JP2001089660A - 高屈折率を有する光学素子、光学用レンズ及び樹脂組成物 - Google Patents

高屈折率を有する光学素子、光学用レンズ及び樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001089660A
JP2001089660A JP27231399A JP27231399A JP2001089660A JP 2001089660 A JP2001089660 A JP 2001089660A JP 27231399 A JP27231399 A JP 27231399A JP 27231399 A JP27231399 A JP 27231399A JP 2001089660 A JP2001089660 A JP 2001089660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
sio
optical element
optical
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27231399A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kita
弘志 北
Taketoshi Yamada
岳俊 山田
Hide Hosoe
秀 細江
Toshio Tsuji
稔夫 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP27231399A priority Critical patent/JP2001089660A/ja
Publication of JP2001089660A publication Critical patent/JP2001089660A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 nd1.55以上の高屈折率で、低い残留複
屈折、高い光透過率の光学的基本特性に優れ、尚かつ、
高い熱安定性、低い吸水性、及び優れた成形性を有す
る、光学素子を提供する。 【解決手段】 下記平均組成式〔I〕で表される珪素系
樹脂を含有することを特徴とする光学素子、光学用レン
ズ及び樹脂組成物。 平均組成式〔I〕 (R1a(R2bSiO(4-a-b)/2 〔式中、R1は、各々同じでも異なっても良い、水素原
子、水酸基、アミノ基、又は置換又は非置換の脂肪族
基、脂環式基、アリール基、複素環基、またはこれらの
基が酸素を介して珪素原子に結合された基から選ばれる
基を表す。R2は、内部回転異性性を付与しうる結合軸
を有するビアリール基または該ビアリール基が置換した
有機基を表す。ただし、0≦a<1.5、0.3<b<
1.8、0.8<a+b<1.8である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高屈折率を有する光
学素子、光学用レンズ及びその硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カメラ、フィルム一体型カメラ(レンズ
付きフィルム)、ビデオカメラ等の各種カメラ、CD、
CD−ROM、CD−Video、MO、CD−R、D
VD等の光ピックアップ装置や複写機及びプリンター等
のOA機器といった各種機器等に使用される光学素子に
は、高い光透過率、高い屈折率、成形後の低い残留複屈
折等の基本的な光学特性が必要とされる。更に、高い熱
安定性、高い硬度、低い吸水性、高い耐候性、耐溶剤性
等の種々の特性が要求される。また、低いコストで生産
することができ、良好な成形性が要求される。
【0003】しかしながら従来の、例えば、ポリメチル
メタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−4−メチルペ
ンテン、ノルボルネン系ポリマー、ポリウレタン樹脂等
を用いて成形した光学用レンズは熱安定性が低く、高い
吸水性に伴う環境による光学特性の変動、高い複屈折等
の欠点を有しており、上述の要求に対しては未だ不十分
であった。
【0004】また、耐熱性や耐薬品性が高いといわれる
ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネートを用
いたプラスチックレンズが知られているが、低屈折率で
あり、また耐熱性もそれほど高いものではなかった。
【0005】一般に、光学材料の屈折率が高いと同一の
屈折率を有するレンズエレメントをより曲率の小さい緩
い面で実現できる為、この面で発生する収差量を小さく
でき、レンズの枚数を削減したり、レンズの偏心感度を
低減したり、レンズ厚みを薄くしてレンズ系を小型軽量
化したりすることが可能になる。また、レンズ光沢面に
施す反射防止コートにおいても、レンズ光学面の中心か
ら周辺までコート物質の蒸着源に対して垂直に近い角度
を保てるため、均一な厚みでコート処理ができ、均一な
反射防止特性を得られるメリットがある。
【0006】前記の光学用プラスチック材料において、
現在実用化されている屈折率の高いものでは、ポリカー
ボネート(nd=1.58、νd=29)やポリスチレ
ン(nd=1.57、νd=34)があるのみで、どち
らも複屈折が大きいため、用途に限界があった。
【0007】特開平2−229860号にはシリコーン
ポリマー及び橋かけ剤を用いて形成された透明なシリコ
ーン組成物が提案されている。提案されているシリコー
ン組成物は高い光透過率を有しているが、機械的強度、
硬度が不充分であり、高い信頼性が要求される光学素子
には適さないものであった。
【0008】また、特開平10−158400号にはJ
IS−A硬度85以上のシリコーン樹脂組成物からなる
光学レンズが提案されているが、屈折率nd1.51と
低いものであった。
【0009】一般のシリコーン系材料は光透過率が優れ
る、耐熱性がある、成形が可能である、成形後の残留複
屈折が低いなど光学用プラスチック材料としてユニーク
な特徴を有しているが、屈折率が低いため用途に限界が
あった。
【0010】シリコーン系材料がもつユニークな特性を
有し、尚かつ、nd1.55以上の高い屈折率をもつ光
学用プラスチック材料、及び光学素子に関する提案は殆
どなされていないのが現状である。
【0011】即ち、光学素子として、高屈折率で、光透
過率が高く、成形後の残留複屈折が少なく、熱安定性が
高く、機械的強度が強く、吸水性が低く、耐候性の高い
成形材料が強く望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高屈
折率で、低残留複屈折、高光透過率等の光学的基本特性
に優れ、尚かつ、高い熱安定性、低い吸水性、高い機械
的強度及び硬度を有し、高性能と高信頼性が要求され
る、カメラ、フィルム一体型カメラ(レンズ付きフィル
