JP2001098068A - ポリエーテルエステルアミドの製造方法 - Google Patents

ポリエーテルエステルアミドの製造方法

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JP2001098068A
JP2001098068A JP27351099A JP27351099A JP2001098068A JP 2001098068 A JP2001098068 A JP 2001098068A JP 27351099 A JP27351099 A JP 27351099A JP 27351099 A JP27351099 A JP 27351099A JP 2001098068 A JP2001098068 A JP 2001098068A
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polyetheresteramide
acid
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Masato Honma
雅登 本間
Akiyoshi Tamai
晃義 玉井
Shinichi Tamura
真一 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンチモン系化合物を用いることなく重縮合
反応を行うことにより、環境汚染性が少なく、高重合度
でかつ成形品の表面外観の優れたポリエーテルエステル
アミドを短時間で効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ポリアミド形成性成分(A)とポリエー
テルエステル形成性成分(B)の混合物を、実質的にチ
タン、ケイ素および酸素の3種の元素からなる複核酸化
物の少なくとも1種の存在下で重縮合反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンチモン系化合
物を用いることなく重縮合反応を行うことにより、環境
汚染性が少なく、高重合度でかつ成形品の表面外観の優
れたポリエーテルエステルアミドを短時間で効率的に製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
を直接原料として用い、アミド形成性成分とジカルボン
酸を介してエステル結合でつなぐ方法により、ポリエー
テルエステルアミドを合成する技術が開発され、この技
術がポリアミドエラストマーの工業的製法として確立し
ている。
【0003】そして、このポリエーテルエステルアミド
の重合においては、テトラアルキルチタネートのごとき
チタン系触媒が有効であることについては、例えば特開
昭50−159586号公報、特開昭53−19997
号公報および特開昭57−90017号公報などで既に
明らかにされている。また、アンチモン系触媒が有効な
ことについても、例えば特開昭60−228532号公
報および特開平4−283233号公報などにより既に
提案されている。
【0004】しかしながら、従来知られているチタン系
触媒を使用する場合には、重合時に生成する水により失
活しやすく、重合度が十分上がらないばかりか、ポリマ
ーヘイズを高めることになり、多量に用いるとゲル状異
物を生じたり、成形品の表面外観を悪化させたり、色調
の低下を起こすなどの問題があった。加えて、重合度を
高めるために触媒を多量に用いることは、得られるポリ
マーの耐熱性を低下させることにもなるため、この点で
も問題があった。
【0005】また、アンチモン系触媒を使用する場合に
は、ポリエーテルエステルアミドへの溶解性に乏しいだ
けでなく、安全性、環境汚染性という観点からも好まし
くなく、近年ではアンチモンフリーの触媒が望まれてい
るのが実情である。
【0006】さらに、触媒活性の高いものとして、テト
ラアルキルジルコネートのようなジルコニウム系触媒も
提案されている(特開昭54−47798号公報)が、
この触媒を使用する場合には、ゲル状異物を発生しやす
く、成形品の表面外観が著しく損なわれる場合があり、
ポリエーテルエステルアミドの製造に用いる触媒として
は必ずしも満足のいくものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものであり、アンチモン系化合物を用いるこ
となく重縮合反応を行うことにより、環境汚染性が少な
く、高重合度でかつ成形品の表面外観の優れたポリエー
テルエステルアミドを短時間で効率的に製造する方法の
提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、チタン系とケイ
素系からなる複核酸化物系触媒を使用することにより、
アンチモン系化合物を用いることなく、高重合度でかつ
成形品の表面外観の優れたポリエーテルエステルアミド
が短時間で得られることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0009】すなわち、本発明のポリエーテルエステル
アミドの製造方法は、ラクタム、アミノカルボン酸およ
び実質的に当モルのジアミンとジカルボン酸の塩から選
