JP2001087636A - ポリエチレン製中空糸状多孔膜の製法 - Google Patents

ポリエチレン製中空糸状多孔膜の製法

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JP2001087636A JP26779799A JP26779799A JP2001087636A JP 2001087636 A JP2001087636 A JP 2001087636A JP 26779799 A JP26779799 A JP 26779799A JP 26779799 A JP26779799 A JP 26779799A JP 2001087636 A JP2001087636 A JP 2001087636A
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liquid
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organic liquid
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Hiroshi Hatayama
博司 畑山
Noboru Kubota
昇 久保田
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除濁等の濾過用途に好適である緻密な細孔と
高い透水能力をもち、かつ高い強度をもつポリエチレン
よりなる中空糸状多孔膜の製法を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンと有機液体を高温にて溶融
混合した後、該溶融物を中空糸成形用紡口から押し出
し、冷却、固化した後に、該有機液体を除去してポリエ
チレン製中空糸状多孔膜を得る製法において、該有機液
体のHLB値が3.0以上4.5未満であることを特徴
とする高強度ポリエチレン製中空糸状多孔膜の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除濁等の濾過用途
に好適である緻密な細孔と高い透水能力をもち、かつ高
い強度をもつポリエチレンよりなる中空糸状多孔膜の製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】精密濾過膜や限外濾過膜等の多孔膜によ
る濾過操作は、自動車産業(電着塗料回収再利用システ
ム)、半導体産業(超純水製造)、医薬食品産業(除
菌、酵素精製)などの多方面にわたって実用化されてい
る。特に近年では飲料水製造において、原水水質の悪
化、クリプトスポリジウム等の原虫による健康被害など
から急速に浄水施設での膜濾過技術の実用化が行われて
いる。中でも中空糸状多孔膜は、単位面積当たりに充填
できる膜面積が大きくでき、単位空間占有体積当たりの
濾過処理能力を高くできるために広く利用されている。
膜素材は主に濾過性能の安定性、膜の機械的、化学的、
熱的安定性に影響を与える。機械的、化学的安定性、さ
らにコスト面からもポリエチレンが濾過膜として有効で
あると言える。
【0003】ポリオレフィン系重合体に代表される熱可
塑性樹脂を膜素材とする場合、熱誘起型相分離を利用し
て製膜されることが多い(溶融法、相転換法などと呼ば
れている(監修 神沢 淳、架谷 昌信、多孔材料ハン
ドブック、P.198−199、(株)アイピーシー、
1988年、あるいは監修 吉川 正和ら、膜技術第2
版、P.61−95、(株)アイピーシー、1997
年、など))。溶融法により製膜する場合のプロセス
は、1)熱可塑性樹脂と有機液体とを押し出し機等で高
温にて均一に溶融混合し、2)この溶融物を紡口より押
し出し、冷却することにより相分離を生起させたのち固
化(凝固)させ、3)固化物中の有機液体を除去する方
法が知られている(特開昭55−60537号公報、特
開昭55−22398号公報など)。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)ポリエ
チレンと有機液体を高温にて溶融混合した後、該溶融物
を中空糸成形用紡口から押し出し、冷却、固化した後
に、該有機液体を除去してポリエチレン製中空糸状多孔
膜を得る製法において、該有機液体のHLB値が3.0
以上4.5未満であることを特徴とするポリエチレン製
