JP2001087945A - 歯車加工方法及びホブ盤 - Google Patents

歯車加工方法及びホブ盤

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JP2001087945A
JP2001087945A JP26667599A JP26667599A JP2001087945A JP 2001087945 A JP2001087945 A JP 2001087945A JP 26667599 A JP26667599 A JP 26667599A JP 26667599 A JP26667599 A JP 26667599A JP 2001087945 A JP2001087945 A JP 2001087945A
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hob
cutting
air
flank
speed
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JP26667599A
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Noriya Hamamoto
徳也 濱本
Yozo Nakamura
容造 中村
Yukio Kigami
幸夫 樹神
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削油を供給しないドライカットでも、ホブ
の刃溝への切削屑の詰まり及び刃部への切削屑の付着を
防止し、ワークへの切削屑の噛み込みをなくす。 【解決手段】 切削油を供給しないドライカットにより
ワーク23にホブ25で歯形を創成する歯車加工方法に
おいて、ホブ25の刃溝に沿った方向で刃溝に向けてエ
アノズル28からエアを吹き付けると共に、ホブ25の
円周方向から外周に向けて第2エアノズル51からエア
を吹き付けながらワーク23に歯形を創成し、切削屑を
刃溝の間から吹き飛ばすと共にねじ溝及び逃げ面への切
削屑の付着を阻止し、ドライカットでもホブの刃溝への
切削屑の詰まり及び刃部への切削屑の付着を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削油剤を用いず
に切削を行うドライカットにより歯形を創成する歯車加
工方法及びホブ盤に関する。
【0002】
【従来の技術】図21乃至図23に基づいて一般的なホ
ブ盤及びホブの概略を説明する。図21には一般的なホ
ブ盤の切削部の詳細状況、図22にはホブの側面、図2
3にはホブの正面を示してある。
【0003】図21に示すように、ホブ盤1には取付具
2を介してワーク3が支持され、ホブヘッド4にはホブ
5が駆動回転自在に支持されている。取付具2はテーブ
ル6に支持され、テーブル6の回転によりワーク3が回
転するようになっている。また、ホブヘッド4にはホブ
軸7が駆動回転自在に設けられ、ホブ軸7にホブ5が固
定されてホブ軸7の駆動によりホブ5が回転するように
なっている。ホブ盤1にはノズル8が設けられ、ノズル
8により切削部に切削油剤9が供給される。
【0004】図22、図23に示すように、ホブ5は、
ウォームのねじすじ11を横断して多数の刃溝12が設
けられ、ねじすじ11を挟んで隣接する刃溝12の間に
逃げ面13を有し、ねじすじ11に沿った方向の面に切
刃14及びすくい面15を有する刃部16が形成されて
いる。
【0005】ホブ盤1を用いてワーク3に歯形を創成す
る場合、取付具2を介してテーブル6にワーク3を取付
け、ホブヘッド4のホブ軸7にホブ5を固定する。テー
ブル6を回転させることによりワーク3を回転させると
共に、ホブ軸7を駆動回転させることによりホブ5を回
転させる。ホブ5及びワーク3を回転させた状態でホブ
5をワーク3に切り込ませることで、ワーク3の外周が
ホブ5の刃部により削り取られて歯形が創成される。
【0006】ホブ加工は、歯車の噛み合い運動と同様な
運動で歯車を加工する方法であるため、ワーク3の外周
に所定の歯形が創成されるように、ホブ5及びワーク3
の回転数とホブ5の切り込み量等が設定されている。切
削中はノズル8から切削油剤9が切削部に供給され、切
削部の潤滑及び冷却が行なわれる。また、切削油剤9に
より切削屑を排出している。
【0007】しかし、切削油剤9は、異臭、油による汚
れ、油煙発生等、作業環境を悪くすると共に、廃油処理
の問題がある。このため、近年では工具材や加工方法の
工夫により、切削油材を使わずに切削を行うドライカッ
トが歯切り加工の分野でも行われるようになってきてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ドライカット
で歯切り加工を実施した場合、切削油剤を使用しないの
で、切削屑を洗い流すことができず、ホブ1の刃溝12
の間に切削屑が詰まって連続的な切削加工が困難となっ
てしまう虞があった。また、ホブ1の回転による切削に
伴って切削部の回転方向後側におけるねじ溝(ねじすじ
11の間)や刃部16の逃げ面13に切削屑が付着して
しまう虞があった。このため、切削屑がワーク3に噛み
込んで、ワーク3に噛み込み痕を生じさせてしまう虞が
あった。
【0009】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、切削油剤を用いずに切削を行うドライカットを実施
しても、ホブの刃溝への切削屑の詰まりを防止すること
ができると共に、逃げ面やねじ溝への切削屑の付着を防
止することができ、ワークへの切削屑の噛み込みを防止
することができる歯車加工方法及びホブ盤を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の歯車加工方法は、ウォームのねじすじを横断
する多数の刃溝を設けることで切刃が形成されるホブに
より、切削油剤を用いずに切削を行うドライカットでワ
ークに歯形を創成する歯車加工方法において、上記ホブ
の刃溝に沿う方向より刃溝に向けてエアを吹き付けると
共に上記ホブの円周方向からその外周面に向けてエアを
吹き付けながらワークに歯形を創成することを特徴とす
る。
【0011】また、上記目的を達成するための本発明の
歯車加工方法は、ウォームのねじすじを横断する多数の
刃溝を設けることで切刃が形成されるホブにより、切削
油剤を用いずに切削を行うドライカットでワークに歯形
を創成する歯車加工方法において、上記ホブの刃溝に沿
う方向より刃溝に向けてエアを吹き付け、次に、上記ホ
ブの円周方向からその外周面に向けてエアを吹き付けな
がらワークに歯形を創成することを特徴とする。
【0012】そして、ホブの円周方向で、刃溝と外周面
とに交互に複数箇所でエアを吹き付けながらワークに歯
形を創成することを特徴とする。
