JP2001094160A - 熱電素子とその製造方法 - Google Patents

熱電素子とその製造方法

Info

Publication number
JP2001094160A
JP2001094160A JP27261199A JP27261199A JP2001094160A JP 2001094160 A JP2001094160 A JP 2001094160A JP 27261199 A JP27261199 A JP 27261199A JP 27261199 A JP27261199 A JP 27261199A JP 2001094160 A JP2001094160 A JP 2001094160A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric semiconductor
type thermoelectric
insulating resin
type
surface treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27261199A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Terajima
寺嶋  一彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP27261199A priority Critical patent/JP2001094160A/ja
Publication of JP2001094160A publication Critical patent/JP2001094160A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁樹脂の硬化収縮により熱電半導体素子片
の変形や割れの問題を解決して、小型で多数の熱電対を
備える熱電素子とその製造方法を提供することである。 【解決手段】 本発明の熱電素子はn型熱電半導体とp
型熱電半導体との間に絶縁樹脂を備える熱電素子であっ
て、n型熱電半導体と絶縁樹脂との間、またはp型熱電
半導体との間の一部あるいは全部に表面処理剤が含まれ
ている。また、本発明の熱電素子の製造方法は、n型熱
電半導体の表面、またはp型熱電半導体の表面の一部、
あるいは全部に表面処理剤を塗布する表面処理工程と、
n型熱電半導体とp型熱電半導体を向き合わせる組み合
わせ工程と、n型熱電半導体とp型熱電半導体との間に
絶縁樹脂を供給する絶縁樹脂設置工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電発電に用いる熱
電素子の製造方法に関し、さらに詳しくは小型でかつ多
数の熱電対を有する熱電素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電対の両端に温度差を与えると電圧を
発生する。この電圧を電気エネルギーとしてとして利用
するのが熱電発電である。この熱電発電は、熱エネルギ
ーと電機エネルギーの直接の変換手段であり、廃熱利用
など熱エネルギーの有効な利用を可能にする。さらに、
熱電発電を行うための熱電素子は構造が単純で他の発電
装置にくらべて小型化に有利な構造を備えている。この
ため、電子式腕時計などの携帯型電子機器の分野で応用
が期待される。
【0003】従来技術の熱電素子は、柱状に加工したp
型とn型の各熱電半導体からなる熱電対を規則的に配列
している。そのうえ、多数の熱電対を電気的に直列接続
してある。この熱電素子を腕時計などの小型携帯機器に
用いる場合は、小型化と有効な電力を得るために多数の
熱電対を配列する必要が有る。
【0004】以下、従来の技術における小型の熱発電素
子の構造について説明する。従来技術の熱電素子は熱電
発電を行うために、複数の柱状のp型熱電半導体素片と
n型熱電半導体素片を有している。p型熱電半導体素片
の材料として望ましいのはビスマステルル(BiTe)
系の焼成体であり、さらに望ましくはアンチモンを含有
する(BiSb)2Te3の焼成体である。また、n型熱
電半導体素片の材料として望ましいのはビスマステルル
(BiTe)系の焼成体であり、さらに望ましくはBi
2Te3の焼成体である。
【0005】そのうえ、前記p型熱電半導体素片とn型
熱電半導体素片の間に電気的に絶縁するための絶縁樹脂
を有している。絶縁樹脂の材料として望ましいのは熱硬
化性のエポキシ樹脂組成物である。さらに、複数のp型
熱電半導体素片とn型熱電半導体素片が熱電対になるよ
うに、電気的に直列に接続するための接続配線を有す
る。
【0006】以下従来技術の熱電素子の製造方法につい
て説明する。はじめに、n型熱電半導体ブロックとp型
熱電半導体ブロックに基台と隔壁を設けるための第一の
溝加工をする。つぎに、n型熱電半導体ブロックとp型