中空糸状多孔膜の製法、(2)有機液体のHLB値が
3.0以上4.0未満であることを特徴とする上記
(1)記載のポリエチレン製中空糸状多孔膜の製法、
(3)有機液体のHLB値が3.0以上3.94未満で
あることを特徴とする上記(1)記載のポリエチレン製
中空糸状多孔膜の製法、
【0005】(4)中空部形成流体が紡口温度以上の沸
点を持つ液体であることを特徴とする上記(1)−
(3)に記載のポリエチレン製中空糸状多孔膜の製法、
(5)中空部形成流体が紡口温度以上の沸点を持つ液体
であり、さらに高温にてポリエチレンと液液相分離する
液体であることを特徴とする上記(1)−(3)に記載
のポリエチレン中空糸状多孔膜の製法、(6)中空糸成
形用紡口から押し出された溶融物を液浴を通して冷却さ
せることを特徴とする上記(1)−(5)に記載のポリ
エチレン中空糸状多孔膜の製法、に関する。
【0006】以下、本発明の詳細を記述する。本発明膜
の素材は、ポリエチレンである。ポリオレフィン系重合
体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリふっ化ビニリ
デン等)は疎水性であるために耐水性が高く、水系ろ過
膜の素材として適している。中でもポリエチレンは安価
である上、ハロゲン元素を含まないために廃棄が容易で
あり、また反応性の高い3級炭素をあまり含まないため
に、膜洗浄時の薬品劣化が起こりづらいという利点を持
つことから膜素材として好適である。一般的にポリエチ
レンには高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンがあ
るが、強度の点から高密度ポリエチレンが好ましい。ま
た種々の分子量のポリエチレンが存在するが、強度の点
から粘度平均分子量10万以上、好ましくは20万以上
が好適である。ポリエチレンの粘度平均分子量(Mv)
は、135℃におけるデカリン溶液の固有粘度
([η])を測定して、下記式より求めることができる
(J.Brandrup and E.H.Immer
gut(Editors)、Polymer Hand
book(2nd Ed.)、IV−7頁、John
Wiley & Sons、NewYork、1975
年)。 [η]=6.8×10-4×(Mv)0.67
【0007】本発明で用いる有機液体とは、ポリエチレ
ンと混合し高温にすると一定のポリエチレン濃度範囲に
おいて特定の温度範囲で液液相分離状態(ポリエチレン
濃厚相液滴/ポリエチレン希薄相液滴(即ち有機液体濃
厚相液滴)の2相共存状態)をとることができ、液液相
分離温度域の上限温度以上では均一に溶融混合した状態
をとることができ、かつ沸点が液液相分離温度域の上限
以上であり、かつ親水性/疎水性のバランスを示すHL
B値が3.0以上4.5未満の液体である。HLB値が
4.5以上では膜の強度は低くなりすぎて不利である。
HLB値が3.0未満では膜の透水能力が低すぎて不利
である。有機溶剤のHLB値は好ましくは3.0以上
4.0未満である。さらにより好ましくは3.0以上
3.94未満である。HLB値は以下の式より決定する
(藤本 武彦、新・界面活性剤入門、P.126−13
3、三洋化成工業(株)、1985年、あるいは磯田
孝一・藤本 武彦、界面活性剤入門、三洋化成工業
(株)、1967年など)。 HLB値=20×(有機液体中の親水部の分子量)/
(有機液体の分子量) 上記の式において分子量は国際純正・応用化学連合(I
UPAC)原子量(1981年)の値を用いて算出でき
る。
【0008】有機液体は単一化合物であっても2種以上
の混合物であってもよい。2種以上の混合物の場合のH
LB値は、各々の化合物のHLB値と各々の化合物の重
量分率の積の総和とする。例として2種類の場合は以下
のように決定する。 HLB値=(wa/W)×HLBa+(wb/W)×HL
b ここで、 W=wa+wbである。
【0009】上記の式において、wa、HLBa、wb
HLBbはそれぞれa種化合物重量、a種化合物のHL
B値、b種化合物重量、b種化合物のHLB値を指す。
有機液体の例として、単一化合物としてはフタル酸ジイ
ソノニル(HLB値4.267)、フタル酸ジイソデシ
ル(HLB値3.941)、フタル酸ジラウリル(HL
B値3.501)、フタル酸ジトリデシル(HLB値
3.316)などのフタル酸エステル類、アジピン酸ジ
イソノニル(HLB値4.417)、アジピン酸ジイソ
