRAMに書き込み、スキャ
ン周期N−7〜スキャン周期N+7のデータを読み出し
てサンプリングデータ列〜サンプリングデータ列の
データを作るように動作する。したがって、バッファR
AM90の容量は、16スキャン周期以上のサンプリン
グデータ(スキャン周期N−7〜スキャン周期N+7で
15スキャン周期分、スキャン周期N+8で1スキャン
周期分)を記憶する容量が必要である。
0のデータの書き込み、読み出し、マッチドフィルタ部
92〜96へのデータ転送を制御する。マッチドフィル
タ部92〜96は、それぞれサンプリングデータ列〜
サンプリングデータ列に対応しており、対応する範囲
のビーム方向(ビーム番号)のビームを形成する。な
お、入力されるサンプリングデータおよびマッチドフィ
ルタの係数はそれぞれ複素数であり、図17のサンプリ
ングデータ部と係数部の破線は、それぞれのデータが複
素データであることを示している。また、サンプリング
データ部は処理の高速化のためダブルバッファ方式をと
ることが多いが、図17では説明を簡略化するためこれ
を省略している。
成するサンプリングデータ列のマッチドフィルタ部9
2について説明する。係数メモリ100には、ビーム0
〜ビーム9のビームを形成するための、マッチデータ
(フィルタ係数)が蓄えられている。係数選択回路10
1は、外部から入力されるビーム番号に応じ、このビー
ム番号に対応するフィルタ係数を係数メモリ100から
読み出して乗算器群102に供給する。サンプリングデ
ータレジスタ103は、書込/読出回路91から入力さ
れたエレメント0〜エレメント79の所定のスキャン周
期のサンプリングデータを記憶する。このサンプリング
データは、図3に示すサンプリングデータ列のサンプ
リングデータである。サンプリングデータレジスタ10
3はこのデータを乗算器群102に供給する。乗算器群
102は、供給されたサンプリングデータとフィルタ係
数とを乗算して加算器104に入力する。加算器104
は、各乗算器の乗算結果を加算して実数部、虚数部毎の
加算値を算出する。振幅検出回路105は、この加算値
を用い、(I2 +Q2 )1/2 の演算を実行して振幅を算
出する。そしてこの振幅値を遅延回路106で2波長遅
延して指定されたビーム番号のビーム方向の受信振幅出
力として出力する。
号毎にサンプリングデータ列〜について行えば、ビ
ーム0〜ビーム79の振幅出力が得られる。また、この
ビーム形成部においても、マッチデータをビーム形成中
に連続に変更できるようにしておけばダイナミックフォ
ーカスが可能となる。
6に2波長の遅延回路が必要な理由は、図3の例ではサ
ンプリングデータ列、サンプリングデータ列、サン
プリングデータ列の方が、サンプリングデータ列、
サンプリングデータ列よりも2波長分進むため、サン
プリングデータ列、サンプリングデータ列、サンプ
リングデータ列を2波長遅らせるためである。これは
図3に示すように、サンプリングデータ列の階段数が偶
数(8段)であるため、サンプリングデータ列の中心が
階段の段と段の中間になり、階段の傾斜によってサンプ
リングデータ列の中心が2波長分ずれることがあるため
である。
列、サンプリングデータ列に入力するデータを1ス
キャン周期(4波長)進ませることができ、この場合は
サンプリングデータ列、サンプリングデータ列の方
に2波長遅延を入れる。なお、斜め階段状のサンプリン
グデータ列の段数を奇数とした場合には、全てのサンプ
リングデータ列の中心を同じスキャン周期に揃えること
ができるため、2波長遅延は不要になる。
延・移相処理によってサンプル面を変更したのちDFT
により受波ビームを形成する演算処理部のブロック図で
ある。この演算処理部は、図5で説明した原理を具体化
したものであり、図6の海底探査ソナーにおいて受信用
のトランスデューサとして直線状の超音波振動子アレイ
を用い、マッチドフィルタを用いずにビームを形成する
場合には、同図の演算処理部3としてこの演算処理部を
用いればよい。この場合、後述の0°サンプルデータ生
成回路113、+45°サンプルデータ生成回路11
4、−45°サンプルデータ生成回路115が移相器2
1に対応し、DFT回路119,120,121がビー
ム形成部22に対応する。
12は、送受信部2から入力される0°サンプリングデ
ータと90°サンプリングデータをバッファリングす
る。このサンプリングデータは、図2に示した階段状の
斜めサンプリングデータ、図8に示した全エレメントの
同時サンプリングデータ、連続斜めサンプリングデータ
などどのような時系列データでもよい。バッファRAM
は、通常のSRAM、デュアルポートSRAMなどで構
成される。バッファRAM111、112は、図5に示