ばれた1種もしくは2種以上のポリアミド形成性成分
(A)、および実質的に当モルのジカルボン酸とポリ
(アルキレンオキシド)グリコールとからなるポリエー
テルエステル形成性成分(B)とを溶融状態で重縮合反
応させることによりポリエーテルエステルアミドを製造
するに際し、前記重縮合反応を、実質的にチタン、ケイ
素および酸素の3種の元素からなる複核酸化物の少なく
とも1種の存在下に行うことを特徴とする。
【0010】なお、本発明のポリエーテルエステルアミ
ドの製造方法においては、前記複核酸化物のチタン/ケ
イ素のモル比率が50/50〜98/2の範囲にあるこ
と、前記複核酸化物の添加量がポリアミド形成性成分
(A)およびポリエーテルエステル形成性成分(B)の
合計100重量部に対し0.001〜10重量部である
こと、および前記重縮合反応を前記複核酸化物およびリ
ン化合物の存在下に行うことが、いずれも好ましい条件
である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリテーテルエス
テルアミドの製造方法について具体的に説明する。
【0012】本発明のポリエーテルエステルアミドは、
ハードセグメントを構成するポリアミド形成性成分
(A)と、ソフトセグメントを構成するポリエーテルエ
ステル形成性成分(B)とを、主たる金属元素がチタン
およびケイ素からなり、これに酸素元素を加えた3種の
元素からなる複核酸化物の存在下で重縮合することによ
って得られる。
【0013】ここで、ポリエーテルエステルアミドのハ
ードセグメントを構成するポリアミド形成性成分(A)
としては、ラクタム、アミノカルボン酸および実質的に
当モルのジアミンとジカルボン酸の塩から選ばれた1種
もしくは2種以上から選択される。
【0014】具体的には、カプロラクタム、エナントラ
クタム、ドデカノラクタム、ウンデカノラクタム、ω−
アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノ
カプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカ
ン酸およびヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の塩
などが挙げられるが、操業的にカプロラクタムが好まし
く用いられる。これらは、本発明の効果を損なわない範
囲であれば、2種またはそれ以上を共重合することもで
きる。
【0015】また、ポリエーテルエステルアミドのソフ
トセグメントを構成するポリエーテルエステル形成性成
分(B)とは、実質的に等モルの炭素数4〜20のジカ
ルボン酸とポリ(アルキレンオキシド)グリコールとか
らなるものである。
【0016】ここで、炭素数4〜20のジカルボン酸と
しては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ンジ酸、ドデカンジ酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,
6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン
酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシ
エタンジカルボン酸、1,4−シクロへキサンジカルボ
ン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸およびジシ
クロヘキシル−4,4−ジカルボン酸などが挙げられる
が、耐熱性、機械的強度および制電性などの観点から
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、ドデカンジ酸およびアジピン酸が好ましく用いら
れる。
【0017】ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの
具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,
2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−
プロピレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドと
プロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合
体、さらにはハイドロキノン、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルチオエーテルお
よびこれらの置換体から選択されるフェノール類とエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド
およびスチレンオキシドから選択されるアルキレンオキ
シドの重合体付加物などが挙げられるが、特に重合体の
帯電防止性の観点からは、ポリエチレングリコールが好
ましく用いられる。
【0018】本発明で使用するポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールの数平均分子量には特に制限はないが、
