JP2001089106A - 燃料改質器の起動方法 - Google Patents

燃料改質器の起動方法

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JP2001089106A
JP2001089106A JP26015499A JP26015499A JP2001089106A JP 2001089106 A JP2001089106 A JP 2001089106A JP 26015499 A JP26015499 A JP 26015499A JP 26015499 A JP26015499 A JP 26015499A JP 2001089106 A JP2001089106 A JP 2001089106A
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starting
oxidation rate
fuel reformer
fuel
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Isao Nakagawa
功夫 中川
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の耐熱温度を超えないおよび触媒の酸化
劣化が起こらない条件下にて、起動時における触媒層の
速やかな温度上昇を可能とし、起動時間の短縮を図った
水蒸気改質反応と部分酸化改質反応とを併用する燃料改
質器の起動方法を提供する。 【解決手段】 水蒸気改質反応に対する部分酸化改質反
応の割合を部分酸化率で定義した場合に、燃料改質器の
起動時における部分酸化率を、定常運転時における部分
酸化率よりも大とする、例えば、定常運転時における部
分酸化率を21%〜30%とし、起動時における部分酸
化率を40〜60%とする。また、起動時から定常運転
時に至る部分酸化率の値を、触媒層入口温度の変動を考
慮して予めシミュレーションにより定めた部分酸化率の
変動曲線に沿うように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、メタンガスやメ
タノール,エタノール,ガソリン等の液状の炭化水素と
水との混合物を気化した原燃料ガスを酸化剤ガスととも
に改質触媒層に通流し、水蒸気改質反応と部分酸化改質
反応との併用によって水素リッチな改質ガスを生成する
燃料改質器の起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような燃料改質器は、一般の化学
プラントにおける使用以外に、燃料電池発電装置などの
燃料ガス供給装置として、広く利用されている。
【0003】燃料電池は、燃料の有する化学エネルギー
を、機械エネルギーや熱エネルギーを経由することなく
直接電気エネルギーに変換する装置であり、高いエネル
ギー効率が実現可能である。良く知られた燃料電池の形
態としては、電解質層を挟んで一対の電極を配置し、一
方の電極(アノード)側に水素を含有する燃料ガスを供
給するとともに他方の電極(カソード)側に酸素を含有
する酸化剤ガスを供給するものであり、両極間で起きる
電気化学反応を利用して起電力を得る。以下に、燃料電
池で起きる電気化学反応を表す式を示す。(1)式はア
ノード側に於ける反応、(2)式はカソード側に於ける
反応を表し、燃料電池全体では(3)式に表す反応が進
行する。
【0004】
【化1】 H2→2H++2e- ………(1)
【0005】
【化2】 1/2O2+2H++2e-→H2O ………(2)
【0006】
【化3】 H2+1/2O2→H2O ………(3) 燃料電池発電装置は、使用する電解質の種類により分類
されるが、これらの燃料電池の中で、固体高分子型燃料
電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池等で
は、その電解質の性質から、二酸化炭素を含んだ酸化ガ
スや炭酸ガスを使用することが可能である。そこで通常
これらの燃料電池では、空気を酸化ガスとして用い、メ
タノールや天然ガス等の炭化水素系の原燃料を水蒸気改
質して生成した水素を含むガスを燃料ガスとして用いて
いる。
【0007】そのため、この様な燃料電池を備える燃料