【0013】また、ホブは高速度工具鋼製であり、実質
的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされたホブが用いられることを特徴とする。
【0014】また、ホブは高速度工具鋼製であり、実質
的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.45≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされたホブが用いられることを特徴とする。
【0015】また、ホブは高速度工具鋼製であり、窒化
物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.15≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされたホブが用いられることを特徴とする。
【0016】また、切削速度を80m/min 以上400m/min以
下の範囲としたことを特徴とする。
【0017】上記目的を達成するための本発明のホブ盤
は、ウォームのねじすじを横断する多数の刃溝を設ける
ことで切刃が形成されるホブがホブ軸に取り付けられ、
切削油剤を用いずに切削を行うドライカットでワークに
歯形を創成するホブ盤において、上記ホブの刃溝に沿う
方向より刃溝に向けてエアを吹き付けると共に上記ホブ
の円周方向からその外周面に向けてエアを吹き付けるエ
ア供給手段を設けたことを特徴とする。
【0018】そして、エア供給手段はホブの円周方向に
複数備えられていることを特徴とする。
【0019】また、エア供給手段は、刃溝に沿う方向よ
り刃溝に向けてエアを吹き付ける第1エアノズルと、円
周方向からホブの外周面に向けてエアを吹き付ける第2
エアノズルとを備えていることを特徴とする。
【0020】また、エア供給手段は一つのノズルで構成
されていることを特徴とする。
【0021】また、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブ
には、実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされていることを特徴とする。
【0022】また、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブ
には、実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.45≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされていることを特徴とする。
【0023】また、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブ
には、窒化物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.15≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされていることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】図1には本発明の一実施形態例に
係る歯車加工方法を実施するホブ盤の全体構成、図2に
は切削部の概略、図3にはホブの側面、図4にはホブの
正面を示してある。
【0025】図1、図2に示すように、ホブ盤21には
取付具22を介してワーク23が支持され、ホブヘッド
24にはホブ25が駆動回転自在に支持されている。取
付具22はテーブル26に支持され、テーブル26の回
転によりワーク23が回転するようになっている。ま
た、ホブヘッド24にはホブ軸27が駆動回転自在に設
けられ、ホブ軸27にホブ25が固定されてホブ軸27
の駆動によりホブ25が回転するようになっている。
【0026】図3、図4に示すように、ホブ25は、ウ
ォームのねじすじ31を横断して多数の刃溝32が設け
られ、ねじすじ31に沿って隣接する刃溝32の間に逃
げ面33、切刃34及びすくい面35を有する刃部36
が形成されている。一方、ホブ盤21の図示しない本体
(ベッド側)にはエア供給手段の第1エアノズルとして
のエアノズル28が設けられ、エアノズル28により刃
溝32に沿った方向で刃溝32に向けてエアが吹き付け
られる。
【0027】また、ホブ盤21の図示しない本体(ベッ
ド側)にはエア供給手段の第2エアノズルとしての第2
エアノズル51が設けられ、第2エアノズル51はホブ
25の回転方向におけるエアノズル28の後側に配置さ
れ、第2エアノズル51により円周方向からホブ25の
外周面に向けてエアが吹き付けられる。これにより、ね
じ溝(ねじすじ31の間)及び刃部36の逃げ面33へ
の切削屑の付着が阻止される。
【0028】尚、エアノズル28及び第2エアノズル5
1はホブヘッド24側に設けることも可能である。
【0029】図3に示すように、第2エアノズル51は
ホブ25のねじすじ31の約3すじ分の幅に形成されて
いる。これは、実際に切削に使用される切刃34はねじ
すじ31の2から3すじの幅のためである。また、図4
に示すように、第2エアノズル51の向きは、中心から
接線方向に回転方向後側に多少傾いた向きに設定されて
いる。
【0030】ホブ25としては、超硬工具、セラミック
ス工具、高速度工具鋼にTiAlの窒化物や炭窒化物をコー
ティングした工具、Alの酸化物をコーティングした工
具、Tiの窒化物や炭窒化物をコーティングした工具等が
ある。中でも、切削油剤を供給しないドライカットで切
削を行う場合、工具寿命が著しく長く、コスト面でも圧
倒的に有利な工具は、高速度工具鋼にTiAlの窒化物や炭
窒化物をコーティングした工具である。このため、ホブ
25としては、TiAlの窒化物、あるいは、TiAlの炭窒化
物を少なくとも逃げ面33にコーティングした高速度工
具鋼(ハイス)製のホブ25が用いられる。ホブ25は
はハイス製となっているので、安価でコストの低減を図
ることができる。
【0031】ホブ25として、高速度工具鋼製のホブに
TiAlの窒化物、TiAlの炭窒化物をコーティングすること
により、コーティング膜中のAlが切削熱により温度上昇
し、その結果、大気により酸化されてコーティング膜の
表面に耐摩耗性の高い酸化膜が形成され、ホブ25が摩
耗しにくくなる。更に、この酸化膜は、膜内部の酸化を
阻止する効果があり、コーティング膜の密着力を強固な
まま保つことができる。
【0032】ホブ25は、実質的に(Ti (1-x) Alx )(N
y C (1-y) ) の組成(ただし、0.2≦x≦0.85、0.25≦
y≦1.0 )の膜を少なくとも一層を少なくとも逃げ面3
3に施したものを使用する。コーティングは少なくとも
刃部36の逃げ面33に施されていれば所望の耐摩耗性