ム)、ビデオカメラ等の各種カメラ、CD、CD−RO
M、CD−Video、MO、CD−R、DVD等の光
ピックアップ装置や複写機及びプリンター等のOA機器
といった各種機器等に適した光学素子、光学用レンズ及
びその樹脂組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0014】(1) 下記平均組成式〔I〕で表される
珪素系樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【0015】平均組成式〔I〕 (R1a(R2bSiO(4-a-b)/2 〔式中、R1は、各々同じでも異なっても良い、水素原
子、水酸基、アミノ基、又は置換又は非置換の脂肪族
基、脂環式基、アリール基、複素環基、またはこれらの
基が酸素を介して珪素原子に結合された基から選ばれる
基を表す。R2は、内部回転異性性を付与しうる結合軸
を有するビアリール基または該ビアリール基が置換した
有機基を表す。ただし、0≦a<1.5、0.3<b<
1.8、0.8<a+b<1.8である。〕 (2) 上記平均組成式〔I〕で表される珪素系樹脂を
含有する樹脂組成物からなることを特徴とする光学素
子。
【0016】(3) 前記平均組成式〔I〕におけるR
1で示される置換基の少なくとも1種がアルケニル基で
あることを特徴とする前記2に記載の光学素子。
【0017】(4) 前記アルケニル基がビニル基であ
ることを特徴とする前記3に記載の光学素子。
【0018】(5) 前記平均組成式〔I〕におけるR
1で示される置換基の少なくとも1種が水素原子である
ことを特徴とする前記2に記載の光学素子。
【0019】(6) 前記2〜5のいずれか1項に記載
の光学素子を有することを特徴とする光学用レンズ。
【0020】(7) 光学用レンズの少なくとも一方の
光学面が非球面形状を有することを特徴とする前記6に
記載の光学用レンズ。
【0021】(8) 光学用レンズの光学面の両面が非
球面形状を有することを特徴とする前記7に記載の光学
用レンズ。
【0022】以下に本発明を更に詳しく説明する。本発
明の目的の1つとしては、高屈折率を有する光学素子を
得ることであり、その達成手段としては、上記平均組成
式〔I〕で表される珪素系樹脂を含有する樹脂組成物か
らなる光学素子を用いることである。ここで、本発明は
熱硬化性の樹脂組成物からなることが好ましい。
【0023】本発明においては、内部回転異性性を付与
しうる結合軸を有するビアリール基の存在が効果発現の
要因である。
【0024】本発明の要点は、1,1′−ビナフチル基
の2つのナフタレン環をつなぐ結合軸に代表される「内
部回転異性性(アトロプ異性性)を付与しうる結合軸」
(以降単に「本発明の結合軸」と省略する)を有するビ
アリール基(またはそのビアリール基部分を有する有機
基)を珪素系樹脂やシリコーン樹脂に導入すると、単純
なフェニル基やナフチル基を導入した際に起こる複屈折
の大幅な増大を伴わずに、屈折率のみを大幅に増大させ
ることができることを見出したことである。
【0025】前記平均組成式〔I〕で示される珪素系樹
脂について説明する。
【0026】R1は、水素原子、水酸基、アミノ基、ハ
ロゲン原子又は有機基から選ばれる基を表し、R1で示
されるこれらの基は、珪素系樹脂中のポリマー鎖中に、
幾つかの基が同時に存在することができることを意味す
る。
【0027】有機基としては、置換又は非置換の脂肪族
基、脂環式基、アリール基及び複素環基、又はこれらの
基が酸素を介して珪素原子に結合された基から選ばれる
基を表す。
【0028】置換又は非置換の脂肪族基としては、各々
置換または非置換のアルキル基、アルキレン基等を挙げ
ることができる。
【0029】アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、フェネチル
基、トリフロロメチル基、ベンジル基等が挙げられる。
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
【0030】置換又は非置換の脂環式基としては、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノ
ルボルニル基等の基が挙げられる。
【0031】置換又は非置換のアリール基としては、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クロロ
フェニル基、トリブロモフェニル基、ペンタフルオロフ
ェニル基等の基が挙げられる。
【0032】置換又は非置換の複素環基としては、フリ
ル基、チエニル基、ピリジル基等の基が挙げられる。
【0033】更に、有機基としては、上記置換基が酸素
原子を介して珪素原子に結合される基を含み、例えば、
アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキ
シ基、複素環オキシ基等の基が挙げられる。
【0034】本発明においては、前記平均組成式〔I〕
におけるR2で示される基、即ち、内部回転異性性を付
与しうる結合軸を有するビアリール基が高屈折率かつ低
複屈折を達成する上での重要な要素である。
【0035】次に内部回転異性性を付与しうる結合軸を
有するビアリール基について説明する。「内部回転異性
性を付与しうる結合軸」とは、例えば下記1,1′−ビ
ナフチルのナフタレン核とナフタレン核をつなぐ結合軸
のように、常温常圧下において立体障害により360度
の自由回転ができないような結合軸のことを意味し、便
宜的にはCPK模型を組んだ際に360度の自由回転が
できなければその結合軸は「内部回転異性性を付与しう
る結合軸」であると言うことができる。
【0036】
【化1】
【0037】また、「内部回転異性性を付与しうる結合
軸」を有する化合物には異性体が存在し、その異性体を
「アトロプ異性体」または「内部回転光学異性体」(化
学大辞典;第6巻、第588ページ:共立出版)という
が、逆に言うと「内部回転異性性を付与しうる結合軸」
をもつ化合物(または置換基)とは「アトロプ異性体」
または「内部回転光学異性体」が存在する化合物(また
は置換基)と言い換えることもできる。
【0038】以下に「内部回転異性性を付与しうる結合
軸」を有する置換基の基本骨格(化1で示す化合物から
任意の位置の水素原子を取り除いたものが置換基とな
る。また、その基本骨格はさらに置換基によって置換さ
れていても良く、さらに縮合環を形成してもよい。)の
一例を示すが本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】
【0044】なお、構造式中のR101〜R137で表される
置換基は、Taftの立体的パラメータEs値(Ung
er,S.H.,C.:Prog.Phys.Org.
