JP2000296679A - 画像記録方法及び装置 - Google Patents

画像記録方法及び装置

Info

Publication number
JP2000296679A
JP2000296679A JP11107219A JP10721999A JP2000296679A JP 2000296679 A JP2000296679 A JP 2000296679A JP 11107219 A JP11107219 A JP 11107219A JP 10721999 A JP10721999 A JP 10721999A JP 2000296679 A JP2000296679 A JP 2000296679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
image
recording material
image recording
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11107219A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuhiro Okawa
敦裕 大川
Tatsuhiko Obayashi
達彦 大林
Hiroshi Matsuoka
浩 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP11107219A priority Critical patent/JP2000296679A/ja
Publication of JP2000296679A publication Critical patent/JP2000296679A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録材料がでかつ最初から最後まで明室で取
り扱われ、廃材も出ず、高感度を望むことができる画像
形成方法及び装置を提供することにある。 【解決手段】 酸触媒による発色(又は消色)反応を利
用した画像記録媒体よりなる感熱記録材料Dに画像形成
する画像記録装置10であって、感熱記録材料Dを収容
して利用時に搬出する記録材料供給部20と、記録材料
供給部20から供給される感熱記録材料Dに潜像を記録
する記録部30と、記録部の記録位置もしくは記録位置
上流に配置されて感熱記録材料Dを所定温度まで加熱す
る加熱部40とを備える画像記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸触媒によって加速
される発色(または消色)反応を利用した画像記録媒体
に対して短時間で良好な画像を形成させる画像形成方法
に関するものであり、さらに詳しくは酸および/または
色素の増殖システムを利用した高感度でかつ保存性の良
好な画像記録媒体に対してプレヒートを行った後にレー
ザーを照射することにより低いレーザーパワーで良好な
画像を形成させる方法を提供するものである。更に本発
明は、熱もしくは酸の作用によって酸を発生する部分構
造を有するモノマーと酸との反応によって吸収変化を生
じる部分構造を有するモノマーの共重合体に関するもの
であり、さらに該ポリマーを利用した高感度で保存性の
良好な画像記録媒体に対してプレヒートを行った後にレ
ーザーを照射することにより低いレーザーパワーで良好
な画像を形成させる方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は画像部と非画像部を温度
差分布に対応させて表現するもので、着色剤の溶融転写
や昇華転写、加熱溶融やカプセル破壊による2成分間の
発色反応、相転位による光学特性の変化等、多くの方式
が考案されてきた。この種の熱記録媒体においては、乾
式でかつ簡単なシステムで記録像が得られ、しかもメン
テナンスを殆ど必要としないという利点があるため、各
種プリンター、ワードプロセッサー、ファクシミリ等の
出力材料として広く利用されている。また近年、レーザ
ー記録装置の進歩に伴い光ディスクや製版材料にも応用
が検討されている。
【0003】従来、製版材料としては、湿式処理を必要
とするハロゲン化銀感光材料が使用されてきたが、処理
工程の簡易化に対する要求、および処理液による環境汚
染の問題から乾式工程の開発が望まれ、近年感熱記録方
式によるいくつかの技術的な提案がなされてきた。解像
度の観点からレーザーを用いた画像記録が好ましく、例
えば、高出力レーザーを用いた色素アブレ−ションと呼
ばれる方式が開発されており、その記録材料が特開平7
−164755号、同−149063号、同7−149
065号等に、画像形成装置が特開平8−48053
号、同8−72400号等に開示されている。このシス
テムでは支持体上に塗布された画像色素、レーザー波長
域に吸収を有する物質(赤外吸収物質)およびバインダ
−からなる色素組成物を有する記録材料を、色素層側か
らレーザー照射することによって画像記録が行われる。
レーザーによって与えられたエネルギーは、レーザービ
ームが材料に当たったスポットで画像形成層に急激な局
部変化を起こし、それによって物質を層から追い出す。
この様な色素アブレーション方式では、レーザー露光部
位における色素の除去効率を高めるためには高出力のレ
ーザーが不可欠であり、また記録材料から除去された色
素を集めるために集塵機の併設が必要であるといった問
題点があった。
【0004】集塵機を必要としない方式として、レーザ
ーを熱源とするアブレーション転写式画像記録法に関す
る記載が米国特許第5,171,650号等に開示され
ている。この方式では、アブレイティブキャリアートッ
プコートを上塗りした動的剥離層を含有する色素ドナー
シートが用いられており、画像は、隣接して位置合わせ
をした別の受容シートへと転写される。このため画像記
録後に不用となったシートが廃材になるという問題点が
あった。またこの場合も転写効率を高めるためには高出
力のレーザーが不可欠であった。このようにレーザーに
よるアブレーションを利用した従来の感熱記録方式では
高出力のレーザーが必要であり、ゴミや廃材が避けられ
ないという問題点があった。
【0005】一方レーザーを利用したアブレーションを
伴わない感熱記録方式として、「ドライシルバー」と称
されるシステムを発展させたものが特開平6−1947
81号等に記載されている。このシステムでは、熱的に
還元されうる銀塩、銀イオンの還元剤、および光熱変換
色素を含有する記録材料に対してレーザーで記録が行わ
れるが、非画像部の保存性、および熱感度の点で改良が
望まれていた。その他、製版材料用途に共するUVマス
ク像(360nm〜420nm;PS版への露光光源に
対応)の形成方法として、レーザーを利用したヒートモ
ード方式では実用的な提案はなされていない。
【0006】また、レーザーを利用したその他の感熱記
録方式として米国特許第4,602,263号、同第
4,826,976号にはカルバメ−トの熱分解によっ
て吸収の変化する化合物が記載されており、同第5,2
43,052号には水酸基に導入したtーブトキシカル
ボニル基の熱分解によってイエロー発色する化合物が記
載されている。これらの方式は不可逆な単分子反応を利
用したもので、レーザーを利用した極短時間の画像記録
に対して好ましい方式ではあるが、感度が不十分であり
更に高感度化が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、多くの
画像記録方式が提案されているが、特に、製版材料につ
いて、上述の各装置において、乾式、明室、廃材なし、
高感度の各条件のいずれかが満たされていないという問
題がある。本発明の目的は、上記の問題点を解決するこ
とであり、記録材料がでかつ最初から最後まで明室で取
り扱われ、廃材も出ず、高感度を望むことができる画像
形成方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明は上記目的の達成
のための方法として、酸触媒による発色(又は消色)反
応を利用した画像記録媒体よりなる感熱記録材料に画像
形成する画像記録方法であって、記録材料供給部から供
給される前記感熱記録材料に潜像を記録する位置もしく
はその上流位置で、前記感熱記録材料を所定温度まで加
熱し、画像記録を行う構成としている。前記潜像記録後
に前記感熱記録材料を現像温度まで加熱現像する構成と
することができる。
【0009】また、本発明は上記目的の達成のための装
置として、 (a)酸触媒による発色(又は消色)反応を利用した画
像記録媒体よりなる感熱記録材料に画像形成する画像記
録装置であって、前記感熱記録材料を収容して利用時に
搬出する記録材料供給部と、前記記録材料供給部から供
給される前記感熱記録材料に潜像を記録する記録部と、
前記記録部の記録位置もしくは記録位置上流に配置され
て前記感熱記録材料を所定温度まで加熱する加熱部とを
備える構成としている。 (b)前記記録部が前記画像記録媒体内に像様に酸を発
生する熱を与えるように露光するレーザー記録手段であ
る構成とすることができる。 (c)そして、この(b)の構成において、前記加熱部
が、前記感熱記録材料上の記録用レーザー走査位置の直
前で走査する加熱用光ビームである構成とすることがで
きる。 (d)上記(a)の構成において、前記加熱部が、前記
感熱記録材料に接して加熱する加熱ローラである構成と
することができる。 (e)上記(a)の構成において、前記加熱部が、前記
記録部の記録位置もしくは記録位置上流で前記感熱記録
材料の記録面裏側に対向する位置に平板状加熱面を備え
る構成とすることができる。 (f)上記(a)〜(e)のいずれかの構成において、
前記記録材料供給部には前記感熱記録材料以外に少なく
とも一種類の記録材料の収容部が備えられ、これらの記
録材料が選択的に供給される構成とすることができる。 (g)上記(a),(d)〜(f)のいずれかの構成に
おいて、前記記録部が前記画像記録媒体内に像様に酸を
発生する熱を与えるサーマルヘッド記録手段である構成
とすることができる。 (h)上記(a)〜(g)のいずれかの構成において、
前記記録部から搬送される潜像形成後の前記感熱記録材
料を加熱して、可視像を得る熱現像部を備える構成とす
ることができる。 (i)上記(a),(b),(d)〜(h)のいずれか
の構成において、前記加熱部と前記熱現像部とが隣接配
置され、前記記録部による記録位置が前記熱現像部に感
熱記録材料が進入する直前位置である構成とすることが
できる。 (j)上記(a)〜(i)のいずれかの構成において、
前記熱現像部下流の感熱記録材料出口付近に、現像済み
の感熱記録材料の画像状態を検出する測色センサが配置
されている構成とすることができる。 (k)上記(j)の構成において、少なくとも前記記録
部及び熱現像部のプロファイル記録を有し、且つ前記測
色センサから現像済み画像状態をフィードバックされ、
画像データが入力された画像記録要求毎に、前記各部の
プロファイルを設定する画像形成制御部を備える構成と
することができる。
【0010】本発明の画像記録方法及び装置で使用され
る酸触媒による発色(又は消色)反応を利用した画像記
録媒体は下記〜により定義されるものが使用でき
る。 この画像記録媒体は、熱または酸の作用により酸を
発生する下記一般式(1)で表される酸発生剤と、酸の
作用により分子内もしくは分子間反応を引き起こし36
0〜900nmの吸収域に変化を生じる化合物とを含有
する。 一般式(1) W1OP1 (式中、W1はW1OHで表される酸の残基を表し、P1
は熱または酸の作用により離脱する置換基を表す。) そして、一般式(1)で表される酸発生剤が下記一
般式(2)〜(4)から選ばれる化合物とすることがで
きる。 一般式(2)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1はハメットのσp値が0より
大きい電子吸引性基を表す。R2はアルキル基を表す。
3は熱または酸の作用により離脱する基を表わす。W1
は一般式(1)と同義である。) 一般式(3)
