JP3336236B2 - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

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JP3336236B2
JP3336236B2 JP24461897A JP24461897A JP3336236B2 JP 3336236 B2 JP3336236 B2 JP 3336236B2 JP 24461897 A JP24461897 A JP 24461897A JP 24461897 A JP24461897 A JP 24461897A JP 3336236 B2 JP3336236 B2 JP 3336236B2
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幸一 楠山
正夫 塚田
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力を検出するの
に用いて好適な圧力センサに関し、特にエッチング処理
等の半導体製造技術を用いてシリコン基板等に形成され
る半導体式の圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体式の圧力センサとして、
シリコン等の半導体材料からなる基板上にエッチング等
の半導体製造技術を用いて形成したものが例えば特開平
2−132337号公報によって知られている。
【0003】そこで、図20および図21に基づき従来
技術によるダイヤフラム型の圧力センサをシリコン基板
に形成する場合について述べる。
【0004】101は圧力センサを構成する基板として
のシリコン基板を示し、該シリコン基板101は、その
上,下面となる表面101Aと裏面101Bとは、シリ
コン結晶の(100)面とほぼ一致するように形成され
ている。
【0005】102はシリコン基板101の裏面101
B側に凹設された凹溝で、該凹溝102によりシリコン
基板101の表面側に薄肉のダイヤフラム部103が形
成されている。また、ダイヤフラム部103上にはダイ
ヤフラム部103に生じる撓みを検出するピエゾ抵抗素
子が設けられ、該ピエゾ抵抗素子104にはリード端子
105,105が接続されている。
【0006】ここで、凹溝102は、シリコン基板10
1に対して異方性のエッチング処理を施すことにより横
断面が四角形状に形成され、シリコン結晶の(111)
面に沿って形成された4個の側壁102A,102A,
…を有している。
【0007】そして、圧力センサの作動時には、流体圧
等がダイヤフラム部103に作用すると、この圧力に応
じてダイヤフラム部103が全体に亘って撓み変形す
る。このとき、ピエゾ抵抗素子104はダイヤフラム部
103に設けられているから、ピエゾ抵抗素子104に
歪が生じる。そして、ピエゾ抵抗素子104の抵抗値は
この歪み量に応じて変化するから、圧力センサは、ピエ
ゾ抵抗素子104の抵抗値を各リード端子105間の電
圧、電流等によって検出することによって、ダイヤフラ
ム部103に加わる圧力を検出している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ピエゾ抵抗素子104に生じる歪み量は、
ダイヤフラム部103の撓み変形の大きさによって変化
する。このため、ダイヤフラム部103に作用する圧力
を正確に検出するためには、ダイヤフラム部103とピ
エゾ抵抗素子104とを正確に位置合せする必要があ
る。そして、ピエゾ抵抗素子104とダイヤフラム部1
03(凹溝102)とをシリコン基板101の両面側で
位置合せするために、例えば両面型の露光設備等を用い
てシリコン基板101の表面101A側にピエゾ抵抗素
子104用の露光マスクを配置すると共に、シリコン基
板101の裏面101B側に凹溝102用の露光マスク
を配置し、2つの露光マスクを表面101A側と裏面1
01B側とで正確に位置合わせしている。
【0009】しかし、一般に、2つの露光マスクを表面
101A側と裏面101B側とで位置合せするときに
は、例えば表面101A側でのみ露光マスクの位置合せ
をするときに比して位置合せの精度が低下することが知
られている。即ち、2つの露光マスクの位置合せを行な
う赤外線アライナや反射式の両面アライナでは、光学系
の軸ずれ等によって2つの露光マスクに位置ずれが生じ
ることがある。このため、ピエゾ抵抗素子104′は、
例えば図21中に一点鎖線で示すように、ダイヤフラム
部103に対して数μm程度の寸法d0 だけ位置ずれす
ることがある。
【0010】また、2つの露光マスクを正確に位置合せ
できたときでも、ダイヤフラム部103がピエゾ抵抗素
子104に対して位置ずれすることがある。即ち、シリ
コン基板101のカット面となる表面101Aは、カッ
ト時におけるスライス加工、研摩加工の誤差等によって
(100)面に対して例えば1〜3°程度のばらつきが
生じることがある。このとき、異方性のエッチング処理
によって凹溝102を形成すると、図21中に二点鎖線
で示すように各側壁102A′が本来の各側壁102A
に対して傾斜した状態となる。このため、ダイヤフラム
部103はピエゾ抵抗素子104に対して10μm程度
の寸法d1 だけ位置ずれするものである。
【0011】このように、ダイヤフラム部103とピエ
ゾ抵抗素子104とに位置ずれが生じた場合には、ピエ
ゾ抵抗素子104に生じる歪み量がピエゾ抵抗素子10
4とダイヤフラム部103との相対位置によって異なる
から、ピエゾ抵抗素子104によってダイヤフラム部1
03に作用する圧力を高精度で検出することが難しいと
いう問題がある。
【0012】これに対し、ダイヤフラム部103とピエ
ゾ抵抗素子104とを大型化することによって、ダイヤ
フラム部103とピエゾ抵抗素子104との位置ずれに
よって生じるピエゾ抵抗素子104の歪み量の差を少な
くし、ピエゾ抵抗素子104による検出の精度を向上さ
せることができる。しかし、この場合にはダイヤフラム
部103の1辺の寸法d2 が例えば数100μm〜数m
m程度となってしまい、圧力センサを微細化することが
できないという問題がある。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は高精度に圧力を検出できると共
