JP2001095152A - ネオン変圧器のアース端子非接地保護回路 - Google Patents

ネオン変圧器のアース端子非接地保護回路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アース端子18が接地されていないと、電源
電力の供給を遮断する。 【解決手段】 2次巻線16の中点17の両側に誘起さ
れる電圧がわずか異なるようにされ、アース端子18が
接地されていない状態で電源電力が端子14,15間に
印加されると、2次巻線の中性点17と、非活線端子1
5との間に生じる電圧を電圧検出手段21で検出し、そ
の検出出力でトランジスタ28を導通し、ホトカプラの
発光素子33Lが発光し、受光素子33Pが導通してリ
レー37が動作し、その接点スイッチ13が常開側NO
に切替り、電源電力の一次巻線12への供給が遮断さ
れ、その状態がスイッチ13の常開側NOを通じるリレ
ーの自己保持回路で保持される。アース端子18が接地
されている状態では電圧検出手段21で電圧が検出され
ず、トランジスタ28は不導通のままである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はネオン管やアルゴ
ン管を点灯させるためのネオン変圧器において、そのア
ース端子を接地する工事を忘れた場合の保護回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ネオン変圧器においてはその安全性の点
からアース端子を接地して使用することが規定されてい
る。しかしネオン変圧器の工事業者がうっかりしてアー
ス端子を接地する工事を忘れたままであることがあっ
た。このようにアース端子が接地されていない状態でネ
オン変圧器が使用されると安全面等で問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、ネ
オン変圧器がアース端子を接地されない状態で使用され
ると、これを検出して、その電源電力の供給を遮断する
保護回路を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、2次巻線の中点の両側の巻線に誘起される電圧が互
いに不平衡になるようになされ、また非活線端子とアー
ス端子との間の電圧が、所定値以上の場合は電圧検出手
段で検出され、この電圧検出出力により電源電力の1次
巻線への供給が遮断手段により遮断される。請求項3の
発明によれば活線端子と非活線端子との間に電圧が印加
されると電圧印加検出手段で検出され、この電圧印加検
出手段と並列にスイッチング素子が接続され、活線端子
とアース端子との間に電圧印加検出無効手段が設けら
れ、アース端子に対し活線端子に電位差が生じるとこれ
が検出され、スイッチング素子がオンされ、電圧印加検
出手段が無効とされる、電圧印加検出手段が電圧印加を
検出すると電源電力の1次巻線への供給が遮断手段によ
り遮断される。
【0005】
【発明の実施の形態】図1に請求項1の発明の実施例を
示す。漏洩変圧器11の1次巻線12の一端はスイッチ
13を通じて活線端子14に、他端は非活線端子15に
それぞれ接続される。活線端子14と非活線端子15の
間に商用電源が接続され、その際商用電源の接地側が非
活線端子15側とされる。変圧器11の2次巻線16の
中点17はアース端子18に接続され、2次巻線16の
両端間にサイン灯19が接続される。アース端子18は
変圧器のケースが金属の場合は、ケースに設けられてい
る。
【0006】この実施例では非活線端子15とアース端
子18との間の電圧が所定値以上であれば、これが電圧
検出手段21により検出される。即ちコンデンサ22の
一端がアース端子18に接続され、他端がダイオード2
3のカソードとダイオード24のアノードとに接続さ
れ、ダイオード24のカソードが抵抗素子25を通じて
コンデンサ26の一端に接続され、ダイオード23のア
ノード及びコンデンサ26の他端は非活線端子15に接
続され、必要に応じてダイオード24及び抵抗素子25
の接続点がツエナダイオード27を通じて非活線端子1
5に接続される。抵抗素子25及びコンデンサ26の接
続点はスイッチング素子としてのトランジスタ28のベ
ースに接続され、トランジスタ28のエミッタはツエナ
ダイオード29を通じて非活線端子15に接続される。
なお、抵抗素子25及びコンデンサ26は必要に応じて
設ければ良い。
【0007】この回路はコンデンサ22を入力とする整
流回路であり、この例ではコンデンサ22,26、ダイ
オード23,24により整流回路31とされた場合であ
る。この整流回路31の整流出力電圧が所定値を越える
