JP2001091179A - プレートフィンチューブ型熱交換器およびその製造方法とそれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

プレートフィンチューブ型熱交換器およびその製造方法とそれを用いた冷蔵庫

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JP2001091179A
JP2001091179A JP26580999A JP26580999A JP2001091179A JP 2001091179 A JP2001091179 A JP 2001091179A JP 26580999 A JP26580999 A JP 26580999A JP 26580999 A JP26580999 A JP 26580999A JP 2001091179 A JP2001091179 A JP 2001091179A
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pipe
refrigerant pipe
plate fin
heat exchanger
refrigerant
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Shinobu Ogasawara
忍 小笠原
Nobuyuki Tsuboi
伸之 坪井
Shoichiro Morikawa
庄一郎 森川
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Mitsubishi Electric Corp
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    • F28F1/10Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
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    • F28F2215/12Fins with U-shaped slots for laterally inserting conduits

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく製造できるプレートフィンチューブ
型熱交換器であって、熱交換性能がよい配管構造の熱交
換器を提供すること。 【解決手段】 蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管1
0と、一定間隔をおいて整列配置された複数枚のプレー
トフィン20とにより構成され、冷媒配管10には、偏
平加工されていない円形管部11と、繰り返し間隔をお
いて配管厚さを減じられた偏平形状部12とを設け、プ
レートフィン20には、冷媒配管10の偏平形状部12
の厚さに対応した切り欠き幅のスリット状の配管挿入用
切り欠き22と、配管挿入用切り欠き22と連続し冷媒
配管10の円形管部11の外径に対応した内径の真円形
状の配管貫通嵌合孔21を形成し、冷媒配管10は円形
管部11にて各プレートフィン20の配管貫通嵌合孔2
1と圧入嵌合状態で密着し、冷媒配管10とプレートフ
ィン20とを固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷蔵庫や空調装
置などに用いられるプレートフィンチューブ型熱交換器
およびそれの製造方法およびそれを用いた冷蔵庫に関す
るものであり、さらに詳しくは、蛇行曲げした冷媒配管
と薄板金属製のフィンとによるプレートフィンチューブ
型熱交換器およびそれの製造方法およびそれを用いた冷
蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫や空調装置などに用いられる熱交
換器としては、熱交換効率、水滴付着時の排水性、着霜
時の除霜性に優れるプレートフィンチューブ型熱交換器
が多く使用されている。
【0003】一般に、プレートフィンチューブ型熱交換
器は、通し孔を穿孔された複数枚のアルミニウム製のフ
ィンにヘアピン形状に形成された銅などの展延性に優れ
た金属から成るヘアピン管(金属管)を挿入した後、金
属管の内部にその内径よりも外径がわずかに大きな拡管
用工具であるビュレットを圧入することによって金属管
を拡径させ、この拡径によってフィンと金属管とを密着
させる拡管方式によりフィンと金属管とが固着されてい
る。さらに、ヘアピン形状の金属管の切断端をU形形状
を成す同様金属管からなるベンド管で別のヘアピン形状
の金属管の切断端とろう接して配管を連結し、連続した
メアンダ状の冷媒経路を形成している。このプレートフ
ィンチューブ型熱交換器はUベンド方式のプレートフィ
ンチューブ型熱交換器と云われている。
【0004】近年、冷蔵庫などでは、特に、環境問題へ
の対応として、冷媒を現状のハイドロフルオロカーボン
系のものから地球温暖化への影響がより少ない炭化水素
系に移行する検討が行われている。これら冷媒は可燃性
があり、可燃性冷媒は実用上の安全確保のため、漏洩対
策が最大の課題であり、熱交換器などの冷媒配管には接
合箇所の少ない構造を採用することによって、可燃性冷
媒が漏洩する要因を排除して安全性を確保することが有
効である。
【0005】上述のようなことから、冷蔵庫用などのプ
レートフィンチューブ型熱交換器の製造方法として、冷
媒配管のろう付け作業を不要とすることによって冷媒漏
れ不良を低減すると共に、製造工数の削減が達成しやす
い蛇行曲げ冷媒配管を使用したプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法が提案、実用化されている。
【0006】蛇行曲げ冷媒配管を利用したプレートフィ
ンチューブ型熱交換器としては、多数枚の小型フィンに
数メートルから10数メートルの伸直した冷媒配管1〜
2本程度を挿入し、冷媒配管をビュレットにより拡管す
るなどしてフィンと密着させた後に蛇行曲げを行うSフ
ィン方式や、蛇行曲げを施した冷媒配管に切り込みを入
れたフィンを挿入した後に膨脹させるなどの変形を施
し、冷媒配管とフィンとを密着させるカチ込み方式のも
のが知られている。
【0007】Sフィン方式による熱交換器は、フィンに
設けた孔が冷媒配管の外径に近似した円形を成し、その
後の拡管による密着を全周に亙って確実に行うことがで
きるので、冷媒配管とフィンの熱伝達が良好で、高性能
な熱交換器が得られるという特徴を得ることができる。
しかし、数メートルから数10メートルの長さを有する
冷媒配管に多数の小型フィンを挿入し、更にそれを拡管
するためには、大掛かりな製造設備が必要となる上に、
冷媒配管内部に拡管工具を挿入して円滑な拡管を行うた
めに潤滑油を使用することが必要であり、これに伴い拡
管工程後に潤滑油を洗浄する工程が別に必要となり、こ