熱電半導体ブロックの隔壁の間に絶縁樹脂を注入する。
そののち、n型熱電半導体ブロックとp型熱電半導体ブ
ロックとのそれぞれの基台が平行になるようにして、隔
壁を交互に組み合わせる。
【0007】つぎに、絶縁樹脂を固化してn型熱電半導
体ブロックとp型熱電半導体ブロックの一体化ブロック
を形成する。そののち、n型半導体素片とp型半導体素
片を設けるために、前記一体化ブロック上面の基台を除
去する。つぎに、前記隔壁と直行するように、一体化ブ
ロックに複数のn型半導体素片とp型半導体素片を設け
るための2次の溝加工をする。
【0008】そののち、第2の溝加工で設けた溝を絶縁
樹脂で封止絶縁する。つぎに、n型半導体素片とp型半
導体素片を設けるために前記一体化ブロック下面の基台
を除去する。最後に、n型半導体素片とp型半導体素片
を電気的に直列に接続するための配線を設け、熱電素子
を完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のn型熱電半導体
ブロックとp型熱電半導体ブロックの隔壁の間に注入す
る絶縁樹脂の材料として、望ましいのは信頼性や熱電半
導体材料との密着の点から、主剤と硬化剤を主成分とす
る硬化性樹脂組成物である。また、小型の熱電素子の場
合は隔壁の間隔が20μm以下の微細な隙間になるた
め、従来技術の製造方法では低粘度の樹脂組成物以外は
使用できない。
【0010】一般に、低粘度の硬化性樹脂組成物は低粘
度化のために低分子量の主剤と硬化剤を選定する。ま
た、希釈溶剤を添加して樹脂組成物の粘度を下げる方法
もしばしば用いられる。しかし、低分子量の主剤と硬化
剤を主成分とする硬化性樹脂組成物では、主剤と硬化剤
の科学的架橋点の数が多くなり硬化収縮が大きい。ま
た、希釈溶剤を添加した場合は硬化中に希釈溶剤が揮発
するため硬化性樹脂組成物の収縮が大きい。
【0011】このように硬化性樹脂組成物の収縮が大き
い場合、強い応力が加わるため、熱電半導体素片の変形
や割れなどの問題が起こる。応力緩和の手段として、可
とう性を有する樹脂材料を用いることが知られている
が、一般的に可とう性の材料は高分子で粘度が高いので
使用できない。小型の熱電素子の場合は熱電半導体素片
が幅100μm程度の微細な柱になるため、割れの問題
は極めて深刻である。
【0012】そこで本発明の目的は、絶縁樹脂の硬化収
縮により熱電半導体素子片の変形や割れの問題を解決し
て、小型で多数の熱電対を備える熱電素子とその製造方
法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は下記記載の熱電素子とその製造方法を採用
する。
【0014】本発明の熱電素子はn型熱電半導体とp型
熱電半導体との間に絶縁樹脂を備える熱電素子であっ
て、n型熱電半導体またはp型熱電半導体と絶縁樹脂と
の間の、一部あるいは全部に表面処理剤が含まれている
ことを特徴とする。
【0015】本発明の熱電素子の製造方法は、n型熱電
半導体の表面、またはp型熱電半導体の表面の一部、あ
るいは全部に表面処理剤を塗布する表面処理工程と、n
型熱電半導体とp型熱電半導体を向き合わせる組み合わ
せ工程と、n型熱電半導体とp型熱電半導体との間に絶
縁樹脂を供給する絶縁樹脂設置工程を有することを特徴
とする。
【0016】本発明の熱電素子の製造方法は、表面処理
工程、組み合わせ工程、絶縁樹脂設置工程の順に行われ
ることを特徴とする。
【0017】本発明の熱電素子の製造方法は、表面処理
工程、絶縁樹脂設置工程、組み合わせ工程の順に行われ
ることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の熱電素子はn型熱電半導
体とp型熱電半導体との間に絶縁樹脂を有し、そのう
え、n型熱電半導体と絶縁樹脂との間、またはp型熱電
半導体との間の一部あるいは全部に表面処理剤が含まれ
ている。この表面処理剤により絶縁樹脂の熱電半導体材
料表面への濡れが良くなり、絶縁樹脂を供給する際の毛
管現象が増大する。したがって、高粘度の絶縁樹脂を隔
壁の隙間に供給することが可能になる。このため、絶縁
樹脂として高分子の主剤と硬化剤からなる、硬化収縮量
の少ない樹脂組成物の使用が可能になる。
【0019】また、可とう性の樹脂を使用して硬化収縮
による応力を緩和することも可能になる。このため、絶
縁樹脂の硬化による応力が、熱電半導体素片に加わるこ
とが無く変形や割れなどの問題を生じない。さらに、小
型の熱電素子の場合でも、熱電半導体素子片の割れの問
題は発生しなくなる。
【0020】
【実施例】以下、図面を用い本発明の熱電素子とその製
造方法を詳しく説明する。
【0021】図1は本発明の熱電素子の構造を示す側面
図である。図1に示すように本発明の熱電素子12は熱
電発電を行うために、複数の柱状のp型熱電半導体素片
9とn型熱電半導体素片10を有している。p型熱電半
