JP2001092462A - 波形編集方法、波形編集装置、波形編集プログラムを記録した記録媒体、並びに、楽音合成方法及び楽音合成装置 - Google Patents

波形編集方法、波形編集装置、波形編集プログラムを記録した記録媒体、並びに、楽音合成方法及び楽音合成装置

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JP2001092462A JP26815299A JP26815299A JP2001092462A JP 2001092462 A JP2001092462 A JP 2001092462A JP 26815299 A JP26815299 A JP 26815299A JP 26815299 A JP26815299 A JP 26815299A JP 2001092462 A JP2001092462 A JP 2001092462A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波形データの正規化処理を行なう際にも音色
変化を付けるように加工する。 【解決手段】 加工処理の対象波形データをWaveRAM
のWAVEBUFF1 に読み込む。操作部で正側正規化変調係数
Pp 、負側正規化変調係数Pm を%の値として入力す
る。波形データのうち振幅の絶対値が最大となるピーク
のサンプル点を検出し、そのサンプル点の振幅値をSpk
とする。Spkの正負の極性に応じて、正であれば正側の
正規化基準値N+をSpkで除算し、負であれば負側の正
規化基準値N−をSpkで除算し、その除算した結果を正
規化係数Gとする。対象波形データの各サンプルに対し
て、正のときサンプルにGとPp /100を乗算し、負
のときサンプルにGとPm /100を乗算する。乗算結
果が正規化基準値(N+、N−)を超過する場合は、サ
ンプルの振幅値を正規化基準値に制限し、波形をクリッ
ピングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽音、音声などの
波形をサンプリングして、その波形を編集することで音
色等に変化を付ける、波形編集方法、波形編集装置、波
形編集プログラムを記録した記録媒体、並びに、楽音合
成方法及び楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、楽音や音声などの波形をサンプリ
ングして、その波形を素材として楽音を合成しようとす
る際、S/N比を高くしたり振幅値を揃えるために、波
形データに対する正規化処理を行なっている。この正規
化処理では、対象となる波形において振幅値(波高値)
の絶対値が最大となるサンプル点を求め、このサンプル
点の振幅値に乗算することによりその乗算結果が所定の
振幅範囲の最大絶対値となるような正規化係数Gを求め
る。そして、この正規化係数Gを波形全体の各サンプル
点の振幅値に乗算する。なお、所定の振幅範囲とは正規
化基準値の範囲であり、典型例としては振幅値の信号ビ
ット長が16ビットの場合の+32767〜−3276
8(振幅値を16ビット長の2の補数形式で表し、1ビ
ットの重みを1とした整数値表現での振幅値範囲の例)
などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記の正規化
処理は、波形の最大振幅値に応じた全体音量の調節を行
なっているだけであり、音色までが変化することがな
い。しかし、このような正規化処理を行う際に音色変化
をも付けることができると、楽音波形の編集機能を高め
ることができる。そこで、本発明は、正規化処理を行う
際にも音色変化を付けることを可能にすることを課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の波形
編集方法は、編集の対象となる波形データの振幅値範囲
に応じて振幅変更係数を設定し、該編集の対象となる波
形データのサンプルごとにその振幅値に対応する振幅変
更係数を乗じて、波形データの振幅特性を変更するよう
にしたことを特徴とする。
【0005】本発明の請求項2の波形編集装置は、編集
の対象となる波形データを記憶する記憶手段と、前記編
集の対象となる波形データの振幅値範囲に応じて振幅変
更係数を設定する係数設定手段と、前記編集の対象とな
る波形データのサンプルごとにその振幅値に対応する前
記振幅変更係数を乗じて、波形データの振幅特性を変更
する変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】本発明の請求項3の記録媒体は、編集の対
象となる波形データを記憶手段に記憶するステップと、