すように、リニアアレイに対して0°、+45°、−4
5°の傾斜のサンプリング面を形成するためN−5〜N
+5の11のスキャン周期分の記憶エリアを備える。す
なわち、+45°または−45°の傾斜のサンプリング
面を形成するためにN−5〜N+4の10のサンプリン
グデータ列を使用し、N+5のエリアには入力されたサ
ンプリングデータが書き込まれる。
ッファRAM111、112に記憶されているスキャン
周期Nのサンプリングデータ列を読み込み、これが階段
状嘗めサンプリングデータや連続斜めサンプリングデー
タである場合には、各サンプリングデータを移相して同
時サンプリングのサンプリングデータ列に変換してバッ
ファRAM117に書き込む。また、バッファRAM1
11、112に記憶されているサンプリングデータ列が
同時サンプリングデータの場合には、これをそのまま出
力してバッファRAM117に書き込む。
は、バッファRAM111、112に記憶されているス
キャン周期N−5〜N+4のサンプリングデータ列を読
み込む。このとき、各スキャン周期のうち図5の太線に
示すサンプリングデータ列のみを読み込めばよい。そし
て、各スキャン周期のサンプリングデータ列毎に斜めに
移相し、全てを連続して図5に示すような−45°のサ
ンプリング面の連続サンプリングデータを生成する。す
なわち、あたかもリニアアレイが−45°の方向に向い
ているかのようなサンプリングデータ列を生成する。そ
してこのサンプリングデータ列をバッファRAM118
に書き込む。なお、バッファRAM111、112から
入力したサンプリングデータ列が階段状の斜めサンプリ
ングデータ、同時サンプリングデータ、連続斜めサンプ
リングデータのいずれであってもそのサンプリングタイ
ミングを補正する遅延・移相の係数を用いればよい。
は、バッファRAM111、112に記憶されているス
キャン周期N−5〜N+4のサンプリングデータ列を上
記−45°サンプリング面生成回路115とは逆方向に
読み込み、図5に示すような+45°のサンプリング面
の連続サンプリングデータを生成する。そしてこのサン
プリングデータ列をバッファRAM117に書き込む。
期Nからスキャン周期N+1までの間は、スキャン周期
Nのサンプリングデータを用いるようにしているが、中
間よりもスキャン周期Nのタイミングによっているとこ
ろはスキャン周期Nのデータを用い、スキャン周期N+
1のタイミングによっているところはスキャン周期N+
1のデータを用いるようにしてもよい。また、スキャン
周期Nからスキャン周期N+1までの間はスキャン周期
Nのサンプリングデータとスキャン周期N+1のサンプ
リングとで補間するようにしてもよい。
のサンプリングデータ列をDFTし、0°近辺(正面方
向)のビーム形成を実行する。DFT回路120は、+
45°サンプリング面のサンプリングデータ列をDFT
し、+45°近辺(斜め左方向)のビーム形成を実行す
る。DFT回路121は、−45°サンプリング面のサ
ンプリングデータ列をDFTし、−45°近辺(斜め右
方向)のビーム形成を実行する。これらDFT回路11
9、120、121が形成する受波ビームを組み合わせ
ることによって全方向について受波ビームをスキャンす
ることができる。
は分担を明確にするために分けたもので、高速DSPな
どを用いて処理能力が十分であれば、分離せずに1つの
処理回路で行うようにしてもよい。
列の形成角度を0°、+45°、−45°としたが、生
成する時系列データ数とその角度はビーム幅の範囲、最
小受信パルス幅に応じて最適化すればよい。
ス信号であっても全超音波振動子にわたって受波ビーム
の形成をすることができるため、ビームの指向性や感度
を改善でき、ソナー装置に適用した場合には距離分解能
を改善することができる。
場合の例を示す図である。
場合の例を示す図である。
場合の例を示す図である。
補間データを生成した場合の例を示す図である。
場合の例を示す図である。
ロック図である。
け形態および送波ビーム,受波ビームを示す図である。
成を示す図である。
タイミングチャートを示す図である。
説明する図である。
である。
Mを用いた例を示す図である。
る。
用いた場合のビーム形成部の構成例を示す図である。
用い、DFT演算によってビーム形成幅を広げたビーム
形成部の例を示す図である。
図である。
図である。
Claims (20)
- 【請求項1】 円弧状に配列された複数の超音波振動子
を、受波ビーム形成方向における位置に応じて複数のブ
ロックに分割し、 各超音波振動子が受信した信号の各々を、所定のスキャ
ン周期で繰り返しサンプリングし、 各ブロック毎にそれぞれ別のスキャン周期のサンプリン