Chem.12,91(1976)および「薬物の構造
活性相関−ドラッグデザインと作用機構研究への指針」
化学の領域増感122号 南江堂社刊 第124〜12
6ページ)が−1.00よりも小さい置換基を表し、例
えば臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、プロ
ピル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、tert
−ブチル基等の分岐アルキル基、シクロペンチル基、シ
クロブチル基等の環状アルキル基、フェニル基、ナフチ
ル基等の芳香族基、ピリジル基、イミダゾリル基、フリ
ル基等の複素環基、ニトロ基、メルカプト基等が挙げら
れる。
【0045】この内部回転異性性を付与しうる結合軸を
有するビアリール基はさらに任意の置換基によって置換
されていてもよく、その置換基としては、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、
ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミノ基、アシルア
ミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、カルボキ
シル基、ハロゲン原子、複素環基等が挙げられる。好ま
しくはアルキルチオ基、アリールチオ基に代表される含
硫黄置換基、複素環基、塩素原子、臭素原子、沃素原子
等のハロゲン原子であるが、最も好ましくは臭素原子で
あり、臭素原子の持つ原子屈折率が8.865と高いこ
とにより、本発明の高屈折率を有する光学素子を形成す
るために有利である。又、複素環基としては7.800
と比較的原子屈折の大きなイオウ原子を含む複素環が高
屈折率が得られる点でより好ましい。
【0046】本発明に用いられる珪素系樹脂中において
は、R2で示される置換基のmol%は0.3<b<
1.8であるが、bはできるだけ大きい方が好ましく、
特に好ましくは、0.5<b<1.8である。
【0047】本発明に用いられる珪素系樹脂は、下記平
均組成式〔II〕で表されるオルガノポリシロキサンを含
有する硬化性樹脂組成物から形成されたものであること
が好ましい。
【0048】平均組成式〔II〕 (R3f(R2gSiO(4-f-g)/2 式中、R3は、各々同じでも異なっても良く、水素原
子、水酸基、アミノ基、又は置換又は非置換の脂肪族
基、脂環式基、アリール基、複素環基、又はこれらの基
が酸素を介して珪素原子に結合された基から選ばれる基
を表し、R2は前記平均組成式〔I〕におけるR2と同義
である。0<f<1.5、0.3<g<1.8、0.8
<f+g<1.8である。
【0049】前記平均組成式〔II〕で表されるオルガノ
ポリシロキサンについて説明する。
【0050】本発明に用いられる平均組成式(R3
f(R2gSiO(4-f-g)/2(式中、Rは内部回転異性
性を付与しうる結合軸を有するビアリール基または該ビ
アリール基が置換した有機基を表す。)で示されるオル
ガノポリシロキサンの合成方法について述べる。
【0051】合成方法には二つの方法がある。第一の方
法について述べる。
【0052】上記R基を置換基として有するハロシラ
ン、またはアルコキシシランと水素原子、水酸基、アル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基及びフェニル
基を置換基として有するハロシラン、またはアルコキシ
シランを共加水分解/重縮合することにより得ることが
できる。
【0053】R2基を置換基として有するハロシラン、
またはアルコキシシランについて具体例を示す。
【0054】
【化7】
【0055】
【化8】
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
【0058】
【化11】
【0059】
【化12】
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】以下に、本発明のR2基(R2は内部回転異
性性を付与しうる結合軸を有するビアリール基または該
ビアリール基が置換した有機基を表す。)を置換基とし
て有するハロシラン、またはアルコキシシランと混合し
て共加水分解/重縮合することのできるハロシラン、ま
たはアルコキシシランについて具体例を示す。
【0064】ジエトキシ−1−ナフチルフェニルシラン ジメトキシ−1−ナフチルフェニルシラン ジエトキシジ−9−フェナントリルシラン ジ−5−アセナフテニルジエトキシシラン ジメトキシジ−1−ナフチルシラン ジエトキシジ−1−ナフチルシラン (p−(p−ブロモフェノキシ)フェニル)ジエトキシ
フェニルシラン (p−ブロモフェニル)ジエトキシフェニルシラン ジエトキシ(ペンタクロロフェニル)シラン ジメトキシ(ペンタクロロフェニル)シラン (2−ヨードフェニル)ビス(1−メチルエトキシ)フ
ェニルシラン ビス(4−クロロフェニル)ジメトキシシラン ビス(4−クロロフェニル)ジエトキシシラン ビス((1,1′−ビフェニル)−4−イル)ジメトキ
シシラン ジクロロジ−1H−インデン−1−イルシラン ジクロロ−2,4−シクロペンタジエン−1−イル−9
H−フルオレン−9−イルシラン ジクロロジ−9H−フルオレン−9−イルシラン 9−(ジクロロメチルシリル)−9H−カルバゾール ジクロロメチル(3−(1−フェナントリル)プロピ
ル)シラン ジクロロメチル(3−(1−ナフチル)プロピル)シラ
ン ジクロロメチル(3−(1−ナフチル)エチル)シラン クロロジメチル−1−ピレニル−シラン 2−(ジクロロフェニルシリル)−1−メチル−1H−
インドール 等を挙げることが出来る。これらの化合物は何れも公知
のハロシラン、アルコキシシランである。
【0065】他の各種のクロロシラン化合物はダウ・コ
ーニング・コーポレーション(米国)、信越化学工業
(株)等から市販されている。例えば、信越化学工業
(株)の珪素化合物試薬カタログには以下のクロロシラ
ン化合物が記載されており、これらも併用することがで
きる。
【0066】テトラクロロシラン(商品名、LS−1
0)、トリクロロシラン(商品名、LS−20)、メチ
ルトリクロロシラン(商品名、LS−40)、ビニルト
リクロロシラン(商品名、LS−70)、ジメチルジク
ロロシラン(商品名、LS−130)、メチルビニルジ
クロロシラン(商品名、LS−190)、トリメチルク
ロロシラン(商品名、LS−260)、ジビニルジクロ
ロシラン(商品名、LS−335)、ジメチルビニルク
ロロシラン(商品名、LS−380)、アリルジメチル
クロロシラン(商品名、LS−650)、4−クロロフ
ェニルトリクロロシラン(商品名、LS−915)、フ
ェニルトリクロロシラン(商品名LS−920)、シク
