JP2001090092A - 注入工法による砂質地盤の液状化防止工法 - Google Patents
注入工法による砂質地盤の液状化防止工法Info
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Abstract
状化防止する工法を提供する。 【解決手段】 構造物付近の地盤とその周囲の地盤に固
結ゾーンAと固結ゾーンBを注入工法によってそれぞれ
形成する。固結ゾーンBは固結ゾーンAよりも硬質に、
かつ固結ゾーンAの周りをほぼ垂直方向に包み込むよう
に形成する。
Description
質地盤の液状化防止工法に関する。
して、セメントや耐久性の優れた薬液を注入して固化す
る工法が知られている。また、固化材と掘削土を攪拌混
合したり、或いは矢板などで地盤中に格子状に壁体を形
成する工法も知られている。
備蓄タンク等の構造物10が建つ砂質地盤11が地震時
などに液状化を起こす場合を示し、地震による砂質地盤
11の液状化は、図示するように地下水面下の緩い砂質
地盤11が地震によって繰り返し作用する剪断応力によ
り過剰間隙水圧が発生する一方、有効応力が減少するこ
とにより支持力が減少するためと考えられている。
た方法などを含めて種々考えられるが、いずれの工法
も、すでに構築された構造物1の地盤改良という条件下
のもとで、可能な限り経済的に行わなくてはならないた
めに施工がきわめて困難である。
の外側(周囲)から基礎下の地盤中に斜めに削孔・注入
することが可能なため、小さな注入孔から広範囲に浸透
・固結することができれば、特に既存の構造物付近の液
状化対策としてきわめてすぐれた液状化防止工法となり
うる。
負のダイレタンシーが起こるような緩い砂質地盤11の
砂粒子の間隙を、注入工法でゲル化物で填充することに
より充分注入効果が発揮できれば、土粒子の移動が阻止
されて負のダイレタンシーが起こらなくなり、注入工法
による液状化防止が可能になる。
い地盤は細砂であって、特に大きな構造物が建つ地盤の
場合、構造物の直下まで注入液が浸透しにくいことであ
るが、注入効果が不充分だと、砂粒子の間隙に充填され
たゲル化物の充填量が不充分なために液状化が起こりや
すくなる。
礎、空港滑走路、或いは地中埋設管や鉄道のトンネル等
といったきわめて広大な面積と大容量の構造物や工作
物、或いは施設を対象とするため、構造物の存在下にお
ける削孔の作業性と経済性が求められる。
注入孔間隔を広くとり、しかも構造物そのものに注入用
の孔を空けないようにしながら、かつ地盤隆起を防ぎな
がら基礎下の地盤まで耐久性と浸透性の優れた注入液を
確実に浸透させなくてはならない。
材)としては、例えば水ガラスを原料とするシリカ系注
入液、セメントスラグ、或いは粘土系注入液などが適し
ている。特に、劣化要因である水ガラスのアルカリを酸
で中和除去し、或いはイオン交換樹脂やイオン交換膜を
用いた電気透析により水ガラスのアルカリを除去或いは
低減したシリカ系注入材は浸透性にすぐれている。
の濃度を薄くし、固結時間を長くして大きな固結ゾーン
を形成しなくてはならない。例えば、注入間隔を2mの
正方向配置にする場合、 注入管の埋設間隔 P=2m×2mの正方向配置し、 注入速度 f=20リットル/minとし、 注入管1孔当たり改良平面積は Ap=2m×2m=4m2 であり、 1ステージ当たり改良土(m3 )を V=2m(改良高さ)×4m2 =8m3 とし、 1ステージ当たり注入量(kリットル) Q=V×(0.35〜0.04)=2.8m3 〜3.2m3 =3.0m3 (平均) (0.35〜0.04:注入率) 1ステージ当たり注入時間 t1 =3kリットル÷0.02kリットル/min=150m in =2.5時間(注入継続時間) と長時間による注入をおこなわなくてはならない。
