JP2001091878A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JP2001091878A
JP2001091878A JP26728599A JP26728599A JP2001091878A JP 2001091878 A JP2001091878 A JP 2001091878A JP 26728599 A JP26728599 A JP 26728599A JP 26728599 A JP26728599 A JP 26728599A JP 2001091878 A JP2001091878 A JP 2001091878A
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JP
Japan
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lens
scanning device
optical scanning
resin film
optical system
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JP26728599A
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English (en)
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Akihisa Itabashi
彰久 板橋
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成であって、温度変化等の環境変動
に強い走査結像光学系を提供する。 【解決手段】 光源部とカップリングレンズと偏向器と
走査結像光学系6、7とから構成される光走査装置であ
って、走査結像光学系6、7中のガラス材料からなるレ
ンズの少なくとも1つのレンズ面に透明な樹脂膜60を
有し、樹脂膜60は、粘性を有する樹脂材料をレンズ面
に密着させた後、所定の処理により硬化させて形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザープリンタ
或いはレーザー複写機等の光書込ユニットにおいて、レ
ーザー光源から放射されたレーザー光を、偏向器により
偏向することにより走査を行い被走査媒体上に光スポッ
トを結像させる光走査装置に関し、特に、レーザー光を
被走査媒体上に導光する走査結像光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のレーザープリンタ或いはレーザー
複写機等に要求される画像品質(解像度)は、例えば、
200dpi(ドット/インチ)から300dpi、6
00dpi或いは1200dpiと高くなってきてお
り、それに伴い、レーザー光を被走査媒体上に導光する
走査結像光学系に対しても高性能が求められている。走
査結像光学系を高性能化するには、走査結像光学系に用
いられているレンズのレンズ面を非円弧面にすることが
有効であることが知られている。この非円弧面とは、例
えば、真円の一部を切り取った円弧の曲率を有する面を
円弧面とすると、非真円の一部を切り取った曲率を有す
る面を非円弧面と定義できる。しかし、ガラス材料のレ
ンズのレンズ面を非円弧面とする為には、研磨等により
ガラスレンズのレンズ面に非円弧を形成する加工方法が
必要であるため非常に困難である。そのため、ガラスレ
ンズのみにより高性能な走査結像光学系を構成する場合
には、非円弧面を有するレンズを用いず、レンズ面の中
心部のみを用いて走査画角を狭くすることにより対処し
たり、レンズの枚数を増やして組レンズにすることによ
り対処していた。従って、ガラスレンズのみにより高性
能な走査結像光学系を構成する場合、レンズの外形寸法
を大きくしたり、レンズの枚数を増加させる必要がある
ため、走査結像光学系のコストが高くなる。近年にな
り、上記の高性能な走査結像光学系を安価に提供するた
めに、走査結像光学系のレンズを透明なプラスチック材
料にて形成し、そのプラスチックレンズのレンズ面形状
を非円弧面化する方法が採用されている。例えば、プラ
スチックの射出圧縮成型に用いる金型において、レンズ
