JP2001086410A - ディジタル診断画像のダイナミック・レンジを制御する方法及び装置 - Google Patents
ディジタル診断画像のダイナミック・レンジを制御する方法及び装置Info
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Abstract
断画像のダイナミック・レンジを制御する方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 患者を表わす原医用画像のダイナミック
・レンジと目標ダイナミック・レンジとの間の関係を定
義する表示マップを生成し、表示マップ及び原医用画像
に基づいて目標ダイナミック・レンジを有する表示画像
を作成する。表示マップは、グレイ・レベル−光学濃度
モデルとグレイ・レベル標準表示関数の逆関数とを組み
合わせることにより得ることができる。グレイ・レベル
−光学濃度モデルは、原医用画像のグレイ・レベルと原
医用画像に関連する所望の出力医用画像についての目標
光学濃度との間の関係を定義する。このモデルは、所望
のフィルム種別のフィルム特性、特定の解剖学的構造に
ついての所望のコントラストに関係した選択された光学
濃度、及び原医用画像について測定されたダイナミック
・レンジに基づいて定められる。
Description
断撮像に関し、具体的には、表示されるディジタル医用
画像のダイナミック・レンジを調節する方法及び装置に
関する。
る医用診断ツールである。X線撮像システムは、医師が
正確な診断を下すのに必要な情報をしばしば含んでいる
画像、例えば、胸部、頸部、脊椎、頭部及び腹部の画像
を撮影するのに広く用いられている。例えば、胸部X線
画像を撮影しているときには、X線技師がX線センサ及
びX線源を適当な高さに配置すると、患者が胸部をX線
センサに押圧して立つ。次いで、X線センサは、線源に
よって発生されて人体の異なる部分によって様々な程度
に減弱したX線エネルギを検出する。付設されている制
御システムが、検出されたX線エネルギを悉く走査し
て、表示器上の対応する診断画像を準備する。選択によ
っては、X線センサは、ソリッド・ステート型ディジタ
ル画像検出器であってもよい。X線センサが伝統的なス
クリーン/フィルム構成である場合には、スクリーンが
X線を光に変換し、この光にフィルムを露出する。
線手法は操作者によって選択されている。露出されるフ
ィルムの望ましい光学濃度を得るために、操作者又は自
動露出制御システムが、選択されたスクリーン/フィル
ム構成に望ましい露出を選択し又は決定する。光学濃度
は、一度X線に露出されて得られたフィルムの「明る
さ」又は「暗さ」を表わす。検出器又はスクリーン/フ
ィルムのX線への露出の態様(例えば、時間、配向等)
を制御することにより、フィルムの明るさ又は暗さが変
化する。医師が放射線画像を解析して診断及び検査を行
うのを支援するためには、1つの露出と次の露出とでは
一貫した光学濃度を達成することが好ましい。スクリー
ン/フィルム・コンビネーション系は、X線への露出に
対して線形の応答を有している訳ではなく、非線形であ
って、特定のスクリーン/フィルム・コンビネーション
についてのX線感光曲線によって定義される。感光曲線
は、入射線への露出を得られる光学濃度に関連付ける。
スクリーン/フィルム・コンビネーションの非線形応答
は、露出レンジの中央に位置する露出レベルで所望の画
像コントラストを与える。非線形応答は、中央レンジの
外部の画像コントラストを圧縮する。スクリーン/フィ
ルム・コンビネーションのダイナミック・レンジは「固
定」されている。操作者は(又は自動露出制御システム
を介して)、診断領域の透過X線への露出がスクリーン
/フィルムの限定された中間ダイナミック・レンジの範
囲内に納まるように露出を調節しようとする。1人の患
者と次の患者、1つのフィルム種別と次のフィルム種
別、1つの医用撮像システムと別の医用撮像システム、
また1つの配向と次の配向とではそれぞれに異なる露出
が生ずる。
ば、各患者毎に、各フィルム毎に、各システム毎に、ま
た各患者角度毎に)、固有の差のため一貫した光学濃度
を維持するのは極めて困難であった。例えば、各々の患
者は僅かに異なる体格及び解剖学的構造を有し、これに
より、患者の体内器官は異なるX線減弱量を有すること
になり、また、各々の患者の解剖学的構造は検出器又は
スクリーン/フィルムに対して異なる位置に位置する可
能性がある。例えば、胸部画像のX線を得ようとする場