導体素片9の材料として望ましいのはビスマステルル
(BiTe)系の焼成体であり、さらに望ましくはアン
チモンを含有する(BiSb)2Te3の焼成体である。
n型熱電半導体素片10の材料として望ましいのはビス
マステルル(BiTe)系の焼成体であり、さらに望ま
しくはBi2Te3の焼成体である。
【0022】また、p型熱電半導体素片9とn型熱電半
導体素片10の間に電気的に絶縁するための絶縁樹脂7
を有している。さらに、n型熱電半導体素片10と絶縁
樹脂7との間、またはp型熱電半導体素片9と絶縁樹脂
7との間の一部あるいは全部に表面処理剤13が含まれ
ている。絶縁樹脂7の材料として望ましいのは熱硬化性
のエポキシ樹脂組成物である。また、表面処理剤13と
しては、1分子内に樹脂材料に親和性の有る原子団と無
機材料に親和性の有る原子団を併せ持つ化合物を用い
る。このような化合物としてはチタネート系やシラン系
のカップリング剤が挙げられる。
【0023】そのうえ、本発明の熱電素子12は複数の
p型熱電半導体素片9とn型熱電半導体素片10が熱電
対になるように、電気的に直列に接続するための接続配
線11を有する。この接続配線11の材料としては導通
性に優れた銅や金などの金属膜が挙げられる。さらに上
記金属類の熱電素子への拡散を防止するためのバリアー
メタル層を、接続配線11と熱電半導体素片の間に設け
ることが望ましい。バリアーメタル層の材料としてはニ
ッケルなどの金属が挙げられる。
【0024】以上説明したように、本発明の熱電素子1
2が従来の熱電素子と構造上で異なる点は、n型熱電半
導体素片10と絶縁樹脂7との間、またはp型熱電半導
体素片9と絶縁樹脂との間の一部あるいは全部に表面処
理剤13を含む点である。この表面処理剤13により絶
縁樹脂7の熱電半導体材料表面への濡れが良くなり、絶
縁樹脂7を供給する際の毛管現象が増大する。
【0025】したがって、高粘度の絶縁樹脂7をp型熱
電半導体素片9とn型半導体素片10の隙間に供給する
ことが可能になる。このため、絶縁樹脂7の材料として
高分子の主剤と硬化剤からなる、硬化収縮量の少ない樹
脂組成物の使用が可能となった。
【0026】また、可とう性の樹脂を使用して硬化収縮
による応力を緩和することも可能になる。このため、絶
縁樹脂7の硬化による応力が、熱電半導体素片に加わる
ことが無く変形や割れなどの問題を生じなかった。さら
に、小型の熱電素子の場合でも、熱電半導体素子片の割
れの問題は発生しなくなった。
【0027】以下図面を用いて本発明の熱電素子12の
製造方法について詳しく説明する。図2に本発明の熱電
素子12の製造方法における、p型熱電半導体ブロック
1とn型熱電半導体ブロック2の側面を示す。
【0028】はじめに、外形がほぼ同じ長方形のp型熱
電半導体ブロック1とn型熱電半導体ブロック2の材料
を用意する。本実施例では横20mm、縦7mm、厚さ
4mmのブロックを用いた。図2に示すように、隔壁3
と基台4と縦溝5を形成するためにp型熱電半導体ブロ
ック1とn型熱電半導体ブロック2に溝加工を行う。
【0029】縦溝5の幅は隔壁3の厚みより大きくなる
ようにして形成する。本実施例では縦溝5の幅を130
μm、隔壁3の厚みを100μmにして、そのうえ、基
台4の厚みが約1.5mmになるように縦溝5を設けて
ある。
【0030】p型熱電半導体ブロック1の材料として望
ましいのはビスマステルル(BiTe)系の焼成体であ
り、さらに望ましくはアンチモンを含有する(BiS
b)2Te3の焼成体である。n型熱電半導体ブロック2
の材料として望ましいのはビスマステルル(BiTe)
系の焼成体であり、さらに望ましくはBi2Te3の焼成
体である。上記溝加工の手段としてはワイヤーによる研
磨加工やダイシングソーによる研削加工が挙げられる。
【0031】つぎに、絶縁樹脂との濡れを良くするため
にp型熱電半導体ブロック1とn型熱電半導体ブロック
2の表面に、表面処理剤を付着させる表面処理工程を行
う。この表面処理剤の材料としては、絶縁樹脂と親和性
の有る原子団とビスマステルル材料と親和性の有る原子
団を有する化合物を用いる。このような表面処理剤とし
て、シラン系やチタネート系のカップリング剤が挙げら
れる。さらに望ましくはエポキシシラン系やアミノシラ
ン系のカップリング剤である。
【0032】本実施例においては表面処理剤としてγ−
アミノプロピルトリエトキシシランを用いた。このγ−
アミノプロピルトリエトキシシランをエタノール2重量
%とし、p型熱電半導体ブロック1とn型熱電半導体ブ
ロック2をディップしたのち、120℃1時間乾燥して
付着させた。
【0033】p型熱電半導体ブロック1とn型熱電半導
体ブロック2付着するカップリング剤の量は微量でも、
つまり各ブロックの表面の一部に塗布するだけで、本発
明の効果が十分に得られる。特に厚み方向にはカップリ
