JP2001090054A - 薬液注入による砂質土地盤の液状化対策工法 - Google Patents
薬液注入による砂質土地盤の液状化対策工法Info
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Abstract
を長くでき、しかもコストを低減できる砂質土地盤の液
状化対策工法を提供する。 【解決手段】 シリカ粒子を水に分散してなるコロイド
溶液を主剤とし、この主剤に硬化剤を添加して調製され
た薬液を、砂質土地盤に対して注入する液状化対策工法
である。上記主剤中のシリカ粒子の平均粒径を3〜6n
mの範囲内に設定するとともに、上記主剤中の上記シリ
カ粒子の濃度を0.28〜2.25wt.%の範囲内に
設定する。上記薬液中の硬化剤として中性塩または酸性
塩を用いる。硬化剤として中性塩を用いる場合は、上記
薬液中のその中性塩の濃度を0.01〜10.0wt.%
の範囲内に設定し、硬化剤として中性塩を用いる場合
は、上記薬液中のその中性塩の濃度を0.1〜1.0w
t.%の範囲内に設定する。
Description
質土地盤の液状化対策工法に関する。より詳しくは、砂
質土地盤に対してシリカ粒子を含む薬液を注入する液状
化対策工法に関する。
防止する方法の一つとして、砂質土にセメントなどの固
結剤を添加し混合する固結工法が知られている。この固
結工法による既往の試験では、セメント量を5%程度に
すれば液状化を防止できるという結果が得られている。
ここで、液状化抵抗を表す指標としては一軸圧縮強さが
採用され、液状化防止のための一軸圧縮強さの基準値
は、実用上0.5kgf/cm2〜1.0kgf/cm2程度であると
されている。
地盤を造成する場合には好適なものであるが、既設構造
物直下の砂質土地盤を対象とし、直上から実施できない
場合には、地盤中へのセメントの浸透距離が比較的短い
ことから不向きである。このため、既設構造物直下の砂
質土地盤の液状化を防止するためには、砂質土地盤に対
して超微粒子シリカを含む薬液を注入する工法が採用さ
れている。その薬液は、超微粒子シリカを水に分散して
なるコロイド溶液(主剤)に、中性塩からなる硬化剤を
添加して調製されている。この薬液には、i)主剤に硬
化剤を添加することによりゲル化する。ii)ゲルタイム
(硬化時間)は数秒〜数日程度の範囲で調整でき、主と
して硬化剤の濃度により決定される。iii)ゲルタイム
を調整してもゲル化物質の物性は影響を受けない、とい
う基本的性質がある。
も、セメントを用いた場合の液状化防止のための一軸圧
縮強さ(液状化抵抗と正の相関を有する)の基準値
(0.5kgf/cm2〜1.0kgf/cm2)をそのまま適用し
て、その基準値を満たすように主剤中のシリカ粒子の濃
度を10重量%程度に設定していた。一軸圧縮強さが
0.5kgf/cm2未満となるシリカ粒子の濃度のものは、
液状化を防止できないものとして、従来においては使用
あるいは考慮の対象とされていなかった。
のシリカ粒子の濃度を10重量%と比較的高く設定した
場合、地盤中への浸透距離が短くなる(硬化剤の量にも
よるが1点からの球状の注入では半径2〜3mまでの浸
透距離となる)という問題がある。また、超微粒子シリ
カの使用量も多くなるため、コストが高くつくという問
題がある。
含む薬液の地盤中への浸透距離を長くでき、しかもコス
トを低減できる砂質土地盤の液状化対策工法を提供する
ことにある。特に、特願平10−140973号に記載
の工法で使用されていたシリカのコロイド溶液で得られ
