JP2001087939A - 銅張積層板切断方法及び装置 - Google Patents

銅張積層板切断方法及び装置

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JP2001087939A
JP2001087939A JP27155499A JP27155499A JP2001087939A JP 2001087939 A JP2001087939 A JP 2001087939A JP 27155499 A JP27155499 A JP 27155499A JP 27155499 A JP27155499 A JP 27155499A JP 2001087939 A JP2001087939 A JP 2001087939A
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cutting
work
copper
clad laminate
saw blade
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JP27155499A
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English (en)
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Nobuhiro Yoshioka
伸宏 吉岡
Shuji Kaminaga
修士 上永
Makoto Nishimura
真 西村
Mitsuo Furukawa
満夫 古川
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリや圧痕不良が発生し難く、生産性も向上
される銅張積層板切断方法及び装置を提供する。 【解決手段】 銅張積層板1をロール状に巻き重ねて形
成したワーク2をそのロール心軸に直交する方向で切断
する方法とし、この方法を実施する装置は、銅張積層板
1をロール状に巻き重ねて形成されたワーク2を支持し
てそのロール心軸を中心に回転させる支持回動手段(軸
体4)と、同回転しているロール状のワーク2をそのロ
ール心軸に直交する方向で切断する切断手段(丸鋸刃
6)と、を備えたものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅張積層板(CC
L)を所定の巾寸法に切断すると共にこれを巻き取った
状態にして得る銅張積層板切断方法及び装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、図27〜29に示す如く、連
続して送られる帯状の銅張積層板1をスリッタ加工で所
定の巾寸法に切断した後、これをロール状に巻き取った
状態にして得る銅張積層板切断方法及び装置は知られて
いる。この場合、銅張積層板1は、ガラス繊維シートに
エポキシ樹脂等を含浸し、この表裏両面に銅箔を接着加
工して製造されたものである。そして、銅張積層板1は
ロール状に巻き重ねられてワーク2となり、該ワーク2
が巻き出しロール54として取り付けられ、該巻き出しロ
ール54から巻き出されて巻き取りロール55でロール状に
巻き取られる。その間に、巻き出しロール54と巻き取り
ロール55との間で単板帯状に伸展された状態にある銅張
積層板1は、図29に示す如く、円形状のロータリーカ
ッター56と外周に多数の溝が形成された受けロール57と
によるスリッタ加工で所定の巾寸法に切断され、その
際、同銅張積層板1の両側縁部分には端材58が発生す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、単板帯状に伸展された状態にある
銅張積層板1が切断されるので、該切断部分は自由端と
なってこの部分にバリが発生し易く、そのため、該発生
したバリによってエッチング加工時に積層されるドライ
フィルムが傷つけられたり、同銅張積層板1の切断部分
で表裏の銅箔間の絶縁性が破壊されたりするという問題
があった。しかも、ワーク2としてロール状に巻き重ね
られた銅張積層板1が巻き出されて切断され、再度、ロ
ール状に巻き取られるので、切断時に発生するガラス繊
維等の切り屑粉が同ロール状に巻き取られる銅張積層板
1間に入り込み、該銅張積層板1の表面に圧痕不良を生
じ易いという問題があった。又、この場合、巻き出し・
巻き取りながら銅張積層板1を切断しているので、ワー
ク2を1ロール分切断し終わるまでに相当長い時間を要
し、生産性が悪いという問題もあった。
【0004】本発明は、上記従来の技術における問題を
悉く解決するために発明されたもので、その課題は、バ
リや圧痕不良が発生し難く、生産性も向上される銅張積
層板切断方法及び装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
銅張積層板切断方法は、銅張積層板をロール状に巻き重
ねてワークを形成し、該ワークをそのロール心軸に直交
する方向で切断する方法である。
【0006】したがって、この場合、銅張積層板をロー
ル状に巻き重ねたワークのままで輪切り状に切断するの
で、巻き出し・巻き取り作業を必要とせず、生産性が向
上される。又、その際、銅張積層板は重合した状態にあ
るので、切断部分が自由端とならず、それ故、精度良く
確実に切断されてバリは発生し難くなり、同切断部分で
の絶縁性が破壊されたり、その後のエッチング加工時に
積層されるドライフィルムが傷つけられたりすること等
を防止することもできる。しかも、重合した状態にある
銅張積層板間に切り屑粉が入り込むことはなく、該銅張
積層板の表面には圧痕不良が発生し難くなる。
【0007】本発明の請求項2記載の銅張積層板切断方
法は、上記請求項1記載の銅張積層板切断方法におい
て、ワークをそのロール心軸を中心に回転させながら切
断することを特徴とする。
【0008】したがって、この場合は特に、ワークを回
転させながら輪切り状に切断するので、切断圧力が同ワ
ークの周方向で略均等に作用することになり、銅張積層
板はその無理な変形が防止されてより精度良く切断さ
れ、切断効率も向上される。
【0009】本発明の請求項3記載の銅張積層板切断方
法は、上記請求項2記載の銅張積層板切断方法におい
て、銅張積層板を円筒体の外周に巻き重ねてワークを形
成し、該ワークをロール心軸となる同円筒体を中心に回
転させながら切断することを特徴とする。
【0010】したがって、この場合は特に、銅張積層板
を円筒体の外周に巻き重ねてワークが形成されるので、
ロール心軸付近における同銅張積層板の巻き曲率は大き
くなり、該銅張積層板の伸展状態から巻き重ね状態への
変形量が少なくなって、ワークを無理なく容易に形成す
ることができると共に、その際に同銅張積層板は破損し
難くもなる。しかも、円筒体内に軸体を挿入して該軸体
でワークを保持することができ、運搬時や保管時等にお
ける同ワークの取り扱いも容易となる。
【0011】本発明の請求項4記載の銅張積層板切断方
法は、上記請求項3記載の銅張積層板切断方法におい
て、円筒体内に挿通されて両端支持される軸体でワーク
を支持状態とし、該支持状態にあるワークを切断するこ
とを特徴とする。
【0012】したがって、この場合は特に、円筒体内に
挿通されて両端支持される軸体でワークが支持された状
態で切断されるので、切断時における同ワーク全体の撓
み変形を防止することができ、銅張積層板はその変形と
共に重合面間での擦れが防止されてより精度良く確実に
切断される。しかも、ワークはその外周で支持されるの
ではなくその内部に挿通される軸体の両端で支持される
ことになるので、該ワークを傷つけないように支持する
ことができ、該ワークにはその全巾にわたって切断、切
削等の加工を施すことができ、前記軸体の両端を支持す
る支持構造の小型化を図ることも可能となる。
【0013】本発明の請求項5記載の銅張積層板切断方
法は、上記請求項4記載の銅張積層板切断方法におい
て、軸体に円筒体の内面を着脱自在に固着してワークを
支持状態とし、該支持状態にあるワークを同軸体の回動
によって回転させることを特徴とする。
【0014】したがって、この場合は特に、円筒体内に
挿通される軸体の回動によって該軸体で支持されたワー