面を形成するための金駒の鏡面を非円弧面とすることに
より、非円弧のレンズ面を有するプラスチックレンズを
製造(成型)している。このように、プラスチック材料
によりレンズを製造する場合には、非円弧のレンズ面を
有するレンズを作りやすくなるという長所が発揮される
代わりに、光源部等の発熱、湿度(吸湿)等の環境変動
によって屈折率(及び復屈折特性)或いは形状が悪影響
を受けやすくなるという短所を有している。例えば、温
度がプラスチックレンズに与える悪影響としては、ガラ
ス材料の線膨張係数をα(G)とし、プラスチック材料
の線膨張計数をα(P)とした場合に、次の数式(数
1)と数式(数2)に示したように、プラスチック材料
の線膨張係数α(P)の方が1桁大きい値を示す。
【0003】
【数1】α(G)≒8*10-6
【数2】α(P)≒7*10-5 即ち、プラスチック材料の線膨張係数は、ガラス材料の
線膨張係数に比べて約10倍大きい。そのため、ガラス
材料に代えてプラスチック材料をレンズに用いる場合に
は、環境変動に伴う熱(温度)の影響を非常に大きく受
けることになる。ところで、上記600dpi或いは1
200dpiの如き高い画像品質を得るために高性能な
走査結像光学系を構成する場合には、被走査面上のビー
ムスポット径を細く絞り込む必要が有るが、ビームスポ
ット径を細くすると、そのビームスポット径を満足する
深度の範囲が狭くなってしまう。深度の範囲が狭いと、
ビーム或いは走査結像光学系に温度変化による環境変動
等の何らかの変化要因が加わることによりビームスポッ
ト径が目標とする値から逸脱しやすくなる。上記のよう
に、プラスチックレンズを用いた場合の高性能な走査結
像光学系のビームスポット径は、満足する深度の範囲が
狭いことから、温度変化に伴うプラスチックレンズの屈
折率の変化及び形状変化により結像位置ズレが許容範囲
を越えて大きくなりやすかった。即ち、プラスチックレ
ンズを用いた場合には、温度変化によって被走査面上の
ビームスポット径が大きくなることから、画質劣化が起
こりやすかった。この問題に対して、例えば、特許番号
第2850255号の特許公報には、ガラス材料により
形成されたレンズとプラスチック材料により形成された
レンズを貼り合わせる構成において、プラスチックレン
ズのレンズ面を非球面(非円弧)としたものが開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許番
号第2850255号の特許公報に記載された従来技術
は、プラスチックレンズをガラスレンズに貼り合わせる
構造であるから、温度変化による影響を減らすためにプ
ラスチックレンズ部分を薄くする場合に、張り合わせ時
に変形しないだけの強度を維持する必要があり、そのた
めに薄肉化には限界があった。また、ガラスレンズとプ
ラスチックレンズを貼り合わせる際の接着剤の厚みによ
りビームスポットが変動したり、貼り合わせる際にガラ
スレンズとプラスチックレンズがずれてしまうとビーム
の向きがずれたりするので、貼り合わせる作業が難しか
った。請求項1の本発明は、上述した如き従来の問題を
解決するためになされたものであって、簡単な構成であ
って、温度変化等の環境変動に強い走査結像光学系を提
供することを目的とする。また、請求項2の本発明は、
結像性能が高性能な走査結像光学系を提供することを目
的とする。また、請求項3または4の本発明は、精度良
く容易に製造することができる走査結像光学系を提供す
ることを目的とする。また、請求項5または6の本発明
は、走査結像光学系全体における温度変化等の環境変動
によるビームスポットのずれの補正が可能であり、走査
結像光学系全体の低コスト化が可能な走査結像光学系を
提供することを目的とする。また、請求項7または8の
本発明は、温度変化等の環境変動により最も影響を受け
るレンズに対する影響を減らすことにより、走査結像光
学系全体に対する環境変動の影響を低減させることがで
きる走査結像光学系を提供することを目的とする。ま
た、請求項9の本発明は、簡単な構成であって、結像性
能が高く、環境変動に強いレンズを精度良く容易に製造
することができる走査結像光学系を提供することを目的
とする。また、請求項10の本発明は、レンズ製造時に
表面形状の劣化、或いは、形状不良等が発生しない走査
結像光学系を提供することを目的とする。また、請求項