る一軸圧縮強度と同等の性能を、更に低シリカ濃度で得
られ、コストを更に低減できる砂質土地盤の液状化対策
工法を提供することにある。
に対してシリカ粒子を含む薬液を注入した場合の液状化
抵抗が必ずしも一軸圧縮強さと正の相関をもたないとい
う、本発明者による発見に基づいて創作されたものであ
る。
リカ粒子濃度wが0.28重量%〜2.25重量%の範
囲において、主剤中のシリカ粒子濃度wと改良砂(薬液
注入後)の一軸圧縮強さquとの間には、予想された通
り正の相関がある。したがって、従来の一軸圧縮強さの
基準値(0.5kgf/cm2〜1.0kgf/cm2)によれば、主
剤中のシリカ粒子濃度wが2.25重量%以下のもの
は、一軸圧縮強さquが0.5kgf/cm2よりも低いこと
から、液状化抵抗が低く、使用に耐えないはずである。
剤中のシリカ粒子濃度wを0.28重量%〜2.25重
量%の範囲に設定した場合、改良砂の実際の液状化抵抗
は、シリカ粒子濃度wに殆ど依存せずほぼ一定であり、
かつ要求品質(液状化を防止する)を満たしていること
が判明した。この場合の液状化防止のメカニズムは、セ
メントのような固結によるものではなく、砂の粒子間に
存在する水がゲル化物質(薬液が硬化したもの)によっ
て置換され、このゲル化物質が砂の粒子同士を繋ぎ止め
るものである、と考えられる。
1に記載の液状化対策工法は、シリカ粒子を水に分散し
てなるコロイド溶液を主剤とし、この主剤に硬化剤を添
加して調製された薬液を、砂質土地盤に対して注入する
液状化対策工法において、上記主剤中のシリカ粒子の平
均粒径を3ナノメートル乃至6ナノメートルの範囲内に
設定するとともに、上記主剤中の上記シリカ粒子の濃度
を0.28重量パーセント乃至2.25重量パーセント
の範囲内に設定し、上記薬液中の硬化剤として中性塩を
用いるとともに、上記薬液中の上記中性塩の濃度を0.
01重量パーセント乃至10.0重量パーセントの範囲
内に設定することを特徴とする。
は、シリカ粒子を水に分散してなるコロイド溶液を主剤
とし、この主剤に硬化剤を添加して調製された薬液を、
砂質土地盤に対して注入する液状化対策工法において、
上記主剤中のシリカ粒子の平均粒径を3ナノメートル乃
至6ナノメートルの範囲内に設定するとともに、上記主
剤中の上記シリカ粒子の濃度を0.28重量パーセント
乃至2.25重量パーセントの範囲内に設定し、上記薬
液中の硬化剤として酸性塩を用いるとともに、上記薬液
中の上記酸性塩の濃度を0.1重量パーセント乃至1.
0重量パーセントの範囲内に設定することを特徴とす
る。
は、シリカ粒子を水に分散してなるコロイド溶液を主剤
とし、この主剤に硬化剤を添加して調製された薬液を、
砂質土地盤に対して注入する液状化対策工法において、
上記主剤中のシリカ粒子の平均粒径を3ナノメートル乃
至6ナノメートルの範囲内に設定するとともに、上記主
剤中の上記シリカ粒子の濃度を0.28重量パーセント
乃至2.25重量パーセントの範囲内に設定し、上記薬
液中の硬化剤として中性塩と酸性塩との混合物を用いる
とともに、上記薬液中の上記中性塩の濃度を0.1重量
パーセント乃至10.0重量パーセントの範囲内に設定
し、かつ上記薬液中の上記酸性塩の濃度を0.1重量パ
ーセント乃至5.0重量パーセントの範囲内に設定する
ことを特徴とするこれらの請求項1乃至3の液状化対策
工法では、主剤中のシリカ粒子の濃度を0.28重量パ
ーセント乃至2.25重量パーセントの範囲内に設定し
ているので、従来(シリカ粒子濃度を10重量%程度に
