JP2003119465A - 液状化防止用地盤注入薬液 - Google Patents

液状化防止用地盤注入薬液

Info

Publication number
JP2003119465A
JP2003119465A JP2001309809A JP2001309809A JP2003119465A JP 2003119465 A JP2003119465 A JP 2003119465A JP 2001309809 A JP2001309809 A JP 2001309809A JP 2001309809 A JP2001309809 A JP 2001309809A JP 2003119465 A JP2003119465 A JP 2003119465A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sio
water glass
colloidal silica
strength
liquefaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001309809A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kashiwabara
健二 栢原
Shunsuke Shimada
俊介 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyokado Engineering Co Ltd
Original Assignee
Kyokado Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyokado Engineering Co Ltd filed Critical Kyokado Engineering Co Ltd
Priority to JP2001309809A priority Critical patent/JP2003119465A/ja
Publication of JP2003119465A publication Critical patent/JP2003119465A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液状化防止用地盤注入薬液であって、ゲル化
時間を広範囲に調整し得、かつゲル化物の強度も大き
く、さらにゲル構造の安定化および地盤の急速な安定化
を図り、さらには止水性をも向上し、特に砂質土地盤の
液状化防止に適する。 【構成】 コロイダルシリカと、硬化剤と、水ガラスを
主剤として、コロイダルシリカと水ガラスからくるSi
2 の合計量を特定の範囲内に調整し、なお、かつ、コ
ロイダルシリカと水ガラスからくるそれぞれのSiO2
量の割合を特定の範囲内に調整することから構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコロイダルシリカお
よび水ガラスからなるシリカ溶液と、硬化剤との混合系
からなる液状化防止用地盤注入薬液に係り、詳細には、
ゲル化時間を広範囲に調整し得、かつ、ゲル化物の強度
も大きく、さらにゲル構造の安定化および地盤の急速な
安定化を図り、さらには止水性をも向上し、特に、砂質
土地盤の液状化防止に適した液状化防止用地盤注入薬液
に関する。
【0002】
【従来の技術】砂質土地盤の液状化防止には、恒久性を
有する固結材、具体的にセメントグラウトが用いられる
が、これは均質に固まり難いという欠点を有しており、
このため、恒久性を有する溶液型シリカグラウトの使用
が強く望まれている。
【0003】この種の溶液型シリカグラウトとして、従
来、イオン交換法によって水ガラス中のアルカリを除去
して得られた活性シリカを増粒して恒久性を保持せしめ
たグラウトが知られている。また、水ガラスのアルカリ
を酸で中和してなる酸性シリカゾルも、この種の溶液型
シリカグラウトとして知られている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】前者の溶液型シリカグラウト
はゲルの収縮は少なく、安定しているが、低強度で強度
発現が遅い。また、後者の溶液型シリカグラウトは高強
度で強度発現は早いがゲルの収縮が大きくて、グラウト
