JP2001091388A - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

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JP2001091388A JP26612499A JP26612499A JP2001091388A JP 2001091388 A JP2001091388 A JP 2001091388A JP 26612499 A JP26612499 A JP 26612499A JP 26612499 A JP26612499 A JP 26612499A JP 2001091388 A JP2001091388 A JP 2001091388A
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幸一 楠山
Masao Tsukada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイヤフラム部と撓み検出素子とを高精度に
位置合せし、高精度に圧力を検出する。 【解決手段】 基板1の表面側には薄肉部5によって覆
われた受圧穴4を設ける。そして、薄肉部5の表面側に
はその一部を取囲む枠状突部6を設け、枠状突部6の内
側にダイヤフラム部5Aを形成すると共に、ダイヤフラ
ム部5Aにピエゾ抵抗素子8を形成する。また、枠状突
部6の表面側には閉塞板10を陽極接合し、ダイヤフラ
ム部5A上に圧力室Aを画成する。さらに、枠状突部6
の外側には4個のスルーホール11を設ける。これによ
り、スルーホール11を通じて受圧穴4内に圧力を加え
ることができると共に、圧力センサの製造時にはスルー
ホール11を通じてエッチング処理を施すことによっ
て、受圧穴4と薄肉部5とを位置合わせした状態で受圧
穴4を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力を検出するの
に用いて好適な圧力センサに関し、特にエッチング処理
等の半導体製造技術を用いてシリコン基板等に形成され
る半導体式の圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体式の圧力センサとして、
シリコン材料からなる基板と、該基板の裏面側に受圧凹
溝を形成することにより該基板の表面側に設けられたダ
イヤフラムと、該ダイヤフラムに設けられ受圧凹溝に作
用する圧力を検出する撓み検出素子とから構成されたも
のが知られている(例えば、特開平2−132337号
公報)。
【0003】そして、このような従来技術による圧力セ
ンサは、流体圧等がダイヤフラムに作用すると、この圧
力に応じてダイヤフラムが全体に亘って撓み変形する。
このとき、撓み検出素子は撓み変形部分となるダイヤフ
ラムに設けられているから、撓み検出素子はダイヤフラ
ムの歪に応じた信号を出力する。このため、圧力センサ
は、撓み検出素子からの信号を検出することによって、
ダイヤフラムに加わる圧力を検出するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、例えば両面露光装置等を用いて基板の両面
側に撓み検出素子と受圧凹溝とを位置合わせした状態で
形成することにより、撓み検出素子をダイヤフラム上の
所定位置に配設する構成としている。
【0005】しかし、一般的に両面露光装置を用いた場
合の位置合わせ精度は約10μm程度が限界であること
が多いため、撓み検出素子とダイヤフラムとの間には、
約10μm程度の位置ずれが生じることがある。
【0006】また、基板は、その両面が例えばシリコン
結晶の(100)面に沿ってカットされ、受圧凹溝は、
この(100)面に対し一定の傾斜角をもつ(111)
面等に沿って形成されることにより、基板の裏面側に向
けて漸次拡大しつつ開口している。
【0007】この結果、基板がカット時の加工誤差等に
より(100)面に対して傾いた状態で形成されていた
り、その厚さ寸法誤差が含まれていたりすると、基板の
裏面側に受圧凹溝の開口部(マスクパターン)を精度よ
く形成したとしても、受圧凹溝の底部側に位置するダイ
ヤフラムには位置ずれが生じ易くなる。
【0008】このため、従来技術では、基板の加工精度
や両面露光装置による位置合わせ時の誤差等が積み重な
ることによって、撓み検出素子がダイヤフラム上に位置
ずれした状態で形成され易いため、複数の圧力センサ間
で撓み検出素子から出力される信号が異なり、圧力の検
