JP2001089370A - 肝疾患治療剤 - Google Patents

肝疾患治療剤

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JP2001089370A
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JP
Japan
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zaltoprofen
medicine
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hepatic failure
dose
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JP27008799A
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Toshihiro Okamoto
俊博 岡本
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Nippon Chemiphar Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemiphar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な肝疾患治療剤を提供すること。 【解決手段】ザルトプロフェンを肝疾患治療剤の有効成
分として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はザルトプロフェンを
有効成分として含有する肝疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、本邦で市販されている肝疾患治療
剤としては、インターフェロン(IFN)、ウルソデオ
キシコ−ル酸、グリチルリチン酸・DL−メチオニン、
グリチルリチンなどが知られている。このうちインタ−
フェロンはC型肝炎に有効であるが、間質性肺炎、重篤
なうつ状態、自殺企図などの重大な副作用が問題となっ
ている。また、グリチルリチンは経口剤では効果が弱
く、服用に不便な注射剤が主として使用されている。従
って、重篤な副作用がなく、しかも服用が容易な経口剤
として使用できる肝疾患治療剤を提供することが求めら
れている。
【0003】ザルトプロフェン「(±)−2−(10,
11−dihydro−10−oxodibenzo
[b,f]thiepin−2−yl)propion
icacid」は慢性関節リウマチ、変形性関節症、腰
痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群並びに手術後・外傷
後、抜歯後の炎症・疼痛に有用性が高く、安全性も高い
非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)として知られ、
広く本邦で使用されている。(特公昭61−7199)
【0004】ところで、Biochem. Pharm
acol.,38,627(1989)にはNSAID
のインドメタシンがガラクトサミン−エンドトキシンで
誘発された肝炎には、有効であるが、ガラクトサミン−
TNF−αで誘発された肝炎については、コントロール
との有意差は認められていない旨の報告がなされてい
る。また、Biochem. Pharmacol.,
37,2569(1988)には、同じくNSAIDの
アスピリン及びイブプロフェンがガラクトサミン−エン
ドトキシンで誘発された肝炎に影響を与えなかった旨の
試験結果が示されている。
【0005】一方、特開平8−113536号公報には
この文献記載の活性物質が抗炎症剤として使用でき、更
に肝疾患治療剤としても使用できる旨の記載がある。し
かしながら、この文献中での肝疾患治療剤の記載は活性
物質が有するかもしれない薬効を例示したにすぎず、薬
理実験等で具体的に裏付けされたものではない。従っ
て、NSAIDが肝疾患治療剤として有効であるか否か
については現時点での明確な結論は得られていない。事
実、現在まで本邦において、NSAIDは肝疾患治療剤
として市場に供給されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は新規な
肝疾患治療剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の目的はザ
ルトプロフェンを有効成分として含有する肝疾患治療剤
を提供することにある。
【0008】本発明の有効物質であるザルトプロフェン
は抗炎症剤として広く使用されており、その安全性は確
認されている。
【0009】次に本発明の薬理実験結果を示す。後記実
施例2から、ザルトプロフェンは、コンカナバリン A
により誘発されたマウス肝臓障害モデルにおいて、10
0mg/kg経口投与することによりコンカナバリン
Aによって誘発された肝障害を有意に抑制することが明
らかになった。また、後記実施例3から、マウス抗Fa
s抗体により誘発されたマウス肝臓障害モデルにおいて
もザルトプロフェンは、抗Fas抗体によって誘発され
た肝障害を有意に抑制することが明らかになった。従っ
て、ザルトプロフェンを有効成分として含有する製剤
は、急性肝炎、ウイルス性慢性肝炎、アルコール性肝
炎、肝硬変、自己免疫性肝炎、肝癌等の肝疾患治療剤と
して有用である。
【0010】本発明の肝疾患治療剤は、有効成分である
ザルトプロフェンが抗炎症剤として使用される際の使用
方法と同様な方法で取り扱うことができる。即ち、ヒト
に対して一般的な経口投与又は非経口投与のような適当
な投与方法によって投与することができる。
【0011】製剤化するためには、製剤の技術分野にお
ける通常の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸
濁剤、注射剤、坐薬等の剤型に製造することができる。
これらの調製には、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑
沢剤、色素、希釈剤などが用いられる。ここで、賦形剤
としては、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、
ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)など
が、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タル
クなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロ
ース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(P
VP)などが挙げられる。
【0012】投与量は通常成人においては、注射剤で有
効成分であるザルトプロフェンを1日約0.5mg〜1
00mg,経口投与で1日1mg〜1000mgである
が、年齢、症状等により増減することができる。なお、
ザルトプロフェンの場合、肝疾患治療剤としての投与量
は、抗炎症剤の投与量に比べ、より低用量から用いるこ
とができる。また、本発明の有効成分であるザルトプロ
フェンを肝疾患治療剤として用いる場合、単独投与の
他、インターフェロン、グリチルリチンなどの他の肝疾
患治療剤と併用して使用することもできる。
【0013】次に、実施例にて本発明を更に詳細に説明
するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】製剤例(錠剤) 1錠(150mg)中、下記成分を含有する。 活性成分(ザルトプロフェン) 40mg ラクトース 70 でんぷん 30 ステアリン酸マグネシウム 2 ヒドロキシプロピルセルロース 8
【0014】
【実施例2】(薬理実験例) コンカナバリン Aにより誘発されたマウス肝障害モデ
ルにおけるALT上昇抑制作用 (試験方法)コンカナバリンAを生理食塩水に溶かし、
BALB/Cマウス(日本チャールス・リバー産の17
〜22g雌:日本生物材料センターから入手)に静脈内
投与し、(投与量:10mg/kg、投与液量:100
μl)、24時間後に腹部大動脈より採血し、Karm
en法(J.Clin.Invest.34,p126
−133(1955年))により血清中のALT(al
anine aminotransferase)を測
定した。被験薬物(ザルトプロフェン)は、1%メチル
セルロース(MC)溶液に溶解し、コンカナバリン A
投与1時間前に経口投与した。(投与量:100mg/
kg、投与液量:10ml/kg)
【0015】(試験結果)試験結果を表1に示す。
【0016】
【表1】 表1から明らかな様に、ザルトプロフェンは経口投与に
よりコンカナバリンAによって誘発されたALTの上昇
を有意に抑制することが明らかになった。
【0017】
【実施例3】(薬理実験例) マウス抗Fas抗体により誘発されたマウス肝障害モデ
ルにおけるALT上昇抑制作用 (試験方法)マウス抗Fas抗体(Pharminge
n(SanDiego,CA.USA)より入手)を生
理食塩水に溶かし、BALB/Cマウス(日本チャール
ス・リバー産の17〜22g雌:日本生物材料センター
から入手)に静脈内投与し、(投与量:150μg/k
g、投与液量:100μl)、3.5時間後に腹部大動
脈より採血し、Karmen法により血清中のALTを
測定した。被験薬物(ザルトプロフェン)は1%MC溶
液に溶解し、抗Fas抗体投与1時間前に経口投与し
た。(投与量:100mg/kg、投与液量:10ml
/kg)
【0018】(試験結果)試験結果を表2に示す。
【表2】
【0019】表2から明らかな様に、ザルトプロフェン
は、経口投与により抗Fas抗体によって誘発されたA
LTの上昇を有意に抑制した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ザルトプロフェンを有効成分として含有す
    る肝疾患治療剤。
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