場合、注入管1孔当たりの改良面積は、 Ap=4m×4m=16m2 1ステージの改良土量は、 V=2m(改良高さ)×16m2 =32m3 1ステージ注入量(kl)は Q=V×(0.35〜0.4) =32×(0.35〜0.4) =11.2〜12.8kリットル≒12kリットル(平
均) であり、注入速度f=20l/minとすると、1ステ
ージ当たり注入時間 t=12kリットル÷0.02kリットル =600min =10時間 の注入を行わなければならない。
を大きくとらなくてはならず、そのためには浸透性にす
ぐれ、しかも経済的でかつ耐久性にすぐれた注入液(固
結材)を用いなくてはならない。
には、シリカ濃度をうすくして長時間にわたって土粒子
間を浸透し、かつ連続注入が可能なように長いゲル化時
間と低粘性を維持させる必要がある。
盤中で長時間にわたる浸透中に大量の土粒子表面と接触
するため、土粒子に含まれる微少金属との反応によりゲ
ルタイムが短縮しやすい。このためシリカ濃度を下げて
ゲル時間と低粘性を維持させる必要がある。
良すぎることから、地表面や地盤の弱い部分を通して地
盤改良をすべき地盤の対象範囲外に逸脱してしまい、そ
の結果、地盤改良をすべき地盤の対象範囲内の固結が不
充分となり、注入目的が充分に達せられないことにな
る。
時間が短く、粘性が高いため脈状注入になりやすく浸透
距離も短い。また、セメント等の懸濁液も同じく浸透性
が悪いため脈状注入が生じやすい。この場合も浸透不充
分な部分に負のダイレタンシーが生ずることになる。
ない領域が生じやすく、また土粒子の間隙はゲル化物で
充分填充されにくいため、地震時の繰り返し剪断応力に
よって負のダイレタンシーを生じて液状化現象を起こし
やすくなる。
基礎付近に注入材(固結材)を注入しても、液状化防止
のための注入効果が充分得られにくいことになる。一
方、液状化防止のためにセメント混合による土中壁を平
面格子状に形成する方法が知られている。この方法は強
固な地中壁(固結壁)で構造物の荷重を支持し、かつ地
震による剪断応力を固結壁で遮断することによって液状
化を防ぐ効果がある。
と高さ(H)の比と関係があり、L/H=0.5〜0.8で
あることが知られている。即ち、格子の巾を高さより狭
くしなくてはならない。従って、タンク基礎等のように
大きな構造物の基礎の液状化を防止するためには基礎が
邪魔になって狭い間隔で固結壁をつくることができない
という問題が生ずる。
結する場合を図3で説明すると、一般に格子状の固結壁
12は地盤の剛性を高め、内部の地盤を拘束し、かつ地
震による剪断応力を低減させ、さらに過剰間隙水圧の発
生を抑制する。
法に比べ固結壁12の強度は弱いので、固結壁12を密
に(小間隔に)形成するか、壁厚を厚くすることが必要
である。しかし、備蓄タンク等の大規模構造物の基礎の
下に固結壁12を密に、あるいは厚く形成することは注
入作業上不可能であり、かつ経済的にも困難である。
質地盤の液状化防止を注入工法で効果的に行うために
は、注入工法の特性、注入固結体の特性を生かした技術
の開発を必要とした。なお、図1〜3において、符号1
3は非液状化層であり、支持層である。
構造物の基礎を効果的で液状化防止する工法を提供する
ことにある。
めの手段として、この発明に係る注入工法による砂質地
盤の液状化防止工法は、請求項1として、構造物付近の
地盤とその周囲の地盤に固結ゾーンAと固結ゾーンBを
注入工法によってそれぞれ形成するとともに、固結ゾー
ンBを固結ゾーンAよりも硬質に、かつ固結ゾーンAの
周りをほぼ垂直方向にまたは斜め下方向に包み込むよう
に形成する。
周囲の地盤に固結ゾーンAと固結ゾーンBを注入工法に
よってそれぞれ形成するとともに、固結ゾーンBを固結