の方法による熱交換器の製造には、多大の費用がかかる
という欠点がある。
【0008】また、Sフィン方式熱交換器では、フィン
を冷媒配管に密着固定させた状態で曲げる必要があるこ
とから、曲げ部を大きくとらなくてはならないなど、形
状上の制約が多く、また、冷蔵庫の冷却器などでは頻繁
に除霜する必要があり、小さなフィンが独立しているS
フィン方式では、ヒータによる加熱によって除霜するう
えで、加熱対面にあるフィンへの伝熱が不十分となり、
十分な除霜を行うためには相当な加熱を必要とするなど
の不具合がある。
【0009】カチ込み方式による熱交換器は、製造の初
期段階で、冷媒配管の蛇行曲げを行うから、製造工程内
での配管部品の搬送が容易となり、併せて各冷媒配管を
一体で渡すフィンが使用できる。フィンと冷媒配管の密
着を冷媒配管外側から圧縮するなどして変形させれば、
拡管に潤滑油を使用する必要がないので、冷媒配管内の
洗浄が不要など、Sフィン方式に比べて効率よく熱交換
器の製造が実現できるという特徴を有する。
【0010】しかしながら、蛇行曲げした冷媒配管にフ
ィンを挿入するためには、フィンに配管挿入用切り欠き
部を設けて冷媒配管の外側からさし込むようにして密着
させ、更に配管挿入用切り欠き部を押し広げるようにし
て冷媒配管を変形させてフィンを固着させることになる
ため、冷媒配管の変形量には制限があると共に、冷媒配
管を全周に亘ってフィンに均一に密着させることが困難
であり、冷媒配管を断面方向全周でフィンと密着させる
Uベンド方式やSフィン方式のものに比べて伝熱性能に
劣るという問題がある。
【0011】このような問題を解決した熱交換器とし
て、特開平4−86490号公報には、蛇行曲げ後に偏
平形状とした冷媒配管をフィンに設けた長孔に嵌挿し、
しかる後に、もとの径に拡管して両者を密着固定させた
構造の熱交換器が示されている。この構造の熱交換器に
よれば、上述のようなカチ込み方式による熱交換器より
も冷媒配管とフィンの接触面積を10%程度向上させる
ことができ、伝熱性能の改善が見込まれる。
【0012】また、特開平6−79379号公報には、
フィンに設けた長孔の長軸両端に円形の孔を備えた挿入
孔を設け、これに蛇行曲げ後に偏平加工した冷媒配管の
うち、平行した2本の冷媒配管を長孔を含む挿入孔から
挿入して長孔の両端にある円形の孔の位置に保持した
後、偏平管を真円状に戻すことによって、フィンと冷媒
配管を密着固定させた構造の熱交換器が示されている。
この構造の熱交換器によれば、より大きな接触面積を確
保できる。
【0013】また、特開平9−96496号公報には、
フィンのカチ込み用配管挿入用切り欠きと配管挿入用切
り欠き底の形状を定め、カチ込み後の冷媒配管をこの配
管挿入用切り欠き底に偏平に沿わせるように変形させる
ことで、カチ込み工程の容易化と共に、フィンと冷媒配
管の接触面積確保を実現している。
【0014】また、熱交換器に設けた冷媒配管の形状
が、通風方向と直交する方向に長軸を有する偏平形状を
有する場合には、通風にかかる抵抗によって通風量が低
下し、熱交換器の性能が低下することがある。
【0015】このような問題に対し、特開昭58−13
6993号公報には、フィンと冷媒配管を密着、固持す
るために、予め偏平形状とした冷媒配管を元の円形に復
元する工程で、通風方向に対して偏平とするように形成
し、通風抵抗を低減させた構造の熱交換器が提案されて
いる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】フィンに設けた長孔に
冷媒配管を嵌挿し、後にもとの径に拡管する製造方法の
ものでは、蛇行曲げ後の拡管操作となるため、作動流体
を流し込んだバルジ拡管などを行う必要がある。このと
き、フィンによる冷媒配管の半径方向に拘束部分や肉厚
分布などによる強度不均一分布があると、均一な拡管は
不可能であり、フィンの密着には、ばらつきが生じ易
く、このために十分な伝熱性能を確保できないなどの問
題を発生することがある。
【0017】また、使用に供した冷媒配管が結露などに
よって付着した水が水滴となってこれを排水する場合
に、水滴が下方向にある冷媒配管などに付着するなどす
るので、水切れの悪い状態を生んだり、除霜時の加熱に
よる冷媒配管の温度上昇を妨げて効率を低下させるとい
う問題を発生させることがある。
【0018】また、フィンの長孔に曲げ偏平加工した冷
媒配管を挿入し、長孔の内側からカチ込みを行い、偏平
管を真円に戻す方式のものでは、長孔中心部に2本のカ
チ込み型を挿入する必要があることから、配管の曲げピ
ッチを小さくとることができないなど、形状の制限を生
じ、熱交換器の小型化が難しいという問題がある。
【0019】また、フィンのカチ込み用配管挿入用切り
欠き底の形状を定め、カチ込み後の冷媒配管をこの配管
挿入用切り欠き底に偏平に沿わせる方式のものでは、よ
り均一なフィンと冷媒配管の密着が可能なものの、フィ
ンと冷媒配管との接触面積自体を大きく設定することが
できない。
【0020】また、フィンとフィンの間のかしめに関与
しない部分を通風方向に対して偏平に成形する方式のも
のでは、フィンと密着する部分のみに荷重を負荷してカ
チ込みを行うため、カチ込みする部分はフィンによる支
えのみとなってしまい、フィンおよび配管直線部分の変
形が生じてしまうという問題がある。
【0021】この発明は、上述のごとき問題を解決する
ためになされたものであり、効率よく製造できるプレー
トフィンチューブ型熱交換器であって、熱交換性能に影
響を及ぼすフィンと冷媒配管の密着面積を多く確保で
き、しかも通風抵抗が小さく、優れた伝熱性能を示し、
また形状に制限を与えることがなく、小型化を図ること
ができる配管構造の熱交換器およびそれの製造方法およ
びそれを用いた冷蔵庫を得ることを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明によるプレートフィンチューブ型熱交換
器は、蛇行曲げ冷媒配管を用いたプレートフィンチュー
ブ型熱交換器において、蛇行曲げされた全体が一本の冷
媒配管と、一定間隔をおいて整列配置された複数枚のプ
レートフィンとにより構成され、前記冷媒配管は、偏平
加工されていない円形管部と、繰り返し間隔をおいて配
管厚さを減じられた偏平形状部とを有し、前記プレート
フィンには、前記冷媒配管の前記偏平形状部の厚さに対
応した切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠き
と、前記配管挿入用切り欠きと連続し前記冷媒配管の前
記円形管部の外径に対応した内径の真円形状の配管貫通
嵌合孔が形成され、前記冷媒配管は前記円形管部にて各
プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔と圧入嵌合状態で
密着し、冷媒配管とプレートフィンとが固定されている
ものである。
【0023】また、上述の目的を達成するために、この