出精度にばらつきが生じて信頼性が低下するという問題
がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は高精度に圧力を検出できると共
に、ダイヤフラム部に撓み検出素子を高精度に位置合せ
することが可能な圧力センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、請求項1の発明に係る圧力センサの構成は、シリ
コン材料からなる基板と、該基板の表面側に設けられた
受圧穴と、該受圧穴を覆い前記基板の表面側に設けられ
た薄肉部と、該薄肉部の一部を枠状に取囲んで該薄肉部
の表面側に設けられ取囲まれた内側をダイヤフラム部と
する枠状突部と、該枠状突部上に接合して設けられ前記
ダイヤフラム部を閉塞して基準圧力を与える圧力室を画
成する閉塞板と、前記ダイヤフラム部に位置して前記薄
肉部に設けられ前記受圧穴と圧力室との間の差圧によっ
て前記ダイヤフラム部が変形するときの撓みを検出する
撓み検出素子と、前記枠状突部の外側に位置して前記薄
肉部に貫通して設けられ前記受圧穴と外部とを接続する
スルーホールとからなる。
【0011】このように構成したことにより、ダイヤフ
ラム部は受圧穴と圧力室との間の差圧によって撓み変形
するから、このときの撓みを撓み検出素子によって検出
し、圧力を検出することができる。
【0012】また、スルーホールを通じてエッチング処
理を施すことによって、基板の表面側に受圧穴を形成す
ることができる。このため、両面露光装置等を用いるこ
となく、基板の表面側でダイヤフラム部に撓み検出素子
を位置合わせすることできる。
【0013】また、請求項2の発明は、受圧穴に露出す
る薄肉部の裏面側に酸化膜を設けたことにある。
【0014】これにより、受圧穴を形成するためにスル
ーホールを通じてエッチング処理を施すときであって
も、薄肉部の裏面側を酸化膜によって保護することがで
き、薄肉部が損傷するのを防止できると共に、薄肉部の
肉厚を一定に保持することができる。
【0015】また、請求項3の発明は、受圧穴を、異方
性エッチングによって形成され基板の裏面側に向けて漸
次縮小したテーパ状穴によって構成したことにある。
【0016】これにより、基板中で受圧穴が占める面積
を薄肉部によって覆われた面積にすることができ、小面
積の受圧穴によって圧力センサを構成することができ
る。
【0017】この場合、請求項4の発明によれば、受圧
穴を、等方性エッチングによって形成された箱状穴によ
って構成することもできる。
【0018】また、請求項5の発明は、受圧穴には、前
記基板の裏面側に開口する開口部を設けたことにある。
【0019】これにより、開口部を通じて受圧穴に圧力
を作用させることができ、基板の裏面側に作用する圧力
を検出することができる。
【0020】また、請求項6の発明は、基板の裏面側に
は、スルーホールを受圧穴に位置合わせするための位置
合わせ部を設けたことにある。
【0021】これにより、基板の表面側から受圧穴の位
置が特定しにくいときであっても、基板の裏面側に設け
た位置合わせ部によって受圧穴とスルーホールとを位置
合わせすることができる。
【0022】さらに、請求項7の発明は、基板を2つの
シリコン基板間に酸化膜を介在させたSOI基板によっ
て形成したことにある。これにより、受圧穴および薄肉
部の形成を容易に行なうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
圧力センサを添付図面に従って詳細に説明する。まず、
図1ないし図7は第1の実施の形態による圧力センサを
示している。
【0024】図において、1はSOI(Silicon
on Insulator)基板からなる四角形状の
基板で、該基板1は、シリコン単結晶からなる基底部1
Aと、該基底部1Aの表面側に形成された表層部1B
と、該表層部1Bと基底部1Aとの間に介在した酸化膜
としての絶縁層部1Cとから構成されている。そして、
基底部1Aの裏面側には、略四角形の浅溝からなる位置
合わせ部としての凹陥溝2が設けられると共に、表層部
1Bの表面側には、酸化膜3が形成されている。
【0025】4は基板1の表面側に設けられた受圧穴
で、該受圧穴4は、凹陥溝2に対向した位置で基底部1
Aの中央に設けられている。そして、受圧穴4は、絶縁
層部1Cの裏面側に略四角形状に開口すると共に、基板
1の裏面側に向かって漸次縮小したテーパ状穴をなして
いる。また、受圧穴4は、後述するスルーホール11を
介して異方性のエッチング処理を施すことによって形成
