JP2001088451A - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法

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JP2001088451A
JP2001088451A JP27316299A JP27316299A JP2001088451A JP 2001088451 A JP2001088451 A JP 2001088451A JP 27316299 A JP27316299 A JP 27316299A JP 27316299 A JP27316299 A JP 27316299A JP 2001088451 A JP2001088451 A JP 2001088451A
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acid
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JP27316299A
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English (en)
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Atsuhiro Okawa
敦裕 大川
Ichiro Miyagawa
一郎 宮川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー照射することにより有機化合物の色
相変化を引き起こし画像形成を行う画像記録材料に対し
て半導体レーザーを用いて面積変調画像を形成する際
に、副走査方向に対する画像むらを抑え、高画質な画像
を形成する方法を提供する。 【解決手段】 レーザー照射することにより有機化合物
の色相変化を引き起こし画像形成を行う画像記録材料に
対して、半導体レーザーから出射され、副走査方向に対
して略方形状の強度分布を示すように整形されたレーザ
ービームを主走査することにより、前記画像記録材料に
面積変調による画像を記録することを特徴とする画像記
録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー照射する
ことにより有機化合物の色相変化を引き起こし画像形成
を行う画像記録材料に対して半導体レーザーを用いて面
積変調画像を記録する新規な画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は画像部と非画像部とを温
度差分布として表現するもので、着色剤の溶融転写や昇
華転写、加熱溶融やカプセル破壊による2成分間の発色
反応、相転位による光学特性の変化等、多くの方式が考
案されてきた。この種の熱記録媒体においては、乾式で
かつ簡単なシステムで記録像が得られ、しかもメンテナ
ンスフリーという利点があるため各種プリンター、ワー
ドプロセッサー、ファクシミリ等の出力材料として広く
利用されている。また近年、レーザー記録装置の進歩に
伴い光ディスクや製版材料にも応用が検討されている。
【0003】従来、製版材料としては、湿式処理を必要
とするハロゲン化銀感光材料が使用されてきたが、処理
工程の簡易化に対する要求、および処理液による環境汚
染の問題から乾式工程の開発が望まれ、近年感熱記録方
式によるいくつかの技術的な提案がなされてきた。解像
度の観点からレーザーを用いた画像記録が好ましく、例
えば、高出力レーザーを用いた色素アブレ−ションと呼
ばれる方式が開発されており、その記録材料が特開平7
ー164755号、同ー149063号、同7ー149
065号等の各公報に、画像形成装置が特開平8ー48
053号、同8ー72400号等の各公報に開示されて
いる。このシステムでは支持体上に塗布された画像色
素、レーザー波長域に吸収を有する物質(赤外吸収物
質)およびバインダ−からなる色素組成物を有する記録
材料を、色素層側からレーザー照射することによって画
像記録が行われる。レーザーによって与えられたエネル
ギーは、レーザービームが材料に当たったスポット(レ
ーザー露光部位)で画像形成層に急激な局部変化を起こ
し、それによって物質を層から追い出す。この様な色素
アブレーション方式では、レーザー露光部位における色
素の除去効率を高めるためには高出力のレーザーが不可
欠であり、また除去された色素を集めるために集塵機の
併設が必要であるといった問題点があった。
【0004】集塵機を必要としない方式として、レーザ
ーを熱源とするアブレーション転写式画像記録法に関す
る記載が米国特許第5,171,650号明細書等に開
示されている。この方式では、アブレイティブキャリア
ートップコートを上塗りした動的剥離層を含有する色素
ドナーシートが用いられており、画像は、隣接して位置
合わせをした別の受容シートへと転写される。このため
画像記録後に不用となったシートが廃材になるという問
題点があった。またこの場合も転写効率を高めるために
は高出力のレーザーが不可欠であった。以上のように、
レーザーによるアブレーションを利用した従来の感熱記
録方式では、いずれの方式でも高出力のレーザーが必要
であり、ゴミや廃材が避けられないという問題点があっ
た。
【0005】一方、レーザーを利用したアブレーション
を伴わない感熱記録方式として、「ドライシルバー」と
称されるシステムを発展させたものが特開平6−194
781号公報等に記載されている。このシステムでは、
熱的に還元されうる銀源、銀イオンの還元剤、および光
熱変換色素を含有する記録材料に対してレーザーで記録
が行われるが、非画像部の保存性、および熱感度の点で
実用性能には不十分であった。
【0006】また、レーザーを利用したその他の感熱記
録方式として米国特許第4,602,263号、同第
4,826,976号の各明細書にはカルバメ−トの熱
分解によって吸収の変化する化合物が記載されており、
同第5,243,052号明細書には水酸基に導入した
tーブトキシカルボニル基の熱分解によってイエロー発
色する化合物が記載されている。これらの方式は不可逆
な単分子反応を利用したもので、レーザーを利用した極
短時間の画像記録に対して好ましい方式ではあるが、感
度が不十分であり、更なる高感化が望まれていた。その
解決策の一つとして、酸触媒を共存させることによって
高感化できるが、保存安定性が問題であった。その他、
製版材料用途に共するUVマスク像(360nm〜42
0nm;PS版への露光光源に対応)の形成方法とし
て、レーザーを利用したヒートモード方式があるが、実
用的な提案はなされていない。
【0007】また、米国特許第5,286,612号、
同第5,395,736号、同第5,441,850号
の各明細書、特表平8ー503081号、同8ー503
082号の各公報には化学線の作用でpKa<0の超強
酸を発生する化合物、超強酸の存在下で2次酸を発生す
る2次酸発生剤、および2次酸との接触によって色の変
化する化合物を含有する画像記録材料に関して記載があ
る。これらの方式は記録材料の高感度化という意味で有
効な方法であるが、これらの明細書または公報に記載さ
れた2次酸発生剤からの2次酸の発生は超強酸前駆体か
ら発生した超強酸によってのみ触媒されるものであり、
これらの明細書または公報によれば超強酸1分子に対し
て20分子程度の2次酸前駆体の分解が触媒されるとの
ことであるが、生成した2次酸には触媒能力がないた
め、いわゆる鼠算式の酸増殖による高感度化は期待でき
ない。これらを改良し高感度化を図った画像記録材料が
特開平11−180048号、同11−181031号
の各公報に報告されているが、画質の点では更なる改良
が望まれていた。
【0008】一方、上記の各画像記録材料へのデジタル
情報の書き込みのためにレーザービームが用いられ、一
般的には画像処理の施されたデジタル信号に基づいてレ
ーザー光学系を駆動制御し、画像記録材料に面積変調に
よる画像を露光記録するレーザー記録装置が用いられて
いる。なお、画像が露光記録された画像記録材料は、必
要に応じて現像機に供給され、潜像から顕像に変換され
る。レーザー光源としては、例えば、単一横モード半導
体レーザーや光ファイバレーザー等のコヒーレント光
源、あるいは、高出力が得られる光ファイバカップルド
レーザーやアレイ半導体レーザー等のインコヒーレント
光源が用いられている。特に、ガスレーザーに比較し
て、小型軽量、高効率、長寿命等の利点を有する半導体
レーザーが注目されており、上記のレーザー記録装置に
これらの半導体レーザーを組み込んだものが開発されて
いる。
【0009】ところで、コヒーレント光源を用いた場
合、画像記録材料上に形成されるレーザービームの集光
スポットの強度分布はガウス分布状になる。また、光フ
ァイバカップルドレーザーの場合、レーザービームが光
ファイバによって画像記録材料の記録面近傍まで導かれ
るため、強度分布が略一様な円形の集光スポットが得ら
れる。ここで、レーザー記録装置では、通常、副走査搬
送される画像記録材料の主走査方向にレーザービームを
走査させることで2次元画像を形成しているため、円形
の集光スポットからなるレーザービームの光エネルギー
が主走査方向に積分され、これによって副走査方向にガ
ウス分布に近い形状の強度分布が生じる。さらに、アレ
イ半導体レーザーの場合には、複数の半導体レーザーの
配列方向に対応した串状の強度分布が生じる。
【0010】しかし、画像記録材料上でのレーザービー
ムの積分強度が副走査方向に対してガウス分布状である
場合、レーザービームの強度が変動したり、レーザービ
ームの集光点と画像記録材料との位置にずれが生じる
と、図13に示すように、特性AまたはBに示すように
積分強度が変動するため、画像記録材料の発色閾値によ
って決定される発色範囲がaまたはbのように変動し、
それが画像の濃度むらとして出現してしまう。この濃度
むらは、例えば、主走査方向に対して直線的なエッジを
有する画像の場合、前記エッジの位置が副走査方向にゆ
らいだ画像となってしまう。また、画像記録材料に感度
むらがある場合や現像機に現像むらがある場合において
も、発色閾値が変動することになるため、同様にして画
像にむらが出現してしまう。さらに、アレイ半導体レー
ザーのようにレーザービームの強度分布が串状である場
合には、串状分布に対応した同様な画像むらが発生す
る。なお、アレイ半導体レーザーと画像記録材料との間
にテレセントリック光学系を設け、アレイ半導体レーザ
ーから出力されたレーザービームのニアフィールドパタ
ーンを画像記録材料上に結像させることにより、串状の
強度分布の最小値が発色閾値以上となるようにした従来
技術がある(特公平8−20621号公報参照)。しか
しながら、この場合、発色閾値以上に光出力を上げなく
てはならず、光利用効率が非常に悪くなってしまう。従
