JP2001089374A - Y−24180Lipo製剤からなる噴霧剤 - Google Patents
Y−24180Lipo製剤からなる噴霧剤Info
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- JP2001089374A JP2001089374A JP26281899A JP26281899A JP2001089374A JP 2001089374 A JP2001089374 A JP 2001089374A JP 26281899 A JP26281899 A JP 26281899A JP 26281899 A JP26281899 A JP 26281899A JP 2001089374 A JP2001089374 A JP 2001089374A
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- acid
- paf
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 PAF拮抗薬であるY−24180を吸入投
与が可能な噴霧剤とすることによって、簡便かつ薬理作
用の即時発現が可能な喘息治療薬を提供すること。 【解決手段】 4−(2−クロロフェニル)−2−(2
−(4−イソブチルフェニル)エチル)−6,9−ジメ
チル−6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリ
アゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン(Y−24
180)またはその光学活性体を含有してなるリピッド
マイクロスフェア製剤またはその凍結乾燥製剤からなる
噴霧剤。
与が可能な噴霧剤とすることによって、簡便かつ薬理作
用の即時発現が可能な喘息治療薬を提供すること。 【解決手段】 4−(2−クロロフェニル)−2−(2
−(4−イソブチルフェニル)エチル)−6,9−ジメ
チル−6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリ
アゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン(Y−24
180)またはその光学活性体を含有してなるリピッド
マイクロスフェア製剤またはその凍結乾燥製剤からなる
噴霧剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血小板活性化因子
拮抗作用を有する化合物を含有する喘息治療薬であっ
て、吸入薬として使用できる噴霧剤に関する。
拮抗作用を有する化合物を含有する喘息治療薬であっ
て、吸入薬として使用できる噴霧剤に関する。
【0002】
【従来の技術】血小板活性化因子(Platelet-activatin
g factor:以下、PAFと称する)は気管支収縮、化学
走性(chemotaxis)、気道分泌(airway secretion) 、
微細血管漏出(microvascular leakage)、あるいは気道
過敏症といった種々の生理学的、病態生理学的な症状に
関与している。これらは喘息に関係し、したがってPA
Fの選択的アンタゴニストは喘息および気道過敏症の治
療に有益であると考えられてきた。種々のチエノトリア
ゾロジアゼピン誘導体の中から強いPAF拮抗作用を有
する一連の化合物が見出され(特開平1−156982
号公報)、その中で特に強いPAF拮抗作用を有する4
−(2−クロロフェニル)−2−(2−(4−イソブチ
ルフェニル)エチル)−6,9−ジメチル−6H−チエ
ノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−
a〕〔1,4〕ジアゼピン(以下、本明細書においてこ
の化合物をY−24180と称することもある)が経口
投与において喘息に有効であることが確認されている。
その光学活性体である6S−(−)−4−(2−クロロ
フェニル)−2−(2−(4−イソブチルフェニル)エ
チル)−6,9−ジメチル−6H−チエノ〔3,2−
f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピンは特開平5−86067号公報に報告さ
れている。また、Y−24180の脂肪乳剤からなる静
脈投与が可能な製剤が知られている(特開平4−108
732号公報)が、有効性、即効性、簡便さという点で
は十分とはいえない。
g factor:以下、PAFと称する)は気管支収縮、化学
走性(chemotaxis)、気道分泌(airway secretion) 、
微細血管漏出(microvascular leakage)、あるいは気道
過敏症といった種々の生理学的、病態生理学的な症状に
関与している。これらは喘息に関係し、したがってPA