としては不安定である。
【0005】そこで、本発明の目的はゲル化時間を数分
〜数10時間の広範囲に調整して浸透距離を長くし、か
つサンドゲルの一軸圧縮強度が液状化防止のための基準
値である0.05〜0.1MN/m2 、あるいはそれ以上に
なるようにし、さらに、ゲルの収縮とSiO2 の溶脱を
少なくしてゲル構造の安定化を図り、さらにまた、強度
発現を速やかにして地盤の急速な安定化を図り、さらに
は止水性を向上して砂質土地盤の液状化防止に適した液
状化防止用地盤注入薬液を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、コロイダルシリカおよび水ガラス
からなるシリカ溶液と、硬化剤との混合系からなる地盤
注入薬液において、コロイダルシリカと水ガラスの合計
含有量がSiO2 として0.2〜3.0(重量/容量)パー
セントであり、好ましくはコロイダルシリカの含有量が
SiO2 として0.1〜2.0(重量/容量)パーセントお
よび水ガラスの含有量がSiO2 として0.1〜2.5(重
量/容量)パーセントであり、これにより特に砂質土地
盤の液状化防止に適するようにしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の態様】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0008】一般に、シリカ源として水ガラスのみを用
いるグラウトは固結強度が高く、また強度発現も速い
が、水ガラス濃度を高くするほど、分子間力が強くな
り、このため、ゲルの収縮が大きくなり、耐久性は低下
する。
【0009】また、一般に、シリカ源としてコロイダル
シリカのみを用いるグラウトは水ガラスに比べるとシリ
カ粒子が大きく、ゲル自体は安定しているものの、固結
強度が低く、かつ強度発現が遅い。
【0010】本発明はコロイダルシリカと水ガラスを混
合し、さらに硬化剤を含有せしめてコロイダルシリカお
よび水ガラスのそれぞれのもつ長所を生かし、かつ短所
を消去することにより、さらに、コロイダルシリカおよ
び水ガラスを主剤とし、これに硬化剤を添加し、得られ
る配合液中のSiO2 含有量の範囲を設定することによ
り、本発明の上述の課題を達成したのである。
【0011】本発明では、さらに、コロイダルシリカ由
来のSiO2 量と、水ガラス由来のSiO2 量に特定の
範囲を設定することにより一層の効果をあげることがで
きる。
【0012】本発明におけるコロイダルシリカと、水ガ
ラスと、硬化剤との混合は、これら三成分が均質に混合
すれば、いかなる手段でもよいが、通常は硬化剤水溶液
およびコロイダルシリカからなる混合液と、水ガラス水
溶液と、必要に応じて硬化剤水溶液を混合した混合液と
を合流することにより行なう。
【0013】コロイダルシリカ、および水ガラスから由
来するSiO2 の合計量は0.2〜3.0(重量/容量)パ
ーセント〔(重量/容量)パーセントを以下単に「%」
と記す〕の範囲に定め、さらに硬化剤を加えてpHを調
整することにより、ゲル化時間は短時間から数10時
間、あるいはそれ以上にわたり調整が可能となり、サン
ドゲルの一軸圧縮強度はほぼ0.05〜0.10MN/
2 、さらにはこれ以上とすることができる。SiO2
の合計量を3.0%以上では、砂地盤中でゲル化時間の短
縮が大きくなり、液状化防止用としての浸透性に問題を
生じるようになり、また、0.2%以下では、0.05MN
/m2 以上の固結強度を発現することが困難になる。
【0014】さらに、本発明における全SiO2 の含有
量は上記0.2〜3.0%を保持し、なおかつ、そのうちの
コロイダルシリカに由来するSiO2 量が0.1〜2.0
%、水ガラスに由来するSiO2 量が0.1〜2.5%とす
ることが好ましい。さらに硬化剤の添加により配合時の
pH、SiO2 量を調整し、短時間から長時間にわたる
ゲル化時間を確実に得ることができ、これにより、配合
された注入薬液のサンドゲル一軸圧縮強度は注入初期か
ら略0.05MN/m2 以上を示す。しかもゲルの収縮、
SiO2 の溶脱ともに少なく、かつ強度発現が速く、数
年経過後でも強度増強を確実に持続する。
【0015】コロイダルシリカ由来のSiO2 が約2.0
%より多くなると、SiO2 量が多いにもかかわらず、