ング剤が1分子付着している状態が最も効果的である。
また、全面を被服せずにアイランド状に付着している状
態でも本発明の効果は十分に得られる。
【0034】そののち、隔壁3と基台4を設けたp型熱
電半導体ブロック1、またはn型熱電半導体ブロック2
のいずれか一方の縦溝5に絶縁樹脂7を供給する絶縁樹
脂設置工程を行う。絶縁樹脂7の材料として望ましいの
は熱硬化性のエポキシ樹脂組成物である。さらに望まし
くは硬化収縮が少なく、可とう性を有するエポキシ樹脂
組成物である。
【0035】本実施例では、このようなエポキシ樹脂組
成物として、エポキシ当量が約190のビスフェノール
A型エポキシ樹脂とアミン価約300のポリアミド樹脂
を40対60重量比で混合したものを用いた。この実施
例のエポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃でおよそ25
00センチポイズである。前述のように本発明の実施例
では熱電半導体ブロック表面に表面処理剤が付着してい
る。このため、p型熱電半導体ブロック1上に供給した
前記エポキシ樹脂組成物は容易に縦溝5内部に浸透し
た。
【0036】つぎに、図3に示すように、前述のエポキ
シ樹脂組成物が供給されているp型熱電半導体ブロック
1の縦溝5に、n型熱電半導体ブロック2の隔壁3が入
るように組み合わせる組み合わせ工程を行う。この際
も、n型熱電半導体ブロック2に表面処理剤が付着して
いるので縦溝5に隔壁3が容易に挿入できる。
【0037】また、先にp型熱電半導体ブロック1とn
型熱電半導体ブロック2を組み合わせた組み合わせ工程
ののち、隔壁3の隙間に絶縁樹脂7を供給する絶縁樹脂
設置工程を行っても、本発明の効果は得られる。本実施
例においては、p型熱電半導体ブロック1とn型熱電半
導体ブロック2との、それぞれの隔壁3の隙間は約15
μmになるが、表面処理剤が付着しているため高粘度の
絶縁樹脂も浸透した。そののち、絶縁樹脂7を硬化させ
て図3に示す一体化ブロック6が完成する。硬化収縮が
少なく可とう性を有する絶縁樹脂7を使用できたので、
一体化ブロックに収縮応力による割れや歪みは見られな
かった。
【0038】つぎに、図2で示したところのp型熱電半
導体ブロック1と、n型熱電半導体ブロック2との隔壁
3上面が、交互に露出するようにして、図3の一体化ブ
ロック6上面の基台を研磨や切断等の手段で除去する。
そののち、図4に示すように多数のp型半導体素子片9
とn型半導体素子片10を設けるために、溝加工により
横溝8を形成する。この横溝8はすでに絶縁樹脂が設置
してある縦溝と直行するように設けることが望ましい。
上記溝加工の手段としてはワイヤーによる研磨加工やダ
イシングソーによる研削加工が挙げられる。
【0039】つぎに、横溝8内側のp型半導体素子片9
とn型半導体素子片10の表面に表面処理剤を付着させ
ることで、横溝8にも硬化収縮が少なく、可とう性を有
するエポキシ樹脂組成物を供給することが可能になる。
そののち、横溝8に供給した絶縁樹脂7を硬化させる。
絶縁樹脂7の組成により必要な場合は加熱硬化しても良
い。
【0040】つぎに、p型熱電半導体素片9とn型熱電
半導体素片10の表面が交互に露出するようにして、一
体化ブロック6下面の基台を研磨や切断等の手段で除去
する。そののち、図1に示すようにp型熱電半導体素片
9とn型熱電半導体素片10を、電気的に直列接続する
ための接続配線11を交互に設ける。接続配線11の形
成方法としては導電性接着剤の印刷や金属膜の蒸着やホ
トリソ工程による金属膜の形成などが挙げられる。以上
の製造工程により本発明の熱電素子が完成する。
【0041】ここで比較のために、表面処理剤13が付
着していないp型熱電半導体ブロック1に、前述の粘度
が2500センチポイズのエポキシ樹脂組成物を供給し
たが、縦溝5への浸透は起きなかった。種々のエポキシ
樹脂組成物について実験したところ、表面処理剤13が
付着していないp型熱電半導体ブロック1の縦溝5に浸
透する樹脂組成物の粘度はおよそ1000センチポイズ
以下であった。
【0042】このように粘度1000センチポイズ以下
のエポキシ樹脂組成物として、主剤にエポキシ当量約1
90のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、硬化剤
に無水メチルナジック酸を用いて60対40の重量比で
混合し、促進剤にトリエタノールアミンを1phr添加
して調整した。このエポキシ樹脂組成物を絶縁樹脂7と
して用いて、図3に示したような一体化ブロック6を作
成したところ、硬化収縮応力により一体化ブロック6に
縦方向に基台から隔壁に達する割れが発生していた。
【0043】以上説明したように、本発明の実施例と従
来技術の違いは、p型熱電半導体ブロックとn型熱電半
導体ブロックの表面に表面処理剤を有している点であ
る。この表面処理剤13により絶縁樹脂7の熱電半導体