が得られる。刃部36のすくい面35にもコーティング
すると耐摩耗性が更に向上する。
【0033】上述したホブ盤21を用いてワーク23に
歯形を創成する本発明の歯車加工方法を説明する。取付
具22を介してテーブル26にワーク23を取付け、ホ
ブヘッド24のホブ軸27にホブ25を固定する。テー
ブル26を回転させることによりワーク23を回転させ
ると共に、ホブ軸27を駆動回転させることによりホブ
25を回転させる。ホブ25及びワーク23を回転させ
た状態でホブ25をワーク23に切り込ませることで、
ワーク23の外周がホブ25の刃部36により削り取ら
れて歯形が創成される。この時、切削部には切削油剤は
供給されずにドライカットにより切削が行われる。ドラ
イカット加工においては、切削油剤を使用しないので、
床面の汚れや異臭の発生がなく、廃油処理も不要とな
る。従って、作業環境や地球環境の向上に好適である。
【0034】ホブ加工は、歯車の噛み合い運動と同様な
運動で歯車を加工する方法であるため、ワーク23の外
周に所定の歯形が創成されるように、ホブ25及びワー
ク23の回転数とホブ25の切り込み量等が設定されて
いる。
【0035】切削中はエアノズル28からホブ25の刃
溝32に沿った方向で刃溝32に向けてエアが吹き付け
られる。これにより、切削屑がホブ25の刃溝32の間
から吹き飛ばされる。次に、第2エアノズル51からホ
ブ25の外周面に向けてエアが回転方向の後側から、ホ
ブ25の回転方向に向けて吹き付けられ、ねじ溝(ねじ
すじ31の間)や刃部36の逃げ面33(側面及び外
周)にエアが吹き付けられる。これにより、ホブ25の
回転による切削に伴って切削部の回転方向後側における
切刃34側に移動した切削屑が、ホブ25のねじ溝や切
刃34の逃げ面33に付着することがなくなる。
【0036】第2エアノズル51は、ホブ25の外周面
に向けて回転方向の後側からエアを吹き付けるように配
置されている。ホブ25の通常の周速は1m/s 〜5m/s
であり、第2エアノズル51からのエアの吹き出し速度
は工場エアを使用した場合、数10m/s であるので、相対
速度差が生じて周速に対してエアの吹き出し速度は十分
速くなり、ホブ25の回転中であっても、ねじ溝(ねじ
すじ31の間)や刃部36の逃げ面33(側面及び外
周)に付着する虞のある切屑を確実に吹き飛ばすことが
可能である。
【0037】尚、上述した実施形態例では、エアノズル
28及び第2エアノズル51を一つずつ設けた例を挙げ
て説明したが、図5に示すように、エアノズル28及び
第2エアノズル51を複数組(図示例では2組)設け、
エアノズル28及び第2エアノズル51を交互に配置す
ることも可能である。また、上述した実施形態例では、
エア供給手段として、エアノズル28及び第2エアノズ
ル51を設けた例を挙げて説明したが、図6に示すよう
に、ホブ25の約3条分の幅に形成された一つのエアノ
ズル61でエア供給手段を構成し、エアノズル61を傾
斜して配置することも可能である。エアノズル61を傾
斜して配置し、エア圧力を適宜設定することで、ホブ2
5の刃溝32方向へのエアの吹き出しと外周面に向けて
のエアの吹き出しとが行える。
【0038】従って、切削油剤を用いないドライカット
で切削を行っても、ホブ25の刃溝32への切削屑の詰
まり、及びねじ溝(ねじすじ31の間)や刃部36の逃
げ面33(側面及び外周)への切削屑の付着を防止する
ことができ、連続切削に支障をきたすことがない。ま
た、ワーク23への切削屑の噛み込みが防止され、噛み
込み痕の発生を防止することができる。
【0039】本発明による歯車加工方法及びホブ盤の効
果を確認するため、上述した実施形態例に基づいて確認
試験を行った。
【0040】[確認試験1:ワークの切削屑噛み込み
痕]50個のワークを続けて加工し、切削屑の噛み込み
痕を生じたワークの数量を調べた。その結果を図7に示
す。尚、ワーク23は、モジュールが2.5 、歯数が4
9、ねじれ角が21.5度(RH)、歯幅が40mm、切り込
み深さは6.6mm 、材質はSCM415である。また、ホブ25
は、外径が755mm、条数が3、切刃数が16である。切
削条件は、切削速度が200m/min、アキシャル送り2.4mm/
rev 、歯切り方法は同巻クライムである。切削油剤の供
給は行わないドライカットであり、エア供給は、な
し、切削点へ供給、刃溝32に沿った方向及び外周
面へ供給である。
【0041】図7から判るように、エア供給なしの場
合には、切削屑の噛み込み痕を生じたワークが45個程
度発生した(発生率90%)。これに対し、切削点に
エアを供給した場合には、切削屑の噛み込み痕を生じた
ワークが2個程度となり(発生率4%)、刃溝32に
沿った方向及び外周面へ供給した場合には、切削屑の噛
み込み痕を生じたワークがなかった(発生率0%)。
【0042】以上のことから、切削油剤を供給しないド
ライカットにおいては、ホブ25の刃溝32に沿った方
向で刃溝32に向けてエアを吹き付けると共に、円周方
向から外周面に向けてエアを吹き付けることにより、ワ
ークへの切削屑の噛み込みを防止して噛み込み痕の発生
をなくすことが確認できた。
【0043】[確認試験2:切削屑詰まり]50個のワ
ークを続けて加工することを25回行い、そのうち、切
削不能となることなく続けて50個のワークを加工する
ことができた回数を調べた。その結果を図8に示す。
尚、試験条件は上述した確認試験1の場合と同一であ
る。
【0044】図8から判るように、エア供給なしの場
合には、成功回数が7回であった(成功率28%)。こ
れに対し、切削点にエアを供給した場合には、成功回
数が10回となり(成功率40%)、刃溝32に沿っ
た方向及び外周面へ供給した場合には、成功回数が25
回であった(成功率:100%)。
【0045】以上のことから、切削油剤を供給しないド
ライカットにおいては、ホブ25の刃溝32に沿った方
向で刃溝32に向けてエアを吹き付けると共に、円周方
向から外周面に向けてエアを吹き付けることにより、ホ
ブ25の刃溝32への切削屑の詰まりを防止すると共に
ねじ溝や刃部36の逃げ面33(側面及び外周)への切
削屑の付着を防止して連続切削が可能であることが確認
できた。
【0046】次に、ホブ25にコーティングされる、実
質的に(Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y ) ) の組成(ただ
し、0.2 ≦x≦0.85、0.25≦y≦1.0 )の膜の具体例を
説明する。
【0047】ここで、実質的に(Ti (1-x) Alx )(Ny C
(1-y) ) の組成(ただし、0.2 ≦x≦0.85、0.25≦y≦
1.0 )の膜における(Ti (1-x) Alx )と(Ny C (1-y) )
の割合は、(Ti (1-x) Alx ):(Ny C (1-y) ) =1.1:0.