初期強度が発現しにくくなり、また、約0.1%より少な
くなると強度増加の維持が難しくなってくる。水ガラス
由来のSiO2 は約0.1%以下では初期強度が発現しに
くく、また、約2.5%以上では、強度発現は速いが、ゲ
ルの収縮が大きくなり、長期間にわたる固結強度の低下
を招くおそれを生ずる。
【0016】本発明に用いられる水ガラスは従来から一
般に知られているアルカリ金属珪酸塩水溶液であって、
いかなるモル比(〔SiO2 /Na2 O〕)のものでも
よいが、比較的高モル比のものが好ましい。
【0017】また、本発明に用いられるコロイダルシリ
カはコロイド状の性状を呈し、単独では半永久的にゲル
化しない安定な物質である。この製造法の一例を示せ
ば、次のとおりである。まず、水ガラスの水希釈液をイ
オン交換樹脂またはイオン交換膜で脱アルカリ処理して
pH2〜4の活性珪酸を得る。次いで、得られた活性珪
酸に水ガラス、苛性ソーダ等のアルカリ剤を添加してp
Hを8.5〜10程度のアルカリ性に調整し、かつ、Si
2 濃度を3〜5%程度に調整した後、70〜95℃の
温度で1〜5時間程度加熱、造粒し、コロイダルシリカ
母液を得る。通常はこの母液をSiO2 濃度20〜30
%になるまで濃縮し、粒径が10〜20nmのコロイダ
ルシリカとする。
【0018】さらに、本発明に用いられる硬化剤として
は、リン酸、硫酸等の鉱酸、硫酸水素ナトリウム、塩化
アルミニウム等、水に溶解して比較的強酸性を呈する塩
類、その他、有機酸等をあげることができる。この中で
特に、リン酸、リン酸系化合物を主成分とする硬化剤が
好ましい。リン酸は鉱酸としては弱酸である。土壌は硝
酸、塩酸、硫酸等のイオンをほとんど吸収しないが、リ
ン酸イオンに対しては著しい吸収を示す。これはリン酸
イオンが不溶性あるいは難溶性の化合物をつくるためと
推測される。
【0019】なお、硬化剤としての上述無機塩類には水
溶性の塩化ナトリウム、塩化カリ、塩化カルシウム等の
鉱酸のアルカリ金属塩、アルカリ土金属塩、あるいは明
ばん等のアルミニウム塩等があり、これらを少量添加し
て緩衝能を高め、ゲル化時間調整剤としての機能を保持
せしめることもできる。さらに、本発明において、金属
イオン封鎖剤を使用し、金属イオンのマスキングを期待
せしめることもできる。
【0020】本発明地盤注入薬液は次の作用を呈する。
一般に、コロイダルシリカのシリカ粒子は水ガラスのシ
リカ粒子に比べると遙かに大きい。したがって、水ガラ
スとコロイダルシリカの混合液はシリカの濃度、液性
(pH)、シリカ粒子の大小により立体障害を起こして
徐々に反応が進行し、このため、予期以上の長いゲル化
時間が得られるようになる。また、コロイダルシリカの
比較的大きなシリカ粒子間の間隙には、水ガラスの小さ
なシリカ粒子が充填する。このため、全体として密実で
安定な構造を形成するものと思われる。
【0021】これによって初期強度から長期強度まで強
度劣化を来すことなく、優れた固結体が得られるととも
に、SiO2 の溶脱は少なく、ゲルの収縮も少なく、透
水係数も小さくなるものと推測される。このことは図1
の本発明にかかる注入薬液の反応モデルに明らかに示さ
れる。図1は本発明の注入薬液のコロイダルシリカと、
水ガラスからのシリカ単量体との混合により形成された
複合シリカコロイドの模型図(図1(a) )および大きな
シリカ同士のネットワークに小さなシリカが結合して補
強され、形成された安定した構造のゲル化物の模型図
(図1(b) )をそれぞれ示す。これら図1の模型図から
上述の本発明作用が立証される。
【0022】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によって説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0023】1.使用材料 (1)コロイダルシリカ 旭電化工業(株)製のコロイダルシリカを用いた。この
コロイダルシリカは比重:1.20、SiO2 :30.0
%、pH:9.5の組成を有する。
【0024】(2)水ガラス (イ)5号水ガラス(高モル比)および(ロ)JIS3