クが回転されるので、該ワークは支持状態で効率よく回
転されながら確実に切断される。しかも、軸体に円筒体
の内面を着脱自在に固着してワークを支持状態としてい
るので、該ワークを円筒体と共に同軸体から取り外すこ
ともでき、同ワークを切断する際の取り扱いが容易とな
る。
【0015】本発明の請求項6記載の銅張積層板切断方
法は、上記請求項5記載の銅張積層板切断方法におい
て、ワークと共に軸体をその両端が仮支持された状態で
軸方向にスライド移動させて、該軸体の一端を同軸体を
回動させる駆動軸受部に結合固定することを特徴とす
る。
【0016】したがって、この場合は特に、軸体の一端
を該軸体を回動させる駆動軸受部に結合固定することに
よって、同軸体は回動されるようになるものであるが、
その際、重量物となるワークと共に同軸体をその両端が
仮支持された状態で軸方向にスライド移動させることに
よって、同ワークを打痕等がつかないように且つ安定し
た状態でスムーズに前記軸体を介して駆動軸受部に固定
することができ、該固定作業は安全なものとなる。
【0017】本発明の請求項7記載の銅張積層板切断方
法は、上記請求項2〜6のいずれか一つに記載の銅張積
層板切断方法において、円筒体を切断可能な材質で形成
し、ワークと共に同円筒体までをも切断することを特徴
とする。
【0018】したがって、この場合は特に、銅張積層板
がロール状に巻き重ねられたワークと共にその内側の円
筒体までもが切断されるので、該円筒体内に軸体を挿入
して輪切り状に切断された後の同ワークを保持すること
ができ、運搬時や保管時等における該ワークの取り扱い
は極めて容易となる。
【0019】本発明の請求項8記載の銅張積層板切断方
法は、上記請求項2〜7のいずれか一つに記載の銅張積
層板切断方法において、ロール心軸に直交する方向で往
復動作される丸鋸刃によってワークを切断することを特
徴とする。
【0020】したがって、この場合は特に、ロール心軸
に直交する方向で往復動作される丸鋸刃によってワーク
が切断されるので、該ワークのロール心軸付近にまで深
く同丸鋸刃を入り込ませて、同ワークを効率良く確実に
切断することができる。
【0021】本発明の請求項9記載の銅張積層板切断方
法は、上記請求項8記載の銅張積層板切断方法におい
て、ワークの回転とは逆方向に丸鋸刃を回転させて切断
することを特徴とする。
【0022】したがって、この場合は特に、丸鋸刃がワ
ークの回転とは逆方向に回転されて切断され、その際、
同丸鋸刃とワークとの接触部位では両者が相互に同方向
へと移動しながら切断されることになるので、該切断時
の抵抗は低減され、同切断の精度も向上され、しかも、
発生した切り屑粉は同ワーク内側へと押し込まれるよう
になって飛散し難く、又、該切り屑粉は同丸鋸刃の回転
に逆らうことなく同方向へと案内されて容易に集塵除去
され得るものとなる。
【0023】本発明の請求項10記載の銅張積層板切断
方法は、上記請求項8又は9記載の銅張積層板切断方法
において、刃先部がダイヤモンドチップで形成された丸
鋸刃を使用することを特徴とする。
【0024】したがって、この場合は特に、丸鋸刃の刃
先部がダイヤモンドチップで形成されて切れ味良好とな
るので、最小量の誤差で切断することができ、高い精度
での切断加工が可能となる。
【0025】本発明の請求項11記載の銅張積層板切断
方法は、上記請求項8〜10のいずれか一つに記載の銅
張積層板切断方法において、丸鋸刃の周辺に刃物カバー
を設けて、切断時に生じる切り屑粉の飛散を防止するこ
とを特徴とする。
【0026】したがって、この場合は特に、切断時に生
じる切り屑粉の飛散がその周辺に設けられる刃物カバー
によって防止されるので、ワーク外周の銅張積層板の表
面には同切り屑粉は付着し難く傷がつき難い。
【0027】本発明の請求項12記載の銅張積層板切断
方法は、上記請求項8〜11のいずれか一つに記載の銅
張積層板切断方法において、丸鋸刃の片側面に補強板を
着脱自在に付設して該丸鋸刃の反対側面をワークの側端
面に沿わせ、該ワークの側端面に同丸鋸刃の刃先部で切
削加工を施すことを特徴とする。
【0028】したがって、この場合は特に、ワークの側
端面に丸鋸刃の刃先部で切削加工が施されて、該ワーク
の側端面はトリミング切削される。その際、丸鋸刃の片
側面に補強板が付設されて該丸鋸刃の反対側面がワーク
の側端面に沿わされ、この状態で切削加工が行われるの
で、同丸鋸刃は撓み難くてロール心軸に直交する方向で
の切削が確保され、高い精度での切削加工を行うことが
できる。しかも、補強板は丸鋸刃に対し着脱自在に付設
されるので、該補強板を取り外して通常の切断加工を支
障なく行うことができ、トリミング切削のために別途の
切削手段を必要とせず、設備の合理化が図られる。
【0029】本発明の請求項13記載の銅張積層板切断
装置は、銅張積層板をロール状に巻き重ねて形成された
ワークを支持してそのロール心軸を中心に回転させる支
持回動手段と、同回転しているロール状のワークをその
ロール心軸に直交する方向で切断する切断手段と、を備
えた装置である。
【0030】したがって、この場合、支持回動手段にて
支持され回転されているワークを切断手段にて切断する
ことができ、そうすることで、銅張積層板をロール状に
巻き重ねた同ワークはそのままで輪切り状に切断され
て、巻き出し・巻き取り作業を必要とせず、生産性が向
上される。又、その際、銅張積層板は重合した状態にあ
るので、切断部分が自由端とならず、それ故、精度良く
確実に切断されてバリは発生し難くなり、同切断部分で
の絶縁性が破壊されたり、その後のエッチング加工時に
積層されるドライフィルムが傷つけられたりすること等
を防止することもできる。しかも、重合した状態にある
銅張積層板間に切り屑粉が入り込むことはなく、該銅張
積層板の表面には圧痕不良が発生し難くなる。更に、ワ
ークを回転させながら輪切り状に切断すると、切断圧力
が同ワークの周方向で略均等に作用することになり、銅
張積層板はその無理な変形が防止されてより精度良く切
断され、切断効率も向上される。
【0031】本発明の請求項14記載の銅張積層板切断
装置は、上記請求項13記載の銅張積層板切断装置にお
いて、銅張積層板を円筒体の外周に巻き重ねて形成され
たワークの同円筒体に挿通され支持回動手段となる軸体
を備え、該軸体には同円筒体の内面に着脱自在に固着さ
れて該円筒体を保持する固着保持機構を設けたことを特
徴とする。
【0032】したがって、この場合は特に、銅張積層板
を円筒体の外周に巻き重ねてワークが形成されており、
ロール心軸付近における同銅張積層板の巻き曲率は大き
くなって、該銅張積層板の伸展状態から巻き重ね状態へ
の変形量が少なくなり、ワークを無理なく容易に形成す
ることができると共に、その際に同銅張積層板は破損し
難くもなる。しかも、支持回動手段となる軸体を円筒体
に挿通し、該軸体でワークを支持した状態で切断するこ
とができるので、切断時における同ワーク全体の撓み変
形を防止することができ、銅張積層板はその変形と共に
重合面間での擦れが防止されてより精度良く確実に切断
される。又、ワークはその外周で支持されるのではなく
その内部に挿通される軸体により支持されるので、該ワ
ークを傷つけないように支持することができ、該ワーク
にはその全巾にわたって切断、切削等の加工を施すこと
ができ、前記軸体による支持構造の小型化を図ることも
可能となる。
【0033】更に、円筒体の内面を軸体にその固着保持
機構により固着保持させてワークを支持することがで
き、この状態で、該ワークを同軸体の回動によって回転
させることもでき、そうすることで、同ワークは支持状
態で効率よく回転されながら確実に切断される。その
際、円筒体の内面は軸体にその固着保持機構によって着
脱自在に固着保持されるので、該軸体から同円筒体と共
にワークを取り外すこともでき、該ワークの運搬時や保
管時等だけでなく同ワークを切断する際の取り扱いも容
易となる。
【0034】本発明の請求項15記載の銅張積層板切断
装置は、上記請求項13又は14記載の銅張積層板切断
装置において、切断手段がワークとは逆方向に回転する
丸鋸刃であることを特徴とする。
【0035】したがって、この場合は特に、切断手段が
丸鋸刃であるので、該丸鋸刃をワークのロール心軸付近
にまで深く入り込ませて、同ワークを効率良く確実に切