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R4、R5、R6は水素原子、アル
キル基、もしくはアリール基を表し、W1は一般式
(1)と同義である。) 一般式(4) P2−X−L−C(R7)(R8)−OW1 (式中P2は熱または酸の作用により離脱する置換基を
表す。XはO、S、NR9(R9は水素原子または置換可
能な基を表す)、またはCR1011(R10およびR11
水素原子または置換可能な基を表し、同じであっても異
なっていても良い)を表す。Lは連結基を表す。R7
よびR8は水素原子または置換可能な基を表し、同じで
あっても異なっていても良い。W1は一般式(1)と同
義である。)
【0015】 またこの画像記録媒体は、熱もしくは
酸の作用により酸を発生する機能を有する部分構造と、
酸の作用により360〜900nmの吸収域に変化を生
じる部分構造を合わせ持つポリマーを含有してもよい。 記載のポリマーは下記一般式(5)で示されるポ
リマーとしてもよい。 一般式(5) −(A)x−(B)y−(C)z− (式中Aは、熱もしくは酸の作用により酸を発生する機
能を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの重
合によって得られる繰り返し単位を表し、Bは酸の作用
により360〜900nmの吸収域に変化を生じる部分
構造を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの
重合によって得られる繰り返し単位を表し、CはAおよ
びBと共重合可能な少なくとも1種類以上のビニルモノ
マーの重合によって得られる繰り返し単位を表し、x、
yおよびzは重量%を表し、それぞれ1≦x≦99、1
≦y≦99、0≦z≦98、x+y+z=100を表
す。)
【0016】以上のように本発明の記録材料は、熱また
は酸の作用により酸を発生する酸発生剤と、酸の作用に
より分子内もしくは分子間反応を引き起こし360〜9
00nmの吸収域に変化を生じる化合物とを利用してい
おり、この記録材料は銀を用いておらず、明室での取り
扱いが可能で、廃材が出ないという特性を有するもの
で、この記録材料を上記画像記録方法及び装置により、
記録部の記録位置もしくは記録位置上流に配置されて前
記感熱記録材料を画像記録前に所定温度まで加熱するこ
とで、高感度となる画像記録が実行でき、高画質化を達
成できる。また、記録前に予め所定温度まで加熱すると
いうことは、低いレーザーパワーで書き込みが可能とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、添付の図
面をもとに詳細に説明する。本発明で使用する画像記録
材料であるシートDについての詳細は後述するが、画像
記録としては、少なくとも1本のレーザビームのような
光ビームによって画像を記録するか、あるいは、レーザ
ビームのヒートモード(熱)またはサーマルヘッド等に
よって画像を記録する。
【0018】図1は、本発明の第1の実施形態の画像記
録装置の概略構成図である。図示されるように、画像記
録装置10には、前述の画像記録媒体を有する画像記録
材料(以下、シートDと呼ぶ。)の搬送経路順に、記録
材料供給部20と、画像記録部30とが主たる構成要素
として備えられる。記録材料供給部20において、シー
トDは、ロール状に収納されるマガジン21から引き出
され、カッター23により所定長に切断されて、所望の
長さのシートDとして搬送供給される。このシートDは
搬送経路Fに沿って画像記録部30に搬送される。本実
施形態の場合、画像記録部30では、レーザービームE
を照射する画像記録光学系32が配置され、レーザビー
ムのヒートモードを利用して画像記録を実施している。
一方、搬送経路Fにおけるレーザービーム照射位置E1
の上流には、加熱部40としての加熱ローラ42が搬送
ローラを兼ねて配置され、レーザービーム照射位置E1
の下流に配置された搬送ローラ44と共にシートDを一
定速度で搬送する。このような一定速度の搬送を実行し
つつ、加熱ローラ42によりシートDを所定の温度まで
加熱する。この所定温度まで加熱されたシートDは、温
度が低下する前に画像記録部30のレーザービーム照射
位置E1まで搬送され、画像記録走査に共される。そし
て、画像記録が終了したシートDは画像記録装置10外
部に配置された集積部50へ送出される。
【0019】図2は、図1に示した画像記録装置の加熱
部の構成を示す部分斜視図である。この図に示すよう
に、加熱部40は対の加熱ローラ42により構成され、
シートDは加熱ローラ42に挟持搬送されている(図を
見やすくするため、搬送ローラ44は省略している)。
そして、矢印で示した搬送経路Fの方向の加熱ローラ4
2の下流にレーザビームEの照射位置E1が位置されて
いる。従って、上述のように所定温度まで加熱されたシ
ートDは、温度が低下する前に画像記録部30のレーザ
ービーム照射位置E1まで搬送され、画像記録走査に共
される。
【0020】図3は、図1に示した画像記録装置の画像
記録部の構成を示す概略構成図である。この図に示すよ
うに、画像記録光学系32は、記録画像に応じて変調し
た光ビームEを主走査方向(シートDの幅方向)に偏向
して、所定の記録位置E1に入射するレーザービーム走
査装置であって、レーザービームEを射出する光源35
と、光偏向器であるポリゴンミラー36と、立ち下げミ
ラー37とを有して構成される。なお、画像記録光学系
32には、これ以外にも、光源から射出されたレーザー
ビームEを整形する公知のレーザービーム走査装置に配
置される各種の部材が必要に応じて配置される。
【0021】光源35から射出されたレーザービームD
は、ポリゴンミラー36によって主走査方向に偏向さ
れ、立ち下げミラー37によって光路を変更されて記録
位置E1に入射する。一方、副走査に関しては、上述の
ように記録位置E1(走査線)を挟んで配置される加熱
ローラ42と搬送ローラ44による搬送であり、加熱ロ
ーラ42と搬送ローラ44によって、シートDを記録位
置E1で主走査方向と直交する副走査方向に搬送する。
従って、レーザービームDは、主走査方向に偏向されて
いるので、シートDはレーザービームによって2次元的
に走査露光され、像が記録される。
【0022】このように、この実施の形態においては、
シートDで示している記録材料に対し、レーザーによる
画像記録照射前又は記録時に該材料を加熱ローラ42に
より加熱することにより感度が大幅に向上する。そし
て、本発明で使用する記録材料は、所定の温度まで殆ど
感度を示さない特性を有しており、つまり、レーザーを
照射しない部分がカブリを生じない程度である所定温度
にまで記録材料全体の加熱温度を高めることができる。
そして、そのような加熱を実施することで、レーザー照
射部分では、感度の向上を図れることとなる。また、記
録前に予め所定温度まで加熱することにより熱量が補わ
れ、低いレーザーパワーで書き込みが可能となる。
【0023】このような記録前又は記録時の加熱(以
降、プレヒートと称する)の上限としてはカブリを生じ
る温度より5℃低い温度以下に設定することが好まし
い。このプレヒート温度の下限としては50℃以上が好
ましく、更に好ましくは80℃以上である。プレヒート
を行った後にレーザーの照射を行うが、この加熱とレー
ザー照射の間の時間は10秒以下が好ましく、より好ま
しくは3秒以下であり、更に好ましくは1秒以下で、記
録時に加熱状態であっても問題ない。
【0024】次に、本発明に使用する記録材料に対し
て、プレヒート、及びレーザー照射による画像記録の
後、更に熱現像を行うことができる。熱現像の温度はプ
レヒート温度と同じであっても異なっていても良い。熱
現像温度として好ましくはプレヒート温度とほぼ同じ
か、プレヒート温度より低い場合である。熱現像温度と
して好ましくは下限値が50℃以上であり、更に好まし
くは80℃以上である。熱現像温度の上限値として好ま
しくは150℃以下であり、好ましくは130℃以下で
ある。
【0025】次に、図4は、本発明に関わる第2の実施
の形態の画像記録装置の概略構成図である。本実施の形
態の装置は熱現像を実施する装置であり、この画像記録
装置110は、シートDの搬送経路順に、記録材料供給
部120と、画像記録部130と、熱現像部160が主
たる構成要素として備えられる。記録材料供給部120
において、複数種類の記録材料を装填できる構成となっ
ており、マガジン121を備えており、ロール状の複数
の記録材料、例えば、カラー化のための色材シートや、
他の特性を有する記録材料等をそれぞれロール状にして
収容できる。このマガジン121は回転して、所望の記
録材料のロールを取り出し位置122に移動する。この
取り出し位置122には、マガジン121から引き出さ
れる記録材料を所定の長さにカットするカッター123
が備えられている。なお、記録材料の収容形態として
は、このようなロール状収容の他に、所定形状に特定さ
れている枚葉装填形態とすることもできる。
【0026】所定長となったシートDは搬送経路に沿っ
て画像記録部130に搬送される。本実施形態において
も第1の実施の形態と同様で、画像記録部130では、
レーザービームEを照射する画像記録光学系132が配
置され、レーザビームのヒートモードを利用して画像記
録を実施している。一方、搬送経路におけるレーザービ
ーム照射位置E1の上流には、加熱部140としての加
熱ローラ142が搬送ローラを兼ねて配置され、レーザ
ービーム照射位置の下流に配置された搬送ローラ144
と共にシートDを一定速度で搬送する。この画像記録部
130の作用は第1の実施の形態と同様であるので説明
を省略する。本実施形態では画像記録部130での記録
が終了した後、シートDは熱現像部160に搬送され
る。
【0027】熱現像部160は、中心部にランプヒータ
162を備えた加熱ドラム164と、その加熱ドラム1
64周りに接触状態で複数のローラ168間に張架され
る無端ベルト166とから構成されている。加熱ドラム
164及び無端ベルト166の少なくともいずれかが回
転駆動されており、シートDが加熱ドラム164と無端
ベルト166との間に挟持搬送される。加熱ドラム16
4は中心部のランプヒータ162により前述のような熱
現像温度まで加熱されており、挟持搬送されるシートD
に対して、挟持されている間中、熱現像を行う。つま
り、挟持搬送時間が熱現像時間となる。そして、熱現像
が終了したシートDは集積部150に送出される。
【0028】加熱ドラム164の加熱にはシートDに有
効に熱を供給できるものならば種々の形態が適合する。
例えばセラミックヒータのように自己発熱型のもの、ラ
バーヒータのようにヒータと伝熱部材とをドラム内面に
貼り付けたもの、熱風からの対流伝熱により間接的に伝
熱部材を加熱するものなどがある。。なお、本実施形態
の画像記録装置110では、熱現像部160の加熱によ
りシートDから揮発性のガスが発生するので、これを回
収するため清浄フィルタを備える排気装置180を設け
ている。
【0029】また、本実施形態の画像記録装置110の
各部、記録材料供給部120、画像記録部130、熱現
像部160に接続された画像形成制御部である出力制御
部170が備えられている。この出力制御部170は、
各種条件(記録材料種類、ロット、各部の固有パラメー
タ、環境条件、意図された画像処理条件など)に適合さ
せるべく、前記各部のプロファイルを最適なものに設定
し、各部では、そのプロファイルを基として、処理を実
行する。
【0030】具体的には、この出力制御部170に画像
データが入力されると、記録材料供給部120で搬出す
べき記録材料を決定する。画像記録部130について
は、レーザー出力をその時点での各種条件に対応させて
最適となる出力状態に設定する。熱現像部160につい
ては、加熱温度等を各種条件に対応させて最適となる出
力状態に設定する。このような処理により、常に最適な
画像を得ることができる。なお、熱現像部160のシー