ロヘキシルトリクロロシラン(商品名、LS−97
0)、ベンジルトリクロロシラン(商品名、LS−14
65)、p−トルイルトリクロロシラン(商品名、LS
−1480)、フェニルビニルジクロロシラン(商品
名、LS−1980)、ジメチルフェニルクロロシラン
(商品名、LS−2000)、オクチルトリクロロシラ
ン(商品名、LS−2190)、メチルフェニルビニル
クロロシラン(商品名、LS−2520)、トリフェニ
ルクロロシラン(商品名、LS−6370)、トリベン
ジルクロロシラン(商品名、LS−6800)。
【0067】本発明においては、置換基としてR2基を
有するハロシラン化合物又はアルコキシシラン化合物
と、上記のような公知または市販されているハロシラン
化合物又はアルコキシシラン化合物とを、配合比及び反
応条件等を変化することにより、得られるオルガノポリ
シロキサン中のR2基の含有mol%、分岐及び網目構
造、反応性基の種類、量、分子量、粘度等を制御するこ
とが可能であり、多様なオルガノポリシロキサンを調製
することが可能である。
【0068】前記平均組成式〔II〕で示されるオルガノ
ポリシロキサンの具体例としては下記平均組成式で示さ
れるものが例示される。
【0069】以下の記載においてViはビニル基、Me
はメチル基、Phはフェニル基、DBPhは2,4−ジ
ブロモフェニル基を示す。さらにその他の置換基とその
略号の関係は下記のとおりとする。
【0070】
【化16】
【0071】
【化17】
【0072】
【化18】
【0073】S−1(ViMe2SiO1/2A(PhS
iO3/2B((BNP)2SiO2/2C S−2(Me3SiO1/2A(SiO4/2B(PhVi
SiO2/2C((BNPD)1/2SiO3/2D S−3(ViMe2SiO1/2A(Ph(BNP)Si
2/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S-4(ViMe2SiO1/2A((BAT)SiO2/2B(S
iO4/2C(Ph3SiO1/2D S−5(ViMe2SiO1/2A((BATD)1/2Si
3/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S−6(PhMe2SiO1/2A(Benzyl(BN
P)SiO2/2B(ViMeSiO2/2C(PhSiO
3/2D S−7(Me3SiO1/2A(Vi(BNP)Si
2/2B(MeSiO3/2C(Ph2ViSiO1/2D S−8(Me3SiO1/2A(Me(BNPD)1/2Si
2/2B(SiO4/2C(ViSiO3/2D S−9(ViPh2SiO1/2A(Me2(BNPD)
1/2SiO1/2B(SiO4/2C(PhSiO3/2D S−10(ViMe2SiO1/2A((PNNP)2Si
2/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S−11(ViMe2SiO1/2A(PhSiO3/2B
((CLNP)2SiO2/2C S−12(Me3SiO1/2A(SiO4/2B(PhV
iSiO2/2C((MOBND)1/2SiO3/2D S−13(ViMe2SiO1/2A((MOBN)Si
3/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S−14(ViMe2SiO1/2A((BNPH)2Si
2/2B(SiO4/2C(Ph3SiO1/2D S−15(ViMe2SiO1/2A((BNAD)1/2
iO3/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S−16(Me3SiO1/2A(SiO4/2B(Vi
(PNCA)SiO2/2C((MOBND)1/2SiO
3/2D S−17(HMe2SiO1/2A(PhSiO3/2
B((BNP)2SiO2/2C S−18(Me3SiO1/2A(SiO4/2B(PhH
SiO2/2C((BBNP)SiO3/2D S−19(HMe2SiO1/2A(Me(MENP)S
iO2/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S−20(HMe2SiO1/2A((PNNP)SiO
3/2B(SiO4/2C(Ph3SiO1/2D S−21(HMe2SiO1/2A(DBPh(BBN
P)SiO2/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S−22(HMe2SiO1/2A(PhSiO3/2
B((BNCA)SiO3/2C S−23(Me3SiO1/2A(SiO4/2B(H(B
NPD)1/2SiO2/2C((BBNP)SiO3/2D S−24(HMe2SiO1/2A(Ph(CLNP)S
iO2/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S−25(HMe2SiO1/2A((ABN)Si
3/2B(SiO4/2C(Ph3SiO1/2D S−26(HMe2SiO1/2A((ABND)1/2Si
3/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D S−27(PhMe2SiO1/2A((MOBND)1/2
SiO3/2B(HMeSiO2/2C(PhSiO3/2D S−28(Me3SiO1/2A(Me(NMBP)Si
2/2B(MeSiO3/2C(Ph2HSiO1/2D S−29(HMe2SiO1/2A((BNAD)1/2Si
3/2B(SiO4/2C(PhSiO3/2D S−30(HPh2SiO1/2A(Me(BBNP)S
iO2/2B(SiO4/2C(PhSiO3/2D S−31(HMe2SiO1/2A((ABND)1/2Si
3/2B(SiO4/2C(Me3SiO1/2D (但し、A〜Dは1未満の正の数であり、各式において
A〜D(DがないものはA〜C)の合計は1.0であ
る。) これらのオルガノポリシロキサンは上記の式におけるそ
れぞれの構成単位に対応するハロシラン、またはアルコ
キシシランを共加水分解/重縮合する公知の方法で得る
ことができる。
【0074】例えばS−1を合成する場合には、ジメチ
ルビニルクロロシランとフェニルトリエトキシシランお
よびA−3をモル比でA:B:C(但し、A〜Cは1未
満の正の数であり、A〜C合計は1.0である。)にな
るように混合し、それを水含有溶媒中、酸または塩基触
媒を用いて共加水分解/重縮合行うことにより得ること
ができる。
【0075】同様にS−2を合成する場合には、トリメ
チルメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニル
ビニルジクロロシランおよびA−15をモル比でA:
B:C:D(但し、A〜Dは1未満の正の数であり、A