に、ダイヤフラム部と撓み検出素子とを高精度に位置合
せすることができ、微細化が可能な圧力センサを提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、請求項1の発明に係る圧力センサの構成は、シリ
コン材料からなる基板と、該基板の表面側に形成され、
該基板の側面に開口した受圧溝と、前記基板の表面側に
形成され、該受圧溝に対し突壁を介して隔てられた凹陥
溝と、前記受圧溝と該凹陥溝とを覆って前記基板の表面
側に設けられ、前記受圧溝との間で外部からの圧力を受
圧する受圧室を形成すると共に、該凹陥溝との間に基準
圧室を画成する上板と、前記受圧溝と前記凹陥溝との間
に位置して前記突壁により形成され、前記受圧室と基準
圧室との間の圧力差によって変位するダイヤフラム部
と、少なくとも該ダイヤフラム部に設けられ、該ダイヤ
フラム部が変位したときに生じる撓みを検出する撓み検
出素子とからなる。
【0015】上記構成により、受圧室に圧力が加わると
基準圧室との差圧によってダイヤフラム部が撓み変形す
る。このとき、圧力センサは、撓み検出素子によってダ
イヤフラム部の撓み変形を検出し、ダイヤフラム部に作
用する圧力を検出することができる。
【0016】また、ダイヤフラム部と撓み検出素子とを
基板の表面側に形成するから、基板の表面側だけを加工
することによってダイヤフラム部と撓み検出素子とを形
成することができ、ダイヤフラム部と撓み検出素子を高
精度に位置合せすることができる。
【0017】また、請求項2の発明は、ダイヤフラム部
を構成する突壁は、受圧溝と凹陥溝との間に変位可能と
なる厚みをもって形成している。
【0018】この場合、受圧溝と上板との間から圧力が
加わったときに、ダイヤフラム部は基板と上板との間の
高さ方向の中間部が大きく変位し、全体的に撓み変形す
る。このため、ダイヤフラム部全体で圧力を受承するこ
とができる。
【0019】また、請求項3の発明は、基板の表面側に
は凹陥溝を複数個形成し、受圧溝との間に複数のダイヤ
フラム部を形成している。
【0020】上記構成により、受圧室に圧力が加わった
ときに、各ダイヤフラム部毎に圧力を検出することがで
きる。また、各ダイヤフラム部をそれぞれ異なる厚さ寸
法に形成することによって、各ダイヤフラム部毎に検出
可能な圧力の範囲を変えることができる。
【0021】また、請求項4の発明は、撓み検出素子
は、ダイヤフラム部に設けたピエゾ抵抗素子によって構
成したことにある。
【0022】これにより、受圧溝と上板との間に圧力が
加わり、ダイヤフラム部に撓み変形が生じたときに、ピ
エゾ抵抗素子に歪みが生じる。このとき、この歪み量に
応じてピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化するから、ピエゾ
抵抗素子の抵抗値に応じてダイヤフラム部に加わる圧力
を検出することができる。
【0023】また、請求項5の発明は、撓み検出素子
は、ダイヤフラム部に設けられた第1の電極と、該第1
の電極と対向し凹陥溝内に設けられた第2の電極とによ
り静電容量型素子として構成している。
【0024】これにより、受圧溝と上板との間に圧力が
加わり、ダイヤフラム部に撓み変形が生じたときに、ダ
イヤフラム部側の第1の電極と凹陥溝内の第2の電極と
の間の距離が減少、増加するから、この距離に応じて第
1の電極と第2の電極との間の静電容量が変化する。こ
のため、第1の電極と第2の電極との間の静電容量に対
応してダイヤフラム部に加わる圧力を検出することがで
きる。
【0025】また、請求項6の発明は、前記基板は不純
物を添加した半導体材料によって形成している。
【0026】このため、基板をn形半導体またはp形半
導体として形成でき、イオン注入法等を用いることによ
って、撓み変形素子をダイヤフラム部に容易に形成する
ことができる。
【0027】また、請求項7の発明は、前記基板は2つ
のシリコン基板間に酸化膜を介在させたSOI基板であ
る。
【0028】SOI基板を用いることにより、受圧凹溝
およびダイヤフラム部の形成を容易に行なうことができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
圧力センサを添付図面に従って詳細に説明する。
【0030】まず、本発明による第1の実施例を、図1
ないし図10に基づいて説明する。
【0031】1は単結晶のシリコン材料からなる基板と
してのシリコン基板で、該シリコン基板1は例えば長辺
と短辺とを有する略長方形状に形成されている。ここ
で、本実施例ではシリコン基板1の長辺方向を前後方
向、短辺方向を左右方向とする。そして、シリコン基板
1は、例えばリン等の不純物を添加することにより半導
体材料としてのn形半導体となっている。
【0032】2はシリコン基板1の前部側に位置して表
面側に凹設された受圧溝で、該受圧溝2はシリコン基板
1の表面側にドライエッチング処理等を施すことにより
形成され、例えば20〜100μm程度の深さ寸法を有
している。また、受圧溝2は、シリコン基板1の前端と
なる側面に開口し、シリコン基板1の前端から後部側へ
と略四角形状をなして形成されると共に、左右方向に向
けて長さ寸法L0 を有している。そして、受圧溝2は、
後述の上板12によって覆われることにより、上板12
との間に外部からの圧力を受圧する受圧室Aを形成して
いる。
【0033】3はシリコン基板1の表面側に凹設された
凹陥溝を示し、該凹陥溝3は、シリコン基板1の表面側
にドライエッチング処理等を施すことにより形成され、
受圧溝2から後述の突壁4を介して隔てられている。ま
た、凹陥溝3は、図2に示すように略四角形状に形成さ
れ、受圧溝2に対し前後方向で離間し、左右方向ではほ
ぼ並行となるように配設されている。
【0034】そして、凹陥溝3は、例えば20〜100
μm程度の深さ寸法を有すると共に、左右方向に対して
は受圧溝2とほぼ同一の長さ寸法L0 を有している。ま
た、凹陥溝3は上板12で閉塞されることにより、上板
12との間に密閉された基準圧室Bを画成している。
【0035】4は受圧溝2と凹陥溝3との間に形成され
た突壁で、該突壁4は凹陥溝3と受圧溝2との間に薄肉
の壁となって形成され、均一な厚さ寸法L1 をもって基
板1の左右方向に向けて長尺に延びている。そして、突
壁部4は、左右方向に対して受圧溝2、凹陥溝3とほぼ
