JP2001095085A - 音響再生システム、スピーカシステム及びスピーカの設置方法 - Google Patents
音響再生システム、スピーカシステム及びスピーカの設置方法Info
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Abstract
ピーカシステム及びスピーカ設置方法を提供すること。 【解決手段】 スピーカからの直接音と設置面からの反
射音との干渉による音圧の減衰が、予め想定された受聴
点において、前記スピーカから発生された音の周波数成
分の中で1KHzから3KHzの周波数帯域について発
生するように、スピーカが設置面に対して高さ又は迎角
の少なくとも一方を与えて設置される。具体的には、例
えば、直接音の伝播経路と反射音との伝播経路差が5.
67センチメートルから17センチメートルになるよう
に、前記高さ又は迎角の少なくとも一方を定めればよ
い。
Description
を再生する技術の改良に関するもので、特に、机などか
らの反射音の影響を軽減したものである。
ゲームや舞台の音響効果などにおいて、効果音など各種
の音響を、予め意図した方向から聞こえてくるように再
生する技術が知られており、このような技術は、立体音
再生、仮想音源再生、仮想再生などと呼ばれている。
(音圧と呼ぶ)、周波数成分、音波の位相のずれ、とい
った特徴は、音源の位置や方向に応じて異なる。これ
は、音の特徴に影響する要素、具体的には部屋や空間と
いった伝達系、聴く人の頭部、耳介、肩などでの反射、
回折、共振といった影響が、音源の位置や方向に応じて
異なるためである。
用したもので、所望の音に、意図する方向から聞こえて
くる場合の特徴を人工的に与えて受聴者に聞かせること
で、受聴者の脳に、その音があたかもその方向から聞こ
えてくるように錯覚させるものである。
に聞かせる個々の音を「音像」や「仮想音源」と呼び、
聞こえてくる特定の方向を音像に与えることを「定位」
と呼ぶ。また、このように1つ又は複数の音像を定位さ
せることで受聴者に聞かせる音全体を「立体音」と呼
ぶ。また、定位させる方向ごとの音の特徴を決める関数
は「頭部伝達関数」と呼ぶ。
に先進的なものがステレオダイポール方式である。この
ステレオダイポール方式は、受聴者の正面に2つのスピ
ーカを互いに近接して配置するもので、音源の種類に合
わせたDSPなどのデジタルフィルタにより、3次元空
間内の所望の角度と距離に応じた頭部伝達関数を電気的
に合成したり、クロストークのキャンセルといった処理
を実現することで、空間の任意の位置に仮想音源を配置
するものである。
ば、バイノーラル録音のようなヘッドホンが不要とな
り、ヘッドホンの不自然な装着感などの問題が解消され
る。また、互いに離れた位置に左右のスピーカを設置す
るトランスオーラル方式などと比べて、スピーカの設置
スペースがコンパクトで済み、また、聴く人が3D効果
を体感できる範囲も広く、音像の定位も安定する。ま
た、ステレオダイポール方式では、従来のステレオ録音
やバイノーラル録音による音源も、リアスピーカなどを
使うことなく立体的に再生することができる。
スピーカをスピーカユニットと呼び、スピーカユニット
をスピーカボックスなどに組み込んだものをスピーカシ
ステムと呼び、これらと、理論上の音響発生装置をスピ
ーカと総称する。
む立体音再生の技術では、クロストークのキャンセルが
重要な要素となる。ここで、クロストークとは、左右の
スピーカからの音が反対側の耳にも届く現象であり、こ
のように反対側の耳に届く余計な成分をクロストーク成
分と呼ぶ。また、左右の各スピーカから再生される音響
信号について、クロストーク成分を除去する処理をクロ
ストークのキャンセリングやクロストークキャンセルな
どと呼ぶ。
キャンセルを施すシステムを逆システムと呼び、逆シス
テムが音響信号に作用する特性を逆システム特性と呼
ぶ。このような逆システム特性は、典型的には、DSP
などによる電子的なフィルタすなわちクロストークキャ
ンセルフィルタなどとして実現される。
者の両耳までの伝達特性を示す図であり、この図に基づ
いて、2つのスピーカSL,SRを利用した一般的な仮
想再生処理で使用する逆システム特性について説明す
る。すなわち、この図に示すようなスピーカと受聴者と
の関係において、受聴者の正面左方向に設置されたスピ
ーカを左スピーカSL、右側に設置されたスピーカを右
スピーカSRとする。ここで、スピーカと受聴者の両耳
の関係について説明する。すなわち、それぞれのスピー