断することができる。又、丸鋸刃はワークとは逆方向に
回転し、その際、同丸鋸刃とワークとの接触部位では両
者が相互に同方向へと移動しながら切断されることにな
るので、該切断時の抵抗は低減され、同切断の精度も向
上され、しかも、発生した切り屑粉は同ワーク内側へと
押し込まれるようになって飛散し難く、該切り屑粉は同
丸鋸刃の回転に逆らうことなく同方向へと案内されて容
易に集塵除去され得るものとなる。更に、丸鋸刃の刃先
部を切れ味良好とすることで、最小量の誤差で切断する
ことができ、高い精度での切断加工が可能となる。
【0036】本発明の請求項16記載の銅張積層板切断
装置は、上記請求項13〜15のいずれか一つに記載の
銅張積層板切断装置において、切断時に生じる切り屑粉
を集塵する集塵手段を備えたことを特徴とする。
【0037】したがって、この場合は特に、切断時に生
じる切り屑粉を集塵手段によって集塵することができる
ので、同切り屑粉の装置外部への漏出を防止して快適な
作業環境を保持することができ、しかも、ワーク外周へ
の同切り屑粉の付着をも防止することができて、該ワー
ク外周の銅張積層板の表面に傷がつかないようにするこ
とができる。
【0038】
【発明の実施の形態】図1、2は、本発明の請求項1〜
16全てに対応する一実施形態を示し、該実施形態の銅
張積層板切断方法は、銅張積層板1をロール状に巻き重
ねてワーク2を形成し、該ワーク2をそのロール心軸に
直交する方向で切断する方法で、この場合、ワーク2を
そのロール心軸を中心に回転させながら切断している。
又、図1、2は、前記方法を実施する銅張積層板切断装
置をも示しており、該実施形態の銅張積層板切断装置
は、銅張積層板1をロール状に巻き重ねて形成されたワ
ーク2を支持してそのロール心軸を中心に回転させる支
持回動手段(後述の軸体4等)と、同回転しているロー
ル状のワーク2をそのロール心軸に直交する方向で切断
する切断手段(後述の丸鋸刃6等)と、を備えている。
【0039】該実施形態の銅張積層板切断方法において
は、銅張積層板1を円筒体3の外周に巻き重ねてワーク
2を形成し、該ワーク2をロール心軸となる同円筒体3
を中心に回転させながら切断している。この場合、銅張
積層板1としては、ガラス繊維シートにエポキシ樹脂を
含浸した基材の表裏両面に銅箔を貼着してなる帯状のC
CLを使用し、これを厚肉の紙管である円筒体3の外周
上に張力を与えながら隙間なく巻き取って所定の直径と
した後、図3に示す如く、端部を広巾のテープ12で固定
してワーク2を形成している。その際、ワーク2として
巻き取る張力は200N/m以上に設定され、固定用のテープ
12は2N/cm以上のピール強度、巾20mm以上の寸法を有し
ている。又、円筒体3を切断可能な材質(紙管)で形成
し、ワーク2と共に同円筒体3までをも切断している。
【0040】又、該実施形態の銅張積層板切断方法にお
いては、円筒体3内に挿通されて両端支持される軸体4
(支持回動手段)でワーク2を支持状態とし、該支持状
態にあるワーク2を切断している。この場合、軸体4に
円筒体3の内面を着脱自在に固着してワーク2を支持状
態とし、該支持状態にあるワーク2を同軸体4の回動に
よって回転させている。ここでは、円筒体3の内面に着
脱自在に固着されて該円筒体3を保持する固着保持機構
10が軸体4に設けられている。該固着保持機構10にあっ
ては、図4に示す如く、前記ワーク2を所定の位置に置
き、軸体4を円筒体3内に挿通し、該軸体4の端部に設
けた圧縮エア供給口13よりエアを供給すると、同軸体4
の中程外周に設けたラグ14が外方へ張り出し、該ラグ14
によって同円筒体3の内面が同軸体4に着脱自在に固着
される。この場合、固着保持機構10として、くさび作用
によってラグ14が拡開し外方へ張り出されるような構成
を採用しても良い。
【0041】又、軸体4にワーク2を固着した後、装置
内に該ワーク2を持ち込み、図5に示す如く、同軸体4
の一端を支持台15上に載置支持させ、他端を駆動軸受部
5に結合固定する。この場合、駆動軸受部5は旋盤に使
用されるような三つの固定爪16を有したチャック構造
で、該チャック構造がモータにより回動されるものであ
り、ワーク2のセット後に同固定爪16が内側へ向かって
スライドし軸体4の外周をクランプする。又、支持台15
は三点支持形式のローラ17を有し、上側のローラ17はワ
ーク2のセットの際に斜め上方へとアーム18と共に回動
して開くようになっており、同ワーク2のセット後に閉
じられて軸体4の外周を挟持しクランプする。その際、
油圧クランプ19によって強固にクランプされ、駆動軸受
部5のチャック構造においても同様に油圧でクランプさ
れる。
【0042】この場合に、図6、7に示す如く、ワーク
2と共に軸体4をその両端が仮支持された状態で軸方向
にスライド移動させて、該軸体4の一端を同軸体4を回
動させる駆動軸受部5に結合固定することができる。図
6に示すものにおいては、支持基板20上に前記支持台15
と仮置き台21とが配設固定されており、該仮置き台21上
に軸体4の一端が載置され、該軸体4の他端が同支持台
15上に載置され、両支持台15及び仮置き台21上で同軸体
4が軸方向に摺動されてスライド移動され、同軸体4の
一端が駆動軸受部5に結合固定される。この場合、仮置
き台21は前記支持台15と同様の構成としても良く、軸体
4の一端を駆動軸受部5に結合固定した後に同仮置き台
21が油圧シリンダ等により降下されるようになしても良
く、同仮置き台21を支持台15側にもこれに近接させて設
けても良い。
【0043】又、図7に示すものにおいては、支持基板
20上に支持台15と仮置き台21とが配設固定され、該支持
基板20が装置ベース22上にスライド自在に設置され、該
装置ベース22上に固定された油圧シリンダ23によって同
支持基板20はスライド動作されるようになっている。こ
の場合、仮置き台21上に軸体4の一端が載置され、該軸
体4の他端が支持台15上に載置され、この状態で、支持
基板20がワーク2と共に駆動軸受部5側へスライド動作
されて、同軸体4の一端が駆動軸受部5に結合固定され
る。
【0044】又、該実施形態の銅張積層板切断方法にお
いては、図8に示す如く、ロール心軸に直交する方向で
往復動作される丸鋸刃6(切断手段)によってワーク2
を切断している。この場合、ワーク2の回転とは逆方向
に丸鋸刃6を回転させて切断しており、その際、該丸鋸
刃6は回転しながら円筒体3を切り終わるまで同ワーク
2のロール心軸へ向かって送り動作され、切断後には該
ワーク2から離れる方向へ戻り動作される。
【0045】又、図9に示す如く、丸鋸刃6はその刃先
部7がダイヤモンドチップで形成されている。この場
合、丸鋸刃6の基材となる円形板は調質した厚み2.5mm
の鋼材で形成され、該円形板の外周先端に40個の焼結ダ
イヤモンドチップがロー付けされて刃先部7が形成され
ている。刃先部7は切れ味が良好となるように千鳥刃形
状とされ、該刃先部7の刃巾は3.2mm に形成され、同刃
先部7を含む丸鋸刃6全体の外径はφ400mm に形成され
ている。このような本刃物である丸鋸刃6を使用するこ
とで、所望の寸法を最小量の誤差で精度良く切断加工す
ることが可能となり、銅箔のバリ発生も非常に小さく抑
えることができる。又、刃先部7が磨耗した際には、こ
れを再研磨することにより新品に近い状態の切れ味を再
現することも可能となる。
【0046】又、該実施形態の銅張積層板切断方法にお
いては、図10に示す如く、丸鋸刃6の片側面に補強板
9を着脱自在に付設して該丸鋸刃6の反対側面をワーク
2の側端面に沿わせ、該ワーク2の側端面に同丸鋸刃6
の刃先部7で切削加工を施している。このように、ワー
ク2の側端面に切削加工を施すのには、次のような理由
がある。支持固定されたワーク2を切断加工する際、材
料取りに余裕が無い場合や、同切断加工をする基準面を
得る場合には、同ワーク2の端面をトリミング切削する
必要が生じる。
【0047】このような場合、丸鋸刃6が片当たり状態
となると撓み変形を生じ易く、加工面とロール心軸との
直角度に狂いが生じて切断精度の確保は困難となる。そ
れ故に、前記の如く、丸鋸刃6の片側面に補強板9を付
設し補強して切削加工を施している。この場合、補強板
9の厚みは6mm で、その直径は丸鋸刃6の基材となる円
