JP2001095558A - 微小検体分離用セルプレート - Google Patents

微小検体分離用セルプレート

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JP2001095558A
JP2001095558A JP26276599A JP26276599A JP2001095558A JP 2001095558 A JP2001095558 A JP 2001095558A JP 26276599 A JP26276599 A JP 26276599A JP 26276599 A JP26276599 A JP 26276599A JP 2001095558 A JP2001095558 A JP 2001095558A
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Yuko Morito
戸 祐 幸 森
Koji Horio
尾 浩 司 堀
Takeo Sone
根 健 夫 曽
Toshio Fukuda
田 敏 男 福
Fumito Arai
井 史 人 新
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Moritex Corp
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/02Separating microorganisms from the culture medium; Concentration of biomass

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Abstract

(57)【要約】 【課題】多数の微小検体が分散浮遊する媒質液中から、
レーザー光により捕捉した一の微小検体のみを極めて短
時間で効率よく分離できるようにする。 【解決手段】多数の微小検体が分散浮遊する媒質液を貯
留するサンプル貯留チャンバ(6)を、キャリア液が流
れるキャリア液流路(3)から分岐形成されたフィルタ
流路(4)に連通させた。キャリア液流路(3)を流れ
るキャリア液の一部がフィルタ流路(4)を通り外部に
排出されるので、レーザー光により捕捉した一の微小検
体はフィルタ流路(4)の流れに逆らってサンプル貯留
チャンバ(6)からキャリア液流路(3)へ移送するこ
とができるが、その他の微小検体がフィルタ流路(4)
へ泳ぎ出すとキャリア液の流れに乗って外部へ排出され
る。したがって、サンプル貯留チャンバ(6)からキャ
リア液流路(3)に至る流路を短くして分離時間を短縮
することができ、他の微小検体が混入することもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡の視野下で
媒質液に分散浮遊している生物粒子(微生物)及び非生
物粒子(DNAを付着させた非生物粒子を含む)や、こ
れらを閉じ込めたマイクロカプセルや生体物質カプセル
等の微小検体群から、任意の一の微小検体を選択的に捕
捉して、これを他の微小検体群から分離して取り出す微
小検体分離用セルプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、微小検体となる大腸菌は遺伝子
操作を行うために頻繁に使用されるが、この場合に、所
定の媒質液中に分散させて遺伝子操作を行った後、媒質
液中に分散する大腸菌をマイクロピペット等で吸入し、
これを培養槽に移植して培養し、大量のDNAを複製さ
せるようにしている。
【0003】しかし、大腸菌をマイクロピペットで吸入
するときには同時に複数の大腸菌を吸入してしまうこと
が多く、その吸入した大腸菌の全てが遺伝子操作されて
いるわけではなく、固体差により、遺伝子操作されたも
のとそうでないものが含まれている。したがって、培養
された大腸菌は遺伝子操作されたものとされないものが
混合した状態になり、遺伝子操作されたものの収率が低
い。
【0004】このとき、任意の一の大腸菌を取り出して