カから出力される音響信号は、スピーカSLから左耳と
右耳へ、またスピーカSRから左耳と右耳へと伝播す
る。
みに、左側の音響信号は左耳のみに伝えることが望まし
いので、左右それぞれのスピーカSL,SRから反対側
の耳に伝達するクロストーク成分を除去する。具体的に
は、図16に示すように、左スピーカから右耳へ、右ス
ピーカから左耳へ伝播する音響信号を打ち消すように、
入力信号INL(z),INR(z)に対して信号処理
を施し、クロストーク成分の除去を行っている。
性の定義を説明する。なお、説明はz変換された関数を
前提に行う。すなわち、図16において、右スピーカか
ら右耳へ音が伝播する伝達特性をC1、右スピーカから
左耳へ音が伝播する伝達特性をC2とする。同様に、左
スピーカから左耳に音が伝播する伝達特性をC1、左ス
ピーカから右耳に音が伝播する伝達特性をC2とする。
る音響信号のうち、左スピーカからの出力をOUTL
(z)、右スピーカからの出力をOUTR(z)とした
とき、受聴者の左右の耳に伝達される音響信号EL
(z),ER(z)との関係は、
UTR(z)×C2(z) ER(z)=OUTL(z)×C2(z)+OUTR
(z)×C1(z) となる。
(z)と、EL(z)とER(z)が等しくなるように
するために、それぞれの入力信号に図16に示すような
信号処理H1,H2を施してスピーカから出力する。す
なわち、
を、左右の入力信号に対してそれぞれ行い出力する。
式の成立は必要条件であり、逆システム特性は非常に重
要な要素である。これは、仮想再生技術では、受聴者の
両耳に伝えたい信号が正確に伝達されることを条件とし
て仮想音源処理を行うからである。
ストーク成分を除去して入力信号を受聴者の両耳に伝達
するシステムが逆システムであり、図で用いたH1
(z)とH2(z)のようなフィルタ特性が逆システム
特性、またこの特性を用いて図16に示したような信号
処理を行うことがクロストーク成分のキャンセリングで
ある。
(z)とH2(z)は、再生スピーカから受聴者の両耳
に伝播する音響信号の伝達特性を表しているが、従来か
ら、このような伝達特性を同定する1つの手法として、
無響室においてスピーカから再生される音響情報を、ダ
ミーヘッドマイクロフォンと呼ばれる、人間の頭部を模
擬した特殊なマイクによって測定し、測定結果にもとづ
いてH1(z)とH2(z)を同定することが行われて
いる。
ュレートし、演算結果にもとづいてH1(z)とH2
(z)を同定することも可能である。いずれも、スピー
カとマイクとの間には反射物のない状態で測定もしくは
シミュレーションを行っている。
が伝播する場合に反射音が発生しないような無響室にお
いて、ある一定の高さの場所に設置したスピーカSと、
ダミーヘッドマイクロフォン(DMHと表す)を利用し
て測定した伝達特性が従来の測定値として用いられてき
た。
を机Dのような卓上においた場合など、スピーカの設置
環境によっては、スピーカからの直接音に加えて、卓面
などに反射した反射音が受聴者の耳に伝播することが考
えられる。つまり、上記のように反射物のない無響室の
ような環境を前提条件として作った伝達特性を使い、実
際には反射物のある環境で仮想再生した場合には、音響
信号の伝播に矛盾が生じることになる。
みの伝達特性に基づいて作成した逆システム特性は、本
来は、図19にすような環境、すなわち反射音がないよ
うな状態にスピーカを設置して受聴するべきである。し
かしながら、おおよそ再生環境は、図2にすように、反
射音が発生するような環境である。したがって、反射の
ない環境を前提に作成した逆システム特性と、反射が発
生する再生環境の逆システム特性とでは、おのずと矛盾
が生じることになる。
パルス応答と、反射の生じる状態で測定したインパルス
応答では、図14に示すREFARENSデータとLO
WPOSITIONデータのように明らかに測定値の特
性が違うものになっている。ここで、インパルス応答
は、スピーカからのある音圧での出力信号に対して、受
聴点で計測される音圧であり、その間の伝達関数が反映
される。また、REFARENSデータは、反射の無い
状態での受聴点での音圧を示し、周波数に関わらず一定
となるもので、図14で横一直線となっている。
スピーカを机上の低い位置(Low)に直接置いた場合
の受聴点での音圧を示す点線で、スピーカからの直接音
と机上で反射した反射音とが合成されたものである。こ
のLOWPOSITIONデータは、低周波数域におい
ては、直接音と反射音との位相のずれが波形に対して小
さいため互いに増強し合ってREFARENSデータよ