ゾーンAよりも止水性を有し、かつ固結ゾーンAの周り
をほぼ垂直方向にまたは斜め下方向に包み込むように形
成する。
の液状化防止工法であって、構造物付近の地盤とその周
囲の地盤に固結ゾーンAと固結ゾーンBをそれぞれ注入
工法によってそれぞれ形成し、固結ゾーンBはほぼ垂直
方向または斜め方向に密実に形成し、固結ゾーンAは粗
く形成する。
の液状化防止工法であって、構造物付近の地盤に固結ゾ
ーンAを注入工法によって形成し、この固結ゾーンA内
に隔壁として請求項1,2または3の固結ゾーンBを複
数形成する。
る。図4,図5を用いて本発明を説明する。図4にて固
結ゾーン(低強度固結体)Aと固結ゾーン(高強度固結
体)Bとでは、相対的に前者が低強度、後者が高強度で
ある。
を上げれば、低強度とは一般に、固結土の軸圧縮強度が
0.1〜3kg/cm2 で、高強度とはほぼ1kg/c
m2以上でかつ低強度よりも高い強度あって、その組み
合わせは相対的なものであり、限定されるものではな
い。また、低強度と高強度をどのように組み合わせるか
は、地盤条件、施工条件、注入材の特性などを任意に考
慮して定めればよい。
が建つ付近の地盤中に形成し、固結ゾーンBは固結ゾー
ンAの周囲の地盤中に、固結ゾーンAよりも硬質にかつ
固結ゾーンAの周りをほぼ垂直方向または斜め下方向に
包み込むように形成する。
は、構造物1の基礎地盤或いは構造物に近い地盤をい
う。さらに、固結ゾーンAとBはともに、地盤中に注入
材(固結材)を注入する注入工法によって形成する。
れぞれ形成するために地盤中に注入される溶液型のシリ
カグラウトの種類や配合の違いによる固結強度の大小の
組み合わせやシリカ分の多いグラウトとシリカ分の少な
いグラウトによる固結強度の大小の組み合わせで、構造
物1が建つ付近の地盤中に強度の大きいグラウトと強度
の小さいグラウトを注入して固結ゾーンAと固結ゾーン
Bをそれぞれ形成する。
ゾーンAは、その周囲の地盤中にほぼ垂直方向または斜
め下方向に形成された、強度の大きいグラウトによる固
結ゾーンBに包みこまれるようにする。
ラグや微粒子セメント)と溶液性シリカの懸濁液をベー
スにしたグラウトと溶液性シリカをベースにしたグラウ
トの組み合わせで、後者で固結ゾーンAを形成し、前者
で固結ゾーンBを形成する。
トであって、懸濁成分の濃いグラウトと懸濁成分の薄い
グラウトの組み合わせで、後者で固結ゾーンAを形成
し、前者で固結ゾーンBを形成する。なお、上記懸濁液
或いは溶液性シリカに、さらにベントナイト等を加えて
もよい。
度の固結ゾーンBをほぼ垂直方向または斜め下方向に包
み込むように形成することで、繰り返し作用する地震に
よって地盤中に伝わる加速度を高強度の固結ゾーンBに
よって減少せしめることができる。このため、固結ゾー
ンBを経て固結ゾーンAに生ずる地震時の剪断応力は大
幅に減少する。
されたゲルの強度が弱くてもゲルの構造が破壊されるま
でには至らないため、負のダイレタンシーが生じにく
く、従って過剰間隙水圧の上昇や地盤の有効応力が減少
せず液状化の発生を防ぐことができる。
て強度は大きいものの、セメント混合土や矢板等に比べ
て低強度である。しかし、固結ゾーンAの存在により薄
くて済む。
モデルを示す。地盤により基礎の外側で液状化が生じて
も、固結ゾーンBは基礎周辺の間隙水圧の変化、地震に
よる加速度を遮断するため、固結ゾーンAにおける加速
度は低減されて固結ゾーンAの強度が低くても、地震に
よる負のダイレタンシーが生じにくいようになる。
のは破壊歪みが小さく、強度の低いものは破壊歪みが大
きい。したがって、固結ゾーンAは固結ゾーンBによっ
て剪断応力が低減されれば、強度が低くてもなかなか破
壊に到らず耐えられることになる。
湯で卵に類似した丈夫さに相当するものと思われる。卵