発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器は、蛇行
曲げ冷媒配管を用いたプレートフィンチューブ型熱交換
器において、蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管と、
一定間隔をおいて整列配置された複数枚のプレートフィ
ンとにより構成され、前記冷媒配管は、偏平加工されて
いない円形管部と、繰り返し間隔をおいて配管厚さを減
じられた偏平形状部とを有し、前記プレートフィンに
は、前記冷媒配管の前記偏平形状部の厚さに対応した切
り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配
管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の前記円形管
部の外径に対応した内径の真円形状の配管貫通嵌合孔が
形成され、前記冷媒配管は、前記円形管部にて各プレー
トフィンの前記配管貫通嵌合孔と係合し、当該係合部に
おけるはんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により
前記プレートフィンと固着しているものである。
【0024】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器は、前記冷媒配管の前記偏平形状部が通風方
向に直交する方向に扁平につぶされ、前記偏平形状部の
両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっているもの
である。
【0025】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器は、前記冷媒配管の前記偏平形状部の扁平面
が、当該熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せ
ず、上下傾斜した水勾配を与えられるものである。
【0026】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器は、前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合
孔の外周囲に鍔状部が立ち上げ形成され、当該鍔状部を
含んで前記プレートフィンと冷媒配管とが固着している
ものである。
【0027】また、上述の目的を達成するために、この
発明による冷蔵庫は、上述の発明によるプレートフィン
チューブ型熱交換器を使用し、冷媒として炭化水素を用
いたものである。
【0028】また、上述の目的を達成するために、この
発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方
法は、真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平つぶしを
行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工程と、前
記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅の
スリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切
り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない円
形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌合
孔を有するプレートフィンを得る工程と、前記冷媒配管
の偏平形状部と前記プレートフィンの前記配管挿入用切
り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記偏平形状部
を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前記配管貫通
嵌合孔に入れる工程と、前記冷媒配管と前記プレートフ
ィンとを軸線方向にずらし、前記冷媒配管の前記円形管
部を前記配管貫通嵌合孔に圧入状態で挿入嵌合させる工
程とを有しているものである。
【0029】また、上述の目的を達成するために、この
発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方
法は、真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平つぶしを
行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工程と、前
記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅の
スリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切
り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない円
形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌合
孔を有するプレートフィンを得る工程と、前記冷媒配管
の偏平形状部と前記プレートフィンの前記配管挿入用切
り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記偏平形状部
を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前記配管貫通
嵌合孔に入れる工程と、前記冷媒配管と前記プレートフ
ィンとを軸線方向にずらし、前記冷媒配管の前記円形管
部を前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔に挿入係
合させる工程と、前記冷媒配管の前記円形管部と前記プ
レートフィンの前記配管貫通嵌合孔との係合部におい
て、はんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により前
記冷媒配管と前記プレートフィンとを固着する工程とを
有しているものである。
【0030】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法は、前記冷媒配管を通風方向に直
交する方向に扁平につぶすことにより、前記偏平形状部
を形成し、前記偏平形状部の両側の扁平面が通風方向に
沿った平面になっているものである。
【0031】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法は、前記冷媒配管の前記偏平形状
部の扁平面が、当該熱交換器を設置した際に、水平の位
置を保持せず、上下傾斜した水勾配を与えられるもので
ある。