9 から(Ti (1-x) Alx ):(Ny C (1-y) ) =0.9:1.1 の
間となっている。即ち、(Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C
(1-y) ) w におけるwが、0.45 ≦w≦0.55となってい
る。
【0048】通常、(Ti (1-x) Alx )と(Ny C (1-y) )
の割合は、1:1とされるが、金属元素であるTi,Alに
N,C を同等または多めに含有させても問題はない。N,C
を多めに含有させた場合、固溶強化が期待できる。
【0049】ホブ25として、(Ti (1-x) Alx )N の組
成からなる材料を膜厚1.7 μm で一層コーティングした
高速度鋼(SKH55)製のホブ25を用い、切削油剤を供給
せずに切削を行なう(ドライカット)場合を説明する。
【0050】図9には(Ti (1-x) Alx )N の組成からな
る材料のxの値と逃げ面摩耗との関係、図10には(Ti
(1-x) Alx )N の組成からなる材料のxの値とクレータ
摩耗との関係を示してある。図7及び図8におけるホブ
25は、(Ti (1-x) Alx )Nの組成からなる材料を一層
コーティングした高速度鋼で、モジュールm が2.5 、口
数3、外径90mm、刃長90mm、溝数12である。また、ワ
ーク23は、材質がSCM435、モジュールm が2.5 、歯数
が45、歯幅が30mm、ねじれ角が20度である。そして、加
工条件は、アキシャル送り2mm/rev 、ワーク23の加工
数は350 個である。
【0051】図9に示すように、切削速度が80m/min
で、xの値が0.2 ≦x≦0.85の範囲にある組成の(Ti
(1-x) Alx )N をコーティングしたホブ25が実用限界
(0.2mm)を下回り、実用可能となる。更に、切削速度を
180m/minまで高めていくと、逃げ面摩耗が減少していき
切削速度を180m/minで更に広範囲のxの値の組成の(Ti
(1 -x) Alx )N をコーティングしたホブ25が実用可能
な逃げ面摩耗に収まる。更に切削速度を高めていくと逃
げ面摩耗が増加するが、切削速度が400m/minでもxの値
が0.2 ≦x≦0.85より広範囲の組成の(Ti (1-x) Alx
N をコーティングしたホブ25が実用可能な逃げ面摩耗
に収まっている。
【0052】逃げ面摩耗の実用限界は0.2mm 以下である
が、図10に示したクレータ摩耗の実用限界は0.1mm 以
下であることが望ましい。図10に示すように、クレー
タ摩耗は切削速度が80m/min の時に最も少なく、切削速
度が高まる程増加する。しかし、切削速度が400m/minに
至っても、クレータ摩耗は0.05mm程度であり、問題のな
い範囲に収まっている。
【0053】以上により、xの値が0.2 ≦x≦0.85の範
囲にある組成の(Ti (1-x) Alx )Nのコーティング膜を
コーティングした高速度鋼製のホブ25で、切削速度が
80m/min から400m/minの範囲でドライカットすると、高
能率で低コストの歯車創成が実現できる。
【0054】次に、ホブ25として、(Ti0.5Al0.5 )(N
y C (1-y) ) の組成からなる材料を膜厚1.7 μm で一層
コーティングした高速度鋼(SKH55)製のホブ25を用
い、切削油剤を供給せずに切削を行なう(ドライカッ
ト)場合を説明する。
【0055】図11には(Ti0.5Al0.5 )(Ny C (1-y) )
の組成からなる材料のy の値と逃げ面摩耗との関係、図
12には(Ti0.5Al0.5 )N の膜厚の合計と膜厚1.7 μm
を基準とした時の逃げ摩耗量の比との関係を示してあ
る。図11及び図12におけるホブ25は、(Ti0.5Al
0.5 )N の組成からなる材料をコーティングした高速度
鋼で、口数3、刃長90mmである。また、ワーク23は、
材質がSCM435、モジュールm が2.5 、歯数が45、歯幅が
30mm、ねじれ角が20度である。そして、加工条件は、ア
キシャル送り2mm/rev 、ワーク23の加工数は350 個で
ある。
【0056】図11に示すように、切削速度が80m/min
で、yの値が 0.25 ≦y≦1.0 の範囲にある組成の(Ti
0.5Al0.5 )(Ny C (1-y) ) をコーティングしたホブ2
5が実用限界(0.2mm)を下回り、切削速度を180m/minで
逃げ面摩耗が最も少なくなる。更に、切削速度を高めて
いくと逃げ面摩耗は増していくが、切削速度が400m/min
に至ってもyの値が 0.25 ≦y≦1.0 の範囲にある組成
の(Ti0.5Al0.5 )(Ny C (1-y) ) をコーティングしたホ
ブ16であれば逃げ摩耗は許容範囲内に収まる。yの値
が小さくなると摩耗が増加するのは、どの切削速度でも
同じである。yの値が小さくなるにつれて耐摩耗性が下
がるのは、コーティングする材料の組成の中で、Nに代
わってCが増えることにより耐酸化性が低下するからで
あると考えられる。
【0057】図12は(Ti0.5Al0.5 )N のコーティング
で、膜厚の適正値を求めたもので、図12の横軸は膜厚
の合計を表したものである。即ち、(Ti0.5Al0.5 )N が
単層であればその膜厚を表し、多層であれば全ての(Ti
0.5Al0.5 )N 膜の厚さの合計を表したものである。縦
軸は単層の(Ti0.5Al0.5 )N のコーティングを膜厚1.7
μm で行なったホブ25の逃げ面摩耗を1とした時の逃
げ面摩耗の比を表したものである。
【0058】(Ti0.5Al0.5 )N を一層コーティングした
場合の逃げ面摩耗と膜厚との関係をみると、膜厚が0.5
μm では膜厚が1.7 μm の場合に比べて約30%逃げ面摩
耗が多く、膜厚が厚くなるにつれて徐々に摩耗が少なく
なり、膜厚が10μm では膜厚が1.7 μm の半分になる。
しかし、膜厚が0.3 μm まで薄くなると逃げ面摩耗は膜
厚が1.7 μm の場合に比べて2.2 倍に増加する。一方、
膜厚が11μm になると膜の剥離が生じて摩耗が急増す
る。
【0059】(Ti0.5Al0.5 )N のコーティングを多層化
した場合には、例えば、0.05μm のTiN を(Ti0.5A
l0.5 )N の間に挟んで5層あるいは10層コーティン
グした場合には、図10に示した通り単層の場合より少
し高い性能が得られる。膜厚は0.5μm 以上で10μm 以
下が好ましく、単層でも多層でもよい。
【0060】以上により、yの値が 0.25 ≦y≦1.0 の
範囲にある組成の(Ti0.5Al0.5 )(N y C (1-y) ) のコー
ティング膜をコーティングした高速度鋼製のホブ25
で、切削速度が80m/min から400m/minの範囲でドライカ
ットすると、高能率で低コストの歯車創成が実現でき
る。
【0061】次に、図13乃至図17に基づいて各種加
工条件と切削速度との関係を詳細に説明する。
【0062】図13にはアキシャル送り、ホブの口数と
ドライカットで実用可能な逃げ面摩耗に収まる切削速度
との関係を示してある。即ち、ホブ25の口数別に逃げ
面摩耗が実用可能な範囲に収まるアキシャル送りと切削
速度との関係を示してある。
【0063】図に白印で示される切削速度は逃げ面摩耗
が実用域を下回り始める切削速度であり、図に黒印で示
される切削速度は逃げ面摩耗が実用域を上回り始める切
削速度である。つまり、白印で示される切削速度以上で
黒印で示される切削速度以下の範囲の切削速度で実用可
能となる。全体的には、口数とアキシャル送りとはドラ
イカットが有効な切削速度域にあまり影響を与えないこ
とが判る。
【0064】まず、逃げ面摩耗が実用域を下回り始める
切削速度に対しては、アキシャル送りが高くなるほど切
削速度は低下するが、その程度は小さくどのアキシャル
送りでも切削速度が略80m/min で逃げ面摩耗が実用域を
下回ると考えられる。口数が変化しても同様である。ア
キシャル送りが高くなると切削速度が少し低下するの
は、アキシャル送りを高めることにより刃先の温度が上
がり、低い切削速度でも切削が効率的に行なわれる刃先
温度に達するためであると考えられる。ただし、刃先温
度に対するアキシャル送りの影響は、切削速度と比べて
かなり小さいため切削速度に対する影響は小さいと考え
られる。
【0065】一方、逃げ面摩耗が実用域を上回り始める
切削速度は、アキシャル送りが高くなるほど切削速度は
低下するが、その程度は小さくどのアキシャル送りでも
切削速度が略400m/minで逃げ面摩耗が実用域を上回ると
考えられる。口数が変化しても同様である。アキシャル
送りが高くなると切削速度が少し低下するのは、アキシ
ャル送りを高めることにより刃先の温度が上がり、低い
切削速度でも高速度鋼(ハイス材)が大きく軟化してし
まう温度に達するためであると考えられる。
【0066】尚、図示例でのホブ25は、(Ti0.5A
l0.5 )N をコーティングしたもので、モジュールm が
2.5 、外径90mm、刃長90mm、溝数12である。ワーク2
3は、材質がSCM435、モジュールm が2.5 、歯数が45、
歯幅が30mm、ねじれ角が20度である。また、ホブ25の
コーティングが、(Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) 、0.
