JP2001096403A - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JP2001096403A
JP2001096403A JP27808899A JP27808899A JP2001096403A JP 2001096403 A JP2001096403 A JP 2001096403A JP 27808899 A JP27808899 A JP 27808899A JP 27808899 A JP27808899 A JP 27808899A JP 2001096403 A JP2001096403 A JP 2001096403A
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】工作機械本体に取り付けるためのシャンク部全
体を超硬合金製としたものに匹敵する剛性、防振性能、
加工精度と、十分高い耐衝撃性とを兼備した切削工具を
提供するにある。 【解決手段】シャンク部9の先端側に切刃部3を備えた
棒状で合金鋼製工具本体に、後端から先端側に向けて有
底穴4を設け、該有底穴4内に弾性体6を介してヤング
率が270GPa以上の素材からなる軸体5を挿入させ
るとともに前記弾性体6に10kgf以上の圧縮応力が
印加された状態とする。また、前記軸体5を前記有底穴
4の穴壁4aに圧着させる。前記弾性体6を皿バネで構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中ぐり加工、旋
盤、溝入れ、ねじ切り加工時などのびびり振動や過度の
しなりを防止することができる切削工具に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、工具機械で中ぐり加工、すなわ
ち、すでに工作物に空けられた穴を、切削工具を用いて
所望の寸法に拡げる加工において、シャンク部(柄)の
先端側に切刃部を備えた棒状体をなす切削工具が使用さ
れている。中ぐり加工用の切削工具のシャンク部を構成
する素材として合金鋼、超硬合金が用いられるが、加工
穴直径に比べて穴が深い加工の場合には切削工具を細長
形状とし、工具機械本体から切削工具の切刃部先端まで
の突き出し量Lを大きくする必要がある。そのため突き
出し量L/加工径Dの比(L/D)が大きくなるので、
シャンク部全体を合金鋼または超硬合金で構成する場
合、次のような問題点があった。
【0003】まず、合金鋼は剛性が低い(ヤング率が2
00GPa程度)ので、切削工具が細長形状の場合、び
びり振動や過度のしなりが生じやすく、加工面が粗くな
ったり或いは所望の加工精度を得難かったりする。
【0004】また、超硬合金は合金鋼に比べて剛性が非
常に大きく(ヤング率が400〜720GPa程度)、
切削工具が細長形状であっても、びびり振動やしなりが
生じにくい一方、この素材は脆くて衝撃に弱いので破損
しやすく、加えて、材料単価が高く、製作コスト高であ
った。
【0005】他方、合金鋼製のシャンク部に防振機構を
付加した次のような切削工具が提案されている。
【0006】まず、特開平7−285002号の発明
は、図2に示すように、合金鋼製のシャンク部21の軸
線方向に設けたテーパー穴22に超硬合金からなるテー
パー状の軸体23を挿入し、該軸体23を後端からワッ
シャ24を介して押込ねじ25により装着するよう構成
した切削工具20に関するものである。この切削工具2
0によれば、超硬合金製の軸体23の周囲に高耐衝撃性
の合金鋼(シャンク部21)を配したので、超硬合金の
脆さが補強される。さらに、合金鋼製のシャンク部21
の内部に高剛性の超硬合金からなる軸体23を挿入した
ことにより、合金鋼の剛性が補強される。加えて、軸体
23とシャンク部21を圧接状態としたことで、このよ
うな効果を長期的に維持することが記載されている。
【0007】次に、補強材として超硬合金を一切用い
ず、前記問題点を改善しようとする試みとして特開平8
−197310号の発明は、図3に示すように、合金鋼
製のシャンク部31の後端から先端側に向けて設けた有
底穴32に、複数個の鉛又は鋼製の球体33を一列に充
填し、複数個の球体33からなる列の後端をスプリング
34により弾支する構成とした切削工具30に関するも
のである。この切削工具30によれば、補強材として超
硬合金を一切用いないので高耐衝撃性を有する。
【0008】さらに、前記球体33とスプリング34と
からなる機構を備えることによって、防振効果を奏する
ことが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平7−285