トD送出位置に測色センサ172を設け、このデータを
出力制御部170にフィードバックすることで、さら
に、最適な画像を得ることができる。
【0031】次に、図5は、本発明に関わる第3の実施
の形態の画像記録装置の概略構成図である。本実施の形
態の装置は第2の実施形態と同様で、熱現像を実施する
装置であり、この画像記録装置210は、シートDの搬
送経路順に、記録材料供給部220と、画像記録部23
0と、熱現像部260が主たる構成要素として備えられ
る。記録材料供給部220において、シートDは、ロー
ル状に収納されるマガジン221から引き出され、カッ
ター223により所定長に切断されて、所望の長さのシ
ートDとして搬送供給される。このシートDは搬送経路
に沿って搬送される。本実施形態の場合、画像記録部2
30は、シートDを保持する保持ドラム231の回転方
向を主走査方向として、レーザビームのヒートモードを
利用した画像記録を実施している。
【0032】この画像記録部230ではアウタードラム
と呼ばれる方式であり、搬送経路に沿って搬送されるシ
ートDが保持ドラム231のシート保持位置235にお
いて、保持ドラム231上に保持され、保持ドラム23
1と共に回転する。レーザービーム射出部232の位置
まで回転したところで、像様露光が開始される。主走査
方向は保持ドラム231の回転方向であり、副走査方向
は、レーザービーム射出部232を保持ドラム231の
軸方向に平行移動することでなされる。
【0033】ここで、図6はレーザーによるプレヒート
を備えたレーザービーム射出部232の概略を示す構成
図である。像様露光については、記録レーザー光源23
4からレンズ237を介して保持ドラム231上のシー
トDに記録レーザーEが照射される。一方、プレヒート
レーザー光源233からレンズ237を介して保持ドラ
ム231上のシートDにプレヒートレーザーEPが照射
される。このプレヒートレーザーEPは記録レーザーE
の走査位置に対して直前に照射され、シートDがカブリ
を発生する手前の温度まで予め加熱される。このように
レーザーによって予め加熱されることにより、良好な感
度を得ることができる。レンズ237は、記録レーザー
光源234とプレヒートレーザー光源233とで流用さ
れているが、別々のレンズを使用することも可能であ
る。なお、本実施形態の画像記録装置210において
も、図4に示した画像記録装置110に備えられた出力
制御部170と同様の出力制御部を備えてもよい。
【0034】図7はシート上でのプレヒートレーザーE
Pと記録レーザーEとの位置関係を示す図である。この
図でわかるように、走査方向Gに沿ってプレヒートレー
ザーEPが記録レーザーEに先行して照射されるように
なっている。ここで、(プレヒートレーザーEPの有効
径径DP)≧(記録レーザーEの有効径DE)の関係とす
ることで、プレヒート漏れの発生を防止できる(有効径
とは、e-2やFWHM半値全幅などで定義されるビーム
スポットの広がり)。また、図ではこのプレヒートレー
ザーEPと記録レーザーEとは若干の距離を保っている
が、それぞれのビームスポットの一部分が重なるように
照射することもできる。
【0035】図5に戻ると、画像記録部230での記録
が終了した後、シートDは熱現像部260に搬送され
る。本実施形態の熱現像部260において、シートDは
搬入ローラ261により熱現像部260内に搬入され
る。内部では上下ヒータプレート262,264がそれ
らの間でシート搬送路を形成して配置されている。この
上下ヒータプレート262,264は例えばアルミニウ
ムなどによって形成され、シートDに向き合う側とは反
対側にニクロム線などからなる発熱手段が備えられてい
る。この上下ヒータプレート262,264の大きさ
は、少なくともその幅は搬入される最大のシートDの幅
より大きく設定されるのが好適である。そして、この上
下ヒータプレート262,264間で熱現像処理された
シートDは搬出ローラ263により搬出される。
【0036】図8は、レーザーによるプレヒートの他の
構成を示す概略斜視図である。図6で示した構成は、ア
ウタードラム方式の画像記録形態に対応した構成であっ
たが、この図8の構成は、平面上でレーザーの走査を行
う構成に適応するもので、図1や図4に示した第1、第
2の実施の形態である画像記録装置に適用できるもので
ある。記録レーザービームEの露光の経路としては、光
源335から射出された記録レーザービームEは、ビー
ムスプリッタ333、シリンドリカルレンズ332を介
してポリゴンミラー336によって主走査方向に偏向さ
れる。この偏向されたレーザービームEはさらに、走査
レンズ系337を介してシートD上に走査照射される。
【0037】一方、プレヒートレーザーEPの経路とし
ては、光源334から射出されたプレヒートレーザーE
Pは、ビームスプリッタ333によって記録レーザービ
ームEの光軸内に入り込む。そして、記録レーザービー
ムE同様に、シリンドリカルレンズ332、ポリゴンミ
ラー336、走査レンズ系337を介してシートD上に
走査照射される。このとき、図7と同様で、走査方向G
に沿ってプレヒートレーザーEPが記録レーザーEに先
行して照射されるようになっている。なお、レーザーを
偏向する手段として、ポリゴンミラー336を使用して
いるが、ガルバノスキャナーやレゾナントスキャナーな
ど、偏向器として利用できれば適用可能である。また、
(プレヒートレーザーEPの有効径DP)>(記録レーザ
ーEの有効径DE)の関係は有効である。
【0038】次に、加熱部、画像記録部、熱現像部に関
する他の実施形態について以下に述べる。図9(a)
は、加熱ローラ及び画像記録部の他の実施形態を示す概
略斜視図である。図9(b)は、図9(a)の加熱ロー
ラに垂直な断面図である。プレヒートのための加熱部は
内部に発熱体343を備える一本の加熱ローラ342で
ある。この加熱ローラ342によってシートDが予め決
められた所定の角度となるように張られ、加熱され、こ
の形態を維持しつつ搬送される。このようにプレヒート
及び画像記録部の位置を一本の加熱ローラに集約し、装
置全体の小型化に寄与することができる。このとき、記
録レーザービームEの照射される位置は、シートDの温
度がある程度上昇する位置であればどの位置でもかまわ
ないが、シートDに対する加熱ローラ342による加熱
が終了するかしないかの位置が、最も大きな熱量を受け
た時点で記録でき、感度を高めることができるので、最
も好ましい。
【0039】図10(a)は、画像記録部及び加熱部の
他の実施形態を示す概略斜視図である。画像記録部の搬
送ローラ配置としては、図3の実施の形態と同様であ
り、シートDは二つの対の搬送ローラ352,354の
間に張架されつつ搬送され、その搬送ローラ352,3
54の間で記録レーザービームEを照射し、シートDの
搬送方向を副走査方向とするものである。プレヒート手
段としては、加熱プレート350が搬送ローラ352,
354の間で記録レーザービームE照射位置またはその
上流に配置され、レーザービーム照射前のシートDを加
熱する。この場合、記録レーザービームEが透過できる
ようなカバー(図示せず)で加熱プレート350が配置
される付近を覆い、シートDが搬送される付近では均一
な加熱とする必要がある。シートDは加熱プレート35
0に接触して加熱される構成でも良く、圧接手段を設け
てシートDを加熱プレート350に押しつけて加熱する
構成でも良い。
【0040】図10(b)は、図10(a)の加熱部を
他の実施形態とした加熱部の加熱ローラに垂直な概略断
面図である。搬送系は図10(a)と同様であり、プレ
ヒート手段としてシートDと接する面が平面356で、
内部には加熱体としてランプヒータ357(棒状セラミ
ックヒータなどでもよい)を備えた加熱ボックス355
が備えられている。そして、搬送ローラ352,354
の間全てを覆うカバー358、359を備え、保温性を
高めている。この場合、最も大きな熱量を受けた時点で
記録し、感度を高めるということから、記録レーザービ
ームEの照射位置は平面356の最も下流側に配置する
ことが好ましい。
【0041】図11は、熱現像部の他の実施形態を示す
概略図である。この熱現像部360は前述の画像記録装
置110の熱現像部160や、画像記録装置210の熱
現像部260と交換できる構成である。この熱現像部3
60は、軸中心部に発熱体であるランプヒータ362
(棒状セラミックヒータなどでもよい)を有する加熱ド
ラム364を備え、その加熱ドラム364に周接する複
数の保持ローラ368を備えている。記録済みのシート
Dは加熱ドラム364と保持ローラ368との間に挟持
搬送される。そして、所定加熱時間の間加熱ドラム36
4に接した後、剥離爪369によりシートDは加熱ドラ
ム364より剥離され、加熱現像が終了する。
【0042】図12(a),(b)は、熱現像部のさら
に他の実施形態を示す概略図である。図12(a)に示
す熱現像部370及び図12(b)に示す熱現像部38
0は、図11に示した熱現像部360と同様に、前述の
画像記録装置110の熱現像部160や、画像記録装置
210の熱現像部260と交換できる構成である。熱現
像部370はボックス構造の中に、千鳥配列の搬送ロー
ラ374がシートDの搬送経路を形成して備えられてい
る。これらの搬送ローラ374はシートDの搬送経路の
裏側から加熱プレート372によって加熱され、熱現像
部370のボックス構造内部全体を所定温度に維持し、
シートDを熱現像する。
【0043】図12(b)に示す熱現像部380はボッ
クス構造の中に、対向配列の搬送ローラ384がシート
Dの搬送経路を形成して備えられている。これらの搬送
ローラ384はシートDの搬送経路の裏側から加熱プレ
ート382によって加熱され、熱現像部380のボック
ス構造内部全体を所定温度に維持し、シートDを熱現像
する。
【0044】図13は、加熱部、画像記録部、熱現像部
をより近接配置させた実施形態の画像記録装置の部分斜
視図である。図14(a)は図13の装置の搬送方向断
面図であり、図14(b)は図14(a)の装置の変更
例を示した搬送方向断面図である。この画像記録装置4
10は、前述の画像記録装置110の画像記録部130
から熱現像部160までや、画像記録装置210の画像
記録部230から熱現像部260までの構成と交換可能
である。つまり、所定の長さに切断されて搬送されるシ
ートDは対の搬送ローラ452に挟持搬送され、最下流
の対の搬出ローラ454により搬出される。この搬送ロ
ーラ452の下流にはシートDの搬送経路F下側に下側
加熱ケース465が配置され、下側加熱ケース465の
上流位置でシートDの搬送経路Fを挟んで対向する上側
プレヒートケース440が配置され、その下流で、下側
加熱ケース465とシートDの搬送経路Fを挟んで対向
する上側熱現像ケース460が配置されている。最下流
に搬出ローラ454が位置することとなる。
【0045】下側加熱ケース465内には、最上流位置
で上側プレヒートケース440と対向する位置にプレヒ
ート用の下側ヒータ442が搬送経路Fに近接して配置
される。さらに、下側加熱ケース465内には、下流側
に上側熱現像ケース460と対向する下側ヒータ462
が搬送経路Fに近接して配置される。一方、上側プレヒ
ートケース440内にも上側ヒータ441が搬送経路F
に近接して配置され、上側熱現像ケース460内にも上
側ヒータ461が搬送経路Fに近接して配置される。そ
して、上側プレヒートケース440と上側熱現像ケース
460との間に記録レーザビームEの照射位置E1が位
置されている。
【0046】搬送ローラ452により搬送されるシート
Dは、上側プレヒートケース440内の上側ヒータ44
1と、下側加熱ケース465内のプレヒート用の下側ヒ
ータ442とにより、所定の温度まで昇温される。そこ
で、記録レーザビームEの照射を受けるわけであるが、
下側ヒータ442の後端部分をこの照射位置E1まで延
ばした配置とすることで、昇温した状態を維持しつつ画
像記録が行え、感度のよい画像記録となる。その後、下
側加熱ケース465内の下側ヒータ462と上側熱現像