材料表面への濡れが良くなり、絶縁樹脂7が縦溝5に入
る際の毛管現象が増大する。
【0044】さらに、本発明の実施例と従来技術の違い
は、一体化ブロックに設けた横溝の内側でp型半導体素
子片とn型半導体素子片の表面に、表面処理剤を有して
いる点である。この表面処理剤により絶縁樹脂の熱電半
導体材料表面への濡れが良くなり、絶縁樹脂が横溝に入
る際の毛管現象が増大する。
【0045】したがって、高粘度の絶縁樹脂を縦溝に供
給することが可能になる。このため、絶縁樹脂の材料と
して高分子の主剤と硬化剤からなる、硬化収縮量の少な
い樹脂組成物の使用が可能になる。
【0046】また、可とう性の樹脂を使用して硬化収縮
による応力を緩和することも可能になる。このため、絶
縁樹脂の硬化による応力が、隔壁や基台に加わることが
無く変形や割れなどの問題を生じない。さらに、小型の
熱電素子の場合でも、隔壁と基台の割れの問題は発生し
なくなる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
熱電素子はn型熱電半導体とp型熱電半導体との間に絶
縁樹脂を有し、そのうえ、n型熱電半導体と絶縁樹脂と
の間、またはp型熱電半導体との間の一部あるいは全部
に表面処理剤が含まれている。
【0048】この表面処理剤により絶縁樹脂の熱電半導
体材料表面への濡れが良くなり、絶縁樹脂を供給する際
の毛管現象が増大する。したがって、高粘度の絶縁樹脂
を隔壁の隙間に供給することが可能になる。このため、
絶縁樹脂として高分子の主剤と硬化剤からなる、硬化収
縮量の少ない樹脂組成物の使用が可能になる。
【0049】また、可とう性の樹脂を使用して硬化収縮
による応力を緩和することも可能になる。このため、絶
縁樹脂の硬化による応力が、熱電半導体素片に加わるこ
とが無く変形や割れなどの問題を生じない。
【0050】さらに、小型の熱電素子の場合でも、熱電
半導体素子片の割れの問題は発生しなくなる。したがっ
て、絶縁樹脂の硬化収縮により熱電半導体素子片の変形
や割れの問題が無く、小型で多数の熱電対を備える熱電
素子の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における熱電素子を示す側面図
である。
【図2】本発明の実施例における熱電半導体ブロックを
示す側面図である。
【図3】本発明の実施例における一体化ブロックを示す
側面図である。
【図4】本発明の実施例における一体化ブロックを示す
平面図である。
【符号の説明】
1 p型熱電半導体ブロック 2 n型熱電半導体ブロック 3 隔壁 4 基台 5 縦溝 6 一体化ブロック 7 絶縁樹脂 8 横溝 9 p型熱電半導体素片 10 n型熱電半導体素片 11 接続配線 12 熱電素子 13 表面処理剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型熱電半導体とp型熱電半導体との間
    に絶縁樹脂を備える熱電素子であって、n型熱電半導体
    またはp型熱電半導体と絶縁樹脂との間の一部あるいは
    全部に、表面処理剤が含まれていることを特徴とする熱
    電素子。
  2. 【請求項2】 n型熱電半導体の表面またはp型熱電半
    導体の表面の一部、あるいは全部に表面処理剤を塗布す
    る表面処理工程と、 n型熱電半導体とp型熱電半導体を組み合わせる組み合
    わせ工程と、 n型熱電半導体とp型熱電半導体との間に絶縁樹脂を設
    置するため、絶縁樹脂を供給する絶縁樹脂設置工程とを
    有する熱電素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面処理工程、組み合わせ工程、絶縁樹
    脂設置工程の順に行われることを特徴とする請求項2に
    記載の熱電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 表面処理工程、絶縁樹脂設置工程、組み
    合わせ工程の順に行われることを特徴とする請求項2に
    記載の熱電素子の製造方法。
JP27261199A 1999-09-27 1999-09-27 熱電素子とその製造方法 Pending JP2001094160A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27261199A JP2001094160A (ja) 1999-09-27 1999-09-27 熱電素子とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27261199A JP2001094160A (ja) 1999-09-27 1999-09-27 熱電素子とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001094160A true JP2001094160A (ja) 2001-04-06