号水ガラスを使用。その組成を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】(3)硬化剤 (イ)硫酸 75%工業用硫酸。比重:(15℃)1.675 (ロ)リン酸 75%工業用精製リン酸。比重:(20℃)1.579 (ハ)硫酸水素ナトリウム 試薬一級。 (ニ)無機塩類 無機塩類として一部に塩化カリを、また、比較対照とし
ての水ガラスのゲル化に炭酸水素ナトリウムを用いた。
何れも試薬一級を使用した。
【0027】(4)固結用砂 豊浦標準砂を使用。
【0028】2.測定法 (1)サンドゲル一軸圧縮強度 豊浦標準砂によるサンドゲルをポリ塩化ビニリデンのフ
イルムで包み、密封(20℃)して所定日数養生の後
に、土質工学会基準「土の一軸圧縮試験方法」により測
定した。
【0029】(2)ゲル化時間 液温20℃とし、カップ倒立法により測定した。
【0030】(3)pH ガラス電極型pH計で測定した。
【0031】(4)ホモゲルからのシリカの溶脱率 ホモゲルをポリプロピレン樹脂の密閉容器中で蒸留水中
に静置養生(20℃)し、蒸留水中に溶脱してきたシリ
カ(SiO2 )を原子吸光法で測定。また、新しい蒸留
水に取り替えて静置養生するということを繰り返した。
シリカの溶脱率は次のようにして求めた。
【0032】(5)ホモゲルの収縮率(%) ホモゲルをポリプロピレン樹脂の密閉容器中で養生し、
遊離してくる離漿水の量から算出し、%で示す。
【0033】(6)サンドゲルの透水係数 注入後開削までの間長期にわたってそのままの状態にあ
る場合は、長期止水性は長期固結性に一致するとみなし
てよい。したがって、長期間加圧透水下にある場合の傾
向を知るために、現実の可能性よりもかなり過大の動水
勾配を固結体に作用させて実験を行なった。
【0034】すなわち、サンドゲルの供試体(Φ=5c
m、L=10cm)を用いて、0.5kgf/cm2 (動水勾配=
50)の加圧透水圧下で、長期間継続して透水試験を行
なった。透水試験は日本工業規格「土の透水試験方法」
に準じて透水係数(cm/sec)を求めた。
【0035】3.配合と結果 (1)pH、SiO2 、ゲル化時間、固結強度につい
て。 本発明にかかる実施例ならびに比較例の配合と配合液の
pH、SiO2 、ゲル化時間、サンドゲル一軸圧縮強度
を表3に示す。配合はコロイダルシリカ−硬化剤−水か
らなる系をA液(5l)、水ガラス−(無機塩)−水か
らなる系をB液(5l)として、A液とB液を合流し
た。
【0036】
【表2】
【0037】表2において、実施例NO.1〜9は何れも本
発明の好ましい条件範囲内にあって、ゲル化時間はSi
2 濃度とpHによって数分〜数10時間におよんでい
る。強度はSiO2 濃度が低い場合において、初期強度
(1日強度)が一部0.05MN/m2 以下の時もある
が、ほとんどの場合、0.05MN/m2 以上の値を示
し、1ケ月経過後はほとんどが0.05MN/m2 以上と
なり、その後、期間経過と共に順調な延びを示してい
る。全般としては、SiO2 濃度と共に強度も増加する
傾向にあるが、細かく観察すると、コロイダルシリカか
らくるSiO2 量の割合が多い場合は、初期強度は比較
的低いが、期間経過による強度の延びは順調である。水
ガラスからくるSiO2 量の割合が多い場合はその逆の
傾向にあることがわかる。
【0038】何れにしても大部分で初期から0.05MN
/m2 以上の強度を示し、期間経過によって強度低下を
きたすような傾向は全くみられなんばかりか、むしろ明
らかに増強する傾向をとる。
【0039】さらに、表2において、実施例NO.10 はコ
ロイダルシリカの量が少なすぎる例、また、実施例NO.1
1 は逆にコロイダルシリカの量が多すぎる例を示す。い
ずれの場合も、全般に比較的低強度であって、前者の場
合は明らかに一旦わずかながら強度増加を示すが、その
後低下傾向にある。後者の場合はSiO2 濃度が高い割
に初期強度が低い。
【0040】さらにまた、表2において、実施例NO.12
は水ガラス量が少なすぎる例を示し、実施例NO.13 は逆
に水ガラス量が多すぎる例を示す。前者の場合は比較的
順調な強度増加を示すが、初期強度は低い。後者では初
期強度は高いが、強度増加がほとんどなく、後期におい
ては強度低下をきたす。このように実施例NO.10 〜13は
水ガラスとコロイダルシリカの混合割合が本発明の範囲
内では最適範囲ではないが、1ケ月経過後はほぼ0.05