【0032】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法は、前記プレートフィンの前記配
管貫通嵌合孔の外周囲に鍔状部を立ち上げ形成し、当該
鍔状部を含んで前記プレートフィンと冷媒配管とを固着
するものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して、こ
の発明にかかるプレートフィンチューブ型熱交換器およ
びその製造方法とそれを用いた冷蔵庫の実施の形態を詳
細に説明する。
【0034】実施の形態1.図1、図2はこの発明によ
るプレートフィンチューブ型熱交換器の実施の形態1を
示している。プレートフィンチューブ型熱交換器は、前
後Uターンによって前後2列に蛇行曲げされた全体が一
本のアルミニウム管等により構成された冷媒配管10
と、一定間隔をおいて平行に整列配置された複数枚のプ
レートフィン20とにより構成されている。
【0035】冷媒配管10は、偏平加工されていない真
円断面形状の円形管部11と、配管直線部において繰り
返し間隔(フィンピッチ)をおいて通風方向に直交方
向、すなわち、図1にて上下方向の配管厚さを減じられ
た偏平形状部12とを有している。プレートフィン20
には、冷媒配管10の偏平形状部12の厚さに対応した
切り欠き幅(偏平形状部12の厚さよりわずかに大きい
幅寸法)のスリット状の配管挿入用切り欠き22と、配
管挿入用切り欠き22と連続し、冷媒配管10の円形管
部11の外径に対応した内径(円形管部11の外径より
わずかに小さい内径)の真円形状の配管貫通嵌合孔21
が形成されている。
【0036】冷媒配管10は、円形管部11にて各プレ
ートフィン20の配管貫通嵌合孔21と圧入嵌合状態で
密着しており、この密着によって冷媒配管10とプレー
トフィン20とが相互に固定されている。偏平形状部1
2はそれぞれ、隣接する2枚のプレートフィン20の間
に位置している。
【0037】この熱交換器は図1の紙面を直角に貫通す
る方向に通風を行われて熱交換を行うものであり、偏平
形状部12は通風方向に直交する方向(図1にて上下方
向)に扁平につぶされ、偏平形状部12の上下の扁平面
が通風方向に沿った平面になっている。ただし、偏平形
状部12の扁平面は、当該熱交換器を設置した際に、水
平の位置を保持せず、わずかに上下に傾斜した水勾配を
与えられる。
【0038】これにより、結露時に発生した水分が、偏
平形状部11の扁平面に滞留せず、円滑に落下排水され
る。なお、プレートフィン20のピッチは、5mm程度
であり、結露水を滞留させず、また通風に過度の抵抗を
設けないようにしている。
【0039】各プレートフィン20は上下に一体の形態
となっているので、除霜時に外部から加熱するときに
も、熱交換器全体の伝熱性能が確保されており、過度の
加熱を行う必要が無い。
【0040】この熱交換器を冷蔵庫に搭載したとき、熱
交換器内に冷媒配管10の接合部がないため、冷媒とし
て炭化水素を使用した場合にも、ガス漏れ等の心配がな
く使用できる。
【0041】つぎに、上述の構成の熱交換器の製造方法
について説明する。 (1)アルミニウム製の外径φ8、長さ7mの真円管材
を、前後Uターンによって前後2列に蛇行曲げし、専用
プレスを使用して一定間隔で、通風方向に直交方向の扁
平つぶしを行い、偏平形状部12を成形し、図3、図4
に示されているような、蛇行曲げ形状の冷媒配管10を
作成する。この時の扁平つぶしの間隔はフィンピッチに
相当するため、約3〜5mm間隔とする。また、冷媒配
管10の内径面積の減少を考慮し、またプレートフィン
20に形成する配管挿入用切り欠き22(図5参照)の
スリット幅を可能な限り最小とするため、つぶし代は2
〜5mm程度に設定する。
【0042】(2)つぶし後の偏平形状部12の短軸長
さ(厚さ)に配管挿入用切り欠き幅を考慮したスリット
幅の配管挿入用切り欠き22と、配管挿入用切り欠き2
2と連続し、冷媒配管10の元の径(円形管部11の外
径)を考慮した径の真円形状の配管貫通嵌合孔21を有
する図5に示されているようなプレートフィン20をパ
ンチプレス成形する。配管貫通嵌合孔21は冷媒配管1
0が貫通する各位置に設けられ、その配管貫通嵌合孔2
1について最短距離にあるプレートフィン20の前辺あ
るいは後辺(図5では左右の外辺)に開放された水平ス
リット状の配管挿入用切り欠き22が設けられる。配管
挿入用切り欠き22のスリット幅は偏平形状部11の厚
さより少し大きく、配管貫通嵌合孔21の内径は円形管
部11の外径より少し小さく設定され、貫通嵌合孔21
と配管挿入用切り欠き22とは連続していて、全体で見
て鍵穴形状をなしている。
【0043】(3)冷媒配管10と必要枚数のプレート
フィン20の成形が完了すれば、プレートフィン20を
所定のピッチをもって整列配置し、図6に示されている
ように、冷媒配管10の偏平形状部(つぶし部)12と
プレートフィン20の配管挿入用切り欠き22とを合わ
せて、冷媒配管10の偏平形状部12のそれぞれを、配
管挿入用切り欠き22を通過させて配管貫通嵌合孔21
に入れる(図6の矢印A)。
【0044】(4)つぎに、冷媒配管10をプレートフ
ィン20の群に対して軸線方向にずらし(図6の矢印
B)、図7に示されているように、冷媒配管10の円形
管部11を配管貫通嵌合孔21に圧入状態で挿入嵌合さ
せる。この挿入嵌合により、冷媒配管10とプレートフ
ィン20とが固定され、プレートフィンチューブ型熱交
換器が完成する。
【0045】これにより、効率よく製造できると共に、
冷媒配管10は、円形管部11と配管貫通嵌合孔21と
の真円形状同士の圧入嵌合により、プレートフィン20
と冷媒配管10の密着面積を円形管部11の略全周に亙
って均一に確保でき、しかも通風抵抗が小さく、優れた
伝熱性能を示す。また形状に制限を与えることがなく、
小型化を図ることができる。
【0046】冷媒配管10のつぶし間隔はフィンピッチ
に合わせて設定するが、外径8mmの管を連続して一定
間隔でつぶすため、3mmより小さいピッチでは円形管
部11の真円形状を保つとができず、プレートフィン2
0との均一な密着を確保するためには、つぶし間隔は3
mm以上とすることが望ましい。
【0047】また、つぶし代は冷媒配管10内を流れる
冷媒の圧力損失と通風抵抗の低減効果との関係から、最
適値を設定する必要があり、外径8mmの冷媒配管10
では、つぶし代2mmより小さい場合には通風抵抗の低
減効果が得られず、5mmより大きくつぶすと、管内圧
力損失の増大により、熱交換器性能が著しく低下した。
従って、つぶし代は2〜5mm程度とすることが望まし
い。なお、この寸法の設定は外径8mmの管に設定した
ものであり、径の異なる管では、その都度、最適値を設
定する必要がある。
【0048】上述の構成による熱交換器を用いて熱交換
性能の評価を行ったので、その内容について詳述する。
【0049】(実施例1)材料は、冷媒配管10にはJ
IS−A1050T−H112、外径8mm、肉厚0.