デシル(HLB値4.126)などのアジピン酸エステ
ル類、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(HLB値
4.126)などのセバシン酸エステル類が挙げること
ができる。2種類以上の混合物の場合、
【0010】(i)混合する化合物のHLB値がいずれ
も3.0以上4.5未満の場合 (ii)混合する化合物の少なくとも1つのHLB値が
3.0以上4.5未満であり、他方が4.5以上の場合 (iii)混合する化合物の少なくとも1つのHLB値
が3.0以上4.5未満であり、他方が3.0未満の場
合 (iv)混合する化合物の少なくとも1つのHLB値が
4.5以上であり、他方が3.0未満の場合 が挙げられる。
【0011】(i)の例として、フタル酸ジイソノニル
とフタル酸ジトリデシルの混合物(重量組成比:100
/0から0/100)、フタル酸ジイソデシルとフタル
酸ジトリデシルの混合物(重量組成比:100/0から
0/100)などのフタル酸エステル類同志の混合物、
フタル酸ジイソデシルとアジピン酸ジイソノニルの混合
物(重量組成比:100/0から0/100)、フタル
酸ジトリデシルとアジピン酸ジイソデシルの混合物(重
量組成比:100/0から0/100)などのフタル酸
エステル類とアジピン酸エステル類の混合物が挙げられ
る。(ii)の例としてフタル酸ジイソデシルとフタル
酸ジ−2−エチルヘキシル(HLB値4.507)の混
合物(重量組成比:100/0から2/98)、フタル
酸ジトリデシルとフタル酸ジ−2−エチルヘキシルの混
合物(重量組成比:100/0から1/99)などのフ
タル酸エステル類同士の混合物、アジピン酸ジイソデシ
ルとフタル酸ジ−2−エチルヘキシルの混合物(重量組
成比:100/0から2/98)、フタル酸ジイソデシ
ルとアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(HLB値4.
750)の混合物(重量組成比:100/0から31/
69)などのフタル酸エステル類とアジピン酸エステル
類の混合物、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルとフタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシルの混合物(重量組成比:1
00/0から2/98)などのセバシン酸エステル類と
フタル酸エステル類の混合物が挙げられる。
【0012】(iii)の例としてはフタル酸ジイソデ
シルと流動パラフィン(HLB値0.000)の混合物
(重量組成比:100/0から77/23)、フタル酸
ジラウリルと流動パラフィンの混合物(重量組成比:1
00/0から86/14)などのフタル酸エステル類と
流動パラフィンの混合物、アジピン酸ジイソデシルと流
動パラフィンの混合物(重量組成比:100/0から7
3/27)などのアジピン酸エステル類と流動パラフィ
ンの混合物、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルと流動
パラフィンの混合物の混合物(重量組成比:100/0
から73/27)などのセバシン酸エステル類と流動パ
ラフィンの混合物、フタル酸ジイソデシルとグリセロー
ルトリオレート(HLB値2.985)の混合物(重量
組成比:100/0から2/98)などのフタル酸エス
テル類とグリセリンエステル類の混合物、アジピン酸イ
ソデシルとグリセロールトリオレートの混合物(重量組
成比:100/0から2/98)などのアジピン酸エス
テル類とグリセリンエステル類の混合物、セバシン酸ジ
−2−エチルヘキシルとグリセロールトリオレートの混
合物(重量組成比:100/0から2/98)などのセ
バシン酸エステル類とグリセリンエステル類の混合物な
どが挙げられる。
【0013】(iv)の例としてはフタル酸ジ−2−エ
チルヘキシルと流動パラフィンの混合物(重量組成比:
99/1から67/33)などのフタル酸エステル類と
流動パラフィンの混合物、アジピン酸ジ−2−エチルヘ
キシルと流動パラフィンの混合物(重量組成比:94/
6から64/36)などのアジピン酸エステル類と流動
パラフィンの混合物、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル
とグリセロールトリオレートの混合物(重量組成比:9
9/1から1/99)のフタル酸エステル類とグリセリ
ンエステル類の混合物、グリセロールトリオレートとア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシルの混合物(重量組成
比:99/1から15/85)が挙げられる。
【0014】ポリエチレンと上記有機液体は、所定の混
合比にてその混合比における液液相分離温度域の上限温
度以上で混練することにより、均一な1相に溶融混合す
ることができる。ポリエチレンと上記有機液体の混合比
は、ポリエチレンの比率が小さすぎると膜の強度が低く
なりすぎて不利であり、ポリエチレンの比率が大きいす
ぎると膜の透水能力が低すぎて不利である。ポリエチレ
ンと有機液体の混合比は重量比で10/90(ポリエチ
レン/有機液体)から50/50(ポリエチレン/有機
液体)が好ましい。溶融物は中空糸成型用紡口から押し
出し、冷却、固化させる。中空糸成型用紡口とは溶融物
を中空状(円環状)に押し出すための口金であり、溶融
物を中空状に押し出すための円環状の穴と、押し出され
た中空状物の中空部が閉じてしまわないように中空状物
の中空部に中空部形成流体を吐出するための穴を持つ紡
口である。
【0015】中空部形成流体は気体であってもかまわな
いが中空部断面形状の真円性保持上、液体であることが
好ましい。中空部形成流体は中空糸成型用紡口を通るた
めに、中空部形成流体が液体であるためには、その沸点
は紡口温度以上でなくてはならない。また透水能力の向
上面から中空部形成流体はポリエチレンと液液相分離状
態をとることができる液体であることが望ましいが、紡
口からの吐出時の温度は必ずしも液液相分離状態となる
温度である必要はなく、液液相分離状態をとる温度より
高くても低くてもよい。押し出された流動性の高い高温
の溶融物は冷却、固化され中空糸状に固定される。
【0016】冷却過程において溶融物は均一な1相溶解
の状態から、冷却により誘起された液液相分離状態を経
て固化する。この相図の例を図1に示した。図1におい
て、ポリエチレン濃度は、ポリエチレン重量と有機液体
重量の和に対するポリエチレンの重量の割合である。ま
た、液1相領域はポリエチレンと有機液体との相溶領域
を、液液2相領域はポリエチレン濃厚相(液状)とポリ
エチレン希薄相(液体)との共存領域を、固化領域はポ
リエチレンが固化する領域(固体ポリエチレンと有機液
体との共存領域)をそれぞれ示す。液液相分離によりポ
リエチレン濃厚相とポリエチレン希薄相(有機液体濃厚
相)の2相に分離し、ポリエチレン濃厚相中のポリエチ
レンが固化されポリエチレンの3次元網目構造が形成さ
れる(相分離時にポリエチレン希薄相であった部分は有
機液体の満たされた孔になっている)。
【0017】押し出された溶融物の冷却、固化は、空冷
でもかまわないが、液浴中に溶融物を導き入れて冷却、
固化する方が有効である。液浴を構成する液体は溶融物
(ポリエチレン、有機液体)と化学反応を起こさなけれ
ば特に限定はしない。ただし溶融物を固化させないとな
らないので、浴液の温度は溶融物の固化温度以下でなく
てはならない。紡浴を構成する液体の例としては前記有
機液体や水、あるいは前記有機液体と水の混合液(2相
に分かれていてもよい)などが挙げられるが、冷却能力
の点から水が好ましい。液浴を通過後の中空糸状物は、
液液相分離によりポリエチレン濃厚相とポリエチレン希
薄相(有機液体濃厚相)の2相に分離し、ポリエチレン
濃厚相中のポリエチレンが固化されポリエチレンの3次
元網目構造が形成されている。ポリエチレン骨格間には
液液相分離時に生じたポリエチレン希薄相(有機液体濃
厚相)が存在し、有機液体で満たされている。
【0018】次いでこの有機液体を除去する。膜中の有
機液体の除去はポリエチレンを溶解または劣化させずか
つ除去したい有機液体を溶解する揮発性液体で抽出除去
し、その後乾燥させて膜中に残存する上記揮発性液体を
揮発除去することで実施できる。このような有機液体抽
出用の揮発性液体の例としては、ヘキサン、ヘプタンな
どの炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素などの塩素化
炭化水素、メチルエチルケトンなどを挙げることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を示すが、