同一の長さ寸法を有している。
【0036】また、突壁4は上板12が固着されること
より、受圧室Aと基準圧室Bとの間を隔離するダイヤフ
ラム部Cを形成している。そして、ダイヤフラム部Cは
受圧室Aと基準圧室Bとの間に圧力差が発生することに
よって撓み変形し、例えば高さ方向の中間部が基も大き
く変位するものである。
【0037】5,5はダイヤフラム部4の受圧溝2側に
撓み検出素子として設けられた例えば2個のピエゾ抵抗
素子で、該各ピエゾ抵抗素子5は、ダイヤフラム部Cの
左右方向に離間し、高さ方向中間部に埋設状態で形成さ
れている。また、ピエゾ抵抗素子5は、例えばイオン注
入法等を用いてホウ素等の不純物をシリコン基板1の表
面側から注入して、拡散させ、その一部を略長方形状に
ピエゾ抵抗化させることによって形成されている。そし
て、各ピエゾ抵抗素子5は、ダイヤフラム部Cが撓み変
形するのに伴って歪むことにより、この歪み量をダイヤ
フラム部Cに加わる圧力として検出するものである。
【0038】6は各ピエゾ抵抗素子5間を接続するため
の拡散層配線で、該拡散層配線6は、ピエゾ抵抗素子5
と同様に、例えばイオン注入法等の手段を用いることに
よってダイヤフラム部C内に埋設状態で形成されてい
る。そして、拡散層配線6は、その両端側が各ピエゾ抵
抗素子5に接続されている。また、拡散層配線6の導電
率は、ピエゾ抵抗素子5の導電率と同じ、もしくは高く
なっている。
【0039】7,7は各ピエゾ抵抗素子5を後述の金属
配線10に電気的に接続するための拡散層配線で、該各
拡散層配線7は、拡散層配線6と同様にイオン注入法等
の手段を用いることによってシリコン基板1内に埋設状
態で形成されている。ここで、各拡散層配線7は、図2
に示すようにその一端側がダイヤフラム部C内に達し、
他端側が凹陥溝3の側面に沿って前後方向に延びてい
る。そして、各拡散層配線7は、一端側が各ピエゾ抵抗
素子5に接続され、他端側が後述する各接続部8に接続
されている。
【0040】8,8は各拡散層配線7の他端側に設けら
れ、各拡散層配線7と金属配線10とを電気的に接続す
る接続部で、該各接続部8は、拡散層配線7と同様にイ
オン注入法等の手段を用いることによってシリコン基板
1の表面側に形成されている。そして、接続部8はシリ
コン基板1の表面から高さ方向に向けて延び各拡散層配
線7の他端側に接続されている。
【0041】9はシリコン基板1の表面側に形成されシ
リコン基板1を全体に亘って覆う絶縁膜で、該絶縁膜9
は、例えば酸化シリコン等によって形成され、0.3〜
0.9μm程度の厚さ寸法となっている。また、絶縁膜
9には、図1に示す如く、各接続部8に対応する部位に
各コンタクトホール9Aが形成されている。
【0042】10,10はシリコン基板1上に絶縁膜9
を介して設けられた金属配線で、該各金属配線10は、
図1に示す如く、例えばアルミニウム等の金属膜により
形成されている。
【0043】また、前記各金属配線10は、一端側が絶
縁膜9の各コンタクトホール9Aを介して各接続部8に
接続され、他端側がシリコン基板1の後部側に向けて延
びている。そして、各金属配線10の他端側には電極部
10A,10Aが形成されると共に、各電極部10Aが
外部の検出回路(図示せず)等に接続されている。これ
により、各金属配線10は各ピエゾ抵抗素子5から出力
される圧力の検出信号をこの検出回路等に導出してい
る。
【0044】11は金属配線10を保護するための絶縁
性の保護膜で、該保護膜11は金属配線10を覆ってシ
リコン基板1の表面側に設けられている。また、保護膜
11には、各電極部10Aに対応する部位に各コンタク
トホール11Aが形成されている。
【0045】12は受圧溝2を覆いかつ凹陥溝3を閉塞
する上板を示し、該上板12は、例えばパイレックスガ
ラス等からなり、陽極接合法等を用いることによって絶
縁膜9を介してシリコン基板1の表面側に固着されてい
る。
【0046】また、上板12は、その前部側が受圧溝2
を覆うことにより、上板12と受圧溝2との間に受圧室
Aを形成している。そして、上板12の前端の位置はシ
リコン基板1の前端の位置とほぼ等しく、上板12の前
端面とシリコン基板1の前端面とが面合せされている。
このため、シリコン基板1、上板12の前部側を検出対
象に向けて取付けることにより、受圧室Aに検出対象の
圧力を導くことができる。一方、上板12は、凹陥溝3
を閉塞することによって、上板12と凹陥溝3との間に
基準の圧力状態に保持される基準圧室Bを形成してい
る。
【0047】さらに、上板12の後部側には、切欠段部
12Aが設けられ、該切欠段部12Aとシリコン基板1
との間には、金属配線10を収容するための隙間が形成
されている。
【0048】本発明による圧力センサは上述の如き構成
を有するもので、次に図3ないし図10を参照しつつそ
の製造工程について説明する。
【0049】まず、図3に示すシリコン基板1を圧力セ
ンサの製造装置内(図示せず)に配設する。そして、シ
リコン基板1の表面側に酸化膜13を形成し、図4に示
す状態となる。
【0050】次に、図5に示すように、露光工程、エッ
チング工程を施すことによって、受圧溝2、凹陥溝3が
形成される部分の酸化膜13を除去する。そして、図5
に示す状態では酸化膜13がマスクとしての役割を果た
すから、ドライエッチング法を用いることによって、図
6に示す如くシリコン基板1に受圧溝2、凹陥溝3が形
成されると共に、受圧溝2と凹陥溝3との間に突壁4が
形成される。
【0051】次に、酸化膜13を除去すると共に、イオ
ン注入法等を用いてシリコン基板1に表面側からホウ素
等の不純物を注入して、拡散させ、図7に示すように、
突壁4に各ピエゾ抵抗素子5を形成する。また、突壁4
には拡散層配線6を形成すると共に、シリコン基板1に
各拡散層配線7を形成する。
【0052】そして、各ピエゾ抵抗素子5等を形成した
後、シリコン基板1の表面側に酸化膜等の絶縁膜9を形
成する。また、図8に示すように、拡散層配線7と金属
配線10とを接続するためのコンタクトホール9Aを形
成する。
【0053】次に、図9に示すように、コンタクトホー
ル9Aを介してシリコン基板1に表面側からホウ素等の
不純物を注入して、拡散させ、接続部8を形成する。そ
して、図10に示すように、真空蒸着等により金属配線
10を絶縁膜9の表面側に形成すると共に、シリコン基