グデータを選択し、 選択されたサンプリングデータに基づいて受波ビームを
形成する受波ビーム形成方法。 - 【請求項2】 前記複数の超音波振動子が受信する信号
は、前記円弧状に配列された複数の超音波振動子の受波
ビーム形成方向における長さよりも短いパルス信号であ
る請求項1に記載の受波ビーム形成方法。 - 【請求項3】 前記複数の超音波振動子が受信する信号
は、徐々に振幅が大きくなってゆく増加波または徐々に
振幅が小さくなってゆく減衰波である請求項1に記載の
受波ビーム形成方法。 - 【請求項4】 円周状に配列された複数の超音波振動子
から一部円弧状の超音波振動子を選択して、請求項1に
記載の円弧状に配列された複数の超音波振動子とし、前
記一部円弧状の超音波振動子の選択を順次切り換えるこ
とにより受波ビーム形成方向を回転させる受波ビーム形
成方法。 - 【請求項5】 線状に配列された複数の超音波振動子を
複数のブロックに分割し、 各超音波振動子が受信した信号の各々を、所定のスキャ
ン周期で繰り返しサンプリングし、 各ブロック毎にそれぞれ別のスキャン周期のサンプリン
グデータを選択し、 選択されたサンプリングデータに基づいて所定方向に受
波ビームを形成する受波ビーム形成方法。 - 【請求項6】 前記複数の超音波振動子が受信する信号
は、前記線状に配列された複数の超音波振動子の前記所
定方向から見た奥行きよりも短いパルス信号である請求
項5に記載の受波ビーム形成方法。 - 【請求項7】 前記複数の超音波振動子が受信する信号
は、徐々に振幅が大きくなってゆく増加波または徐々に
振幅が小さくなってゆく減衰波である請求項5に記載の
受波ビーム形成方法。 - 【請求項8】 前記受波ビーム形成方向の前記線状に配
列された複数の超音波振動子に対する角度に応じて各ブ
ロック毎のスキャン周期の選択を変更する請求項5、請
求項6または請求項7に記載の受波ビーム形成方法。 - 【請求項9】 線状に配列された複数の超音波振動子が
受信した信号を所定のスキャン周期でサンプリングした
サンプリングデータを入力し、 該サンプリングデータを複数スキャン周期分記憶し、 前記複数の超音波振動子を複数のブロックに分割し、各
ブロック毎にそれぞれ別のスキャン周期のサンプリング
データを読み出し、 各サンプリングデータを移相することによって、所定の
サンプリング面の連続したサンプリングデータ列を形成
し、 該サンプリングデータを用いて所定方向に受波ビームを
形成する受波ビーム形成方法。 - 【請求項10】 円弧状に配列された複数の超音波振動
子を有する受信トランスデューサの各超音波振動子が受
信したエコー信号を、該超音波振動子の数よりも少ない
系統に多重化するマルチプレクサと、 各系統において各超音波振動子のエコー信号の各々を、
所定のスキャン周期で繰り返しサンプリングして複素サ
ンプリングデータを出力するAD変換器と、 前記複数の超音波振動子を受波ビーム形成方向における
位置に応じて複数のブロックに分割し、各ブロック毎に
それぞれ別のスキャン周期のサンプリングデータを選択
し、選択された各複素サンプリングデータを用いて前記
受波ビーム形成方向の受波ビームを形成する信号処理部
と、 を備えた受波ビーム形成装置。 - 【請求項11】 前記受信トランスデューサは、円周状
に配列された複数の超音波振動子からなり、 前記信号処理部は、一部円弧状の超音波振動子を選択し
て前記円弧状に配列された複数の超音波振動子とし、前
記一部円弧状の超音波振動子の選択を順次切り換えるこ
とにより受波ビーム形成方向を回転させる請求項10に
記載の受波ビーム形成装置。 - 【請求項12】 円周状に配列された複数の超音波振動
子から一部円弧状の超音波振動子を選択し、該円弧の中
心方向の受波ビーム形成を形成するマッチドフィルタで
あって、 「前記円周状に配列された複数の超音波振動子の個数×
(n−1)+前記一部円弧状の超音波振動子の個数」の
段数を有し、前記円周状に配列された複数の超音波振動
子から順次複数のスキャン周期分入力される信号列を、
第n周期の信号列、第n−1周期の信号列、…、第2周
期の信号列、第1周期のうち前記前記一部円弧状の信号
列、の順に記憶するシフトレジスタと、 前記一部円弧状の超音波振動子を前記受波ビーム形成方
向における位置に応じてn個のブロックに分割し、ビー
ム方向に最も近いブロックの超音波振動子の信号は第n
周期の信号列から取り出し、ビーム方向に2番目に近い
ブロックの超音波振動子の信号は第n−1周期の信号列
から取り出し、…、ビーム方向から2番目に遠いブロッ
クの超音波振動子の信号は第2周期の信号列から取り出
し、ビーム方向から最も遠いブロックの超音波振動子の