11の本発明は、レンズ製造時に内部歪み、或いは、屈
折率差等が発生しない走査結像光学系を提供することを
目的とする。また、請求項12の本発明は、レンズ製造
時に表面形状の劣化、内部歪み、屈折率差或いは形状不
良等が発生しない走査結像光学系を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1に記載本発明の光走査装置は、発散性の光
束を放射する光源部と、該光源部から放射される発散光
束を偏向器に導光するカップリングレンズと、前記カッ
プリングレンズからの光束を走査させるために偏向する
偏向器と、少なくとも1つのガラス材料からなるレンズ
を有すると共に前記偏向器により偏向された光束を被走
査媒体上に集光して光スポットを結像させる走査結像光
学系と、から構成される光走査装置であって、前記走査
結像光学系中の前記ガラス材料からなるレンズの少なく
とも1つのレンズ面には透明な樹脂膜を有し、該樹脂膜
は、粘性を有する樹脂材料を前記レンズ面に密着させた
後、所定の処理により硬化させて形成することを特徴と
する。請求項2の本発明は、請求項1に記載の光走査装
置において、前記樹脂膜は、前記カップリングレンズか
らの光束を被走査媒体上に結像させる前記走査結像光学
系の性能を向上させるレンズ効果を得るための非円弧の
面形状を有することを特徴とする。請求項3の本発明
は、請求項2に記載の光走査装置において、前記樹脂膜
は、紫外線硬化型の樹脂材料により形成され、前記所定
の処理は、前記樹脂膜への紫外線の照射であることを特
徴とする。請求項4の本発明は、請求項2に記載の光走
査装置において、前記樹脂膜は、熱硬化型の樹脂材料に
より形成され、前記所定の処理は、前記樹脂膜の加熱で
あることを特徴とする。請求項5の本発明は、請求項2
に記載の光走査装置において、前記カップリングレンズ
は、光束の波長変化を補償する色消し機能を有さないレ
ンズであることを特徴とする。請求項6の本発明は、請
求項2に記載の光走査装置において、前記カップリング
レンズは、単玉レンズであることを特徴とする。請求項
7の本発明は、請求項2に記載の光走査装置において、
前記樹脂膜は、前記走査結像光学系中の前記ガラス材料
からなるレンズの内、最もパワーの大きいレンズに形成
することを特徴とする。請求項8の本発明は、請求項2
に記載の光走査装置において、前記樹脂膜は、前記走査
結像光学系中の前記ガラス材料からなるレンズの内、中
心部が最も肉厚であるレンズに形成することを特徴とす
る。請求項9の本発明は、請求項3または4に記載の光
走査装置は、請求項5〜8の何れか1項に記載された構
成をも備えることを特徴とする。請求項10の本発明
は、請求項1〜9の何れか1項に記載の光走査装置にお
いて、前記樹脂膜の膜厚は、1mm未満であることを特
徴とする。請求項11の本発明は、請求項1〜9の何れ
か1項に記載の光走査装置において、前記樹脂膜の最小
膜厚は、最大膜厚の0.08倍以上であることを特徴と
する。請求項12の本発明は、請求項10に記載の光走
査装置は、請求項11に記載された構成をも備えること
を特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示した実施形態
に基づいて説明する。図1は、一般的な光走査装置の概
略の構成を示す斜視図である。図1に示す様に、光走査
装置は、発散性のレーザー光束を放射する半導体レーザ
ー等の光源1と、例えばコリメータレンズの如く光源1
から放射された発散性の光束を略平行な光束にするカッ
プリングレンズ2と、カップリングレンズ2により略平
行になった光束の径を絞り込み不要な光束を規制する絞
り3と、例えばシリンドリカルレンズの如く副走査方向
に屈折力を有する線像結像光学系4と、線像結像光学系
4により主走査方向に長い線状になって偏向反射面5a
に入射する光束を、等角速度にて回転することにより主
走査方向に偏向する偏向器5と、偏向器5により偏向さ
れた光束の進路を後述する感光体9上を直線的に走査す
るために補正するfθレンズ6と、例えば偏向反射面5
aにより発生する光束の面倒れを補正する長尺レンズ7
と、長尺レンズ7を出射した光束の進路を反射して変え
ることにより感光体9上に導光するミラー8と、偏向さ
れた光束が結像するビームスポットが表面上を走査する