培養することができればこれを純粋培養することができ
るので、その大腸菌が遺伝子操作されていれば、遺伝子
操作された大腸菌だけを収率100%で得ることが可能
になる。
【0005】しかしながら、微生物や微粒子などの微小
検体を光学顕微鏡の視野下で一つだけ取り出す場合に、
その大きさがある程度大きければ問題ないが、大腸菌の
ようにあまりにも小さい場合は、レンズの光学的性質よ
り視野が制限され、他の微小検体の混入がないことを顕
微鏡で確認しながら取り出すことは極めて困難であっ
た。
【0006】即ち、大腸菌のように数μm程度の長さし
かない微小検体は、光学レンズの限界である分解能0.26
μm,NA=1.3 (100倍の油浸対物レンズ) のレンズを
用いたとしても、その焦点深度は0.2 μm,視野は20
0μmしかないので、直径200μmのマイクロピペッ
ト内に1mm3 の媒質液を吸い込むときに、他の微小検
体が混入していないことを顕微鏡で確認しながら吸い込
むことはできない。
【0007】また、微小検体が顕微鏡で確認できる程度
の大きさであったとしても、マイクロピペットに吸い込
む1mm3 の媒質液に多数の微小検体が存在する場合
は、多数の微小検体を同時に吸い込んでしまったり、多
数の微小検体がマイクロピペットの先端外側に付着した
りして、媒質液を滴下する際に混入する可能性がある。
したがって、媒質液を大量に吸い込んで複数の微小検体
を同時に取り出すことはできても、一の微小検体だけを
取り出すことは困難であり、このために、希釈作業を繰
り返し行わなければならないという面倒があった。
【0008】さらに、希釈作業をした結果、媒質液中の
微小検体の存在密度が少なかったとしても、大腸菌等の
ように動きが比較的速い(数μm〜数十μm/s)もの
についてはその動きに追従してマイクロピペットを操作
すると、マイクロピペットで媒質液をかき回してしま
い、流動する媒質液により微小検体が押し流されるの
で、捕捉することが困難になるという問題を生ずる。
【0009】このため、本出願人はレーザー光により捕
捉した一の微小検体を、他の微小検体から容易に分離す
ることのできる微小検体分離用セルプレートを提案した
(特開平11−56341号)。
【0010】このセルプレート51は、図5に示すよう
に、両端にキャリア液の流入口52in及び流出口52ou
t が形成されたキャリア液流路52と、微小検体が分散
浮遊する媒質液を注入した状態でその上面開口部をバル
ブ55により開閉可能なサンプル貯留チャンバ53と、
当該サンプル貯留チャンバ53内でレーザー光により捕
捉した一の大腸菌を前記キャリア液流路52まで導出す
る誘導路54が形成されている。
【0011】そして、一の大腸菌を分離する場合、キャ
リア液流路52にキャリア液を所定の流量で流しなが
ら、レーザー光により捕捉した一の大腸菌をサンプル貯
留チャンバ53から誘導路54に沿ってキャリア液流路
52まで移動させて、レーザー光による拘束を解けば、
そのキャリア液の流れに乗って一の大腸菌のみが流出さ
れる。したがって、培地を形成したシャーレなどに、流
出口52out から流出されるキャリア液を滴下させれ
ば、一の大腸菌のみを培養することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このセ
ルプレート51では、サンプル貯留チャンバ53からキ
ャリア液流路52への微小検体の流れ出しや逃げ出しを
防止するために、誘導路54を例えば約10mmと長く
形成さぜるを得ず、微小検体をレーザー光により捕捉し
た状態で誘導路54内を移動させるときの速度は 0.5m
m/min 程度であるから、一の微小検体をサンプル貯留
チャンバ53で捕捉してからをキャリア液流路52へ導
出させるまでの分離時間が20〜30分もかかるという
問題があった。もちろん、誘導路54を短縮すれば移動
距離が短くなるので、分離時間は短縮されるが、微小検
体の流れ出しや逃げ出しを防止することはできない。
【0013】そこで本発明は、他の微小検体を混入させ