って、高出力光を出すことでアレイ半導体レーザーの寿
命が短くなり、交換頻度が高くなるといった欠点が生じ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の状況に
鑑みてなされたものであり、特に、レーザー照射するこ
とにより有機化合物の色相変化を引き起こし画像形成を
行う画像記録材料に対して半導体レーザーを用いて面積
変調画像を形成する際に、副走査方向に対する画像むら
を抑え、高画質な画像を形成する方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下の発
明により達成された。 (1)レーザー照射することにより有機化合物の色相変化
を引き起こし画像形成を行う画像記録材料に対して、半
導体レーザーから出射され、副走査方向に対して略方形
状の強度分布を示すように整形されたレーザービームを
主走査することにより、前記画像記録材料に面積変調に
よる画像を記録することを特徴とする画像記録方法。 (2)前記半導体レーザーとして横多モード半導体レーザ
ーを用いることを特徴とする(1)に記載の画像記録方
法。 (3)前記半導体レーザーとして屈折率導波型半導体レー
ザーを用いることを特徴とする(1)または(2)に記載の画
像記録方法。 (4)前記半導体レーザーの活性層接合面に対して平行な
方向を前記副走査方向に設定することを特徴とする(1)
〜(3)のいずれか一項に記載の画像記録方法。 (5)前記画像記録材料に対して、空間周波数変調処理に
よる網点画像を記録することを特徴とする(1)〜(4)のい
ずれか一項に記載の画像記録方法。 (6)前記レーザービームのニアフィールドパターンの像
を前記画像記録材料上に形成することを特徴とする(1)
〜(5)のいずれか一項に記載の画像記録方法。 (7)前記レーザービームのファーフィールドパターンの
像を前記画像記録材料上に形成することを特徴とする
(1)〜(6)のいずれか一項に記載の画像記録方法。 (8)前記レーザービームのニアフィールドパターンは、
少なくとも前記副走査方向に一部をけるようなアパーチ
ャ部材を備える整形光学系により波形整形されることを
特徴とする(6)に記載の画像記録方法。 (9)前記レーザービームのファーフィールドパターン
は、少なくとも前記副走査方向に一部をけるようなアパ
ーチャ部材を備える整形光学系により波形整形されるこ
とを特徴とする(7)に記載の画像記録方法。 (10)酸と有機化合物との反応により色相変化を引き起こ
し画像形成を行う画像記録材料を用いることを特徴とす
る(1)〜(9)のいずれか一項に記載の画像記録方法。 (11)熱または酸の作用により酸を発生する下記一般式
(1)で表される酸発生剤と、酸の作用により分子内も
しくは分子間反応を引き起こし360〜900nmの吸
収域に変化を生じる化合物とを含有する画像記録材料を
用いることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか一項に記載
の画像記録方法。 一般式(1)・・・W1OP1 式中、W1はW1OHで表される酸の残基を表し、P1
熱または酸の作用により離脱する置換基を表す。 (12)一般式(1)で表される酸発生剤が下記一般式
(2)〜(4)から選ばれる化合物であることを特徴と
する(11)記載の画像記録方法。 一般式(2)・・・
【化3】 式中、R1はハメットのσp値が0より大きい電子吸引
性基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は熱または酸
の作用により離脱する基を表し、W1は一般式(1)と
同義である。 一般式(3)・・・
【化4】 式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素原子、アル
キル基、もしくはアリール基を表し(但し、同じであっ
ても異なっていてもよい)、また置換基を有していても
よく、更にR4とR5、R4とR6、R5とR6はそれぞれ結
合して環を形成してもよく、W1は一般式(1)と同義
である。 一般式(4)・・・P2−X−L−C(R7)(R8)−OW1 式中、P2は熱または酸の作用により離脱する置換基を
表し、XはO、S、NR9(R9は水素原子または置換可
能な基を表す)、またはCR1011〔R10およびR11
それぞれ独立に水素原子または置換可能な基を表し(但
し、同じであっても異なっていても良い)〕を表し、L
は連結基を表し、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原
子または置換可能な基を表し(但し、同じであっても異
なっていても良い)、W1は一般式(1)と同義である。 (13)熱もしくは酸の作用により酸を発生する機能を有す
る部分構造と、酸の作用により360〜900nmの吸
収域に変化を生じる部分構造を合わせ持つポリマーを含
有する画像記録材料を用いることを特徴とする(1)〜(9)
のいずれか一項に記載の画像記録方法。 (14)前記ポリマーが下記一般式(5)で示されるポリマ
ーであることを特徴とする(13)に記載の画像記録方法。 一般式(5)・・・−(A)x−(B)y−(C)z− 式中Aは、熱もしくは酸の作用により酸を発生する機能
を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの重合
によって得られる繰り返し単位を表し、Bは酸の作用に
より360〜900nmの吸収域に変化を生じる部分構
造を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの重
合によって得られる繰り返し単位を表し、CはAおよび
Bと共重合可能な少なくとも1種類以上のビニルモノマ
ーの重合によって得られる繰り返し単位を表し、x、y
およびzは重量%を表し、それぞれ1≦x≦99、1≦
y≦99、0≦z≦98、x+y+z=100を表す。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく述べ
る。最初に本発明で用いる画像記録材料について説明す
る。本発明ではレーザー照射もしくはそれに続く後続の
処理により有機化合物の色相変化を引き起こし、画像形
成を行う画像記録材料を用いる。そのような有機化合物
の色相変化を引き起こす反応としては、例えば有機エレ
クトロニクス材料研究会編、”イメージング用有機材
料”(ぶんしん出版、1993年)に記載されている種
々の反応や、ディールズアルダー反応(9,10−ジス
チリルアントラセンと無水マレイン酸、テトラフェニル
シクロペンタジエンとアクリル酸エステル等の反応
等)、レトロディールズアルダー反応(9,10−ジス
チリルアントラセンと無水マレイン酸の付加体の分解反
応、テトラフェニルシクロペンタジエンとアクリル酸エ
ステルの付加体の分解反応等)、β−水素離脱によって
共役系が拡張され360〜900nmの吸収域に発色画
像を形成する反応(例えば1−アセトキシ−1,2−ジア
リールエタンの分解反応、1−スルホキシ−1、2−ジ
アリールエタンの分解反応)、脱水縮合によって前記吸
収域に発色画像を形成するアルデヒドと活性メチレン化
合物の組み合わせ(例えば写真用4当量マゼンタカプラ
ーとp−メトキシシンナムアルデヒドの反応等)、もし
くは酸の作用で分解または離脱が促進される置換基によ
って置換されたアミノ基または水酸基を分子内に有し、
該置換基が外れることによって前記吸収域における吸収
が変化する化合物の反応等が挙げられる。
【0014】上記の中で好ましくは、熱または酸の作用
により酸を発生する酸発生剤、および酸の作用による分
子内もしくは分子間反応により360〜900nmの吸
収域に変化を生じる化合物を含有し、画像を形成させる
反応を用いた画像記録材料である。これらの化合物につ
いて以下に詳細に説明する。
【0015】前記一般式(1)で表わされる化合物は、
熱もしくは酸の作用により酸を発生する機能を有してい
る。一般式(1)で表わされる酸発生剤においてW1
1OHで表される酸(スルホン酸、カルボン酸、りん
酸、フェノール等)の残基を表す。W1OHはpKaが
3より小さい酸であることが好ましく、アリールスルホ
ン酸、アルキルスルホン酸、電子吸引性基のついたカル
ボン酸、アリールホスホン酸、アルキルホスホン酸等が
好ましい例として挙げられる。P1は熱もしくは酸の作
用によって離脱しうる置換基を表し、P1の離脱に伴い
1OP1で表わされる酸発生剤からW1OHで表わされ
る酸が生成する。この様な置換基としては、β位に水素
原子を有するアルキル基(例えばテトラヒドロピラニル
基、テトラヒドロフラニル基、tーブチル基、シクロヘ
キシル基、4,5−ジヒドロ−2−メチルフラン−5−
イル基、2ーシクロヘキセニル基等)、β位に水素原子
を有するアルコキシカルボニル基(例えばtーブトキシ
カルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2
ー(2ーメチル)ブトキシカルボニル基、2ー(2ーフ
ェニル)プロピルオキシカルボニル基、2ークロロエト
キシカルボニル基等)、シリル基(例えばトリメチルシ
リル基、トリエチルシリル基、tーブチルジメチルシリ
ル基、フェニルジメチルシリル基等)、あるいはこれら
の基、もしくはアセタール、ケタール、チオケタール、
ピナコール、エポキシ環の分解を引き金に離脱する置換
基(例えば後述する一般式(2)〜(4)の説明におい
てW1OHに置換された基)が挙げられる。一般式
(1)で表わされる酸発生剤の例としては、例えばトリ
フルオロ酢酸(α−フェニルイソプロピル)エステル、
トリフルオロ酢酸t−ブチルエステル、トルエンスルホ
ン酸シクロヘキシルエステル、pーニトロ安息香酸トリ
エチルシリルエステル、pーニトロ安息香酸テトラヒド
ロピラニルエステル、ポリ(4ービニルー1ーtーブト
キシカルボニルオキシー2ーニトロベンゼン)、ポリ
(4ービニルベンゼンスルホン酸シクロヘキシルエステ
ル)等を挙げることができるが、本発明では酸発生能と
保存安定性の観点から前記一般式(2)〜(4)で表わ
される化合物が好ましい。
【0016】一般式(2)において、R1はハメットの
σp値が0より大きい電子吸引性基を表わし、R1とし
て好ましくはアシル基(例えばアセチル、プロパノイ
ル、2−メチルプロパノイル、ピバロイル、ベンゾイ
ル、ナフトイル)、シアノ基、アルキルスルホニル基
(メタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンジルスル
ホニル、t−ブチルスルホニル等)もしくはアリールス
ルホニル基(ベンゼンスルホニル等)が挙げられる。R
1として更に好ましくはアシル基である。R2はアルキル
基(メチル、エチル、イソプロピル、オクチル、ドデシ
ル等)を表す。R2として好ましくは炭素数6以下の基