の殻のみ、或いは卵の中身のみならば外力によって容易
に破壊される。しかし、卵全体では、卵の殻とその中身
とが組み合わさって外力に対して構造的にすぐれた強度
を発現する。おそらく、卵全体では図5(b)の固結ゾ
ーンBよりもせん断強度が大きくかつ大きな歪みに対し
ても破壊にしくく、強度が低減しても強度を保持し続け
る。
に組み合わさって地震による過剰間隙水圧の上昇、剪断
応力の増大の低減、地下水及び土粒子の流動性の遮断と
いう液状化の要因に対する防止対策を同時にかつ経済的
に可能にする。このような原理は請求項2,3の発明に
おいても同様に考えることができる。
1 とB2 との間隔を広くとることができ、かつ固結ゾー
ンB1 とB2 の厚みをうすくすることができるため、作
業性と経済性が得られる。
の長いゲル化時間の注入液を大きな注入孔間隔で設置し
た注入管2によって注入することにより形成することが
できる。このため、斜めに注入管2を設置しても固結ゾ
ーンBの拘束性によって構造物1の直下まで注入液を浸
透せしめることが可能になる。
して注入孔をあえて設けなくても済み、また構造物1の
基礎を貫通して注入孔を密に削孔する必要もないし、さ
らに固結ゾーンBを厚くする必要もない。
固結ゾーンB1 とB2 間に形成された固結ゾーンA内
に、隔壁として固結ゾーンB3 を形成した例である。ま
た図8は、構造物が建つ付近の地盤中に形成された固結
ゾーンAの周囲に全周にわたって固結ゾーンBを形成し
た例である。
ゾーンBを固結ゾーンAの全周をほぼ垂直に包み込むよ
うに形成し、かつ固結ゾーンAの内部に周囲の固結ゾー
ンBと連続する隔壁として固結ゾーンB3 を平面格子状
に形成した例である。
場、その他の構造物1が建設されて、地上部からの削孔
・注入ができない場合で、構造物1が建つ地盤の周囲に
たて坑(図省略)を掘削し、このたて坑から構造物1が
建つ付近の地盤中に水平削孔し、かつ構造物1が建つ付
近の地盤中とその周囲の地盤中に注入材を注入して固結
ゾーンAとBをそれぞれ形成した例を示したものであ
る。
道、飛行場、その他の構造物1が建設されている場合
で、固結ゾーンAの周りをほぼ垂直方向に包み込むよう
に固結ゾーンBを形成し、かつ固結ゾーンAの上に固結
ゾーンBの上端部から水平に連続する固結ゾーンB4 を
盤状に形成した例を示したものである。
(複数層)、固結ゾーンAの中または固結ゾーンAの上
端と下端に形成してもよい。図11は、共同溝などとし
て利用される地中管3の周辺部に固結ゾーンAとBを形
成して液状化防止を行う例を示し、このように地中管3
の延長が長い場合、相対する延長方向の両側のみに固結
ゾーンBを形成したとしても、固結ゾーンAの周りを固
結ゾーンBでほぼ垂直方向に包み込むように改良地盤を
形成するとみなすことができる。
その周囲の地盤中に固結ゾーンAとBをそれぞれ形成
し、かつ固結ゾーンA内に固結ゾーンBの上端部から斜
めに連続する固結ゾーンB5 を形成した例である。
沿って一方向に連続する断面略V字状に形成してもよ
く、また固結ゾーンBが固結ゾーンAの周囲に平面円形
状、矩形状または多角形状に形成されているときは、固
結ゾーンB5 は固結ゾーンBの形状に従って、逆円錐
状、逆四角錐状または逆多角錐状に形成してもよい。
ゾーンAの中に隔壁として固結ゾーンB3 を所定間隔お
きに形成した例である。また図15は、構造物1が建つ
付近の地盤中に固結ゾーンAを形成し、この固結ゾーン
Aの周囲に固結ゾーンBをほぼ斜め下方に形成して、固
結ゾーンBで固結ゾーンAを包み込むようにした例であ
る。
断面略逆三角形状に形成し、固結ゾーンBを固結ゾーン
Aの外形に沿って断面略V字状に形成してもよく、ま
た、固結ゾーンAを逆円錐状、逆四角錐状または逆多角