電池システムには改質装置が設けられており、この改質
装置において原燃料の改質を行ない燃料ガスを生成して
いる。
【0008】原燃料を燃料ガスに改質する改質装置とし
ては、原燃料に水を加えて加熱し、水蒸気と原燃料を触
媒を用いて改質する水蒸気改質反応を利用したものがよ
く知られている。
【0009】最近では、上記水蒸気改質反応を利用した
燃料改質装置以外に、装置のコンパクト性や短時間起動
を要求される電気自動車用や可搬型の燃料電池発電装置
を主対象として、部分酸化反応を水蒸気改質反応と併用
するタイプの改質装置が開発されている。また上記のよ
うな燃料電池発電装置の場合、原燃料としては、メタノ
ール,エタノール,ガソリン等の液状の炭化水素と水と
を混合してなる液体燃料を気化したものが用いられる。
【0010】以下に改質器に於ける原燃料の改質反応に
ついて説明する。例えば、まずメタノールを原燃料とし
てこれを水蒸気改質する場合について説明する。
【0011】
【化4】 CH3OH→CO+2H2 +90.13 KJ/mol ………(4)
【0012】
【化5】 CO+H2O→CO2+H2 -41.17 KJ/mol ………(5)
【0013】
【化6】 CH3OH+H2O→CO2+3H2 +48.96 KJ/mol ………(6) メタノールを水蒸気改質するときの反応では(4)式で
示したメタノールの分解反応と(5)式で示した一酸化
炭素の変成反応とが同時に進行し、全体として(6)式
の反応が起こる。このように、原燃料をただ単に水蒸気
改質させる反応は吸熱反応であるため、改質に必要な熱
量を外から供給する必要がある。
【0014】一方、メタノールの水蒸気改質と部分酸化
反応を併用して行なう改質方法について以下に説明す
る。
【0015】
【化7】 CH3OH+H2O →CO2+3H2 +48.96 KJ/mol ………(7)
【0016】
【化8】 CH3OH+1/2O2 →CO2+2H2 -192.86 KJ/mol ……(8)
【0017】
【化9】 CH3OH+1/4O2+1/2H2O→CO2+2/5H2 -71.95 KJ/mol ………(9) メタノールの部分酸化改質反応は(8)式に示すように
発熱反応である。これを、(7)式の水蒸気反応と半々
に行なわせると全体として(9)式の反応となり、発熱
反応となる。どちらをどの位の割合で行なわせるかは、
部分酸化用の酸素の供給量で調節して、実際には吸熱と
発熱がバランスする程度(メタノール1モルに対して
0.15モル程度)の酸素を含む空気を供給して触媒層
入口の温度を300〜400℃程度に保ちながら改質反
応を継続させる。この方法は、水蒸気改質反応のみを行
なわせる場合と異なり、改質に必要な熱量を外から供給
する必要がなく、改質器の構造が簡単になるという利点
がある。
【0018】改質器は、通常、粒状触媒を充填した容器
であって、水蒸気改質反応のみを行なわせるタイプの改
質器は一般に多重円筒型であり、その中心には反応に必
要な熱を供給するためのバーナと炉体があり、その周囲
を囲むように円筒上の触媒充填層がある。一方、水蒸気
改質と部分酸化改質を併用する改質器においては、上述
の理由で、外側から熱を与える必要がないために、触媒
充填層は比較的任意の構造とすることができる。
【0019】なお、原燃料であるメタノールは水蒸気改
質用の水と一定の割合で混合した状態で蒸発器ヘと供給
され、ここでガス化させたものが燃料改質器へと供給さ
れる。この蒸発器の加熱側のエネルギー源には一般に燃
料電池のアノード側出口から出る未反応ガス(排水素)
を排水素燃焼器で燃焼させて得た燃焼ガスを用いてい
る。
【0020】また、メタノールを原燃料とした改質器
は、その反応温度が300〜400℃と低いために、吸
熱反応である水蒸気反応を適度に行なわせることによっ
て出口温度を200℃程度まで低下させることができ、
これによって同一容器内でCO変成反応を行なわせ、改
質ガス中のCO濃度を1%程度にまで低下させる事がで
きる。従って、別にCO変成器を設置せずに、このガス
を、COをさらにppmオーダまで低下させるCO除去
器へと供給している。
【0021】図4は、上記のような部分酸化反応と水蒸
気改質反応とを併用した改質器を備えた燃料電池発電装