本発明はこれに限定されるものではない。なお、平均孔
径、純水透水率、破断強度および破断伸度、粘度平均分
子量は以下の測定法により決定した。 平均孔径:ASTM:F316−86記載の方法(別
称:ハーフドライ法)に従って測定した。使用液体にエ
タノールを用い、昇圧速度0.01atm/秒、25℃
で測定した。平均孔径[μm]は、下記式より求まる。
【0020】
【数1】
【0021】エタノールの25℃における表面張力は2
1.97dynes/cmである(日本化学会編、化学
便覧基礎編改訂3版、II−82頁、丸善(株)、19
84年)ので、 平均孔径[μm]=62834/(ハーフドライ空気圧
力[Pa]) にて求めることができる。 純水透水率:膜をエタノール浸漬した後、数回純水浸漬
を繰り返した約10cm長の湿潤中空糸膜の一端を封止
し他端の中空部内へ注射針を入れ、25℃の環境下にて
注射針から0.1MPaの圧力にて25℃の純水を中空
部内へ注入し、外表面から透過してくる純水の透過水量
を測定し、以下の式により純水透水率を決定した。
【0022】
【数2】
【0023】ここに膜有効長とは、注射針が挿入されて
いる部分を除いた、正味の膜長を指す。 破断強度および破断伸度:引っ張り試験器(島津製作所
製オートグラフAG−A型)を用い、中空糸をチャック
間距離50mm、引っ張り速度200mm/分にて引っ
張り、破断時の荷重と変位から、以下の式により破断強
度および破断伸度を決定した。
【0024】
【数3】
【0025】ここに、 膜断面積[cm2]=π×{(外径[cm]/2)2
(内径[cm]/2)2} である。 破断伸度[%]=100×(破断時の変位[mm])/
50 粘度平均分子量:ポリエチレンの粘度平均分子量(M
v)は、135℃におけるデカリン溶液の固有粘度
([η])を測定して、下記式より求めた(J.Bra
ndrup and E.H.Immergut(Ed
itors)、Polymer Handbook(2
nd Ed.)、IV−7頁、John Wiley
& Sons、New York、1975年)。 [η]=6.8×10-4×(Mv)0.67
【0026】
【実施例1】高密度ポリエチレン(三井化学製:ハイゼ
ックスミリオン030S、粘度平均分子量:45万)2
0重量部と、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(チッソ
製、略称DOP)と流動パラフィン(松村石油研究所
製:スモイル P−350P、略称LP)との重量比に
て90/10(DOP/LP=90/10)の混合有機
液体80重量部とを、2軸混練押し出し機(東芝機械
製:TEM−35B−10/1V)で加熱混合(230
℃)して均一な1相に溶融混合し、押し出し機の先端の
ヘッド(230℃)内の押し出し口に装着した中空糸成
型用紡口の押し出し面にある外径1.58mm/内径
0.83mmの溶融物押し出し用の円環穴から上記溶融
物を押し出し、そして溶融物押し出し用円環穴の内側に
ある0.6mmφの中空部形成流体吐出用の円形穴から
中空部形成流体としてDOPを吐出させ、中空糸状押し
出し物(溶融物)の中空部内に注入した。
【0027】紡口から押し出した中空糸状押し出し物を
1.5cmの空中走行距離を経て、30℃の水の入った
液浴中を約2m通過させて冷却固化させた後、中空糸状
物に張力をかけることなく16m/分の速度で液浴中か
ら液浴外へ巻き取った。次いで得られた中空糸状物を室
温の塩化メチレン中で攪拌なしで30分間以上の浸漬を
5回繰り返して、中空糸状物内の有機液体(DOP、L
P)と中空部形成流体(DOP)を抽出除去し、次いで
50℃にて半日乾燥させて残存塩化メチレンを揮発除去
した。得られた膜の諸物性(破断強度、破断伸度、純水
透水率、平均孔径、糸径)と使用した混合有機液体のH
LB値を表1に示す。
【0028】
【実施例2】有機液体をフタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル(実施例1と同社製)と流動パラフィン(実施例1と
同社製)との重量比にて87/13(DOP/LP=8
7/13)である混合有機液体にした以外は実施例1と
同様にして製膜を行った(高密度ポリエチレンと混合有
機液体との重量比は20/80)。得られた膜の諸物性
(破断強度、破断伸度、純水透水率、平均孔径、糸径)