002号の発明に係る切削工具20は、防振性能、加工
精度が全体を合金鋼製としたものと比べて改善されてい
る。しかしながら、全体を超硬合金製としたものと比べ
ると防振性能、加工精度ともに大きく劣っていた。
【0010】その原因として、前記切削工具20は補強
材としての超硬合金をシャンク部21の軸部に配し(前
記軸体23)ているが、外周部分に比べて切削時の曲げ
モーメントが小さなシャンク部21の軸部を高剛性の超
硬合金を嵌合しているため剛性補強が効果的でなく、そ
の結果、シャンク部全体を超硬合金製としたものと比べ
ると防振性能、加工精度ともに大きく劣る。
【0011】次に、特開平8−197310号の発明に
係る切削工具30は、防振性能がシャンク部全体を合金
鋼製としたものと比べて改善されたが、しなりが大きく
なり加工精度はかえって悪くなっている。さらに、シャ
ンク部全体を超硬合金製としたものと比べると防振性能
は大きく劣る。
【0012】これは、前記切削工具30にはシャンク部
31の剛性を高める効果がないのに加え、防振効果があ
るのは加工条件が低い場合に限られるためである。すな
わち、前記切削工具30では、剛性が非常に低い鉛や、
鋼からなる球体33をシャンク部31の軸部分に配して
いるので、シャンク部31の剛性は全体を合金鋼製とし
たものより劣る。したがって、切削時の曲げモーメント
によってシャンク部が大きくしなり加工精度はかえって
悪くなる。
【0013】さらに、この従来技術では、加工振動に対
してスプリングと球体が振動(揺動)し、加工振動を打
ち消そうとする反作用振動を生じせしめるが、使用する
スプリングの最大荷重は最大でも2.184kgfと小
さいので上記反作用振動も小さい。したがって、加工条
件が低い時は加工振動を打ち消す効果があっても、加工
条件を厳しくした場合には加工振動も大きくなるので、
その結果、防振効果がほとんど無くなるという大きな欠
点も有していた。
【0014】以上のように前記従来技術は、高剛性、高
防振性能、高加工精度、並びに十分高い耐衝撃性を兼備
しておらず、近年の、加工径の小径化および加工能率の
高度化という要求に十分に対応できるものではなかっ
た。
【0015】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、その課題とするところは、シャンク部全体を
超硬合金製としたものに匹敵する剛性、防振性能、加工
精度と、十分高い耐衝撃性とを兼備した切削工具を提供
するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するために、次のような手段を講じた。
【0017】すなわち、工作機械本体に取り付けるため
のシャンク部の先端側に切刃部を備えた棒状の合金鋼製
工具本体に、後端から先端側に向けて有底穴を設け、該
有底穴内に弾性体及びヤング率が270GPa以上の素
材からなる軸体を挿入させるとともに前記弾性体に10
kgf以上の圧縮応力が印加されていることを特徴とし
ている。
【0018】また、本発明は、前記軸体が前記有底穴の
穴壁に圧着している点に特徴がある。
【0019】さらに、本発明は、前記弾性体が皿バネで
ある点に特徴がある。
【0020】
【作用】本発明の切削工具は、有底穴内に弾性体を介し
てヤング率が270GPa以上の素材からなる軸体を嵌
装するとともに、弾性体に10kgf以上の圧縮応力が
印加されていることを特徴とする。この構造では弾性体
の大きな反発力で、シャンク部の外周部分に軸方向の強
力な引っ張り応力が発生する。
【0021】メカニズムは明らかではないが、この引っ
張り応力は、合金鋼製シャンク部の耐衝撃強度を損なう
ことなく、高剛性軸体により大幅に補強されたシャンク
部の剛性をさらに補強する。この結果、本発明の切削工
具は、十分高い耐衝撃性に加えて、シャンク部全体を超
硬合金製としたものに匹敵する剛性、防振性能、加工精
度を兼備するものとなる。
【0022】また、前記軸体を前記有底穴の穴壁に圧着
することにより、軸体の周囲のシャンク部にも放射方向
に拡がろうとする応力が発生する。そして、そのメカニ
ズムは明らかでないが、切削加工の振動がこの部分を伝
播しようとする時に、その応力は上記振動を減衰する。
その結果、防振性能が一層向上する。
【0023】更に、前記弾性体を弾性力の大きな皿バネ
で構成したことにより、皿バネは狭い空間でも大きな弾
性力を発揮することができるので、シャンク部の剛性を