機械的特性の観点からは200〜5,000の範囲が好
ましく、さらには400〜2,000の範囲がより好ま
しい。
【0019】かかるジカルボン酸とポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールとは、実質的に等モルで用いること
が、高重合度ポリマーを製造する上で有利であるが、使
用するジカルボン酸の種類に応じて、仕込み比率を適宜
変更して供給することができる。
【0020】本発明において、重縮合反応に供するポリ
アミド形成性成分(A)の割合は、1〜99重量%、好
ましくは20〜80重量%の範囲であり、ポリエーテル
エステル形成性成分(B)の割合は、1〜99重量%、
好ましくは20〜80重量%の範囲である。
【0021】本発明のポリエーテルエステルアミドの製
造方法は、上記ポリアミド形成性成分(A)とポリエー
テルエステル形成性成分(B)との重縮合反応を、実質
的にチタン、ケイ素および酸素の3種の元素からなる複
核酸化物の存在下で行うものである。
【0022】ここで、複核酸化物とは、酸素とともに酸
化物を形成する主たる元素が2種類以上である化合物を
意味し、本発明で用いる複核酸化物とは、酸素原子に対
してチタンおよびケイ素の2種類の元素が結合し、酸素
を含めた3種の元素が一つの化合物を形成している化合
物である。したがって、酸化チタンと酸化ケイ素のよう
に、酸素と他の単一の元素との酸化物を単に2種類以上
混合したものは、本発明でいう複核酸化物には該当しな
い。
【0023】本発明で使用される実質的にチタン、ケイ
素および酸素の3種の元素からなる複核酸化物のチタン
(Ti)とケイ素(Si)の比率は特に限定されない
が、両者の金属のモル比率(Ti/Si)が20/80
以上であると、重縮合触媒としての活性が高く、少量で
重合可能となるため好ましい。より好ましくは、モル比
率(Ti/Si)が50/50〜98/2の範囲のもの
である。また、この複核酸化物は、1種または2種以上
を併用してもよい。
【0024】上記した複核酸化物の合成方法について
は、特に限定されないが、例えばそれぞれの金属元素を
有するアルコキシド化合物を原料として、共沈法、部分
加水分解法あるいは配位化学ゾル・ゲル法などによって
合成することができる。
【0025】ここで、共沈法とは、2種あるいはそれ以
上の成分を含有するの所定の組成の溶液を調製し、その
組成のまま加水分解反応を進行させることによって目的
の複核酸化物を得る方法である。
【0026】また、部分加水分解法とは、一方の成分を
あらかじめ加水分解した状態としておき、そこへもう一
方の成分を加えてさらに加水分解を進行させる方法であ
る。
【0027】さらに、配位化学ゾル・ゲル法とは、金属
アルコキシドなどの原料とともに、分子内に官能基を複
数持つ有機多座配位子を共存させ、両者の間で錯体を形
成させることによって、その後の加水分解反応の速度を
制御し複核酸化物を得ようとするものである。
【0028】以上のような複核酸化物の合成方法は、例
えば、上野ら、「金属アルコキシドを用いる触媒調
製」、アイピーシー(1993)などに記載されてい
る。
【0029】上記した複核酸化物の製造に用いるチタン
化合物としては、例えば、チタンイソプロピレート、チ
タンエチレートまたはチタン−tert−ブチレートな
どが挙げられる。ケイ素化合物としては、例えばオルト
ケイ酸メチル、オルトケイ酸エチルなどが挙げられる。
【0030】また、配位化学ゾル・ゲル法の場合に用い
る有機多座配位子としては、例えばエチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、2,4−ペンタジオールなどが挙げられる。また、
反応を行う溶媒としては、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ
る。
【0031】本発明における、実質的にチタン、ケイ素
および酸素の3種の元素からなる複核酸化物の少なくと
も1種の存在下で行うポリエーテルエステルアミドの重
合方法については、特に限定されず、公知の方法を利用
することができる。例えば、ポリアミド形成性成分
(A)とポリエーテルエステル形成性成分(B)とをと
もに反応容器に入れ、窒素気流下に加熱撹拌して均質な
混合液とする。この過程は一般に180〜300℃、好
ましくは230〜260℃に10〜120分加熱するだ
けで十分であるが、場合により水の共存下もしくは非共
存下に圧力をかけて行い、その後放圧する方法をとって
もよい。次いで、所定量のチタンおよびケイ素からなる
複核酸化物を添加した後、50mmHg以下、好ましく
は5mmHg以下に減圧、200〜300℃、好ましく
は230〜280℃に昇温を行うことにより重縮合を完
結させる。
【0032】また、本発明における複核酸化物の添加量
としては、特に制限はないが、重合性と成形品の表面外
観の観点から、ポリアミド形成性成分(A)およびポリ
エーテルエステル形成性成分(B)の合計100重量部
に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.01