とトランジスタ28が導通する。電圧検出手段21で電
圧が検出されると、遮断手段により電源電力の1次巻線
12への供給が遮断される。トランジスタ28のコレク
タはホトカプラ33の発光素子33Lを通じ、更に抵抗
素子34−35−保護用ダイオード36を通じて活線端
子14に接続される。活線端子14と非活線端子15の
間に、ホトカプラ33の受光素子33Pとリレー37の
直列回路が接続され、リレー37の接点にスイッチ13
が用いられ、リレー37が動作するとスイッチ13が常
開側NOに接続され、活線端子14にスイッチ13の常
開側NOを通じてリレー37が接続され、リレー37の
自己保持回路が構成される。
【0008】漏洩変圧器11の2次巻線16の中点、1
7の両側の巻線16aと16bに誘起される電圧が互い
に不平衡になるようにする。例えば両側の2次巻線16
a,16bでそれぞれ構成される2つの磁気回路が互い
に不平衡になるようにされる。即ち図2に示すように、
長方形枠状磁気コア71の1辺中央部上に1次巻線12
が巻裝され、その1次巻線12の両側で磁気コア71上
に2次巻線16a,16bがそれぞれ巻裝され、1次巻
線12と2次巻線16a,16bとの各間において、枠
状磁気コア71の磁路を分路するリーケージコア72,
73が設けられている。この実施例ではリーケージコア
72,73の各幅t1,t2を互いに異ならせて、磁束
漏洩特性を異ならせ、2次巻線16a,16bによりそ
れぞれ構成される磁気回路74,75を互いに不平衡と
させる。t1は例えば枠状磁気コア71の幅tに対しそ
の10〜30%程度小とし、t2はtに対し10〜30
%程度大とする。
【0009】上述した構成において、アース端子18が
接地されていれば、非活線端子15とアース端子18間
の電位差はゼロとなり、電圧検出手段21では電圧は検
出されない。従ってトランジスタ28は不導通状態にあ
り、リレー37は動作せず、スイッチ13は常閉側NC
に接続され、端子14,15よりの電源電力が1次巻線
12へ供給される。しかし、アース端子18が接地され
ていない状態で端子14,15間に電源電力が印加され
ると、前記磁気回路74,75の磁気特性の相違によ
り、2次巻線16の中点17にわずかであるが電圧が生
じ、つまりアース端子18と非活線端子15の間に電圧
が生じ、これが電圧検出手段21により検出され、トラ
ンジスタ28が導通して発光素子33Lに電流が流れて
発光し、受光素子33Pが導通してリレー37が動作
し、スイッチ13が常開側NOに切替り、電源電力の1
次巻線12への供給が遮断され、リレー37の自己保持
回路によりこの状態が保持される。従ってアース端子1
8を接地し忘れて使用しようとしても電源電力の供給が
自動的に遮断されて、ネオン変圧器の使用が停止され
る。
【0010】リーケージコア72,73の磁束漏洩特性
を異ならせるには、リーケージコア72,73の幅を異
ならせる他に、各磁気空隙の長さG1,G2を互いに異
ならせてもよい。あるいは幅t1,t2と長さG1,G
2の両方を互いに異ならせてもよい。もしくは2次巻線
16aと16bの長さを互いにわずか異ならせ、つまり
中点17をわずかずらしてもよい。要は磁気回路74,
75の磁気特性を互いに異ならせればよい。ただし、こ
の磁気回路74,75の不平衡を大きくし過ぎると、サ
イン灯の点灯特性に影響を与えることになる。要するに
2次巻線16a,16bそれぞれが構成する磁気回路7
4,75の磁気特性を従来の両磁気回路74,75の磁
気特性が等しい場合のそれに対し各±10〜30%程度
にするとよい。
【0011】次に図3を参照して請求項4の発明の実施
例を説明する。図3において図1と対応する部分に同一
符号を付けてある。この実施例では活線端子14と非活
線端子15との間に電圧印加検出手段41が設けられ、
端子14と15間に電源電力が印加されるとこれが検出
される。即ちホトカプラ33の発光素子33Lの一端が
抵抗素子42−43−保護用ダイオード44を通じて非
活線端子15に接続され、他端がダイオード45を通じ
て活線端子14に接続される。必要に応じて、コンデン
サ46と抵抗素子47が発光素子33Lと並列に接続さ
れる。つまり端子14,15間に電源電力が印加される
と発光素子33Lが発光するようにされている。
【0012】この電圧印加検出手段41と並列にスイッ
チング素子としてのサイリスタ48が接続される。つま
りサイリスタ48のアノードが抵抗素子42と43の接
続点に接続され、カソードが発光素子33Lとダイオー
ド45の接続点に接続される。活線端子14とアース端
子18との間に電圧印加検出無効手段49が接続され