と使用した混合有機液体のHLB値を表1に示す。
【0029】
【実施例3】有機液体をフタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル(実施例1と同社製)と流動パラフィン(実施例1と
同社製)との重量比にて80/20(DOP/LP=8
0/20)である混合有機液体にした以外は実施例1と
同様にして製膜を行った(高密度ポリエチレンと混合有
機液体との重量比は20/80)。得られた膜の諸物性
(破断強度、破断伸度、純水透水率、平均孔径、糸径)
と使用した混合有機液体のHLB値を表1に示す。
【0030】
【比較例1】有機液体をフタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル(実施例1と同社製)にした以外は実施例1と同様に
して製膜を行った(高密度ポリエチレンと有機液体との
重量比は20/80)。得られた膜の諸物性(破断強
度、破断伸度、純水透水率、平均孔径、糸径)と使用し
た有機液体のHLB値を表1に示す。
【0031】
【実施例4】有機液体をフタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル(実施例1と同社製)と流動パラフィン(実施例1と
同社製)との重量比にて87/13(DOP/LP=8
7/13)である混合有機液体にし、液浴を上層部(D
OP、1.5cm)と下層部(水、12cm)からなる
2層浴とした以外は実施例1と同様にして製膜を行った
(高密度ポリエチレンと混合有機液体との重量比は20
/80)。得られた膜の諸物性(破断強度、破断伸度、
純水透水率、平均孔径、糸径)と使用した混合有機液体
のHLB値を表1に示す。
【0032】
【比較例2】有機液体をフタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル(実施例1と同社製)にした以外は実施例4と同様に
して製膜を行った(高密度ポリエチレンと有機液体との
重量比は20/80)。得られた膜の諸物性(破断強
度、破断伸度、純水透水率、平均孔径、糸径)と使用し
た有機液体のHLB値を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明により、除濁等の濾過用途に好適
である緻密な細孔と高い透水能力をもち、かつ高い強度
をもつポリエチレンよりなる中空糸状多孔膜の製法が提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエチレンと有機液体との相図の概念図であ
る。
【符号の説明】
イ ・・・ 紡口吐出時点の相溶物 ロ ・・・ 空中走行部および液浴中での冷却過程 ハ ・・・ 液浴出の固化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 B29K 23:00 105:04 105:04 B29L 22:00 B29L 22:00 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA01 JA02C MA01 MA22 MA33 MB02 MB16 MB20 MC22 MC22X NA23 NA26 NA40 NA54 NA64 PA02 PA05 4F074 AA17 AA18 AD00 AD01 AD11 CB34 CB43 CC04X CC05X CC22X CC27Z CC28Z CC29Y CC45 DA03 DA08 DA24 DA44 4F207 AA04 AB19 AG07 AG14 AG20 AH17 AH33 KA01 KA07 KA17 KF03 KK13 4L035 AA05 AA09 DD03 DD07 FF01 MA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンと有機液体を高温にて溶融
    混合した後、該溶融物を中空糸成形用紡口から押し出
    し、冷却、固化した後に、該有機液体を除去してポリエ
    チレン製中空糸状多孔膜を得る製法において、該有機液
    体のHLB値が3.0以上4.5未満であることを特徴
    とするポリエチレン製中空糸状多孔膜の製法。
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