信号は第1周期の信号列から取り出して、それぞれ対応
する係数を乗算する複数の乗算器と、 各乗算器の乗算結果を加算して相関データとして出力す
る加算器と、 を備えたマッチドフィルタ。 - 【請求項13】 一部切欠円周状に配列された複数の超
音波振動子から一部円弧状の超音波振動子を選択し、該
円弧の中心方向の受波ビーム形成を形成するマッチドフ
ィルタであって、 前記一部切欠円周状に配列された複数の超音波振動子の
段数を有するn個のシフトレジスタ、および、前記一部
円弧状の超音波振動子の段数を有するシフトレジスタを
並列に接続して、前記一部切欠円周状に配列された複数
の超音波振動子から順次複数のスキャン周期分入力され
る信号列を、第n+1周期の信号列、第n周期の信号
列、第n−1周期の信号列、…、第2周期の信号列、第
1周期のうち前記前記一部円弧状の超音波振動子の信号
列、の順に各スキャン周期の信号列毎に各シフトレジス
タ間を並列にロードしながら記憶し、 前記一部円弧状の超音波振動子を前記受波ビーム形成方
向における位置に応じてn個のブロックに分割し、ビー
ム方向に最も近いブロックの超音波振動子の信号は第n
周期の信号列から取り出し、ビーム方向に2番目に近い
ブロックの超音波振動子の信号は第n−1周期の信号列
から取り出し、…、ビーム方向から2番目に遠いブロッ
クの超音波振動子の信号は第2周期の信号列から取り出
し、ビーム方向から最も遠いブロックの超音波振動子の
信号は第1周期の信号列から取り出して、それぞれ対応
する係数を乗算する複数の乗算器と、 各乗算器の乗算結果を加算して相関データとして出力す
る加算器と、 を備えたマッチドフィルタ。 - 【請求項14】 前記複数の超音波振動子から入力され
る信号列は複素サンプリングデータ列であり、 前記シフトレジスタを信号列の実数部データ用および虚
数部データ用に2系統備え、 前記複数の乗算器および加算器を、実数部データ×実数
部係数用、虚数部データ×虚数部係数用、実数部データ
×虚数部係数用、虚数部データ×実数部係数用の4系統
備え、 実数部データ×実数部係数の加算結果および虚数部デー
タ×虚数部係数の加算結果を減算することによって相関
値の実数部を割り出し、実数部データ×虚数部係数の加
算結果および実数部データ×虚数部係数の加算結果を加
算することによって相関値の虚数部を割り出す出力部
と、 を備えた請求項12または請求項13に記載のマッチド
フィルタ。 - 【請求項15】 それぞれ異なる距離に受波ビームの焦
点が結ぶよう前記係数を複数組備えた請求項12、請求
項13または請求項14に記載のマッチドフィルタ。 - 【請求項16】 線状に配列された複数の超音波振動子
が受信した信号を所定のスキャン周期でサンプリングし
たサンプリングデータを入力し、該サンプリングデータ
を複数スキャン周期分記憶する記憶手段と、 前記複数の超音波振動子を複数のブロックに分割し、各
ブロック毎にそれぞれ別のスキャン周期のサンプリング
データを前記記憶手段から読み出し、読み出した各サン
プリングデータを用いて所定方向に受波ビームを形成す
るビーム形成手段と、 を備えた受波ビーム形成装置。 - 【請求項17】 前記受波ビーム形成方向の前記線状に
配列された複数の超音波振動子に対する角度に応じて各
ブロック毎のスキャン周期の選択を変更する請求項16
に記載の受波ビーム形成装置。 - 【請求項18】 前記ビーム形成手段は、読み出した各
サンプリングデータと所定の係数とを乗算することによ
って所定方向に受波ビームを形成するマッチドフィルタ
であり、 該マッチドフィルタは、それぞれ異なる距離に受波ビー
ムの焦点が結ぶ複数組の係数を備えた請求項16または
請求項17に記載の受波ビーム形成装置。 - 【請求項19】 線状に配列された複数の超音波振動子
が受信した信号を所定のスキャン周期でサンプリングし
たサンプリングデータを入力し、該サンプリングデータ
を複数スキャン周期分記憶する記憶手段と、 前記複数のスキャン周期のサンプリングデータを移相ま
たは補間することによって、所定角度のサンプリング面
の連続したサンプリングデータ列を形成するサンプリン
グ面生成手段と、 該サンプリングデータを用いて所定方向に受波ビームを
形成するビーム形成手段と、 を備えた受波ビーム形成装置。 - 【請求項20】 複数の超音波振動子が受信した信号の
各々を、所定のスキャン周期で繰り返しサンプリング
し、 複数のスキャン周期でサンプリングしたサンプリングデ
ータに基づいて受波ビームを形成する受波ビーム形成方
法。
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