前記編集の対象となる波形データの振幅値範囲に応じて
振幅変更係数を設定するステップと、前記編集の対象と
なる波形データのサンプルごとにその振幅値に対応する
振幅変更係数を乗じて、波形データの振幅特性を変更す
るステップと、をコンピュータで実行するための波形編
集プログラムを記録したものである。
【0007】上記のように構成された請求項1の波形編
集方法、請求項2の波形編集装置または請求項3の波形
編集プログラムの実行によれば、波形データの振幅値範
囲(例えば振幅値の正側と負側)に応じて振幅変更係数
(正側の振幅変更係数、負側の振幅変更係数)を所望に
応じて設定することができ、この振幅変更係数で波形デ
ータの振幅特性を変更することができ、音色変化を付け
ることが可能となる。
【0008】本発明の請求項4の楽音合成方法は、編集
の対象となる波形データの振幅値範囲に応じて振幅変更
係数を設定し、該編集の対象となる波形データのサンプ
ルごとにその振幅値に対応する振幅変更係数を乗じて、
波形データの振幅特性を変更し、該変更された波形デー
タに基づいて楽音を発音するようにしたことを特徴とす
る。
【0009】本発明の請求項5の楽音合成装置は、編集
の対象となる波形データを記憶する記憶手段と、前記編
集の対象となる波形データの振幅値範囲に応じて振幅変
更係数を設定する係数設定手段と、前記編集の対象とな
る波形データのサンプルごとにその振幅値に対応する前
記振幅変更係数を乗じて、波形データの振幅特性を変更
する変更手段と、前記変更された波形データに基づいて
楽音を発生する楽音発生手段と、を備えたことを特徴と
する。
【0010】上記のように構成された請求項4の楽音合
成方法または請求項5の楽音合成装置によれば、音色変
化を付けた楽音を発生することができ、音色を確認しな
がら波形を編集することができる。
【0011】なお、本発明における前記振幅変更係数の
好適な例としては次のようなものがある。例えば、編集
の対象となる波形データを正規化する正規化係数を基準
にした値として正規化変調係数(振幅変更係数)を設定
し、サンプルに対して正規化係数で正規化するとともに
正規化変調係数で振幅を変調する。例えば、波形データ
に正規化係数を乗算した値を基準の100%とし、この
基準に対してどの程度の変更を加えるかを百分率で指定
するように正規化変調係数を入力する。
【0012】また、上記の場合、正規化変調係数を10
0%より大きくしたときは、正規化変調係数を乗算した
ときに正規化した振幅の最大値(正規化基準値)を超え
る場合がある。この場合には、正規化基準値でクリッピ
ングする。また、正規化変調係数は、振幅の正側に寄与
する正側正規化変調係数と、振幅の負側に寄与する負側
正規化変調係数とをそれぞれ個別に設定できるようにす
るとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図4は本発明の一実施の形態の波
形編集装置を含む楽音合成装置の要部ブロック図であ
る。この楽音合成装置はサンプラー(サンプリング装
置)として構成されたものであり、CPU1がメモリシ
ステム2内に記憶されている制御プログラムを実行する
ことにより装置全体を制御する。メモリシステム2は、
WaveRAM21と、ROM、RAM、ハードディスク装
置(HD)、フロッピィディスク装置(FD)、CD再
生装置(CD)などの記憶メディア22とで構成されて
おり、WaveRAM21には、波形データの編集に用いる
WAVEBUFF1 とWAVEBUFF2 の各バッファ領域が設定されて
いる。なお、この実施形態では制御プログラムは記憶メ
ディア22のハードディスク装置に記憶されているもの
とする。
【0014】操作部3は、パネルスイッチや操作ノブな
どの入力操作子を備えており、この操作部3において、
波形データの選択や後述説明する正規化変調係数の入力
設定を行なったり、波形データのサンプリングの操作や
楽音再生時の各種パラメータの設定などを行なう。
【0015】アナログ/ディジタルコンバータ(AD
C)4は外部から入力されるアナログ音声信号をディジ
タル信号に変換するものであり、波形データのサンプリ
ング時にCPU1は、設定されたサンプリング周波数に
基づいてアナログ/ディジタルコンバータ4を介して波
形データをサンプリングし、メモリシステム2の所定の
記憶領域に記憶する。
【0016】楽音発生部5は音源(TG)やディジタル
/アナログコンバータ(DAC)等を備えており、楽音
再生時には、CPU1は割込み処理等により、加工され
た波形データあるいは任意に選択した波形データのサン
プルデータを楽音発生部に出力することにより楽音が出
力される。
【0017】インターフェース6はLAN、MIDI、
