JP2001093178A - 対物レンズの傾き調整機構及びそれを備えた光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズの傾き調整機構及びそれを備えた光ピックアップ装置

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JP2001093178A
JP2001093178A JP26676599A JP26676599A JP2001093178A JP 2001093178 A JP2001093178 A JP 2001093178A JP 26676599 A JP26676599 A JP 26676599A JP 26676599 A JP26676599 A JP 26676599A JP 2001093178 A JP2001093178 A JP 2001093178A
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objective lens
disk
lens
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disc
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Hiroshi Ogata
洋 小形
Kenji Ikeda
憲治 池田
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Sharp Corp
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りなどが生じたディスに対して簡単な構造
で対物レンズの光軸がディスクに垂直となるように調整
する機構、及びそれを備えた光ピックアップ装置を提供
する。 【解決手段】 対物レンズがディスクに近づく方向に変
位すると、対物レンズからディスクに向かう対物レンズ
の光軸をディスクの中心方向に傾け、反対に対物レンズ
がディスクから遠ざかる方向に変位すると、対物レンズ
からディスクに向かう対物レンズの光軸をディスクの半
径方向外側に傾けることによりディスクに対する対物レ
ンズの傾きを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は対物レンズの傾き調
整機構及びそれを備えた光ピックアップ装置に関するも
のであり、より詳細には、コンパクトディスク(CD)
やデジタルビデオディスク(DVD)、ミニディスク
(MD)などのディスク記録再生装置に搭載可能な、対
物レンズの傾き調整機構及びそれを備えた光ピックアッ
プ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディスクが対物レンズの光軸に対して傾
いていると、収束光束がディスク基板を通過するとコマ
収差などが発生するため信号の良好な記録再生が行なえ
ない。そこで、信号記録面に対する対物レンズの光軸の
2方向の傾きを調整する傾き調整機構が従来から種々提
案されている。通常は、ディスクの反りなどで変位した
信号記録面に光の焦点を合わせるためのフォーカスサー
ボ、及び偏心などにより変位したディスクのトラックか
ら光スポットがずれないようにするためのトラックサー
ボの2軸の制御が行われている。図4に従来の制御動作
を示す。ディスク1は、スピンドルモータ3の軸に軸支
されて、ターンテーブル2の上に載置され、対物レンズ
4を備えたアクチュエータ5は、ディスクの下側に図の
左右方向に移動可能に取り付けられている。ここでフォ
ーカスサーボ制御は対物レンズ4のY方向に変位させる
ことにより、またトラックサーボ制御は対物レンズ4を
X方向に変位させることにより行われる。
【0003】一方、ディスクメディアの全世界的な普及
によりディスクの反りといった機械的変形の大きなもの
が生じるようになってきた。これは、ディスクの材質と
してポリカーボネートなどの樹脂材料が近年主流とな
り、成型条件や成型後の温湿度によって経時変化しやす
くなったことが原因と考えられる。このような機械的変
形の大きいディスクから精度よく再生することは従来の
2軸制御では困難なことがある。またDVDなどのよう
な高密度化されたディスク記録再生装置では、対物レン
ズから出射される光スポットの径を従来よりも小さくし
なければならない。ここで対物レンズの光スポット径d
は下記式から算出される。 d=k・λ/NA (式中、kは比例定数、λは光源の波長、NAは対物レ