りも音圧が大きいものとなる。
音との位相のずれに応じて、増強される部分と減衰する
部分とが生じる。このような減衰や減衰の発生する周波
数帯域はDIPと呼ばれる。
大きな影響を与え、上記のような逆システム特性と実際
の再生環境との間で矛盾を発生させる原因となる。そし
て、逆システム特性は上記のように、仮想再生技術にお
いて非常に重要な要素であるが、特に、スピーカを机上
に置くような場合、スピーカの指向特性からみて、反射
音と直接音の音圧に差がほとんどないため、反射音が立
体音再生に大きく影響することになる。
環境下で再生する場合に、反射音を考慮した伝達特性を
用いることも考えられる。このために従来では、図17
のような反射のない環境について測定したデータ又はモ
デルとしてシミュレートした演算結果に代え、図18の
ように実際に反射音が発生するような環境について測定
したデータ又はモデルとしてシミュレートした演算結果
を用いて逆システム特性を導き出すことを行わなければ
ならなかった。
1(z)やC2(z)のほかに、反射面によって反射し
た後に受聴者の両耳に伝達する特性を逆システム特性に
おける伝達特性に反映させる必要がある。具体的には、
右スピーカから反射面によって反射して右耳に伝達する
特性、もしくは左スピーカから反射面によって反射して
左耳に伝達する特性をC3(z)、また右スピーカから
反射面によって反射して左耳に伝達する特性、もしくは
左スピーカから反射面によって反射して右耳に伝達する
特性をC4(z)と定義する場合、以下のような関係を
定義することができる。
OUTR(z)×C2(z)+OUTL(z)×C3
(z)+OUTR(z)×C4(z) ER’(z)=OUTL(z)×C2(z)+OUTR
(z)×C1(z)+OUTL(z)×C4(z)+O
UTR(z)×C3(z) H’1(z)= 1/{C1(z)+C3(z)} H’2(z)=−{1/{C2(z)+C4(z)}} とし、
ばならなかった。
ような従来技術には、実際の再生環境における反射音の
影響を受けやすいという問題点があった。すなわち、ま
ず、上記数式4や数式5に示すように伝達特性を導き出
す場合、測定時と全く同じような幾何学的な配置条件、
すなわち、スピーカと反射面の設置関係、またスピーカ
と反射点と測定マイクの距離関係を、実際に仮想再生す
る際に実現することは非常に困難であり、この点で従来
技術では反射音の影響を受けやすかった。
技術では、再生時に発生する反射音の影響が大きいにも
関わらず、逆システム特性とスピーカシステムの設置条
件との関係は考慮されなかったため、仮想再生時の反射
音の影響によって仮想音源の定位が明瞭に再現できない
場合があった。また、仮想再生のための逆システム特性
は、反射を含まない直接音の伝播に対する逆システム特
性がもっとも理想的な特性であり、反射音の影響の軽減
が潜在的に求められていた。
テムは、スピーカユニットを収めた箱になっており、そ
れ自体は、スピーカユニットの設置面からの高さや水平
方向に対する設置角度といった設置条件を自由に変更す
るための手段を備えていなかった。このため、一度設置
後に、設置状態を変更するには、スピーカの下に補助物
を挟むなどして方向調整を行う必要があり、煩雑であっ
た。特に、上記のような反射音を考慮して再生環境を調
整することも困難であり、この点でも、反射音の影響の
軽減が潜在的に期待されていた。
を解決するために提案されたもので、その目的は、反射
音の影響が少ない音響再生システム、スピーカシステム
及びスピーカ設置方法を提供することである。
め、請求項1の発明は、設置面上に設置されたスピーカ
を用いる音響再生システムにおいて、前記スピーカから
の直接音と前記設置面からの反射音との干渉による音圧
の減衰が、予め想定された受聴点において、前記スピー
カから発生された音の周波数成分の中で1KHzから3
KHzの周波数帯域について発生するように、前記スピ
ーカが前記設置面に対して高さ又は迎角の少なくとも一
方を与えて設置されたことを特徴とする。請求項5の発
明は、請求項1の発明をスピーカの設置方法という見方
からとらえたもので、スピーカを設置面上に設置するた
めのスピーカの設置方法において、前記スピーカからの
直接音と前記設置面からの反射音との干渉による音圧の
減衰が、予め想定された受聴点において、前記スピーカ
から発生された音の周波数成分の中で1KHzから3K
Hzの周波数帯域について発生するように、前記スピー
カを前記設置面に対して高さ又は迎角の少なくとも一方
を与えて設置することを特徴とする。請求項1,5の発