である。R3は熱または酸により離脱する基を表わし、
好ましい基としてはβ位に水素原子を有する2級もしく
は3級のアルキル基(tーブチル、1,1−ジメチルプ
ロピル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、シクロ
ヘキシル、2−シクロヘキセニル等)、シリル基(トリ
メチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等)、もしく
はアルコキシメチル基(メトキシメチル、オクチルオキ
シメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニ
ル、4,5−ジヒドロ−2−メチルフラン−5−イル
等)等が挙げられる。R3として好ましくはβ位に水素
原子を有する2級もしくは3級のアルキル基である。こ
れらR1〜R3で表わされる基は更に置換基を有していて
も良い。W1は一般式(1)と同義である。
【0017】一般式(3)において、R4、R5、R6
それぞれ独立に水素原子、アルキル基(メチル、エチ
ル、イソプロピル、t−ブチル、オクチル、ドデシル
等)、もしくはアリール基(フェニル、ナフチル等)を
表わす。R4、R5、R6は更に置換基を有していても良
い。R4とR5、R4とR6 もしくはR5とR6はそれぞれ
結合して環を形成しても良い。W1は一般式(1)と同
義である。一般式(2)と(3)で示される化合物は、
特開平8ー248561号公報に記載の方法に準じて合
成することができる。
【0018】一般式(4)で表わされる化合物は、上記
の一般式(2)および(3)とは全く異なる機構で酸を
放出する化合物であり、熱または酸の作用により離脱す
る置換基を少なくとも一つ有し、該置換基の離脱に引き
続く分子内求核置換反応により酸を発生する。尚、一般
式(4)において、P2は熱または酸の作用により離脱
する置換基を表す。XはO、S、NR9(R9は水素原子
または置換可能な基を表す)、またはCR1011(R10
およびR11は水素原子または置換可能な基を表し、同じ
であっても異なっていても良い)を表す。Lは連結基を
表す。R7およびR8は水素原子または置換可能な基を表
し、同じであっても異なっていても良い。 W1は一般式
(1)と同義である。熱または酸の作用により離脱する
置換基P2は水酸基、メルカプト基、アミノ基、炭素原
子等の求核基に導入され保存時あるいは非画像部におけ
る分子内求核置換反応を妨げるが、画像部においては熱
または酸の作用により該置換基が分解、離脱するため分
子内求核置換反応による酸の発生が可能になる。P2
表される有用な置換基としては、水酸基の酸素原子に導
入されるものではアルコキシカルボニル基(例えばtー
ブトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル
基、1ーフェニルエトキシカルボニル基、1,1ージフ
ェニルエトキシカルボニル基、2ーシクロヘキセンオキ
シカルボニル基等)、アルコキシメチル基(例えばメト
キシメチル基、エトキシメチル基、nーオクチルオキシ
メチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラ
ニル基、4,5−ジヒドロ−2−メチルフラン−5−イ
ル基等)、シリル基(例えばトリメチルシリル基、トリ
エチルシリル基、tーブチルジメチルシリル基、tーブ
チルジフェニルシリル基、フェニルジメチルシリル基
等)、およびβ位に水素原子を有する2級もしくは3級
のアルキル基(例えば、tーブチル、1,1−ジメチル
プロピル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、シク
ロヘキシル、2−シクロヘキセニル等)等が好ましい例
として挙げられる。メルカプト基の硫黄原子に導入され
るものではアルコキシメチル基(例えばイソブトキシメ
チル基、テトラヒドロピラニル基等)、アルコキシカル
ボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル基、pーメ
トキシベンジルオキシカルボニル基等)、アシル基(例
えばアセチル基、ベンゾイル基等)、ベンジル基(例え
ばpーメトキシベンジル基、ビス(4ーメトキシフェニ
ル)メチル基、トリフェニルメチル基等)等が好ましい
例として挙げられる。アミノ基の窒素原子に導入される
ものではアルコキシカルボニル基(例えばtーブトキシ
カルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2
ー(2ーメチル)ブトキシカルボニル基、2ー(2ーフ
ェニル)プロピルオキシカルボニル基、2ークロロエト
キシカルボニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、
ベンゾイル基、2ーニトロベンゾイル基、4ークロロベ
ンゾイル基、1ーナフトイル基等)もしくはホルミル基
等が好ましい例として挙げられる。炭素原子に導入され
るものとしては3級のアルコキシカルボニル基(tーブ
トキシカルボニル基等)が好ましい例として挙げられ
る。これらの置換基の離脱に引き続く分子内求核置換反
応では5〜10員環を形成する形態が好ましく、特に5
ないし6員環を形成することが好ましい。連結基Lとし
ては、これらの大きさの環を形成するように選択するこ
とが好ましい。
【0019】本発明において、酸発生剤は置換可能な位
置に導入された重合性基が複数連結することによってポ
リマーを形成しても良く、それにより別途バインダーを
使用しなくても画像記録層に塗布性が付与されるため、
画像記録層の薄層化に対して有利である。ポリマーの分
子量は千〜100万の範囲にあることが好ましく、特に
好ましくは2千〜30万の範囲にある場合である。この
場合単独重合体であってもよいし、他のモノマーとの共
重合体であっても良い。本発明の化合物をポリマーとし
て用いる場合、前述の説明で記した炭素数の規定を超え
ても良い。上記した一般式(1)〜(4)で表わされる
化合物の具体例を以下に示すが、本発明で使用可能な化
合物はこれらに限定されるものではない。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】これらの酸発生剤の添加量は、吸収変化を
伴う化合物の種類によっても異なるが、一般に吸収変化
を伴う化合物に対して0.001〜20当量の範囲であ
ることが好ましく、特に好ましくは0.01〜5当量の
場合である。尚、ポリマーの場合は、酸発生剤の繰り返
し単位から算出した量とする。
【0028】また、本発明において酸の作用による分子
内もしくは分子間反応により360〜900nmの吸収
域に変化を生じる化合物とは、中性〜塩基性の条件下で
保存する限りにおいては安定であるが、酸が作用すると
分子内、もしくは分子間反応の活性化エネルギーが下が
り、加熱によって容易に反応が進行して前記の波長範囲
における吸収に変化を生じる化合物のことである。この
際画像を形成するための加熱温度としては60〜200
℃であることが好ましく、特に好ましくは80〜140
℃である。この様な吸収変化を伴う化合物は単一の化合
物であってもよいし、2成分以上で構成されていてもよ
い。例えば、ディールスアルダー反応によって前記吸収
域に消色画像を形成する化合物(例えば、9,10−ジ
スチリルアントラセンと無水マレイン酸、テトラフェニ
ルシクロペンタジエンとアクリル酸エステル等)、レト
ロディールスアルダー反応によって前記吸収域に発色画
像を形成する化合物(例えば9,10−ジスチリルアン
トラセンと無水マレイン酸の付加体、ジフェニルイソベ
ンゾフランとアクリルアミドの付加体等)、βー水素離
脱によって共役系が拡張され前記吸収域に発色画像を形
成する化合物(例えば1ーアセトキシー1,2−ジアリ
−ルエタン、1ースルホキシー1,2−ジアリ−ルエタ
ン等)、脱水縮合によって前記吸収域に発色画像を形成
するアルデヒドと活性メチレン化合物の組み合わせ(例
えば写真用4等量マゼンタカプラーとpーメトキシシン
ナムアルデヒド等)あるいは酸の作用で分解または離脱
が促進される置換基によって置換されたアミノ基もしく
は水酸基を分子内に有し、該置換基が外れることによっ
て前記吸収域における吸収が変化する化合物等が挙げら
れる。また酸との接触により瞬時に発色する塩基性のロ
イコ染料等も画像形成材料において使用することができ
るが、この様な化合物は塩基として作用し、酸増殖過程
を阻害するためマイクロカプセルを利用したり別層に塗
布したりすることによって酸発生剤と隔離しておくこと
が必要である。
【0029】上記の化合物の中でも、特にアミノ基もし
くは水酸基の置換基が酸の作用によって分解もしくは離
脱することにより吸収が変化する化合物が有用であり、
上記の一般式(1)〜(4)で表される熱酸発生剤と組
み合わせることにより、より高感度で保存性に優れた感
熱記録材料が得られる。酸の作用により分解もしくは離
脱するアミノ基の置換基としてはアルコキシカルボニル
基(例えばtーブトキシカルボニル基、シクロヘキシル
オキシカルボニル基、2ー(2ーメチル)ブトキシカル
ボニル基、2ー(2ーフェニル)プロピルオキシカルボ
ニル基、2ークロロエトキシカルボニル基等)、アシル
基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、2ーニトロベン
ゾイル基、4ークロロベンゾイル基、1ーナフトイル基
等)もしくはホルミル基等が好ましい例として挙げられ
るが、これらの中では保存安定性と熱感度の観点からβ
位に水素原子を有するアルコキシカルボニル基が特に有
用である。このような化合物としては、例えば米国特許
第4,602,263号、第4,826,976号の各
明細書等に記載例がある。酸の作用により分解もしくは
離脱する水酸基の置換基としては、β位に水素原子を有
する2級もしくは3級のアルコキシカルボニル基(例え
ばtーブトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカル
ボニル基、1ーフェニルエトキシカルボニル基、1,1
ージフェニルエトキシカルボニル基、2ーシクロヘキセ
ンオキシカルボニル基等)、シリル基(例えばトリメチ
ルシリル基、トリエチルシリル基、tーブチルジメチル
シリル基、tーブチルジフェニルシリル基、フェニルジ
メチルシリル基等)、アルコキシメチル基(例えばメト
キシメチル基、エトキシメチル基、1ーメトキシエチル
基、1ーフェノキシエチル基、2ー(2ーメトキシプロ
ピル)基等)およびβ位に水素原子を有する2級もしく
は3級のアルキル基(例えばテトラヒドロピラニル基、
テトラヒドロフラニル基、4,5−ジヒドロ−2−メチ
ルフラン−5−イル基、tーブチル基、2ーシクロヘキ
セニル基等)が好ましい例として挙げられるが、これら
の中でもβ位に水素原子を有する2級もしくは3級のア