されるものである。
【0026】5は受圧穴4によって基板1の表面側に設
けられた薄肉部で、該薄肉部5は受圧穴4に対応して略
四角形状をなし、基板1の表層部1B、絶縁層部1C等
によって形成されている。
【0027】6は薄肉部5の表面側に設けられた枠状突
部で、該枠状突部6は、例えば酸化シリコン、窒化シリ
コン等によって略四角形の枠状に形成され、その表面側
には多結晶シリコンからなる多結晶膜7が形成されてい
る。また、枠状突部6は、薄肉部5の一部を枠状に取囲
んでいる。これにより、薄肉部5のうち枠状突起6に取
囲まれた内側の部位は、受圧穴4内の圧力と後述する圧
力室A内の圧力との差圧に応じて撓み変形するダイヤフ
ラム部5Aをなしている。
【0028】8,8,…はダイヤフラム部5A内に設け
られた例えば4個のピエゾ抵抗素子で、該各ピエゾ抵抗
素子8は、ホウ素等の不純物を基板1の表層部1Bに注
入、拡散して狭幅の細線状にピエゾ抵抗化することによ
って形成されている。また、各ピエゾ抵抗素子8には、
図2に示すように広幅の拡散層配線9が接続され、これ
らの拡散層配線9を通じてピエゾ抵抗素子8は外部の金
属配線(図示せず)等に接続されている。そして、ピエ
ゾ抵抗素子8は、ダイヤフラム部5Aの撓み変形に応じ
てその抵抗値が変化するものである。
【0029】10は枠状突部6の表面側に設けられたガ
ラス材料からなる閉塞板で、該閉塞板10は、図1に示
すように枠状突部6表面上の多結晶膜7に陽極接合等に
よって接合されている。そして、閉塞板10は、ダイヤ
フラム部5Aを閉塞して基準圧力を与える圧力室Aを画
成している。
【0030】11,11,…は薄肉部5の角隅に設けら
れた4個のスルーホールで、該各スルーホール11は、
枠状突部6の外側に位置して薄肉部5を貫通して設けら
れている。このため、各スルーホール11は、基板1の
表面側に開口し、受圧穴4と外部とを接続している。ま
た、各スルーホール11の内壁面には、酸化シリコンか
らなる保護膜12が設けられている。そして、保護膜1
2は、受圧穴4を形成するためにスルーホール11を通
じてエッチング液を注入するときに、エッチング液によ
って表層部1B等が損傷するのを防止するものである。
【0031】本実施の形態による圧力センサは上述の如
き構成を有するもので、次にその製造方法について図4
ないし図7を参照しつつ説明する。
【0032】まず、基底部1Aの表面側に多結晶シリコ
ンの薄膜からなる略四角形の選択性エッチング部13を
形成する。このとき、基底部1Aの裏面側には、図4に
示すように選択性エッチング部13と対向した位置に凹
陥溝2を凹設する。
【0033】次に、図5に示すように、選択性エッチン
グ部13の表面側に絶縁層部1C、表層部1Bを形成
し、選択性エッチング部13を埋設した状態のSOI基
板からなる基板1を形成する。そして、基板1の表層部
1B上には酸化膜3を形成する。
【0034】このとき、選択性エッチング部13は基板
1に埋設された状態となるから、その位置が基板1の表
面側から特定することができなくなる。このため、以下
の工程では、選択性エッチング部13に対応して基板1
の裏面側に設けた凹陥溝2を用いて、選択性エッチング
部13とピエゾ抵抗素子8の位置合わせを行った後、こ
のピエゾ抵抗素子8に対して枠状突部6、スルーホール
11を位置合わせするものである。
【0035】そこで、まず凹陥溝2を基準として表層部
1Bの表面側からホウ素等の不純物を注入、拡散するこ
とによってピエゾ抵抗素子8を形成する。その後、図6
に示すように表層部1Bの表面側に枠状突部6、多結晶
膜7の順に形成する。
【0036】次に、多結晶膜7、酸化膜3、表層部1
B、絶縁層部1Cにエッチング処理を施すことによっ
て、スルーホール11を形成し、スルーホール11の底
部を選択性エッチング部13の角隅に開口させる。この
とき、スルーホール11と選択性エッチング部13との
位置合わせは、凹陥溝2を用いて形成したピエゾ抵抗素
子8を基準に行うから、位置合わせ精度が比較的低く、
スルーホール11には10μm程度の位置ずれが生じる
ことがある。しかし、スルーホール11は、選択性エッ
チング部13のいずれかの位置に開口すればよいもので
ある。このため、スルーホール11は、このような位置
ずれを補償するため、その開口寸法が例えば10μm以
上に設定されている。なお、選択性エッチング部13を
10μm程度拡大しても同等の効果が得られるものであ
る。そして、図7に示すように多結晶膜7の表面側から
スルーホール11の内壁面に亘って酸化シリコンからな