板1の表面側に金属配線10を覆う保護膜11を形成す
る。そして、保護膜11には電極部10Aに対応した位
置にボンディングパット領域としてのコンタクトホール
11Aを設ける。
【0054】最後に、絶縁膜9を介して上板12をシリ
コン基板1の表面側に載置すると共に、陽極接合法等に
よって上板12をシリコン基板1に接合する。
【0055】かくして、本実施例では、シリコン基板1
上に上板12を固着し、受圧溝2、凹陥溝3との間にダ
イヤフラム部Cとなる突壁4を形成したから、ダイヤフ
ラム部Cをシリコン基板1の表面側からの加工によって
製造することができる。このため、ダイヤフラム部Cと
ピエゾ抵抗素子5とを高精度に位置合せすることが可能
となり、ダイヤフラム部C、ピエゾ抵抗素子5を従来技
術によるものに比してより小さくすることができ、当該
圧力センサを微細化しコンパクトに形成することができ
る。また、ピエゾ抵抗素子5によってダイヤフラム部C
に作用する圧力を正確に検出することができる。
【0056】また、ダイヤフラム部Cにはピエゾ抵抗素
子5を設けたから、ダイヤフラム部Cに圧力が作用し、
撓み変形が生じたときに、ピエゾ抵抗素子5に歪みが生
じる。このとき、この歪み量に応じてピエゾ抵抗素子5
の抵抗値が変化するから、ピエゾ抵抗素子5の抵抗値に
対応してダイヤフラム部Cに加わる圧力を検出すること
ができる。
【0057】また、ピエゾ抵抗素子5は、ダイヤフラム
部Cの左右方向に離間し、高さ方向の中間部に形成した
から、各ピエゾ抵抗素子5に、より大きな歪み変形を生
じさせることができる。即ち、受圧室Aと基準圧室Bと
の間に圧力差が生じたときに、ダイヤフラム部Cの高さ
方向中間部がより大きく変位すると共に、左右方向の中
間部も変位する。このため、各ピエゾ抵抗素子5はより
大きな歪み変形するから、ピエゾ抵抗素子5によってダ
イヤフラム部Cに作用する圧力を正確に検出することが
できる。
【0058】また、n形半導体からなるシリコン基板1
を用いたから、ホウ素等の不純物を添加、拡散すること
によって容易にピエゾ抵抗素子5等を形成することがで
きる。
【0059】次に、本発明の第2の実施例による圧力セ
ンサを図11に基づいて説明するに、本実施例の特徴
は、圧力センサの基板として2つのシリコン基板部間に
酸化膜を介在させたSOI(Silicon on I
nsulator)基板を用いたことにある。
【0060】図において、21は圧力センサの基板をな
す四角形状のSOI基板で、該SOI基板21は、シリ
コン単結晶からなる一のシリコン基板としての基底部2
1Aと、該基底部21Aの表面側に形成された他のシリ
コン基板としての表層部21Bと、該表層部21Bと前
記基底部21Aとの間に介在した酸化膜としての絶縁層
部21Cとから構成されている。そして、表層部21B
は、例えば5〜20μm程度の厚さ寸法を有し、リン等
の不純物が添加されることによりn形半導体となってい
る。
【0061】22はSOI基板21の表面側に凹設され
た受圧溝で、該受圧溝22はSOI基板21の表面側に
ドライエッチング処理、ウエットエッチング処理等を施
すことにより略四角形状をなして形成され、SOI基板
21の表面側から高さ方向に向けて延び絶縁層部21C
に達している。
【0062】23は受圧溝22から後述の突壁24を介
して隔てられ、SOI基板21の表層部21Bに凹設さ
れた凹陥溝を示し、該凹陥溝23は、受圧溝22と同様
にSOI基板21の表面側にエッチング処理等を施すこ
とにより形成されている。また、凹陥溝23は、略四角
形状をなして形成され、SOI基板21の表面側から高
さ方向に向けて延び絶縁層部21Cに達している。
【0063】24は凹陥溝23と受圧溝22との間に細
長い隔壁として形成された突壁で、該突壁24はSOI
基板21の左右方向に向って延びている。
【0064】25は突壁24に設けられたピエゾ抵抗素
子、26は各ピエゾ抵抗素子25間を接続するための拡
散層配線、27は各ピエゾ抵抗素子25を後述の金属配
線30に電気的に接続するための拡散層配線をそれぞれ
示し、各ピエゾ抵抗素子25、各拡散層配線26,27
は第1の実施例による各ピエゾ抵抗素子5、各拡散層配
線6,7とほぼ同様にシリコン基板1内に埋設状態で形
成されている。
【0065】28,28は各拡散層配線27の他端側に
設けられ、各拡散層配線27と金属配線30とを電気的
に接続する接続部で、該接続部28はSOI基板21の
表面からシリコン基板21の裏面側に向けて高さ方向に
延び各拡散層配線27の他端側に接続されている。
【0066】29はSOI基板21の表面側に形成され
SOI基板21を全体に亘って覆う絶縁膜で、該絶縁膜
29には、各接続部28に対応する部位にそれぞれコン
タクトホール29A,29Aが形成されている。
【0067】30,30はSOI基板21上に絶縁膜2
9を介して設けられた金属配線で、該各金属配線30
は、一端側が絶縁膜29の各コンタクトホール29Aを
介して各接続部28に接続され、他端側には電極部30
A,30Aが形成されている。
【0068】31は金属配線30を覆ってSOI基板2
1の表面側に設けらた保護膜で、該保護膜31には、各
電極部30Aに対応する部位にそれぞれコンタクトホー
ル31A,31Aが形成されている。
【0069】32は受圧溝22を覆いかつ凹陥溝23を
閉塞する上板を示し、該上板32は、第1の実施例によ
る上板12と同様に、その前部側が受圧溝22を覆うこ
とにより、上板32と受圧溝22との間に受圧室Aを形
成している。また、上板32は、凹陥溝23を閉塞する
ことによって、上板32と凹陥溝23との間に基準の圧
力となった基準圧室Bを形成している。そして、上板3
2は、突壁24上に固着されることによって、受圧室A
と基準圧室Bとの間に作用する差圧によって変位するダ
イヤフラム部Cを形成している。
【0070】さらに、上板32の後部側には、切欠段部
32Aが設けられ、該切欠段部32AとSOI基板21
との間には、金属配線30を収容するための隙間が形成
されている。
【0071】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、表層部21Bと基底
部21Aとの間に絶縁層部21Cが設けられたSOI基
板21を用いたから、受圧溝22、凹陥溝23を形成す