被走査媒体である感光体9と、光源1と偏向器5との同
期をとるための同期検知系100と、から構成される。
また、同期検知系100は、さらに、fθレンズ6から
出射した光束の進路を反射して変えることにより後述す
る同期検知センサ12に導光するミラー10と、ミラー
10にて反射された光束を同期検知センサ12に集光し
て結像させる結像素子11と、入射した光束に基づいて
光源1から出射する光束の発光するタイミングを検知す
る同期検知センサ12と、から構成される。なお、カッ
プリングレンズ2には、光源1の発振波長が発熱により
長波長側にシフトした場合でもその波長変化による結像
位置ズレを補償できるように、色収差を解消するための
色消しレンズを用いる場合が多い。一般的な色消しレン
ズは、例えば通常ガラスの凸レンズと、屈折率が大きい
ガラスの凹レンズを組み合わせて構成する。
【0007】また、図1の光走査装置は以下のように動
作する。光源1から出射した発散性の光束20は、カッ
プリングレンズ2によって略平行光束20aになり、絞
り3により不要光束が規制され、線像結像光学系4によ
り副走査方向の光束が集光されて、偏向器5の偏向反射
面5a上に主走査方向に長い線状になって入射する。偏
向器5は矢印30の向きに等角速度で回転しており、偏
向反射面5aに対する出射角度は偏向器5の回転に伴っ
て変化するので、入射光束20aは偏向器5の回転に従
って偏向反射面5aにて主走査方向に光束20e→20
b→20c→20dの順に偏向されて出射する。偏向器
5を出射した各光束20e、20b、20c、20d
は、感光体9上を矢印50に示した向きに直線的に走査
するようにfθレンズ6にて進路が補正され、偏向反射
面5aの面倒れが長尺レンズ7にて補正される。fθレ
ンズ6および長尺レンズ7にて補正された各光束20
e、20b、20c、20dは、ミラー8にて反射され
て感光体9上にビームスポット40b、40c、40d
を結像する。また、同期検知系100では、例えば、偏
向器5を出射した光束を同期検知センサ12にて検出
し、同期検知センサ12が光源1を所定のタイミングで
発光させることにより、光源1から出射する光束を用い
る各走査線の走査開始タイミングを同期させる。
【0008】図2は、本発明の一実施形態の光走査装置
における走査結像光学系を示す上面図である。上記した
ように、プラスチック材料の線膨張係数は、ガラス材料
の線膨張係数に比べて約10倍大きく、ガラス材料に代
えてプラスチック材料をレンズに用いる場合には、環境
変動に伴う熱(温度)の影響を非常に大きく受けること
になる。そこで、本実施形態では、ガラス材料により形
成されたfθレンズ6からの光束20cの出射面側に、
樹脂材料により形成された樹脂膜60を密着させること
により、環境変動に伴う熱の影響を最小限にしている。
また、fθレンズ6は、走査結像光学系において最も屈
折率等のパワーの大きいレンズであり、また、レンズ中
心部の肉厚が最も厚いレンズである。走査結像光学系を
構成する各レンズ中で温度変化等の環境変動の影響を最
も顕著に受けるのは、最も光を大きく屈折させるパワー
の大きいレンズである。また、別の見方をすると、中心
部の肉厚が厚いと、その分だけ大きく熱膨張等の影響を
受けやすくなる。従って、本発明の樹脂膜60は、走査
結像光学系における最もパワーの大きいレンズ或いは最
も中心部が肉厚であるレンズに形成することが効果的で
ある。
【0009】樹脂膜60は、粘性を有する紫外線硬化型
の樹脂材料または熱硬化型の樹脂材料であり、少なくと
も硬化後に透明となるタイプのものを用いる。紫外線硬
化型の樹脂材料としては、例えば、ウレタン変性アクリ
レートのようにアクリレートをモノマー成分として含む
樹脂材料を用いる。この樹脂膜60により肉厚が均一で
はなく非円弧面を有するレンズを形成する。樹脂膜60
により形成するレンズとしては、両端部に比べて中心部
の肉厚が大きい凸レンズと、中心部に比べて両端部の肉
厚が大きい凹レンズが考えられるが、本実施形態では、
例えば、非円弧面を有した凹レンズを形成する。樹脂膜
60により凹レンズを形成する場合には、樹脂膜60の
周辺部の肉厚(膜厚)が最大肉厚になり、中心部の肉厚
が最小肉厚となるように構成する。ところで、樹脂膜6
0は、あまり厚すぎると硬化中に表面形状が劣化する、