ンズの開口数であり NA=n・sinθ (nは媒質の屈折率、θはレンズを見込む角度) で表される) 前記式から明らかなように、光スポット径dを小さくす
るためには、NAを大きくする必要がある。例えばCD
ではNAが0.45程度で必要なスポット径まで小さく
することができるが、高密度のDVDでは、要求される
スポット径を得るためにはNAは0.6程度まで大きく
しなければならない。他方、ディスクの傾き(対物レン
ズの光軸の傾き)による信号劣化はNAが大きいほど大
きくなる。したがって、DVDなどの場合には対物レン
ズの光軸の傾きをより一層なくすことが重要となってく
る。
【0004】対物レンズの傾きと信号特性との関係を図
5に示す。図5は縦軸をジッタ値(ns)、横軸を対物
レンズの傾きとした図である。ここでジッタ値は再生信
号の時間的変動を示す値であり、この値が小さいほど精
度よく読みとられていることを示している。図5から明
らかなように、対物レンズの傾きがゼロときにジッタ値
は最小値すなわち高精度となり、正負を問わず傾きが大
きくなるほどジッタ値は大きくなる。
【0005】また対物レンズの傾きθとコマ収差Ψとの
関係は下記式で表される。
【数1】 (式中、Ψ:コマ収差、θ:対物レンズの光軸の傾き、
t:ディスク基板の厚さ、n:ディスク基板の屈折率、
u:対物レンズの入射光と光軸のなす角)この式から
も、対物レンズの光軸の傾きを小さくする程、コマ収差
を小さく抑えることができ、信号の再生記録を精度よく
行えることがわかる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の問
題に鑑みてなされたものであり、反りなどが生じたディ
スに対して簡単な構造で対物レンズの光軸がディスクに
垂直となるように調整する機構、及びそれを備えた光ピ
ックアップ装置を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、光源か
ら出射した光をディスクの信号記録面に集光させる対物
レンズの光軸をディスクの反りに対応してディスクの信
号記録面に垂直となるようにする光学系において、対物
レンズがディスクに近づく方向に変位すると、対物レン
ズからディスクに向かう該対物レンズの光軸をディスク
の中心方向に傾け、該対物レンズがディスクから遠ざか
る方向に変位すると、対物レンズからディスクに向かう
該対物レンズの光軸をディスクの半径方向外側に傾ける
ことを特徴とする対物レンズの傾き調整機構が提供され
る。
【0008】また本発明によれば、外周面にコイルが巻
回され対物レンズを支持するレンズ支持部材を弾性部材
によって固定部材と変位可能に連結し、該固定部材と反
対面側の該レンズ支持部材の離隔対向位置に磁性体を備
え、前記反対面側から見て、コイルの移動中心点と前記
磁性体の中心点とが前記対物レンズの光軸に対して直角
方向に離隔するようにした対物レンズの傾き調整機構が
提供される。
【0009】さらに本発明によれば、外周面にコイルが
巻回され対物レンズを支持するレンズ支持部材を弾性部
材によって固定部材と変位可能に連結し、該固定部材と
反対面側の該レンズ支持部材の離隔対向位置に磁性体を
備え、前記弾性部材の弾性率が、対物レンズの光軸に対
して左右側で異なる対物レンズの傾き調整機構が提供さ
れる。
【0010】そしてまた本発明によれば、前記の対物レ
ンズ調整機構を備えた光ピックアップ装置が提供され
る。
【0011】なお、本発明におけるコイルの移動中心点
とは磁性体との対向面の中心点を意味し、磁性体の中心
点とはレンズ支持部材との対向面の中心点を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者等は、ディスクの傾きは
反りによるものが大半であることを突き止め、ディスク
の反りに関して鋭意検討した結果、次のような知見を得
た。
【0013】ディスクの反りには3つ型に大別すること
ができる。図3にそれらの型を示す。図3は、スピンド
ルモータ3の軸に軸支され、ターンテーブル2の上に載
置されたディスク1の側断面図である。図3(a)はデ
ィスクが上方向に反る場合、図3(b)は下方向に反る
場合、図3(c)はディスクの一方が上方向に反り、他
方が下方向に反る場合である。これらの図に基準線x
(図では一点鎖線)を引いてみると、基準線xより上側
では必ず上方向に反り、基準線xから下側では必ず下方
向に反ることがわかる。換言すれば、基準線xから上側
では下方向に反ることなく、反対に基準線xから下側で
は上方向に反ることはないのである。