ルコキシカルボニル基が好ましい。このような化合物と
しては、例えば米国特許第5,243,052号明細書
あるいは特開平9−25360号公報等に記載例があ
る。以下に酸の作用により360〜900nmの吸収域に
変化を生じる化合物の具体例を示すが、本発明で使用可
能な化合物はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】本発明で使用される画像記録媒体は一般的
に前記酸発生剤、酸増殖剤、および酸の作用により36
0〜900nmの吸収域に変化を生じる化合物を含む組
成物を支持体上に塗布して作製される。この際、これら
のいずれかがポリマーである場合、あるいは塗布性の良
いアモルファスである場合を除き、通常はバインダ−を
共存させる。バインダーを使用しなくてもよい場合は、
膜厚を薄くし易く、切れの良い画像が得られるという利
点がある。またバインダーを用いる場合には、ゼラチ
ン、カゼイン、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、エチレン−無水マレイン酸コ
ポリマー等の水溶性バインダー、およびポリビニルブチ
ラール、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、アク
リル酸メチル−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリ
ル−ブタジエンコポリマー等の水不溶性バインダーのい
ずれも用いることができる。
【0038】また、上記の酸の作用により色相が変化す
る化合物と酸発生剤とを共重合体にすることにより、色
相が変化する該化合物のごく近傍に酸が発生するという
意味で高感度化が期待できる。またポリマー化により分
子の拡散を制御することにより画像の切れ、保存性を改
良できる可能性がある。これらの特性は、特にグラフィ
ックアーツフィルムのような高画質が要求される用途に
好ましい。そのような化合物として好ましい形態は、前
記一般式(5)で表わされるものである。一般式(5)
においてAは、熱もしくは酸の作用により酸を発生する
機能を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの
重合によって得られる繰り返し単位を表わす。このよう
な機能を有する化合物としては、前述の一般式(1)〜
(4)で表わされる化合物のいずれかの部分に重合性基
を導入することにより得られる。これらの熱酸発生機能
を有するポリマーをレーザーヒートモード方式の画像記
録材料に適用する場合には、別途酸発生剤を添加する必
要がなく有用である。以下に一般式(5)のAを形成す
るビニルモノマーの具体例を示すが、本発明ではこれら
に限定されるものではない。なおこれらの化合物は、特
開平8ー248561号公報に記載の方法と同様にして
合成することができる。
【0039】
【化19】
【0040】
【化20】
【0041】
【化21】
【0042】
【化22】
【0043】
【化23】
【0044】
【化24】
【0045】
【化25】
【0046】一般式(5)において、Bは酸の作用によ
り360〜900nmの吸収域に変化を生じる部分構造
を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの重合
によって得られる繰り返し単位を表す。酸の作用によっ
て吸収変化を生じる化合物に関しては前述の通りであ
り、前述の構造の置換可能な位置に重合性基を導入した
ものである。以下に一般式(5)のBを形成するビニル
モノマーの具体例を示すが、本発明ではこれらに限定さ
れるものではない。
【0047】
【化26】
【0048】
【化27】
【0049】
【化28】
【0050】
【化29】
【0051】
【化30】
【0052】
【化31】
【0053】
【化32】
【0054】一般式(5)におけるCは、上記のAおよ
びBとともに共重合体を形成することが可能な少なくと
も1種類以上のビニルモノマーの重合によって得られる
繰り返し単位を表し、極性、ガラス転位温度等を調節す
ることにより保存安定性、発色活性等をコントロールす
ることができる。このようなビニルモノマーは2種類以
上を組み合わせても良い。好ましい例としては、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミ
ド、スチレン、ビニルエーテル等が挙げられる。以下に
一般式(5)のCを形成するビニルモノマーの具体例を
示すが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
【0055】
【化33】
【0056】
【化34】
【0057】
【化35】
【0058】
【化36】
【0059】一般式(5)におけるx、y、zは各組成
の重量%を表す。x、y、zはそれぞれ1≦x≦99、
1≦y≦99、0≦z≦99であり、x+y+z=10
0である。0.01y<x≦10yの関係にあることが
好ましく、特に好ましくは0.1y≦x≦5yの関係に
ある場合である。zは0≦z≦50であることが好まし
い。また、一般式(5)で表されるポリマーの分子量は
千〜100万の範囲にあることが好ましく、特に好まし
くは2千〜10万の範囲にある場合である。また該ポリ
マーはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重
合体等いずれの形態であってもかまわないが、合成的に
容易なランダム共重合体が一般的である。以下に一般式
(5)で表されるポリマーにおけるA、B、Cを形成す
るモノマーおよびx、y、zの好ましい組み合わせを示
すが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
【0060】
【表1】
【0061】上記のポリマーの合成は種々の重合方法、
例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状重合、乳化
重合によって行なうことができる。また、重合の開始方
法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照
射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方
法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊
工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著
「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、12
4〜154頁に記載されている。上記重合方法のうち、
特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶
液重合法で用いられる溶剤は、例えば酢酸エチル、メタ
ノール、エタノール、1ープロパノール、2ープロパノ
ール、1ーブタノール、アセトン、ジオキサン、N,N
ージメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレ
ン、クロロホルム、ジクロロエタンのような種々の有機
溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でも良いし、水と
の混合溶媒としても良い。
【0062】重合温度は生成するポリマーの分子量、開
始剤の種類などと関連して設定する必要があり、0℃以
下から120℃以上まで可能であるが、通常30〜10
0℃の範囲で重合を行なう。特に、一般式(5)のAの
部位を形成するモノマーが高温で分解する可能性がある
ため、30〜90℃の温度範囲で重合を行なうことが好
ましい。重合に用いられるラジカル開始剤としては、例
えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイド
ロクロライド、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ
ノイックアシッド)のようなアゾ系開始剤や、ベンゾイ
ルパーオキサイド、tーブチルハイドロパーオキサイ
ド、過硫酸カリウム(例えば、亜硫酸水素ナトリウムと
組み合わせてレドックス開始剤として用いても良い)の
ようなペルオキシド系開始剤が好ましい。中でも、半減
期が10時間になる温度が70℃以下の開始剤(例えば
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス
(2−メチルプロピオネ−ト)、2,2’−アゾビス
[2−(3,4,5,6−テトラヒドロプロパン)ジハ
イドロクロライド]等が特に好ましい。重合開始剤の使
用量はモノマーの重合性や必要とする重合体の分子量に
応じて調節することが可能であるが、単量体に対して
0.01〜5.0mol%の範囲が好ましい。また、上
記のポリマーの合成においてはA、BおよびCを形成す
るモノマーを混合して最初に反応容器に入れておき、開
始剤を投入してもよいし、これらのモノマーを重合溶媒
に滴下する過程を経て重合を行なってもよい。
【0063】上記の如く、一般式(5)で表わされるポ
リマーは、熱もしくは酸の作用により酸を発生する機能
を有する部分構造と、酸の作用により360〜900n
mの吸収域に変化を生じる部分構造を合わせ持つポリマ
ーである。このようなポリマーとしては、両者の機能を
合わせ持つ単一モノマーの重合体もありうるが、合成的
な観点からこの一般式(5)で示される構造が合理的で
ある。
【0064】本発明で使用される画像記録材料は、一般
的に一般式(5)で表されるポリマーを支持体上に塗布
して作製される。上記のポリマ−が熱によって酸を発生
する機能も合わせ持つ場合は、熱の作用のみで単独で吸
収域に変化が生じるため、感熱記録材料として使用した
場合に、感度や画像の切れに優れるようになる。また、
本発明で使用される画像記録材料ではいわゆるバインダ
ーを使用しなくても良いため、画像記録層の膜厚を薄く
することができ、切れの良い像が得られ、しかもアブレ
ーションが起こりにくいという利点がある。ただし、上
記のポリマーを用いる際、必要であるならばバインダー
を併用しても良く、その具体例としては前述のものが挙
げられる。
【0065】本発明では、画像記録材料の保存安定性を
高める目的で少量の塩基を添加したり、感度を高める目
的で光または熱の作用によって酸を発生する化合物を別
途添加したり、必要に応じて顔料、酸化防止剤、スティ
ッキング防止剤等種々の添加剤を添加することもでき
る。また、画像記録層を保護するためにオーバーコート
層を設けたり、支持体の裏面にバックコート層を設けて
も良い。なお、画像記録層と支持体との間に単層あるい
は複数層の顔料あるいは樹脂からなるアンダーコート層