明では、スピーカ設置の際、反射面である設置面に対し
て高さや迎角をつけることで、まず、指向特性のうえで
音圧の低い方向を設置面に向け、仮想再生などにおける
反射音の影響を軽減することができる。また、前記の高
さや迎角の調整によって直接音と反射音の伝播経路差を
制御することで、直接音と反射音との干渉による減衰の
発生を、人間の方向感覚のあいまいな周波数帯に合わ
せ、仮想再生などにおける反射音の影響を軽減すること
ができる。
生システムにおいて、前記受聴点への前記直接音と前記
反射音との伝播経路差が5.67センチメートルから1
7センチメートルになるように、前記高さ又は迎角の少
なくとも一方を定めたことを特徴とする。請求項2の発
明では、直接音と反射音との伝播経路差を所定の数値内
に収めるという単純な基準により、スピーカの実際の設
置条件を求める幾何学計算、例えばスピーカと受聴点と
の水平距離やスピーカの設置高さなどから必要な迎角の
範囲を計算したり、逆に、水平距離と迎角から高さの範
囲を求めるといった計算を容易に行うことができる。
ボックスの前端に2つのスピーカを備え、前記前端を設
置面から所望の高さに持ち上げるための脚を備えたこと
を特徴とする。請求項3のスピーカシステムでは、奥行
き方向が長尺なスピーカボックスの前端に左右2つスピ
ーカすなわちスピーカユニットを設け、その前端を脚で
持ち上げることで、スピーカユニットに所望の高さと迎
角とを同時に与えることができる。このスピーカシステ
ムは、例えばステレオダイポール方式による立体音再生
に特に適しており、脚の形式はスライド式、伸縮式、ス
タンド式、多段階又は無段階の別など自由に選択するこ
とができる。
カシステムにおいて、前記前端側に上下スライド自在に
設けられた前記脚と、前記脚を前記スピーカボックスに
締め付けることで所望の位置に固定するためのねじと、
を備えたことを特徴とする。請求項4の発明では、例え
ばスピーカボックス前端面の左右にスピーカやその保護
グリルなどを設け、前端面の中心には上下スライドする
脚とねじ穴を設け、ノブ付きのねじをゆるめて脚を上下
に調整したり、ねじを締めて脚を固定することができ
る。このようにすれば、調整が容易で、強度に優れ、破
損しにくいスピーカシステムを数少ない単純な部品で実
現でき、さらに、ねじと脚を外してコンパクトに梱包や
収納することも可能となる。
施形態と呼ぶ)について、図面を参照しながら具体的に
説明する。なお、各図において、それ以前に説明した部
材と同様の部材については同じ符号を付し、説明は省略
する。
置されたスピーカを用いる音響再生システムであり(請
求項1,2)、スピーカを設置面上に設置するためのス
ピーカの設置方法として把握することもできる(請求項
5)。そして、本実施形態の特徴は、スピーカからの直
接音と設置面からの反射音との干渉による音圧の減衰
が、予め想定された受聴点において、前記スピーカから
発生された音の周波数成分の中で1KHzから3KHz
の周波数帯域について発生するように、スピーカが設置
面に対して高さ又は迎角の少なくとも一方を与えて設置
されることである(請求項1,5)。
の伝播経路差が5.67センチメートルから17センチ
メートルになるように、前記高さ又は迎角の少なくとも
一方を定めればよい(請求項2)。
を示す概念図であり、机D上に設置したスピーカSの音
を受聴者Lに聞かせる例である。この例では、受聴点c
への直接音の伝播経路a−(e−)cと、反射音の伝播
経路a−f’−cとの差が5.67センチメートルから
17センチメートルになるように、スピーカSの高さや
迎角を定める。
施形態は、次のように作用する。 〔2−1.スピーカの高さの調整〕まず、スピーカの設
置高さによって、直接音の伝播経路の距離と反射音の伝
播経路の距離とを変化させることで、DIPが発生する
周波数領域の位置を調整する例を示す。
ーカSを机D上の低い位置に直接置いた状態を示す概念
図である。この例では、スピーカから直接伝播する直接
音の伝播距離a−e−cと、反射面によって反射して伝
播する反射音の距離a−f’−cは、ほぼ同等の距離で
ある。これは、反射面に対してスピーカの中心部までの
距離が非常に近接しているためである。
ち上げた状態を示す概念図である。この例では、スピー
カSから直接伝播する直接音の距離a−b−cと、反射
面によって反射して伝播する反射音の距離a−f’−c
は、明らかに大きな距離の差が生じている。このよう
に、スピーカSの高さを変えることによって、直接音の
伝播経路の距離と、反射音の伝播経路の距離とを制御す