ることなく、レーザー光により捕捉した一の微小検体の
みを極めて短時間で効率よく分離できるようにすること
を技術的課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、多数の微小検体が分散浮遊する媒質液を
貯留するサンプル貯留チャンバから、レーザー光により
捕捉した前記微小検体を、キャリア液が流れるキャリア
液流路まで移送し、そのキャリア液の流れに乗せて取り
出すように成された微小検体分離用セルプレートにおい
て、前記キャリア液流路を流れるキャリア液の一部を外
部へ排出させるフィルタ流路が当該キャリア液流路から
分岐形成されると共に、前記サンプル貯留チャンバが、
サンプル導出路を介して前記フィルタ流路に連通された
ことを特徴とする。
【0015】本発明の微小検体分離用セルプレートによ
れば、キャリア液流路からフィルタ流路が分岐形成され
ており、キャリア液流路を流れるキャリア液の一部がフ
ィルタ流路内を流れて外部に排出される。
【0016】ここで、レーザー光により捕捉された一の
微小検体をサンプル貯留チャンバから、サンプル導出路
を通ってフィルタ流路へ移送し、さらに、フィルタ流路
内のキャリア液の流れに逆らってキャリア液流路まで移
送して、レーザー光の拘束を解けば、一の微小検体がキ
ャリア液の流れに乗って取り出される。
【0017】また、レーザー光で捕捉されていない他の
微小検体がサンプル貯留チャンバからサンプル導出路を
通ってフィルタ流路へ流れ出したり泳ぎ出したりして
も、フィルタ流路内を流れるキャリア液により外部へ押
し流されるので、他の微小検体がキャリア液流路に混入
することがない。
【0018】したがって、サンプル貯留チャンバから導
出路及びフィルタ流路を介してキャリア液流路へ至るま
での移送距離を短く形成することができ、ひいては、分
離時間が短縮される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係る微小
検体分離用セルプレートを示す分解組立図、図2はその
平面図、図3(a)〜(d)はセルプレートの使用状態
を示す説明図、図4はそのセルプレートを用いた微小検
体分離装置を示す概略構成図である。
【0020】本例に係る微小検体分離用セルプレート1
は、多数の微小検体が分散浮遊する媒質液中からレーザ
ー光により捕捉した一の微小検体を、キャリア液の流れ
に乗せて取り出すことができるようにしたもので、倒立
顕微鏡2のカバーガラス1Aとなる厚さ約0.17mmの白
板ガラス(屈折率n=1.52)を底板とし、その上面に厚
さ約1mmのガラス板で形成された流路形成用のプレー
ト本体1Bを融着又は接着し、さらに、その上面に後述
する各種配管9in,9out ,10を接続する厚さ約10
mmのアクリル板で成るアタッチメント1Cを積層した
三層構造に形成されている。
【0021】なお、カバーガラス1Aの表裏両面及びこ
れに接するプレート本体1Bの底面は、セルプレート1
の底面側からレーザー光を照射したときに、その光がガ
ラスの表面及び融着面で屈折しないように光学研磨(表
面の凹凸がサブミクロンオーダーまで平滑になるように
研磨)されている。
【0022】プレート本体1Bには、その底面に、流入
口3inから流出口3outに向かって滅菌水などのキャリ
ア液が流れる直線状のキャリア液流路3と、当該キャリ
ア液流路3から分岐されてキャリア液の一部を排出口4
out から外部へ排出させるフィルタ流路4が形成されて
いる。
【0023】また、前記フィルタ流路4との分岐点近傍
における前記キャリア液流路3内の流速分布を均一にす
る流速分布制御流路5R,5Lが、流入口3inでキャリ
ア液流路3から分岐されると共に、手前でキャリア液流
路3に鋭角に合流するように、当該キャリア液流路3を
挟んでその左右両側に対称的に形成されている。
【0024】この流速分布制御流路5R,5Lからキャ
リア液流路3の左右側壁に沿ってキャリア液が均等に流
入するので、キャリア液流路3の左右側壁近傍の流速が
中央部の流速に近づけられ、その流速分布を略均一にす