置の従来の構成の一例を示し、改質原燃料(以下、改質
原料ともいう。)として、メタノール・水混合液体を用
いた例を示す。
【0022】図4における燃料電池発電装置の主な構成
要素は、燃料電池本体10と、改質器5と、改質原料供
給系50と、酸素供給系60と、改質ガス供給系70で
あり、その他に、オフ水素の系統およびオフ空気の系統
がある。改質原料供給系50は、メタノール1の供給源
と、水2の供給源と、改質原料ポンプ20と、加熱器3
と、蒸発器4と各接続配管とから構成される。また、酸
素供給系60は、空気または酸素6の供給源と、圧縮機
21とからなる。その他の部材については、以下の本装
置の動作説明と共に述べる。
【0023】液体燃料であるメタノール1と水蒸気改質
用の水2とを、予め所定の割合で混合した改質原料を、
改質原料ポンプ20により加熱器3に通流して予熱す
る。予熱された改質原料は、蒸発器4に導かれてさらに
加熱,気化され原燃料ガスとなって、改質触媒が充填さ
れた改質触媒層を備えた改質器5に導入される。改質触
媒としては、銅−亜鉛(Cu-Zn)系触媒,貴金属系触媒
やNi系の触媒などが使用される。
【0024】原燃料ガス導入と同時に、圧縮機21を駆
動して空気6を改質器5に供給し、改質器5内部におけ
る、部分酸化反応(前記(8)式)と、水蒸気改質反応
(前記(7)式)とにより、水素リッチな改質ガスを生
成する。
【0025】水蒸気改質反応((7)式)は、外から熱
を与えなければならない吸熱反応であるのに対し、部分
酸化反応((8)式)は、発熱反応である。従って、部
分酸化反応を同一反応器内にて併用することにより、水
蒸気改質反応に必要な熱を賄って反応を行うようにする
ことができ、外部加熱装置が不要となるので、装置がコ
ンパクトになりかつ、改質器の起動時間が短縮できる。
【0026】上記反応により、改質器5において、燃料
電池本体10で必要な水素を生成する。この生成ガス中
には、燃料電池本体10の被毒物質となる一酸化炭素C
Oが含まれるため、選択酸化触媒が充填された選択酸化
反応器としてのCO変換器7において、COをCO2
変換除去しCO濃度をPPMレベルまで低減し、水冷の
冷却器9によりガス温度を下げた後、燃料電池本体10
に改質ガスを供給して発電を行う。
【0027】燃料電池本体10にて消費しなかったオフ
水素(燃料電池排ガス水素)は、水蒸気として含まれる
水分を凝縮器12にて除去し、一方、燃料電池本体の空
気極から排出されるオフ空気は、水分を凝縮器14にて
除去する。その後、前記オフ水素をオフ空気と共に、排
水素燃焼器13において燃焼させ、その熱を蒸発器4の
熱源として利用する。また、冷却器9で水が得た熱は、
加熱器3において利用する。
【0028】ところで、燃料改質器を起動する際には、
前記(7)〜(9)式に示すように、同じ改質器内にて
触媒上でメタノールの79%を水蒸気改質反応で、残り
の21%を酸化反応させることができれば、理論上は吸
熱量と発熱量がつりあうことになる。このときの前記二
つの改質反応により改質されるメタノールに対する部分
酸化改質反応により改質されるメタノールの割合、即ち
部分酸化率を21%と定義する。(7)〜(9)式の反
応が行われている状態の部分酸化率は、50%である。
【0029】従来の燃料改質器の起動方法としては、設
計された改質器の放熱量を考慮して、部分酸化率を、触
媒温度を検知しながら21%〜30%となるように酸化
剤ガスとしての空気流量を圧縮器21にて調整してい
た。メタノールを用いた燃料改質器の実運転において
は、改質効率や設計上の全体のバランスを考慮して、起
動時から定常運転にわたって、例えば部分酸化率を約3
0%とし、これにより定常運転時の触媒層の温度を30
0℃程度に制御している。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】前述のような水蒸気改
質反応と部分酸化改質反応との併用によって水素リッチ
な改質ガスを生成する燃料改質器の起動方法において
は、以下のよう問題点がある。
【0031】前述のように、改質反応に必要な熱量を得
ようとした場合、上記の部分酸化反応(8)式、水蒸気
改質反応(7)式に示されるように、部分酸化反応での
発熱反応と水蒸気改質反応で必要な吸熱反応の熱バラン