るときに、SOI基板21のエッチングを絶縁層部21
Cによって停止することができ、例えば1枚にSOI基
板21から多数の圧力センサを製造したときに、各圧力
センサの受圧溝22、凹陥溝23の深さ寸法を均一化
し、同一の圧力に対してほぼ同一の値となる圧力の検出
信号を出力することができる。
【0072】さらに、SOI基板21の表層部21Bに
図11中に仮想線で示す如く高さ方向に向って延びる酸
化シリコン等の絶縁部33,33を形成することによっ
て、該各絶縁部33によって取囲まれた領域と、他の領
域とを電気的に絶縁することができる。このため、他の
素子との絶縁が必要となるMOSトランジスタ等の能動
素子をSOI基板21に容易に形成することができ、ピ
エゾ抵抗素子25からの検出信号を増幅し、波形整形す
る処理回路等の能動素子を当該圧力センサと一体に形成
することができる。
【0073】なお、前記第2の実施例では、SOI基板
21の表層部21Bに受圧溝22、凹陥溝23を形成す
ることによってダイヤフラム部Cを設ける構成とした
が、ダイヤフラム部Cの高さ寸法を増加させるために、
表層部21Bをエピタキシャル成長させてもよい。この
場合、表層部21Bの表面側にピエゾ抵抗素子25、拡
散層配線26,27を形成し、その後に表層部21Bを
エピタキシャル成長させ、次に受圧溝22、凹陥溝23
を形成するのが好ましい。
【0074】次に、本発明の第3の実施例による圧力セ
ンサを図12および図13に基づいて説明するに、本実
施例の特徴は、基板の表面側には複数の凹陥溝を形成
し、各凹陥溝と受圧溝との間に複数のダイヤフラム部を
形成したことにある。
【0075】41は圧力センサの基板となる略四角形状
のシリコン基板で、該シリコン基板41は、不純物を添
加することによりn形半導体となっている。
【0076】42はシリコン基板41の表面側に凹設さ
れた受圧溝で、該受圧溝42は、シリコン基板41の表
面側にドライエッチング処理等を施すことにより略四角
形状をなして形成されている。そして、受圧溝42は後
述する凹陥溝43,44の合計寸法(L2 +L3 )より
も長い寸法を有し、凹陥溝43,44は受圧溝42の長
さ方向(左右方向)に沿って並べるように配設されてい
る。
【0077】43は受圧溝42の後部側に位置してシリ
コン基板41の表面側に凹設された第1の凹陥溝を示
し、該凹陥溝43は、例えば20〜100μm程度の高
さ寸法を有している。また、該凹陥溝43は、図13に
示すように長辺と短辺とを有する略長方形状をなして形
成されている。
【0078】44は受圧溝42の後部側に位置してシリ
コン基板41の表面側に凹設された第2の凹陥溝で、該
凹陥溝44は第1の凹陥溝43とほぼ同一の深さ寸法を
有し、第1の凹陥溝43から左右方向に離間して配設さ
れている。
【0079】そして、凹陥溝44は、長辺と短辺とを有
する略長方形状をなして形成され、凹陥溝44の長辺側
の長さ寸法L3 は第1の凹陥溝43の長辺側の長さ寸法
L2とほぼ等しくなっている。
【0080】45,46は凹陥溝43,44と受圧溝4
2との間に細長い隔壁として形成された第1,第2の突
壁で、該突壁45,46はシリコン基板41の左右方向
に向って延びている。また、突壁45の厚さ寸法L4 は
突壁46の厚さ寸法L5 よりも厚くなっている。
【0081】47,48は突壁45,46に設けられた
ピエゾ抵抗素子で、該各ピエゾ抵抗素子47,48は、
第1の実施例による突壁4と同様に、突壁45,46の
左右方向で離間し、高さ方向中間部に埋設状態で形成さ
れている。
【0082】49は各ピエゾ抵抗素子47間を接続する
ための拡散層配線、50は各ピエゾ抵抗素子47を後述
の金属配線56に電気的に接続するための拡散層配線を
それぞれ示し、各拡散層配線49,50は第1の実施例
による拡散層配線6,7と同様にシリコン基板41内に
埋設状態で形成されている。
【0083】51は各ピエゾ抵抗素子48間を接続する
ための拡散層配線、52は各ピエゾ抵抗素子48を後述
の金属配線57に電気的に接続するための拡散層配線を
それぞれ示し、各拡散層配線51,52は第1の実施例
による拡散層配線6,7と同様にシリコン基板41内に
埋設状態で形成されている。
【0084】53,53は各拡散層配線50の他端側に
設けられ、各拡散層配線50と金属配線56とを電気的
に接続する接続部で、該接続部53はシリコン基板41
の表面から高さ方向に向けて延び各拡散層配線50の他
端側に接続されている。
【0085】54,54は各拡散層配線52の他端側に
設けられ、各拡散層配線52と金属配線57とを電気的
に接続する接続部で、該接続部54はシリコン基板41
の表面から裏面側に向けて高さ方向に延び各拡散層配線
52の他端側に接続されている。
【0086】55はシリコン基板41の表面側に形成さ
れシリコン基板41を全体に亘って覆う絶縁膜で、該絶
縁膜55には、図12に示すように各接続部53,54
に対応する部位にそれぞれコンタクトホール55A,5
5Bが形成されている。
【0087】56,57はシリコン基板41上に絶縁膜
55を介して設けられた金属配線で、該各金属配線5
6,57は、一端側が絶縁膜55の各コンタクトホール
55A,55Bを介して各接続部53,54に接続さ
れ、他端側には各電極部56A,57Aが形成されてい
る。
【0088】58,59は金属配線56,57を覆って
シリコン基板41の表面側に設けられた保護膜で、該保
護膜58,59には、各電極部56A,57Aに対応す
る部位にそれぞれコンタクトホール58A,59Aが形
成されている。
【0089】60は受圧溝42を覆いかつ凹陥溝43,
44を閉塞する上板を示し、該上板60は、その前部側
が受圧溝42を覆うことにより、上板60と受圧溝42
との間に受圧室Aを形成している。また、上板60は、
凹陥溝43,44を閉塞することによって、上板60と
凹陥溝43,44との間に基準の圧力となった基準圧室
B1 ,B2 を形成している。そして、上板60は、突壁
45,46上に固着されることにより、ダイヤフラム部
C1 ,C2 を構成している。
【0090】さらに、上板60の後部側には、薄肉とな
った切欠段部60Aが設けられ、該切欠段部60Aとシ
リコン基板41との間には、金属配線56,57を収容
するための隙間が形成されている。