る。つまりコンデンサ51の一端がアース端子18に接
続され、他端がダイオード52のカソード及びダイオー
ド53のアノードに接続され、ダイオード53のカソー
ドは抵抗素子54を通じてコンデンサ55の一端に接続
され、ダイオード52のアノード、コンデンサ55の他
端がサイリスタ48のカソードに接続され、抵抗素子5
4とコンデンサ55の接続点が抵抗素子56を通じてサ
イリスタ48のゲートに接続され、必要に応じてダイオ
ード53と抵抗素子54の接続点とダイオード52のア
ノードとの間にツエナダイオード57が接続される。こ
の電圧印加検出無効手段49はコンデンサ51を入力と
する整流回路であり、この例ではコンデンサ51,5
5、ダイオード52,53により整流回路とされた場合
である。この整流回路の整流出力電圧が所定値を越える
とサイリスタ48が導通し、電圧印加検出手段41の機
能が無効とされる。
【0013】この構成において、アース端子18が接地
されていると、入力交流電力の負の半サイクルでアース
端子18と活線端子14との間に電位差が生じ、この電
位差が電圧印加検出無効手段49で検出され、サイリス
タ48が導通され、つまり発光素子33Lと抵抗素子4
2は導通したサイリスタ48で短絡され、電圧印加検出
手段41の機能が無効とされる。よって端子14,15
間に電源電力が印加されていても、電圧印加検出手段4
1の機能が無効とされているため、発光素子33Lは発
光しない。入力交流電力の正の半サイクルでは発光素子
33L、サイリスタ48は共に逆極性となり、サイリス
タ48は不導通であるが、発光素子33Lは発光しな
い。
【0014】アース端子18が接地されていない場合
は、アース端子18と活線端子14との間にサイリスタ
48を導通させるだけの電位差が生じないため、電圧印
加検出無効手段49では整流出力が得られず、サイリス
タ48は不導通状態にある。入力交流の負の半サイクル
で非活線端子15から活線端子14にダイオード44,
45、発光素子33L,抵抗素子42,43を通じて電
流が流れ、発光素子33Lが発光し、つまり端子14,
15間に電圧が印加されたことが検出され、受光素子3
3Pが導通し、リレー37が動作して、スイッチ13が
常開側NOに切替わり、電源電力の1次巻線12への供
給が遮断され、この状態がリレーの自己保持回路で保持
される。またこの例ではスイッチ13の常開側NOを通
じて発光ダイオード61に電流が流れ、発光ダイオード
61が発光して電源供給が遮断されている状態が報知さ
れる。
【0015】なお間違って、活線端子14を非活線に接
続し、非活線端子15に活線に接続すると、アース端子
18が接地されている状態では活線端子14とアース端
子18間に電圧が発生せず、サイリスタ48は不導通の
ままであり、端子15側が正となった時に、発光素子3
3Lに電流が流れて、発光し、受光素子33Pが導通し
てリレー37が動作して、電源電力の供給が遮断され
る。アース端子18が接地されていない状態において
も、端子14,18間に電圧が発生せず、サイリスタ4
8は不導通状態にあり、端子15が正となった時に、発
光素子33Lが発光して受光素子33Pが導通し、リレ
ー37が動作して、電源電力の供給が遮断される。この
図3に示した例では2次巻線16a,16bに誘起され
る電圧が不平衡になるようにする必要はない。
【0016】このように端子14,15と活線、非活線
との接続間違いをした場合も、電源電力の供給が遮断さ
れ、かつそのことが発光ダイオード61の発光により報
知される。リレー37の代りにトライアックなどの半導
体スイッチング素子を用いてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
アース端子を接地しないでネオン変圧器を使用すると、
電源電力の供給が遮断され、アース端子を接地しないで
使用することはできない。なおアース端子18の接地忘
れを検出するため、次のようなことが考えられる。即ち
図4に図1と対応する部分に同一符号を付けて示すよう
に、1次巻線12の一端とアース端子18との間に1次
巻線12と磁気的に結合した検出巻線61を設け、端子
14,15間に接続したリレー62を動作させ、そのリ
レー62の接点62a,62bにより、検出巻線61を
1次巻線12とアース端子18に接続し、アース端子1
8が接地されていると、検出巻線61に誘起された電圧
による電流が流れ、ホトカプラ63の発光素子63Lが
発光し、その受光素子63Pに電流が流れ、比較器64
の出力が正電位となり、ダイオード65が逆極性となり
ホトカプラ66の発光素子66Lは発光せず、端子1