補強する前記効果を十分大きなものとすることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき説明する。
【0025】図1において、1は旋盤などの工作機械本
体に取り付けられて切削加工を行う切削工具、2は該切
削工具1が備える工具本体、9は該工具本体2が備える
シャンク部、3は工具本体2が備える切刃部、4は工具
本体2に穿設した有底穴、5は該有底穴4に嵌装した軸
体、6は有底穴4に嵌装した弾性体、8は有底穴4を封
止する埋栓である。
【0026】各部材の材質は、工具本体2と弾性体6が
合金鋼により構成され、軸体5がハイス、超硬合金やサ
ーメット等のヤング率270GPa以上の高剛性材によ
り構成される。また、埋栓8はアルミニウムなどの軟質
金属で構成することができる。前記工具本体2と弾性体
6を構成する合金鋼の材種は、クロム・モリブデン鋼、
ニッケル・クロム鋼、ニッケル・クロム・モリブデン鋼
等の合金鋼や、鉄にC,Si,Mn,P及びSの5元素
が入った炭素合金鋼をベースにクロム、タングステン、
マンガン、モリブデン、バナジウムなどを添加した合金
鋼などがある。
【0027】棒状体の工具本体2は、不図示の工作機械
本体に取り付けるためのシャンク部9と該シャンク部9
の先端側に切刃部3とを備える。該切刃部3には、スロ
ーアウェイチップ7が着脱自在に取り付けられる。ま
た、工具本体2には後端から先端側に向けて有底穴4が
穿設され、該有底穴4内に弾性体6と軸体5とを順次挿
入させている。前記有底穴4の入口部はその穴径が若干
大きくなっており、穴を封止するべく埋栓8を圧入する
よう構成されている。
【0028】弾性体6は、軸体5と有底穴4の穴底4a
との間にあって圧縮状態で保持されている。前記弾性体
6として、たわみ量1.8mm程度の皿バネを複数個重
ねたものを図1に例示するが、この他、弾性体6はコイ
ルバネなど任意の形態とすることができる。皿バネは径
が小さくても弾性力が大きく、したがって、径の小さな
切削工具1の場合でも大きな弾性力を発揮できるので、
弾性体6として好適である。
【0029】前記弾性体6は、10kgf以上の圧縮応
力が印加されていることが重要である。弾性体6に印加
される圧縮応力値が10kgf未満では、シャンク部9
の軸方向への引っ張り応力が小さく、シャンク部9の剛
性を補強する効果が不十分となる。その結果、シャンク
部9の剛性を補強する効果が不十分となり、ビビリ振動
が発生して被切削物表面の面状態が滑らかでなくなった
り、シャンク部のしなりのため加工精度が不良となる恐
れがある。なお、前記圧縮応力値は、100kgf以上
であることがさらに望ましい。
【0030】弾性体6の圧縮応力値は、前記軸体5を固
定する前に軸体5で弾性体6を押圧する際の圧縮応力値
を測定することにより求めることができるが、他方、既
に軸体5を固定してしまっている完成品からこれを確認
するには、エンドミル等により工具本体2の一部を切削
除去し、軸体5を単独で取り出し、弾性体6が保持され
ていたところの幅と同一幅まで弾性体6を圧縮すること
により、前記圧縮応力値を測定することができる。
【0031】前記軸体5は、弾性体6を常時押圧する状
態で有底穴4内に嵌挿されている。
【0032】そのように軸体5を嵌挿するには、焼き嵌
め法を用いることができる。すなわち、工具本体2を予
め高温に熱して有底穴4を拡げ、この有底穴4内に弾性
体6を挿入した後、軸体5を油圧プレス機により後側よ
り押し込み、工具本体2の熱が冷めて有底穴4が収縮
し、軸体5が有底穴4の穴壁4aに圧接固着するまでそ
の状態を保持する。以上のような方法でもって、弾性体
6に常時圧縮応力が印加された状態で軸体5を有底穴4
内に嵌挿することができる。この他、軸体5と有底穴4
の穴壁との間に接着材を介在させる方法や、軸体5の後
側の有底穴4内にセメントを充填する方法や、押し込み
ねじなど、任意の方法や部品により軸体5を有底穴4内
に嵌挿すれば良い。
【0033】前述のように、軸体5はハイス、超硬合
金、サーメット等のヤング率が270GPa以上の高剛
性材により構成されることが重要である。ヤング率が2
70GPa未満の場合、軸体5自身の剛性が小さく、そ
の結果、シャンク部9の剛性を補強する効果が不十分と
なり、ビビリ振動が発生して被切削物表面の面状態が滑
らかでなくなったり、シャンク部のしなりのため加工精
度が不良となる恐れがある。なお、上記ヤング率として
は、被切削物表面の面状態を滑らかにする点で550以
上であることがさらに好ましい。
【0034】図1において、前記軸体5および弾性体6
は、いずれも中空状となっている。