2 ≦x≦0.85、 0.25 ≦y≦1.0 の範囲で、図11と同
様の結果となることを確認している。
【0067】図14にはワークの材質、硬度と実用可能
な逃げ面摩耗に収まる切削速度との関係を示してある。
即ち、ワーク23として、歯車材の代表的な各種の浸炭
及び肌焼鋼(例えばSCM415,SCM435,SCr420等)について
硬度を変えてドライカットが有効な切削速度域を調べた
ものである。
【0068】図に示すように、逃げ面摩耗が実用域を下
回り始める切削速度は、鋼種及び硬度が変わっても74m/
min から85m/min の間に入ることが判る。また、逃げ面
摩耗が実用域を上回り始める切削速度は、鋼種及び硬度
が変わっても379m/minから418m/minの間に入ることが判
る。よって、ドライカットが有効な切削速度域は、略80
m/min から400m/minとなる。また、硬度の異なる各種炭
素鋼及び硬度の異なる各種鋳鉄についても、図から判る
ように、切削速度が略80m/min から400m/minの間でドラ
イカットが有効になる。
【0069】尚、図示例でのホブ25は、(Ti0.5A
l0.5 )N をコーティングしたもので、モジュールm が
2.5 、口数3、外径90mm、刃長90mm、溝数12である。
ワーク23は、モジュールm が2.5 、歯数が45、歯幅が
30mm、ねじれ角が20度である。また、ホブ16のコーテ
ィングが、(Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) 、0.2 ≦x
≦0.85、 0.25 ≦y≦1.0 の範囲で、図12と同様の結
果となることを確認している。
【0070】図15にはホブ切り方法と実用可能な逃げ
面摩耗に収まる切削速度との関係を示してある。即ち、
ホブ切り方法には、逆巻及び同巻コンベンショナル歯切
り方法と逆巻及び同巻クライム歯切り方法があり、各歯
切り方法に対してドライカットが有効な切削速度域を調
べたものである。
【0071】図に白印で示される切削速度は逃げ面摩耗
が実用域を下回り始める切削速度であり、図に黒印で示
される切削速度は逃げ面摩耗が実用域を上回り始める切
削速度である。図に示すように、ドライカットが有効と
なる切削速度域は、4種類の歯切り方法によって若干異
なるものの、略80m/min から400m/minの間となっている
ことが判る。
【0072】尚、図示例でのホブ25は、(Ti0.5A
l0.5 )N をコーティングしたもので、モジュールm が
2.5 、口数3、外径90mm、刃長90mm、溝数12である。
ワーク23は、材質がSCM435、モジュールm が2.5 、歯
数が45、歯幅が30mm、ねじれ角が20度である。また、ホ
ブ25のコーティングが、(Ti (1-x) Alx )(Ny C
(1-y) )、0.2 ≦x≦0.85、 0.25 ≦y≦1.0 の範囲
で、図13と同様の結果となることを確認している。
【0073】図16にはホブ母材と実用可能な逃げ面摩
耗に収まる切削速度との関係を示してある。即ち、例え
ばホブ25の母材の材質として、SKH51,SKH55,粉末ハイ
ス(1.6%C,8%W,8%Mo,その他),粉末ハイス(2.2%C,12%W,2.
5%Mo, その他) , 粉末ハイス(1.3%C,6%W,5%Mo,その他)
を適用し、各種母材材質に対してドライカットが有効な
切削速度域を調べたものである。
【0074】図に白印で示される切削速度は逃げ面摩耗
が実用域を下回り始める切削速度であり、図に黒印で示
される切削速度は逃げ面摩耗が実用域を上回り始める切
削速度である。図に示すように、ドライカットが有効と
なる切削速度域は、各種母材材質に拘らず略80m/min か
ら400m/minの間となっていることが判る。
【0075】逃げ面摩耗が実用域を下回り始める切削速
度を決めるのは、コーティング膜の材質であり、母材の
材質にはよらないため、ホブ25の母材の材質が異なっ
てもドライカットが有効な切削速度に大きな差が生じな
いと考えられる。また、逃げ面摩耗が実用域を上回り始
める切削速度は、母材の軟化温度に関係するため、ハイ
ス材では成分が異なっていても軟化温度にはそれほど大
きな違いがないので、ホブ25の母材の材質が異なって
もドライカットが有効な切削速度に大きな差が生じない
と考えられる。
【0076】尚、図示例でのホブ25は、(Ti0.5A
l0.5 )N をコーティングしたもので、モジュールm が
2.5 、口数3、外径90mm、刃長90mm、溝数12である。
ワーク23は、モジュールm が2.5 、歯数が45、歯幅が
30mm、ねじれ角が20度である。また、ホブ25のコーテ
ィングが、(Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) 、0.2 ≦x
≦0.85、 0.25 ≦y≦1.0 の範囲で、図14と同様の結
果となることを確認している。
【0077】図17にはホブのモジュールと実用可能な
逃げ面摩耗に収まる切削速度との関係を示してある。即
ち、図15には、ホブ25のモジュールが変化すること
によるドライカットが有効な切削速度域を示してある。
【0078】図に白印で示される切削速度は逃げ面摩耗
が実用域を下回り始める切削速度であり、図に黒印で示
される切削速度は逃げ面摩耗が実用域を上回り始める切
削速度である。逃げ面摩耗が実用域を下回り始める切削
速度はモジュールが大きくなるにつれて若干下がるが、
略80m/min となっていることが判る。一方、逃げ面摩耗
が実用域を上回り始める切削速度はモジュールが大きく
なるにつれて若干下がるが、略400m/minである。よっ
て、ホブ25のモジュールが変化してもドライカットが
有効な切削速度域は、80m/min から400m/minとなる。
【0079】尚、図示例でのホブ25は、(Ti0.5A
l0.5 )N をコーティングしたものであり、モジュール
2.5 の時は、口数3、外径90mm、刃長90mm、溝数12で
ある。その他のモジュールの時は、外径及び歯形形状
を、モジュール2.5 の時の値に(モジュール/2.5)倍し
た値にし、刃長は切削に十分な長さとし、口数3、溝数
12である。ワーク23は、材質がSCM435、歯数が45、
歯幅が30mm、ねじれ角が20度である。また、ホブ25の
コーティングが、(Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) 、0.