【0091】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、受圧溝42と突壁4
5,46を介して2つの凹陥溝43,44を設けたか
ら、2つのダイヤフラム部C1,C2 を形成することが
できる。このため、受圧室Aに圧力が加わったときに、
2つのダイヤフラム部C1 ,C2 をそれぞれ撓み変形さ
せることができ、ダイヤフラム部C1 ,C2 に設けたピ
エゾ抵抗素子47,48によって、圧力を検出すること
ができる。また、複数のピエゾ抵抗素子47,48を用
いることによって、複数の圧力の検出値を得ることがで
きるから、より正確に圧力を検出することができる。
【0092】さらに、各ダイヤフラム部C1 ,C2 の厚
さ寸法L4 ,L5 をそれぞれ相違させることによって、
各ダイヤフラム部C1 ,C2 毎に検出可能となる圧力の
範囲を変えることができる。即ち、厚さ寸法L4 の厚い
ダイヤフラム部C1 ではより高い圧力の検出を行なうこ
とができ、厚さ寸法L5 の薄いダイヤフラム部C2 では
より低い圧力の検出を行なうことができる。このため、
2つのダイヤフラム部C1 ,C2 を用いて圧力センサを
構成することによって、より広い範囲の圧力を検出する
ことができる。
【0093】次に、本発明の第4の実施例による圧力セ
ンサを図14に基づいて説明するに、本実施例の特徴
は、基板の表面側には複数の凹陥溝を形成し、各凹陥溝
と受圧溝との間に長さ寸法の異なる複数のダイヤフラム
部を形成したことにある。なお、本実施例では前記第3
の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説
明を省略するものとする。
【0094】61は受圧溝42の後部側に位置してシリ
コン基板41の表面側に凹設された第1の凹陥溝を示
し、該凹陥溝61は、第3の実施例による凹陥溝43と
ほぼ同様に長辺と短辺とを有する略長方形状をなしてシ
リコン基板41に形成されている。
【0095】62は受圧溝42の後部側に位置してシリ
コン基板41の表面側に凹設された第2の凹陥溝で、該
凹陥溝62は第1の凹陥溝61とほぼ同一の深さ寸法を
有し、第1の凹陥溝61から左右方向に離間して配設さ
れている。
【0096】そして、凹陥溝62は、長辺と短辺とを有
する略長方形状をなして形成され、凹陥溝62の長辺側
の長さ寸法L7 は第1の凹陥溝61の長辺側の長さ寸法
L6よりも短くなっている。
【0097】63,64は凹陥溝61,62と受圧溝4
2との間に細長い隔壁として形成された第1,第2の突
壁で、該突壁63,64はシリコン基板41の左右方向
に向って延びている。また、突壁63の厚さ寸法L8 は
突壁64の厚さ寸法L9 とほぼ等しくなっている。
【0098】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第3の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0099】次に、本発明の第5の実施例による圧力セ
ンサを図15および図16に基づいて説明するに、本実
施例の特徴は、圧力センサの撓み検出素子を静電容量型
素子としたことにある。
【0100】図において、71は圧力センサの基板をな
す四角形状のSOI基板で、該SOI基板71は、第2
の実施例によるSOI基板21と同様に基底部71A、
表層部71Bと、絶縁層部71Cとから構成されてい
る。
【0101】72はSOI基板71の表面側に凹設され
た受圧溝で、該受圧溝72は、図16に示すように略四
角形状をもって形成され、SOI基板71の表面側から
絶縁層部71Cに達している。
【0102】73は受圧溝72の周囲に位置してSOI
基板71の表層部71Bに凹設された凹陥溝を示し、該
凹陥溝73は細長い溝状に形成され、SOI基板71の
左右方向に向けて延びている。また、凹陥溝73はSO
I基板71の表面側から高さ方向に向けて延び絶縁層部
71Cに達している。
【0103】74は受圧溝72と凹陥溝73との間に細
長い隔壁として形成された突壁で、該突壁74は受圧溝
72と凹陥溝73との間の厚さ寸法がほぼ一定となるよ
うに形成されている。
【0104】75は突壁74と凹陥溝73との間に設け
られた静電容量型素子を示し、該静電容量型素子75
は、後述する第1,第2の電極76,77によって構成
されている。
【0105】76は突壁74に設けられた第1の電極
で、該電極76は、例えばイオン注入法等を用いてホウ
素等の不純物をSOI基板71の表層部71Bに注入、
拡散することによって略L字形状に形成され、その一部
が凹陥溝73内に露出している。そして、電極76は、
その一端側がSOI基板71の左右方向に向って延びる
と共に、他端側がSOI基板71の後部側に向って延び
ている。また、電極76の他端側には後述の金属配線8
0が接続されている。
【0106】77は第1の電極76から離間してSOI
基板71の表層部71Bに形成された第2の電極で、該
電極77は凹陥溝73を介して第1の電極76と対向し
ている。また、電極77は、第1の電極76と同様にイ
オン注入法等を用いて形成され、略四角形状となってい
る。そして、電極77には後述の金属配線81が接続さ
れている。
【0107】78は第1,第2の電極76,77を電気
的に絶縁するための絶縁壁部で、該絶縁壁部78は電極
77とSOI基板71の表層部71Bとの間に位置して
略コ字状に形成されている。そして、絶縁壁部78は、
電極77と表層部71Bとを電気的に絶縁すると共に、
凹陥溝73と共に電極77を取囲んでいる。
【0108】79はSOI基板71の表層部71B上に
形成された酸化膜等からなる絶縁膜で、該絶縁膜79
は、図15に示すように絶縁壁部78の後部側に位置し
て表層部71Bを覆い、各金属配線80と表層部71B
との間を絶縁している。
【0109】80,81はSOI基板71上に設けられ
た金属配線で、該金属配線80,81は、一端側が第
1,第2の電極76,77上に達すると共に、他端側が
絶縁膜79上に向けて延びている。そして、各金属配線
80,81は第1,第2の電極76,77を外部の検出
回路(図示せず)等に接続している。
【0110】82は受圧溝72を覆いかつ凹陥溝73を
閉塞する上板を示し、該上板82は、その前部側が受圧
溝72を覆うことにより、上板82と受圧溝72との間
に受圧室Aを形成している。また、上板82は凹陥溝7