Fの選択的アンタゴニストは喘息および気道過敏症の治
療に有益であると考えられてきた。種々のチエノトリア
ゾロジアゼピン誘導体の中から強いPAF拮抗作用を有
する一連の化合物が見出され(特開平1−156982
号公報)、その中で特に強いPAF拮抗作用を有する4
−(2−クロロフェニル)−2−(2−(4−イソブチ
ルフェニル)エチル)−6,9−ジメチル−6H−チエ
ノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−
a〕〔1,4〕ジアゼピン(以下、本明細書においてこ
の化合物をY−24180と称することもある)が経口
投与において喘息に有効であることが確認されている。
その光学活性体である6S−(−)−4−(2−クロロ
フェニル)−2−(2−(4−イソブチルフェニル)エ
チル)−6,9−ジメチル−6H−チエノ〔3,2−
f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピンは特開平5−86067号公報に報告さ
れている。また、Y−24180の脂肪乳剤からなる静
脈投与が可能な製剤が知られている(特開平4−108
732号公報)が、有効性、即効性、簡便さという点で
は十分とはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、Y−2
4180およびその光学活性体を喘息治療薬として開発
するに当たり、その対象とする疾患が急性である場合が
多いと推測されることから、薬理作用の即時発現が肝要
であると考え、剤形として吸入剤を選択した。吸入剤の
調製方法の1つのとしてY−24180を超微粉化した
噴霧剤を検討したが、粉末自体が粘着性を有し、動物実
験において噴霧剤としての有用性を見出すまでには至ら
なかった。また、プロピレングリコールに溶解したY-24
180は、その高い粘性によって微細なエアロゾルを作る
ことはできなかった。
4180およびその光学活性体を喘息治療薬として開発
するに当たり、その対象とする疾患が急性である場合が
多いと推測されることから、薬理作用の即時発現が肝要
であると考え、剤形として吸入剤を選択した。吸入剤の
調製方法の1つのとしてY−24180を超微粉化した
噴霧剤を検討したが、粉末自体が粘着性を有し、動物実
験において噴霧剤としての有用性を見出すまでには至ら
なかった。また、プロピレングリコールに溶解したY-24
180は、その高い粘性によって微細なエアロゾルを作る
ことはできなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リピッド
マイクロスフェア(lipid microspheres) を薬物の運
搬体として利用する技術に着目し、検討の結果、Y−2
4180をリピッドマイクロスフェア製剤(LM製剤)
とすることによって安定で吸入投与の可能な噴霧剤に調
製できることを見出した。すなわち、本発明は強いPA
F拮抗作用を有する4−(2−クロロフェニル)−2−
(2−(4−イソブチルフェニル)エチル)−6,9−
ジメチル−6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕
トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン(Y−
24180)またはその光学活性体を含有してなるリピ
ッドマイクロスフェア製剤またはその凍結乾燥製剤から
なる噴霧剤を提供する。その光学活性体としては6S−
(−)−4−(2−クロロフェニル)−2−(2−(4
−イソブチルフェニル)エチル)−6,9−ジメチル−
6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ
〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピンが挙げられる。
マイクロスフェア(lipid microspheres) を薬物の運
搬体として利用する技術に着目し、検討の結果、Y−2
4180をリピッドマイクロスフェア製剤(LM製剤)
とすることによって安定で吸入投与の可能な噴霧剤に調
製できることを見出した。すなわち、本発明は強いPA
F拮抗作用を有する4−(2−クロロフェニル)−2−
(2−(4−イソブチルフェニル)エチル)−6,9−
ジメチル−6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕
トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン(Y−
24180)またはその光学活性体を含有してなるリピ
ッドマイクロスフェア製剤またはその凍結乾燥製剤から
なる噴霧剤を提供する。その光学活性体としては6S−
(−)−4−(2−クロロフェニル)−2−(2−(4
−イソブチルフェニル)エチル)−6,9−ジメチル−