〜Dの合計は1.0である。)になるように混合し、そ
れを水含有溶媒中、酸または塩基触媒を用いて共加水分
解/重縮合行うことにより得ることができる。
【0076】次に第2の合成方法について述べる。
【0077】分子中に最低2個以上の水素原子を含有す
るオルガノハイドロジェンポリシロキサンとアルケニル
基(好ましくは末端オレフィン)を有するポリシロキサ
ン、有機ポリマー、有機低分子化合物または内部回転異
性性を付与しうる結合軸を有するビアリール化合物を白
金触媒下でハイドロシリレーション反応により付加重合
する(この際、オルガノハイドロジェンポリシロキサン
かアルケニル基含有化合物の少なくとも一方には内部回
転異性性を付与しうる結合軸を有するビアリール基が含
まれている)ことにより、オルガノポリシロキサンに本
発明の結合軸を有するビアリール基を導入する方法であ
る。この方法は、シリコーン工業においては公知の手法
である。
【0078】オルガノハイドロジェンポリシロキサンと
しては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイド
ロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基
封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロ
キシ基封鎖ジメチルシロキサン、および前記S−17〜
S−31等を挙げることが出来る。
【0079】アルケニル基を有する化合物としては、ビ
ニル基含有ポリシロキサン、ジメチルジビニルシラン、
ビニル基やアリル基アクリル基、メタクリル基等を含有
する有機オリゴマーまたはポリマー、前記S−1〜S−
16および以下に示すような分子内にアルケニル基を含
有する内部回転異性性を付与しうる結合軸を有するビア
リール化合物等を挙げることが出来る。
【0080】
【化19】
【0081】
【化20】
【0082】本発明の光学素子は本発明のオルガノポリ
シロキサンを含有する硬化性樹脂組成物から形成され、
これらの硬化性樹脂組成物は、更に下記のポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂、本発明外のシリコーン系樹脂等を含有させること
ができる。
【0083】本発明の光学素子のシロキサン構成単位の
組成としては、3官能シロキサン単位及び/又は4官能
シロキサン単位を主な構成単位とすることが好ましい。
【0084】本発明でいう主な構成単位とは、シリコー
ン系樹脂を構成する全珪素原子に対して3官能シロキサ
ン単位の含有mol%、及び4官能シロキサン単位含有
mol%の和が5mol%以上90mol%以下である
ことが好ましい。特に好ましくは、15mol%以上、
85mol%以下である。5mol%以上とすることに
よって、得られる光学素子成形品の硬度を高くすること
ができ、増加することによって更に硬度を高くする事が
できる。しかしながら、あまり高くすると脆さを生じて
くるので、光学素子成形品の耐衝撃性を保持するために
は90mol%以下であることが好ましい。
【0085】本発明の光学素子はシラザン、ポリシラ
ン、シルフェニレン、シルアルキレン等のシロキサン構
造単位以外の珪素原子を含有する構造単位を構成単位と
してもつことができる。
【0086】更に、光学素子成形品の硬度、耐衝撃性な
どの一般機械的物性が優れるので硬化性珪素系樹脂組成
物からなる光学素子が特に好ましい。
【0087】硬化性珪素系樹脂組成物としては、光及び
電子線硬化性珪素系樹脂組成物、室温硬化性珪素系樹脂
組成物、熱硬化性珪素系樹脂組成物などを挙げることが
できる。成形加工が容易である点で熱硬化性珪素系樹脂
組成物が特に好ましい。
【0088】以下、熱硬化性珪素系樹脂組成物について
詳しく説明する。
【0089】一般に、熱硬化性珪素系樹脂組成物からな
る光学素子は、1種または複数のオルガノポリシロキサ
ン、硬化剤、触媒を金型にいれ、金型中で熱硬化させ成
形することにより製造される。熱硬化反応としては縮合
架橋、パーオキサイド架橋、白金付加架橋などの反応を
用いることができる。特に、白金触媒を用いた付加重合
反応による熱硬化が好ましい。
【0090】本発明の光学素子は、1種、または複数の
前記平均組成式〔II〕で示されるオルガノポリシロキサ
ンと、反応性基を介して架橋可能なオルガノポリシロキ
サン、及び触媒を金型に入れ、金型中で熱硬化させ成形
することにより製造される。
【0091】熱硬化に白金触媒を用いた付加重合反応を
用いて光学素子を製造する場合は、以下の二つの方法が
ある。
【0092】即ち、第1の方法は、1種又は数種のSi
H基を有する前記平均組成式〔II〕で示されるオルガノ
ポリシロキサンと、1種又は数種のアルケニル基を有す
るオルガノポリシロキサンを配合し触媒を加え、加熱成
形するという手法である。
【0093】第2の方法は、1種又は複数のアルケニル
基を有する前記平均組成式〔II〕で示されるオルガノポ
リシロキサンと、1種又は数種のSiH基を有するオル
ガノポリシロキサン(以下オルガノハイドロジェンポリ
シロキサンという)を配合し触媒を加え、加熱成形する
という手法である。
【0094】本発明の光学素子の製造にはどちらの方法
を用いてもよい。
【0095】光学素子の硬度等の機械的物性、屈折率な
どの光学特性を調整する目的で上記以外のオルガノポリ
シロキサン、テトラビニルシラン等の低分子シラン化合
物、や1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロ
キサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,
7−テトラビニルシクロテトラシロキサン等のシロキサ
ンオリゴマーを加えることもできる。
【0096】また、同様の目的で以下の一般式で示され
る、有機珪素化合物を用いることもできる。
【0097】(HSi(CH32O)E−Si
(R(3-E))−Q−Si(R(3-E))−(OSi(C
32H)E (式中、Rは一価炭化水素基、Qは二価の芳香族炭化水
素基であり、Eは1〜3の整数である) 本発明の前記平均組成式〔II〕で示されるオルガノポリ
シロキサンと同様にして、アルケニル基を有するオルガ
ノポリシロキサンを合成することができる。
【0098】アルケニル基を有するオルガノポリシロキ
サンはクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチ
ルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェ
ニルジクロロシラン等の公知のクロロシラン化合物と分
子内にビニル基やアリル基を有する公知のクロロシラン