ることができる。
【0025】さらに、プレート本体1Bには、前記流入
口3in,流出口3out ,排出口4out が貫通形成される
と共に、前記フィルタ流路4との分岐点近傍に、多数の
微小検体が分散浮遊する媒質液を貯留するサンプル貯留
チャンバ6が貫通形成され、当該サンプル貯留チャンバ
6はサンプル導出路7を介して前記フィルタ流路4に連
通されている。このサンプル貯留チャンバ6からサンプ
ル導出路7及びフィルタ流路4を介してキャリア液流路
3に至る流路の長さは、約1mm程度に選定されてい
る。
【0026】ここで、キャリア液流路3に滅菌水等のキ
ャリア液を流しておけば、その一部がフィルタ流路4を
通じて排出されるので、サンプル貯留チャンバ6からサ
ンプル導出路7を通って微小検体がフィルタ流路4まで
流れ出したり泳ぎ出したりてもキャリア液流路3に混入
することがない。
【0027】なお、各流路3,4,5R,5L,7は、
その深さが、0.05mm程度の溝状に形成されると共に、
その幅が、キャリア液流路3は流速分布制御流路5R,
5Lとの合流点の上流側及びフィルタ流路4との分岐点
の下流側で約 0.4mm、その中間で約 0.6mm、その他
の流路4,5R,5L,7は約 0.1mmに形成されてい
る。
【0028】また、キャリア液流路3とフィルタ流路4
は、その分岐点で、当該キャリア液流路3の流出口3ou
t 側とフィルタ流路4のなす角度が約45°の鋭角に形
成されると共に、前記フィルタ流路4とサンプル導出路
7は、その合流点で、前記フィルタ流路4の分岐点側と
サンプル導出路7のなす角度が約45°の鋭角に形成さ
れている。
【0029】このように、フィルタ流路4の分岐点の下
流側でキャリア液流路3の幅が狭くなっており、フィル
タ流路4は鋭角に分岐しているので、キャリア液流路3
を流れるキャリア液はフィルタ流路4へ確実に流入し、
フィルタ流路4を流れるキャリア液はサンプル導出路7
側に流れ込み難くなっている。
【0030】また、プレート本体1Bの底面には、サン
プル導出路7を挟んでその両側に、当該サンプル導出路
7内の媒質液中に電界を形成する少なくとも一対の電極
8A,8Bが蒸着されて薄膜状に形成されている。
【0031】そして、微小検体が荷電微粒子である場合
は、サンプル導出路7の媒質中に電界を形成すると、そ
の電界内に存在する荷電微粒子が反対極性の電極8A
(8B)に向かって泳動される電気泳動現象を生じるの
で、微小検体がサンプル貯留チャンバ6内からサンプル
導出路7を通ってフィルタ流路4へ流れ出したり泳ぎ出
すことが防止される。
【0032】また、微小検体が電気的に中性である場合
は、サンプル導出路7の媒質中に不平等電界を形成する
と、その電界内に存在する中性粒子が分極を起こし、両
端に正負等しい量の電化が誘導されるが、電界が一様で
ないために、力にアンバランスを生じて、微小検体が電
界密度の高い方(液体の電気伝導率と微小検体の誘電率
の値によっては電界密度の低い方)へ向かって泳動され
る誘電泳動現象を生じるので、前述と同様に、微小検体
の流れ出しや泳ぎ出しを防止することができる。本例の
場合、電極8A,8Bは例えば針状に対向した形状に形
成されている。
【0033】なお、カバーガラス1Aには、プレート本
体1Bに重ねられたときにその底面に形成された電極8
A,8Bと接触する薄膜状の電極38A,38Bが形成
され、当該電極38A,38Bに電力供給線39A,3
9Bが接続されている。また、プレート本体1Bは倒立
顕微鏡2のステージ22に装着したときに、簡単に位置
決めできるように側面1b,1bが面出しされて形成さ
れたり、または、ステージ22に形成された係合部(図
示せず)と係合する位置決め用の凹凸(図示せず)が形
成されている。
【0034】アタッチメント1Cには、キャリア液供給
配管9in,サンプル取出配管9out ,キャリア液排出配
管10を接続する接続口11in,11out ,12が、夫
々キャリア液流路3の流入口3in及び流出口3out 、フ