ス上、部分酸化の割合としては約21%で十分に足りる
と考えられる。とはいうものの、実際の反応器設計では
定常運転時における放熱分と触媒層のピーク温度を考慮
して21%〜30%程度で運用することが望ましい。
【0032】しかしながら、燃料改質器を常温より起動
する場合において、部分酸化率を21%〜30%で起動
すると、触媒温度の昇温が遅く、システム全体の起動時
間が遅くなる問題点があった。図2は、メタノールを原
燃料とする従来の燃料改質器の起動試験データを示し、
部分酸化率を約30%一定で起動した際の触媒層入口温
度の推移を示す。部分酸化用空気流量も併せて示す。図
2から明らかなように、触媒層の起動昇温速度が遅く、
所定の触媒温度に達するのに十数分を要した。
【0033】ところで、改質器の起動時間を短くする為
に空気の導入量を多くすることが考えられるが、還元さ
れた状態にて使用される銅・亜鉛系触媒においては、酸
化される虞があり、触媒の酸化劣化が起こらないかもし
くは実用上問題とならない程度に抑制することが、燃料
改質器の重要な運転条件となる。
【0034】また、燃料改質器の起動方法においては、
触媒の耐熱温度を超えないようにすることも重要な運転
条件である。前記部分酸化反応(8)式と水蒸気改質反
応(7)式を、同一の触媒層内部にて行なわせる場合、
部分酸化反応用に導入される空気中の酸素は、部分酸化
反応により燃焼に寄与する。改質器内部の触媒、とりわ
けメタノールを原燃料とする場合に使用される銅・亜鉛
系の触媒においては、部分酸化反応により起こる燃焼反
応により、高温に曝される。しかし、銅・亜鉛系触媒の
耐熱温度は一般的には350℃以下である。最近の触媒
の中には、耐熱性の改善が試みられ400℃程度まで耐
熱性の向上したものが存在しているが、400℃以上の
温度履歴を与える運用を行なった場合には、長時間の耐
久性に問題があった。特に、こうした高温の温度履歴に
より、触媒のシンタリングを招き、触媒性能が永久に失
われていくことが判明した。従って、耐熱温度を超えな
いように運転することが不可欠である。
【0035】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、この発明の課題は、触媒の耐熱温度を超えない
および触媒の酸化劣化が起こらない条件下にて、起動時
における触媒層の速やかな温度上昇を可能とし、起動時
間の短縮を図った水蒸気改質反応と部分酸化改質反応と
を併用する燃料改質器の起動方法を提供することにあ
る。
【0036】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、この発明は、メタンガスやメタノール,エタノー
ル,ガソリン等の液状の炭化水素と水との混合物を気化
した原燃料ガスを酸化剤ガスとともに改質触媒層に通流
し、水蒸気改質反応と部分酸化改質反応との併用によっ
て水素リッチな改質ガスを生成する燃料改質器の起動方
法において、前記二つの改質反応により改質される原燃
料ガスに対する部分酸化改質反応により改質される原燃
料ガスの割合を部分酸化率と定義した場合に、燃料改質
器の起動時における部分酸化率を、定常運転時における
部分酸化率よりも大とする(請求項1)。これにより、
起動時における触媒層の速やかな温度上昇を可能とし、
起動時間の短縮を図ることができる。
【0037】また、上記請求項1の起動方法において、
定常運転時における部分酸化率を21%〜30%とし、
起動時における部分酸化率を40〜60%とする(請求
項2)ことにより、触媒の耐熱温度を超えないこと、お
よび触媒の酸化劣化が起こらないことの条件を満たし、
安全に起動時間の短縮を図ることができる。
【0038】さらに、前記請求項1または2に記載の燃
料改質器の起動方法において、起動時から定常運転時に
至る部分酸化率の値を、触媒層入口温度の変動を考慮し
て予めシミュレーションにより定めた部分酸化率の変動
曲線に沿うように制御する(請求項3)ことにより、所
期の触媒温度上昇曲線を含む起動特性を実現することが
できる。
【0039】また、前記請求項1ないし3のいずれかに
記載の燃料改質器の起動方法において、改質器に原燃料
ガスが供給されたことを検知した後に、酸化剤ガスの供
給を開始することとする(請求項4)。これにより、起