8mmのアルミニウム管を使用し、プレートフィン20
にはJIS−A1200−H24、肉厚0.15mmの
アルミニウム板を使用した。冷媒配管10は蛇行曲げを
施したのち、間隔5mm、つぶし代3mmでつぶし加工
を実施し、プレートフィン20には、スリット幅が5.
1mmの配管挿入用切り欠き22と、直径が7.8mm
の真円形状の配管貫通嵌合孔21を打ち抜き成形した。
【0050】成形したプレートフィン20を60枚、固
定治具に入れ、つぶし後の冷媒配管10を差込み、プレ
ートフィン20の固定治具を固定して冷媒配管10を軸
方向に2.5mmずらし、プレートフィン20と冷媒配
管10とを密着させて熱交換器を完成した。
【0051】(実施例2)プレートフィン20には冷媒
配管10との密着性を向上させるために、図8に示され
ているように、配管貫通嵌合孔21の周囲に、バーリン
グ加工によって約1.5mmの張り出しを備える鍔状部
23が立ち上げ形成されている。その他のことは実施例
1のものと同じである。
【0052】(比較例1)比較例1の熱交換器はUベン
ド拡管方式により製造した熱交換器であり、使用した素
材は実施例1と同じものとし、熱交換器全体の寸法やフ
ィンピッチ、冷媒配管ピッチも実施例1と同様となるよ
うにした。ただし、プレートフィンの穿孔径は8.2m
mとしてバーリングを立て、拡管するときのビュレット
は外径6.72mmとすることで、変形率を約5%程度
に設定した。
【0053】(比較例2)比較例2の熱交換器はカチ込
み方式により製造した熱交換器であり、使用した素材は
実施例1と同じものとし、熱交換器全体の寸法やフィン
ピッチ、冷媒配管ピッチも実施例1と同様となるように
した。冷媒配管を蛇行曲げ後、偏平につぶし、フィン配
管挿入用切り欠き部へ挿入後、プレスで偏平管を真円に
戻すことで、冷媒配管管とプレートフィンとを密着させ
た。プレートフィンの配管挿入用切り欠き底はφ7.8
mmとし、バーリングを施した。
【0054】上述の試料について、熱交換性能試験を行
った結果を表1に示す。なお、熱交換性能試験は、水を
媒体として冷媒配管内を満液状態とし熱輸送量を測定し
た。本結果は比較例のUベンド拡管方式に対する輸送量
をUベンド拡管方式に対する比として表した。
【0055】
【表1】
【0056】従来方式である比較例1を基準に考えた場
合、単純なカチ込み方式である比較例2は熱輸送量で約
8%悪化したのに対して、実施例1では約5%低下に止
まり、バーリングを施した実施例2で示す本発明の挿入
ずらし嵌合方式は、約3%低下程度に収まった。この結
果から、カチ込み方式による性能低下が、本発明により
改善されたことが確認され、プレートフィンにバーリン
グを施すことにより、さらにその効果を得ることができ
た。
【0057】これは、冷媒配管とプレートフィンの接触
面積の増加、密着度のばらつき低減、偏平管による管外
圧力損失の低減によるものであって、本発明の有効性を
証明するものである。特に、接触部のプレートフィンに
バーリング加工を施す事により、密着度のばらつきは、
さらに低減し、本発明の効果をさらに有効に実現でき
る。
【0058】なお、本実施例では、プレートフィン並び
に冷媒配管の材料としてアルミニウムを用いたが、これ
に代えて銅あるいはアルミニウムや銅などとの合金等、
実施例以外の展延性に優れた材料を用いてもよい。
【0059】実施の形態2.図9は、この発明によるプ
レートフィンチューブ型熱交換器の実施の形態2を示し
ている。なお、図9において、図6〜図8に対応する部
分は、図6〜図8にに付した符号と同一の符号を付け
て、その説明を省略する。
【0060】実施の形態2では、プレートフィン20の
配管貫通嵌合孔21の内径を冷媒配管10の円形管部1
1の外径に対して0.2mm程度のクリアランスを設け
てバーリング加工を施し、実施の形態1と同様に、冷媒
配管20の偏平形状部12からプレートフィン20と組
み合わせ、円形管部11をプレートフィン20の配管貫
通嵌合孔21に挿入係合させ、ろう接により両者を接合
させた。なお、図9にて、符合30は円形管部11と配
管貫通嵌合孔21との嵌合における冷媒配管1とプレー
トフィン20とのろう付け部を示している。
【0061】ろう接方法には、棒状の置きろうを配管貫
通嵌合孔21に、冷媒配管直線部と平行に配置し、スラ
リー状のフラックスを全体に吹き付け、炉中加熱により
接合する方法を用いた。ただし、本方式以外に、ろう材
をプレートフィン20にクラッドしたブレージングシー
トを用いる方法や、冷媒配管10にろう材をクラッドす
る方法、ペースト状のろう材とフラックス混合物を吹き
付ける方法などの方法でも便宜適用できる。
【0062】つぎに、上述の構成の熱交換器の製造方法
について説明する。 (1)アルミニウム製の外径φ8、長さ7mの真円管材
を、前後Uターンによって前後2列に蛇行曲げし、専用
プレスを使用して一定間隔で、通風方向に直交方向の扁
平つぶしを行い、偏平形状部12を成形し、実施の形態
1のものと同様の蛇行曲げ形状の冷媒配管10を作成す
る。この時の扁平つぶしの間隔はフィンピッチに相当す
るため、約3〜5mm間隔とする。また、冷媒配管10
の内径面積の減少を考慮し、またプレートフィン20に
形成する配管挿入用切り欠き22のスリット幅を可能な
限り最小とするため、つぶし代は2〜5mm程度に設定
する。
【0063】(2)つぶし後の偏平形状部12の短軸長
さ(厚さ)に配管挿入用切り欠き幅を考慮したスリット
幅の配管挿入用切り欠き22と、配管挿入用切り欠き2
2と連続し、冷媒配管10の元の径(円形管部11の外
径)を考慮した径の真円形状の配管貫通嵌合孔21を有
する図5に示されているようなプレートフィン20をパ
ンチプレス成形する。配管貫通嵌合孔21は冷媒配管1
0が貫通する各位置に設けられ、その配管貫通嵌合孔2
1について最短距離にあるプレートフィン20の前辺あ
るいは後辺に開放された水平スリット状の配管挿入用切
り欠き22が設けられる。配管挿入用切り欠き22のス
リット幅は偏平形状部11の厚さより少し大きく、配管
貫通嵌合孔21の内径は円形管部11の外径より少し大
きく設定され、貫通嵌合孔21と配管挿入用切り欠き2
2とは連続していて、全体で見て鍵穴形状をなしてい
る。
【0064】(3)冷媒配管10と必要枚数のプレート
フィン20の成形が完了すれば、プレートフィン20を
所定のピッチをもって整列配置し、冷媒配管10の偏平
形状部(つぶし部)12とプレートフィン20の配管挿
入用切り欠き22とを合わせて、冷媒配管10の偏平形
状部12のそれぞれを、配管挿入用切り欠き22を通過
させて配管貫通嵌合孔21に入れる。
【0065】(4)つぎに、冷媒配管10をプレートフ
ィン20の群に対して軸線方向にずらし、冷媒配管10
の円形管部11を配管貫通嵌合孔21に遊嵌合状態で挿
入嵌合させる。
【0066】(5)つぎに、円形管部11と配管貫通嵌
合孔21との嵌合において、冷媒配管1とプレートフィ
ン20とをろう付けする。これにより、冷媒配管10と
プレートフィン20とが固定され、プレートフィンチュ
ーブ型熱交換器が完成する。
【0067】これにより、効率よく製造できると共に、
冷媒配管10は、円形管部11と配管貫通嵌合孔21と
の真円形状同士の嵌合、ろう付けにより、プレートフィ
ン20と冷媒配管10の密着面積を円形管部11の略全
周に亙って均一に確保でき、しかも通風抵抗が小さく、