2 ≦x≦0.85、 0.25 ≦y≦1.0 の範囲で、図15と同
様の結果となることを確認している。
【0080】以上が窒化物形成元素Mを添加していない
場合、即ち、実質的に(Ti z Alx (1-z-x) ) (Ny C
(1-y) ) においてMが0で、(Ti (1-x) Alx )(Ny C
(1-y) )(ただし、0.2 ≦x≦0.85、0.25≦y≦1.0 )
となる組成の膜をコーティングした場合である。窒化物
を形成できる窒化物形成元素Mを(Ti (1-x) Alx )(Ny
C (1-y) ) に添加した例を説明する。窒化物形成元素M
を添加することで、M(1-z -x) であるので、(1-X) はz
となり、(Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) の組成は、(T
i z Alx (1-z-x) ) (Ny C (1-y) ) となる。
【0081】ホブ25として、窒化物形成元素Mを添加
した(Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y)) の組成からなる膜
をコーティングしたものを用いる。つまり、窒化物形成
元素をMとし、実質的に(Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w)
(Ny C (1-y) ) w の組成(ただし、0.2 ≦x≦0.85、0.
25≦y≦1.0 、0.15≦z≦0.8 、0.7 ≦(z+x) <1.
0 、 0.45 ≦w≦0.55の膜を少なくとも一層をホブ25
の少なくとも逃げ面33に施したものを使用するのであ
る。
【0082】ここで、窒化物形成元素としては、Zr(ジ
ルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Y (イットリウ
ム)、V (バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタ
ル)、Si(珪素)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、
W (タングステン)、B (ホウ素)、Mg(マグネシウ
ム)、Ca(カルシウム)及びBe(ベリリウム)が適用さ
れる。
【0083】以下に、窒化物形成元素Mの代表元素とし
て、V (バナジウム)、B (ホウ素)及びZr(ジルコニ
ウム)を適用した場合を図18乃至図20に基づいて具
体的に説明する。図18にはV 、B をわずかに添加した
場合の切削速度と逃げ面摩耗との関係、図19にはV 、
B 及びZrを図18よりも多く添加した場合の切削速度と
逃げ面摩耗との関係を示してある。
【0084】ここで、ホブ25は、モジュールm が2.5
、口数3、外径90mm、刃長90mm、溝数12である。ま
た、ワーク23は、材質がSCM435、モジュールm が2.5
、歯数が45、歯幅が30mm、ねじれ角が20度である。そ
して、加工条件は、アキシャル送り2mm/rev 、ワークの
加工数は350 個である。図において、ホブ16の逃げ面
摩耗量は、各種の切削速度でワークを350 個削った後の
逃げ面摩耗量である。尚、図18、図19において、コ
ーティング膜は単層で、膜厚は1.7 μm である。
【0085】図18に示すように、(Ti z Alx
(1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w として、(Ti0.795Al
0.2V0.005)N 、(Ti0.15Al0.845V0.005)N、(Ti0.5Al0.45
B0.05)(N0. 9C0.1)の組成の膜をホブ25にコーティング
した場合、切削速度80m/min 付近から切削速度400m/min
程度まで、逃げ面摩耗量が実用摩耗限界(0.20mm)より
少ない工具摩耗量に収まっている。このため、窒化物形
成元素であるV 、B をわずかに添加した場合であって
も、窒化物形成元素を添加しない場合と同一の高能率低
コスト加工が実現できる。尚、図には示していないが、
クレータ摩耗についても、切削速度切削速度80m/min 付
近から切削速度400m/min程度まで実用摩耗限界より少な
い摩耗量に収まっていることが確認されている。
【0086】図19に示すように、(Ti z Alx
(1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w として、(Ti0.5Al
0.4V0.1)N 、(Ti0.6Al0.2B0.2)N 、(Ti0.4Al0.3V0.3)(N
0.7C0.3)、(Ti0.4Al0.3Zr0.3)(N0.5C0.5) の組成の膜を
ホブ25にコーティングした場合、切削速度80m/min 付
近から切削速度400m/min付近以下で逃げ面摩耗量が実用
摩耗限界(0.20mm)より少ない工具摩耗量に収まってい
る。このため、窒化物形成元素であるV 、B 及びZrを図
18よりも多めに添加した場合であっても、窒化物形成
元素を添加しない場合と同一の高能率低コスト加工が実
現できる。尚、図には示していないが、クレータ摩耗に
ついても、切削速度80m/min 付近から切削速度400m/min
付近以下で実用摩耗限界より少ない摩耗量に収まってい
ることが確認されている。
【0087】尚、添加する窒化物形成元素の量がTiAl添
加元素の組成に比べて0.3 を越えると、膜の剥離が生じ
やすくなるため、添加する窒化物形成元素の量はTiAl添
加元素の組成に比べて0.3 以下が好ましい。窒化物形成
元素の量がTiAl添加元素の組成に比べて0.3 を越えると
(z+xが0.7 を下回ると)、即ち、窒化物形成元素M
の割合が多過ぎると、TiAlの基本特性が損なわれて剥離
が生じてしまう。
【0088】次に、金属元素(TiAl、添加する窒化物形
成元素)とC を含む非金属元素(N)の割合を変えた場合
を図20に基づいて具体的に説明する。図20には金属
元素とC を含む非金属元素の組成比を0.45〜0.55の間で
変化させた場合の切削速度と逃げ面摩耗との関係を示し
てある。尚、加工の条件等は図18及び図19に示した
場合と同じである。また、コーティング膜は単層で、膜
厚は1.7 μm である。
【0089】図20に示すように、(Ti z Alx
(1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w として、(Ti0.5Al
0.4V0.1)0.45N0.55 及び(Ti0.5Al0.4V0.1)0.55N0.45
組成の膜をホブ25にコーティングした場合、金属元素
が多い場合あるいはC を含む非金属元素が多い場合のい
ずれにおいても切削速度80m/min 付近から切削速度400m
/min付近以下で逃げ面摩耗量が実用摩耗限界(0.20mm)
より少ない工具摩耗量に収まり、高能率低コスト加工が
実現できる。尚、図には示していないが、クレータ摩耗
についても、切削速度80m/min 付近から切削速度400m/m
in付近以下で実用摩耗限界より少ない摩耗量に収まって
いることが確認されている。ここで、wを 0.45≦w≦
0.55としたのは、wが 0.45 ≦w≦0.55の範囲を外れる
と、膜の剥離や膜の耐摩耗性の低下が生じる虞があるた
めである。
【0090】尚、通常、(Ti z Alx (1-z-x) ) と(Ny
C (1-y) ) w の割合は、1:1とされるが、金属元素で
あるTi,Al及び添加する窒化物形成元素に対し、C を含
む非金属元素を多めにしても少なめにしても問題はな
い。C を含む非金属元素を多めにした場合、固溶強化が