【0035】これは、前記軸体5により弾性体6を有底
穴4の穴底4bの方向に押圧し、その状態で有底穴4内
に軸体5と弾性体6を保持する作業の際に、穴底4b側
の圧縮空気を抜くために中空状とし、前記圧縮空気の排
出路を備えるようにしたものである。中空状とする代わ
りに、同じ目的を達成するため、中実の軸体5および弾
性体6を外周に先端から後端に連なる溝を設けても良
い。このように、軸体5および弾性体6を中空状とした
り、或いは、それらに外周溝を設けることの利点とし
て、形成された貫通溝や外周溝を切削油供給路として利
用できる。
【0036】上述のように構成される前記切削工具1
は、超硬合金などヤング率が270GPa以上の素材か
らなる高剛性の軸体5によって、合金鋼製のシャンク部
9の剛性が大きく補強される。
【0037】また切削工具1は、有底穴4の穴底4b側
に弾性体6且つ入口側に軸体5を嵌装し、加えて前記弾
性体6に10kgf以上の圧縮応力を印加したことによ
り、弾性体6の大きな反発力で穴底4bと軸体5が相半
方向に押圧される。この内圧により、シャンク部9の外
周部分に軸方向の強力な引っ張り応力が発生する。この
引っ張り応力は、合金鋼製のシャンク部9の耐衝撃強度
を損なうことなく、高剛性の軸体5により大幅に補強さ
れたシャンク部9の剛性を、さらに補強する。
【0038】この結果、前記切削工具1は、十分高い耐
衝撃性に加え、シャンク部全体を超硬合金製としたもの
に匹敵する剛性を兼備する。
【0039】なお、切削工具1は、前記軸体5を有底穴
4の穴底4b側且つ前記弾性体6を入口側に嵌挿したも
のであってもよい。
【0040】また、前記軸体5を前記有底穴4の穴壁4
aに圧着することにより、軸体5の周囲のシャンク部9
にも放射方向に拡がろうとする応力が発生する。そし
て、切削加工の振動がこの部分を伝播しようとする時
に、その応力が上記振動を減衰する。これにより切削工
具1の防振性能を向上させることができる。
【0041】以上、本発明の実施形態例を説明したが、
本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、発
明の目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができ
ることは言うまでもない。例えば、本発明の切削工具1
は旋盤に用いられるもののみではなく、フライスに取り
付けられ軸線回りに回転するエンドミルタイプの切削工
具でも良い。また、本発明はスローアウェイチップ7を
取り付ける切削工具1のみでなく、切刃片(ブレード)
をロウ付けするものや、一体的に切刃を形成したソリッ
ドタイプのものであっても構わない。
【0042】実験例1 図1に示す切削工具1を実施例品として工具機械本体
(旋盤)に装着し、突き出し量L/加工径Dの比(L/
D)を7とし、内径切削加工を行った。そして、次に、
加工後の被切削物表面を観察し、仕上面の面状態、加工
精度について評価した。
【0043】加工条件は以下のとおりである: V(切削速度)=100m/min d(切り込み)=0.5/1.0mm f(送り) =0.1mm/rev 湿式加工 ワーク材質 :SCM415 軸体素材のヤング率:576GPa 弾性体の圧縮応力値:100kgf また比較例として、前記実施例品と外径形状がほぼ等し
い4種の比較例品、すなわち、合金鋼製で且つシャンク
部を中実状とした切削工具(比較例品1)、図3に示す
ように、合金鋼製のシャンク部31の後端から先端側に
向けて設けた有底穴32に、複数個の鋼製の球体33を
一列に充填し、複数個の球体33からなる列の後端をス
プリング34により弾支する構成とした切削工具30
(比較例品2)、シャンク部全体を超硬合金で構成した
切削工具(比較例品3)および図2に示すように、合金
鋼製のシャンク部21の軸線方向に設けたテーパー穴2
2に超硬合金からなるテーパー状の軸体23を挿入し、
該軸体23を後端からワッシャ24を介して押込ねじ2
5により装着するよう構成した切削工具20(比較例品
4)を用い、全く同様の加工および観察・評価を行っ
た。
【0044】これらの結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように実施例品はビビリ
振動は発生せず、仕上面の面状態が極めて良好であり、
かつ加工精度も±0.03mmの範囲に入り良好であっ
た。
【0047】これに対して、比較例品2,4はビビリ振
動が発生して、仕上面の面状態が悪く、また、加工精度
も±0.4mmとなり不良であった。更に比較例3は加
工途中でシャンク部に欠損が発生し、短時間で使用不可