優れた伝熱性能を示す。また形状に制限を与えることが
なく、小型化を図ることができる。
【0068】円形管部11と配管貫通嵌合孔21との嵌
合における冷媒配管1とプレートフィン20との固着
は、低温で取扱いが可能な鉛系はんだ付けや摩擦はんだ
付け等も使用できる。さらに、プレートフィン20のバ
ーリング加工等による鍔状部23を利用してレーザ等の
溶接により、冷媒配管10とプレートフィン20とを接
合することもできる。
【0069】上述の構成による熱交換器の冷蔵庫実装試
験を行ったので、その内容について詳述する。
【0070】(実施例3)実施例1と同様寸法のフィン
および冷媒配管を使用し、ろう接によりプレートフィン
20と冷媒配管10を接合させた。なお、プレートフィ
ン20の配管貫通嵌合孔21の内径は、冷媒配管10の
円形管部11の外径が8mmであるのに対し、8.2m
mとした。ろう材にはJIS−BA4047を用い、棒
状のろう材をプレートフィン20の配管貫通嵌合孔21
と冷媒配管接触部近傍に配置したのち、弗素系フラック
スを水およびアルコールでスラリー状に混濁したものを
吹き付け、しかる後に600℃の窒素雰囲気炉で約10
分間加熱して接合した。
【0071】(比較例3)比較例3の熱交換器はSフィ
ン方式による熱交換器であり、使用した素材、寸法は実
施例3と同じものとした。フィンの穿孔径は比較例1の
Uベンド拡管方式と同一のφ8.2mmとし、拡管ビュ
レットの径も同一径のものを用いた。ただし本方式で
は、冷媒配管曲げ部を大きくとる必要があることから、
両端のフィンを夫々2列ずつ減らし、フィン総列数は5
6とした。
【0072】上述の試料(熱交換器)を用い冷蔵庫実装
試験による消費電力量の測定を実施した。この時、消費
電力量は比較例1で作成したUベンド拡管方式による熱
交換器を使用した場合を100としたときの比で、表2
に示す。また同一能力のヒーターを熱交換器下部に設置
し、同一霜付状態のときの霜取り完了時間を測定し、そ
の比較例1に対する比を併記した。
【0073】
【表2】
【0074】Sフィン方式では、Uベンド拡管方式より
も約2%の消費電力量悪化が認められたが、本発明の挿
入つぶし嵌合方式でろう接を施したものは、ほぼ同等の
消費電力量となった。また霜取り時間はSフィン方式で
はUベンド拡管方式より20%増加したのに対して、本
発明ではほぼ同等の時間で完了することができた。
【0075】これはSフィン方式の形状上冷媒配管曲げ
部を大きくとる必要があり、フィンの枚数が減少したこ
とにより、熱交換性能が低下し、消費電力の上昇に繋が
ったものと考えられ、一方、本発明の挿入つぶし嵌合方
式で、ろう接を施したものは、フィン配管挿入用切り欠
き部の存在による伝熱性能の悪化が、ろう接による伝熱
の改善、偏平部の管外圧力損失の低減などで性能改善さ
れ、実使用上、Uベンド拡管方式と同等となったもので
ある。また、霜取り時間は、上下に分割されているフィ
ンを使用したSフィン方式では、上下のフィン間の伝熱
が無く、上下に一体のフィンを使用したUベンド拡管方
式や本発明よりも上部の昇温に時間を要した結果であ
る。
【0076】以上のように、本発明により一体蛇行曲げ
冷媒配管を利用したプレートフィンチューブ型熱交換器
において、従来のUベンド拡管方式と同等の性能を持つ
ものが実現できた。
【0077】なお、本発明は、以上述べた発明の形態に
おいて説明し、かつ図面に示した実施例のプレートフィ
ンチューブ型熱交換器に限定される物ではなく、たとえ
ば、銅冷媒配管を使用するなど、その要旨を脱し得ない
範囲で種種変形して実施することができる。
【0078】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、この発
明によるプレートフィンチューブ型熱交換器によれば、
冷媒配管が円形管部にてプレートフィンの配管貫通嵌合
孔と圧入嵌合状態で密着し、冷媒配管とプレートフィン
とが圧入嵌合状態で固定されているから、冷媒配管の真
円部分でプレートフィンと密着させることができ、均一
な密着状態が容易に実現でき、熱交換性能を低下するこ
とがない。
【0079】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器によれば、冷媒配管が円形管部にてプレート
フィンの配管貫通嵌合孔と係合し、当該係合部における
はんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により冷媒配
管とプレートフィンとが固着しているから、冷媒配管の
真円部分でプレートフィンと密着させることができ、均
一な密着状態が容易に実現でき、熱交換性能を低下する
ことがない。
【0080】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器によれば、冷媒配管の偏平形状部が通風方向
に直交する方向に扁平につぶされ、偏平形状部の両側の
扁平面が通風方向に沿った平面になっているから、熱交
換器の通風抵抗を低減でき、熱交換効率を向上できる。
【0081】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器によれば、冷媒配管の偏平形状部の扁平面
は、熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せず、
上下傾斜した水勾配を与えられるから、偏平部分に水滴
が滞留することが無く、効果的に排水することができ
る。
【0082】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器によれば、プレートフィンの配管貫通嵌合孔
の外周囲に鍔状部が立ち上げ形成され、この鍔状部を含
んでプレートフィンと冷媒配管とが固着していることか
ら、プレートフィンと冷媒配管の密着面積を十分確保で
き、フィンと配管の伝熱抵抗を低下させることがなく、
熱交換効率を向上できる。
【0083】つぎの発明による冷蔵庫によれば、冷媒に
炭化水素を用いると共に、一本の蛇行曲げ配管を用い、
冷媒配管の真円部分で冷媒配管とプレートフィンとが密
着したプレートフィンチューブ型熱交換器を用いるの
で、配管接合部からの冷媒漏れの心配がなく、あわせて
効率のよい冷蔵庫を供給できる。
【0084】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法によれば、真円管材を蛇行曲げ
し、一定間隔で扁平つぶしを行って偏平形状部を成形し
て冷媒配管を得る工程と、前記偏平形状部の厚さに対応
する配管挿入用切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切
り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒
配管の偏平加工していない円形管部の外径に対応する内
径の真円形状の配管貫通嵌合孔を有するプレートフィン
を得る工程と、前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレー
トフィンの前記配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記
冷媒配管の前記偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠き