ケース460内の上側ヒータ461とにより、熱現像さ
れ、搬出ローラ454に挟持搬出される。照射位置E1
での平面性を高めるため、照射位置E1の搬送方向前後
位置に押さえローラを配置することもできる。
【0047】図14(b)は図13に示した画像記録装
置の変形例であり、下側加熱ケース465を下側プレヒ
ートケース444と下側熱現像ケース466とに分割す
る構成で、他の構成は画像記録装置410と同一であ
る。このようにプレヒートと熱現像とを分ける構成とす
ることで、プレヒートと熱現像との温度を自由に設定す
ることが可能となる。
【0048】図15は、本発明の画像記録装置と他の画
像形成装置とを処理機として利用する際の出力制御を示
すブロック図である。この出力制御の実施形態では、例
として第2の実施の形態の画像記録装置110と出力制
御部170と、さらに、一般的処理機としてプレートセ
ッター500とを使用している。出力制御部170に備
えられているRIP処理部1701において、入力され
る画像データをRIP処理し、そのデータを基にポスト
RIP処理部1703においてプロファイルデータベー
ス1705から各処理機に対応した所望のプロファイル
を抽出し、選択された出力プロファイル1710とし
て、各処理機に出力する。
【0049】また先ほど述べたように熱現像の温度とプ
レヒート温度は同じであっても異なっていても良く、同
じである場合にはプレヒートの加熱部と熱現像の加熱部
が同じユニットであっても良い。加熱ユニットが平板プ
レートである場合を例にすると、平板プレート上で記録
材料を温めながらレーザー照射し、そのまま更に同じ平
板プレート上を搬送させることにより同じ加熱ユニット
(平板プレート)上でプレヒートと熱現像を行うことが
できる。またこの場合でも、平板プレートの場所によっ
て加熱温度を変えられるならば、同一平板上で加熱温度
を変えた処理をすることもできる。
【0050】レーザーヒートモード方式により画像を形
成する場合には、レーザー光を熱エネルギーに変換する
ために、該レーザー光の波長の光を吸収する色素を存在
させる必要がある。レーザー光源としては、エキシマレ
ーザー、アルゴンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、
半導体レーザー、ガラス(YAG)レーザー、炭酸ガス
レーザー、色素レーザー等があるが、ヘリウムネオンレ
ーザー、半導体レーザーおよびガラスレーザーが本発明
に有用なレーザー光源である。その中でも装置が小型で
安価なことから、半導体レーザーが特に有用である。半
導体レーザーの発振波長は通常、670〜830nmで
あり、該近赤外に吸収を持つ色素が用いられる。近赤外
吸収色素としては、シアニン色素、スクアリリウム色
素、メロシアニン色素、オキソノール色素、フタロシア
ニン色素等が用いられる。その具体例としては、例えば
米国特許第4,973,572号、同第4,948,7
77号、同第4,950,640号、同第4,950,
639号、同第4,948,776号、4948,77
8、同第4,942,141号、同第4,952,55
2号、同第5,036,040号および同第4,91
2,083号明細書に記載されている物質が挙げられ
る。
【0051】レーザーフォトンモード方式により画像を
形成する場合には、潜像形成の手段として該光酸発生剤
の吸収特性に合わせてレーザーが選択される。この際分
光増感を目的として種々の色素を添加しても良いがその
際は色素の吸収波長に合わせてレーザーを選択する必要
がある。
【0052】次に以下には、本発明に使用する画像記録
媒体とその記録方法について述べる。本発明は熱または
酸の作用により酸を発生する酸発生剤、および酸の作用
による分子内もしくは分子間反応により360〜900
nmの吸収域に変化を生じる化合物を含有し、画像を形
成させる記録媒体を利用した画像記録方法に関するもの
である。一般式(1)で表わされる化合物は熱もしくは
酸の作用により酸を発生する機能を有している。一般式
(1)で表わされる酸発生剤においてW1はW1OHで表
される酸(スルホン酸、カルボン酸、りん酸、フェノー
ル等)の残基を表す。W1OHはpKaが3より小さい
酸であることが好ましく、アリールスルホン酸、アルキ
ルスルホン酸、電子吸引性基のついたカルボン酸、アリ
ールホスホン酸、アルキルホスホン酸等が好ましい例と
して挙げられる。P1は熱もしくは酸の作用によって離
脱しうる置換基を表し、P1の離脱に伴いW1OP1で表
わされる酸発生剤からW1OHで表わされる酸が生成す
る。この様な置換基としては、β位に水素原子を有する
アルキル基(例えばテトラヒドロピラニル基、テトラヒ
ドロフラニル基、tーブチル基、シクロヘキシル基、
4,5−ジヒドロ−2−メチルフラン−5−イル基、2
ーシクロヘキセニル基等)、β位に水素原子を有するア
ルコキシカルボニル基(例えばtーブトキシカルボニル
基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2ー(2ーメ
チル)ブトキシカルボニル基、2ー(2ーフェニル)プ
ロピルオキシカルボニル基、2ークロロエトキシカルボ
ニル基等)、シリル基(例えばトリメチルシリル基、ト
リエチルシリル基、tーブチルジメチルシリル基、フェ
ニルジメチルシリル基等)、あるいはこれらの基、もし
くはアセタール、ケタール、チオケタール、ピナコー
ル、エポキシ環の分解を引き金に離脱する置換基(例え
ば後述する一般式(2)〜(4)の説明においてW1
Hに置換された基)が挙げられる。一般式(1)で表わ
される酸発生剤の例としては、例えばトリフルオロ酢酸
(α−フェニルイソプロピル)エステル、トリフルオロ
酢酸t−ブチルエステル、トルエンスルホン酸シクロヘ
キシルエステル、pーニトロ安息香酸トリエチルシリル
エステル、pーニトロ安息香酸テトラヒドロピラニルエ
ステル、ポリ(4ービニルー1ーtーブトキシカルボニ
ルオキシー2ーニトロベンゼン)、ポリ(4ービニルベ
ンゼンスルホン酸シクロヘキシルエステル)等を挙げる
ことができるが、本発明では酸発生能と保存安定性の観
点から一般式(2)〜(4)で表わされる化合物が好ま
しい。
【0053】一般式(2)において、R1はハメットの
σp値が0より大きい電子吸引性基を表わし、R1とし
て好ましくはアシル基(例えばアセチル、プロパノイ
ル、2−メチルプロパノイル、ピバロイル、ベンゾイ
ル、ナフトイル)、シアノ基、アルキルスルホニル基
(メタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンジルスル
ホニル、t−ブチルスルホニル等)もしくはアリールス
ルホニル基(ベンゼンスルホニル等)が挙げられる。R
1として更に好ましくはアシル基である。R2はアルキル
基(メチル、エチル、イソプロピル、オクチル、ドデシ
ル等)を表す。R2として好ましくは炭素数6以下の基
である。R3は熱または酸により離脱する基を表わし、
好ましい基としてはβ位に水素原子を有する2級もしく
は3級のアルキル基(tーブチル、1,1−ジメチルプ
ロピル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、シクロ
ヘキシル、2−シクロヘキセニル等)、シリル基(トリ
メチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等)、もしく
はアルコキシメチル基(メトキシメチル、オクチルオキ
シメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニ
ル、4,5−ジヒドロ−2−メチルフラン−5−イル
等)等が挙げられる。R3として好ましくはβ位に水素
原子を有する2級もしくは3級のアルキル基である。こ
れらR1〜R3で表わされる基は更に置換基を有していて
も良い。W1は一般式(1)と同義である。次に一般式
(3)で表わされる化合物について説明する。一般式
(3)において、R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素
原子、アルキル基(メチル、エチル、イソプロピル、t
−ブチル、オクチル、ドデシル等)、もしくはアリール
基(フェニル、ナフチル等)を表わす。R4、R5、R6
は更に置換基を有していても良い。R4とR5、R4とR
6 もしくはR5とR6はそれぞれ結合して環を形成しても
良い。W1は一般式(1)と同義である。一般式(2)
と(3)で示される化合物は特開平8ー248561号
に記載の方法に準じて合成することができる。
【0054】またこれらとは全く異なる機構で酸を放出
する化合物としては、熱または酸の作用により除去され
る置換基を少なくとも一つ有し、該置換基の除去に引き
続く分子内求核置換反応により酸を発生する化合物が挙
げられる。その好ましい形態は一般式(4)で表わされ
る化合物である。 一般式(4) P2−X−L−C(R7)(R8)−OW1 式中P2は熱または酸の作用により除去される置換基を
表す。XはO、S、NR9(R9は水素原子または置換可
能な基を表す)、またはCR1011(R10およびR11
水素原子または置換可能な基を表し、同じであっても異
なっていても良い)を表す。Lは連結基を表す。R7
よびR8は水素原子または置換可能な基を表し、同じで
あっても異なっていても良い。 W1は一般式(2)と同
義である。熱または酸の作用により除去される置換基P
2は水酸基、メルカプト基、アミノ基、炭素原子等の求
核基に導入され保存時あるいは非画像部における分子内
求核置換反応を妨げるが、画像部においては熱または酸
の作用により該置換基が分解、離脱するため分子内求核
置換反応による酸の発生が可能になる。P2で表される
有用な置換基としては、酸素原子に導入されるものでは
アルコキシカルボニル基(例えばtーブトキシカルボニ
ル基、イソプロピルオキシカルボニル基、1ーフェニル
エトキシカルボニル基、1,1ージフェニルエトキシカ
ルボニル基、2ーシクロヘキセンオキシカルボニル基
等)、アルコキシメチル基(例えばメトキシメチル基、
エトキシメチル基、nーオクチルオキシメチル基、テト
ラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、4,5
−ジヒドロ−2−メチルフラン−5−イル基等)、シリ
ル基(例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル
基、tーブチルジメチルシリル基、tーブチルジフェニ
ルシリル基、フェニルジメチルシリル基等)、およびβ
位に水素原子を有する2級もしくは3級のアルキル基
(例えば、tーブチル、1,1−ジメチルプロピル、
1,1,3,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシ
ル、2−シクロヘキセニル等)等が好ましい例として挙
げられる。硫黄原子に導入されるものではアルコキシメ
チル基(例えばイソブトキシメチル基、テトラヒドロピ
ラニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えばベンジ
ルオキシカルボニル基、pーメトキシベンジルオキシカ
ルボニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾ
イル基等)、ベンジル基(例えばpーメトキシベンジル
基、ビス(4ーメトキシフェニル)メチル基、トリフェ
ニルメチル基等)等が好ましい例として挙げられる。窒
素原子に導入されるものではアルコキシカルボニル基
(例えばtーブトキシカルボニル基、シクロヘキシルオ
キシカルボニル基、2ー(2ーメチル)ブトキシカルボ
ニル基、2ー(2ーフェニル)プロピルオキシカルボニ
ル基、2ークロロエトキシカルボニル基等)、アシル基
(例えばアセチル基、ベンゾイル基、2ーニトロベンゾ
イル基、4ークロロベンゾイル基、1ーナフトイル基
等)もしくはホルミル基等が好ましい例として挙げられ