期待できる。
【0091】上述したように、窒化物形成元素Mとし
て、V 、B 及びZrを添加した膜をコーティングしてドラ
イカットを行なっても、摩耗量が実用摩耗限界内に収ま
り、図7乃至図15で示した結果と同様に、V 、B 及び
Zrを添加しない場合と同一の高能率低コスト加工が実現
できる。尚、窒化物形成元素Mとして、V 、B 及びZr以
外の元素を添加した膜をコーティングしてドライカット
を行なっても、V 、B 及びZrを添加した場合と同様に高
能率低コスト加工が実現できる。
【0092】
【発明の効果】本発明の歯車加工方法は、ウォームのね
じすじを横断する多数の刃溝を設けることで切刃が形成
されるホブにより、切削油剤を用いずに切削を行うドラ
イカットでワークに歯形を創成する歯車加工方法におい
て、上記ホブの刃溝に沿う方向より刃溝に向けてエアを
吹き付けると共に上記ホブの円周方向からその外周面に
向けてエアを吹き付けながらワークに歯形を創成するよ
うにしたので、切削屑をホブの刃溝の間から吹き飛ばす
ことができると共に、逃げ面やねじ溝への切削屑の付着
を防止することができる。この結果、切削油剤を用いな
いドライカットの場合でも、ホブの刃溝の間への切削屑
の詰まりや刃部への切屑の付着を防止して連続切削が可
能になると共に、ワークへの切削屑の噛み込みをなくし
て噛み込み痕の発生を防止することができる。
【0093】また、本発明の歯車加工方法は、ウォーム
のねじすじを横断する多数の刃溝を設けることで切刃が
形成されるホブにより、切削油剤を用いずに切削を行う
ドライカットでワークに歯形を創成する歯車加工方法に
おいて、上記ホブの刃溝に沿う方向より刃溝に向けてエ
アを吹き付け、次に、上記ホブの円周方向からその外周
面に向けてエアを吹き付けながらワークに歯形を創成す
るようにしたので、切削屑をホブの刃溝の間から吹き飛
ばすことができると共に、逃げ面やねじ溝への切削屑の
付着を防止することができる。この結果、切削油剤を用
いないドライカットの場合でも、ホブの刃溝の間への切
削屑の詰まりや刃部への切屑の付着を防止して連続切削
が可能になると共に、ワークへの切削屑の噛み込みをな
くして噛み込み痕の発生を防止することができる。
【0094】また、ホブの円周方向で、刃溝と外周面と
に交互に複数箇所でエアを吹き付けながらワークに歯形
を創成するようにしたので、ホブの刃溝の間への切削屑
の詰まりや刃部への切屑の付着をより確実に防止するこ
とができる。
【0095】また、ホブは高速度工具鋼製であり、実質
的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされたホブが用いられるので、超硬等の高価な
工具を用いることなく歯形を創成することができ、低コ
ストで歯車加工が実現可能となる。
【0096】また、ホブは高速度工具鋼製であり、実質
的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされたホブが用いられるので、超硬等の高価な
工具を用いることなく歯形を創成することができ、低コ
ストで歯車加工が実現可能となる。また、金属元素であ
るTi,Al にNCを同等または多めに含有させることで、コ
ーティング膜の固溶強化が期待できる。
【0097】また、ホブは高速度工具鋼製であり、窒化
物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.15≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされたホブが用いられるので、超硬等の高価な
工具を用いることなく歯形を創成することができ、低コ
ストで歯車加工が実現可能となる。また、金属元素であ
るTi,Al にNCを同等または多めに含有させることで、コ
ーティング膜の固溶強化が期待できる。
【0098】そして、切削速度を80m/min 以上400m/min
以下の範囲としたので、切削速度を大幅に向上させて高
能率で歯形の創成が実現できる。
【0099】本発明のホブ盤は、ウォームのねじすじを
横断する多数の刃溝を設けることで切刃が形成されるホ
ブがホブ軸に取り付けられ、切削油剤を用いずに切削を
行うドライカットでワークに歯形を創成するホブ盤にお
いて、上記ホブの刃溝に沿う方向より刃溝に向けてエア
を吹き付けると共に上記ホブの円周方向からその外周面
に向けてエアを吹き付けるエア供給手段を設けたので、
切削油剤を用いないドライカットにより歯形を創成して
いる際に、エア供給手段で、ホブの刃溝に向けてエアを
吹き付けることにより、切削屑をホブカッタの刃溝の間
から吹き飛ばすことができると共に、ホブの外周からエ
アを吹き付けることにより、ねじ溝及び逃げ面への切削
屑の付着を防止することができる。この結果、ドライカ
ットの場合でも、ホブの刃溝の間への切削屑の詰まりを
防止すると共に、ねじ溝及び刃部への切削屑の付着を防
止して連続切削が可能になると共に、ワークへの切削屑
の噛み込みをなくして噛み込み痕の発生を防止すること
ができる。
【0100】また、エア供給手段及び第2エア供給手段
はホブの円周方向に複数備えられているので、刃溝と外
周面とに交互に複数箇所でエアを吹き付けながらワーク
に歯形を創成することで、ホブの刃溝の間への切削屑の
詰まりや刃部への切屑の付着をより確実に防止すること
ができる。また、エア供給手段は、刃溝に沿う方向より
刃溝に向けてエアを吹き付ける第1エアノズルと、円周
方向からホブの外周面に向けてエアを吹き付ける第2エ
アノズルとを備えているので、ホブの刃溝の間への切削
屑の詰まりや刃部への切屑の付着をより確実に防止する
ことができる。また、エア供給手段及び第2エア供給手
段は一つのノズルで構成されているので、部品点数を削
減することができる。
【0101】また、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブ
には、実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされているので、超硬等の高価な工具を用いる
ことなく歯形を創成することができ、低コストで歯車加
工が実現可能となる。
【0102】また、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブ
には、実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされているので、超硬等の高価な工具を用いる
ことなく歯形を創成することができ、低コストで歯車加
工が実現可能となる。また、金属元素であるTi,Al にNC
を同等または多めに含有させることで、コーティング膜
の固溶強化が期待できる。
【0103】また、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブ
には、窒化物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.15≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
ティングされているので、超硬等の高価な工具を用いる
ことなく歯形を創成することができ、低コストで歯車加
工が実現可能となる。また、金属元素であるTi,Al にNC
を同等または多めに含有させることで、コーティング膜
の固溶強化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホブ盤の概略構成図。
【図2】本発明の歯車加工方法を実施するホブ盤の切削
部の概略構成図。
【図3】ホブの側面図。