3を閉塞することによって、上板82と凹陥溝73との
間に基準の圧力となった基準圧室Bを形成している。そ
して、上板82は、突壁74上に固着されることによっ
て、ダイヤフラム部Cを形成している。
【0111】さらに、上板82の後部側には、薄肉とな
った切欠段部82Aが設けられ、該切欠段部82AとS
OI基板71との間には、金属配線80,81を収容す
るための隙間が形成されている。
【0112】次に、本実施例による圧力センサの作動に
ついて説明するに、受圧室Aに圧力が加わり、ダイヤフ
ラム部Cに撓み変形が生じたときに、第1の電極76と
第2の電極77との間の距離が減少、増加する。このた
め、第1,第2の電極76,77間の離間距離に応じて
第1,第2の電極76,77間の静電容量が変化するか
ら、第1,第2の電極76,77との間の静電容量に対
応してダイヤフラム部Cに加わる圧力を検出するもので
ある。
【0113】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1,第2の実施例とほぼ同様の作用効果を
得ることができる。
【0114】次に、本発明の第6の実施例による圧力セ
ンサを図17ないし図19に基づいて説明するに、本実
施例の特徴は、圧力センサに第1,第2の電極からなる
静電容量型素子を設けると共に、第2の電極の外側にコ
字状の凹陥溝を設けたことにある。なお、本実施例では
第5の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0115】91はSOI基板71の内側部分に位置し
て表層部71Bに凹設された凹陥溝を示し、該凹陥溝9
1は、図18に示す如く略コ字状に形成され、SOI基
板71の表面側から絶縁層部71Cに達している。
【0116】92は第1,第2の電極76,77を電気
的に絶縁するための絶縁壁部で、該絶縁壁部92は電極
77の後部側に位置して左右方向に延びる細長い壁状に
形成されている。そして、絶縁壁部92は、電極77と
表層部71Bとの間を電気的に絶縁すると共に、凹陥溝
91と共に電極77を取囲んでいる。
【0117】93は受圧溝72を覆いかつ凹陥溝91を
閉塞する上板を示し、該上板93は、図17および図1
9に示すように、その前部側が受圧溝72を覆うことに
より、上板93と受圧溝72との間に受圧室Aを形成し
ている。また、上板93は凹陥溝91を閉塞することに
よって、上板93と凹陥溝91との間に基準の圧力とな
った基準圧室Bを形成している。そして、上板93は、
突壁74上に固着されることによって、ダイヤフラム部
Cを形成している。
【0118】さらに、上板93の後部側には、2つの切
欠溝部93A,93Bが設けられ、該切欠溝部93A,
93BとSOI基板71との間には、金属配線80,8
1を収容するための隙間が形成されている。
【0119】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第4の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0120】なお、前記各実施例ではシリコン基板、S
OI基板の表層部をn形半導体として形成するものとし
たが、本発明はこれに限らずp形半導体として形成して
もよい。
【0121】また、前記第1,第2,第3の実施例で
は、各ピエゾ抵抗素子をイオン注入によりシリコン基
板、SOI基板に形成したp型半導体によって構成した
が、本発明はこれに限らず、例えば多結晶シリコンや金
属膜等によりピエゾ抵抗素子を形成してもよい。
【0122】また、前記各実施例では、撓み検出素子と
して各ピエゾ抵抗素子や静電容量型素子を用いる構成と
したが、本発明はこれに限らず、例えば圧電素子等を用
いて圧力を検出する構成としてもよい。
【0123】また、前記各実施例では、シリコン基板、
SOI基板の表面側に絶縁膜等を介して上板を固着する
ものとしたが、絶縁膜上にアモルファス状態、多結晶状
態のシリコン膜を形成し、このシリコン膜上に上板を陽
極接合する構成としてもよい。
【0124】また、前記各実施例では、凹陥溝を閉塞し
て密閉空間となった基準圧室を形成するものとしたが、
相対圧力を測定するセンサとして用いる場合には、必ず
しも凹陥溝を閉塞し、基準圧室を密閉する必要はなく、
例えば2つの異なる圧力となった圧力室のうち、一方の
圧力室を基準圧室に連通させると共に、他方の圧力室を
受圧室に連通させる構成としてもよい。
【0125】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、基板の表面側に受圧溝と凹陥溝とを突壁を介して
設け、これらの受圧溝、凹陥溝上に上板を固着すること
により、突壁からなるダイヤフラム部により互いに隔て
られた受圧室と基準圧室とを形成する構成としたから、
外部からの圧力が受圧室内に作用して、ダイヤフラム部
が撓み変形したときに、ダイヤフラム部に設けた撓み検
出素子によってダイヤフラム部に作用する圧力を検出す
ることができる。そして、ダイヤフラム部、撓み検出素
子を基板の表面側から形成できるから、ダイヤフラム部
と撓み検出素子とを高精度に位置合せすることができ
る。これにより、ダイヤフラム部に作用する圧力を正確
に検出することができると共に、撓み検出素子とダイヤ
フラム部とをより小さくすることができ、当該圧力セン
サを微細化してコンパクトに形成できる。
【0126】また、請求項2の発明によれば、ダイヤフ
ラム部を構成する突壁を変位可能な厚みをもって形成し
たから、該ダイヤフラム部に圧力が作用したときにダイ
ヤフラム部を全体に亘って撓み変形させることができ、
撓み検出素子によって圧力を正確に検出することができ
る。また、ダイヤフラム部に部分的に圧力が作用するの
を防止し、ダイヤフラム部の損傷を防止し、耐久性を向
上させることができる。
【0127】また、請求項3の発明によれば、基板の表
面側に受圧溝の周囲に複数の凹陥溝を形成し、受圧溝と
の間に複数のダイヤフラム部を形成したから、受圧室に
圧力が加わったときに、各ダイヤフラム部毎に圧力を検
出することができる。また、各ダイヤフラム部をそれぞ
れ異なる厚さ寸法をもって形成することにより、各ダイ
ヤフラム部毎に検出可能な圧力の範囲を変えることがで
き、より広い範囲の圧力を検出することができる。