形板より30mm程度小さく形成されている。又、補強板9
は丸鋸刃6と共に両側対のフランジ24で挟持固定されて
おり、通常の切断加工を行う際には同補強板9を取り外
すことができる。
【0048】又、該実施形態の銅張積層板切断方法にお
いては、図11に示す如く、刃物台25上に駆動モータ26
とスピンドル27とが並設固定され、両者はベルト28で連
動するように連結されており、同スピンドル27の軸先端
に丸鋸刃6が前記対のフランジ24で挟持固定されてい
る。刃物台25は直交する両ボールネジ29に取り付けられ
ており、両ボールネジ29に配設されるサーボモータ31の
回転によって各リニアガイド30上をスライド移動され
る。刃物台25のスライド移動方向は、ワーク2のロール
心軸に対して直交する方向と平行となる方向であり、該
直交する方向のスライド移動によって丸鋸刃6が送り戻
り動作され、又、同平行となる方向のスライド移動によ
って同ワーク2を切断する際の位置変更や巾変更が行わ
れる。
【0049】この場合、丸鋸刃6の回転数が1000〜4000
min-1に設定され、刃物台25はワーク2のロール心軸に
対して直交する方向にリニアガイド30上を送り速度30〜
1000mm/minで同ロール心軸に向かって移動され、同ワー
ク2が駆動軸受部5によって軸体4と共に回転数10〜20
0min-1で前記丸鋸刃6とは逆方向に回転され、この状態
で切断加工が行われる。このような切断加工を行うこと
で、銅箔バリが小さく且つ寸法精度の高い加工品質を実
現している。
【0050】又、該実施形態の銅張積層板切断方法にお
いては、図12に示す如く、切断加工のプログラムを自
動処理している。この場合の制御過程では、まず、切断
するロール状ワーク2の外径及び全長寸法を入力し、次
に、切断寸法(製品寸法)と使用する刃物データ(丸鋸
刃6の外径寸法及びその刃先部7の厚み寸法)を入力す
る。ここでの入力は、対話式で行われるようになってい
る。前記必要なデータを入力後、ワーク2の全長寸法を
切断寸法で除して切断回数を演算し、次に、ワーク2の
全長寸法から、切断寸法と刃先部7の厚み寸法との和に
切断回数を積した数を減じて、同ワーク2の残り量を算
出する。残り量が刃先部7の厚み寸法の二倍以下である
か否かを判定し、二倍以下である場合は端面切削有りと
し、二倍より多量である場合は端面切削無しとする。
【0051】切断加工のプログラムは、基本となる切断
動作を予めインプットしておき、ワーク2の外径や切断
寸法、丸鋸刃6の外径寸法やその刃先部7の厚み寸法等
に対応した部分をパラメータとして、入力値を参照し丸
鋸刃6の移動距離等を演算して、自動生成するようにな
っている。又、該実施形態の銅張積層板切断方法におい
ては、通常の切断加工用及び端面のトリミング切削加工
用の二種類のプログラムを自動的に作成できるようにし
ている。なお、その際の加工条件は、刃物データを基に
切断条件が格納された条件データベースを参照して決定
するようになしても良い。このような自動処理が行われ
るようになすことで、簡単な入力操作により加工プログ
ラムを作成することができ、初心者でも能率良く切断加
工を行うことができて、生産性及び加工精度の向上を図
ることができる。
【0052】又、切断加工のプログラムを自動処理する
際に、図13に示す如き制御過程となしても良い。この
場合、切断加工のプログラムを自動生成する際に、使用
する丸鋸刃6の外径寸法及びその刃先部7の厚み寸法等
の刃物データを入力する代わりに、機械上で丸鋸刃6の
サイズを測定したデータを読み込み、これを参照して自
動処理を行う。すなわち、プログラムを生成する前に、
丸鋸刃6のサイズを予め測定し刃物測定データとしてパ
ラメータに格納しておき、自動生成を実行する際に同パ
ラメータを読み込む。又、刃物測定データにはパラメー
タとしてサイズ補正せずに使用可能な切断回数も入力さ
れており、切断プログラムを実行して切断を行った回数
をカウントして、その回数に達したときにアラームを出
力するようになしている。このような制御過程では、刃
物測定データ(丸鋸刃6の外径寸法及びその刃先部7の
厚み寸法)が参照できるように予め保存されており、初
心者であっても間違えなく切断加工プログラムを作成す
ることができ、加工不良を低減することができ、加工精
度も向上する。
【0053】又、前記刃物測定データを得るには、図1
4、15に示す如き方法がある。すなわち、図14に示
す場合、データ入力用のディスプレイからのアラーム等
の入力指示により、機上にてタッチプローブ32等を用い
て、使用する丸鋸刃6の外径寸法及びその刃先部7の厚
み寸法を直接測定し、これを刃物測定データとして格納
しておき、切断加工用プログラム作成時に参照して自動
処理する。この場合には、刃物測定データ(丸鋸刃6の
外径寸法及びその刃先部7の厚み寸法)を使用直前に機
上で直接測定するため、誤差を生じることがなく、又、
初心者であっても間違えなく切断加工プログラムを作成
することができ、加工不良を低減することができ、加工
精度も向上する。
【0054】又、図15に示す場合、データ入力用のデ
ィスプレイからのアラーム等の入力指示により、実際の
ワーク2に近いサイズのダミーワーク33に溝34を加工
し、タッチプローブ32等を用いて該溝34の溝深さ及び溝
巾を測定し、該溝深さを丸鋸刃6の外径寸法、該溝巾を
同丸鋸刃6の刃先部7の厚み寸法として各々扱う。すな
わち、刃物(丸鋸刃6)を直接測定するのではなく、間
接的に測定したものを刃物測定データとして格納してお
き、切断加工用プログラム作成時に参照して自動処理す
る。この場合には、刃物測定データ(丸鋸刃6の外径寸
法及びその刃先部7の厚み寸法)をダミーワーク33の実
加工溝を測定することにより得ることができ、刃物の振
れを含んだ測定が可能で誤差を生じることがなくなり、
精度の良い切断加工を行うことができる。
【0055】又、前記の如く、刃物測定データを得て自
動処理される場合、図16、17に示す如く、切断加工
プログラム上での切断位置が補正されるようになすこと
ができる。すなわち、図16に示す場合、使用する丸鋸
刃6の外径寸法及びその刃先部7の厚み寸法の測定を、
同丸鋸刃6を回転させる刃物モータ(駆動モータ26)の
負荷電流が予め設定した所定のしきい値に達した時点で
行い、該測定データを基に切断加工プログラム上におけ
る切断位置の補正を行う。測定の実施は、現在のワーク
2の加工が完了し、次のワーク2の取り付けが完了した
後に、入力指示に従って行っても良く、切断装置設備の
安全ドア等の閉状態を認識した後、自動的に開始される
ようになしても良い。この場合には、刃物測定データ
(丸鋸刃6の外径寸法及びその刃先部7の厚み寸法)が
刃物(丸鋸刃6)の摩耗状態を含んで得られるので、誤
差を生じることがなくなって、精度の良い切断加工を行
うことができる。
【0056】又、図17に示す場合、使用する丸鋸刃6
の外径寸法及びその刃先部7の厚み寸法の測定を、予め
設定した切断回数に達した時点で行い、該測定データを
基に切断加工プログラム上における切断位置の補正を行
う。測定の実施は、現在のワーク2の加工が完了し、次
のワーク2の取り付けが完了した後に、入力指示に従っ
て行っても良く、切断装置設備の安全ドア等の閉状態を
認識した後、自動的に開始されるようになしても良い。
この場合には、刃物測定データ(丸鋸刃6の外径寸法及
びその刃先部7の厚み寸法)の測定・補正を定期的に実
施することができ、常に最新の同刃物測定データを活用
することができるので、誤差を生じることがなくなっ
て、精度の良い切断加工を行うことができる。
【0057】更に、該実施形態の銅張積層板切断方法に
おいては、図18に示す如く、丸鋸刃6の周辺に刃物カ
バー8を設けて、切断時に生じる切り屑粉の飛散を防止
している。又、該実施形態の銅張積層板切断装置におい
ては、図1、2に示す如く、前記切り屑粉を集塵する集
塵手段11(集塵機等)をも備えている。しかも、この場
合に、切断加工時に発生する銅箔やガラス繊維の切り
屑、エポキシ樹脂の微細切断粉を、切断加工直後に効率
良く集塵するため、丸鋸刃6がワーク2へ切り込むため
に必要な部分以外を刃物カバー8で覆い、該刃物カバー
8の下部に飛散する切り屑粉を受け集める突出カバー部
35を延設している。又、刃物カバー8には丸鋸刃6の回