を設けるなど、感熱記録材料における種々の公知技術を
用いることもできる。塩基を添加する場合には有機塩基
が好ましく、例えばグアニジン誘導体(例えば1,3−
ジフェニルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、
1,3−ジブチルグアニジン、1ーベンジルグアニジ
ン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等)、ア
ニリン誘導体(例えばアニリン、p−t−ブチルアニリ
ン、N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジブチル
アニリン、トリフェニルアミン等)、アルキルアミン誘
導体(例えばトリブチルアミン、オクチルアミン、ラウ
リルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン等)、
およびヘテロ環化合物(例えばN,N’−ジメチルアミ
ノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−
7−ウンデセン、トリフェニルイミダゾール、ルチジ
ン、2ーピコリン等)が好ましい例として挙げられる。
これらの塩基は一般式(1)のAで表される組成に対し
て1〜50mol%添加することが好ましく、特に好ま
しくは5〜20mol%添加する場合である。
【0066】本発明で使用される画像形成材料は、フォ
トンモード方式でもヒートモード方式でよいが、フォト
ンモード方式の画像記録媒体として利用する場合には、
上記の各成分に加えて光の作用により酸を発生する化合
物の添加が必須となる。一方、ヒートモード方式の画像
記録材料として利用する場合には、一般式(1)〜
(4)で表わされる酸発生剤、もしくは一般式(5)の
Aで表わされる酸発生機能を有するモノマーが、熱の作
用によっても酸を発生する機能を有しているならば、別
途熱酸発生剤を添加する必要はないが、高感度化する事
を目的として別途熱酸発生剤を添加しても良い。また、
一般式(1)〜(4)で表わされる酸発生剤、もしくは
一般式(5)のAで表わされる酸発生機能を有するモノ
マーが、熱の作用によって酸を発生する機能を有してい
ない場合には別途熱酸発生剤を添加する事が必要であ
る。このように複数の酸発生剤を併用する際には、一般
式(1)〜(4)で表される複数の酸発生剤を併用して
も良い。また、一般式(1)〜(4)で表わされる酸発
生剤と公知の酸発生剤とを併用しても良い。公知の酸発
生剤としては、有機エレクトロニクス材料研究会編、”
イメージング用有機材料”ぶんしん出版社刊(199
7)37頁〜91頁、に記載されている化合物およびそ
こに記載されている引用文献記載の化合物等が挙げられ
る。また、ここに記載されている光酸発生剤の多くは熱
酸発生剤としても機能するものである。
【0067】本発明で使用される画像形成材料には、各
種の添加剤を添加してもよい。例えば、顔料を添加する
場合には、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリ
ン、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、尿素ーホルマリン樹
脂等が例として挙げられる。その他の添加剤としては、
ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸
収剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の
高級脂肪酸金属塩からなるヘッド摩耗およびスティッキ
ング防止剤、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレ
ン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等のワックス
類等が挙げられ必要に応じて添加することができる。
【0068】本発明で使用される画像記録材料に用いら
れる支持体としては、上質紙、バライタ紙、コート紙、
キャストコート紙、合成紙等の紙類、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフチレンジカルボキシレ−ト、ポリア
リーレン、ポリイミド、ポリカーボネート、トリアセチ
ルセルロース等のポリマーフィルム、ガラス、金属箔、
不織布等を挙げることができる。尚、透過型の画像、例
えばOHP用フィルムや製版用フィルム等の用途に供す
る場合には、透明な支持体が用いられる。また、製版フ
ィルム用には、熱膨張率が小さく寸度安定性が良好で、
かつ、PS版の感光域に吸収を持たない支持体が選ばれ
る。
【0069】本発明では、画像形成材料への画像形成は
レーザー光の照射により行われる。従って、レーザー光
を熱エネルギーに変換するために、使用されるレーザー
光の波長の光を吸収する色素を存在させる必要がある。
レーザー光源としては、エキシマレーザー、アルゴンレ
ーザー、ヘリウムネオンレーザー、半導体レーザー、ガ
ラス(YAG)レーザー、炭酸ガスレーザー、色素レー
ザー等があるが、ヘリウムネオンレーザー、半導体レー
ザーおよびガラスレーザーが本発明に有用なレーザー光
源である。その中でも装置が小型で安価なことから、半
導体レーザーが特に有用である。半導体レーザーの発振
波長は通常、670〜830nmであり、該近赤外に吸
収を持つ色素が用いられる。近赤外吸収色素としては、
シアニン色素、スクアリリウム色素、メロシアニン色
素、オキソノール色素、フタロシアニン色素等が用いら
れる。その具体例としては、例えば米国特許第4,97
3,572号、同第4,948,777号、同第4,9
50,640号、同第4,950,639号、同第4,
948,776号、4948,778、同第4,94
2,141号、同第4,952,552号、同第5,0
36,040号および同第4,912,083号の各明
細書に記載されている物質が挙げられる。尚、光によっ
て酸を発生する化合物を使用する場合には、潜像形成の
手段として該光酸発生剤の吸収特性に合わせてレーザー
が選択される。その際、分光増感を目的として種々の色
素を添加しても良いが、その場合は色素の吸収波長に合
わせてレーザー光の波長を選択する必要がある。
【0070】以下に、本発明で使用される画像形成材料
の画像記録層を形成する化合物の代表的な合成例を例示
する。 (合成例1)S−(20)の合成
【0071】
【化37】
【0072】1,4−ブタンジオ−ル(1−1)5gを
THF(50ml)に溶解し,カリウム−t−ブトキシ
ド(6.23g)を添加した。さらにこの溶液中に室温
下でジーtーブチルジカーボネート(1−2)12.1
gを加え、2時間撹拌を行った。得られた溶液を水10
0mlに加え、さらに酢酸エチル200mlを加えて有
機層を抽出した。さらに、有機層を2回水で洗浄し、硫
酸マグネシウムにより乾燥させ、濃縮した。シリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、化合物
(1−3)を油状化合物として3g得た。化合物の同定
はNMRにより行い、結果は以下の通りである。1 H−NMR(CDCl3):δ(ppm);1.49
(s,9H),1.70(m,4H),1.96(b
r,1H),3.66(t,2H),4.10(t,2
H) 次に化合物(1−3)2gを塩化メチレン10mlに溶
解し、トリエチルアミン(1.57ml)、4−ジメチ
ルアミノピリジン0.28g、およびトルエンスルホニ
ルクロライド2.16gを加え室温で2時間撹拌した。
反応液を水10mlにあけ有機層を抽出した。さらに、
有機層を2回水で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥
させ、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製を行い例示化合物S−(20)を無色透明の
油状化合物として1.5g得た。NMRによる測定結果
は以下の通りである。1 H−NMR(CDCl3):δ(ppm);1.48
(s,9H),1.71(m,4H),2.48(s,
3H),4.00(t,2H),4.05(t,2
H),7.34(d,2H),7.80(d,2H)
【0073】(合成例2)A−(28)の合成
【0074】
【化38】
【0075】化合物(2−1)9.01gをテトラヒド
ロフラン(50ml)に入れ、そこに水素化ナトリウム
のオイル分散物(4g、含有率60%)を加えた。1時
間撹拌した後、化合物(2−2)15.66gを加え、
3時間撹拌した。その後、酢酸エチル(70ml)と水
(50ml)とを加え水層を分離した。さらに反応液を
水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後
濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/4
(体積比))にて精製して化合物(2−3)を9.5g
得た。次に化合物(2−3)6.3gを塩化メチレン
(50ml)に溶かし、化合物(2−4)5.17gと
化合物(2−5)6.08gとを加えて5時間撹拌し
た。そこにヘキサンを加え、そのままシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=
1/5(体積比))にて精製し例示化合物A−(28)
を得た(6.2g、収率55%)。NMRによる測定結
果は以下の通りである。1 HNMR(CDCl3):δ(ppm);1.65(4
H)、3.55(2H)、4.1(2H)、4.6(2
H)、4.75(2H)、5.5(1H)、5.9(1
H)、6.8(1H)、7.35(5H)、7.6(2
H)、7.9(2H)。
【0076】(合成例3)S−(22)の合成
【0077】
【化39】
【0078】化合物(3−1)15.07gをテトラヒ
ドロフラン(70ml)に入れ、そこに水素化ナトリウ
ムのオイル分散物(4g、含有率60%)を加えた。1
時間撹拌した後、化合物(3−2)15.66gを加
え、3時間撹拌した。その後、酢酸エチル(70ml)
と水(50ml)とを加え水層を分離した。さらに反応
液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/
5(体積比))にて精製し化合物(3−3)を8.4g
得た。次に化合物(3−3)2.04gを塩化メチレン
に溶かし、化合物(3−4)2.6gと化合物(3−
5)1.91gとを加えて5時間撹拌した。そこにヘキ
サンを加え、そのままシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/10(体積
比))にて精製し例示化合物S−(22)を得た(2.