設定)に比して、薬液の地盤中への浸透距離が長くな
る。また、特願平10−140973号に記載の工法で
使用されていたシリカ濃度1.9重量パーセント乃至
6.0重量パーセントに比較して超微粒子シリカの使用
量が少なくなるため、コストダウンが可能となる。これ
は、特願平10−140973号に記載の工法ではコロ
イド溶液のシリカ平均粒径が15ナノメートルであるの
に対して、本工法のコロイド溶液のシリカ平均粒径が3
ナノメートル乃至6ナノメートルと小さく設定されてい
るためである。
記薬液中の硬化剤として中性塩を用いるとともに、上記
薬液中のその中性塩の濃度を0.01重量パーセント乃
至10.0重量パーセントの範囲内に設定している。請
求項2の液状化対策工法では、上記薬液中の硬化剤とし
て酸性塩を用いるとともに、上記薬液中のその酸性塩の
濃度を0.1重量パーセント乃至1.0重量パーセント
の範囲内に設定している。また、請求項3の液状化対策
工法では、上記薬液中の硬化剤として中性塩と酸性塩と
の混合物を用いるとともに、上記薬液中の上記中性塩の
濃度を0.1重量パーセント乃至10.0重量パーセント
の範囲内に設定し、かつ上記薬液中の上記酸性塩の濃度
を0.1重量パーセント乃至5.0重量パーセントの範囲
内に設定している。これにより、硬化剤としてのそれら
の中性塩、酸性塩の濃度に応じて、上記薬液のゲルタイ
ムを数秒から数日の範囲内で調整することができる。
とし、直上から実施できない場合には、地盤中への薬液
の浸透距離を10メートル以上確保するのが望ましい。
化剤の量にもよるが、直線状の浸透の場合、実際的な条
件下で地盤中への薬液の浸透距離を10メートル以上に
することができる。
の実施の形態を詳細に説明する。
を行うために、次のような主剤と硬化剤とからなる薬液
を用意した。
なるコロイド溶液である。
シリカグラウト(シリカ(SiO2)濃度3.7〜7.
0重量%、旭電化工業(株)製、商品名パーマロックA
SF)と水とを割合を変えて混合して、図6に示すよう
に、シリカ粒子濃度wが0.28重量%、0.38重量
%、0.45重量%、0.56重量%、0.75重量
%、1.13重量%、2.25重量%のものを作製し
た。
換樹脂により除去した後に、弱アルカリ領域で安定化さ
せたものである。通常の水ガラス系注入薬液や酸性シリ
カゾルと比較すると、ゲル中に塩分が殆ど無く、ゲル化
領域がほぼ中性であるので、環境に対する影響が殆ど無
い。また、ゲルより溶脱する成分が無いので、恒久性、
高耐久性に優れているという特長をもつ。
の工法ではコロイド溶液のシリカ平均粒径が15nmで
あるのに対して、この主剤のシリカ平均粒径は3〜6n
m(典型的には5nm)と小さい。したがって、要求さ
れる一軸圧縮強度を達成せしめるシリカ濃度が少なく、
コスト削減に優れているという特徴を持つ。
カリウム又は塩化アルミニウム等の中性塩を用いること
ができる。また、クエン酸塩、リン酸塩等の弱酸性塩を
用いることもできる。さらに、これらの中性塩、酸性塩
をそれぞれ複数種類混合して使用することもできるし、
中性塩と酸性塩との混合物を使用することもできる。
化ナトリウムを採用し、薬液中の硬化剤の濃度が2.0
重量%となるように設定した。
り、超微粒子シリカのコロイド粒子の表面に形成されて
いる拡散二重層を破壊する。これにより、コロイド粒子
同士の衝突(ブラウン運動)による結合が始まり、ゲル
化が始まる。この中性塩の添加量が多いほど拡散二重層
の破壊も大きく、その分だけゲル化も促進される。また