6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ
〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピンが挙げられる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用するY−24180
含有リピッドマイクロスフェア製剤(以下、本明細書に
おいてLipo Y-24180と称することもある)は、通常良く
知られている方法により製造することができる。油成分
に所定量のY−24180、乳化剤、安定化剤、等張化
剤および必要に応じて乳化補助剤を加え、40〜95℃
に加温して溶解させ、これに蒸留水を加えてホモジナイ
ザーで均一化して粗乳化液を得、次いでこれに必要量の
水を加え、たとえばマントン−ゴウリン型ホモジナイザ
ーを用いて同温度で加圧乳化して、平均粒子径が0.0
5〜0.4μmとなるように分散、乳化することによっ
てLM製剤を得る。また、必要に応じ遠心分離操作によ
って0.4μmより大きい粒子を除くこともできる。油
成分としては大豆油、綿実油、ごま油、サフラワー油、
コーン油、オリーブ油のような植物油が用いられ、この
中で大豆油が好適である。大豆油は一般に高純度の精製
大豆油であり、水蒸気蒸留法などにより、さらに精製し
て得た高純度の精製大豆油(純度:トリグリセリド、ジ
グリセリドおよびモノグリセリドとして99.9%以上
含有)であることが望ましい。
含有リピッドマイクロスフェア製剤(以下、本明細書に
おいてLipo Y-24180と称することもある)は、通常良く
知られている方法により製造することができる。油成分
に所定量のY−24180、乳化剤、安定化剤、等張化
剤および必要に応じて乳化補助剤を加え、40〜95℃
に加温して溶解させ、これに蒸留水を加えてホモジナイ
ザーで均一化して粗乳化液を得、次いでこれに必要量の
水を加え、たとえばマントン−ゴウリン型ホモジナイザ
ーを用いて同温度で加圧乳化して、平均粒子径が0.0
5〜0.4μmとなるように分散、乳化することによっ
てLM製剤を得る。また、必要に応じ遠心分離操作によ
って0.4μmより大きい粒子を除くこともできる。油
成分としては大豆油、綿実油、ごま油、サフラワー油、
コーン油、オリーブ油のような植物油が用いられ、この
中で大豆油が好適である。大豆油は一般に高純度の精製
大豆油であり、水蒸気蒸留法などにより、さらに精製し
て得た高純度の精製大豆油(純度:トリグリセリド、ジ
グリセリドおよびモノグリセリドとして99.9%以上
含有)であることが望ましい。
【0006】油成分の乳化剤としては、リン脂質、水素
添加リン脂質、レシチン、水素添加レシチン、リゾレシ
チンなどが挙げあられるが、これらはその由来を限定さ
れず、たとえば大豆のような植物由来のものや卵黄のよ
うな動物由来のものなどを用いることができる。また、
乳化剤として非イオン性界面活性剤も用いることがで
き、これには分子量8000〜20000の高分子系の
ものが好適であり、たとえばポリオキシエチレン−ポリ
オキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル、ポリオキシエチレン付加トリ脂肪酸グリセライド
等がある。これらの乳化剤は単独で使用してもよく、適
当に混合使用してもよい。好ましい乳化剤は、一般に精
製リン脂質であり、常法の有機溶媒による分画法によっ
て調製することができる。すなわち、たとえば粗卵黄リ
ン脂質130gを冷n−ヘキサン200mlおよび冷ア
セトン100mlに溶解後、攪拌下、徐々に冷アセトン
1170mlを添加し、不溶物を濾別回収し、再び冷ア
セトン1170mlを加え、不溶物を濾別回収した後、
溶媒を留去し、乾燥物60gを得る。このものは、ホス
ファチジルコリンを70〜80%、ホスファチジルエタ
ノールアミンを12〜25%含有し、これ以外のリン脂
質として、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジ
ルセリン、スフィンゴミエリンを含有する。〔D.J.Hana
han et.al., J.Biol.Chem., 192, 623〜628 (1951 年)
〕。 安定化剤として0.5%(W/V)以下、好ま
しくは0.1%(W/V)以下の量のコレステロール類
または5%(W/V)以下、好ましくは1%(W/V)
以下の量のホスファチジン酸を添加することができる。
添加リン脂質、レシチン、水素添加レシチン、リゾレシ
チンなどが挙げあられるが、これらはその由来を限定さ
れず、たとえば大豆のような植物由来のものや卵黄のよ
うな動物由来のものなどを用いることができる。また、
乳化剤として非イオン性界面活性剤も用いることがで
き、これには分子量8000〜20000の高分子系の
ものが好適であり、たとえばポリオキシエチレン−ポリ
オキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル、ポリオキシエチレン付加トリ脂肪酸グリセライド
等がある。これらの乳化剤は単独で使用してもよく、適
当に混合使用してもよい。好ましい乳化剤は、一般に精
製リン脂質であり、常法の有機溶媒による分画法によっ
て調製することができる。すなわち、たとえば粗卵黄リ
ン脂質130gを冷n−ヘキサン200mlおよび冷ア
セトン100mlに溶解後、攪拌下、徐々に冷アセトン
1170mlを添加し、不溶物を濾別回収し、再び冷ア
セトン1170mlを加え、不溶物を濾別回収した後、
溶媒を留去し、乾燥物60gを得る。このものは、ホス
ファチジルコリンを70〜80%、ホスファチジルエタ
ノールアミンを12〜25%含有し、これ以外のリン脂
質として、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジ
ルセリン、スフィンゴミエリンを含有する。〔D.J.Hana
han et.al., J.Biol.Chem., 192, 623〜628 (1951 年)
〕。 安定化剤として0.5%(W/V)以下、好ま
しくは0.1%(W/V)以下の量のコレステロール類
または5%(W/V)以下、好ましくは1%(W/V)
以下の量のホスファチジン酸を添加することができる。
【0007】また、乳剤を等張化するために、通常用い
られるグリセリンおよびブドウ糖などの等張化剤を添加
することもできる。LM製剤は、さらに0.3%(W/
V)までの量の炭素数6〜30の脂肪酸、その生理的に
受け入れられる塩またはモノグリセライドを油成分の乳
化を助成するための乳化補助剤として含んでいてもよ
い。乳化補助剤としての炭素数6〜30の脂肪酸または
医薬品に添加可能なものであれば使用できる。当該脂肪
酸は直鎖状、分枝状あるいは飽和、不飽和脂肪酸のいず
れでもよいが、好ましくは直鎖状のもが使用される。ま
た、天然脂肪酸が好都合に使用される。好ましい脂肪酸
の具体例としては、たとえばカプリル酸、カプリン酸、
ラウリル酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、リノレン
酸、ミリスチン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸
などが挙げられる。上記脂肪酸の塩としては、生理的に
受け入れられる塩、たとえばアルカリ金属塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属(カルシウ
ム塩など)などがあげられる。さらにこの脂肪酸のモノ
グリセライドとしても、上記したもののモノグリセライ
ドが好ましい。
られるグリセリンおよびブドウ糖などの等張化剤を添加
することもできる。LM製剤は、さらに0.3%(W/
V)までの量の炭素数6〜30の脂肪酸、その生理的に
受け入れられる塩またはモノグリセライドを油成分の乳
化を助成するための乳化補助剤として含んでいてもよ
い。乳化補助剤としての炭素数6〜30の脂肪酸または
医薬品に添加可能なものであれば使用できる。当該脂肪
酸は直鎖状、分枝状あるいは飽和、不飽和脂肪酸のいず
れでもよいが、好ましくは直鎖状のもが使用される。ま
た、天然脂肪酸が好都合に使用される。好ましい脂肪酸
の具体例としては、たとえばカプリル酸、カプリン酸、
ラウリル酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、リノレン
酸、ミリスチン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸
などが挙げられる。上記脂肪酸の塩としては、生理的に
受け入れられる塩、たとえばアルカリ金属塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属(カルシウ
ム塩など)などがあげられる。さらにこの脂肪酸のモノ
グリセライドとしても、上記したもののモノグリセライ
ドが好ましい。
【0008】本発明のLM製剤は、通常、油成分5〜5
0%(W/V)、好ましくは8〜30%(W/V)、油
成分100に対する重量比が1〜50の量の乳化剤およ
び適量の安定化剤、等張化剤、水等から主としてなる。
LM製剤中に配合される本化合物の量はその形態や用途
によって異なるが、通常、LM製剤中の0.001〜1
0%(W/V)好ましくは0.01〜5%(W/V)で
ある。かくして得られるLipo Y-24180は、粒子径が1μ
m以下(平均粒子径0.2μm)の極めて微細で安定な
LM製剤である。本発明の噴霧剤は、上記のようにして
得られるLM製剤を液状製剤としてそのまま、あるいは
既知の手段によって凍結乾燥した乾燥製剤としても提供
され得る。これらは使用時に生理的に許容される水溶液