3g、収率63%)。NMRによる測定結果は以下の通
りである。1 HNMR(CDCl3):δ(ppm);−0.1
(6H)、0.95(9H)、1.6(4H)、2.5
(3H)、3.6(2H)、4.1(2H)、7.4
(2H)、7.8(2H)。
【0079】(合成例4)LD−(16)の合成 キノリンーNーオキシド1水和物4.5gに無水酢酸
4.16gを加え、室温下で1時間撹拌したところ系が
均一になった。この溶液中にクロロホルム10mlに懸
濁させた3ーフェニルイソオキサゾロン5gを添加し室
温下で3時間撹拌した。反応液を水洗し、硫酸マグネシ
ウムにより乾燥し、濃縮した。得られた油状物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;nーヘキサ
ン/酢酸エチル=1/1)で精製した後、メタノールを
加えたところレモンイエローの色素が1.75g得られ
た(融点223〜224℃,λmax=423nm(ε
=16200)(酢酸エチル中))。次に得られた色素
1gをTHF10mlに溶解し水素化ナトリウムのオイ
ル分散物(含率60%)139mgを添加した。さらに
ジーtーブチルージーカーボネート6.2gを添加して
30分間加熱還流した。反応液に酢酸エチルを加え水洗
し有機層を抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮
した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒;nーヘキサン/酢酸エチル=1/
1)で精製したところLD−(16)が無色の結晶とし
て450mg得られた(融点137〜138℃、λma
x=335nm(ε=14800)(酢酸エチル
中))。構造はNMRおよび質量分析により同定した。
【0080】(合成例5)LD−(20)の合成 合成例4の合成中間体として得られた色素0.3gをT
HF3mlに溶解し、水素化ナトリウムのオイル分散物
(含率60%)41.6mgを添加した。さらにクロロ
メチルオクチルエーテル0.2mlを添加し室温で3時
間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗し有機層を
抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒;nーヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し
たところLD−(20)が無色のオイルとして250m
g得られた(λmax=340nm(ε=12800)
(酢酸エチル中))。構造は1HNMRおよび質量分析
により同定した。
【0081】(合成例6)P−(2)の合成 1)A−(1)の合成 特開平8ー248561記載の方法に準じて合成した2
ーメチルー2ー(2ーヒドロキシメチル)アセト酢酸t
ーブチルエステル18g、トリエチルアミン19.8
g、および4ージメチルアミノピリジン2gを塩化メチ
レン90mlに溶解した。さらにこの溶液中にパラビニ
ルベンゼンスルホニルクロライド18g(パラビニルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムに塩化チオニルを作用させ
ることによって合成)を添加し室温で4時間撹拌した。
反応液に水100mlを加え有機層を抽出し、さらに水
100mlで2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム
で乾燥した後、ハイドロキノンモノメチルエーテル2m
gを添加して減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶離液;nーヘキサン/
酢酸エチル=3/1)によって精製することにより無色
透明のオイル17.7g(収率54.1%)を得た。得
られた構造は質量分析、元素分析および1HNMRより
同定した。 質量分析:M+=367 元素分析: calc.C:58.68% H:6.57% S:
8.70% found C:58.69% H:6.59% S:
8.71%1 H−NMR(CDCl3):δ(ppm):1.40
(s,3H),1.42(s,9H),2.15(s,
3H),4.30(ABq,2H),5.50(d,1
H),5.93(d,1H),6.78(dd,1
H),7.58(d,2H),7.85(d,2H)
【0082】2)B−(22)の合成 4−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−(2H
−ベンゾトリアゾ−ル−2−イル)フェノ−ル(大塚化
学株式会社製)50gとニトロベンゼン5mlをTHF
300mlに溶解し、水冷下水素化ナトリウムのオイル
分散物(含有率60%)7.4gを添加した。さらにこ
の溶液中にクロロメチルオクチルエーテル104gを加
え室温で3時間撹拌した。その後、反応液に酢酸エチル
500mlを加えて有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシ
ウムにより乾燥させた。有機層を減圧濃縮した後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/
酢酸エチル=9/1)にて精製し、ヘキサンより結晶化
させることによりB−(22)を白色結晶として37.
8g(収率53%)得た。構造は質量分析、元素分析お
よび1H−NMRにより同定した。
【0083】3)P−(2)の合成 A−(1)の16.6gおよびB−(22)の20.9
5gをトルエン40mlに溶解し、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル225mgのトルエン(6ml)溶
液を加えて75℃で3時間加熱攪拌し、その後再び2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル225mgのトルエ
ン(6ml)溶液を加えて75℃で3時間加熱撹拌し
た。反応溶液を室温に冷やし、MeOH500mlに添
加して析出した白色ポリマ−を単離することにより、分
子量75000のポリマ−(P−(1))が34.8g
(収率93%)得られた。1HNMRよりA−(1)と
B−(1)の共重合体であることを確認した。さらに元
素分析よりx:y=50:50であることを確認した。
【0084】(合成例7)P−(16)の合成 A−(1)の2gおよびB−(14)の1.52gをベ
ンゼン5mlに溶解し、2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)20.2mgを加え60℃で
10時間撹拌した。反応溶液をメタノ−ル30mlに加
えたところ白色のアモルファスが得られた。上澄み液を
デカンテ−ションによって除去した後ポリマーを少量の
塩化メチレンに溶解しメタノ−ルに添加して再沈澱し、
上澄みを除去して乾燥したところ分子量3800,分子
量分布Mw/Mn=3.2のポリマー(Pー(14))
が220mg(収率6.25%)得られた。1HNMR
よりA−(1)とB−(14)の共重合体であることを
確認した。さらに元素分析よりx:yは67:33であ
ることを確認した。融点は120〜123℃、熱分解温
度は145〜148℃であり分解と同時に暗緑色に発色
が確認された。
【0085】(合成例8)P−(11)の合成
【0086】
【化40】
【0087】合成例4と同様の方法で合成した化合物
(8−1)を氷冷下加水分解した後、ヨウ化2ークロロ
ー1ーメチルピリジニウムを縮合剤として2ーヒドロキ
シエチルメタクリレートと縮合することによりロイコ色
素モノマー(8−2)を得た。酸発生剤モノマ−(A−
1)と(8−2)をAIBNを開始剤として共重合する
ことによりP−(11)を得た(分子量53000,熱
分解開始温度140.7℃)。
【0088】次に、本発明で使用されるレーザー記録装
置について説明する。本発明に係るレーザー記録装置で
は、半導体レーザーを用い、整形光学系を介して副走査
方向に対して略方形状の強度分布を示すレーザービーム
を画像記録材料に照射する。このような特殊波形のレー
ザービームを用いることにより、画像記録材料の発色閾
値の変動やレーザービームの強度変動等の影響を受ける
ことが殆どなく、副走査方向に対する画像のむらが好適
に抑制される。
【0089】なお、半導体レーザーを横多モード半導体
レーザーとすることにより、レーザービームが記録媒体
上で集光された際に、副走査方向に対してガウス分布形
状の分布となることがない。また、屈折率導波型半導体
レーザーを用い、あるいは、レーザービームの一部を副
走査方向にけることのできるアパーチャ部材を整形光学
系に挿入することにより、副走査方向に対する積分強度
の分布形状をさらに方形状に近づけ、画像のむらを一層
好適に抑制することができる。
【0090】図1および図2は、本発明において好適に
使用されるレーザー記録装置10の一実施形態を示す構
成図である。このレーザー記録装置10は、露光ヘッド
12から出力されたレーザービームLをドラム14上に
装着された画像記録材料Fに照射することで、面積変調
画像を記録するようにしたものである。なお、画像記録
材料Fには、ドラム14が矢印X方向(主走査方向)に
回転し、露光ヘッド12が矢印Y方向(副走査方向)に
移動することで、2次元画像が形成される。また、面積
変調画像とは、レーザービームLをオンオフ制御するこ
とで、画像記録材料F上に複数の画素を形成し、その画
素の占める面積によって所定の階調が得られるようにし
た画像である。
【0091】露光ヘッド12は、レーザービームLを出
力する半導体レーザーLDと、レーザービームLのニア
フィールドパターンの像を画像記録材料F上に形成する
整形光学系16とを備える。半導体レーザーLDは、横
多モード半導体レーザーあるいは屈折率導波型半導体レ
ーザーからなる。図3は屈折率導波型半導体レーザーを
示す構成斜視図であるが、基本的には、p型の半導体基
板18とn型の半導体基板20との間に活性層22を設
け、前記半導体基板18、20に設けた電極24、26
間に所定の電圧を印加することにより、活性層22から