ることが可能になる。
を加えた時のDIP、即ち減衰部の発生について説明す
る。すなわち、櫛形フィルタなどで知られるように、入
力信号に遅延を施しただけの信号をもとの入力信号に付
加すると、遅延による波長/2の周波数の正数倍の部分
にDIPといわれる減衰部が発生することが一般的に知
られている。
(単位:メートル)とし、DIPが現れる場所すなわち
周波数帯域を周波数で現すと、
(伝播経路差α(m)×2) となる。
よって、前述の遅延差時間を調整し、結果として櫛形フ
ィルタのように発生する減衰部の周波数を制御すること
ができる。
次に、スピーカの高さや向きを変えることによって、指
向特性に基づいて、直接音の音圧レベルと反射音の音圧
レベルの比を制御できることを示し、また、DIPの減
衰量を調整する例をより具体的に示す。
で、同図に示したCircleAが再生スピーカの指向
特性を表しているとした場合、スピーカSから受聴者L
の耳に直接届く直接音の音圧と、反射によって生じた反
射音が受聴者の耳に届く音圧は、ほぼ同等である。この
理由は、音信号の経路として、直接伝播する音の経路と
してのa−e−c、a−f’−cが双方ともにほぼ同等
の距離であり、かつそれぞれの経路がスピーカの指向特
性の正面方向a−bに対してずれている開き角度もそれ
ぞれほぼ同等であるので、受聴者の耳への音圧レベル
は、直接音も反射音もほぼ同等であり、結果として反射
が大きく影響するからである。この環境で、従来のよう
な反射を含まない伝達関数の逆システム特性を用いた場
合には、特性上大きな矛盾が生じることになる。
に再生スピーカの指向特性を表しているとした場合、ス
ピーカSから受聴者Lの耳に直接届く直接音の音圧と、
反射によって生じた反射音が受聴者Lの耳に届く音圧は
明らかに異なり、直接音の音圧に対して、反射音の音圧
のほうがはるかに小さいことがわかる。
に、スピーカの指向特性の一例を示す。この図におい
て、スピーカSからa−bだけ離れた距離の音圧に対す
る指向特性を表したのがLevelAである。同様に、
a−cの音圧に対する指向特性をLevelB、a−d
の音圧に対する指向特性をLevelC、a−eの音圧
に対する指向特性をLevelDとする。
角度Θ方向の指向特性と音圧の関係をみると、正面方向
のポイントbと同等の音圧を示すポイントは、fとな
る。そのときのスピーカからの距離は、明らかにa−b
のほうがa−fよりも長いことがわかる。これは、スピ
ーカの正面では、正面以外と比べて、より遠くで同じ音
圧が得られることを意味する。
はeであり、a−iと同等の距離のポイントdでの音圧
はポイントiの音圧よりも高いことがわかる。つまり、
音圧と距離の関係は、スピーカの正面部が一番強い音圧
になり、開き角度が大きくなるほど音圧に対する距離は
短くなることがわかる。
合、図2ではスピーカの正面方向a−bに対して、直接
音も反射音も開き角度はおおよそ同等で、かつ到達距離
もおおよそ同等である。これに対して、図3では、直接
音は見開き角度が0に対して、反射音は見開き角度があ
り、かつスピーカから受聴者の耳までの伝達経路の距離
は、a−b−cに対してa−f’−cのほうが明らかに
長いことがわかる。つまり、見開き角度条件としても、
スピーカからの距離に起因する音圧レベルを考えても、
反射音の音圧は直接音の音圧よりも減少していることに
なる。
特性の正面を水平方向よりも上向きにとってスピーカを
配置すると、スピーカと受聴者との距離はあまりかわら
ないが、指向特性の正面方向a−bに対する開き角度が
違うため、反射音の音圧のほうが減衰することがわか
る。
の正面を水平より上向きしにし、かつ、スピーカを持ち
上げた状態を考える。この状態では、スピーカと受聴者
の耳との距離において、直接音と反射音それぞれの伝播
距離の間で大きな差が生じ、かつ指向特性における見開
き角度にも差が生じるので、反射音を軽減することが可
能になる。
角度を変えることによって、直接音と反射音の間の遅延
差によるDIP、つまり信号の減衰周波数を制御するだ
けでなく、反射音の音圧を軽減することも可能となる。
ここで説明に用いているスピーカの指向特性について補
足説明を行う。まず、スピーカからは、幅広い周波数帯
域の音響信号が再生され、一般に、スピーカの指向特性
として、低域の音響信号は無指向性に近い状態で、周波
数が高くなるにつれてそのスピーカが有する固有の指向
特性が表れてくる。
示した指向特性は、概念的な説明として示したものであ
り、実際の指向特性は必ずしも円形のサークルではな