化合物を各種の組み合わせで配合し、共加水分解、或い
は、アルコキシ化し、更に、縮合させることにより合成
することが出来る。
【0099】光学素子成形品の機械的強度、硬度を高め
るためにはCH2=CHSiO3/2、CH364SiO
3/2、C65SiO3/2、CH3SiO3/2、ClC64
iO3/2、C65CH2SiO3/2等の3官能形シロキサ
ン単位成分やSiO4/2といった4官能形シロキサン単
位成分をオルガノポリシロキサンのポリマー鎖内に組み
入れることが好ましい。
【0100】上記の末端や側鎖にビニル基やアリル基を
有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンの一部は東芝シリコーン(株)、信
越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)、ダウ・コーニング・コーポレーション(米国)
等のシリコーン素材メーカーより市販されており容易に
入手することが出来る。
【0101】アルケニル基を有する前記平均組成式
〔I〕で示されるオルガノポリシロキサンとオルガノハ
イドロジェンポリシロキサン成分の組み合わせで光学素
子成形品を製造する場合について述べる。
【0102】光学素子成形品を製造する際に用いるアル
ケニル基を有するオルガノポリシロキサン成分とオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン成分は十分に相溶して
いることが好ましい。両者の相溶性が悪いと出来上がっ
た光学素子成形品の光透過率が低下することがある。
【0103】オルガノハイドロジェンポリシロキサンの
配合量はアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
成分100重量部に対して5〜300重量部、特に、1
0〜100重量部が好ましい。得られる光学素子成形品
において十分に高い硬度を得るためには、配合量が5重
量部以上であることが好ましい。
【0104】硬化反応に付加重合反応を用いる際の反応
触媒としては白金ブラック、塩化第二白金、塩化白金
酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレ
フィン類との錯体等が挙げられる。触媒の使用量は成分
の合計量に対して0.1〜1000ppm、好ましくは
5〜200ppmである。
【0105】本発明の光学素子はJIS−A硬度が85
以上であることが好ましい。JIS−A硬度が85未満
では光学素子として必要な硬度が失われる。同様に、4
00nm〜850nmの分光透過率は85%以上である
ことが好ましい。
【0106】本発明における光学素子を成形する方法と
しては、注型成形、射出成形、押出成形、トランスファ
ー成形など適宜の成形方法により成形することが可能で
ある。成形温度は、各原料の樹脂組成物の種類、配合量
により適宜選択することができる。
【0107】本発明の光学素子には光透過率を高める為
に反射防止層を設けることが好ましい。反射防止膜とし
ては、単層又は屈折率の異なる薄膜を積層して得られる
多層膜であり、反射率の低減されるものであれば、無機
物でも有機物でも可能である。
【0108】しかし、表面の硬度や干渉縞の防止を重視
するためには、無機物から成る単層、または多層の反射
防止膜を設けることが最も好ましい。使用できる無機物
としては酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、
フッ化マグネシウム等の酸化物或いはフッ化物等が挙げ
られる。イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタリ
ング等のいわゆるPVD法によって施すことができる。
【0109】また、表面の傷防止の為にハードコート層
を設けてもよい。
【0110】ハードコート層の好ましい例として下記
(イ)、(ロ)を主成分とするコーティング組成物を塗
布硬化させたものが挙げられる。
【0111】(イ)少なくとも一種以上の反応性基を有
するシラン化合物の一種以上。
【0112】(ロ)酸化珪素、酸化アンチモン、酸化ジ
ルコニウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化ア
ルミニウム等の金属酸化物微粒子、酸化チタン、酸化セ
リウム、酸化ジルコニア、酸化珪素、酸化鉄のうち二つ
以上を用いた複合金属酸化物微粒子、酸化スズと酸化タ
ングステンの複合金属微粒子で酸化スズ微粒子を被覆し
た複合金属微粒子から選ばれる一種以上。
【0113】成分(ロ)はハードコート層の屈折率を調
整し、かつ、硬度を高めるために有効な成分である。ハ
ードコート層の厚みは通常0.2ミクロン〜10ミクロ
ン程度がよい。より好ましくは1ミクロン〜3ミクロン
程度である。
【0114】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げてこの発明
を更に具体的に説明する。
【0115】以下の記載において置換基の略称は前記の
定義と同様である。
【0116】本発明のアルケニル基をもつ前記平均組成
式〔I〕で示されるオルガノポリシロキサン1〜6を示
す。
【0117】これらのオルガノポリシロキサンは公知の
合成方法、すなわち、複数の加水分解性オルガノシラン
化合物を共加水分解/重縮合することにより合成した。
オルガノポリシロキサン1の具体的な合成方法について
簡単に示す。
【0118】(CH2=CH−)(CH32Si(OC2
5)、(C65)Si(OC253、Si(OC
254、(CH33Si(OC25)、(C652
i(OC252及びA−3を混合した後、トルエン/
水混合液に滴下し、共加水分解した。水で十分にトルエ
ン相を洗浄した後、減圧濃縮して透明固体状のオルガノ
ポリシロキサン1を得た。
【0119】加水分解性オルガノシラン化合物の組み合
わせを変えて、オルガノポリシロキサン2〜5を合成し
た。合成品を1H−NMR、ICP法によるSi定量を
行うことにより平均組成を求めた。
【0120】オルガノポリシロキサン1 Vi0.200Me0.250Ph0.100(BNP)1.150SiO
1.15 オルガノポリシロキサン2 Vi0.200Me0.280Ph0.100(BBNP)1.200SiO
1.11 オルガノポリシロキサン3 Vi0.200Me0.260Ph0.100(BNAD)1.180SiO
1.135 オルガノポリシロキサン4 Vi0.200Me0.650Ph0.100(BNP)0.75SiO
1.15 オルガノポリシロキサン5 Vi0.200Me1.000Ph0.100(BNP)0.40SiO
1.15 オルガノポリシロキサン6 Vi0.100Me0.100Ph0.100(BNP)0.60SiO