錐状に形成し、固結ゾーンBを固結ゾーンAの外形に沿
って断面略V字状に形成してもよい。
中に固結ゾーンAを形成し、この固結ゾーンAの周囲に
固結ゾーンBをほぼ垂直方向に形成し、さらに固結ゾー
ンBの上端部からほぼ斜め下方に固結ゾーンAを包み込
むように固結ゾーンB5 を形成した例である。
行に連続して形成し、固結ゾーンAを固結ゾーンBに沿
って一方向に連続する断面略逆三角形状に形成し、さら
に固結ゾーンB5 を固結ゾーンAの外形に沿って断面略
V字状に形成してもよい。
囲を包み込むように平面円形状、矩形状または多角形状
に形成し、固結ゾーンAを固結ゾーンBの平面形状に沿
って逆円錐状、逆四角錐状または逆多角錐状に形成し、
さらに固結ゾーンB5 を固結ゾーンAの外形に沿って断
面略V字状に形成してもよい。
B1 〜B5 は固結ゾーンBと同じものである。次に、固
結ゾーンBとして固結ゾーンAよりも止水性の高い固結
ゾーンを用いた例を述べる。ここで止水性の高い固結ゾ
ーンとは固結ゾーンAよりも浸透性の良い注入材で固結
し優れた止水ゾーンを形成した注入ゾーンを意味する。
ウトで土粒子間浸透を主体として固結したゾーン,固結
ゾーンAはセメントや粘土等の懸濁液やセメントやスラ
グや粘土をベースとした懸濁液グラウト、或いはこれに
ゲル化剤や溶液型シリカを加えた懸濁液グラウト、或い
は溶液型シリカにベントナイト等の粘土を加えた懸濁型
グラウト、或いはゲル化時間の短いグラウトで脈状注入
を主体として固結したゾーンである。
り、土粒子間浸透が不充分であったり、浸透距離が不充
分であったりで、止水性が少ない固結ゾーンである。従
って、土粒子の間隙を充分固結物で充填できていない。
水性に優れているため、負のダイレタンシーの発生を防
ぎ、外部からの過剰間隙水圧の伝播を遮断し、周辺の液
状化現象を遮断する。
応力を低減する一方、固結ゾーンA内では土粒子間浸透
は不充分であるものの、固結ゾーンBの拘束効果により
注入液は周辺に逸脱されにくく、注入液が浸透しきれな
かった部分でも圧縮され密になっているため、負のダイ
レタンシーが生じにくくなっている。
が低減しているため、固結ゾーンAが土粒子間浸透が不
充分であっても液状化にまで至らないで済むことにな
る。このため、固結ゾーンAは浸透性の悪い、或いはゲ
ル化を伴わない安価な懸濁型注入材や間隙填充率が少な
くなるゲル化時間の短い注入材を用いることができ、し
かも固結ゾーンBによる拘束効果で脈状逸脱することな
く注入でき、極めて経済的に液状化防止効果を挙げるこ
とができる。
要素としてゲルの離奬水の大小も含めるものとする。一
般に、離漿水は、溶液型シリカグラウトではシリカ分以
外のイオンを多く含んでいる場合の方が多い。例えば、
水ガラスをイオン交換樹脂やイオン交換膜で脱塩したシ
リカグラウト、或いはシリカ分の粒径を大きくしたシリ
カグラウトは離漿水がきわめて少ない。
結したゾーンの方が土粒子間のゲルの充填率が高く、透
水性は低い。従って、離漿水の大きい方のグラウトで固
結ゾーンAを形成し、離漿水の少ない方のグラウトで固
結ゾーンBを形成すればよい。その効果は上述したと同
じである。
と経済性に優れた改良地盤を形成するものであって、固
結ゾーンAをそれよりも強度や止水性の優れた固結ゾー
ンBでほぼ垂直方向に包み込むようにして地盤改良する
ことにより、固結ゾーンBの枠の間隔を大きくとること
ができ、また固結ゾーンAは固結ゾーンBの拘束効果に
よって経済的な材料を大きな削孔間隙で注入すれば良
く、極めて経済的かつ作業性に優れた液状化防止が可能
になる。
(地盤改良)された固結ゾーンBの内部に注入工法によ
り粗く形成(地盤改良)された固結ゾーンAの例を示
す。前述の例では、浸透しきれない注入材を用いて固結