〜1重量部である。
【0033】本発明で使用される重合触媒は、原料と一
括して添加する方法以外に、減圧開始前に添加してもよ
く、またポリエーテルエステル形成性成分(B)のうち
のポリエチレングリコールを最初から他の原料と一括し
て添加せずに減圧重合開始前に重合触媒とともに添加す
る方法や、予めポリアミド形成性成分(A)とポリエー
テルエステル形成性成分(B)のうちのジカルボン酸か
らカルボキシ末端アミドプレポリマーを調製しておき、
これを原料一成分のポリエチレングリコール、重合触媒
とともに仕込んで重合させる方法などであってもよい。
また、重合触媒を予め原料一成分とのスラリーとしてお
くと、反応器内に添加した際の均一分散性の観点から好
ましい。
【0034】本発明の重縮合反応に必要な時間は、減圧
開始後0.5〜10時間程度であるが、重合条件を変更
することによって、1〜5時間という適当な重合時間に
調整することが可能である。
【0035】重合時間は、主としてポリエチレングリコ
ールの数平均分子量および共重合比に依存して変動する
が、実用に適した重合度まで高めるのに十分な時間でな
ければならない。この重合度は共重合組成比により異な
るが、おおよそ数平均分子量で15,000以上が好ま
しく、より好ましくは20,000〜50,000の範
囲である。
【0036】また、製造条件により色調が変動した場合
には、少量のリン化合物、例えばリン酸、リン酸トリメ
チル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、亜リン
酸、亜リン酸トリメチル、メチルホスホン酸、フェニル
ホスホン酸、ベンジルホスホン酸、メチルホスホン酸メ
チルエステル、フェニルホスホン酸エチルエステル、ベ
ンジルホスホン酸フェニルエステル、ホスホノ酢酸エチ
ルエステルなどを添加することにより安定化することが
できる。
【0037】このリン化合物の添加量は、ポリアミド形
成性成分(A)およびポリエーテルエステル形成性成分
(B)の合計100重量部に対し、0.0001〜10
重量部、好ましくは0.001〜1重量部の範囲が適当
である。
【0038】本発明のポリエーテルエステルアミドの重
合方法においては、重合前もしくは重合後に、酸化防止
剤、熱分解防止剤、紫外線吸収剤などの耐熱、耐光性の
安定剤を含有せしめることができる。また、用途、目的
に応じて、生成物の性質を改良するための添加剤、例え
ば耐加水分解改良剤、着色剤、帯電防止剤、導電剤、難
燃剤、滑剤、核剤、離型剤、可塑剤、接着助剤、粘着剤
および補強材、充填材などを任意に含有せしめることが
できる。
【0039】かくして、本発明のポリエーテルエステル
アミドの製造方法によれば、アンチモン系化合物を用い
ることなく重縮合反応を行うことにより、環境汚染性が
少なく、高重合度でかつ成形品の表面外観の優れたポリ
エーテルエステルアミドを、短時間で効率的に製造する
ことができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果をさらに詳
細に説明する。ここで部とはすべて重量部をあらわす。
【0041】得られたポリマーはo−クロロフェノール
中、25℃、0.5%濃度で相対粘度(ηr)を測定し
た。さらに、このポリマーを東芝機械製IS55EPN
射出成形機を用いて、成形温度200℃、金型温度40
℃で成形したのち、下記の試験法により諸物性を測定し
た。 (1)引張強度、引張伸び ASTM D638に準じ測定を行った。 (2)色調 得られた成形品の目視観察を行った。 (3)表面外観 得られた成形品の目視観察を行い、以下の規準で判定し
た。
【0042】 ◎:外観が極めて良好(成形品表面が平滑である) ○:良好(成形品表面に若干のゲル化物が確認できる) ×:不良(成形品表面が荒れている) [参考例1](配位化学ゾル・ゲル法による複核酸化物
の調製) Ti/Si=90/10(モル比)の組成を有するチタ
ンイソプロピレートとオルトケイ酸エチルの混合溶液1
0部に、2−メチルペンタン−2,4−ジオールを10
部とエタノール2部とを加え、60〜70℃で3時間撹
拌したものに、2部の水を含むエタノール3部をゆっく
りと滴下し、90〜100℃に加熱して透明なゲルを得
た。このゲルをさらに同温度で15時間放置した後、ロ
ータリーエバポレーターを使用して130℃で減圧乾燥
することにより乾燥ゲルを得た。さらに、有機多座配位
子として用いるエチレングリコール90部に上記乾燥ゲ
ル10部を添加し、Ti/Si=90/10(モル比)
の組成を有するチタン/ケイ素の複核酸化物を含有する
エチレングリコールスラリー(C−1)を調製した。 [参考例2]本発明で使用した他の重合触媒の種類は以
下の通りである。
【0043】 C−2:テトラブチルチタネート C−3:テトラブチルジルコネート C−4:酢酸マグネシウム C−5:酢酸カルシウム [実施例1]カプロラクタム45部、テレフタル酸8.
4部および数平均分子量が1,000のポリエチレング
リコール48.7部を、「イルガノックス1098」
(チバスペシャリティケミカルズ社製酸化防止剤)0.