1.55 実施例1 オルガノポリシロキサン1を100重量部、分子量35
00の(Me2)HSiO1/2単位とPhSiO3/2単位
よりなる共重合体(共重合比60/40)を20重量
部、及び塩化白金酸のイソプロパノール溶液(白金含有
量0.2重量%)1重量部を混合し、真空撹拌により脱
泡して、シリコーン樹脂組成物を調製した。このシリコ
ーン樹脂組成物をレンズ金型に注入し、145℃で30
分間加熱し、注型成形による片面非球面形状のレンズ成
形品を得た。また、同様にして物性評価用に平板成形品
(直径8cm、厚さ、1.8mm)も作製した。
【0121】実施例2 オルガノポリシロキサン2を100重量部を用いた以外
は実施例1と同様にして片面非球面形状のレンズ成形品
を得た。また、同様にして物性評価用に平板成形品(直
径8cm、厚さ、1.8mm)も作製した。
【0122】実施例3 オルガノポリシロキサン3を100重量部を用いた以外
は実施例1と同様にして両面非球面形状のレンズ成形品
を得た。また、同様にして物性評価用に平板成形品(直
径8cm、厚さ、1.8mm)も作製した。
【0123】実施例4 オルガノポリシロキサン4を100重量部を用いた以外
は実施例1と同様にして片面非球面形状のレンズ成形品
を得た。また、同様にして物性評価用に平板成形品(直
径8cm、厚さ、1.8mm)も作製した。
【0124】実施例5 オルガノポリシロキサン5を100重量部を用いた以外
は実施例1と同様にして両面非球面形状のレンズ成形品
を得た。また、同様にして物性評価用に平板成形品(直
径8cm、厚さ、1.8mm)も作製した。
【0125】実施例6 オルガノポリシロキサン6を100重量部を用いた以外
は実施例1と同様にして両面非球面形状のレンズ成形品
を得た。また、同様にして物性評価用に平板成形品(直
径8cm、厚さ、1.8mm)も作製した。
【0126】比較例1 特開平10−158400号の実施例1に記載されてい
る平均組成式Me1.02Ph0.40Vi0.08SiO1.25のオ
ルガノポリシロキサンを100重量部を用いた以外は実
施例1と同様にして片面非球面形状のレンズ成形品を得
た。また、同様にして物性評価用に平板成形品(直径8
cm、厚さ、1.8mm)も作製した。
【0127】比較例2 市販されているプラスチックレンズ用ポリメチルメタク
リレート樹脂であるアクリペットVH(三菱レイヨン
製)を用いてレンズ成形用金型を用いて射出成形法によ
り片面非球面形状のレンズ成形品を得た。また、物性評
価用に平板成形品(直径8cm、厚さ1.8mm)も作
製した。
【0128】比較例3 市販されているプラスチックレンズ用ビスフェノールA
タイプポリカーボネート樹脂であるユーピロンS200
0(三菱ガス化学製、数平均分子量24,000)を用
いてレンズ成形用金型を用いて射出成形法により片面非
球面形状のレンズ成形品を得た。また、物性評価用に平
板成形品(直径8cm、厚さ1.8mm)も作製した。
【0129】尚、レンズ成形品、及び物性評価用平板成
形品を用いて諸物性を以下に示す方法により測定し、評
価した。
【0130】屈折率:アッベ屈折率計(アタゴ社製の商
品名2T)を用いて、成形品の屈折率ndを測定した。
【0131】複屈折性:自動複屈折測定機で位相差(n
m)を測定した。
【0132】分光透過率(%):400nm〜850n
mの領域の光透過率を可視紫外分光光度計(日立自記分
光光度計)で測定した。
【0133】耐熱性:成形品を150℃の乾燥機中に2
時間放置した後、目視及び「フィルム配向ビュアー」
(ユニチカリサーチラボ社の商品名)にて成形品を観察
した。そして、変形、割れ、表面劣化、着色などの変化
が全く認められないものを○、いずれかが認められたも
のを×とした。
【0134】硬さ:JIS K7215に準じて、デュ
ロメーターを用いてJIS−A硬度を測定した。85以
上のものについては○、85未満のものについてはプラ
スチックレンズとしては硬さが不足しているので×とし
た。
【0135】飽和吸水率(%):JIS K7209
(プラスチックの吸水率の測定法)に準拠し直径8c
m、厚さ1.8mmの試験片を用いて測定した。
【0136】実施例1から6及び比較例1から3のレン
ズ成形品及び平板成形品を用いて、屈折率nd、残留複
屈折(nm)、分光透過率(%)、耐熱性、JISA硬
さ、飽和吸水率(%)を測定し、その結果を表1に示し
た。
【0137】
【表1】
【0138】表1から、本発明の試料は、屈折率nd、
残留複屈折(nm)、分光透過率(%)、耐熱性、JI
SA硬さ、飽和吸水率(%)が比較より優れていること
が判る。
【0139】
【発明の効果】本発明により、nd1.55以上の高屈
折率で、低い残留複屈折、高い光透過率の光学的基本特
性に優れ、尚かつ、高い熱安定性、低い吸水性、及び優
れた成形性を有する、光学素子を提供することができ
た。
フロントページの続き (72)発明者 辻 稔夫 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 4J002 CP021 CP031 CP041 CP081 CP091 GP01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記平均組成式〔I〕で表される珪素系
    樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物。 平均組成式〔I〕 (R1a(R2bSiO(4-a-b)/2 〔式中、R1は、各々同じでも異なっても良い、水素原
    子、水酸基、アミノ基、又は置換又は非置換の脂肪族
    基、脂環式基、アリール基、複素環基、またはこれらの
    基が酸素を介して珪素原子に結合された基から選ばれる
    基を表す。R2は、内部回転異性性を付与しうる結合軸
    を有するビアリール基または該ビアリール基が置換した
    有機基を表す。ただし、0≦a<1.5、0.3<b<
    1.8、0.8<a+b<1.8である。〕
  2. 【請求項2】 上記平均組成式〔I〕で表される珪素系
    樹脂を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする光
    学素子。
  3. 【請求項3】 前記平均組成式〔I〕におけるR1で示
    される置換基の少なくとも1種がアルケニル基であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 【請求項4】 前記アルケニル基がビニル基であること
    を特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 前記平均組成式〔I〕におけるR1で示
    される置換基の少なくとも1種が水素原子であることを