によって希釈または分散して用いることができ、またネ
ブライザーに封入することによって、患者に提供するこ
とができる。
0%(W/V)、好ましくは8〜30%(W/V)、油
成分100に対する重量比が1〜50の量の乳化剤およ
び適量の安定化剤、等張化剤、水等から主としてなる。
LM製剤中に配合される本化合物の量はその形態や用途
によって異なるが、通常、LM製剤中の0.001〜1
0%(W/V)好ましくは0.01〜5%(W/V)で
ある。かくして得られるLipo Y-24180は、粒子径が1μ
m以下(平均粒子径0.2μm)の極めて微細で安定な
LM製剤である。本発明の噴霧剤は、上記のようにして
得られるLM製剤を液状製剤としてそのまま、あるいは
既知の手段によって凍結乾燥した乾燥製剤としても提供
され得る。これらは使用時に生理的に許容される水溶液
によって希釈または分散して用いることができ、またネ
ブライザーに封入することによって、患者に提供するこ
とができる。
【0009】
【実施例】本発明を以下の実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
た、その安定性および効果を試験例により説明する。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
た、その安定性および効果を試験例により説明する。
【0010】実施例1 精製大豆油100gに卵黄リン脂質12g、(±)−4
−(2−クロロフェニル)−2−(2−(4−イソブチ
ルフェニル)エチル)−6,9−ジメチル−6H−チエ
ノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−
a〕〔1,4〕ジアゼピン1gを加え、ホモジナイザー
を用いて約90℃に加温して溶解させる。これに注射用
蒸留水900mlと局方グルセリン25gを加え、さら
に90℃で高速ホモジナイザーを用い粗乳化液を得る。
この粗乳化液をマントン−ゴウリン型高圧ホモジナイザ
ーに投入し、液温を約70℃に保ちながら乳化を行って
均質な乳化液を得る。このものをレーザー回折式の粒度
分布計によって測定した平均粒子径は0.2μmであ
る。このようにして得た微粒子LM製剤をネブライザー
に封入することによってY−24180含有の噴霧剤を
得る。
−(2−クロロフェニル)−2−(2−(4−イソブチ
ルフェニル)エチル)−6,9−ジメチル−6H−チエ
ノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−
a〕〔1,4〕ジアゼピン1gを加え、ホモジナイザー
を用いて約90℃に加温して溶解させる。これに注射用
蒸留水900mlと局方グルセリン25gを加え、さら
に90℃で高速ホモジナイザーを用い粗乳化液を得る。
この粗乳化液をマントン−ゴウリン型高圧ホモジナイザ
ーに投入し、液温を約70℃に保ちながら乳化を行って
均質な乳化液を得る。このものをレーザー回折式の粒度
分布計によって測定した平均粒子径は0.2μmであ
る。このようにして得た微粒子LM製剤をネブライザー
に封入することによってY−24180含有の噴霧剤を
得る。
【0011】試験例1:安定性試験 10 mgまたは20 mgのY−24180を大豆油1 gに溶解し、実
施例1と同様の方法でY−24180を1または2mg/mL含有
するLMとした。4℃または40℃に保存して経時的に粒
子径(平均値±標準偏差;nm)を測定した。 LM剤の
粒子径はCoulter N4 particle analyzer (Coulter, Hia
leah, FL, USA)で測定した。また、高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて本化合物の含量を調べ、各々の保存温
度における各サンプルの0週時点の測定値に対する4週
時点での相対値で表した。その結果を表1および表2に
まとめた。
施例1と同様の方法でY−24180を1または2mg/mL含有
するLMとした。4℃または40℃に保存して経時的に粒
子径(平均値±標準偏差;nm)を測定した。 LM剤の
粒子径はCoulter N4 particle analyzer (Coulter, Hia
leah, FL, USA)で測定した。また、高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて本化合物の含量を調べ、各々の保存温
度における各サンプルの0週時点の測定値に対する4週
時点での相対値で表した。その結果を表1および表2に
まとめた。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】 その結果、4℃におけるLM(1 mg/mL)の平均サイズ
は216±34 nmであり、40℃においてもほとんどサイズの
変化はなかった。また、粒子サイズは少なくとも3ヶ月