酸性塩は主剤中のアルカリ成分を中和させ、超微粒子シ
リカのコロイド粒子の結合を更に促進する。またゲル化
後のシリカ重合を破壊するアルカリ成分を除去すること
により耐久性に好影響をもたらす。
イムが長くなり過ぎる。一方、硬化剤の濃度が濃すぎる
場合には、薬液が早く固まるため浸透距離が短くなり過
ぎる。実用レベルでは、硬化剤として中性塩を用いる場
合は、上記薬液中のその中性塩の濃度を0.01重量%
〜10.0重量%の範囲内に設定する。硬化剤として酸
性塩を用いる場合は、上記薬液中のその酸性塩の濃度を
0.1重量%〜1.0重量%の範囲内に設定する。硬化
剤として中性塩と酸性塩との混合物を用いる場合は、上
記薬液中の上記中性塩の濃度を0.1重量%〜10.0重
量%の範囲内に設定し、かつ上記薬液中の上記酸性塩の
濃度を0.1重量%〜5.0重量%の範囲内に設定する。
る複数の薬液をそれぞれ豊浦砂(標準砂)に浸透注入し
て、円柱状の形状をもつ供試体を作製した。
約60%の豊浦砂を円筒形の型枠内に堆積し、飽和度を
高めるために−0.95kgf/cm2の負圧を作用させた状
態で上記各薬液を浸透注入させた。これにより、シリカ
粒子濃度が異なる薬液ごとに供試体を作製した。また、
比較のために、薬液を浸透させない未改良砂からなる供
試体も併せて作製した。
試体の寸法は直径φ=3cm、高さH=6cmとした。
また、その後に述べる液状化試験用の供試体の寸法は直
径φ=6cm、高さH=2cmとした。
に示すようなものとなった。
量%の主剤を浸透させた供試体の一軸圧縮強さquは
0.10kgf/cm2となった。以下それぞれ、w=0.3
8重量%のものはqu=0.13kgf/cm2、w=0.4
5重量%のものはqu=0.14kgf/cm2、w=0.5
6重量%のものはqu=0.14kgf/cm2、w=0.7
5重量%のものはqu=0.16kgf/cm2、w=1.1
3重量%のものはqu=0.39kgf/cm2、w=2.2
5重量%のものはqu=0.50kgf/cm2となった。既
に述べたように、これ自体は、従来の技術常識から予想
された結果である。
握するために、液状化試験として、単純せん断装置を用
いた応力振幅一定試験とひずみ振幅漸増試験を行った。
8重量%〜2.25重量%に相当する供試体はいずれ
も、せん断応力τが繰り返し載荷された結果±5%程度
のせん断ひずみγを受けたとしても、流動的な液状化に
至らないという結果が得られた。図1(b),(c)に、それ
ぞれw=0.38重量%の主剤を用いて得られたqu=
0.13kgf/cm2の供試体、w=1.13重量%の主剤
を用いて得られたqu=0.39kgf/cm2の供試体につ
いての測定結果を例示している。図1(b),(c)から分か
るように、この2つの供試体は、せん断応力τの繰り返
し載荷によって図中に矢印で示す向きに±5%程度まで
次第にひずみγが増加するけれども、依然としてせん断
抵抗力を維持している。これに対して未改良砂の供試体
は、図1(a)に示すように、せん断応力τの7回目の載
荷でせん断抵抗力が激減してほぼゼロとなり(図中にA
で示す)、液状化が生じている。
=0.28重量%〜2.25重量%に相当する供試体は
いずれも、漸増するせん断ひずみが繰り返し載荷された
結果±5%程度のせん断ひずみγを受けたとしても、流
動的な液状化に至らないという結果が得られた。図2
(b),(c)に、それぞれw=0.38重量%の主剤を用い
て得られたqu=0.13kgf/cm2の供試体、w=1.