る保護膜12を形成する。
【0037】次に、スルーホール11からKOH、ヒド
ラジン等のエッチング液を注入する。このとき、エッチ
ング液が選択性エッチング部13に到達するから、多結
晶シリコンからなる選択性エッチング部13は、エッチ
ング液によって除去される。そして、選択性エッチング
部13が除去された後は、単結晶シリコンからなる基底
部1Aにエッチング液が接触するから、エッチング液に
よって異方性のエッチング処理が施されシリコン結晶の
(111)面を有する略四角錐状の受圧穴4が形成され
る。
【0038】最後に、多結晶膜7表面の保護膜12を除
去すると共に、枠状突部6の表面側がガラス材料からな
る閉塞板10を陽極接合し、図1に示すように圧力室A
を画成する。
【0039】本実施の形態による圧力センサは、上述の
ような製造方法によって形成されたものであり、この圧
力センサを所定圧力の雰囲気中におくと、スルーホール
11を通じて受圧穴4内の圧力も圧力センサ周囲の圧力
と同圧となるから、受圧穴4と圧力室Aとの間に差圧が
発生する。この差圧によって薄肉部5のうちダイヤフラ
ム5Aが撓み変形するから、ピエゾ抵抗素子8の抵抗値
がダイヤフラム部5Aに生じる撓み(歪み)に応じて変
化する。このため、拡散層配線9を通じてピエゾ抵抗素
子8の抵抗値を検出することによって、圧力センサ周囲
の圧力を検出するものである。
【0040】かくして、本実施の形態では、基板1の表
面側に受圧穴4を設けると共に、該受圧穴4を覆う薄肉
部5には枠状突部6の外側に位置して受圧穴4と外部と
を接続するスルーホール11を設ける構成としたから、
スルーホール11を通じて受圧穴4内に検出すべき圧力
の流体を導くことができる。これにより、薄肉部5のう
ち枠状突部6の内側に位置するダイヤフラム部5Aは、
受圧穴4と圧力室Aとの差圧によって撓み変形するか
ら、ダイヤフラム部5Aに設けたピエゾ抵抗素子8によ
って圧力センサ周囲の圧力を検出することができる。
【0041】また、基板1の表面側から枠状突部6、ピ
エゾ抵抗素子8を形成するから、枠状突部6の内側に位
置するダイヤフラム部5Aとピエゾ抵抗素子8の位置決
めを高精度で行うことができ、圧力センサ毎のばらつき
を少なくし、信頼性を向上することができる。
【0042】さらに、ダイヤフラム部5Aとピエゾ抵抗
素子8の位置合わせを高精度に行うことができるから、
ダイヤフラム部5Aを微細化してもピエゾ抵抗素子8と
の位置ずれによる測定精度の劣化が問題とならない。こ
のため、ダイヤフラム部5A、ピエゾ抵抗素子8を小面
積にすることができ、圧力センサを小型化することがで
きる。
【0043】また、受圧穴4に露出する薄肉部5の裏面
側にはシリコン酸化膜からなる絶縁層部1Cを設けたか
ら、スルーホール11を通じてエッチング処理を施すと
きであっても、薄肉部5の裏面側を絶縁層部1Cによっ
て保護することができ、薄肉部5が損傷するのを防止で
きる。これにより、薄肉部5の肉厚を一定に保持するこ
とができ、薄肉部5の一部に応力が集中することによる
損傷を防止し、信頼性、耐久性を向上することができ
る。
【0044】一方、受圧穴4を異方性エッチングによっ
て形成され基板の裏面側に向けて漸次縮小したテーパ状
穴によって構成したから、従来技術のように基板1の裏
面側に向かって漸次拡大した受圧凹溝を形成するときに
比べて、エッチング処理によって除去する部分の体積を
少なくすることができる。このため、エッチング処理の
時間を短縮することができ、生産性を向上することがで
きる。また、受圧穴4は、薄肉部5によって覆われた部
位の面積が最も大きいものである。このため、従来技術
のように基板1の裏面側に向けて漸次拡大する受圧凹溝
を形成するのに比べて、基板1で受圧穴4の占める面積
を小さくすることができ、圧力センサの微細化、集積化
を図ることができる。
【0045】また、基板1の裏面側には、スルーホール
11を受圧穴4に位置合わせするための凹陥溝2を設け
たから、圧力センサの製造時に基板1の表面側から受圧
穴4の位置が特定しにくいときであっても、基板1の裏
面側に設けた凹陥溝2によって受圧穴4とスルーホール
11とを位置合わせすることができる。
【0046】さらに、基板1を2つのシリコン単結晶か
らなる基底部1A、表層部1B間に酸化膜からなる絶縁
層部1Cを介在させたSOI基板によって形成したか
ら、絶縁層部1Cをエッチング液から薄肉部5を保護す
る酸化膜として利用でき、表層部1Bと絶縁層部1Cに
よって薄肉部5を形成することができる。また、表層部