く、具体的にはスピーカの特性や特に周波数によっても
異なるものである。例えば、図6は、その一例であり、
それぞれの周波数に対する正面方向からの見開き角度別
でプロットした結果を指向特性グラフに示したものであ
る。また、図7は、この場合のそれぞれの見開き角度に
対する振幅周波数特性を示すグラフである。
は、低域の音響信号に対してはすべての見開き角度に対
して一定の音圧レベルを示しているが、周波数が高くな
るほど、正面および後面に対する指向性が強くなってい
る。このことで、周波数が高くなるほどスピーカの正面
方向に指向性が強くなることがわかり、かつ正面方向に
対して見開き角度が開くと音圧レベルの減衰は顕著に表
れることがわかる。
音信号と、反射によって伝播する音信号には、周波数が
高くなるほど差が大きくなることになり、これまでに概
念図として示してきた指向特性による音圧の減衰差はこ
れによって生じるものである。
フからは、見開き角度が大きくなるにつれて、減衰し始
める周波数が低くなっていることがわかる。この事は、
直接音と反射音の間に生じる角度の差が大きければ大き
いほど、反射音の高周波成分の減衰が発生することを意
味し、結果として直接音の高周波への影響を軽減するこ
とができる。
は、公知の手法を用いたシミュレーションによっても容
易に得ることができるので、シミュレーション結果によ
っても、スピーカの高さと方向を調整することによっ
て、反射音による音響信号の影響を押さえることが可能
になる。
した事実に基づいて、反射によって発生するDIPの周
波数領域と減衰量を調整し、反射音の影響を最小限にす
る具体例を示す。すなわち、仮想音源の定位があいまい
になる周波数領域としての1KHz〜3KHz程度の帯
域にDIPが位置するように、スピーカの高さと向きを
調整する。このうち、特に高さは直接音と間接音の伝播
経路差に比例する遅延時間に影響が大きく、一方、スピ
ーカの向きは、指向特性に基づく音圧の減衰量に影響が
大きい。ここでは、これら双方を調整することによっ
て、反射音による影響を軽減するものとする。
は、方向弁別限の点で、方向に関する知覚があいまいで
あることが一般的に知られている周波数帯である。ここ
で、方向弁別限とは、音の発信位置を特定する人間の知
覚能力を方向ごとに表す一般的な基準であり、具体的に
は、各方向において、ある基準位置から音源の位置を少
しずつ移動させた時、基準位置から音源がずれたことを
初めて認識できる位置と基準位置との見開き角度差を数
値として現したものである。
小さく、例えば1〜2度といった方向の違いも識別でき
るのに対して、側方では大きく、例えば5〜10度くら
いずれないと方向の違いが識別できないといった特徴を
持つ。
も異なり、例えばトーン性の信号に対する場合、おおよ
そ2KHz付近を中心に1KHzから3KHz程度につ
いて、人間の知覚判断が非常にあいまいであることが一
般的に知られている。そこで、本発明では、このあいま
いな部分を利用して、反射音からの影響を少なくしてい
る。
げたり、傾けることによって、反射音で生じるDIPの
位置、すなわち減衰が発生する周波数で一番低いものを
1KHzから3KHz程度の間に合わせ込むことによっ
て、反射音から受ける影響を最小限にするものである。
なお、あいまいになるのは1〜3KHzであるが、具体
的には、特に、DIPを発生させる帯域は、1.5〜
2.5KHz程度が望ましい。
理想的な位置関係を幾何学的に示すものである。すなわ
ち反射面をb−e−gとし、スピーカの中心部をa、受
聴者の耳の位置をc、反射が発生する反射点をd’とそ
れぞれ定義する。まず、必ず定義されていなければなら
ない距離は、スピーカと受聴者の耳との距離である。こ
れは、a−cもしくはa−hの距離が定義されているこ
とにあたる。
ために必要となる情報は、スピーカから受聴者の耳に直
接伝播する直接音の伝播距離と、スピーカから受聴者の
耳に反射によって伝播する反射音の伝播距離になる。そ
こで、それぞれの距離を求める計算の手法を以下に示
す。なお、ここで用いる直接音の伝播距離、反射音の伝
播距離はいずれも単位はメートルとする。
直接音の伝播距離と、反射音の伝播距離は、次のような
数値の組合せを与えることで計算することができる。
∠a−b−e=Θ、 がそれぞれ与えられた場合 この場合、
∠a−b−e=Θ、 がそれぞれ与えられた場合 この場合、
|a−h|=D、 がそれぞれ与えられた場合 この場合、
制御〕以上のような手法によって得られた直接音の伝播
距離と、反射音の伝播距離を用いて、周波数領域で減衰