13重量%の主剤を用いて得られたqu=0.39kgf/
cm2の供試体についての測定結果を例示している。これ
に対して未改良砂の供試体は、図2(a)に示すように、
せん断ひずみが約±1%に達するとせん断抵抗力が激減
してほぼ0となり(図中にBで示す)、液状化が生じて
いる。
験によって得られた、漸増するせん断ひずみの繰返しに
よる剛性低下率G/G1とせん断ひずみγとの関係、正
規化累積損失エネルギーΣΔW/σ′mcとせん断ひず
みγとの関係、漸増するせん断ひずみの繰返しによる剛
性低下率G/G1と正規化累積損失エネルギーΣΔW/
σ′mcとの関係を示している。これらの図中、〇印は
未改良砂からなる供試体、◇印はqu=0.13kgf/cm
2の供試体、▽印はqu=0.16kgf/cm2の供試体、
△印はqu=0.39kgf/cm2の供試体、●印はqu=
0.50kgf/cm2の供試体のデータをそれぞれ表してい
る。分かるように、qu=0.13kgf/cm2〜0.50
kgf/cm2の供試体(改良砂の供試体)のデータは、いず
れの図においても同一の曲線上に乗り、本質的に同じ挙
動を示している。したがって、これらの供試体は、一軸
圧縮強さquが互いに異なるにもかかわらず、同じ様な
液状化抵抗を示しているということが言える。これに対
して未改良砂の供試体のデータは、改良砂のデータ曲線
とは異なる曲線上に乗っている。
0.28重量%〜2.25重量%の範囲に設定した場
合、改良砂の実際の液状化抵抗は、シリカ粒子濃度wに
殆ど依存せずほぼ一定であり、かつ要求品質(液状化を
防止する)を満たしている。
2〜0.50kgf/cm2の供試体(改良砂の供試体)と未
改良砂の供試体とについて、実際の地震に近い状態で液
状化を防止できるか否かを確認するために、最大加速度
150gal入力のオンライン地震応答実験を行った。こ
のオンライン地震応答実験においても、qu=0.13
kgf/cm2〜0.50kgf/cm2の供試体(改良砂の供試
体)は液状化せず、かつそれぞれ同様の挙動を示した。
一方、未改良砂の供試体だけが液状化を示した。
主剤および硬化剤濃度2.0重量%とした薬液が10.0
m浸透可能であるかを測定したところ、すべての場合に
おいて、浸透距離が10.0m以上となることがわかっ
た。
濃度w=0.28重量%〜2.25重量%の範囲内で分
散してなるコロイド溶液を主剤とし、この主剤に中性塩
からなる硬化剤を添加して調製された薬液を、砂質土地
盤に対して注入することにより、その砂質土地盤の液状
化を有効に防止することができる。そして、この液状化
対策工法の場合、従来(シリカ粒子濃度を10重量%程
度に設定)に比して、薬液の地盤中への浸透距離を長く
することができる。また、超微粒子シリカの使用量が比
較的少なくなるため、コストダウンが可能となる。ま
た、特願平10−140973号に記載の工法で使用さ
れている薬液中のシリカ濃度(1.9重量%〜6.0重
量%)よりも低いシリカ濃度で目的強度を達成できるた
め、さらなるコストダウンが可能となる。
濃度wを0.28重量%≦w<2.25重量%の範囲内
に設定するとともに、硬化剤として中性塩を用いる場合
は、上記薬液中のその中性塩の濃度を0.01重量%〜
10.0重量%の範囲内で、硬化剤として酸性塩を用い
る場合は、上記薬液中のその酸性塩の濃度を0.1重量
%〜1.0重量%の範囲内で、硬化剤として中性塩と酸
性塩との混合物を用いる場合は、上記薬液中の上記中性
塩の濃度を0.1重量%〜10.0重量%の範囲内、かつ
上記薬液中の上記酸性塩の濃度を0.1重量%〜5.0重
量%の範囲内で適切に選択すれば、直線状の浸透の場
合、実際的な条件下で地盤中への薬液の浸透距離を10
メートル以上にすることができる。したがって、この液
状化対策工法は、既設構造物直下の砂質土地盤を対象と
し、直上から実施できない場合に好ましく適用すること
ができる。
て実際に上記薬液を注入する場合は、薬液の注入圧をそ
の地盤の間隙水圧の3〜5倍に設定するのが望ましい。
3の液状化対策工法では、主剤中のシリカ粒子の濃度を
0.28重量パーセント乃至2.25重量パーセントの