転方向の周縁延長線上に集塵口36が形成されており、該
集塵口36から集塵用ホース37を通じて集塵手段11である
集塵機へとスムーズに前記切り屑粉は案内集塵される。
又、刃物カバー8の上部には、ワーク清掃用のエアブロ
ーノズル38が設けられている。
【0058】前記の如く、ワーク2がガラスエポキシ基
材の両面に銅箔を貼着した帯状のCCLであるため、切
断加工時に銅箔とガラス繊維の切り屑及びエポキシ樹脂
の微細切断粉が多量に生成される。このため、図1、2
に示す如く、切断装置全体を装置カバー39で覆い、該装
置カバー39内から送出口40、前記集塵用ホース37を通じ
て切り屑粉が集塵手段11へと案内集塵されるようになし
ている。又、切断加工直後の切り屑及び切断粉を集塵す
る前記刃物カバー8と、該刃物カバー8及び前記装置カ
バー39にて取り残した切り屑や切断粉を効率良く集塵す
るために、ワーク2の下方に設けたシュート41と、を備
えており、該シュート41は同切り屑や切断粉を一か所に
集めるためにその下部中程へ向かって傾斜し、同シュー
ト41にて集められた切り屑粉も前記と同様に集塵用ホー
ス37を通じて集塵手段11へと案内集塵される。
【0059】なお、この場合、切断装置の内部にバッフ
ァ用のタンクを設け、該タンクに前記シュート41にて集
められた切り屑粉が一時的に集塵蓄積されるようになし
ても良く、集塵が常時ではなく定期的或いは一定量溜ま
った時点で行われるようになしても良い。又、該実施形
態の銅張積層板切断装置においては、切断装置全体を覆
う装置カバー39内からシュート41へと効率良く切り屑粉
が集塵されるよう、同シュータ41へ向かって空気の流れ
が生じるようになしている。すなわち、ワーク2を挟ん
でシュート41の下部中程と対向する位置で装置カバー39
に吸気口42を設けており、該吸気口42から同シュータ41
へ向かう空気の流れによって効率的な集塵が行われるよ
うになしている。又、吸気口42にはスライド開閉自在な
扉蓋を付設して、該扉蓋の開閉量を変化させることによ
り空気の吸入量を調整することができるようになしても
良い。
【0060】又、該実施形態の銅張積層板切断装置にお
いては、図19に示す如く、刃物台25のスライド移動部
分に切り屑粉が侵入しない構成となっている。切断加工
で生じる切り屑や切断粉が刃物台25等のスライド移動部
分に侵入すると、該スライドで摺動する面が傷ついたり
摩耗したりして、加工精度に悪影響を及ぼす恐れがあ
る。これを防止するため、刃物台25が取り付け固定され
或いは切断寸法に応じてその上を同刃物台25が稼働する
縦横方向の各リニアガイド30を、各々伸縮自在なカバー
部材43で覆い、該カバー部材43にエア供給口を設けて同
カバー部材43内に圧縮エアが供給されるようになしてい
る。この場合、カバー部材43としては、蛇腹形状のもの
や、複数に分割されたカバー片が摺動自在に係合されて
伸縮自在となったものを使用することができ、同カバー
部材43によってリニアガイド30と共にボールネジ29や駆
動モータ26、スピンドル27等を覆うこともできる。
【0061】又、前記の場合に、図20に示す如き構成
を採用しても良い。すなわち、前記と同様に刃物台25の
スライド移動部分をカバー部材43で覆った構成のものに
おいて、該カバー部材43内に圧縮エアを供給する手段と
して、同刃物台25が取り付け固定されている固定板44と
ガイド部材45との摺動部分にエアベアリング46を用いて
おり、この場合、同エアベアリング46からエアを噴射し
ながら摺動される。ここで、一方のガイド部材45のエア
ベアリング46は該ガイド部材45の上部のみに設けられ、
他方のガイド部材45のエアベアリング46は該ガイド部材
45の周囲三方を取り囲むように配設されている。このよ
うな構成を採用することで、摺動面同士が非接触状態と
なり、切断加工で生じる切り屑や切断粉の侵入防止と共
に、同摺動面の摩耗防止にもつながり、加工精度の維持
が容易となって精度劣化を防止することができる。
【0062】又、該実施形態の銅張積層板切断方法にお
いては、図21に示す如く、加工精度を向上させるた
め、高精度な原点位置決めを可能としている。すなわ
ち、この場合、丸鋸刃6及びワーク2に各々給電ブラシ
47を配設して、該両給電ブラシ47間にテスタ28を介設
し、同丸鋸刃6とワーク2との間に電流を流して、刃物
台25と共に同丸鋸刃6を同ワーク2に対し徐々に近接さ
せながら導電状態をチェックする。そして、導電状態と
なった時点で、刃物台25(丸鋸刃6)の位置を原点とし
てセットする。ここで使用する丸鋸刃6は、その軸49が
セラミックスのような不導体で形成されてこの部分では
絶縁され、その刃先部7が超硬や焼結ダイヤのような導
電体で形成されて、該刃先部7と前記給電ブラシ47が設
けられるフランジ軸部とが、同丸鋸刃6の基材となる導
電体の鋼材で形成された円形板を介して通電状態とされ
る。又、この場合、刃物台25の動作はプログラム化して
おき、導電状態となった信号が入ると送り動作をストッ
プして、その時の現在位置を読み込むようにしている。
このように、通電と自動検知プログラムによりワーク2
の切断原点が容易に検知され、高精度な原点位置決めが
可能となって、加工精度が向上される。
【0063】したがって、該実施形態の銅張積層板切断
方法及び装置においては、銅張積層板1をロール状に巻
き重ねられたワーク2のままで輪切り状に切断すること
ができるので、巻き出し・巻き取り作業を必要とせず、
生産性が向上される。又、その際、銅張積層板1は重合
した状態にあるので、切断される部分が自由端となら
ず、それ故に、精度良く確実に切断されてバリは発生し
難くなり、同切断部分での絶縁性が破壊されたり、その
後のエッチング加工時に積層されるドライフィルムが傷
つけられたりすること等を防止することもできる。しか
も、重合した状態にある銅張積層板1間には切り屑粉が
入り込むことはないので、該銅張積層板1の表面には圧
痕不良が発生し難い。更に、この場合に、ワーク2が回
転されながら輪切り状に切断されるので、切断圧力が同
ワーク2の周方向で略均等に作用することになり、銅張
積層板1はその無理な変形が防止されてより精度良く切
断され、切断効率も向上されている。
【0064】又、該実施形態の銅張積層板切断方法及び
装置においては、銅張積層板1を円筒体3の外周に巻き
重ねてワーク2が形成されているので、ロール心軸付近
における同銅張積層板1の巻き曲率は大きくなり、該銅
張積層板1の伸展状態から巻き重ね状態への変形量が少
なくなって、ワーク2を無理なく容易に形成することが
できると共に、その際に同銅張積層板1は破損し難くも
なる。しかも、円筒体3内に軸体4を挿入して該軸体4
でワーク2を保持することができ、運搬時や保管時等に
おける同ワーク2の取り扱いは容易である。更に、この
場合に、銅張積層板1がロール状に巻き重ねられたワー
ク2と共にその内側の円筒体3までもが切断されるの
で、該円筒体3内に軸体4を挿入して輪切り状に切断さ
れた後の同ワーク2を保持することができ、運搬時や保
管時等における該ワーク2の取り扱いは極めて容易とな
っている。
【0065】又、該実施形態の銅張積層板切断方法及び
装置においては、円筒体3内に挿通されて両端支持され
る軸体4でワーク2が支持された状態で切断されるの
で、切断時における同ワーク2全体の撓み変形が防止さ
れ、銅張積層板1はその変形と共に重合面間での擦れが
防止されてより精度良く確実に切断される。しかも、ワ
ーク2はその外周で支持されるのではなく、その中心に
位置した円筒体3の内部に挿通される軸体4の両端で支
持されることになるので、該ワーク2を傷つけないよう
に支持することができ、該ワーク2にはその全巾にわた
って切断、切削等の加工を施すことができ、前記軸体4
の両端を支持する支持構造(支持台15、駆動軸受部5
等)の小型化を図ることも可能となっている。
【0066】又、該実施形態の銅張積層板切断方法及び
装置においては、円筒体3内に挿通される軸体4が駆動
軸受部5により回動され、該回動によって同軸体4で支
持されたワーク2が回転されるので、該ワーク2は支持
状態で効率よく回転されながら確実に切断される。しか
も、軸体4に円筒体3の内面を固着保持機構10で着脱自