【0128】また、請求項4の発明によれば、撓み検出
素子としてピエゾ抵抗素子を用いたから、ダイヤフラム
部に圧力が作用したときに、ピエゾ抵抗素子の抵抗値に
対応してダイヤフラム部に加わる圧力を検出することが
できる。
【0129】また、請求項5の発明によれば、撓み検出
素子として静電容量型素子を用いたから、ダイヤフラム
部に圧力が作用したときに、第1,第2の電極間の静電
容量に対応してダイヤフラム部に加わる圧力を検出する
ことができる。
【0130】また、請求項6の発明によれば、基板を不
純物を添加した半導体材料によって形成したから、該基
板をn形半導体またはp形半導体として形成でき、イオ
ン注入法等を用いることによって、この基板に撓み変形
素子を容易に形成することができる。
【0131】また、請求項7の発明によれば、基板とし
て2つのシリコン基板と酸化膜とからなるSOI基板を
用いたから、凹陥溝、受圧溝を形成するときに、SOI
基板のエッチングを酸化膜によって自動的に停止させ、
ダイヤフラム部の形成を容易に行なうことができる。ま
た、SOI基板の表面側のシリコン基板に電気的に絶縁
した領域を容易に形成することができ、撓み検出素子か
らの信号を増幅等するための能動素子を圧力センサと共
にSOI基板に容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による圧力センサを示す断面図で
ある。
【図2】図1中の矢示II−II方向から見た断面図であ
る。
【図3】第1の実施例に用いるシリコン基板を示す断面
図である。
【図4】図3に示すシリコン基板に酸化膜を形成した状
態を示す断面図である。
【図5】図4に示すシリコン基板から酸化膜を受圧溝、
凹陥溝に対応した部分を除去した状態を示す断面図であ
る。
【図6】図5に示すシリコン基板に受圧溝、凹陥溝を形
成した状態を示す断面図である。
【図7】図6に示すシリコン基板にピエゾ抵抗素子、拡
散層配線を形成すると共に、絶縁膜を形成した状態を示
す断面図である。
【図8】図7に示すシリコン基板に形成された絶縁層に
コンタクトホールを形成した状態を示す断面図である。
【図9】図8に示すシリコン基板に接続部を形成した状
態を示す断面図である。
【図10】図9に示すシリコン基板に金属配線と保護膜
とを形成した状態を示す断面図である。
【図11】第2の実施例による圧力センサを示す断面図
である。
【図12】第3の実施例による圧力センサを示す断面図
である。
【図13】図12中の矢示XIII−XIII方向から見た断面
図である。
【図14】第4の実施例による圧力センサを示す図13
と同様の方向からみた断面図である。
【図15】第5の実施例による圧力センサを示す断面図
である。
【図16】図15中の矢示 XVI−XVI 方向から見た断面
図である。
【図17】第6の実施例による圧力センサを示す断面図
である。
【図18】図17中の矢示 XVIII−XVIII 方向から見た
断面図である。
【図19】図17中の矢示 XIX−XIX 方向から見た断面
図である。
【図20】従来技術による圧力センサを示す斜視図であ
る。
【図21】従来技術による圧力センサを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,41 シリコン基板(基板) 2,22,42,72 受圧溝 3,23,43,44,61,62,73,91 凹陥
溝 4,24,45,46,63,64,74 突壁 5,25,47,48 ピエゾ抵抗素子(撓み検出素
子) 12,32,60,82,93 上板 21,71 SOI基板 75 静電容量型素子(撓み検出素子) 76 第1の電極 77 第2の電極 A 受圧室 B,B1 ,B2 基準圧室 C,C1 ,C2 ダイヤフラム部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 9/04 101 H01L 29/84

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン材料からなる基板と、該基板の
    表面側に形成され、該基板の側面に開口した受圧溝と、
    前記基板の表面側に形成され、該受圧溝に対し突壁を介
    して隔てられた凹陥溝と、前記受圧溝と該凹陥溝とを覆
    って前記基板の表面側に設けられ、前記受圧溝との間で
    外部からの圧力を受圧する受圧室を形成すると共に、該
    凹陥溝との間に基準圧室を画成する上板と、前記受圧溝
    と前記凹陥溝との間に位置して前記突壁により形成さ
    れ、前記受圧室と基準圧室との間の圧力差によって変位
    するダイヤフラム部と、少なくとも該ダイヤフラム部に
    設けられ、該ダイヤフラム部が変位したときに生じる撓
    みを検出する撓み検出素子とから構成してなる圧力セン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤフラム部を構成する突壁は、
    前記受圧溝と前記凹陥溝との間に変位可能となる厚みを
    もって形成してなる請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 【請求項3】 前記基板の表面側には前記凹陥溝を複数
    個形成し、前記受圧溝との間に複数のダイヤフラム部を
    形成してなる請求項1または2に記載の圧力センサ。
  4. 【請求項4】 前記撓み検出素子は、前記ダイヤフラム
    部に設けたピエゾ抵抗素子である請求項1,2または3
    に記載の圧力センサ。
  5. 【請求項5】 前記撓み検出素子は、前記ダイヤフラム
    部に設けられた第1の電極と、該第1の電極と対向して
    前記凹陥溝内に設けられた第2の電極とにより静電容量
    型素子として構成してなる請求項1,2または3に記載
    の圧力センサ。
  6. 【請求項6】 前記基板は不純物を添加した半導体材料
    によって形成してなる請求項1,2,3,4または5に
    記載の圧力センサ。
  7. 【請求項7】 前記基板は2つのシリコン基板間に酸化
    膜を介在させたSOI基板である請求項1,2,3,4
    または5に記載の圧力センサ。
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