1Bと絶縁層部1Cとを貫通したスルーホール11を設
けることによって、基底部1Aに受圧穴4を容易に形成
することができる。
【0047】次に、図8は本発明の第2の実施の形態に
よる圧力センサを示し、本実施の形態の特徴は、受圧穴
を等方性エッチングによって箱状穴としたことにある。
なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素の同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。
【0048】21は基板1の表面側に設けられた受圧穴
で、該受圧穴21は、凹陥溝2に対向した位置で基底部
1Aの中央に設けられている。そして、受圧穴21は、
絶縁層部1Cの裏面側に略四角形状に開口すると共に、
角隅が円弧状面をなした浅溝状の箱状穴をなしている。
また、受圧穴21は、基底部1Aの表面側に不純物を添
加することによって選択性エッチング部(図示せず)を
予め形成し、この選択性エッチング部をスルーホール1
1を介して等方性のエッチング処理を用いて除去するこ
とによって形成されるものである。
【0049】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、受圧穴
21を等方性のエッチング処理を施すことによって、浅
溝状の箱状穴によって形成したから、受圧穴21の深さ
寸法を小さくすることができる。このため、エッチング
処理の時間を短縮することができ、生産性を向上するこ
とができる。
【0050】次に、図9は本発明の第3の実施の形態に
よる圧力センサを示し、本実施の形態の特徴は、受圧穴
には基板の裏面側に開口する開口部を設けたことにあ
る。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同
一の構成要素の同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0051】31は基板1の表面側に設けられた受圧穴
で、該受圧穴31は、基底部1Aの中央に設けられてい
る。そして、受圧穴31は、絶縁層部1Cの裏面側に略
四角形状に開口すると共に、基板1の裏面側に向かって
漸次縮小したテーパ状穴をなしている。また、受圧穴3
1は、基底部1Aの厚さ方向中央位置で後述する開口穴
32に接続された略四角形状の開口部31Aを有し、該
開口部31Aを通じて基板1の裏面側に開口している。
ここで、受圧穴31は、スルーホール11を介して異方
性のエッチング処理を施すことによって形成されるもの
である。
【0052】32は基板1の裏面側に開口した開口穴
で、該開口穴32は、基底部1Aの裏面に向かって漸次
拡大すると共に、基底部1Aの厚さ方向中央位置で受圧
穴31の開口部31Aに接続されている。また、開口穴
32は、基底部1Aの裏面側に設けた酸化膜からなるマ
スク33を介して異方性のエッチング処理を施すことに
よって形成されるものである。なお、基板1の裏面側に
設けたマスク33は、スルーホール11等を薄肉部5に
位置合わせするための位置合わせ部とを兼ねるものであ
る。
【0053】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、受圧穴
31に基板1の裏面側に開口する開口部31Aを設けた
から、基板1の裏面側から受圧穴31に圧力を作用させ
ることができる。また、基板1の表面側から受圧穴31
を形成するのと同時に、基板1の裏面側から開口穴32
を形成することができるから、受圧穴31等を短時間で
形成することができ、圧力センサの生産性を向上するこ
とができる。
【0054】なお、前記各実施の形態では、撓み検出素
子としてピエゾ抵抗素子8を用いることとしたが、本発
明はこれに限らず、例えばダイヤフラム部5Aの表面と
閉塞板10の裏面とにそれぞれ設けた電極板によって撓
み検出素子を構成してもよい。この場合、2枚の電極板
間の静電容量を検出することによってダイヤフラム部5
Aに作用する圧力を検出することができる。
【0055】また、前記第1の実施の形態では、受圧穴
4を底面が尖った略四角錐状のテーパ状穴によって形成
するものとしたが、図1に二点鎖線で示すように異方性
のエッチング処理を途中で停止することによって、底面
が平面となったテーパ状穴からなる受圧穴4′を形成し
てもよい。この場合、受圧穴4′を形成するエッチング
処理の時間を短縮することができ、生産性を向上でき
る。また、基板1(基底部1A)の厚さ寸法を小さくで