以上一定であった。同様の結果がLM製剤(2 mg/mL)で
も得られた(表1)。LMにおけるY-24180の量は1ヶ月
後、4℃で98.7%のY-24180が存在した。また、40℃で
この化合物の92.9%が変化せずに残った(表2)。
は216±34 nmであり、40℃においてもほとんどサイズの
変化はなかった。また、粒子サイズは少なくとも3ヶ月
以上一定であった。同様の結果がLM製剤(2 mg/mL)で
も得られた(表1)。LMにおけるY-24180の量は1ヶ月
後、4℃で98.7%のY-24180が存在した。また、40℃で
この化合物の92.9%が変化せずに残った(表2)。
【0014】試験例2:モルモットPAF誘発呼吸抵抗
に対する作用 350−400gの雌性Hartleyモルモットを用いた。動物は
一定温度(23±1℃)、湿度(50−60%)で標準餌と水を
自由に摂取できる状況下で飼育した。飼育室は12時間の
明暗サイクル(光照射:6:30−18:30)とした。気管支
収縮はモルモットの耳静脈からPAF(Bachem Fine Ch
em. AG製)を投与することによって誘発させた。 呼吸
流量抵抗(Rrs)はPMR−2 apparartus (Shizume Medica
l Co. Ltd., Tokyo, Japan )を用いてMeadの方法(J. A
ppl. Physiol. 1960; 15: 325-336)を若干改変して測
定した。PAFはエタノール中で貯蔵溶液とし、−20℃
で保存した。この溶液は使用前に生理食塩水で希釈し
た。統計解析はMann-Whitney U-testによって行ない、p
< 0.05を有意性ありとした。
に対する作用 350−400gの雌性Hartleyモルモットを用いた。動物は
一定温度(23±1℃)、湿度(50−60%)で標準餌と水を
自由に摂取できる状況下で飼育した。飼育室は12時間の
明暗サイクル(光照射:6:30−18:30)とした。気管支
収縮はモルモットの耳静脈からPAF(Bachem Fine Ch
em. AG製)を投与することによって誘発させた。 呼吸
流量抵抗(Rrs)はPMR−2 apparartus (Shizume Medica
l Co. Ltd., Tokyo, Japan )を用いてMeadの方法(J. A
ppl. Physiol. 1960; 15: 325-336)を若干改変して測
定した。PAFはエタノール中で貯蔵溶液とし、−20℃
で保存した。この溶液は使用前に生理食塩水で希釈し
た。統計解析はMann-Whitney U-testによって行ない、p
< 0.05を有意性ありとした。
【0015】図1にLipo Y−24180のエアロゾル吸入効
果の結果を示した。エアロゾル吸入はDevilbiss Pulmo-
Aide 646 compressed-air nebulizer (Somerset, PA, U
SA)を用いて2分間行ない、ついでPAFを静脈投与し
た。データはコントロールに対する呼吸流量抵抗率(re
spiratory flow resistance percent; Rrs %)で表し
た。PAF(0.15μg/kg)はチャレンジ後0.5分でベ
ースライン上、最大の気管支収縮66.2±8.0%を引き起こ
した。図1に示した通り、Lipo Y−24180(100μg/mL)
はPAF誘発気管支収縮を著しく抑制した。Lipo Y−24
180 10μg/mLは有意な抑制を示さなかったが、30μg/m
L吸入モルモットでPAF誘発気管支収縮に対し、有意
な阻害が観察された。このように、Lipo Y-24180のエア
ロゾル吸入がPAF誘発気管支収縮に対し、劇的な抑制
効果を示した。これは、 Lipo Y-24180を静脈内投与し
たときよりも強い抑制効果である。経口投与といった他
の投与経路のそれと比較したとき、薬物のエアロゾルに
よる送達はより高い肺濃度とより低い全身的な濃度を達
成することが期待でき、LMはPAF拮抗薬だけでなく
他の抗喘息薬など、種々の抗喘息薬の薬理学的効力を高
めるための価値ある薬物担体である。
果の結果を示した。エアロゾル吸入はDevilbiss Pulmo-
Aide 646 compressed-air nebulizer (Somerset, PA, U
SA)を用いて2分間行ない、ついでPAFを静脈投与し
た。データはコントロールに対する呼吸流量抵抗率(re
spiratory flow resistance percent; Rrs %)で表し
た。PAF(0.15μg/kg)はチャレンジ後0.5分でベ
ースライン上、最大の気管支収縮66.2±8.0%を引き起こ
した。図1に示した通り、Lipo Y−24180(100μg/mL)
はPAF誘発気管支収縮を著しく抑制した。Lipo Y−24
180 10μg/mLは有意な抑制を示さなかったが、30μg/m