2部および参考例1で調製したチタン/ケイ素の複核酸
化物を含有するエチレングリコールスラリー(C−1)
1部とともに、ヘリカルリボン撹拌翼を備えた反応器に
仕込み、窒素気流下に260℃に1時間加熱、撹拌して
均質透明溶液とした後、260℃、0.5mmHg未満
の重合条件で3時間重合反応をせしめることによって、
11rpmで100Jの撹拌トルクを示す溶融ポリマー
を得た。
【0044】このポリマーを冷却ベルト上にガット状に
吐出し、ペレタイズすることによって、ペレット状のポ
リエーテルエステルアミドを得た。
【0045】このようにして得られたポリエーテルエス
テルアミドの物性評価結果を表1に示す。 [実施例2]ポリアミド形成性成分(A)、ポリエーテ
ルエステル形成性成分(B)およびエチレングリコール
スラリー(C−1)とともに、リン酸トリメチル(TM
P)0.005部を反応器に仕込み、実施例1と同じ要
領で重縮合反応を行うことにより、重合性とポリマー特
性を評価した結果を表1に併記する。 [比較例1〜4]添加する触媒の種類を表1に示したも
のに変更し、実施例1と同じ要領で重縮合反応を行い、
重合性とポリマー特性を評価した結果を表1に併記す
る。
【0046】
【表1】 表1の実施例、比較例からは、以下のことが明らかであ
る。
【0047】すなわち、実施例1〜2の結果からは、本
発明のチタンおよびケイ素からなる複核酸化物を使用す
ることにより、良好な引張特性、成形品の表面外観を有
するポリエーテルエステルアミドを短時間で得ることが
できることが明らかである。このポリエーテルエステル
アミドの相対粘度(ηr)は、押出、成形に十分な高粘
度であり、さらには成形温度を調整することによりブロ
ー成形も可能な粘度レベルであった。加えて、TMPを
添加することによりその色調を改善することができた。
【0048】比較例1〜4の結果から明らかなように、
テトラブチルチタネートを触媒として使用すると、立ち
上がりの重合速度は良好であるものの、目的の粘度レベ
ルとなるトルクを得るには、実施例1より長い重合時間
が必要となり、かつ成形品の表面外観に若干のゲル化物
が確認されることになる。また、テトラブチルジルコネ
ートでは、ゲル化物による成形品の表面外観が著しく悪
化する。さらに、酢酸マグネシウムや酢酸カルシウムで
は、8時間の重合においても重合度が上がらず、良好な
ポリマー特性を得ることができない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリエー
テルエステルアミドの製造方法によれば、アンチモン系
化合物を用いることなく重縮合反応を行うことにより、
環境汚染性が少なく、高重合度でかつ成形品の表面外観
の優れたポリエーテルエステルアミドを、短時間で効率
的に製造することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J001 DA04 DB04 DB05 DC14 EA02 EA06 EA07 EA08 EA12 EA14 EA15 EA16 EA17 EB06 EB07 EB08 EB09 EB14 EB35 EB36 EB37 EB46 EB55 EB57 ED63 ED64 ED65 EE08D EE16D EE18D EE74D FA03 GA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクタム、アミノカルボン酸および実質
    的に当モルのジアミンとジカルボン酸の塩から選ばれた
    1種もしくは2種以上のポリアミド形成性成分(A)、
    および実質的に当モルのジカルボン酸とポリ(アルキレ
    ンオキシド)グリコールとからなるポリエーテルエステ
    ル形成性成分(B)とを溶融状態で重縮合反応させるこ
    とによりポリエーテルエステルアミドを製造するに際
    し、前記重縮合反応を、実質的にチタン、ケイ素および
    酸素の3種の元素からなる複核酸化物の少なくとも1種
    の存在下に行うことを特徴とするポリエーテルエステル
    アミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複核酸化物のチタン/ケイ素のモル
    比率が50/50〜98/2の範囲にあることを特徴と
    する請求項1に記載のポリエーテルエステルアミドの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記複核酸化物の添加量が、ポリアミド
    形成性成分(A)およびポリエーテルエステル形成性成
    分(B)の合計100重量部に対し0.001〜10重
    量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    ポリエーテルエステルアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記重縮合反応を、前記複核酸化物およ
    びリン化合物の存在下に行うことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のポリエーテルエステルアミ
    ドの製造方法。
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