ィルタ流路4の排出口4out と連通する位置に形成さ
れ、その底面側には夫々Oリング(図示せず)が装着さ
れて、プレート本体1Bとアタッチメント1Cとの間の
液漏れを防止している。また、サンプル貯留チャンバ6
の上方にはその上面開口部を開閉するバルブ13が形成
され、サンプル貯留チャンバ6へ微小検体が分散浮遊す
る媒質液を供給するサンプル供給口14が前記バルブ1
3に連通して形成されている。
【0035】キャリア液排出配管10には、セルプレー
ト1のキャリア液流路3からフィルタ流路4に流入する
キャリア液の流量を調整するニードルバルブなどの流量
調整弁15が介装されている。
【0036】前記流量調整弁15により、フィルタ流路
4の流量は、レーザー光で捕捉した微小検体をフィルタ
流路4の流れに逆らってキャリア液流路3まで移送する
ときに、レーザー光により捕捉された微小検体に作用す
るキャリア液の流体圧が、レーザー光の拘束力より弱く
なる程度に調整されている。
【0037】前記バルブ13は、プレート本体1Bに形
成されたサンプル貯留チャンバ6の上面開口部の表面を
スライドするスライダ16と、当該スライダ16を案内
する案内溝17からなる。そして、スライダ16には、
プレート本体1Bに形成されたサンプル貯留チャンバ6
の上面開口部とアタッチメント1Cに形成された滅菌水
供給口18を連通させる連通流路19が貫通形成されて
いる。
【0038】そして、サンプル貯留チャンバ6内に気泡
が形成されないように、まず、微小検体の存在しない滅
菌水を充填することとしているが、この場合は、図3
(a)に示すように、スライダ16を位置合わせして、
サンプル貯留チャンバ6と連通流路19及び滅菌水供給
口18を連通させた状態で、当該滅菌水供給口18から
滅菌水を供給する。
【0039】次いで、サンプル貯留チャンバ6に微小検
体を含む媒質液を供給する場合は、図3(b)に示すよ
うに、スライダ16をずらして、サンプル貯留チャンバ
6と連通流路19を遮断してサンプル供給口14へ媒質
液を注入し、その後、図3(c)に示すように、スライ
ダ16を数回往復させると、毛細管現象によりスライダ
16と案内溝17の隙間を通って微小検体が媒質液と共
にサンプル貯留チャンバ6に供給される。
【0040】その後、スライダ16を移動させずにサン
プル貯留チャンバ6を閉じたままにしておけば、図3
(d)に示すように、大気に開放されている場合に生ず
る混合液の蒸発などに起因する余計な流れが形成される
こともない。
【0041】図5は、前記セルプレート1を用いて一の
微小検体を分離するための微小検体分離装置20を示
し、前記微小検体分離用セルプレート1のサンプル貯留
チャンバ6に貯留された媒質液中に分散浮遊する多数の
微小検体から選んだ一の微小検体をレーザー光により捕
捉した状態で、キャリア液流路3まで移送するレーザー
トラッピング装置21が、倒立顕微鏡2に一体に組み込
まれて形成されている。
【0042】倒立顕微鏡2は、X−Y方向に移動可能に
配設されたステージ22の下方に駆動装置23aにより
上下動可能な対物レンズ23が配設され、当該対物レン
ズ23を通してステージ22に固定されたセルプレート
1を撮像するCCDカメラ24が配され、当該CCDカ
メラ24で撮影された像がディスプレイ装置25に表示
される。
【0043】前記レーザートラッピング装置21は、倒
立顕微鏡2の対物レンズ23を透過するレーザー光によ
りサンプル貯留チャンバ6内の微小検体を捕捉するよう
になされている。
【0044】具体的には、レーザー光源26から出力さ
れるレーザー光の光路中に、レーザー光の照射位置をX
方向及びY方向に移動させるスキャニングミラー27
x,27yを有するスキャニング装置28と、ダイクロ
イックミラー29が介装され、当該ダイクロイックミラ
ー29で反射されたレーザ光が前記対物レンズ23を透
過し、サンプル貯留チャンバ6内に集光して微小検体を
捕捉し、この状態でステージ22を移動させることによ
り微小検体をサンプル導出路7及びフィルタ流路4に沿
ってキャリア液流路3まで移送するように成されてい