面が波打つ、内部歪みが発生する、或いは、屈折率の分
布に偏りが発生するという不具合が生じる。また、一般
的なプラスチックレンズは、温度変化に比例して形状が
変化(膨張又は収縮)し易いという不具合を有してお
り、樹脂膜60も硬化後に温度変化に比例して形状が変
化し易いという欠点を有している。これらの不具合を解
消するために、樹脂膜60の最大肉厚を1mm未満とす
ることにより、温度変化により結像位置が変動してビー
ムスポットの径変化を起こさなくなることが発明者の実
験結果により確認された。また、樹脂膜60の最大肉厚
部と最小肉厚部との差が非常に大きい場合には、例えば
硬化中に、最小肉厚部は硬化しているのに、最大肉厚部
はまだ液状のまままであるという状態になることがあ
る。すると、硬化時間の違いにより、樹脂膜60の内部
に内部応力が発生し、内部歪みや屈折率差(屈折率分布
の偏り)が発生するという不具合がある。これらの不具
合を解消するために、樹脂膜60の最小肉厚を最大肉厚
の0.08倍以上にすることにより、硬化時間の差によ
り結像性能に影響を与えず、レンズ機能を保つことがで
きることが発明者の実験結果により確認された。
【0010】図3は、fθレンズ6の表面に紫外線硬化
型の樹脂材料を用いて樹脂膜60を形成する形成方法の
一例を示す横断面図である。金型70には、凹部70a
が設けられており、その凹部70a内には、非円弧のレ
ンズ面を形成する鏡面状成形面71aを備えた金駒71
が配置される。金駒1の鏡面状成形面71aには、樹脂
膜60形成用のスペース73を介してfθレンズ6が対
向するように嵌込まれる。このスペース73内に粘度を
有する紫外線硬化型の樹脂材料を流し込んで充填し、樹
脂材料とfθレンズ6とを密着一体化させる。その後、
紫外線照射装置80によりfθレンズ6側から紫外線8
1を硬化前の樹脂材料に照射して硬化させ接着する。こ
のようにして、fθレンズ6の表面に樹脂膜60を容易
に精度良く且つ安価に形成することができる。また、熱
硬化型の樹脂材料を用いる場合には、紫外線硬化型の樹
脂材料により樹脂膜60を形成する工程中の紫外線を照
射する工程を、金型を加熱する工程に変更すればよい。
この場合も、fθレンズ6の表面に樹脂膜60を容易に
精度良く且つ安価に形成することができる。次に、上記
したようにカップリングレンズ2には、温度変化によっ
て発生する波長の変化を補償するために色消しレンズが
用いられる場合が多い。しかし、色消しレンズのカップ
リングレンズを用いることにより結像位置のズレを補償
することはできても、温度変化によって発生するカップ
リングレンズのセルの伸びによる結像位置のズレを補償
することはできない。それどころか、カップリングレン
ズを色消しレンズとして波長の変化を補償してやること
により、逆にセルの伸びによる結像位置のズレは大きく
なる。そこで、本実施形態では、カップリングレンズ2
を色消しレンズ機能を有さない単玉レンズとし、温度変
化によって発生する光源1の波長の変化、波長の変化に
伴うカップリングレンズ2の色収差、及び、カップリン
グレンズ2のセルの伸び(膨張)の全てを合わせた結像
位置のズレ量と、fθレンズ6の表面に形成した樹脂膜
60によるズレ量を互いに補償するようにした。まず、
カップリングレンズ2を色消しレンズ機能を有さない単
玉レンズとした場合の結像位置のズレ量について説明す
る。発光時の発熱及び装置の環境温度の上昇によって光
源1の温度が上昇すると、発振波長は長波長側にシフト
する。すると、そのシフトした波長に対するカップリン
グレンズ2の屈折率は低くなる側にシフトする。即ち、
カップリングレンズ2の焦点距離は長く伸びることにな
る。このカップリングレンズ2の焦点距離の伸びと、カ
ップリングレンズ2のレンズのセルの伸びによる光源1
の発光点の位置ズレ量と、fθレンズ6の表面に形成し
た樹脂膜60による結像位置ズレを互いに補償するよう
に制御することにより、環境温度の変動の影響を抑える
ことができる。
【0011】図4は、発光点の位置ズレ量と結像位置の
位置ズレ量を示す図である。カップリングレンズ2の焦
点距離をf1、走査結像光学系6、7の主走査方向の焦
点距離をfm、光源部1の発光点位置をL0、結像位置
をS0とする。次に、環境変動(温度上昇)によりカッ