Family

ID=17516354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27261199A Pending JP2001094160A (ja) 1999-09-27 1999-09-27 熱電素子とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001094160A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170003100A (ko) * 2015-06-30 2017-01-09 엘지이노텍 주식회사 열전 소자 및 이의 제조 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170003100A (ko) * 2015-06-30 2017-01-09 엘지이노텍 주식회사 열전 소자 및 이의 제조 방법
KR102378760B1 (ko) * 2015-06-30 2022-03-25 엘지이노텍 주식회사 열전 소자 및 이의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104733329B (zh) 半导体封装结构和工艺
CN104377171B (zh) 具有中介层的封装件及其形成方法
CN102738067A (zh) 半导体器件以及用于形成半导体封装的方法
CN107039290A (zh) 半导体器件及其制造方法
CN102244012A (zh) 半导体器件及其制造方法
TW200600523A (en) Epoxy resin composition for semiconductor encapsulation, semiconductor device using the same, and process for producing semiconductor device
US20090237890A1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
CN102024799A (zh) 半导体装置
TWI306433B (en) Dielectric film with low coefficient of thermal expansion (cte) using liquid crystalline resin
US9780061B2 (en) Molded chip package and method of manufacturing the same
JPH10242333A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
US10256169B2 (en) Semiconductor device
US20150221578A1 (en) Semiconductor package and method for producing a semiconductor
US10832995B2 (en) Power module
US8431223B2 (en) Low coefficient of thermal expansion (CTE) thermosetting resins for integrated circuit applications
DE102016101887B4 (de) Verfahren zum Herstellen eines Package mit Befestigung eines Chipbefestigungsmediums an einem bereits gekapselten elektronischen Chip
US7479449B2 (en) Underfill and mold compounds including siloxane-based aromatic diamines
JP2001094160A (ja) 熱電素子とその製造方法
DE102013112029B4 (de) Halbleiterbauelement mit Kapselung
JP2002076190A (ja) 回路基板、半導体装置及びこれらの製造方法
JP2004140064A (ja) 熱電素子およびその製造方法
JP2001217468A (ja) 熱電素子の製造方法
JP2003273413A (ja) 熱電素子およびその製造方法
JP2003273410A (ja) 熱電素子とその製造方法
DE102015100868A1 (de) Integrierte Schaltung und Verfahren zum Herstellen einer integrierten Schaltung