る。
【0045】レーザー光源26は、微小検体として大腸
菌などのように色素を持たない生物粒子を光学トラップ
する場合、その波長は、水中にて可視光領域に含まれ、
且つ、600nm以上になるように選定されている。こ
れは、水中では空気中より波長が短くなるためで、本例
では波長690nmの半導体レーザーを使用している
が、その波長及びレーザー光源の種類は微小検体の種類
に応じて任意に選択することができる。また、対物レン
ズ23としては例えば倍率 100倍,NA=1.30の液浸対
物レンズが使用されている。
【0046】なお、30は、微小検体分離装置20をコ
ントロールする制御装置であって、その入力側には、C
CDカメラ24,キーボード31,マウス32が接続さ
れ、その出力側には、対物レンズ23の駆動装置23
a,ディスプレイ装置25,レーザー光源26の駆動装
置33,スキャニング装置28のドライバ34,ステー
ジ移動装置35が接続されている。
【0047】また、36は、レーザー光により捕捉され
ている微小検体のトラッピング状態をモニタする4分割
ホトダイオードであって、その光軸がレーザー光のトラ
ッピング光軸と一致するように設定されている。微小検
体がトラッピング位置から外れると、微小検体の位置と
トラッピング光軸が位置ずれを起こしてトラッピング位
置における光強度分布が変化するので、前記ホトダイオ
ード36は、この光強度分布に基づいて、微小検体が外
れたか否かをモニタしている。そして、前記ホトダイオ
ード36の検出信号に基づいて、微小検体がトラッピン
グ位置から外れたと判断されると、前記制御装置30に
より両者が一致するようにステージ22を移動させ、ま
たは、スキャニングミラー27x,27yによりレーザ
ー光の照射位置を移動させて微小検体を再度捕捉するよ
うに成されている。
【0048】なお、40は電極8A,8B間に交流電圧
を印加する誘電泳動制御部であって、本例では、媒質液
及びキャリア液の電気伝導率が約 1.045mS/mのとき
に1000V/cm以上,約1MHzの交流電圧を印加して
いる。また、41は、キャリア液流路3に滅菌水を所定
の流量で供給するキャリア液供給制御部である。
【0049】さらに、42はセルプレート1及びレーザ
ートラッピング装置21で分離された一の微小検体を、
例えば96穴のマイクロプレート43や、シャーレなど
に滴下させる取出装置であって、マイクロプレート43
を取り付けたXYZステージ44と、サンプル取出配管
9out 内を流れてくる微小検体を検出する光学センサ4
5と、サンプル取出配管9out の先端に対して進退可能
に配された排水樋46とを備えている。
【0050】そして、前記光学センサ45により微小検
体が検出されたときは排水樋46が退避されて、サンプ
ル取出配管9out から流出されるキャリア液がマイクロ
プレート43の各セルに注入され、前記光学センサ45
により微小検体が検出されないときは排水樋46が進出
して、サンプル取出配管9out から流出されるキャリア
液が排水タンク47に導かれるように成されている。
【0051】以上が本発明の一例構成であって、次にそ
の作用を説明する。微小検体が分散浮遊する媒質液をサ
ンプル貯留チャンバ6に貯留させて、電極8A,8Bに
交流電圧を印加し、当該サンプル貯留チャンバ6からの
微小検体の流れ出しや泳ぎ出しを阻止しておく。
【0052】次いで、キャリア液流路3の流入口3inか
らキャリア液として滅菌水を供給すると、キャリア液
は、キャリア液流路3を流出口3out に向かって流れる
と共に、流速分布制御流路5R,5Lを通ってフィルタ
流路4との分岐点の手前でキャリア液流路3に合流する
ので、フィルタ流路4との分岐点におけるキャリア液の
流速分布は略均一になる。また、キャリア液流路3の幅
は、そのフィルタ流路4との分岐点で狭くなるので、キ
ャリア液の一部はフィルタ流路4に確実に流入してその
排出口4out に向かって流れる。
【0053】ここで、レーザートラッピング装置21に