在に固着保持してワーク2を支持状態としているので、
該ワーク2を円筒体3と共に同軸体4から取り外すこと
もでき、同ワーク2を切断する際の取り扱いが容易とな
っている。更に、この場合、軸体4の一端を該軸体4を
回動させる駆動軸受部5に結合固定することによって、
同軸体4は回動されるようになるものであるが、その
際、重量物となるワーク2と共に同軸体4をその両端が
仮支持された状態で軸方向にスライド移動させることに
よって、同ワーク2を打痕等がつかないように且つ安定
した状態でスムーズに前記軸体4を介して駆動軸受部5
に固定することができ、該固定作業は安全なものとなっ
ている。
【0067】又、該実施形態の銅張積層板切断方法及び
装置においては、切断手段がロール心軸に直交する方向
で往復動作される丸鋸刃6であり、該丸鋸刃6によって
ワーク2が切断されるので、該ワーク2のロール心軸付
近にまで深く同丸鋸刃6を入り込ませて、同ワーク2を
効率良く確実に切断することができる。更に、この場合
に、丸鋸刃6がワーク2の回転とは逆方向に回転されて
切断され、その際、同丸鋸刃6とワーク2との接触部位
では両者が相互に同方向下方へと移動しながら切断され
ることになるので、該切断時の抵抗は低減され、同切断
の精度も向上され、しかも、発生した切り屑粉は同ワー
ク2の内側へと押し込まれるようになって飛散し難く、
又、該切り屑粉は同丸鋸刃6の回転に逆らうことなく同
方向下方へと案内されて容易に集塵除去される。又、こ
の場合に、丸鋸刃6の刃先部7がダイヤモンドチップで
形成されて切れ味良好となっているので、最小量の誤差
で切断することができ、高い精度での切断加工が可能で
ある。
【0068】又、該実施形態の銅張積層板切断方法及び
装置においては、ワーク2の側端面に丸鋸刃6の刃先部
7で切削加工が施されて、該ワーク2の側端面はトリミ
ング切削される。その際、丸鋸刃6の片側面に補強板9
が付設されて該丸鋸刃6の反対側面がワーク2の側端面
に沿わされ、この状態で切削加工が行われるので、同丸
鋸刃6は撓み難くてロール心軸に直交する方向での切削
が確保され、高い精度での切削加工を行うことができ
る。しかも、補強板9は丸鋸刃6に対し着脱自在に付設
されるので、該補強板9を取り外して通常の切断加工を
支障なく行うことができ、トリミング切削のために別途
の切削手段を必要とせず、設備の合理化が図られる。
【0069】又、該実施形態の銅張積層板切断方法及び
装置においては、切断時に発生する切り屑粉が集塵手段
11によって集塵され、同切り屑粉の装置外部への漏出が
防止されて快適な作業環境を保持することができる。し
かも、この場合、ワーク2外周への切り屑粉の付着が防
止されて、該ワーク2外周の銅張積層板1の表面には傷
がつき難い。更に、この場合に、丸鋸刃6の廻りで生じ
る切り屑粉の飛散がその周辺に設けられる刃物カバー8
によって防止されるので、ワーク2外周の銅張積層板1
の表面には同切り屑粉は付着し難く傷がつかず、該切り
屑粉も前記集塵手段11によって集塵される。
【0070】図22は、本発明の請求項1〜3、7〜1
1、13、15、16に対応する別の実施形態を示し、
該実施形態の銅張積層板切断方法及び装置においては、
ロール状のワーク2の両端外周を、旋盤に使用されるよ
うな三つの固定爪16を有したチャック軸受部50で各々直
接に支持固定し、該チャック軸受部50の一方をモータに
より回動されるものとなし、同他方を連れ回りされるよ
うになすと共に、該他方のチャック軸受部50を装置ベー
ス22上にスライド自在に設置して、該装置ベース22上に
固定された油圧シリンダ23により同チャック軸受部50が
スライド動作されるようになしている。
【0071】この場合、切断手段として丸鋸刃6を使用
しており、一回切断後に前記他方のチャック軸受部50が
スライド離間してこれからワーク2を取り外した後、再
び前記一方のチャック軸受部50に残存保持されているワ
ーク2へと近接して該ワーク2を同他方のチャック軸受
部50が再クランプし、このような動作で切断を繰り返し
行うようになしている。
【0072】したがって、該実施形態の銅張積層板切断
方法及び装置においては、ロール状に巻き付けられた銅
張積層板1がばらけないように、ワーク2を切断加工す
ることができる。なお、それ以外は、上記図1〜22で
説明した実施形態と同様に構成されており、請求項4〜
6、12、14に係る以外の作用効果が同上記図1〜2
2で説明した実施形態におけると同様に奏される。
【0073】図23は、本発明の請求項1〜3、7〜1
3、15、16に対応する更に別の実施形態を示し、該
実施形態の銅張積層板切断方法及び装置においては、切
断時の切断巾に応じたワーク2の位置決めを、該ワーク
2を支持固定しているチャック軸受部50の内部から同ワ
ーク2を押し出すことによって行っている。この場合に
は、チャック軸受部50が旋盤に使用されるような三つの
固定爪16を有したもので、その内部は貫通構造となって
おり、該チャック軸受部50の背部に油圧シリンダ23を設
けている。そして、ロール状のワーク2はチャック軸受
部50の内部に挿通されて、該チャック軸受部50で同ワー
ク2の中程外周が直接に支持固定されている。
【0074】この場合、丸鋸刃6によりワーク2をチャ
ック軸受部50の近傍で所定の切断巾に切断した後、該チ
ャック軸受部50を同ワーク2がスライド移動できる程度
にまで緩める。そして、この状態で、ワーク2の端面を
油圧シリンダ23で次の切断巾に応じた寸法分だけ押し出
した後、再び同ワーク2をチャック軸受部50でチャック
締め付け固定して切断加工を行う。なお、油圧シリンダ
23の加圧力は5000N以上であり、加工時のチャック締め
付け力は3000N以上であることが望ましい。
【0075】したがって、該実施形態の銅張積層板切断
方法及び装置においては、ロール状に巻き付けられた銅
張積層板1がばらけないように、ワーク2を切断加工す
ることができ、チャック軸受部50から該ワーク2が突き
出す量を切断巾に応じた最小量にして加工することがで
きるため、同ワーク2の撓み等の変形を最小限にとどめ
ることもでき、高い精度での切断加工が可能となる。な
お、それ以外は、上記図1〜22で説明した実施形態と
同様に構成されており、請求項4〜6、14に係る以外
の作用効果が同上記図1〜22で説明した実施形態にお
けると同様に奏される。
【0076】図24は、本発明の請求項1〜5、7〜1
6に対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の銅
張積層板切断方法及び装置においては、ワーク2のロー
ル心軸を垂直方向とする縦型旋盤のような機械を使用
し、同ワーク2の上下にチャック軸受部50を配設してい
る。この場合、下方のチャック軸受部50をモータにより
回動されるものとなし、上方のチャック軸受部50を連れ
回りされるようになしており、上下のチャック軸受部50
にはワーク2を着脱自在に固着保持する軸体4の上下両
端部が支持固定される。
【0077】したがって、該実施形態の銅張積層板切断
方法及び装置においては、ワーク2を垂直方向に立てた
状態で支持することにより、該ワーク2の撓み変形が防
止されるので、切断加工精度の向上を図ることができ
る。なお、それ以外は、上記図1〜22で説明した実施
形態と同様に構成されており、請求項6に係る以外の作
用効果が同上記図1〜22で説明した実施形態における
と同様に奏される。
【0078】図25は、本発明の請求項1〜7、13、
14、16に対応する更に別の実施形態を示し、該実施
形態の銅張積層板切断方法及び装置においては、切断手
段として、ダイヤモンドチップをロー付けして作成した
突っ切りバイト51を用いている。この場合、突っ切りバ
イト51の根元のシャンク部分に圧電素子のような超音波
振動子52を設け、該突っ切りバイト51が上下方向(同図
面向かって奥行方向)に超音波振動するようになしてい
る。そして、突っ切りバイト51は超音波振動装置を介し
て刃物台25に取り付けられており、該刃物台25と共に同
突っ切りバイト51にワーク2の外から内へと送りを与
え、周波数20〜50KHz 程度の振動を付与しながら切断加
工を行う。
【0079】したがって、該実施形態の銅張積層板切断
方法及び装置においては、切断バリを生じない良好な品