L吸入モルモットでPAF誘発気管支収縮に対し、有意
な阻害が観察された。このように、Lipo Y-24180のエア
ロゾル吸入がPAF誘発気管支収縮に対し、劇的な抑制
効果を示した。これは、 Lipo Y-24180を静脈内投与し
たときよりも強い抑制効果である。経口投与といった他
の投与経路のそれと比較したとき、薬物のエアロゾルに
よる送達はより高い肺濃度とより低い全身的な濃度を達
成することが期待でき、LMはPAF拮抗薬だけでなく
他の抗喘息薬など、種々の抗喘息薬の薬理学的効力を高
めるための価値ある薬物担体である。
【0016】
【発明の効果】かくして得られた噴霧剤により、Y−2
4180を吸入投与することが可能となった。本噴霧剤
は、吸入投与によって気道へ直接的に薬物を送達するこ
とができ、効果的な治療が可能である。また、薬理作用
の即時発現が期待でき、しかもより簡便であるばかりで
なく、喘息等の治療に要する薬物量を低減させるために
おいても望ましい方法である。さらにまた、その粒子は
極めて微細であり、保存安定性も非常に良好である。従
って、本発明により得られる噴霧剤は、気管支喘息、気
道過敏症といったPAFが関与すると考えられる喘息の
治療に用いることができる。その投与はY−24180
またはその光学活性体として0.01〜100mgの割
合で、1日1または数回吸入することにより行う。
4180を吸入投与することが可能となった。本噴霧剤
は、吸入投与によって気道へ直接的に薬物を送達するこ
とができ、効果的な治療が可能である。また、薬理作用
の即時発現が期待でき、しかもより簡便であるばかりで
なく、喘息等の治療に要する薬物量を低減させるために
おいても望ましい方法である。さらにまた、その粒子は
極めて微細であり、保存安定性も非常に良好である。従
って、本発明により得られる噴霧剤は、気管支喘息、気
道過敏症といったPAFが関与すると考えられる喘息の
治療に用いることができる。その投与はY−24180
またはその光学活性体として0.01〜100mgの割
合で、1日1または数回吸入することにより行う。
【図1】PAF誘発気管支収縮に対するLipo Y-24180の
吸入効果を示した図である。
吸入効果を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA24 BB22 BB25 CC15 DD38 DD63 EE53 FF36 FF68 4C086 AA01 AA02 CB13 GA16 MA01 MA04 MA13 NA10 ZA59 ZC48
Claims (1)
- 【請求項1】 4−(2−クロロフェニル)−2−(2
−(4−イソブチルフェニル)エチル)−6,9−ジメ
チル−6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリ
アゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピンまたはその
光学活性体を含有してなるリピッドマイクロスフェア製
剤またはその凍結乾燥製剤からなる噴霧剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26281899A JP2001089374A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | Y−24180Lipo製剤からなる噴霧剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26281899A JP2001089374A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | Y−24180Lipo製剤からなる噴霧剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001089374A true JP2001089374A (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17381051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26281899A Pending JP2001089374A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | Y−24180Lipo製剤からなる噴霧剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001089374A (ja) |
-
1999
- 1999-09-17 JP JP26281899A patent/JP2001089374A/ja active Pending
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