USB、IEEE1394等の各種ネットワークに接続
するインターフェースである。
【0018】この実施形態における波形データの加工は
次のように行なわれる。まず、加工処理の対象となる選
択された波形データあるいは入力された波形データはWa
veRAM21のWAVEBUFF1 に読み込まれる。この波形デ
ータに対して振幅をどの程度変化させるかの振幅変更係
数として、ユーザーは操作部3で正側の正規化変調係数
Pp と負側の正規化変調係数Pm を%の値として入力す
る。なお、このように%の値として入力するとユーザー
は振幅処理の度合が把握しやすくなる。次に、波形デー
タのうち振幅の絶対値が最大となるピークのサンプル点
を検索し、そのサンプル点の振幅値をSpkとする。正規
化基準値を正側N+、負側N−(信号ビット長が16ビ
ットの場合はN+=32767、N−=−32768)
とし、Spkの正負の極性に応じて、正であればN+をS
pkで除算し、負であればN−をSpkで除算し、その除算
した結果を正規化係数Gとする。
【0019】そして、対象波形データの各サンプルに対
して、サンプルが正のときは、そのサンプルに正規化係
数GとPp /100を乗算し、サンプルが負のときは、
そのサンプルに正規化係数GとPm /100を乗算す
る。すなわち、サンプルごとにその振幅値に対応する正
側または負側の正規化変調係数(振幅変更係数)を乗算
する。これにより、対象波形データは正規化係数Gによ
って正規化されるとともにさらに正側正規化変調係数P
p または負側正規化変調係数Pm の百分率の比率で、極
性(振幅値範囲)に応じて変調が加えられる。また、こ
の実施形態では、上記変調により演算結果が正規化基準
値(N+、N−)を超過する(絶対値が上回る)場合
は、サンプルの振幅値を正規化基準値に制限する。これ
により、波形がクリッピングされる。そして、この加工
された波形データはWAVEBUFF2 に書き込まれる。
【0020】なお、加工処理の対象となる波形データ
は、メモリシステム2の各種記憶メディア22に記憶さ
れている波形データ、アナログ/ディジタルコンバータ
(ADC)4を介してサンプリングした波形データ、あ
るいはインターフェース6を介して外部のネットワーク
から取り込んだ波形データなどである。
【0021】次に、図5のフローチャートに基づいて実
施形態の動作について説明する。図5はCPU1が実行
する制御プログラムの一部である波形編集プログラムの
要部のフローチャートであり、波形データの編集モード
において、波形データの加工を行なう振幅処理を示して
いる。なお、以下の説明およびフローチャートにおい
て、制御に用いられるレジスタを下記のラベルで表記
し、各レジスタとそれらの記憶内容は特に断らない限り
同一のラベルで表す。
【0022】Pp :入力設定される正側正規化変調係数
のレジスタ Pm :入力設定される負側正規化変調係数のレジスタ Spk:波形データ中の振幅値の絶対値が最大であるピー
クのサンプルデータのレジスタ W:波形データのサンプルデータのビット長(信号ビッ
ト長)のレジスタ G:正規化係数のレジスタ S:対象波形データのサンプルの総数のレジスタ Y:演算結果のレジスタ i:サンプルのインデックスのレジスタ WAVEBUFF1[i]:バッファ領域WAVEBUFF1 のi+1番目
(i=0,1,…,S−1)のサンプルが格納されてい
るレジスタ Si :対象波形データのi+1番目(i=0,1,…,
S−1)のサンプルのレジスタ WAVEBUFF2[i]:バッファ領域WAVEBUFF2 のi+1番目
(i=0,1,…,S−1)のサンプルを格納するレジ
スタ
【0023】振幅処理は、編集モードでユーザーが所定
の操作を行うことにより開始されるが、入力音のサンプ
リング終了や波形データの選択操作完了などをトリガと
して自動起動するようにしてもよい。振幅処理が起動さ
れると、先ず、ステップS1で選択された(現在選択さ
れている)波形データをWaveRAM21のバッファ領域
WAVEBUFF1 に読み込み、ステップS2で正側正規化変調
係数Pp と負側正規化変調係数Pm の設定値(%値)を
読み込む。なお、この正規化変調係数の読込みの処理
は、振幅処理開始前にユーザーが操作部3の所定の操作
ノブで入力設定した値を読み込む処理であるが、このス
テップS2の処理でユーザーの再入力設定が可能なよう
な処理としてもよい。
【0024】次に、ステップS3でバッファ領域WAVEBU
FF1 内の波形データのサンプルの総数Sを求め、波形デ
ータのピーク点のアドレスApkとその波高値Spkを求め
る。このとき、波高値(絶対値)が最大となるサンプル
点が複数ある場合は、一番若いアドレスをApkとし、そ