【0014】本発明はこのような新たな知見に基づきな
されたものである。すなわち請求項1の発明に係る調整
機構の大きな特徴は、対物レンズがディスクに近づく方
向に変位すると、対物レンズからディスクに向かう該対
物レンズの光軸をディスクの中心方向に傾け、該対物レ
ンズがディスクから遠ざかる方向に変位すると、対物レ
ンズからディスクに向かう該対物レンズの光軸をディス
クの半径方向外側に傾ける点にある。このような動作に
より、反りを有するディスクに対して対物レンズの光軸
が垂直になるように調整される。
【0015】請求項2の発明に係る調整機構では、レン
ズ支持部材の固定部材と反対面側から見て、コイルの移
動中心点と前記磁性体の中心点とが対物レンズの光軸に
対して直角方向に離隔するように前記磁性体を設ける点
に特徴がある。例えばディスクが対物レンズと反対方向
に反っている場合に、フォーカスコイルに通電してレン
ズ支持部材をディスク方向に変位させる。このとき従来
は、レンズ支持部材の固定部材と反対面側から見て、フ
ォーカスコイルの駆動中心点と磁性体の中心点とは一致
し、かつ弾性率の同じ弾性部材でレンズ支持部材と固定
部材とを連結していたので、レンズ支持部材がディスク
方向に変位してもレンズ支持部材が回動することはなか
った。ところが、請求項2の発明に係る調整機構では、
コイルの移動中心点と前記磁性体の中心点とが対物レン
ズの光軸に対して直角方向に離隔するように磁性体を設
けているので、レンズ支持部材は変位すると同時に回動
するようになる。また請求項3の発明に係る調整機構で
は、弾性部材の弾性率を対物レンズの光軸に対して左右
側で異なるようにしたので、請求項2の発明と同様にレ
ンズ支持部材は変位すると同時に回動するようになる。
レンズ支持部材のこの回動角度をディスクの反りの角度
と一致させることによりディスクに対するレンズ支持部
材の光軸を垂直にすることができ、劣化の少ない良好な
信号が記録・再生できるようになる。なおレンズ支持部
材の回動角度は、コイルの移動中心点と前記磁性体の中
心点との離隔距離や弾性部材の材質・長さなどにより調
整することができる。本発明で使用できる弾性部材とし
ては、支持部材を回動を含めた変位可能に担持できるよ
うな弾性を有するものであれば特に限定はなく、例えば
バネ、(サスペンション)ワイヤーなどが挙げられる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施形態
についてさらに詳述する。図1は本発明の調整機構を模
式的に示した斜視図である。対物レンズ4を支持するレ
ンズ支持部材10の外周面にはコイル(フォーカスコイ
ル)7が巻回されている。レンズ支持部材10は弾性部
材(図では4本のサスペンションワイヤ)81,82で
固定部材9に変位可能に連結され、固定部材9と反対面
側のレンズ支持部材10の離隔対向位置には磁性体(永
久磁石)6が配置されている。図2は、本発明の調整機
構の磁性体側からの側面図である。フォーカスコイル7
の駆動中心点bと磁性体6の中心点aとは図の左右方向
に離隔した位置にある。このとき、例えばディスク1の
上方向への反りに対応してフォーカスコイル7への通電
によりレンズ支持部材10が+F方向にyだけ変位した
とき、フォーカスコイル7の左側部では対向位置に磁性
体6がないため上下方向の駆動力を失う一方、フォーカ
スコイル7の右側部では対向位置に磁性体6が存在する
ため駆動力が維持されるため、フォーカスコイル7の駆
動中心点bを中心として反時計回りの回転モーメントが
発生しレンズ支持部材10は+αだけ回動する。反対
に、ディスク1の下方向への反りに対応してレンズ支持
部材10が−F方向にyだけ変位したときは、同じ原理
によりレンズ支持部材10は時計回りに−αだけ回動す
る。このような+αあるいは−αのレンズ支持部材10
の光軸の傾きをディスク1の反り量に一致させることに
より信号の記録・再生を精度よく行うことができる。一
般に、ディスクの反りはディスク周縁部で30分程度で
あるから、ディスクの半径をr(mm)とするとディス
ク方向へのレンズ支持部材の移動量y(mm)は、 y=r・tan30’ から算出できる。したがって、例えばディスク半径が6
0mmの場合、レンズ支持部材の移動量yは0.52m
mとなるから、レンズ支持部材がディスク方向に0.5
2mm変位したときにレンズ支持部材が30分回動する
ように中心点aと駆動中心点bとの距離などを調整すれ
ばよい。
【0017】次に請求項3の発明に係る調整機構につい
て説明する。前記の図1を参照して、この調整機構で