    特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の光
    学素子を有することを特徴とする光学用レンズ。
  7. 【請求項7】 光学用レンズの少なくとも一方の光学面
    が非球面形状を有することを特徴とする請求項6に記載
    の光学用レンズ。
  8. 【請求項8】 光学用レンズの光学面の両面が非球面形
    状を有することを特徴とする請求項7に記載の光学用レ
    ンズ。
JP27231399A 1999-09-27 1999-09-27 高屈折率を有する光学素子、光学用レンズ及び樹脂組成物 Pending JP2001089660A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27231399A JP2001089660A (ja) 1999-09-27 1999-09-27 高屈折率を有する光学素子、光学用レンズ及び樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27231399A JP2001089660A (ja) 1999-09-27 1999-09-27 高屈折率を有する光学素子、光学用レンズ及び樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001089660A true JP2001089660A (ja) 2001-04-03

Family

ID=17512151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27231399A Pending JP2001089660A (ja) 1999-09-27 1999-09-27 高屈折率を有する光学素子、光学用レンズ及び樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001089660A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070603A (ja) * 2005-08-09 2007-03-22 Sony Corp ナノ粒子−樹脂複合材料及びその製造方法、並びに、発光素子組立体、発光素子組立体用の充填材料、及び、光学材料
JP2010007057A (ja) * 2008-05-30 2010-01-14 Toray Ind Inc シロキサン系樹脂組成物およびこれを用いた光学デバイス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070603A (ja) * 2005-08-09 2007-03-22 Sony Corp ナノ粒子−樹脂複合材料及びその製造方法、並びに、発光素子組立体、発光素子組立体用の充填材料、及び、光学材料
JP2010007057A (ja) * 2008-05-30 2010-01-14 Toray Ind Inc シロキサン系樹脂組成物およびこれを用いた光学デバイス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2808462C (en) Water-processable silicone-containing prepolymers and uses thereof
CA2813469C (en) Polymerizable chain-extended polysiloxanes with pendant hydrophilic groups
EP3197940B1 (en) Polymerizable polysiloxanes with hydrophilic substituents
CA2811013C (en) Chain-extended polysiloxane crosslinkers with dangling hydrophilic polymer chains
US8642712B2 (en) Actinically-crosslinkable siloxane-containing copolymers
US8541483B2 (en) Silicone (meth)acrylamide monomer, polymer, ophthalmic lens, and contact lens
US8178642B2 (en) Curable organopolysiloxane composition and cured product thereof
JP2000235103A (ja) 高屈折率を有する光学素子、光学用レンズ及び光学用硬化性樹脂組成物
CA2889894C (en) Actinically-crosslinkable amphiphilic prepolymers
JP3579737B2 (ja) 高屈折率シリコーン組成物
US6285513B1 (en) Optical element
US20060204192A1 (en) Optical waveguide using polymer composed of silsesquioxane derivative
JP2000231002A (ja) 光学用レンズ
TW201100470A (en) Organosilicon compound, thermosetting composition containing said organosilicon compound and sealing material for optical semiconductor
JP2005089671A (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物
JP2004123936A (ja) シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂成形体
JP2005327777A (ja) 発光ダイオード用シリコーン樹脂組成物
TWI714561B (zh) 有機聚矽氧烷、其製造方法及可固化聚矽氧組合物
JP2000231003A (ja) 光学素子及び光学用レンズ
JP2006268037A (ja) シルセスキオキサン誘導体からなる重合体を素材とする光導波路
JP2000231001A (ja) 光学用レンズ
JP4874891B2 (ja) レンズの製造方法及びレンズ
WO2016136245A1 (ja) オルガノポリシロキサン、その製造方法、および硬化性シリコーン組成物
JP2001089660A (ja) 高屈折率を有する光学素子、光学用レンズ及び樹脂組成物
US8222364B2 (en) Composition including a siloxane and a method of forming the same