【図4】ホブの正面図。
【図5】他の実施形態例に係るエアノズルを備えたホブ
盤のホブの側面図。
【図6】他の実施形態例に係るエアノズルを備えたホブ
盤のホブの正面図。
【図7】確認試験1の試験結果を表すグラフ。
【図8】確認試験2の試験結果を表すグラフ。
【図9】逃げ面摩耗の状況を表すグラフ。
【図10】クレータ摩耗の状況を表すグラフ。
【図11】逃げ面摩耗の状況を表すグラフ。
【図12】膜厚と逃げ面摩耗との関係を表すグラフ。
【図13】アキシャル送り及び口数と切削速度との関係
を表すグラフ。
【図14】ワーク材と切削速度との関係を表すグラフ。
【図15】歯切り方法と切削速度との関係を表すグラ
フ。
【図16】ホブ母材と切削速度との関係を表すグラフ。
【図17】モジュールと切削速度との関係を表すグラ
フ。
【図18】逃げ面摩耗の状況を表すグラフ。
【図19】逃げ面摩耗の状況を表すグラフ。
【図20】逃げ面摩耗の状況を表すグラフ。
【図21】一般的なホブ盤の要部構成図。
【図22】ホブの側面図。
【図23】ホブの正面図。
【符号の説明】
21 ホブ盤 22 取付具 23 ワーク 24 ホブヘッド 25 ホブ 26 テーブル 27 ホブ軸 28 エアノズル 31 ねじすじ 32 刃溝 33 逃げ面 34 切刃 35 すくい面 36 刃部 51 第2エアノズル 62 エアノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樹神 幸夫 滋賀県栗太郡栗東町六地蔵130番地 三菱 重工業株式会社京都精機製作所内 Fターム(参考) 3C025 FF03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォームのねじすじを横断する多数の刃
    溝を設けることで切刃が形成されるホブにより、切削油
    剤を用いずに切削を行うドライカットでワークに歯形を
    創成する歯車加工方法において、上記ホブの刃溝に沿う
    方向より刃溝に向けてエアを吹き付けると共に上記ホブ
    の円周方向からその外周面に向けてエアを吹き付けなが
    らワークに歯形を創成することを特徴とする歯車加工方
    法。
  2. 【請求項2】 ウォームのねじすじを横断する多数の刃
    溝を設けることで切刃が形成されるホブにより、切削油
    剤を用いずに切削を行うドライカットでワークに歯形を
    創成する歯車加工方法において、上記ホブの刃溝に沿う
    方向より刃溝に向けてエアを吹き付け、次に、上記ホブ
    の円周方向からその外周面に向けてエアを吹き付けなが
    らワークに歯形を創成することを特徴とする歯車加工方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2において、ホ
    ブの円周方向で、刃溝と外周面とに交互に複数箇所でエ
    アを吹き付けながらワークに歯形を創成することを特徴
    とする歯車加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、ホブは高速度工具鋼製であり、実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
    ティングされたホブが用いられることを特徴とする歯車
    加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、ホブは高速度工具鋼製であり、実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.45≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
    ティングされたホブが用いられることを特徴とする歯車
    加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、ホブは高速度工具鋼製であり、窒化物形成元素
    をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.15≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
    ティングされたホブが用いられることを特徴とする歯車
    加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に
    おいて、切削速度を80m/min 以上400m/min以下の範囲と
    したことを特徴とする歯車加工方法。
  8. 【請求項8】 ウォームのねじすじを横断する多数の刃
    溝を設けることで切刃が形成されるホブがホブ軸に取り
    付けられ、切削油剤を用いずに切削を行うドライカット
    でワークに歯形を創成するホブ盤において、上記ホブの
    刃溝に沿う方向より刃溝に向けてエアを吹き付けると共
    に上記ホブの円周方向からその外周面に向けてエアを吹
    き付けるエア供給手段を設けたことを特徴とするホブ
    盤。
  9. 【請求項9】 請求項8において、エア供給手段はホブ
    の円周方向に複数備えられていることを特徴とするホブ
    盤。
  10. 【請求項10】 請求項8もしくは請求項9において、
    エア供給手段は、刃溝に沿う方向より刃溝に向けてエア
    を吹き付ける第1エアノズルと、円周方向からホブの外
    周面に向けてエアを吹き付ける第2エアノズルとを備え
    ていることを特徴とするホブ盤。
  11. 【請求項11】 請求項8もしくは請求項9において、
    エア供給手段は一つのノズルで構成されていることを特
    徴とするホブ盤。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至請求項11のいずれか一
    項において、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブには、
    実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
    ティングされていることを特徴とするホブ盤。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至請求項11のいずれか一
    項において、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブには、
    実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.45≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
    ティングされていることを特徴とするホブ盤。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至請求項11のいずれか一
    項において、ホブは高速度工具鋼製であり、ホブには、
    窒化物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.85 0.25≦y≦1.0 0.15≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45≦w≦0.55 の組成の膜が少なくとも一層、少なくとも逃げ面にコー
    ティングされていることを特徴とするホブ盤。
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