4,15の交流電力は1次巻線12へ供給される。しか
し、アース端子が接地されていないと、検出巻線61に
誘起された電圧にもとづく電流が流れず、発光素子63
Lは発光せず、受光素子63Pは不導通であって、比較
器64の出力が負となり、ダイオード65が導通し、ホ
トカプラ66の発光素子66Lが発光し、その受光素子
66Pが導通して、リレー37が動作し、スイッチ13
が常開側NOに切替わり、交流電力の1次巻線12への
供給が遮断され、アース端子18が接地されたか否かを
検出することができる。
【0018】しかしこの場合はアース端子18が接地さ
れた正常状態で、1次巻線側からアース(大地)に比較
的大きな電流が流れるため、配電盤に取付けられている
漏電ブレーカが動作して電源が遮断されるおそれがあ
る。また入力端子14,15とアース端子18との間の
絶縁耐圧を試験するために、入力端子14,15間にリ
レー62が接続され、入力端子14,15間に交流電力
が印加された時のみ、リレー接点62a,62bにより
前記検出巻線61が1次巻線12の一端とアース端子1
8との間に接続され、前記絶縁耐圧試験時には、前記検
出巻線61がアース端子18と1次巻線12の一端とか
ら切り離されて試験ができるようにされていた。このた
め点滅・調光回路により入力端子14,15に対する交
流電力が断続されるとこれに応じて前記検出巻線61を
挿脱するためのリレー62が動作し、そのリレー62の
寿命を短くすることになる。
【0019】しかし、前述したこの発明によれば、電圧
検出手段21や電圧印加検出無効手段49にはほとんど
電流が流れないから、アース端子18が接地された正常
な状態で漏電ブレーカが動作するようなおそれはない。
また電圧検出手段21、電圧印加検出無効手段49はそ
れぞれコンデンサ入力とされているため、アース端子1
8と端子14,15との各間は遮断され、これら端子間
の絶縁耐圧試験を行うことができ、前記検出巻線61を
挿脱するためのリレー62を必要とせず、この点滅・調
光回路の出力により、このリレー62の寿命を短くする
という問題は生じ得ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施例を示す回路図。
【図2】請求項1の発明の実施例に用いる2次巻線16
a,16bの誘起電圧を不平衡とするための構成例を示
す図。
【図3】請求項4の発明の実施例を示す回路図。
【図4】想定されるアース端子非接地保護回路を示す回
路図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次巻線の中点の両側の巻線にそれぞれ
    誘起される電圧を互いに不平衡にする不平衡手段と、 非活線端子とアース端子との間の電圧を検出する電圧検
    出手段と、 その電圧検出手段による電圧検出出力により、電源電力
    を1次巻線へ供給するのを遮断する手段とを具備するネ
    オン変圧器のアース端子非接地保護回路。
  2. 【請求項2】 上記不平衡手段は上記2次巻線の中点の
    両側の巻線によりそれぞれ構成される両磁気回路の磁束
    漏洩特性を互いに異ならせる上記両磁気回路であること
    を特徴とする請求項2記載のネオン変圧器のアース端子
    非接地保護回路。
  3. 【請求項3】 上記電圧検出手段は、コンデンサを入力
    とする整流回路と、その整流回路の整流出力が所定値以
    上で導通されるスイッチング素子とよりなることを特徴
    とする請求項1又は2記載のネオン変圧器のアース端子
    非接地保護回路。
  4. 【請求項4】 活線端子と非活線端子との間に、活線端
    子と非活線端子との間の電圧印加を検出する電圧印加検
    出手段と、 上記電圧印加検出手段と並列に接続されたスイッチング
    素子と、 活線端子とアース端子との間に設けられ、アース端子に
    対し活線端子に電位差が生じると、これを検出して上記
    スイッチング素子をオンにする電圧印加検出無効手段
    と、 上記電圧印加検出手段が電圧印加を検出すると1次巻線
    への電源電力の供給を遮断する手段とを具備するネオン
    変圧器のアース端子非接地保護回路。
  5. 【請求項5】 上記電圧印加検出無効手段はコンデンサ
    を入力とする整流回路よりなり、その整流回路の整流出
    力が所定値以上になると上記スイッチング素子をオンに
    する手段であることを特徴とする請求項3記載のネオン
    変圧器のアース端子非接地保護回路。
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