範囲内に設定しているので、従来(シリカ粒子濃度を1
0重量パーセント程度に設定)に比して、薬液の地盤中
への浸透距離を長くすることができる。また、特願平1
0−140973号に記載の工法で使用されていた薬液
よりも超微粒子シリカの使用量が少なくなるため、さら
なるコストダウンが可能となる。
記薬液中の硬化剤として中性塩を用いるとともに、上記
薬液中のその中性塩の濃度を0.01重量パーセント乃
至10.0重量パーセントに設定し、請求項2の液状化
対策工法では、上記薬液中の硬化剤として酸性塩を用い
るとともに、上記薬液中のその酸性塩の濃度を0.1重
量パーセント乃至1.0重量パーセントの範囲内に設定
している。また、請求項3の液状化対策工法では、上記
薬液中の硬化剤として中性塩と酸性塩との混合物を用い
るとともに、上記薬液中の上記中性塩の濃度を0.1重
量パーセント乃至10.0重量パーセントの範囲内に設
定し、かつ上記薬液中の上記酸性塩の濃度を0.1重量
パーセント乃至5.0重量パーセントの範囲内に設定し
ている。これにより、硬化剤としてのそれらの中性塩、
酸性塩の濃度に応じて、上記薬液のゲルタイムを数秒か
ら数日の範囲内で調整することができる。したがって、
直線状の浸透の場合、実際的な条件下で地盤中への薬液
の浸透距離を10メートル以上にすることができる。
幅一定方式の液状化試験の結果を未改良のものと比較し
て示す図である。
振幅漸増方式の液状化試験の結果を未改良のものと比較
して示す図である。
するせん断ひずみの繰返しによる剛性低下率G/G1と
せん断ひずみγとの関係を示す図である。
化累積損失エネルギーΣΔW/σ′mcとせん断ひずみ
γとの関係を示す図である。
するせん断ひずみの繰返しによる剛性低下率G/G1と
正規化累積損失エネルギーΣΔW/σ′mcとの関係を
示す図である。
の一軸圧縮強さquとの対応を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 シリカ粒子を水に分散してなるコロイド
溶液を主剤とし、この主剤に硬化剤を添加して調製され
た薬液を、砂質土地盤に対して注入する液状化対策工法
において、 上記主剤中のシリカ粒子の平均粒径を3ナノメートル乃
至6ナノメートルの範囲内に設定するとともに、上記主
剤中の上記シリカ粒子の濃度を0.28重量パーセント
乃至2.25重量パーセントの範囲内に設定し、 上記薬液中の硬化剤として中性塩を用いるとともに、上
記薬液中の上記中性塩の濃度を0.01重量パーセント
乃至10.0重量パーセントの範囲内に設定することを
特徴とする液状化対策工法。 - 【請求項2】 シリカ粒子を水に分散してなるコロイド
溶液を主剤とし、この主剤に硬化剤を添加して調製され
た薬液を、砂質土地盤に対して注入する液状化対策工法
において、 上記主剤中のシリカ粒子の平均粒径を3ナノメートル乃
至6ナノメートルの範囲内に設定するとともに、上記主
剤中の上記シリカ粒子の濃度を0.28重量パーセント
乃至2.25重量パーセントの範囲内に設定し、 上記薬液中の硬化剤として酸性塩を用いるとともに、上
記薬液中の上記酸性塩の濃度を0.1重量パーセント乃
至1.0重量パーセントの範囲内に設定することを特徴
とする液状化対策工法。 - 【請求項3】 シリカ粒子を水に分散してなるコロイド
溶液を主剤とし、この主剤に硬化剤を添加して調製され
た薬液を、砂質土地盤に対して注入する液状化対策工法
において、 上記主剤中のシリカ粒子の平均粒径を3ナノメートル乃
至6ナノメートルの範囲内に設定するとともに、上記主
剤中の上記シリカ粒子の濃度を0.28重量パーセント
乃至2.25重量パーセントの範囲内に設定し、 上記薬液中の硬化剤として中性塩と酸性塩との混合物を
用いるとともに、上記薬液中の上記中性塩の濃度を0.
1重量パーセント乃至10.0重量パーセントの範囲内
に設定し、かつ上記薬液中の上記酸性塩の濃度を0.1
重量パーセント乃至5.0重量パーセントの範囲内に設
定することを特徴とする液状化対策工法。
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