を通過させて前記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、前記
冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずらし、
前記冷媒配管の前記円形管部を前記配管貫通嵌合孔に圧
入状態で挿入嵌合させる工程とを有しているから、熱交
換効率がよいプレートフィンチューブ型熱交換器を生産
性よく製造することができる。
【0085】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法によれば、真円管材を蛇行曲げ
し、一定間隔で扁平つぶしを行って偏平形状部を成形し
て冷媒配管を得る工程と、前記偏平形状部の厚さに対応
する配管挿入用切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切
り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒
配管の偏平加工していない円形管部の外径に対応する内
径の真円形状の配管貫通嵌合孔を有するプレートフィン
を得る工程と、前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレー
トフィンの前記配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記
冷媒配管の前記偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠き
を通過させて前記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、前記
冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずらし、
前記冷媒配管の前記円形管部を前記プレートフィンの前
記配管貫通嵌合孔に挿入係合させる工程と、前記冷媒配
管の前記円形管部と前記プレートフィンの前記配管貫通
嵌合孔との係合部において、はんだ付け、ろう付け、溶
接等の固着手段により前記冷媒配管と前記プレートフィ
ンとを固着する工程とを有しているから、熱交換効率が
よいプレートフィンチューブ型熱交換器を生産性よく製
造することができる。
【0086】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法によれば、冷媒配管の偏平形状部
が通風方向に直交する方向に扁平につぶされ、偏平形状
部の両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっている
から、熱交換器の通風抵抗を低減でき、熱交換効率を向
上できるプレートフィンチューブ型熱交換器を製造する
ことができる。
【0087】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法によれば、冷媒配管の偏平形状部
の扁平面は、熱交換器を設置した際に、水平の位置を保
持せず、上下傾斜した水勾配を与えられるから、偏平部
分に水滴が滞留することが無く、効果的に排水すること
ができるプレートフィンチューブ型熱交換器を製造する
ことができる。
【0088】つぎの発明によるプレートフィンチューブ
型熱交換器の製造方法によれば、プレートフィンの配管
貫通嵌合孔の外周囲に鍔状部が立ち上げ形成され、この
鍔状部を含んでプレートフィンと冷媒配管とが固着して
いることから、プレートフィンと冷媒配管の密着面積を
十分確保でき、フィンと配管の伝熱抵抗を低下させるこ
とがなく、熱交換効率を向上できるプレートフィンチュ
ーブ型熱交換器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器の実施の形態1を示す正面図である。
【図2】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器の実施の形態1を示す側面図である。
【図3】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器の冷媒配管を示す正面図である。
【図4】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器の冷媒配管を示す側面図である。
【図5】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器のプレートフィンを示す側面図である。
【図6】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器の製造工程を示す斜視図である。
【図7】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器の実施の形態1の要部を示す斜視図である。
【図8】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器の実施の形態1の変形例の要部を示す斜視図であ
る。
【図9】 この発明によるプレートフィンチューブ型熱
交換器の実施の形態2の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 冷媒配管、11 円形管部、12 偏平形状部、
20 プレートフィン、21 配管貫通嵌合孔、22
配管挿入用切り欠き、23 鍔状部、30 ろう付け
部。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛇行曲げ冷媒配管を用いたプレートフィ
    ンチューブ型熱交換器において、 蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管と、一定間隔をお
    いて整列配置された複数枚のプレートフィンとにより構
    成され、前記冷媒配管は、偏平加工されていない円形管
    部と、繰り返し間隔をおいて配管厚さを減じられた偏平
    形状部とを有し、前記プレートフィンには、前記冷媒配
    管の前記偏平形状部の厚さに対応した切り欠き幅のスリ
    ット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠
    きと連続し前記冷媒配管の前記円形管部の外径に対応し
    た内径の真円形状の配管貫通嵌合孔が形成され、前記冷
    媒配管は前記円形管部にて各プレートフィンの前記配管
    貫通嵌合孔と圧入嵌合状態で密着し、冷媒配管とプレー
    トフィンとが固定されていることを特徴とするプレート
    フィンチューブ型熱交換器。
  2. 【請求項2】 蛇行曲げ冷媒配管を用いたプレートフィ
    ンチューブ型熱交換器において、 蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管と、一定間隔をお
    いて整列配置された複数枚のプレートフィンとにより構
    成され、前記冷媒配管は、偏平加工されていない円形管
    部と、繰り返し間隔をおいて配管厚さを減じられた偏平
    形状部とを有し、前記プレートフィンには、前記冷媒配
    管の前記偏平形状部の厚さに対応した切り欠き幅のスリ
    ット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠
    きと連続し、前記冷媒配管の前記円形管部の外径に対応
    した内径の真円形状の配管貫通嵌合孔が形成され、前記
    冷媒配管は、前記円形管部にて各プレートフィンの前記
    配管貫通嵌合孔と係合し、当該係合部におけるはんだ付
    け、ろう付け、溶接等の固着手段により前記プレートフ
    ィンと固着していることを特徴とするプレートフィンチ
    ューブ型熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記冷媒配管の前記偏平形状部は通風方
    向に直交する方向に扁平につぶされ、前記偏平形状部の
    両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっていること
    を特徴とする請求項1または2に記載のプレートフィン
    チューブ型熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記冷媒配管の前記偏平形状部の扁平面
    は、当該熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せ
    ず、上下傾斜した水勾配を与えられることを特徴とする
    請求項3に記載のプレートフィンチューブ型熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合
    孔の外周囲に鍔状部が立ち上げ形成され、当該鍔状部を
    含んで前記プレートフィンと冷媒配管とが固着している
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の
    プレートフィンチューブ型熱交換器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載のプ
    レートフィンチューブ型熱交換器を使用し、冷媒として
    炭化水素を用いたことを特徴とする冷蔵庫。
  7. 【請求項7】 真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平
    つぶしを行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工
    程と、 前記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅
    のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用
    切り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない
    円形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌
    合孔を有するプレートフィンを得る工程と、 前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレートフィンの前記
    配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記
    偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前
    記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、 前記冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずら
    し、前記冷媒配管の前記円形管部を前記配管貫通嵌合孔
    に圧入状態で挿入嵌合させる工程と、 を含むことを特徴とするプレートフィンチューブ型熱交
    換器の製造方法。
  8. 【請求項8】 真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平
    つぶしを行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工
    程と、 前記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅
    のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用
    切り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない
    円形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌
    合孔を有するプレートフィンを得る工程と、 前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレートフィンの前記
    配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記
    偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前
    記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、 前記冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずら
    し、前記冷媒配管の前記円形管部を前記プレートフィン
    の前記配管貫通嵌合孔に挿入係合させる工程と、 前記冷媒配管の前記円形管部と前記プレートフィンの前
    記配管貫通嵌合孔との係合部において、はんだ付け、ろ
    う付け、溶接等の固着手段により前記冷媒配管と前記プ
    レートフィンとを固着する工程と、 を含むことを特徴とするプレートフィンチューブ型熱交
    換器の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記冷媒配管を通風方向に直交する方向
    に扁平につぶすことにより、前記偏平形状部を形成し、
    前記偏平形状部の両側の扁平面が通風方向に沿った平面
    になっていることを特徴とする請求項7または8に記載
    のプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記冷媒配管の前記偏平形状部の扁平
    面は、当該熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持
    せず、上下傾斜した水勾配を与えられることを特徴とす
    る請求項9に記載のプレートフィンチューブ型熱交換器
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記プレートフィンの前記配管貫通嵌
    合孔の外周囲に鍔状部を立ち上げ形成し、当該鍔状部を
    含んで前記プレートフィンと冷媒配管とを固着すること
    を特徴とする請求項8〜10のいずれかに一つに記載の
    プレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法。
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