は、磁性体6の側面方向(図の左下)から見て、フォー
カスコイル7の移動中心点bと磁性体6の中心点aとが
一致した従来と同様の構成を有している。一方、弾性部
材であるサスペンションワイヤ81,82は弾性率の異
なったものが使用されている。このような左右のサスペ
ンションワイヤの弾性率の違いから、レンズ支持部材1
0がディスク方向に変位すると、同時に移動中心点bを
中心として回動するのである。例えば、図1の右側のサ
スペンションワイヤ81の弾性率を左側のサスペンショ
ンワイヤ82より小さくしておくと、レンズ支持部材1
0が上方向に変位したとき、同時に移動中心点bを中心
に反時計回りに回動する。逆に、レンズ支持部材10が
下方向に変位したときは、移動中心点bを中心に時計回
りに回動する。この回動量は左右のサスペンションの弾
性率の調整することにより制御することができる。図1
では、左右2本ずつの弾性体でレンズ支持部材を担持し
ているが、もちろん左右1本ずつの弾性体でレンズ支持
部材を担持しても構わないし、より多くの弾性体を用い
てもよい。また左右で弾性体の本数を異なるようにして
もよい。弾性体の形状に特に限定はなく、レンズ支持部
材の形状や重量、必要な弾性率などから適宜決定すれば
よい。
【0018】
【発明の効果】本発明の調整機構によれば、ディスクの
傾きを検知する検知器やレンズ支持部材を傾けるための
複雑で高価な装置を用いることなく従来の基本的構造
で、ディスクの傾き特に反りに対応してレンズ支持部材
を回動させることができ、このような調整機構を備えた
光ピックアップ装置によれば信号の記録・再生を精度よ
く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の調整機構の構成を示す斜視図であ
る。
【図2】 請求項2の調整機構の動作説明図である。
【図3】 ディスクの反りの説明図である。
【図4】 レンズ支持部材の動作説明図である。
【図5】 対物レンズの光軸の傾きと再生精度との関係
を示す図である。
【符号の説明】
1 ディスク 2 ターンテーブル 3 スピンドルモータ 4 対物レンズ 6 磁性体(永久磁石) 7 コイル(フォーカスコイル) 81、82 サスペンションワイヤ 9 固定部材 10 レンズ支持部材 a 磁性体の中心点 b コイルの移動中心点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D118 AA04 AA13 BA01 BB02 BF02 BF03 CD02 CD04 DC03 EA02 EC07 EC09 ED08 EE05 EF09 FA29 FB10 FB20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射した光をディスクの信号記
    録面に集光させる対物レンズの光軸をディスクの反りに
    対応してディスクの信号記録面に垂直となるようにする
    光学系において、 対物レンズがディスクに近づく方向に変位すると、対物
    レンズからディスクに向かう該対物レンズの光軸をディ
    スクの中心方向に傾け、該対物レンズがディスクから遠
    ざかる方向に変位すると、対物レンズからディスクに向
    かう該対物レンズの光軸をディスクの半径方向外側に傾
    けることを特徴とする対物レンズの傾き調整機構。
  2. 【請求項2】 外周面にコイルが巻回され対物レンズを
    支持するレンズ支持部材を弾性部材によって固定部材と
    変位可能に連結し、該固定部材と反対面側の該レンズ支
    持部材の離隔対向位置に磁性体を備え、 前記反対面側から見て、コイルの移動中心点と前記磁性
    体の中心点とが前記対物レンズの光軸に対して直角方向
    に離隔するようした請求項1記載の対物レンズの傾き調
    整機構。
  3. 【請求項3】 外周面にコイルが巻回され対物レンズを
    支持するレンズ支持部材を弾性部材によって固定部材と
    変位可能に連結し、該固定部材と反対面側の該レンズ支
    持部材の離隔対向位置に磁性体を備え、 前記弾性部材の弾性率が、対物レンズの光軸に対して左
    右側で異なる請求項1又は2記載の対物レンズの傾き調
    整機構。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の対物レ
    ンズ調整機構を備えた光ピックアップ装置。
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