きるから、圧力センサの製造コストを低減することがで
きる。
【0056】また、前記第1の実施の形態では、選択性
エッチング部13を多結晶シリコンによって形成するも
のとしたが、基底部1Aの表面側には、例えば選択性エ
ッチング部13に代えて浅溝からなる空間を設けてもよ
い。また、第2の実施の形態と同様に基底部1Aの表面
側に不純物を添加することによって選択性エッチング部
を形成してもよい。
【0057】また、前記第3の実施の形態では、異方性
エッチングによって形成する受圧穴31に開口部31A
を設けるものとしたが、第2の実施の形態による受圧穴
21の底部を基板1の裏面側に開口する構成としてもよ
い。
【0058】さらに、前記各実施の形態では、受圧穴
4,21,31に圧力を加えるものとしたが、本発明は
これに限らず、例えば図1に一点鎖線で示すように閉塞
板10には圧力室Aに接続する圧力導入孔41を設け、
該圧力導入孔41を通じて圧力室A内に圧力を加えるも
のとしてもよい。この場合、圧力室A内の圧力と外気圧
等からなる受圧穴4内の圧力との差圧をダイヤフラム部
5Aに作用させるものとしてもよい。
【0059】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、基板の表面側に受圧穴を設けると共に、該受圧穴
を覆う薄肉部には枠状突部の外側に位置して受圧穴と外
部とを接続するスルーホールを設ける構成としたから、
スルーホールを通じて受圧穴内に検出すべき圧力の流体
を導くことができる。これにより、薄肉部のうち枠状突
部の内側に位置するダイヤフラム部は、受圧穴と圧力室
との差圧によって撓み変形するから、ダイヤフラム部に
設けた撓み検出素子によってダイヤフラム部に作用する
圧力を検出することができる。
【0060】また、基板の表面側から枠状突部、ピエゾ
抵抗素子を形成することができるから、枠状突部の内側
に位置するダイヤフラム部とピエゾ抵抗素子の位置決め
を高精度で行うことができ、圧力センサ毎のばらつきを
少なくし、信頼性を向上することができる。
【0061】さらに、ダイヤフラム部とピエゾ抵抗素子
の位置合わせを高精度に行うことができるから、ダイヤ
フラム部を微細化してもピエゾ抵抗素子との位置ずれに
よる測定精度の劣化が問題とならない。このため、ダイ
ヤフラム部、ピエゾ抵抗素子を小面積にすることがで
き、圧力センサを小型化することができる。
【0062】また、請求項2の発明によれば、受圧穴に
露出する薄肉部の裏面側には酸化膜を設けたから、スル
ーホールを通じてエッチング処理を施すときであって
も、薄肉部の裏面側を酸化膜によって保護することがで
き、薄肉部が損傷するのを防止できる。これにより、薄
肉部の肉厚を一定に保持することができ、薄肉部の一部
に応力が集中することによる損傷を防止し、信頼性、耐
久性を向上することができる。
【0063】また、請求項3の発明によれば、受圧穴を
異方性エッチングによって形成され基板の裏面側に向け
て漸次縮小したテーパ状穴によって構成したから、従来
技術に比べてエッチング処理によって除去する部分の体
積を少なくすることができる。このため、エッチング処
理の時間を短縮することができ、生産性を向上すること
ができる。
【0064】また、請求項4の発明によれば、受圧穴を
等方性のエッチング処理を施すことによって、浅溝状の
箱状穴によって形成したから、受圧穴の深さ寸法を小さ
くすることができる。このため、エッチング処理の時間
を短縮することができ、生産性を向上することができ
る。
【0065】また、請求項5の発明によれば、受圧穴に
は基板の裏面側に開口する開口部を設けたから、基板の
裏面側から受圧穴に圧力を作用させることができる。ま
た、基板の表面側から受圧穴を形成するのと同時に、基
板の裏面側から開口穴を形成することができるから、受
圧穴等を短時間で形成することができ、圧力センサの生
産性を向上することができる。
【0066】また、請求項6の発明によれば、基板の裏
面側には、スルーホールを受圧穴に位置合わせするため
の位置合わせ部を設けたから、圧力センサの製造時に基
板の表面側から受圧穴の位置が特定しにくいときであっ
ても、基板の裏面側に設けた位置合わせ部によって受圧
穴とスルーホールとを位置合わせすることができる。
【0067】さらに、請求項7の発明によれば、基板を
2つのシリコン基板間に酸化膜を介在させたSOI基板
によって形成したから、酸化膜をエッチング液から薄肉
部を保護する酸化膜として利用でき、SOI基板表面側
のシリコン基板と酸化膜とによって薄肉部を形成するこ