レーザービームLを出力するように構成されている。こ
の場合、一方の電極24は幅が規制されており、この幅
に対応して活性層22に沿った方向の屈折率が制御され
ている。従って、半導体レーザーLDから出力されるレ
ーザービームLの発光パターンは、図3に示されている
ように、電極24の幅に対応した活性層22の接合面方
向に幅広で且つ略方形状になる。また、活性層22の厚
み方向に対しては、その厚みに対応した幅狭の形状とな
る。なお、半導体レーザーLDの活性層22の接合面に
対して平行な方向が副走査方向となるように、画像記録
材料Fとの相対位置が規定されている。
【0092】整形光学系16は、半導体レーザーLDか
ら出力されたレーザービームLのニアフィールドパター
ンの像を画像記録材料F上に整形して結像させる光学系
であり、図2に示すように、半導体レーザーLD側よ
り、集光レンズ28、シリンドリカルレンズ30、3
2、34、36、集光レンズ38が順に配列されてい
る。なお、シリンドリカルレンズ30および34は、レ
ーザービームLを副走査方向(矢印Y方向)にのみ集光
し、シリンドリカルレンズ32および36は、レーザー
ビームLを主走査方向(矢印X方向)にのみ集光する。
【0093】本実施形態のレーザー記録装置10は、基
本的には以上のように構成されるものであり、次に、そ
の作用効果について説明する。画像情報に応じて変調さ
れ、半導体レーザーLDの活性層22より出力されたレ
ーザービームLは、集光レンズ28によってニアフィー
ルドパターンが平行光束とされた後、シリンドリカルレ
ンズ30、34によって副走査方向(矢印Y方向)のみ
が整形される一方、シリンドリカルレンズ32、36に
よって主走査方向(矢印X方向)のみが整形され、集光
レンズ38を介してドラム14上の画像記録材料Fに前
記ニアフィールドパターンの像が形成される。このと
き、レーザービームLのニアフィールドパターンは、図
3に符号a,bで示す形状となっており、画像記録材料
F上では、図4(図3のaに相当)および図5(図3の
bに相当)に示すように、レーザービームLのエネルギ
ーを主走査方向に積分したとしても、副走査方向に対す
る積分強度がガウス分布状の形状となることはない。こ
の結果、レーザービームLの強度が変動したり、レーザ
ービームLの集光点と画像記録材料Fとの位置にずれが
生じ、図5の特性AまたはBに示すように積分強度が変
動したとしても、画像記録材料Fの発色閾値によって決
定される発色範囲cが変動するようなことはなく、従っ
て、画像の副走査方向に対するむらが出現することはな
い。さらに、前記半導体レーザーLDとして、副走査方
向に幅が広いレーザービームLを出力する横多モード半
導体レーザーを用いることにより、画像記録材料F上に
おいて副走査方向にガウス分布状とならない特性を得る
ことができる。
【0094】図6は、図3に示した屈折率導波型の半導
体レーザーLDを用いた方形分布状のレーザービームL
によりサーマルタイプの画像記録材料Fを主走査方向に
線状に露光した場合と(□で示す実験値)、同じ画像記
録材料Fに従来のガウス分布に近い形状の強度分布を示
す光源を用いて線状に露光した場合と(▲で示す実験
値)において、形成された副走査方向の線幅を比較して
示したものである。図示されるように、従来のガウス分
布状のものでは、露光エネルギーの増加に伴い線幅が増
加しているのに対して、本発明に従う方形分布状のもの
では、露光エネルギーによらず線幅が一定であることが
了解される。なお、サーマルタイプの画像記録材料Fと
して、低照度不軌の特性を示す感光材料を用いた場合、
画像記録材料F上でのレーザービームLの強度分布を主
走査方向に幅狭とすることにより、記録感度を向上させ
ることができるので、むらのない画像を高速に記録する
ことが可能となる。
【0095】図7は、図1および図2に示したレーザ記
録装置10において、シリンドリカルレンズ30と32
との間の焦点位置にアパーチャ部材40を配置したもの
である。アパーチャ部材40は、図8に示すような方形
状の開口部42を有している。この開口部42は、レー
ザービームLのニアフィールドパターンの一部を副走査
方向にけるように配置されている。この場合、シリンド
リカルレンズ30を介してアパーチャ部材40に導かれ
たレーザービームLは、開口部42の直前において図9
(A)に示す強度分布であったものが、開口部42によ
って整形されることで、図9(B)に示すように、副走
査方向のエッジが良好に切れ込んだ強度分布に変換され
る。従って、このように整形されたレーザービームLに
より画像を形成した場合、副走査方向に対する画像のむ
らの発生をさらに好適に抑制することができる。
【0096】図10は、半導体レーザーLDから出力さ
れたファーフィールドパターンの像を画像記録材料F上
に形成するための整形光学系46の構成を示している。
図示されるように、整形光学系46は、半導体レーザー
LD側より集光レンズ48、シリンドリカルレンズ5
0、52、集光レンズ54を順に配列して構成される。
この整形光学系46では、集光レンズ48の焦点距離を
fとすると、集光レンズ48は、半導体レーザーLDか
ら出力されたレーザービームLをコリメートし、集光レ
ンズ48の後側主点位置から焦点距離fの所(二点鎖線
で示す。)に図11(A)および図11(B)に示す分
布からなるファーフィールドパターンを形成する。次い
で、このファーフィールドパターンを形成するレーザー
ビームLは、主走査方向に対してガウス分布状となって
いるので、シリンドリカルレンズ50、52を用いてそ
の方向にのみ整形した後、集光レンズ54を介して画像
記録材料Fに集光される。このようにして、図4および
図5に示したニアフィールドパターンの像の場合と同様
に、むらのない画像を形成することができる。
【0097】図12は、図10に示した整形光学系46
の集光レンズ48とシリンドリカルレンズ50との間の
ファーフィールドパターンが形成される位置(f)に、
図8に示したアパーチャ部材40を配置した構成を示し
ている。この場合も、図7に示した整形光学系16と同
様に、さらに方形状に近い強度分布を有するレーザービ
ームLで画像記録材料F上に画像を形成することがで
き、副走査方向のむらの無い、より一層良好な画像を形
成することができる。
【0098】なお、上述した実施形態において、半導体
レーザーLDとして、屈折率導波型半導体レーザーを用
いた場合を示したが、画像記録材料Fの副走査方向にお
ける強度分布のエッジが鋭く、しかも、主走査方向に幅
の狭い特性を有するレーザービームLを出力することの
できる半導体レーザーLDであれば、他の構造のものを
利用することができることは勿論である。また、画像に
おけるむらの発生が極めて少ないため、半導体レーザー
LDからのレーザービームLによって形成される画像
は、面積変調画像、特に、空間周波数を画像の濃度に応
じて変調することにより形成される網点画像、いわゆ
る、FM変調画像とした場合において、極めて好適な画
像を得ることができる。
【0099】更に,本発明においては、画像形成のため
に画像形成材料の加熱を行うこともできる。上記した一
般式(5)で表されるポリマーは、加熱によってまずA
の部位が分解して酸が生成し、さらにその酸の作用によ
ってBの吸収変化が引き起こされる。この反応はレーザ
ー光照射による極短時間のうちに進行するが、後加熱に
よって画像イメージを増幅させることができる。尚、こ
の後加熱は、60〜150℃の温度(好ましくは60〜
120℃)で全面加熱することによって画像イメージを
増幅させることができる。また、より少ない熱エネルギ
ーで画像を形成するために、予め画像記録材料を適当な
温度に加熱しておくおともできる。画像形成の手段とし
ての加熱方法としては、加熱されたブロックやプレート
と接触させる方法、熱ローラーや熱ドラムと接触させる
方法、ハロゲンランプや赤外ないし遠赤外ランプヒータ
ーを照射させる方法、感熱プリンターの熱ヘッドで画像
状に加熱する方法、レーザー光を照射する方法等があ
る。
【0100】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳しく説
明するが本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 <画像記録材料の調製>以下に示す化合物をクロロホル
ムに溶解し、厚み175μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に塗布、乾燥して透明な画像記録材料を
作製した。 試料ー1 S−(8) 4mmol/m2 LD−(15) 2mmol/m2 IR色素 113mg/m2 試料ー2 S−(8) 4mmol/m2 LD−(7) 2mmol/m2 IR色素 113mg/m2 試料ー3 S−(8) 10mmol/m2 B−(14) 2mmol/m2 IR色素 113mg/m2 試料ー4 P−(3) 2mmol/m2 IR色素 113mg/m2
【0101】
【化41】
【0102】<本発明のレーザー露光条件>図1および
図2に示す整形光学系を備えたレーザー記録装置を用
い、屈折率導波型半導体レーザーから100mWの出力
でレーザービームを出射させ、ビーム径としてx軸方向
が20μm、y軸方向が40μmのとなるように整形し
て画像書き込み用レーザーとした。このレーザーを用い
て、画像記録材料上のレーザーエネルギー密度を3mJ
/mm2 および5mJ/mm2 に設定して上記各画像記
録材料をレーザー露光した。 <比較実験のためのレ−ザ−露光条件>Spectra Diode
Labs No.SDL-2430(波長範囲:800〜830nm)を
100mWの出力にして、画像書き込み用レーザーとし
た。このレーザーを用いて、ビーム径20μm、画像記
録材料上のレーザーエネルギー密度を3mJ/mm2
よび5mJ/mm2 に設定して上記各画像記録材料をレ
ーザー露光した。 <結果>レーザー露光後の各画像記録材料をルーペにて
50倍に拡大して観察したところ、本発明に従いレーザ
ー露光を行った場合では、レーザーエネルギー密度が3
mJ/mm2 および5mJ/mm2 のいずれの場合にも