部として現れるDIPの制御を行うことができる。ここ
で、
こで、周波数は、波長が1/nだけ短くなるとn倍にな
る性格がある。また、反射音によって発生する減衰とし
て現れるDIP現象は半波長の整数倍の周波数として現
れることを考慮して、以下の関係が定義できる。
れる周波数をDIP周波数とすると、
0/(直接音の伝播距離−反射音の伝播距離) を関係づけることができる。
距離すなわち直接音と反射音との伝播経路差が約5.6
7センチメートルから17センチメートルの範囲に収ま
れば、減衰すなわちDIPは1KHzから約3KHzの
範囲に収まることを意味する。
=Θ、 (2)|a−b|=R、|a−h|=D、∠a−b−e
=Θ、 (3)|a−b|=R、|a−e|=H、|a−h|=
D、 がそれぞれ与えられた場合の各演算式と、 (4)反射による影響で発生する減衰現象の制御 とによって、スピーカと受聴者の耳の間の幾何学的な関
係を調整し、伝播距離の差を半波長とするDIP周波数
を2KHz付近に位置するように制御することによっ
て、反射による影響を軽減させることが可能になる。
は、スピーカ設置の際、反射面である設置面に対して高
さや迎角をつけることで、まず、指向特性のうえで音圧
の低い方向を設置面に向け、仮想再生などにおける反射
音の影響を軽減することができる。また、前記の高さや
迎角の調整によって直接音と反射音の伝播経路差を制御
することで、直接音と反射音との干渉による減衰の発生
を、人間の方向感覚のあいまいな周波数帯に合わせ、仮
想再生などにおける反射音の影響を軽減することができ
る。
の伝播経路差を所定の数値内に収めるという単純な基準
により、スピーカの実際の設置条件を求める幾何学計
算、例えばスピーカと受聴点との水平距離やスピーカの
設置高さなどから必要な迎角の範囲を計算したり、逆
に、水平距離と迎角から高さの範囲を求めるといった計
算も容易に行うことができる。
る。この実施例は、図9に示すように、高さよりも奥行
きが大きい箱型のスピーカボックス1の前端にスピーカ
ユニット2を設けたスピーカシステムSSを使用し、前
端部を持ち上げた場合に伝達特性に与える効果を測定し
たものである。このスピーカシステムSSは脚を備え、
図10に示すように、前端を設置面から所望の高さに持
ち上げて設置できるように構成されている。
例における具体的な測定条件として、まず、無響室のよ
うな反射環境の無い配置の条件1について、各構成要素
の寸法を図11にセンチメートル単位で示す。なお、本
実施例では他に、図2のような反射を伴った配置の条件
2と、さらに、図1のような反射を伴った条件3になる
ように、スピーカSSの角度を変えてスピーカSSから
測定マイクMまでの伝達特性を測定した。
り持ち上げない状態での測定寸法図を、センチメートル
単位で図12に示す。この条件2は、図2のように反射
面に近い配置の例で、直接音の伝播距離が64cm、反
射音の伝播距離が58cmとなっている。従って、伝送
距離の差は6cmで、DIPが発生するであろう周波数
は約2880Hzである。
た状態での測定寸法図をセンチメートル単位で図13に
示す。この条件3は、図1のように反射面から持ち上げ
た配置の例で、直接音の伝播距離が68cm、反射音の
伝播距離が59cmとなっている。従って、伝送距離の
差は9cmで、DIPが発生するであろう周波数は約1
880Hzである。
3で測定して求めた伝達特性において、反射の無い状態
(条件1)での伝達特性に対してどれだけの差異が生じ
ているかをお互いの比で表したものが、図14に示す比
較グラフである。このグラフにおいて、0dBで一定の
直線は条件1の伝達特性を表すREFARENSデータ
を示す。
い位置(Low)である条件2の伝達特性を示す。ま
た、実線は、反射面からある程度持ち上げた(Mid)
条件3の伝達特性を示す。これら点線のLowと実線の
Midは、各周波数領域での音圧の比率をREFARE
NSデータに対する比率で表したものである。
おいて、上記のような1KHzから約3KHzの範囲内
の周波数で明らかにDIPが発生しており、その周波数
は約2KHzである。つまり、本実施例により、スピー
カを持ち上げたり角度を調整することによって、反射音
による影響を音響的に制御でき、特に、反射音の影響で
発生するDIPの周波数上の位置を2KHz程度に調整
可能であることが確認された。
い低域、特に300Hz以下の音圧レベルが増大してお
り、低域の増幅効果が確認された。すなわち、本発明に
よれば、口径の小さいスピーカを用いた場合に低域を再
生しにくい欠点を軽減する利点も得られる。