質の切断面を得ることができ、又、切削抵抗も 1/5〜1/
10程度に小さくなって、突き出し量の長い突っ切りバイ
ト51であってもスムーズな加工を行うことが可能であ
る。なお、それ以外は、上記図1〜22で説明した実施
形態と同様に構成されており、請求項8〜12、15に
係る以外の作用効果が同上記図1〜22で説明した実施
形態におけると同様に奏される。
【0080】図26は、本発明の請求項1〜16全てに
対応する更に別の実施形態を示し、該実施形態の銅張積
層板切断方法及び装置においては、放電加工によって銅
箔バリを除去しながら切断加工を行っている。この場
合、切断手段として丸鋸刃6を用い、該丸鋸刃6の軸49
をセラミックスのような不導体で形成して絶縁し、同丸
鋸刃6のフランジ軸部に一方の給電ブラシ47を設けて陽
極とし、ワーク2の最外周に他方の給電ブラシ47を設け
て陰極としている。丸鋸刃6の刃先部7を形成するチッ
プは単結晶ダイヤやセラミックスのような不導体とし、
同丸鋸刃6の基材となる円形板は導電体の鋼材とする。
そして、切断加工中に別途設けた放電加工用電源53より
丸鋸刃6とワーク2とにパルス状電圧を付与すると、同
ワーク2の銅箔部分と鋸刃6の基材部分との間で放電ス
パークが飛び、同丸鋸刃6の刃先部7で切削された後に
残存した銅箔バリが放電加工によって除去される。な
お、放電加工用電源53としては、無負荷電圧 90V以上で
ピーク電流値2A以上のものを使用し、加工液として灯油
或いはイオン交換水を使用すれば、より良好な加工を実
現することができる。
【0081】したがって、該実施形態の銅張積層板切断
方法及び装置においては、切断時に生じた銅箔バリが放
電加工によって除去されるため、切断バリのない良好な
切断面を得ることができる。なお、それ以外は、上記図
1〜22で説明した実施形態と同様に構成されており、
同上記図1〜22で説明した実施形態におけると同様の
作用効果が奏される。
【0082】
【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項1記載の銅
張積層板切断方法においては、ワークのまま輪切り状に
切断するので生産性が向上され、その際、精度良く確実
に切断されてバリは発生し難くなり、しかも、銅張積層
板の表面に切り屑粉による圧痕不良が発生し難くなる。
【0083】又、本発明の請求項2記載の銅張積層板切
断方法においては、特に、ワークを回転させながら輪切
り状に切断するので、切断圧力が同ワークの周方向で略
均等に作用することになり、銅張積層板はその無理な変
形が防止されてより精度良く切断され、切断効率も向上
される。
【0084】又、本発明の請求項3記載の銅張積層板切
断方法においては、特に、銅張積層板を円筒体の外周に
巻き重ねてワークが形成されるので、該ワークは無理な
く容易に形成され、その際に同銅張積層板が破損し難く
もなり、しかも、運搬時や保管時等における同ワークの
取り扱いが容易となる。
【0085】又、本発明の請求項4記載の銅張積層板切
断方法においては、特に、円筒体内に挿通される軸体に
よって切断時におけるワーク全体の撓み変形を防止する
ことができ、銅張積層板はより精度良く確実に切断さ
れ、しかも、該ワークを傷つけないように支持すること
ができ、同ワークにはその全巾にわたって加工を施すこ
とができ、支持構造の小型化を図ることも可能となる。
【0086】又、本発明の請求項5記載の銅張積層板切
断方法においては、特に、円筒体内に挿通される軸体の
回動によってワークが支持状態で効率よく回転されなが
ら確実に切断され、該ワークを円筒体と共に同軸体から
取り外すことができて同ワークを切断する際の取り扱い
も容易となる。
【0087】又、本発明の請求項6記載の銅張積層板切
断方法においては、特に、ワークと共に軸体をその両端
が仮支持された状態で軸方向にスライド移動させること
によって、該ワークを打痕等がつかないように且つ安定
した状態でスムーズに同軸体を介して駆動軸受部に固定
することができ、該固定作業は安全なものとなる。
【0088】又、本発明の請求項7記載の銅張積層板切
断方法においては、特に、ワークと共に円筒体までもが
切断されるので、該円筒体内に軸体を挿入して輪切り状
に切断された後の同ワークを保持することができ、運搬
時や保管時等における該ワークの取り扱いは極めて容易
となる。
【0089】又、本発明の請求項8記載の銅張積層板切
断方法においては、特に、ロール心軸に直交する方向で
往復動作される丸鋸刃によってワークが切断されるの
で、該ワークのロール心軸付近にまで深く同丸鋸刃を入
り込ませて、同ワークを効率良く確実に切断することが
できる。
【0090】又、本発明の請求項9記載の銅張積層板切
断方法においては、特に、丸鋸刃がワークの回転とは逆
方向に回転されて切断されるので、該切断時の抵抗は低
減され、同切断の精度も向上され、しかも、切り屑粉が
飛散し難くて容易に集塵除去され得るものとなる。
【0091】又、本発明の請求項10記載の銅張積層板
切断方法においては、特に、丸鋸刃の刃先部がダイヤモ
ンドチップで形成されて切れ味良好となるので、最小量
の誤差で切断することができ、高い精度での切断加工が
可能となる。
【0092】又、本発明の請求項11記載の銅張積層板
切断方法においては、特に、切り屑粉の飛散が刃物カバ
ーによって防止されるので、ワーク外周の銅張積層板の
表面には同切り屑粉は付着し難くて傷がつき難い。
【0093】又、本発明の請求項12記載の銅張積層板
切断方法においては、特に、ワークの側端面がトリミン
グ切削され、該トリミング切削を行う丸鋸刃は補強板で
補強され撓み難くて高い精度での切削加工を行うことが
でき、しかも、該補強板を取り外して通常の切断加工を
支障なく行うことができ、同トリミング切削のために別
途の切削手段を必要とせず、設備の合理化が図られる。
【0094】又、本発明の請求項13記載の銅張積層板
切断装置においては、支持回動手段で支持され回転され
ているワークをそのまま切断手段にて輪切り状に切断す
ることができるので、生産性が向上され、精度良く確実
に切断されてバリは発生し難くなり、銅張積層板の表面
に切り屑粉による圧痕不良も発生し難くなり、切断圧力
が同ワークの周方向で略均等に作用することになって、
該銅張積層板はその無理な変形が防止されてより精度良
く切断され、切断効率も向上される。
【0095】又、本発明の請求項14記載の銅張積層板
切断装置においては、特に、銅張積層板を円筒体の外周
に巻き重ねてワークが無理なく容易に形成されており、
その際に同銅張積層板は破損し難い。しかも、支持回動
手段となる軸体を円筒体に挿通し、該軸体でワークを支
持状態にして切断することができるので、切断時におけ
る同ワーク全体の撓み変形が防止されて、銅張積層板は
より精度良く確実に切断され、該ワークを傷つけないよ
うに支持することができ、同ワークには全巾にわたって
加工を施すことができ、支持構造の小型化を図ることも
可能となる。
【0096】更には、円筒体の内面を軸体にその固着保
持機構により固着保持させてワークを支持することがで
きるので、この状態で、該ワークを同軸体の回動によっ
て回転させることもでき、そうすることで、同ワークは
支持状態で効率よく回転されながら確実に切断される。
その際、円筒体の内面は軸体にその固着保持機構によっ
て着脱自在に固着保持されるので、該軸体から同円筒体
と共にワークを取り外すこともでき、該ワークの運搬時
や保管時等だけでなく同ワークを切断する際の取り扱い
も容易となる。
【0097】又、本発明の請求項15記載の銅張積層板
切断装置においては、特に、切断手段が丸鋸刃であるの
で、該丸鋸刃をワークのロール心軸付近にまで深く入り
込ませて、同ワークを効率良く確実に切断することがで
き、その際、同丸鋸刃がワークとは逆方向に回転するの
で、同切断時の抵抗は低減され、該切断の精度も向上さ
れ、しかも、切り屑粉が飛散し難くて容易に集塵除去さ
れ得るものとなり、更に、同丸鋸刃の刃先部を切れ味良
好とすることで、最小量の誤差で切断することができ、
高い精度での切断加工が可能となる。
【0098】又、本発明の請求項16記載の銅張積層板
切断装置においては、特に、切り屑粉を集塵手段によっ
て集塵することができるので、同切り屑粉の装置外部へ