が不充分な部分が生ずるものであるが、ここにいう粗く
形成(地盤改良)されたとは地盤改良の程度が少ないこ
とをいうことであって、例えば、図17と図18は固結
ゾーンBの内部に意識的に固結部分B6 と未固結部分A
2 を、また図19と図20は固結ゾーンBの内部に固結
部分B6 と未固結部分A2 を意識的に組み合わせて形成
した例である。
存在のもとに固結ゾーンBの効果で経済的に液状化防止
が可能になる。本発明において、固結ゾーンAと固結ゾ
ーンBの内容をどのように組み合わせるかについては、
地盤条件に応じて効果と経済性を考慮して決定すればよ
い。
の大きい層が存在している場合、水平方向に懸濁型グラ
ウトやゲル時間の短いグラウトで固結することを併用で
きることは当然である。
に本発明は固結ゾーンBには、地震による剪断応力の低
減と過剰間隙水圧伝播の遮断,周辺の液状化現象の遮
断,固結ゾーンAを固結する注入液の拘束を分担させ、
固結ゾーンAには負のダイレタンシーの発生を防ぐこと
を分担させることにより、固結ゾーンAと固結ゾーンB
が一体となって砂質地盤の間隙水圧の地震時の繰り返し
剪断応力の上昇によって生ずる間隙水圧の上昇、有効応
力の減少を防ぎ、それによって作業性と経済性を満たす
効果的な液状化防止を可能にしたものである。
た地盤の断面である。
地盤の断面図である。
改良地盤の断面図である。
高強度固結ゾーンと低強度固結ゾーンの剪断特性の傾向
を示す図である。
る。
る。
る。
る。
良地盤の断面図である。
ある。
ある。
ある。
ある。
ある。
ある。
ある。
ある。
ある。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 注入工法による砂質地盤の液状化防止工
法であって、構造物付近の地盤とその周囲の地盤に固結
ゾーンAと固結ゾーンBを注入工法によってそれぞれ形
成するとともに、固結ゾーンBを固結ゾーンAよりも硬
質に、かつ固結ゾーンAの周りをほぼ垂直方向または斜
め下方向に包み込むように形成することを特徴とする液
状化防止工法。 - 【請求項2】 注入工法による砂質地盤の液状化防止工
法であって、構造物付近の地盤とその周囲の地盤に固結
ゾーンAと固結ゾーンBを注入工法によってそれぞれ形
成するとともに、固結ゾーンBを固結ゾーンAよりも止
水性を有し、かつ固結ゾーンAの周りをほぼ垂直方向ま
たは斜め下方向に包み込むように形成することを特徴と
する液状化防止工法。 - 【請求項3】 注入工法による砂質地盤の液状化防止工
法であって、構造物付近の地盤とその周囲の地盤に固結
ゾーンAと固結ゾーンBをそれぞれ注入工法によって形
成し、固結ゾーンBはほぼ垂直方向または斜め方向に密
実に形成し、固結ゾーンAは粗く形成することを特徴と
する液状化防止工法。 - 【請求項4】 注入工法による砂質地盤の液状化防止工
法であって、構造物付近の地盤に固結ゾーンAを注入工
法によって形成し、この固結ゾーンA内に隔壁として請
求項1,2または3の固結ゾーンBを複数形成すること
を特徴とする液状化防止工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26580799A JP3342000B2 (ja) | 1999-09-20 | 1999-09-20 | 注入工法による砂質地盤の液状化防止工法 |
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JP26580799A JP3342000B2 (ja) | 1999-09-20 | 1999-09-20 | 注入工法による砂質地盤の液状化防止工法 |
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