露光の中央部分と端の濃度がほぼ等しかった。それに対
して比較実験では、レーザーエネルギー密度が3mJ/
mm2 の場合には露光の端の部分の濃度が露光中央部分
の濃度より低く、切れの悪い線になっていた。さらにレ
ーザーエネルギー密度が5mJ/mm2 の場合には露光
の中央部分でアブレーションが起こり、傷がついてい
た。これらの結果より、副走査方向に略方形状の強度分
布を有するように整形されたレーザービームを用いるこ
とにより、副走査方向に対する画像むらの発生を大幅に
抑制することができるようになり、本発明の有用性は明
らかである。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る画像
形成方法によれば、極めて簡易な構成により、画像記録
材料の発色閾値の変動やレーザービームの強度変動等の
影響を受けることが殆どなく、副走査方向に対する画像
のむらが好適に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において使用されるレーザー記録装置
の一実施形態を示す斜視構成図である。
【図2】 図1に示すレーザー記録装置の平面構成図で
ある。
【図3】 図1に示すレーザー記録装置に用いられる半
導体レーザーの構成およびそれから出力されるレーザー
ビーム形状の説明図である。
【図4】 図1に示すレーザー記録装置により得られる
画像記録材料上でのレーザービームの強度分布の説明図
である。
【図5】 図1に示すレーザー記録装置により得られる
画像記録材料上でのレーザービームの副走査方向に対す
る積分強度の説明図である。
【図6】 図1に示すレーザー記録装置および従来のレ
ーザー記録装置を用いた場合の画像記録材料上の露光エ
ネルギーと線画像の線幅との関係を説明するための図で
ある。
【図7】 図2に示すレーザー記録装置にアパーチャ部
材を適用した平面構成図である。
【図8】 図7に示すアパーチャ部材の斜視構成図であ
る。
【図9】 図9(A)は、図8に示すアパーチャ部材を
通過する前のレーザービームの副走査方向に対する強度
分布、図9(B)は、アパーチャ部材を通過した後のレ
ーザービームの副走査方向に対する強度分布を示す図で
ある。
【図10】 本発明においてファーフィールドパターン
を用いたレーザー記録装置の平面構成図である。
【図11】 図11(A)は、図3に示す半導体レーザ
ーの副走査方向に対するファーフィールドパターンの強
度分布、図11(B)は、図3に示す半導体レーザーの
主走査方向に対するファーフィールドパターンの強度分
布を示す図である。
【図12】 図10に示すレーザー記録装置にアパーチ
ャ部材を適用した平面構成図である。
【図13】 従来のガウス分布状の強度分布を有する光
源を用いた場合の画像むら発生の説明図である。
【符号の説明】
10…レーザー記録装置 12…露光ヘッド 14…ドラム 16、46…整形光学系 18、20…半導体基板 22…活性層 24、26…電極 40…アパーチャ部材 F…画像記録材料 LD…半導体レーザー

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー照射することにより有機化合物
    の色相変化を引き起こし画像形成を行う画像記録材料に
    対して、半導体レーザーから出射され、副走査方向に対
    して略方形状の強度分布を示すように整形されたレーザ
    ービームを主走査することにより、前記画像記録材料に
    面積変調による画像を記録することを特徴とする画像記
    録方法。
  2. 【請求項2】 前記半導体レーザーとして横多モード半
    導体レーザーを用いることを特徴とする請求項1に記載
    の画像記録方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体レーザーとして屈折率導波型
    半導体レーザーを用いることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の画像記録方法。
  4. 【請求項4】 前記半導体レーザーの活性層接合面に対
    して平行な方向を前記副走査方向に設定することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像記録方
    法。
  5. 【請求項5】 前記画像記録材料に対して、空間周波数
    変調処理による網点画像を記録することを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項に記載の画像記録方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザービームのニアフィールドパ
    ターンの像を前記画像記録材料上に形成することを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像記録方
    法。
  7. 【請求項7】 前記レーザービームのファーフィールド
    パターンの像を前記画像記録材料上に形成することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像記録
    方法。
  8. 【請求項8】 前記レーザービームのニアフィールドパ
    ターンは、少なくとも前記副走査方向に一部をけるよう
    なアパーチャ部材を備える整形光学系により波形整形さ
    れることを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
  9. 【請求項9】 前記レーザービームのファーフィールド
    パターンは、少なくとも前記副走査方向に一部をけるよ
    うなアパーチャ部材を備える整形光学系により波形整形
    されることを特徴とする請求項7に記載の画像記録方
    法。
  10. 【請求項10】 酸と有機化合物との反応により色相変
    化を引き起こし画像形成を行う画像記録材料を用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜9のいすれか一項に記載の画
    像記録方法。
  11. 【請求項11】 熱または酸の作用により酸を発生する
    下記一般式(1)で表される酸発生剤と、酸の作用によ
    り分子内もしくは分子間反応を引き起こし360〜90
    0nmの吸収域に変化を生じる化合物とを含有する画像
    記録材料を用いることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れか一項に記載の画像記録方法。 一般式(1)・・・W1OP1 式中、W1はW1OHで表される酸の残基を表し、P1
    熱または酸の作用により離脱する置換基を表す。
  12. 【請求項12】 一般式(1)で表される酸発生剤が下
    記一般式(2)〜(4)から選ばれる化合物であること
    を特徴とする請求項11記載の画像記録方法。 一般式(2)・・・ 【化1】 式中、R1はハメットのσp値が0より大きい電子吸引
    性基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は熱または酸
    の作用により離脱する基を表し、W1は一般式(1)と
    同義である。 一般式(3)・・・ 【化2】 式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素原子、アル
    キル基、もしくはアリール基を表し(但し、同じであっ
    ても異なっていてもよい)、また置換基を有していても
    よく、更にR4とR5、R4とR6、R5とR6はそれぞれ結
    合して環を形成してもよく、W1は一般式(1)と同義
    である。 一般式(4)・・・P2−X−L−C(R7)(R8)−OW1 式中、P2は熱または酸の作用により離脱する置換基を
    表し、XはO、S、NR9(R9は水素原子または置換可
    能な基を表す)、またはCR1011〔R10およびR11
    それぞれ独立に水素原子または置換可能な基を表し(但
    し、同じであっても異なっていても良い)〕を表し、L
    は連結基を表し、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原
    子または置換可能な基を表し(但し、同じであっても異
    なっていても良い)、W1は一般式(1)と同義である。
  13. 【請求項13】 熱もしくは酸の作用により酸を発生す
    る機能を有する部分構造と、酸の作用により360〜9
    00nmの吸収域に変化を生じる部分構造を合わせ持つ
    ポリマーを含有する画像記録材料を用いることを特徴と
    する請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像記録方
    法。
  14. 【請求項14】 前記ポリマーが下記一般式(5)で示
    されるポリマーであることを特徴とする請求項13に記
    載の画像記録方法。 一般式(5)・・・−(A)x−(B)y−(C)z− 式中Aは、熱もしくは酸の作用により酸を発生する機能
    を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの重合
    によって得られる繰り返し単位を表し、Bは酸の作用に
    より360〜900nmの吸収域に変化を生じる部分構
    造を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの重
    合によって得られる繰り返し単位を表し、CはAおよび
    Bと共重合可能な少なくとも1種類以上のビニルモノマ
    ーの重合によって得られる繰り返し単位を表し、x、y
    およびzは重量%を表し、それぞれ1≦x≦99、1≦
    y≦99、0≦z≦98、x+y+z=100を表す。
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