る。炭素原子に導入されるものとしては3級のアルコキ
シカルボニル基(tーブトキシカルボニル基等)が好ま
しい例として挙げられる。
【0055】これらの置換基の除去に引き続く分子内求
核置換反応では5〜10員環を形成する形態が好まし
く、特に好ましくは5ないし6員環を形成するものであ
る。連結基Lとしてはこれらの大きさの環を形成するよ
うに選択することが好ましい。
【0056】本発明の酸発生剤は置換可能な位置に導入
された重合性基が複数連結することによってポリマーを
形成しても良い。後述する酸の作用により色相が変化す
ることを利用した画像記録媒体に応用する場合には、ポ
リマーを形成するすることにより別途バインダーを使用
しなくても塗布性が付与されるため画像記録層の薄層化
に対して有利である。ポリマーの分子量は千〜100万
の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは2千〜3
0万の範囲にある場合である。この場合単独重合体であ
ってもよいし、他のモノマーとの共重合体であっても良
い。本発明の化合物をポリマーとして用いる場合、前述
の説明で記した炭素数の規定を超えても良い。以下に本
発明の一般式(1)〜(4)で表わされる化合物の具体
例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0057】
【化3】
【0058】
【化4】
【0059】
【化5】
【0060】
【化6】
【0061】
【化7】
【0062】
【化8】
【0063】
【化9】
【0064】またこれらの酸発生剤の添加量は吸収変化
を伴う化合物の種類によっても異なるが、一般に吸収変
化を伴う化合物に対して0.001〜20当量の範囲で
あることが好ましく、特に好ましくは0.01〜5当量
の場合である。
【0065】本発明において、酸の作用による分子内も
しくは分子間反応により360〜900nmの吸収域に
変化を生じる化合物とは、中性〜塩基性の条件下で保存
する限りにおいては安定であるが、酸が作用すると分子
内、もしくは分子間反応の活性化エネルギーが下がり、
加熱によって容易に反応が進行して前記範囲における吸
収に変化を生じる化合物のことである。この際画像を形
成するための加熱温度としては60〜200℃であるこ
とが好ましく、特に好ましくは80〜140℃である。
この様な吸収変化を伴う化合物は単一の化合物であって
もよいし、2成分以上で構成されていてもよい。例え
ば、ディールスアルダー反応によって前記領域に消色画
像を形成する化合物(例えば、9,10−ジスチリルア
ントラセンと無水マレイン酸、テトラフェニルシクロペ
ンタジエンとアクリル酸エステル等)、レトロディール
スアルダー反応によって前記領域に発色画像を形成する
化合物(例えば9,10−ジスチリルアントラセンと無
水マレイン酸の付加体、ジフェニルイソベンゾフランと
アクリルアミドの付加体等)、βー水素離脱によって共
役系が拡張され前記領域に発色画像を形成する化合物
(例えば1ーアセトキシー1,2−ジアリ−ルエタン、
1ースルホキシー1,2−ジアリ−ルエタン等)、脱水
縮合によって前記領域に発色画像を形成するアルデヒド
と活性メチレン化合物の組み合わせ(例えば写真用4等
量マゼンタカプラーとpーメトキシシンナムアルデヒド
等)あるいは酸の作用で分解または離脱が促進される置
換基によって置換されたアミノ基もしくは水酸基を分子
内に有し、該置換基が外れることによって前記吸収域に
おける吸収が変化する化合物等が挙げられる。また酸と
の接触により瞬時に発色する塩基性のロイコ染料等も該
画像形成媒体において使用することができるが、この様
な化合物は塩基として作用し、酸増殖過程を阻害するた
めマイクロカプセルを利用したり別層に塗布したりする
ことによって酸発生剤および酸増殖剤と隔離しておくこ
とが必要である。
【0066】本発明では特にアミノ基もしくは水酸基の
置換基が酸の作用によって分解もしくは離脱することに
より吸収が変化する化合物が有用である。このようなア
ミノ基の置換基としてはアルコキシカルボニル基(例え
ばtーブトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカ
ルボニル基、2ー(2ーメチル)ブトキシカルボニル
基、2ー(2ーフェニル)プロピルオキシカルボニル
基、2ークロロエトキシカルボニル基等)、アシル基
(例えばアセチル基、ベンゾイル基、2ーニトロベンゾ
イル基、4ークロロベンゾイル基、1ーナフトイル基
等)もしくはホルミル基等が好ましい例として挙げられ
るが本発明では保存安定性と熱感度の観点からβ位に水
素原子を有するアルコキシカルボニル基が特に有用であ
る。このような化合物としては、例えば米国特許第4,
602,263号、第4,826,976号等に記載例
があり、本発明の熱酸発生剤および酸増殖剤と組み合わ
せることにより、より高感度で保存性に優れた感熱記録
材料を提供することができる。酸の作用により分解もし
くは離脱する水酸基の置換基としては、β位に水素原子
を有する2級もしくは3級のアルコキシカルボニル基
(例えばtーブトキシカルボニル基、イソプロピルオキ
シカルボニル基、1ーフェニルエトキシカルボニル基、
1,1ージフェニルエトキシカルボニル基、2ーシクロ
ヘキセンオキシカルボニル基等)、シリル基(例えばト
リメチルシリル基、トリエチルシリル基、tーブチルジ
メチルシリル基、tーブチルジフェニルシリル基、フェ
ニルジメチルシリル基等)、アルコキシメチル基(例え
ばメトキシメチル基、エトキシメチル基、1ーメトキシ
エチル基、1ーフェノキシエチル基、2ー(2ーメトキ
シプロピル)基等)およびβ位に水素原子を有する2級
もしくは3級のアルキル基(例えばテトラヒドロピラニ
ル基、テトラヒドロフラニル基、4,5−ジヒドロ−2
−メチルフラン−5−イル基、tーブチル基、2ーシク
ロヘキセニル基等)が好ましい例として挙げられるが、
本発明では特にβ位に水素原子を有する2級もしくは3
級のアルコキシカルボニル基が好ましい。水酸基の置換
基の分解によって吸収が変化する化合物としては米国特
許第5,243,052号あるいは特開平9−2536
0号等に記載例がある。以下に酸の作用により360〜
900nmの吸収域に変化を生じる化合物の具体例を示す
が本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
【化10】
【0068】
【化11】
【0069】
【化12】
【0070】
【化13】
【0071】
【化14】
【0072】
【化15】
【0073】本発明の画像記録媒体は一般的に前記酸発
生剤、酸増殖剤、および酸の作用により360〜900
nmの吸収域に変化を生じる組成物を支持体上に塗布し
て作製される。この際、これらのいずれかがポリマーで
ある場合、あるいは塗布性の良いアモルファスである場
合を除き、通常はバインダ−を共存させる。バインダー
を使用しなくてもよい場合は、膜厚を薄くし易く、切れ
の良い画像が得られるという利点がある。またバインダ
ーを用いる場合には、ゼラチン、カゼイン、デンプン
類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ド、エチレン−無水マレイン酸コポリマー等の水溶性バ
インダー、およびポリビニルブチラール、トリアセチル
セルロース、ポリスチレン、アクリル酸メチル−ブタジ
エンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリ
マー等の水不溶性バインダーのいずれも用いることがで
きる。また本発明において、酸の作用により発色もしく
は消色して色相が変化する化合物と酸発生剤を共重合体
にすることにより、色相が変化する該化合物のごく近傍
に酸が発生するという意味で高感度化が期待できる。ま
たポリマー化により分子の拡散を制御することにより画
像の切れ、保存性を改良できる可能性がある。これらの
特性は、特にグラフィックアーツフィルムのような高画
質が要求される用途に好ましい。そのような化合物とし
て好ましい形態は一般式(5)で表わされるものであ
る。一般式(5)について説明する。一般式(5)にお
いてAは、熱もしくは酸の作用により酸を発生する機能
を有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの重合
によって得られる繰り返し単位を表わす。このような機
能を有する化合物としては、前述の一般式(1)〜
(4)で表わされる化合物のいずれかの部分に重合性基
を導入することにより得られる。本発明の熱酸発生機能
を有するポリマーをレーザーヒートモード方式の画像記
録媒体に適用する場合には、別途酸発生剤を添加する必
要がなく有用である。以下に一般式(5)のAを形成す
るビニルモノマーの具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。なおこれらの化合物は特開平
8ー248561号に記載の方法と同様にして合成する
ことができる。
【0074】
【化16】
【0075】
【化17】
【0076】
【化18】
【0077】
【化19】
【0078】
【化20】
【0079】
【化21】
【0080】
【化22】
【0081】
【化23】
【0082】
【化24】
【0083】
【化25】
【0084】一般式(5)においてBは酸の作用により
360〜900nmの吸収域に変化を生じる部分構造を
有する少なくとも1種類以上のビニルモノマーの重合に
よって得られる繰り返し単位を表す。酸の作用によって
吸収変化を生じる化合物に関しては前述の通りであり、
前述の構造の置換可能な位置に重合性基を導入したもの
である。以下に具体例を示すが本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0085】
【化26】
【0086】
【化27】
【0087】
【化28】
【0088】
【化29】
【0089】
【化30】
【0090】
【化31】
【0091】
【化32】
【0092】一般式(5)におけるCは、AおよびBと
ともに共重合体を形成することが可能な少なくとも1種
類以上のビニルモノマーの重合によって得られる繰り返
し単位を表し、極性、ガラス転位温度等を調節すること
により保存安定性、発色活性等をコントロールすること
ができる。このようなビニルモノマーは2種類以上を組
み合わせても良い。好ましい例としては、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、スチ
レン、ビニルエーテル等が挙げられる。以下にCを形成
するモノマーの具体例を示すが本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0093】
【化33】
【0094】
【化34】
【0095】
【化35】
【0096】
【化36】
【0097】
【化37】
【0098】
【化38】
【0099】
【化39】
【0100】一般式(5)におけるx、y、zは各組成
の重量%を表す。x、y、zはそれぞれ1≦x≦99、
1≦y≦99、0≦z≦99でありx+y+z=100
である。0.01y<x≦10yの関係にあることが好
ましく、特に好ましくは0.1y≦x≦5yの関係にあ
る場合である。zは0≦z≦50であることが好まし
い。
【0101】一般式(5)で表されるポリマーの分子量
は千〜100万の範囲にあることが好ましく、特に好ま
しくは2千〜10万の範囲にある場合である。また該ポ
リマーはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共
重合体等いずれの形態であってもかまわないが、合成的
に容易なランダム共重合体が一般的である。
【0102】以下に一般式(5)で表されるポリマーに
おけるA、B、Cを形成するモノマーおよびx、y、z
の好ましい組み合わせを示すが本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0103】