動時に、改質原燃料ガスが触媒層入口に到達する前に、
酸化剤ガスのみの雰囲気に触媒がさらされることがなく
なるので、触媒の酸化劣化防止効果がより向上する。
【0040】さらに、請求項1ないし4のいずれかに記
載の燃料改質器の起動方法において、前記改質触媒層に
充填される改質触媒は、銅・亜鉛系触媒とする(請求項
5)。
【0041】
【発明の実施の形態】図面に基づき、本発明の実施の形
態について以下にのべる。図3は、請求項4の発明の起
動方法に関わる燃料改質器のシステム構成を示し、図4
における改質器まわりと同様の構成を示す。ただし、図
4の改質器まわりの構成とは、下記の点が異なる。
【0042】図3においては、改質原料供給検出器30
を設けた点およびその検出信号に基づき圧縮機21を駆
動する制御装置31を設けた点が異なる。前記改質原料
供給検出器30としては、圧力計もしくは温度計が好適
である。改質原料は、改質原料ポンプ20,加熱器3お
よび蒸発器4により、加圧および加熱されるので、改質
器5の直近に設けた圧力計もしくは温度計により、改質
原料の改質器への供給が、いずれの場合にも、容易に検
知できる。この信号に基づき、圧縮機21を駆動して空
気を供給すれば、装置の起動時に、触媒がいきなり酸素
にさらされることはなく、触媒の酸化劣化防止の観点か
らより好ましい構成となる。
【0043】起動時には、液体燃料であるメタノールと
水蒸気改質用の水を、予め所定の割合で混合した後、図
3に示す加熱器3にて予熱し、予熱された原燃料を更に
蒸発器4に導き気化し、銅・亜鉛系の改質触媒が充填さ
れた改質器5に導入する。原燃料であるメタノール1が
改質器5に導入されると同時に、部分酸化用空気6を供
給し改質器5内部にて、部分酸化反応と水蒸気改質反応
を行なう。部分酸化反応の進行により、水蒸気改質に必
要な熱を賄って反応を行なわせ、生成した水素を含む改
質ガスは、図示しないCO変換器7を通り、CO濃度を
低減した後、燃料電池本体の燃料極に導かれる。
【0044】図1は、図3に示す燃料改質器を用いて、
本発明の起動方法を実施した場合の起動試験データを示
す。図1に示すデータは、部分酸化率を50%で起動
し、起動時から定常運転時に至る部分酸化率の値を、触
媒層入口温度の変動を考慮して予めシミュレーションに
より定めた部分酸化率の変動曲線に沿うように制御した
際の触媒層入口温度、部分酸化率および部分酸化用空気
流量の推移である。
【0045】原燃料であるメタノールを導入し、次いで
部分酸化用空気を導入したところ、触媒温度は速やかに
昇温した。また、予めシミュレーションにより定めた部
分酸化率の変動曲線に沿うように部分酸化率50%を徐
々に絞りこむことにより、スムーズに温度コントロール
された起動特性が得られた。この起動方法においては、
改質反応で必要とされる熱量分よりも多く余剰の熱を起
動直後には賄うことにより、僅か約2分半で触媒層温度
が350℃に到達し所定性能を得ることが出来た。
【0046】前述の図2に示す従来方法(起動直後にお
ける部分酸化率が30%の場合)と比較し、起動昇温速
度が早く、所定の触媒温度にまで達する時間が著しく短
縮できた。以上の実験データより、起動直後に部分酸化
率を50%に設定し、余剰の熱を発生させることは、起
動時間短縮に極めて有効であることが確認できた。
【0047】なお、起動直後の触媒温度が低い条件下に
て、多量の空気を供給することに対しては、触媒酸化が
懸念されたが、図3に示す装置により繰り返し実験を行
い、起動データ、及び定常運転データを実測したとこ
ろ、触媒酸化及び触媒性能の失活といった問題は発生し
ないことが確認できた。
【0048】
【発明の効果】上記のとおり、この発明によれば、メタ
ンガスやメタノール,エタノール,ガソリン等の液状の
炭化水素と水との混合物を気化した原燃料ガスを酸化剤
ガスとともに改質触媒層に通流し、水蒸気改質反応と部
分酸化改質反応との併用によって水素リッチな改質ガス
を生成する燃料改質器の起動方法において、前記二つの
改質反応により改質される原燃料ガスに対する部分酸化
改質反応により改質される原燃料ガスの割合を部分酸化
率と定義した場合に、燃料改質器の起動時における部分
酸化率を、定常運転時における部分酸化率よりも大とす