より、サンプル貯留チャンバ6内の微小検体をレーザー
光で捕捉し、サンプル導出路7を通ってフィルタ流路4
まで移送し、さらに、フィルタ流路4のキャリア液の流
れに逆らって、キャリア液流路3まで移送する。
【0054】このとき、フィルタ流路4を流れるキャリ
ア液の流量は、流量調整弁15により、レーザー光によ
り捕捉された微小検体に作用するキャリア液の流体圧
が、レーザー光の拘束力より弱くなる程度に調整されて
いるので、微小検体はキャリア液により押し流されるこ
となくキャリア液流路3まで移送される。
【0055】また、レーザー光で捕捉されていない微小
検体がサンプル導出路7を通過してフィルタ流路4まで
流れ出したり泳ぎ出してくることがあっても、フィルタ
流路4には排出口4out に向かう流れが形成されている
ので、これらは排出口4out に向かって押し流され、キ
ャリア液流路3に達することはない。したがって、レー
ザー光で捕捉した一の微小検体のみをキャリア液流路3
まで移送することができる。
【0056】次いで、キャリア液流路3の流出口3out
に向かうキャリア液の流れが形成されているところで、
レーザー光により拘束を解くと、その流れに乗って、サ
ンプル取出配管9out を通り、光学センサ45により検
出されて、マイクロプレート43に滴下される。
【0057】このように、本例によれば、サンプル導出
路7の両側に形成された電極8A,8Bに交流電圧を印
加することにより、サンプル貯留チャンバ6から微小検
体が流れ出したり泳ぎ出すのを阻止することができ、さ
らに、微小検体がサンプル導出路7を通ってフィルタ流
路4へ流れ出し又は泳ぎ出しても、フィルタ流路4内の
キャリア液の流れによって排出口4out に向かって押し
流されるので、レーザー光で捕捉した一の微小検体以外
の微小検体が、キャリア液流路3を通って取り出される
ことはない。
【0058】したがって、サンプル貯留チャンバ6か
ら、サンプル導出路7及びフィルタ流路4を通ってキャ
リア液流路3に至るまでの距離を短縮しても、他の微小
検体がキャリア液流路3まで流れ出したり泳ぎ出したり
することはなく、レーザー光により捕捉した状態で移送
する距離を短くして一の微粒子の取出時間を短縮するこ
とができる。
【0059】なお、上述した説明では、アタッチメント
1Cにサンプル貯留チャンバ6の上面に蓋をするバルブ
13を形成した場合について説明したが、当該チャンバ
6に、オンオフバルブを介装した媒質液供給管(図示せ
ず)を接続して、ポンプ等により微小検体が浮遊する媒
質液を直接供給してもよい。また、フィルタ流路4やサ
ンプル導出路7の分岐角・合流角は任意であり、必ずし
も鋭角でなくてもよい。
【0060】また、フィルタ流路4にキャリア液が流入
しやすいように、その分岐点の下流側でキャリア液流路
3の幅を狭くした場合について説明したが、本発明はこ
れに限るものではない。
【0061】例えば、流速分布制御流路5R,5Lとの
合流点の下流側のキャリア液流路3の幅を均一にすると
共に、流速分布制御流路5Rの幅を、流速分布制御流路
5Lよりも太くしてその流量を多くすることにより、コ
アンダ効果を利用してキャリア液流路3内のキャリア液
の流れをフィルタ流路4側の壁面に付着させ、そのキャ
リア液をフィルタ流路4へ流入させるようにしてもよ
い。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、レ
ーザー光により捕捉した微小検体を、フィルタ流路の流
れに逆らってキャリア液流路まで移送するようにしてお
り、レーザー光により捕捉していない微小検体がサンプ
ル貯留チャンバからフィルタ流路へ流れ出したり泳ぎ出
すことがあっても、フィルタ流路の流れにより押し流さ
れてしまいキャリア液流路に達することはないので、サ
ンプル貯留チャンバからキャリア液流路までの移送距離
を短く設定することができ、ひいては、微小検体の取出
時間を短縮することができるという大変優れた効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微小検体分離用セルプレートの分