のサンプル(波高値)をSpkとしてレジスタSpkに格納
する。そして、ステップS4で、ピークのサンプルSpk
の正負の判定を行ない、Spkが正またはゼロであればス
テップS5で正規化係数Gを算出し、Spkが負の場合は
ステップS6で正規化係数Gを算出する。
【0025】ここで、信号ビット長はW(例えばW=1
6)であり、正側の正規化基準値N+は2W-1 −1、負
側の正規化基準値N−は−2W-1 である。すなわち、信
号ビット長Wの信号による波高値は整数扱いで−2W-1
〜0〜2W-1 −1のレンジを持っている。そこで、Spk
が正またはゼロの場合はステップS5で(2W-1 −1)
/Spkを演算してレジスタGに格納し、Spkが負の場合
はステップS6で(−2W-1 )/Spkを演算してレジス
タGに格納する。
【0026】次に、ステップS7で、レジスタiに
“0”をセットするとともに、バッファ領域WAVEBUFF2
をクリアし、ステップS8に進む。ここでステップS8
以降の処理は、ステップS12でのレジスタiのインク
リメントとステップS13での判定処理により、波形デ
ータのS個の全てのサンプルに対して実行する。
【0027】ステップS8では、バッファ領域WAVEBUFF
1 のWAVEBUFF1[i]のサンプルを読み出してレジスタSi
に格納し、ステップS9で波形データのサンプルSi の
正負の判定を行なう。そして、Si が正またはゼロであ
ればステップS10で加工処理を行ない、Si が負であ
ればステップS11で加工処理を行なう。
【0028】ステップS10では、Si ×G×(Pp /
100)を演算してこの振幅の演算結果をレジスタYに
格納し、Y≦2W-1 −1であればYをバッファ領域WAVE
BUFF2 のレジスタWAVEBUFF2[i]に格納する。また、Y>
W-1 −1であれば2W-1 −1をバッファ領域WAVEBUFF
2 のレジスタWAVEBUFF2[i]に格納する。一方、ステップ
S11では、Si ×G×(Pm /100)を演算してレ
ジスタYに格納し、Y≧−2W-1 であればYをバッファ
領域WAVEBUFF2 のレジスタWAVEBUFF2[i]に格納する。ま
た、Y<−2W-1 あれば−2W-1 をバッファ領域WAVEBU
FF2 のレジスタWAVEBUFF2[i]に格納する。なお、上記ス
テップS10、S11の演算および比較はWビット以上
のビット長で演算する。
【0029】以上の処理が一つのサンプルについて終了
すると、ステップS12でレジスタiをインクリメント
し、ステップS13でi=Sであるか否かを判定し、i
がSに達していなければ、ステップS8に戻って次のサ
ンプルについて同様の処理を行ない、i=Sとなると処
理を終了する。
【0030】以上の処理により、バッファ領域WAVEBUFF
1 に読み込まれた波形データが、そのピークの振幅に応
じた正規化係数Gとユーザーが設定した正側正規化変調
係数Pp および負側正規化変調係数Pm によって振幅が
加工され、この加工された波形データがバッファ領域WA
VEBUFF2 に格納される。なお、この加工したサンプルで
バッファ領域WAVEBUFF1 を逐次書き換え、このバッファ
領域WAVEBUFF1 の波形データに上書きするようにしても
よい。また、加工した波形データをインターフェース6
を介して外部に出力するようにしてもよい。
【0031】図1および図2は実施形態における加工し
た波形データの一例を示す図、図3は加工前の対象波形
データを示す図である。図1〜図3において横軸は時間
軸、縦軸は振幅軸であるが、振幅軸の数値は“1”が正
側の正規化基準値N+、“−1”が負側の正規化基準値
N−に対応している。なお、N+とN−の絶対値はN−
のほうが“1”だけ大きいが、この差は正規化基準値N
+,N−(信号ビット長が16ビットで32767、−
32768)の絶対値に比べて無視できる程度であり、
図では正規化基準値N+,N−の絶対値を共に“1”に
対応させている。
【0032】図3に示したように、対象波形データ(元
の波形)は次第に増加してピーク点Pに達し、その後、
徐々に減衰している。なお、この例の対象波形データ
は、ピッチが440Hz(基音)の音をサンプリング周
波数が44.1kHzで4000点サンプリングしたも
のである。この対象波形データに対して、正側正規化変
調係数Pp と負側正規化変調係数Pm を共に100%に
設定して前記の加工処理を行なうと、図1(A) のように
ピーク点に対応するサンプルが正規化基準値(“1”)
となるように通常の正規化処理の結果が得られる。
【0033】これに対して、正側正規化変調係数Pp と
負側正規化変調係数Pm の設定を任意に組み合わせるこ