MN/m2 に達し、液状化防止対策用として使用でき
る。
【0041】表2において、比較例NO.1はSiO2 の全
濃度が0.2%以下と低く、初期から期間経過後において
も0.05MN/m2 以下の強度しか示さない。比較例N
O.2はSiO2 の全濃度が3.0パーセント以上で、実施
例NO.7、8、9のSiO2 量より多いが、強度的には特
に後期強度においては、むしろ劣っている。そして、こ
のように、全SiO2 量が濃厚になると粘性の上昇が配
合早期から激しくなり、浸透性に問題が起こるおそれが
でてきて液状化防止用としては好ましくない。比較例N
O.3は従来からの水ガラス−硫酸系からなる酸性シリカ
ゾルで、初期の強度は本発明の実施例に遜色のない強度
を示すが、期間経過に伴う強度劣化が著しい。比較例N
O.4は従来からの水ガラス−炭酸水素ナトリウム系で、
本発明に比べると極端に低強度である。
【0042】(2)ホモゲルからのSiO2 の溶脱率 期間経過に伴うホモゲルからのSiO2 の溶脱率を図1
に示す。図1より、比較例NO.4はの従来からの水ガラス
−炭酸水素ナトリウム系では、SiO2 の溶脱は極めて
多く、次いで比較例NO.3の酸性シリカゾル、次いで比較
例NO.1〜2であって、本発明の実施例NO.1〜13では長期
間経過後においてもSiO2 の溶脱率はわずか1〜2%
程度であることがわかる。
【0043】(3)ホモゲルの収縮率 期間経過に伴う収縮率を図2に示す。図2より期間経過
に伴うホモゲルの収縮率は比較例NO.3、4では非常に大
きく、比較例NO.1〜2では4〜8%程度で小さいが、本
発明の実施例NO.1〜13ではさらに2〜4%と非常に小さ
いことがわかる。
【0044】(4)サンドゲルの透水係数 サンドゲルの加圧透水下(透水圧0.5kgf/cm2 )におけ
る透水係数の経日変化を図3に示す。図3より比較例N
O.4の水ガラス−炭酸水素ナトリウム系における透水係
数は注入初期のサンドゲルでは小さいが、経日と共に著
しい上昇を示す。これに対して、比較例NO.3の酸性シリ
カゾル、比較例NO.1〜2、本発明の実施例NO.1〜13で
は、注入初期では比較的大きいが、期間経過に伴って小
さくなり、本発明の実施例NO.1〜13では5×10-5〜1
×10-4、比較例NO.1〜2では1×10-4〜2×1
-4、比較例NO.3の酸性シリカゾルでは1×10-4程度
となり、本発明の実施例NO.1〜13が最も優れていること
がわかる。
【0045】以上から本発明にかかる地盤注入用固結材
は従来からの水ガラス系グラウト、酸性シリカゾルに比
べて安定化して極めて優れており、本発明の範囲外にあ
る系に比べても明らかに優れており、砂質土地盤の液状
化防止用としては非常に適した地盤注入用薬液である。
【0046】
【発明の効果】コロイダルシリカと硬化剤と水ガラスを
主剤として、コロイダルシリカ、水ガラスのそれぞれの
含有量、それに伴う両者の合計量を本発明の範囲内に規
制することにより次のような効果を奏しうる。
【0047】1.pHとSiO2 量の変化により短時間
から長時間にわたるゲル化時間の調整が可能である。
【0048】2.注入初期からほぼ0.5MN/m2 以上
の固結強度が得られる。特に期間経過に伴う強度劣化が
みられず、長期にわたって高強度を維持する。
【0049】3.ホモゲルからのSiO2 の溶脱、ホモ
ゲルの収縮が少なく、サンドゲルの透水係数が小さい。
【0050】4.以上から、砂質土地盤の液状化防止対
策に適した地盤注入用固結材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は注入薬液のコロイダルシリカと、水ガ
ラスからのシリカ単量体との混合により形成された複合
シリカコロイドの模型図であり、(b)は大きなシリカ
同士のネットワークに小さなシリカが結合して補強さ
れ、形成された安定した構造のゲル化物の模型図であ
る。
【図2】ホモゲルからのSiO2 の溶脱率の経日変化を
表したグラフである。
【図3】ホモゲルの収縮率の経日変化を表したグラフで
ある。
【図4】サンドゲルの加圧透水下(0.5kg/cm2)におけ
る透水係数の経日変化を表したグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月29日(2001.10.