解組立図。
【図2】その流路を拡大して示す平面図。
【図3】(a)〜(d)はセルプレートの使用状態を示
す説明図。
【図4】微小検体分離装置を示す説明図。
【図5】従来装置を示す説明図。
【符号の説明】
1・・・・微小検体分離用セルプレート 1A・・・カバーガラス 1B・・・プレート本体 1C・・・アタッチメント 3・・・・キャリア液流路 3in・・・流入口 3out ・・流出口 4・・・・フィルタ流路 4out ・・排出口 5R,5L・・・流速分布制御流路 6・・・・サンプル貯留チャンバ 7・・・・サンプル導出路 8A,8B・・・電極 15・・・・流量調整弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽 根 健 夫 神奈川県横浜市青葉区あざみ野南一丁目3 番3号 株式会社モリテックス横浜技術セ ンター内 (72)発明者 福 田 敏 男 愛知県名古屋市東区矢田町2−66 名大矢 田宿舎122 (72)発明者 新 井 史 人 愛知県名古屋市千種区青柳町6−5−1 メイツ千種青柳501 Fターム(参考) 4B029 AA08 AA25 AA27 BB01 BB15 BB20 CC01 GA08 GB10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の微小検体が分散浮遊する媒質液を貯
    留するサンプル貯留チャンバ(6)から、レーザー光に
    より捕捉した前記微小検体を、キャリア液が流れるキャ
    リア液流路(3)まで移送し、そのキャリア液の流れに
    乗せて取り出すように成された微小検体分離用セルプレ
    ートにおいて、 前記キャリア液流路(3)を流れるキャリア液の一部を
    外部へ排出させるフィルタ流路(4)が当該キャリア液
    流路(3)から分岐形成されると共に、 前記サンプル貯留チャンバ(6)が、サンプル導出路
    (7)を介して前記フィルタ流路(4)に連通されたこ
    とを特徴とする微小検体分離用セルプレート。
  2. 【請求項2】前記サンプル導出路(7)を挟んでその両
    側に、当該サンプル導出路(7)内の媒質液中に電界を
    形成する少なくとも一対の電極(8A,8B)が配設さ
    れている請求項1記載の微小検体分離用セルプレート。
  3. 【請求項3】前記キャリア液流路(3)はその流入口
    (3in)から流出口(3out)まで直線的に形成され、前
    記流入口(3in)でキャリア液流路(3)から分岐さ
    れ、前記フィルタ流路(4)の分岐点の手前でキャリア
    液流路(3)に再び合流する流速分布制御流路(5R,
    5L)が、当該キャリア液流路(3)を挟んで左右両側
    に対称的に形成されてなる請求項1又は2記載の微小検
    体分離用セルプレート。
  4. 【請求項4】前記フィルタ流路(4)の排出口(4out)
    が、前記キャリア液流路(3)から流入するキャリア液
    の流量を調整する流量調整弁(15)に連通されて成る請
    求項1乃至3記載の微小検体分離用セルプレート。
JP26276599A 1999-07-26 1999-09-16 微小検体分離用セルプレート Pending JP2001095558A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005161480A (ja) * 2003-12-03 2005-06-23 Canon Inc 物体処理装置、物体の移動方法及びその移動方法を用いて処理された物体
US7824854B2 (en) 2002-05-07 2010-11-02 Japan Science And Technology Agency Method or apparatus for recovering micromaterial

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