とにより多様な加工を施すことができる。例えば、図1
(B)は正側正規化変調係数Pp と負側正規化変調係数Pm
を共に120%とした場合であり、正規化係数Gと正
規化変調係数Pp ,Pm による演算結果が正規化基準値
の範囲[−2W-1 ,2W-1 −1]を外れた上下の部分が
正規化基準値でクリッピングされている。
【0034】また、図2(A) は正側正規化変調係数Pp
を100%、負側正規化変調係数Pm を60%とした場
合であり、ピーク点Pに対応する部分で、正側のサンプ
ルは正規化基準値となり、負側のサンプルは正規化基準
値の60%となっている。さらに、図2(B) は正側正規
化変調係数Pp を80%、負側正規化変調係数Pm を2
00%とした場合であり、正側の波形はピーク点に対応
する部分で正規化基準値の80%となり、負側の波形は
正規化基準値で大きくクリッピングされている。
【0035】なお、このように波形をクリッピングする
とディスとーション(歪み音)効果が得られる。例え
ば、図2(B) のように振幅の片側(負側)をクリッピン
グすると、ピアノのダンパー(弦の片側の振動を制限す
る)による楽音波形の変形をシミュレートすることがで
る。
【0036】上記の実施形態では、振幅の演算結果Yが
信号レンジを超えるとき(Spk≧0でY=Si ×G×
(Pp /100)>2W-1 −1、Spk<0でY=Si ×
G×(Pm /100)<−2W-1 のとき)、振幅値を正
側の正規化基準値2W-1 −1または負側の正規化基準値
−2W-1 に制限(クリッピング)するようにしている
が、振幅の演算結果Yが信号レンジを超えるときはYの
下位Wビットを取ってこれを演算結果とするような処理
を選択設定するようにしてもよい。また、Yの値または
その範囲などに応じて、さらに振幅を変化(加工)する
ようにしてもよい。
【0037】また、実施形態では、波形の全長(i=0
〜S)について加工しているが、別途、加工対象範囲を
設定して処理するようにしてもよいし、区間分割して各
区間毎に独立した振幅加工処理を行うようにしてもよ
い。
【0038】また、実施形態では、正規化基準振幅を信
号ビット長Wのフルスケール値(−2W-1 、2W-1
1)としたが、任意の振幅値を正規化基準振幅として設
定可能にしてもよい。
【0039】また、対象波形データの正側、負側のそれ
ぞれで絶対値が最大であるピーク点を検索し、正側、負
側それぞれにおける正規化係数を計算して、正側と負側
でそれぞれ独立に正規化するようにしてもよい。この場
合、実施形態のように対象波形データ全体の中から絶対
値が最大となるピーク点を検索してその振幅値に応じた
正規化係数を乗算するような通常の正規化を行なうモー
ドも指定できるようにしておくとよい。
【0040】なお、正および負の正規化変調係数Pp 、
Pm をそれぞれ異なる値として設定し、振幅処理をした
場合、その結果としての波形は処理前の波形とは異なっ
た直流成分を持つことになる。直流成分を含んだ波形を
そのまま発音すると大きなクリックノイズが発生した
り、スピーカー等を破損してしまうなどの恐れがあるの
で、フィルタ演算などによって直流成分をカットする処
理を含ませるようにしてもよい。また、実施形態の図5
においては振幅演算値のクリッピング処理がS10、S
11の各ステップに含まれているが、このクリッピング
処理を省きかつビット数を拡張して振幅演算を行い、ハ
イパスフィルタなどによる直流成分カット処理を行って
からクリッピング処理を行うようにしてもよい。この場
合、Pp またはPm の何れかが100%以上に設定され
ても、ある程度は、クリッピングがなく、かつ元の波形
とは異なる音色を持つ波形が得られる。
【0041】また、実施形態では、制御プログラムに含
まれる波形編集プログラムがメモリシステム2のハード
ディスク装置にに予め記憶されている場合について説明
したが、これに限らずROMに記憶しておいてもよい
し、次のようにしてもよい。例えば、CD−ROMやC
D−Rなどの可搬媒体に波形編集プログラムを記録して
おき、メモリシステム2のCD再生装置から波形編集プ
ログラムをハードディスクにロードする。そして、CP
U1が、このハードディスクの波形編集プログラムをR
AM等に展開し、このRAMのプログラムに基づいて前
記実施形態同様に波形編集の動作を制御する。このよう
にすると、波形編集プログラムの新規インストールや追
加あるいはバージョンアップ等が容易に行える。
【0042】また、フロッピディスク、磁気ディスク
(MO)、DVD(デジタル多目的ディスク)等に波形
編集プログラムを記憶しておいて、RAMあるいはハー
ドディスクに供給するようにしてもよい。また、インタ