プリングレンズ2のセルが伸びたことによる光源1の発
光点のズレた位置をL1とする。また、環境変動(温度
上昇)により光源1の発振波長が長波長側にシフトして
カップリングレンズ2の焦点距離f1が増加した焦点距
離をf1’とし、その場合のカップリングレンズ2の軸
上の色収差によって発生する物点のズレ位置をL0’と
する。この場合、実際の物点の位置ズレ量は、ズレた光
源1の発光点の位置L1とズレた物点の位置L0’との
差であるΔXmとなる。同様にして走査結像光学系6、
7側では、環境変動(温度上昇)により光源1の発振波
長がシフトして走査結像光学系6、7の焦点距離fmが
ズレた焦点距離をfm’とし、その場合の走査結像光学
系6、7の結像位置のズレ位置をS0’とし、実際の結
像位置のズレ量をΔXm’とする。この場合に、次の数
式(数3)を満足するように各パラメータを設定すれば
よい。
【数3】ΔXm’=ΔXm*βm’ 但し、βm=f
m’/f1’ 具体的には、fθレンズ6の表面に形成した樹脂膜60
により、数式(数3)を満足する焦点距離fm’となる
ようにしてやれば、環境変動(温度上昇)の影響を最小
限に抑えることができる。このように本実施形態では、
走査結像光学系を、簡単な構成であって、温度変化等の
環境変動に強くでき、結像性能を高性能にでき、精度良
く容易に製造することができる。また、本実施形態は、
走査結像光学系全体における温度変化等の環境変動によ
るビームスポットのずれを補正することができ、走査結
像光学系全体を低コスト化することができる。また、本
実施形態は、温度変化等の環境変動により最も影響を受
けるレンズに対する影響を減らすことにより、走査結像
光学系全体に対する環境変動の影響を低減させることが
できる。また、本実施形態は、レンズ製造時に表面形状
の劣化、内部歪み、屈折率差の発生或いは形状不良等を
発生しないようにできる。
【0012】
【発明の効果】上記のように請求項1の本発明では、簡
単な構成でありながら、温度変化等の環境変動に強い走
査結像光学系を提供することができる。また、請求項2
の本発明では、結像性能が高性能な走査結像光学系を提
供することができる。また、請求項3または4の本発明
では、精度良く容易に製造することができる走査結像光
学系を提供することができる。また、請求項5または6
の本発明では、走査結像光学系全体における温度変化等
の環境変動によるビームスポットのずれの補正が可能で
あり、走査結像光学系全体の低コスト化が可能な走査結
像光学系を提供することができる。また、請求項7また
は8の本発明では、温度変化等の環境変動により最も影
響を受けるレンズに対する影響を減らすことにより、走
査結像光学系全体に対する環境変動の影響を低減させる
ことができる走査結像光学系を提供することができる。
また、請求項9の本発明では、簡単な構成であって、結
像性能が高く、環境変動に強いレンズを精度良く容易に
製造することができる走査結像光学系を提供することが
できる。また、請求項10の本発明では、レンズ製造時
に表面形状の劣化、或いは、形状不良等が発生しない走
査結像光学系を提供することができる。また、請求項1
1の本発明では、レンズ製造時に内部歪み、或いは、屈
折率差等が発生しない走査結像光学系を提供することが
できる。また、請求項12の本発明では、レンズ製造時
に表面形状の劣化、内部歪み、屈折率差或いは形状不良
等が発生しない走査結像光学系を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な光走査装置の概略の構成を示す斜視図
である。
【図2】本発明の一実施形態の光操作装置における走査
結像光学系を示す上面図である。
【図3】fθレンズの表面に紫外線硬化型の樹脂材料を
用いて樹脂膜を形成する形成方法の一例を示す上面図で
ある。
【図4】発光点の位置ズレ量と結像位置の位置ズレ量を
示す図である。
【符号の説明】
1・・・光源(半導体レーザ)、2・・・カップリング
レンズ、3・・・絞り、4・・・線像結像光学系、5・
・・偏向器、5a・・・偏向反射面、6・・・fθレン
ズ、7・・・長尺レンズ、8・・・ミラー、9・・・被
走査媒体、10・・・ミラー、11・・・結像素子、1
2・・・同期検知センサ、60・・・樹脂膜、70・・
・金型、70a・・・凹部、71・・・金駒、71a・