となってしまった。
【0048】実施例2 次に、前記実施例品においてヤング率の異なるいくつか
の素材で軸体を構成し、前記加工条件により前述の実施
例1と同様の加工および観察・評価を行った。
【0049】これらの結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2から明らかなように、軸体素材のヤン
グ率が270GPa未満の試料1はビビリ振動が発生し
て、仕上面の面状態が悪く、また、加工精度も±0.3
mmとなり不良であった。これに対してヤング率が27
0GPa以上の試料2乃至5はビビリ振動は発生せず、
仕上面の面状態が良好であり、かつ加工精度も±0.0
3mmの範囲に入り良好であった。特に、ヤング率が5
50GPa以上の試料3乃至5は仕上面の面状態が極め
て良好であった。
【0052】実施例3 次に、前記実施例1の実施例品において、弾性体に印加
する圧縮応力を表3のように違え、前記加工条件により
前述の実施例1と同様の加工および観察・評価を行っ
た。
【0053】これらの結果を表2に示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3から明らかなように、圧縮応力値が1
0kgf未満の試料6はビビリ振動が発生して、仕上面
の面状態が悪く、また、加工精度も±0.3mmとなり
不良であった。これに対して、圧縮応力値が10kgf
以上の試料7乃至試料10はビビリ振動は発生せず、仕
上面の面状態が良好であり、かつ加工精度も±0.03
mmの範囲に入り良好であった。特に、圧縮応力値が1
00kgf以上の試料8乃至10は仕上面の面状態が極
めて良好であった。
【0056】
【発明の効果】本発明は、上述のように、工作機械本体
に取り付けるためのシャンク部の先端側に切刃部を備え
た棒状の合金鋼製工具本体に、後端から先端側に向けて
有底穴を設け、該有底穴内に弾性体を介してヤング率が
270GPa以上の素材からなる軸体を挿入させるとと
もに前記弾性体に10kgf以上の圧縮応力が印加され
ていることを特徴とするものであるから、切削工具の剛
性がシャンク部全体を超硬合金で構成した切削工具に略
匹敵する程度まで高められる。したがって、防振性能が
高く、切削加工振動が軽減され、加工精度も向上すると
ともに、超硬合金からなる軸体の脆さは鋼性の工具本体
によって補強されるので、加工中の衝撃等によって折損
することがなく耐久性が大きい。
【0057】また、高価な超硬合金の剛体からなる軸体
は、軸芯部のみであるから、材料費を節約でき、安価な
切削工具を得ることができる。
【0058】本発明は、前記軸体を前記有底穴の穴壁に
圧着することにより、軸体の周囲の工具本体に放射方向
へ拡がろうとする応力が発生し、振動がこの部分を伝播
しようとする時に、この応力がその勢いを減衰すること
ができる。したがって、防振効果をより一層高めること
が可能である。
【0059】そして、前記弾性体を弾性力の大きな皿バ
ネで構成することにより、前述の防振効果を十分大きな
ものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切削工具の側面図である。
【図2】従来の切削工具の側面図である。
【図3】従来の別切削工具の側面図である。
【符号の説明】
1 切削工具 2 工具本体 3 切刃部 4 有底穴 4a 穴壁 4b 穴底 5 軸体 6 弾性体 7 スローアウェイチップ 8 埋栓 9 シャンク部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工作機械本体に取り付けるためのシャンク
    部の先端側に切刃部を備えた棒状の合金鋼製工具本体
    に、後端から先端側に向けて有底穴を設け、該有底穴内
    に弾性体を介してヤング率が270GPa以上の素材か
    らなる軸体を挿入させるとともに前記弾性体に10kg
    f以上の圧縮応力が印加されていることを特徴とする切
    削工具。
  2. 【請求項2】前記軸体が前記有底穴の穴壁に圧着してい
    ることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  3. 【請求項3】前記弾性体が皿バネであることを特徴とす
    る請求項1または2記載の切削工具。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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