【表1】
【0104】本発明のポリマーの合成は種々の重合方
法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状重合、
乳化重合によって行なうことができる。また、重合の開
始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線
を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開
始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版
(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦
共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、
124〜154頁に記載されている。
【0105】上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤
を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられ
る溶剤は、例えば酢酸エチル、メタノール、エタノー
ル、1ープロパノール、2ープロパノール、1ーブタノ
ール、アセトン、ジオキサン、N,Nージメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、ト
ルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホル
ム、ジクロロエタンのような種々の有機溶剤の単独ある
いは2種以上の混合物でも良いし、水との混合溶媒とし
ても良い。
【0106】重合温度は生成するポリマーの分子量、開
始剤の種類などと関連して設定する必要があり、0℃以
下から120℃以上まで可能であるが、通常30〜10
0℃の範囲で重合を行なう。本発明では一般式(5)の
Aの部位を形成するモノマーが高温で分解する可能性が
あるため30〜90℃の温度範囲で重合を行なうことが
好ましい。
【0107】重合に用いられるラジカル開始剤として
は、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジ
ハイドロクロライド、4,4’−アゾビス(4−シアノ
ペンタノイックアシッド)のようなアゾ系開始剤や、ベ
ンゾイルパーオキサイド、tーブチルハイドロパーオキ
サイド、過硫酸カリウム(例えば、亜硫酸水素ナトリウ
ムと組み合わせてレドックス開始剤として用いても良
い)のようなペルオキシド系開始剤が好ましい。本発明
では半減期が10時間になる温度が70℃以下の開始剤
(例えば2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−ア
ゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、2,2’−アゾ
ビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロプロパン)
ジハイドロクロライド]等が特に好ましい。
【0108】重合開始剤の使用量はモノマーの重合性や
必要とする重合体の分子量に応じて調節することが可能
であるが、単量体に対して0.01〜5.0mol%の
範囲が好ましい。本発明のポリマーの合成においては
A、BおよびCを形成するモノマーを混合して最初に反
応容器に入れておき、開始剤を投入してもよいし、これ
らのモノマーを重合溶媒に滴下する過程を経て重合を行
なってもよい。
【0109】本発明の一般式(5)で表わされるポリマ
ーは、熱もしくは酸の作用により酸を発生する機能を有
する部分構造と、酸の作用により360〜900nmの
吸収域に変化を生じる部分構造を合わせ持つポリマーで
ある。このようなポリマーとしては、両者の機能を合わ
せ持つ単一モノマーの重合体もありうるが、合成的な観
点から前記一般式(5)で示される構造が一般的であ
る。本発明の画像記録媒体は一般的に一般式(5)で表
されるポリマーを支持体上に塗布して作製される。本発
明のポリマ−が熱によって酸を発生する機能も合わせ持
つ場合は、熱の作用のみで単独で吸収域に変化が生じる
ため、感熱記録材料として使用した場合に、感度や画像
の切れが優れている。また本発明の画像記録媒体ではい
わゆるバインダーを使用しなくても良いため、膜厚を薄
くすることができ、切れの良い像が得られ、またアブレ
ーションが起こりにくいという利点がある。ただし一般
式(5)で表わされるポリマーを用いる際、必要である
ならばバインダーを併用しても良く、その具体例として
は前述のものが挙げられる。
【0110】本発明では、該画像記録媒体の保存安定性
を高める目的で少量の塩基を添加したり、感度を高める
目的で光または熱の作用によって酸を発生する化合物を
別途添加したり、必要に応じて顔料、酸化防止剤、ステ
ィッキング防止剤等種々の添加剤を添加することもでき
る。また、画像記録層を保護するためにオーバーコート
層を設けたり、支持体の裏面にバックコート層を設けて
も良い。なお、画像記録層と支持体との間に単層あるい
は複数層の顔料あるいは樹脂からなるアンダーコート層
を設けるなど、感熱記録材料における種々の公知技術を
用いることもできる。
【0111】塩基を添加する場合には有機塩基が好まし
く、例えばグアニジン誘導体(例えば1,3−ジフェニ
ルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、1,3−
ジブチルグアニジン、1ーベンジルグアニジン、1,
1,3,3−テトラメチルグアニジン等)、アニリン誘
導体(例えばアニリン、p−t−ブチルアニリン、N,
N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジブチルアニリ
ン、トリフェニルアミン等)、アルキルアミン誘導体
(例えばトリブチルアミン、オクチルアミン、ラウリル
アミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン等)、およ
びヘテロ環化合物(例えばN,N’−ジメチルアミノピ
リジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−
ウンデセン、トリフェニルイミダゾール、ルチジン、2
ーピコリン等)が好ましい例として挙げられる。これら
の塩基は一般式(1)のAで表される組成に対して1〜
50mol%添加することが好ましく、特に好ましくは
5〜20mol%添加する場合である。
【0112】本発明の画像記録媒体をフォトンモード方
式の画像記録媒体として利用する場合には光の作用によ
り酸を発生する化合物の添加が必須となる。一方、ヒー
トモード方式の画像記録媒体として利用する場合には、
一般式(1)〜(4)もしくは一般式(5)のAで表わ
される酸発生剤が熱の作用によっても酸を発生する機能
を有しているならば、別途熱酸発生剤を添加する必要は
ないが、高感度化する事を目的として別途熱酸発生剤を
添加しても良い。また、一般式(1)〜(4)もしくは
一般式(5)のA で表わされる酸発生剤が熱の作用によ
って酸を発生する機能を有していない場合には別途熱酸
発生剤を添加する事が必要である。このように複数の酸
発生剤を併用する際には、本発明の一般式(1)〜
(4)に含まれる複数の酸発生剤を併用しても良い。ま
た本発明の一般式(1)〜(4)で表わされる化合物と
公知の酸発生剤を併用しても良い。公知の酸発生剤とし
ては、有機エレクトロニクス材料研究会編、”イメージ
ング用有機材料”ぶんしん出版社刊(1997)37頁
〜91頁、に記載されている化合物およびそこに記載さ
れている引用文献記載の化合物等が挙げられる。また、
ここに記載されている光酸発生剤の多くは熱酸発生剤と
しても機能するものである。
【0113】顔料を添加する場合には、ケイソウ土、タ
ルク、カオリン、焼成カオリン、酸化チタン、酸化ケイ
素、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、尿素ーホルマリン樹脂等が例として挙げられ
る。
【0114】その他の添加剤としては、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属
塩からなるヘッド摩耗およびスティッキング防止剤、パ
ラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエ
チレン、カスターワックス等のワックス類等が挙げられ
必要に応じて添加することができる。
【0115】本発明の画像記録媒体に用いられる支持体
としては、上質紙、バライタ紙、コート紙、キャストコ
ート紙、合成紙等の紙類、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフチレンジカルボキシレ−ト、ポリアリーレン、
ポリイミド、ポリカーボネート、トリアセチルセルロー
ス等のポリマーフィルム、ガラス、金属箔、不織布等を
挙げることができる。本発明の画像記録媒体を利用して
透過型の画像、例えばOHP用フィルムや製版用フィル
ム等の用途に供する場合には、透明な支持体が用いられ
る。また、製版フィルム用には、熱膨張率が小さく寸度
安定性が良好で、かつ、PS版の感光域に吸収を持たな
い支持体が選ばれる。本発明の化合物の代表的な合成例
を以下に例示する。 (合成例1)S−(20)の合成
【0116】
【化40】
【0117】1,4−ブタンジオ−ル(1−1)5gを
THF(50ml)に溶解し,カリウム−t−ブトキシ
ド(6.23g)を添加した。さらにこの溶液中に室温
下でジーtーブチルジカーボネート(1−2)12.1
gを加え2時間撹拌を行った。得られた溶液を水100
mlに加え、さらに酢酸エチル200mlを加えて有機
層を抽出した。さらに、有機層を2回水で洗浄し、硫酸
マグネシウムにより乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製を行い(1−3)を
油状化合物として3g得た。1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm);1.49(s,9H),1.70(m,
4H),1.96(br,1H),3.66(t,2
H),4.10(t,2H) 次に(1−3)2gを塩化メチレン10mlに溶解し、
トリエチルアミン(1.57ml)、4−ジメチルアミ
ノピリジン0.28g、およびトルエンスルホニルクロ
ライド2.16gを加え室温で2時間撹拌した。反応液
を水10mlにあけ有機層を抽出した。さらに、有機層
を2回水で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、
濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製を行い例示化合物S−(20)を無色透明の油状化
合物として1.5g得た。1 H−NMR(CDCl3):δ(ppm);1.48
(s,9H),1.71(m,4H),2.48(s,
3H),4.00(t,2H),4.05(t,2
H),7.34(d,2H),7.80(d,2H)
【0118】(合成例2)A−(28)の合成
【0119】
【化41】
【0120】(2−1)9.01gをテトラヒドロフラ
ン(50ml)に入れ、そこに水素化ナトリウムのオイ
ル分散物(4g、含有率60%)を加えた。1時間撹拌
した後、(2−2)15.66gを加え、3時間撹拌し
た。その後、酢酸エチル(70ml)と水(50ml)
を加え水層を分離した。さらに反応液を水で洗浄し、有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮した。得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/4(体積比))にて
精製し(2−3)を9.5g得た。次に(2−3)6.