29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、コロイダルシリカおよび水ガラス
からなるシリカ溶液と、硬化剤との混合系からなる地盤
注入薬液において、コロイダルシリカと水ガラスの合計
含有量がSiO2 として0.2(重量/容量)パーセント
以上から3.0(重量/容量)パーセント未満であり、好
ましくはコロイダルシリカの含有量がSiO2 として0.
1〜2.0(重量/容量)パーセントおよび水ガラスの含
有量がSiO2 として0.1〜2.5(重量/容量)パーセ
ントであり、これにより特に砂質土地盤の液状化防止に
適するようにしたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】コロイダルシリカ、および水ガラスから由
来するSiO2 の合計量は0.2(重量/容量)パーセン
ト以上から3.0(重量/容量)パーセント未満〔(重量
/容量)パーセントを以下単に「%」と記す〕の範囲に
定め、さらに硬化剤を加えてpHを調整することによ
り、ゲル化時間は短時間から数10時間、あるいはそれ
以上にわたり調整が可能となり、サンドゲルの一軸圧縮
強度はほぼ0.05〜0.10MN/m2 、さらにはこれ以
上とすることができる。SiO2 の合計量を3.0%以上
では、砂地盤中でゲル化時間の短縮が大きくなり、液状
化防止用としての浸透性に問題を生じるようになり、ま
た、0.2%以下では、0.05MN/m2 以上の固結強度
を発現することが困難になる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】さらに、本発明における全SiO2 の含有
量は上記0.2%以上から3.0%未満を保持し、なおか
つ、そのうちのコロイダルシリカに由来するSiO2
が0.1〜2.0%、水ガラスに由来するSiO2 量が0.1
〜2.5%とすることが好ましい。さらに硬化剤の添加に
より配合時のpH、SiO2 量を調整し、短時間から長
時間にわたるゲル化時間を確実に得ることができ、これ
により、配合された注入薬液のサンドゲル一軸圧縮強度
は注入初期から略0.05MN/m2 以上を示す。しかも
ゲルの収縮、SiO2 の溶脱ともに少なく、かつ強度発
現が速く、数年経過後でも強度増強を確実に持続する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】3.配合と結果 (1)pH、SiO2 、ゲル化時間、固結強度につい
て。 本発明にかかる実施例ならびに比較例の配合と配合液の
pH、SiO2 、ゲル化時間、サンドゲル一軸圧縮強度
を表に示す。配合はコロイダルシリカ−硬化剤−水か
らなる系をA液(5l)、水ガラス−(無機塩)−水か
らなる系をB液(5l)として、A液とB液を合流し
た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【表2】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】(2)ホモゲルからのSiO2 の溶脱率 期間経過に伴うホモゲルからのSiO2 の溶脱率を図
に示す。図より、比較例NO.4はの従来からの水ガラス
−炭酸水素ナトリウム系では、SiO2 の溶脱は極めて
多く、次いで比較例NO.3の酸性シリカゾル、次いで比較
例NO.1〜2であって、本発明の実施例NO.1〜13では長期
間経過後においてもSiO2 の溶脱率はわずか1〜2%
程度であることがわかる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】(3)ホモゲルの収縮率 期間経過に伴う収縮率を図に示す。図より期間経過
に伴うホモゲルの収縮率は比較例NO.3、4では非常に大
きく、比較例NO.1〜2では4〜8%程度で小さいが、本
発明の実施例NO.1〜13ではさらに2〜4%と非常に小さ
いことがわかる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】(4)サンドゲルの透水係数 サンドゲルの加圧透水下(透水圧0.5kgf/cm2 )におけ
る透水係数の経日変化を図に示す。図より比較例N
O.4の水ガラス−炭酸水素ナトリウム系における透水係
数は注入初期のサンドゲルでは小さいが、経日と共に著
しい上昇を示す。これに対して、比較例NO.3の酸性シリ
カゾル、比較例NO.1〜2、本発明の実施例NO.1〜13で
は、注入初期では比較的大きいが、期間経過に伴って小
さくなり、本発明の実施例NO.1〜13では5×10-5〜1
×10-4、比較例NO.1〜2では1×10-4〜2×1
-4、比較例NO.3の酸性シリカゾルでは1×10-4程度
となり、本発明の実施例NO.1〜13が最も優れていること
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D040 AA04 AB01 AC02 CA02 CB03 CC01 4H026 CA03 CA06 CB01 CC06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロイダルシリカおよび水ガラスからな
    るシリカ溶液と、硬化剤との混合系からなる地盤注入薬
    液において、コロイダルシリカと水ガラスの合計含有量
    をSiO2 として0.2〜3.0(重量/容量)パーセント
    とすることにより、特に砂質土地盤の液状化防止に適す
    るようにしたことを特徴とする液状化防止用地盤注入薬
    液。
  2. 【請求項2】 請求項1において、コロイダルシリカの
    含有量がSiO2 として0.1〜2.0(重量/容量)パー
    セント、および水ガラスの含有量がSiO2として0.1
    〜2.5(重量/容量)パーセントである請求項1に記載
    の液状化防止用地盤注入薬液。