とができる。また、SOI基板表面側のシリコン基板と
酸化膜とを貫通したスルーホールを設けることによっ
て、SOI基板裏面側のシリコン基板に受圧穴を容易に
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による圧力センサを図2中の
矢示I−I方向からみた縦断面図である。
【図2】第1の実施の形態による圧力センサを図1中の
矢示II−II方向からみた横断面図である。
【図3】第1の実施の形態による圧力センサを図1中の
矢示 III−III 方向からみた横断面図である。
【図4】基底部に選択性エッチング部と凹陥溝とを設け
た状態を示す縦断面図である。
【図5】基板の表面に酸化膜を形成した状態を示す縦断
面図である。
【図6】基板の表面にピエゾ抵抗素子、枠状突部、多結
晶膜を形成した状態を示す縦断面図である。
【図7】基板の表層部、絶縁層部等にスルーホールを設
けると共に、スルーホールの内壁面等に保護膜を形成し
た状態を示す縦断面図である。
【図8】第2の実施の形態による圧力センサを図1と同
様の位置から見た縦断面図である。
【図9】第3の実施の形態による圧力センサを図1と同
様の位置から見た縦断面図である。
【符号の説明】
1 基板 1C 絶縁層部(酸化膜) 2 凹陥溝(位置合わせ部) 4,21,31 受圧穴 5 薄肉部 5A ダイヤフラム部 6 枠状突部 8 ピエゾ抵抗素子(撓み検出素子) 10 閉塞板 11 スルーホール 31A 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F055 AA40 BB01 CC02 DD05 EE14 FF43 GG01 GG13 4M112 AA01 BA01 CA14 CA16 DA04 DA10 DA12 DA18 EA03 EA04 EA06 EA07 EA13 FA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン材料からなる基板と、該基板の
    表面側に設けられた受圧穴と、該受圧穴を覆い前記基板
    の表面側に設けられた薄肉部と、該薄肉部の一部を枠状
    に取囲んで該薄肉部の表面側に設けられ取囲まれた内側
    をダイヤフラム部とする枠状突部と、該枠状突部上に接
    合して設けられ前記ダイヤフラム部を閉塞して基準圧力
    を与える圧力室を画成する閉塞板と、前記ダイヤフラム
    部に位置して前記薄肉部に設けられ前記受圧穴と圧力室
    との間の差圧によって前記ダイヤフラム部が変形すると
    きの撓みを検出する撓み検出素子と、前記枠状突部の外
    側に位置して前記薄肉部に貫通して設けられ前記受圧穴
    と外部とを接続するスルーホールとから構成してなる圧
    力センサ。
  2. 【請求項2】 前記受圧穴に露出する薄肉部の裏面側に
    は酸化膜を設けてなる請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 【請求項3】 前記受圧穴は、異方性エッチングによっ
    て形成され基板の裏面側に向けて漸次縮小したテーパ状
    穴である請求項1または2に記載の圧力センサ。
  4. 【請求項4】 前記受圧穴は、等方性エッチングによっ
    て形成された箱状穴である請求項1または2に記載の圧
    力センサ。
  5. 【請求項5】 前記受圧穴には、前記基板の裏面側に開
    口する開口部を設けてなる請求項1,2,3または4に
    記載の圧力センサ。
  6. 【請求項6】 前記基板の裏面側には、スルーホールを
    受圧穴に位置合わせするための位置合わせ部を設けてな
    る請求項1,2,3,4または5に記載の圧力センサ。
  7. 【請求項7】 前記基板は2つのシリコン基板間に酸化
    膜を介在させたSOI基板である請求項1,2,3,
    4,5または6に記載の圧力センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012127902A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Mitsubishi Electric Corp 半導体圧力センサ及びその製造方法
CN113063542A (zh) * 2019-12-12 2021-07-02 阿自倍尔株式会社 差压计

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