3gを塩化メチレン(50ml)に溶かし、(2−4)
5.17gと(2−5)6.08gを加えて5時間撹拌
した。そこにヘキサンを加え、そのままシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン
=1/5(体積比))にて精製し例示化合物A−(2
8)を得た(6.2g、収率55%)。1 HNMR(CDCl3):δ(ppm);1.65(4
H)、3.55(2H)、4.1(2H)、4.6(2
H)、4.75(2H)、5.5(1H)、5.9(1
H)、6.8(1H)、7.35(5H)、7.6(2
H)、7.9(2H)。 (合成例3)S−(22)の合成
【0121】
【化42】
【0122】(3−1)15.07gをテトラヒドロフ
ラン(70ml)に入れ、そこに水素化ナトリウムのオ
イル分散物(4g、含有率60%)を加えた。1時間撹
拌した後、(3−2)15.66gを加え、3時間撹拌
した。その後、酢酸エチル(70ml)と水(50m
l)を加え水層を分離した。さらに反応液を水で洗浄
し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮し
た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/5(体積
比))にて精製し(3−3)を8.4g得た。次に(3
−3)2.04gを塩化メチレンに溶かし、(3−4)
2.6gと(3−5)1.91gを加えて5時間撹拌し
た。そこにヘキサンを加え、そのままシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=
1/10(体積比))にて精製し例示化合物S−(2
2)を得た(2.3g、収率63%)。1 HNMR(CDCl3):δ(ppm);−0.1
(6H)、0.95(9H)、1.6(4H)、2.5
(3H)、3.6(2H)、4.1(2H)、7.4
(2H)、7.8(2H)。
【0123】(合成例4)LD−(16)の合成 キノリンーNーオキシド1水和物4.5gに無水酢酸
4.16gを加え、室温下で1時間撹拌したところ系が
均一になった。この溶液中にクロロホルム10mlに懸
濁させた3ーフェニルイソオキサゾロン5gを添加し室
温下で3時間撹拌した。反応液を水洗し、硫酸マグネシ
ウムにより乾燥し、濃縮した。得られた油状物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;nーヘキサ
ン/酢酸エチル=1/1)で精製した後、メタノールを
加えたところレモンイエローの色素が1.75g得られ
た(融点223〜224℃,λmax=423nm(ε
=16200)(酢酸エチル中)。)。次に得られた色
素1gをTHF10mlに溶解し水素化ナトリウムのオ
イル分散物(含率60%)139mgを添加した。さら
にジーtーブチルージーカーボネート6.2gを添加し
て30分間加熱還流した。反応液に酢酸エチルを加え水
洗し有機層を抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃
縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;nーヘキサン/酢酸エチル=1/
1)で精製したところLD−(16)が無色の結晶とし
て450mg得られた(融点137〜138℃、λma
x=335nm(ε=14800)(酢酸エチル
中))。構造はNMRおよび質量分析により同定した。
【0124】(合成例5)LD−(20)の合成 合成例4の合成中間体として得られた色素0.3gをT
HF3mlに溶解し、水素化ナトリウムのオイル分散物
(含率60%)41.6mgを添加した。さらにクロロ
メチルオクチルエーテル0.2mlを添加し室温で3時
間撹拌した。。反応液に酢酸エチルを加え水洗し有機層
を抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。得
られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;nーヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精
製したところLD−(20)が無色のオイルとして25
0mg得られた(λmax=340nm(ε=1280
0)(酢酸エチル中))。構造は1HNMRおよび質量
分析により同定した。
【0125】(合成例6)P−(2)の合成 1)A−(1)の合成 特開平8ー248561記載の方法に準じて合成した2
ーメチルー2ー(2ーヒドロキシメチル)アセト酢酸t
ーブチルエステル18g、トリエチルアミン19.8
g、および4ージメチルアミノピリジン2gを塩化メチ
レン90mlに溶解した。さらにこの溶液中にパラビニ
ルベンゼンスルホニルクロライド18g(パラビニルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムに塩化チオニルを作用させ
ることによって合成)を添加し室温で4時間撹拌した。
反応液に水100mlを加え有機層を抽出し、さらに水
100mlで2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム
で乾燥した後、ハイドロキノンモノメチルエーテル2m
gを添加して減圧濃縮した。得られた油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶離液;nーヘキサン/
酢酸エチル=3/1)によって精製することにより無色
透明のオイル17.7g(収率54.1%)を得た。得
られた構造は質量分析、元素分析および1HNMRより
同定した。 質量分析:M+=367 元素分析: calc.C:58.68% H:6.57% S:
8.70% found C:58.69% H:6.59% S:
8.71%1 H−NMR(CDCl3): δ(ppm):1.40(s,3H),1.42(s,
9H),2.15(s,3H),4.30(ABq,2
H),5.50(d,1H),5.93(d,1H),
6.78(dd,1H),7.58(d,2H),7.
85(d,2H) 2)B−(22)の合成 4−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−(2H
−ベンゾトリアゾ−ル−2−イル)フェノ−ル(大塚化
学株式会社製)50gとニトロベンゼン5mlをTHF
300mlに溶解し、水冷下水素化ナトリウムのオイル
分散物(含有率60%)7.4gを添加した。さらにこ
の溶液中にクロロメチルオクチルエーテル104gを加
え室温で3時間撹拌した。その後、反応液に酢酸エチル
500mlを加えて有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシ
ウムにより乾燥させた。有機層を減圧濃縮した後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/
酢酸エチル=9/1)にて精製し、ヘキサンより結晶化
させることによりB−(22)を白色結晶として37.
8g(収率53%)得た。構造は質量分析、元素分析お
よび1H−NMRにより同定した。 3)P−(2)の合成 A−(1)の16.6gおよびB−(22)の20.9
5gをトルエン40mlに溶解し、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル225mgのトルエン(6ml)溶
液を加えて75℃で3時間加熱攪拌し、その後再び2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル225mgのトルエ
ン(6ml)溶液を加えて75℃で3時間加熱撹拌し
た。反応溶液を室温に冷やし、MeOH500mlに添
加して析出した白色ポリマ−を単離することにより、分
子量75000のポリマ−(P−(1))が34.8g
(収率93%)得られた。1HNMRよりA−(1)と
B−(1)の共重合体であることを確認した。さらに元
素分析よりx:y=50:50であることを確認した。
【0126】(合成例7)P−(16)の合成 A−(1)の2gおよびB−(14)の1.52gをベ
ンゼン5mlに溶解し、2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)20.2mgを加え60℃で
10時間撹拌した。反応溶液をメタノ−ル30mlに加
えたところ白色のアモルファスが得られた。上澄み液を
デカンテ−ションによって除去した後ポリマーを少量の
塩化メチレンに溶解しメタノ−ルに添加して再沈澱し、
上澄みを除去して乾燥したところ分子量3800,分子
量分布Mw/Mn=3.2のポリマー(Pー(14))
が220mg(収率6.25%)得られた。1HNMR
よりA−(1)とB−(14)の共重合体であることを
確認した。さらに元素分析よりx:yは67:33であ
ることを確認した。融点は120〜123℃、熱分解温
度は145〜148℃であり分解と同時に暗緑色に発色
が確認された。 (合成例8)P−(11)の合成
【0127】
【化43】
【0128】合成例4と同様の方法で合成した(8−
1)を氷冷下加水分解した後、ヨウ化2ークロロー1ー
メチルピリジニウムを縮合剤として2ーヒドロキシエチ
ルメタクリレートと縮合することによりロイコ色素モノ
マー(8−2)を得た。酸発生剤モノマ−(A−1)と
(8−2)をAIBNを開始剤として共重合することに
よりP−(11)を得た(分子量53000,熱分解開
始温度140.7℃)。
【0129】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳しく説
明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0130】
【実施例1】<画像記録層塗布液(IM−1〜3)の作
製>以下に示す化合物をクロロホルムに溶解し画像形成
塗布液(IM−1〜3)を作製した。ポリスチレンは和
光純薬製ポリスチレンビーズ(直径;約3.2mm)を使
用した。 (IM−1) LD−(7) 4mmol/m2 S−(3) 2mmol/m2 IR色素 113mg/m2 ポリスチレン 1.0g/m2 (IM−2) P−(2) ベンゾトリアゾール部: 4mmol/m2 IR色素 113mg/m2 (IM−3) P−(13) ロイコ色素部: 4mmol/m2 IR色素 113mg/m2
【0131】
【化44】
【0132】<非画像記録層塗布液(PC−1)の作製
>以下に示す材料をイソプロパノール/メチルエチルケ
トン混合溶媒(70/30(vol%))に溶解した
後、マット剤および滑り剤を添加し、高速ホモジナイザ
ーで分散し、保護層塗布液(PC−1〜4)を得た。マ
ット剤は富士シリシア化学製サイシリア431(合成シ
リカ:平均粒子径2.5μm)、滑り剤は中京油脂製セ
ロゾール524(主成分:カルナバワックス)を使用し
た。 (PC−1) ポリt−ブチルメタクリレート 0.7g/m2 A−TMMT(新中村化学工業製4官能アクリレート)0.3g/m2 V−70(和光純薬工業株式会社製) 10mg/m2 マット剤 60mg/m2 滑り剤 0.2g/m2
【0133】<試料−1〜3の作製>上記で得た画像記
録層塗布液を厚み100μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に塗布、乾燥した後その上に上記で得た
非画像記録層塗布液を塗布、60℃で2時間乾燥して試
料−1〜3を作製した。 画像記録層塗布液 非画像記録層塗布液 試料−1 : IM−1 PC−1 試料−2 : IM−2 PC−1 試料−3 : IM−3 PC−1 <プレヒートおよび熱現像条件>前述プレヒート装置の
5bを用いて行った。該装置においてレーザー露光は記
録材料がプレヒート部を1秒間通過した後に行われ、そ
の後15秒間熱現像を行うように設定した。 <画像記録のためのレ−ザ−露光条件>Spectra Diode
Labs No.SDL-2430(波長範囲:800〜830nm)を
8本合波して、400mWの出力にして、画像書き込み
用レーザーとした。このレーザーを用いて、ビーム系1
60μm、試料送りスピードを15mm/秒、走査ピッ
チを8本/mmに設定し、レーザーエネルギー密度が2
mj/mm2になるように露光を行った。
【0134】これら試料に対して前記レーザー露光条件
で走査露光を行なった後、露光部における360nmの
発色濃度を調べた。次にこれらのレーザー露光後の試料
を120℃、30秒の加熱条件で熱現像した後、露光部
および未露光部の発色濃度を求めた。得られた結果を以
下の表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】この表2より、プレヒートを行うことによ
り発色性が大きく向上し、しかも未露光部分のかぶりは
プレヒートの有無に依らず一定である。これらの結果よ
りプレヒートによる発色性の改良効果は極めて大きく、
本発明の有用性は明らかである。
【0137】
【実施例2】実施例1で調製した試料1と2を用いて以