本実施例で示したスピーカシステムは、具体的には、図
15(★スピーカシステムDiMAXの斜視図)に示す
ように、高さよりも奥行きが大きいスピーカボックス1
の前端に2つのスピーカユニット2R,2L及びその保
護グリル21R,21Lを備え、前端を設置面から所望
の高さに持ち上げるための脚3を備えている。
長板状で上下スライド自在である。また、保護グリル2
1R,21Lの間には、脚3をスピーカボックス1に締
め付けることで所望の位置に固定するためのノブ付きね
じ4と、このねじ4をねじ込むための図示しないねじ孔
が形成され、ねじ4が前記長孔31に貫通している。
カボックス1の前端を脚3で持ち上げることで、スピー
カユニット2R,2Lに所望の高さと迎角とを同時に与
えることができる。このスピーカシステムは、例えばス
テレオダイポール方式による立体音再生に特に適してい
る。特に、本実施例では、調整が容易で、強度に優れ、
破損しにくいスピーカシステムを数少ない単純な部品で
実現でき、さらに、ねじ4と脚3を外してコンパクトに
梱包や収納することも可能となる。
各実施形態及び実施例に限定されるものではなく、次に
例示するような他の実施形態も包含するものである。例
えば、上記実施例では、高さよりも奥行きが大きい箱型
のスピーカボックスの前端にスピーカユニットを設けた
スピーカシステムを用いたが、これ以外にも、例えばノ
ートパソコンに組み込んで使用するスピーカや、デスク
トップパソコン用スピーカ、モニタ組み込み用スピーカ
などへの応用が可能である。
けでなく、通常のステレオ用スピーカなど仮想再生を行
わないスピーカに対しても適用することで、反射音によ
る影響を軽減することができる。また、上記実施例では
脚の形式としてスライド式を示したが、脚の形式はスラ
イド式には限定されず、伸縮式、スタンド式、多段階又
は無段階の別など自由に選択することができる。また、
スピーカの高さと迎角は別個独立に調整するように構成
することももちろん可能である。
反射音の影響が少ない音響再生システム、スピーカシス
テム及びスピーカ設置方法を提供することができるの
で、例えば、DVDを用いたホームシアターなどにおい
ても、明瞭な定位感を持った迫力ある立体音再生が可能
となる。
図。
持ち上げて設置した状態を示す図。
ーカを設置した状態を示す図。
ラフ。
フ。
との理想的な位置関係を示す図。
す図。
設置状態を調整する様子を示す概念図。
スピーカシステムを設置した様子を示す図。
スピーカシステムを設置した状態を示す図。
を持ち上げて設置した状態を示す図。
性を示すグラフ。
斜視図。
ンセルを示す概念図。
Claims (5)
- 【請求項1】 設置面上に設置されたスピーカを用いる
音響再生システムにおいて、 前記スピーカからの直接音と前記設置面からの反射音と
の干渉による音圧の減衰が、予め想定された受聴点にお
いて、前記スピーカから発生された音の周波数成分の中
で1KHzから3KHzの周波数帯域について発生する
ように、前記スピーカが前記設置面に対して高さ又は迎
角の少なくとも一方を与えて設置されたことを特徴とす
る音響再生システム。 - 【請求項2】 前記受聴点への前記直接音と前記反射音
との伝播経路差が5.67センチメートルから17セン
チメートルになるように、前記高さ又は迎角の少なくと
も一方を定めたことを特徴とする請求項1記載の音響再
生システム。 - 【請求項3】 スピーカボックスの前端に2つのスピー
カを備え、 前記前端を設置面から所望の高さに持ち上げるための脚
を備えたことを特徴とするスピーカシステム。 - 【請求項4】 前記前端側に上下スライド自在に設けら
れた前記脚と、 前記脚を前記スピーカボックスに締め付けることで所望
の位置に固定するためのねじと、 を備えたことを特徴とする請求項3記載のスピーカシス
テム。 - 【請求項5】 スピーカを設置面上に設置するためのス
ピーカの設置方法において、 前記スピーカからの直接音と前記設置面からの反射音と
の干渉による音圧の減衰が、予め想定された受聴点にお
いて、前記スピーカから発生された音の周波数成分の中
で1KHzから3KHzの周波数帯域について発生する
ように、前記スピーカを前記設置面に対して高さ又は迎
角の少なくとも一方を与えて設置することを特徴とする
スピーカの設置方法。
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-
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