ること(請求項1)、例えば、定常運転時における部分
酸化率を21%〜30%とし、起動時における部分酸化
率を40〜60%とすること(請求項2)により、触媒
の耐熱温度を超えないおよび触媒の酸化劣化が起こらな
い条件下にて、起動時における触媒層の速やかな温度上
昇を可能とし、起動時間の短縮を図った水蒸気改質反応
と部分酸化改質反応とを併用する燃料改質器の起動方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料改質器の起動方法を実施した場合
の起動特性データを示す図
【図2】従来の燃料改質器の起動方法を実施した場合の
起動特性データを示す図
【図3】請求項4の実施例の起動方法に関わる燃料改質
器の構成図
【図4】部分酸化反応と水蒸気改質反応とを併用した改
質器を備えた燃料電池発電装置の従来の構成の一例を示
す図
【符号の説明】
1:メタノール、2:水、3:加熱器、4:蒸発器、
5:改質器、6:空気、21:圧縮器、30:改質原料
供給検出器、31:制御装置、50:改質原料供給系、
60:酸素供給系、70:改質ガス供給系。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月1日(1999.10.
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタンガスやメタノール,エタノール,
    ガソリン等の液状の炭化水素と水との混合物を気化した
    原燃料ガスを酸化剤ガスとともに改質触媒層に通流し、
    水蒸気改質反応と部分酸化改質反応との併用によって水
    素リッチな改質ガスを生成する燃料改質器の起動方法に
    おいて、前記二つの改質反応により改質される原燃料ガ
    スに対する部分酸化改質反応により改質される原燃料ガ
    スの割合を部分酸化率と定義した場合に、燃料改質器の
    起動時における部分酸化率を、定常運転時における部分
    酸化率よりも大とすることを特徴とする燃料改質器の起
    動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料改質器の起動方法
    において、定常運転時における部分酸化率を21%〜3
    0%とし、起動時における部分酸化率を40〜60%と
    することを特徴とする燃料改質器の起動方法。起動時か
    ら定常運転時に至る部分酸化率の値を、触媒層入口温度
    の変動を考慮して予めシミュレーションにより定めた部
    分酸化率の変動曲線に沿うように制御する
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の燃料改質器の
    起動方法において、ことを特徴とする燃料改質器の起動
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃
    料改質器の起動方法において、改質器に原燃料ガスが供
    給されたことを検知した後に、酸化剤ガスの供給を開始
    することを特徴とする燃料改質器の起動方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の燃
    料改質器の起動方法において、前記改質触媒層に充填さ
    れる改質触媒は、銅・亜鉛系触媒とすることを特徴とす
    る燃料改質器の起動方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004338975A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd 水素製造装置の起動方法
JP2009149466A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Petroleum Energy Center 定置型水素製造装置改質器の起動方法
JP2010277844A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Toto Ltd 固体電解質型燃料電池

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