下の実験を行った。 <プレヒートおよび熱現像条件>前述プレヒート装置の
5bを用いて行った。該装置においてレーザー露光は記
録材料がプレヒート部を1秒間通過した後に行われ、そ
の後15秒間熱現像を行うように設定した。 <画像記録のためのレ−ザ−露光条件>Spectra Diode
Labs No.SDL-2430(波長範囲:800〜830nm)を
8本合波して、400mWの出力にして、画像書き込み
用レーザーとした。このレーザーを用いて、ビーム系1
60μm、試料送りスピードを15mm/秒、走査ピッ
チを8本/mmに設定し、レーザーエネルギー密度が2
mj/mm2、7mj/mm2になるように調整して露
光を行った。試料ー1〜5および参考試料ー1、2に対
して前記レーザー露光条件で走査露光を行なった後、露
光部における360nmの発色濃度を調べた。次にこれ
らのレーザー露光後の試料を120℃、30秒の加熱条
件で熱現像した後、露光部および未露光部の発色濃度を
求めた。得られた結果を以下の表3に示す。
【0138】
【表3】
【0139】この表3より、プレヒートを行うことによ
り発色性が大きく向上し、レーザーパワーを大幅に低く
することができる。また上記(1)と(2)ではレーザ
ーパワーを高めたことにより画像の中心部分でアブレー
ションが起こりヘイズが生じているのに対し、本発明の
(3)、(4)ではそのようなことが見られず、これら
の結果からも本発明の有用性は明らかである。
【0140】
【発明の効果】記録材料が最初から最後まで明室で取り
扱われ、記録終了後も廃材が出ず、高感度を望むことが
でき、高コストともならない。そして、低いレーザーパ
ワーで書き込みが可能な画像記録媒体および画像記録方
法を提供できる。また、レーザーを用いたヒートモード
画像記録方式を利用する場合にもアブレーションを起こ
さない程度の低出力レーザーでの記録(特に製版用マス
クフィルムとして不可欠な360〜420nmに対応す
る画像記録)が可能であり、別個の受像シートを必要と
せず、かつ保存安定性に優れた新規な画像記録媒体およ
び画像記録方法である。触媒量の酸あるいは熱の作用だ
けで発色(又は消色)する新規ポリマーを利用した新規
な画像記録媒体および画像記録方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像記録装置の概略
構成図である。
【図2】図1に示した画像記録装置の加熱部の構成を示
す部分斜視図である。
【図3】図1に示した画像記録装置の画像記録部の構成
を示す概略構成図である。
【図4】本発明に関わる第2の実施の形態の画像記録装
置の概略構成図である。
【図5】本発明に関わる第3の実施の形態の画像記録装
置の概略構成図である。
【図6】レーザーによるプレヒートを備えたレーザービ
ーム射出部232の概略を示す構成図である。
【図7】シート上でのプレヒートレーザーEPと記録レ
ーザーEとの位置関係を示す図である。
【図8】レーザーによるプレヒートの他の構成を示す概
略斜視図である。
【図9】(a)は、加熱ローラ及び画像記録部の他の実
施形態を示す概略斜視図である。(b)は、図9(a)
の加熱ローラに垂直な断面図である。
【図10】(a)記録部及び加熱部の他の実施形態を示
す概略斜視図である。図10(b)は、図10(a)の
加熱部を他の実施形態とした加熱部の加熱ローラに垂直
な概略断面図である。
【図11】熱現像部の他の実施形態を示す概略図であ
る。
【図12】(a),(b)は、熱現像部のさらに他の実
施形態を示す概略図である。
【図13】加熱部、画像記録部、熱現像部をより近接配
置させた実施形態の画像記録装置の部分斜視図である。
【図14】(a)は図13の装置の搬送方向断面図であ
り、(b)は図14(a)の装置の変更例を示した搬送
方向断面図である。
【図15】本発明の画像記録装置と他の画像形成装置と
を処理機として利用する際の出力制御を示すブロック図
である。
【符号の説明】
10,110,210 画像記録装置 20,120,220 記録材料供給部 21,121 マガジン 23,123,223 カッター 30,130,230 記録部 32,132 画像記録光学系 40,142 加熱部 42 加熱ローラ 50 集積部 160,260 熱現像部 D シート(記録材料) E 記録レーザービーム EP プレヒート・レーザービーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 浩 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA24 AA28 AA30 BB01 BB48 2H084 AA14 AE05 BB04 CC05 2H123 CA22

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸触媒による発色(又は消色)反応を利
    用した画像記録媒体よりなる感熱記録材料に画像形成す
    る画像記録方法であって、 記録材料供給部から供給される前記感熱記録材料に潜像
    を記録する位置もしくはその上流位置で、前記感熱記録
    材料を所定温度まで加熱し、画像記録を行うことを特徴
    とする画像記録方法。
  2. 【請求項2】 前記潜像記録後に前記感熱記録材料を現
    像温度まで加熱現像することを特徴とする請求項1に記
    載の画像記録方法。
  3. 【請求項3】 酸触媒による発色(又は消色)反応を利
    用した画像記録媒体よりなる感熱記録材料に画像形成す
    る画像記録装置であって、 前記感熱記録材料を収容して利用時に搬出する記録材料
    供給部と、 前記記録材料供給部から供給される前記感熱記録材料に
    潜像を記録する記録部と、 前記記録部の記録位置もしくは記録位置上流に配置され
    て前記感熱記録材料を所定温度まで加熱する加熱部とを
    備えることを特徴とする画像記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録部が前記画像記録媒体内に像様
    に酸を発生する熱を与えるように露光するレーザー記録
    手段であることを特徴とする請求項3に記載の画像記録
    装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱部が、前記感熱記録材料上の記
    録用レーザー走査位置の直前で走査する加熱用光ビーム
    であることを特徴とする請求項4に記載の画像記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記加熱部が、前記感熱記録材料に接し
    て加熱する加熱ローラであることを特徴とする請求項3
    に記載の画像記録装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱部が、前記記録部の記録位置も
    しくは記録位置上流で前記感熱記録材料の記録面裏側に
    対向する位置に平板状加熱面を備えることを特徴とする
    請求項3に記載の画像記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録材料供給部には前記感熱記録材
    料以外に少なくとも一種類の記録材料の収容部が備えら
    れ、これらの記録材料が選択的に供給されることを特徴
    とする請求項3〜7のいずれかに記載の画像記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録部が前記画像記録媒体内に像様
    に酸を発生する熱を与えるサーマルヘッド記録手段であ
    ることを特徴とする請求項3及び6〜8のいずれかに記
    載の画像記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録部から搬送される潜像形成後
    の前記感熱記録材料を加熱して、可視像を得る熱現像部
    を備えることを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記
    載の画像記録装置。
  11. 【請求項11】 前記加熱部と前記熱現像部とが隣接配
    置され、前記記録部による記録位置が前記熱現像部に感
    熱記録材料が進入する直前位置であることを特徴とする
    請求項3,4,6〜10のいずれかに記載の画像記録装
    置。
  12. 【請求項12】 前記熱現像部下流の感熱記録材料出口
    付近に、現像済みの感熱記録材料の画像状態を検出する
    測色センサが配置されていることを特徴とする請求項3
    〜11のいずれかに記載の画像記録装置。
  13. 【請求項13】 少なくとも前記記録部及び熱現像部の
    プロファイル記録を有し、且つ前記測色センサから現像
    済み画像状態をフィードバックされ、画像データが入力
    された画像記録要求毎に、前記各部のプロファイルを設
    定する画像形成制御部をそなえることを特徴とする請求
    項12に記載の画像記録装置。
JP11107219A 1999-04-14 1999-04-14 画像記録方法及び装置 Pending JP2000296679A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11107219A JP2000296679A (ja) 1999-04-14 1999-04-14 画像記録方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11107219A JP2000296679A (ja) 1999-04-14 1999-04-14 画像記録方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000296679A true JP2000296679A (ja) 2000-10-24

Family

ID=14453521

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11107219A Pending JP2000296679A (ja) 1999-04-14 1999-04-14 画像記録方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000296679A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0909656B1 (en) Image recording medium containing an acid-generating agent, image recording method and thermosensitive polymer
US6143480A (en) Leuco dye and image recording medium containing the same
US5773170A (en) UV-absorbing media bleachable by IR-radiation
US6432876B1 (en) Image-recording medium containing self-developing leuco dye
JP2000296679A (ja) 画像記録方法及び装置
JP3807852B2 (ja) 熱発色性ポリマーおよびそれを用いた画像記録媒体並びに画像記録方法
JP2000343837A (ja) 画像記録媒体
JP2000144004A (ja) 新規ロイコ色素ならびに該ロイコ色素を含有する画像記録媒体
JP2000296629A (ja) 画像記録装置
JP2000296596A (ja) 画像記録装置
JP2001249430A (ja) 画像記録媒体
US6316161B1 (en) Image recording medium comprising compound generating acid by action of heat, acid or light
US6562542B2 (en) Image-forming material and novel sulfonic acid ester derivative
JP4213844B2 (ja) 画像形成材料
JP2001088451A (ja) 画像記録方法
JP2000343836A (ja) 画像記録媒体
JP2000280625A (ja) 非銀塩熱現像画像記録材料
JP2000280632A (ja) 熱現像画像記録媒体および熱現像画像記録方法
JP2002046358A (ja) ロイコ色素を含有する画像記録媒体
JP3821588B2 (ja) 画像記録媒体並びに画像記録方法
JP2002059651A (ja) 画像記録媒体
JP4137362B2 (ja) 画像形成材料
JP4048517B2 (ja) 熱または光の作用によって酸を発生する化合物を含有する画像記録媒体
JP2001088445A (ja) 画像記録媒体および画像記録方法
JP2001246848A (ja) 非銀塩画像記録材料