JP2001309809A 2001-10-05 2001-10-05 液状化防止用地盤注入薬液 Pending JP2003119465A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001309809A JP2003119465A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 液状化防止用地盤注入薬液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001309809A JP2003119465A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 液状化防止用地盤注入薬液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003119465A true JP2003119465A (ja) 2003-04-23

Family

ID=19128891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001309809A Pending JP2003119465A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 液状化防止用地盤注入薬液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003119465A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005320410A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd 地盤安定用薬液
KR101078043B1 (ko) 2008-11-27 2011-10-31 (주)티피 약액형 그라우팅용 조성물 및 이를 이용한 그라우팅 공법
JP2013010830A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Raito Kogyo Co Ltd 地盤改良用注入材及びその製造方法
JP2016153499A (ja) * 2016-03-28 2016-08-25 富士化学株式会社 地盤注入用固結材の製造方法
JP2019163637A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 五洋建設株式会社 土質材料、土質材料の製造方法および地盤造成方法
JP2020105289A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 大成建設株式会社 地盤改良材の製造システムおよび地盤改良材の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005320410A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd 地盤安定用薬液
KR101078043B1 (ko) 2008-11-27 2011-10-31 (주)티피 약액형 그라우팅용 조성물 및 이를 이용한 그라우팅 공법
JP2013010830A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Raito Kogyo Co Ltd 地盤改良用注入材及びその製造方法
JP2016153499A (ja) * 2016-03-28 2016-08-25 富士化学株式会社 地盤注入用固結材の製造方法
JP2019163637A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 五洋建設株式会社 土質材料、土質材料の製造方法および地盤造成方法
JP7401962B2 (ja) 2018-03-20 2023-12-20 五洋建設株式会社 土質材料、土質材料の製造方法および地盤造成方法
JP2020105289A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 大成建設株式会社 地盤改良材の製造システムおよび地盤改良材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0273445B1 (en) Chemical grout for ground injection and method for accretion
JP2003119465A (ja) 液状化防止用地盤注入薬液
JP5017620B1 (ja) 地盤改良工法、シリカ系グラウト及びその原料
JPS6148559B2 (ja)
JP2001003047A (ja) 地盤注入用固結材
JP3205900B2 (ja) 地盤注入用グラウト材
JP4018942B2 (ja) シリカ系グラウトおよび地盤改良方法
JP3150380B2 (ja) 地盤注入剤とその注入工法
JP2020083959A (ja) 地盤注入材および地盤注入工法
JPS5993787A (ja) 地盤固結法
JP2808252B2 (ja) 地盤固結材
JPS62290790A (ja) 地盤注入用薬液
JP3101949B2 (ja) 地盤注入工法
JP3216878B2 (ja) 地盤注入用グラウト材
JP2987625B1 (ja) 地盤固結材
JPH0570776A (ja) 地盤注入剤とその注入工法
JPH08269449A (ja) 地盤注入用薬液および地盤注入工法
JP4094285B2 (ja) 珪酸塩系土質安定用薬液
JP4621397B2 (ja) 地盤注入用薬液
JPS5833277B2 (ja) 土質の安定化処理方法
JPS6040189A (ja) 溶液型土質安定化剤
JPH1077473A (ja) 地盤注入用薬液
JP2001181633A (ja) 沈下防止用地盤注入剤および沈下防止方法
JP2000109835A (ja) 地盤注入用薬液
JPH07259073A (ja) 地盤注入材

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040520

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070306