ーフェース6を利用し、LAN、MIDI、USB、I
EEE1394等のネットワークから波形編集プログラ
ムをダウンロードするようにしてもよい。
【0043】本発明は上記実施形態のようなサンプラー
に限らず、各種電子楽器、音源装置、シーケンサ、エフ
ェクタなど各種装置や、また、これらをMIDIあるい
は各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続
するようなシステム等に、機能として、あるいはアプリ
ケーションとして組み込むようにしてもよい。また、パ
ーソナルコンピュータに波形編集プログラムをアプリケ
ーションソフトとして記憶し、パーソナルコンピュータ
で実施するようにしてもよい。
【0044】なお、以上の実施形態で説明したような波
形編集プログラムが記録された媒体、すなわちROM、
RAM、ハードディスク、CD−ROM、CD−R、光
磁気ディスク、DVD(デジタル多目的ディスク)ある
いはネットワークのサーバコンピュータなど配信先の記
憶装置は、本発明の請求項3の波形編集プログラムを記
録した記録媒体に相当する。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の波形編集
方法、波形編集装置または波形編集プログラムの実行に
よれば、振幅変更係数を所望に応じて設定することで波
形あるいは波形の振幅特性を変更することができ、音色
変化を付けることが可能となる。
【0046】また、本発明の楽音合成装置によれば、音
色変化を付けた楽音を発生することができ、音色を確認
しながら波形を編集することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における加工した波形データ
の一例を示す図である。
【図2】実施形態における加工した波形データの他の例
を示す図である。
【図3】実施形態における加工前の対象波形データを示
す図である。
【図4】実施形態における波形編集装置を含む楽音合成
装置の要部ブロック図である。
【図5】実施形態における振幅処理のフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1…CPU、2…メモリシステム、5…楽音発生部、2
1…WaveRAM、22…記憶メディア

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 編集の対象となる波形データの振幅値範
    囲に応じて振幅変更係数を設定し、該編集の対象となる
    波形データのサンプルごとにその振幅値に対応する振幅
    変更係数を乗じて、波形データの振幅特性を変更するよ
    うにしたことを特徴とする波形編集方法。
  2. 【請求項2】 編集の対象となる波形データを記憶する
    記憶手段と、 前記編集の対象となる波形データの振幅値範囲に応じて
    振幅変更係数を設定する係数設定手段と、 前記編集の対象となる波形データのサンプルごとにその
    振幅値に対応する前記振幅変更係数を乗じて、波形デー
    タの振幅特性を変更する変更手段と、 を備えたことを特徴とする波形編集装置。
  3. 【請求項3】 編集の対象となる波形データを記憶手段
    に記憶するステップと、 前記編集の対象となる波形データの振幅値範囲に応じて
    振幅変更係数を設定するステップと、 前記編集の対象となる波形データのサンプルごとにその
    振幅値に対応する振幅変更係数を乗じて、波形データの
    振幅特性を変更するステップと、 をコンピュータで実行するための波形編集プログラムを
    記録した記録媒体。
  4. 【請求項4】 編集の対象となる波形データの振幅値範
    囲に応じて振幅変更係数を設定し、該編集の対象となる
    波形データのサンプルごとにその振幅値に対応する振幅
    変更係数を乗じて、波形データの振幅特性を変更し、該
    変更された波形データに基づいて楽音を発音するように
    したことを特徴とする楽音合成方法。
  5. 【請求項5】 編集の対象となる波形データを記憶する
    記憶手段と、 前記編集の対象となる波形データの振幅値範囲に応じて
    振幅変更係数を設定する係数設定手段と、 前記編集の対象となる波形データのサンプルごとにその
    振幅値に対応する前記振幅変更係数を乗じて、波形デー
    タの振幅特性を変更する変更手段と、 前記変更された波形データに基づいて楽音を発生する楽
    音発生手段と、を備えたことを特徴とする楽音合成装
    置。
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