の漏出を防止して快適な作業環境を保持することがで
き、しかも、ワーク外周への同切り屑粉の付着をも防止
することができて、該ワーク外周の銅張積層板の表面に
傷がつかないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である銅張積層板切断方法
を実施する装置の全体を示す横断面図。
【図2】同装置の全体を示す縦断面図。
【図3】同銅張積層板切断方法におけるワークを示す斜
視図。
【図4】同ワークと軸体との間における着脱状態を示す
(a)は縦断面図、(b)は側面図。
【図5】(a)は同ワークの支持回転状態を示す正面
図、(b)は同軸体の取り付け取り外し状態を示す側面
図。
【図6】同銅張積層板切断方法における軸体の別の取り
付け取り外し状態を例示する正面図。
【図7】同銅張積層板切断方法における軸体の更に別の
取り付け取り外し状態を例示する正面図。
【図8】同銅張積層板切断方法における切断状態を示す
平面図。
【図9】同銅張積層板切断方法において切断手段となる
丸鋸刃の刃先部を示す(a)は断面図、(b)は正面
図。
【図10】同銅張積層板切断方法におけるトリミング切
削状態を示す平面図。
【図11】同銅張積層板切断方法における装置の要部と
なる動作機構を示す平面図。
【図12】同銅張積層板切断方法において加工プログラ
ムの自動処理を行う場合の一制御過程を例示するフロー
チャート。
【図13】同銅張積層板切断方法において加工プログラ
ムの自動処理を行う場合の別の制御過程を例示するフロ
ーチャート。
【図14】同銅張積層板切断方法において加工プログラ
ムの自動処理を行う場合に、切断手段となる丸鋸刃の寸
法測定を行う一手段を例示する斜視図。
【図15】同銅張積層板切断方法において加工プログラ
ムの自動処理を行う場合に、切断手段となる丸鋸刃の寸
法測定を行う別の手段を例示する斜視図。
【図16】同銅張積層板切断方法において加工プログラ
ムの自動処理を行う場合に、切断手段となる丸鋸刃の寸
法測定及び補正を行う一制御過程を例示するフローチャ
ート。
【図17】同銅張積層板切断方法において加工プログラ
ムの自動処理を行う場合に、切断手段となる丸鋸刃の寸
法測定及び補正を行う別の制御過程を例示するフローチ
ャート。
【図18】同銅張積層板切断方法において切断時に生じ
る切り屑粉の飛散を防止している状態を示す側面図。
【図19】同銅張積層板切断方法における集塵手段の一
部を示す(a)は平面図、(b)は側面図。
【図20】同集塵手段の一部における応用形態を例示す
る側面図。
【図21】同銅張積層板切断方法において切断手段とな
る丸鋸刃の初期位置(原点)を自動的に検知する一手段
を例示する平面図。
【図22】本発明の別の実施形態である銅張積層板切断
方法を実施する装置の要部を示す側面図。
【図23】本発明の更に別の実施形態である銅張積層板
切断方法を実施する装置の要部を示す平面図。
【図24】本発明の更に別の実施形態である銅張積層板
切断方法を実施する装置の要部を示す正面図。
【図25】本発明の更に別の実施形態である銅張積層板
切断方法を実施する装置の要部を示す平面図。
【図26】本発明の更に別の実施形態である銅張積層板
切断方法を実施する装置の要部を示す(a)は平面図、
(b)は概略説明図。
【図27】従来の技術である銅張積層板切断方法を実施
する装置を示す概略平面図。
【図28】同装置を示す概略正面図。
【図29】同装置の要部を示す概略側面図。
【符号の説明】 1 銅張積層板 2 ワーク 3 円筒体 4 軸体 5 駆動軸受部 6 丸鋸刃 7 刃先部 8 刃物カバー 9 補強板 10 固着保持機構 11 集塵手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 真 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 古川 満夫 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3C040 AA01 BB07 CC02 GG16 GG19 HH15 HH22

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅張積層板をロール状に巻き重ねてワー
    クを形成し、該ワークをそのロール心軸に直交する方向
    で切断する銅張積層板切断方法。
  2. 【請求項2】 ワークをそのロール心軸を中心に回転さ
    せながら切断することを特徴とする請求項1記載の銅張
    積層板切断方法。
  3. 【請求項3】 銅張積層板を円筒体の外周に巻き重ねて
    ワークを形成し、該ワークをロール心軸となる同円筒体
    を中心に回転させながら切断することを特徴とする請求
    項2記載の銅張積層板切断方法。
  4. 【請求項4】 円筒体内に挿通されて両端支持される軸
    体でワークを支持状態とし、該支持状態にあるワークを
    切断することを特徴とする請求項3記載の銅張積層板切
    断方法。
  5. 【請求項5】 軸体に円筒体の内面を着脱自在に固着し
    てワークを支持状態とし、該支持状態にあるワークを同
    軸体の回動によって回転させることを特徴とする請求項
    4記載の銅張積層板切断方法。
  6. 【請求項6】 ワークと共に軸体をその両端が仮支持さ
    れた状態で軸方向にスライド移動させて、該軸体の一端
    を同軸体を回動させる駆動軸受部に結合固定することを
    特徴とする請求項5記載の銅張積層板切断方法。
  7. 【請求項7】 円筒体を切断可能な材質で形成し、ワー
    クと共に同円筒体までをも切断することを特徴とする請
    求項2〜6のいずれか一つに記載の銅張積層板切断方
    法。
  8. 【請求項8】 ロール心軸に直交する方向で往復動作さ
    れる丸鋸刃によってワークを切断することを特徴とする
    請求項2〜7のいずれか一つに記載の銅張積層板切断方
    法。
  9. 【請求項9】 ワークの回転とは逆方向に丸鋸刃を回転
    させて切断することを特徴とする請求項8記載の銅張積
    層板切断方法。
  10. 【請求項10】 刃先部がダイヤモンドチップで形成さ
    れた丸鋸刃を使用することを特徴とする請求項8又は9
    記載の銅張積層板切断方法。
  11. 【請求項11】 丸鋸刃の周辺に刃物カバーを設けて、
    切断時に生じる切り屑粉の飛散を防止することを特徴と
    する請求項8〜10のいずれか一つに記載の銅張積層板
    切断方法。
  12. 【請求項12】 丸鋸刃の片側面に補強板を着脱自在に
    付設して該丸鋸刃の反対側面をワークの側端面に沿わ
    せ、該ワークの側端面に同丸鋸刃の刃先部で切削加工を
    施すことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに
    記載の銅張積層板切断方法。
  13. 【請求項13】 銅張積層板をロール状に巻き重ねて形
    成されたワークを支持してそのロール心軸を中心に回転
    させる支持回動手段と、同回転しているロール状のワー
    クをそのロール心軸に直交する方向で切断する切断手段
    と、を備えた銅張積層板切断装置。
  14. 【請求項14】 銅張積層板を円筒体の外周に巻き重ね
    て形成されたワークの同円筒体に挿通され支持回動手段
    となる軸体を備え、該軸体には同円筒体の内面に着脱自
    在に固着されて該円筒体を保持する固着保持機構を設け
    たことを特徴とする請求項13記載の銅張積層板切断装
    置。
  15. 【請求項15】 切断手段がワークとは逆方向に回転す
    る丸鋸刃であることを特徴とする請求項13又は14記
    載の銅張積層板切断装置。
  16. 【請求項16】 切断時に生じる切り屑粉を集塵する集
    塵手段を備えたことを特徴とする請求項13〜15のい
    ずれか一つに記載の銅張積層板切断装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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