・・鏡面、73・・・スペース、80・・・紫外線照射
装置、81・・・紫外線、100・・・同期検知系

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発散性の光束を放射する光源部と、該光
    源部から放射される発散光束を偏向器に導光するカップ
    リングレンズと、前記カップリングレンズからの光束を
    走査させるために偏向する偏向器と、少なくとも1つの
    ガラス材料からなるレンズを有すると共に前記偏向器に
    より偏向された光束を被走査媒体上に集光して光スポッ
    トを結像させる走査結像光学系と、から構成される光走
    査装置であって、 前記走査結像光学系中の前記ガラス材料からなるレンズ
    の少なくとも1つのレンズ面には透明な樹脂膜を有し、
    該樹脂膜は、粘性を有する樹脂材料を前記レンズ面に密
    着させた後、所定の処理により硬化させて形成すること
    を特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光走査装置において、
    前記樹脂膜は、前記カップリングレンズからの光束を被
    走査媒体上に結像させる前記走査結像光学系の性能を向
    上させるレンズ効果を得るための非円弧の面形状を有す
    ることを特徴とする光走査装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光走査装置において、
    前記樹脂膜は、紫外線硬化型の樹脂材料により形成さ
    れ、前記所定の処理は、前記樹脂膜への紫外線の照射で
    あることを特徴とする光走査装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の光走査装置において、
    前記樹脂膜は、熱硬化型の樹脂材料により形成され、前
    記所定の処理は、前記樹脂膜の加熱であることを特徴と
    する光走査装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の光走査装置において、
    前記カップリングレンズは、光束の波長変化を補償する
    色消し機能を有さないレンズであることを特徴とする光
    走査装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の光走査装置において、
    前記カップリングレンズは、単玉レンズであることを特
    徴とする光走査装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の光走査装置において、
    前記樹脂膜は、前記走査結像光学系中の前記ガラス材料
    からなるレンズの内、最もパワーの大きいレンズに形成
    することを特徴とする光走査装置。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の光走査装置において、
    前記樹脂膜は、前記走査結像光学系中の前記ガラス材料
    からなるレンズの内、中心部が最も肉厚であるレンズに
    形成することを特徴とする光走査装置。
  9. 【請求項9】 請求項3または4に記載の光走査装置
    は、請求項5〜8の何れか1項に記載された構成をも備
    えることを特徴とする光走査装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか1項に記載の光
    走査装置において、前記樹脂膜の膜厚は、1mm未満で
    あることを特徴とする光走査装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9の何れか1項に記載の光
    走査装置において、前記樹脂膜の最小膜厚は、最大膜厚
    の0.08倍以上であることを特徴とする光走査装置。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の光走査装置は、請
    求項11に記載された構成をも備えることを特徴とする
    光走査装置。
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