合に、各々の患者の肺及び胸郭は、異なる寸法を有して
いる。結果的に生ずるX線減弱量のばらつきにより、露
出間で大きなばらつきが生ずる。更に、患者の位置及び
配向が変化する場合にも露出間でばらつきが生ずる。露
出間でのばらつきにより、特定の露出についての診断用
露出レンジが検出器の「望ましい」露出レンジの外部に
なり、また診断用ダイナミック・レンジを圧縮する可能
性がある。結果として得られる光学濃度は、患者の特定
の病状、患者の体内の異物(例えば、ペースメーカ
等)、患者の体厚差、並びにX線取得パラメータ(例え
ば、X線エネルギ、線量及び照射時間等)の差により変
動し得るものとなる可能性がある。
的な光学濃度とを制御する試みとして、放射線システム
に併設した自動露出制御が広く用いられている。自動露
出制御システムは典型的には、検出器又はスクリーン/
フィルム・コンビネーションに近接して且つ患者に近接
して配置されているX線感受性電離箱を用いる。例え
ば、操作者は、患者の肺が胸部検査用に選択された電離
箱に近接するように患者を配置する。自動露出制御は、
所定の線量が測定されたときにX線照射を停止する。
難点がある。具体的には、個々の患者の肺の正確な位置
は未知であるのに、電離箱の位置は固定されている。従
って、患者が異なると検出器の結果的な露出に絶えず大
きなばらつきが生じる。例えば、電離箱は実際には、患
者によっては肺に近接して配置されていないかも知れな
い。電離箱が肺以外の解剖学的構造に近接して配置され
ていると、自動露出制御は誤った測定値に基づいて照射
を停止する。胸部フィルムのうち何らかの百分率のもの
が過度に暗い又は過度に明るい画像のいずれかを形成す
る。画像が過度に暗いか又は過度に明るいと、医用画像
をあらためて撮影するためにX線検査を繰り返す必要が
生じ得る。医用画像をあらためて撮影するのは非常に時
間浪費的である。また、フィルムの現像には例えば5分
乃至15分と比較的長時間が必要であり得、その間、患
者は画像取得域に放置される可能性がある。
X線手法と組み合わされる検出器又はフィルム/スクリ
ーン構成の種別の選択によって決定される。検出器及び
スクリーン/フィルム構成の種別が異なると、画像コン
トラストの量、信号対ノイズ比(SNR)及びダイナミ
ック・レンジが異なってくる。従来は、SNRは入射線
への露出を変化させることにより修正されている。しか
しながら、露出レベルを変動させつつ一定の光学濃度を
維持するためには、所期のダイナミック・レンジに適合
するように検出器、フィルム又はスクリーンの種別を変
更しなければならない。検出器、スクリーン又はフィル
ムを変更するのは極めて煩雑であり、従って滅多に行わ
れない。
るディジタル検出器が提案されている。ディジタル検出
器は、従来のスクリーン/フィルム構成よりもかなり大
きいダイナミック・レンジを提供し、典型的には、2倍
乃至3倍もの大きさとなっている。現在のところ、相対
的に大きいが有限な検出器のダイナミック・レンジに対
応するようにディジタル検出器の露出を制限するために
は、依然として自動露出制御及び/又は操作者に頼らね
ばならない。ディジタル式で検出された画像は、フィル
ムと同様の所期の感光曲線を達成するように画像処理さ
れ得る。すなわち、ダイナミック・レンジはコントラス
ト・ルックアップ・テーブルを介してマッピングされ
て、プリント時又は目視時に望ましいコントラスト及び
光学濃度を達成している。
術の出現により、検査のために医師に対して医用画像の
「ソフト・コピー」を提供することが望ましくなってい
る。ソフト・コピーとは、医用画像が画像処理された後
のテレビジョン及びコンピュータ・スクリーン等での医
用画像の表示を指す。ソフト・コピー医用画像は、多く
の場合には、従来ならば露出されたX線フィルム上に形
成されていたもののような医用画像のハード・コピーに
代わるものである。ハード・コピーX線フィルムは、医
師による検査のためにバック・ライト式の光を当てるよ
うに支持される。電子的な医用画像は、検査を行う医師
に対してハード・コピーよりも迅速に届けられ、また、
より大きな目視柔軟性を提供する。
・コピー医用画像には幾つかの欠点がある。例えば、電
子的に表示されるときの医用画像のコントラスト又は光
学濃度が、医用画像のコントラスト又は光学濃度と大幅
に異なっている場合がある。コントラスト又は光学濃度
の差は、ハード・コピーを解析することに慣れてきた医
師にとっては望ましくない可能性がある。また、医師が
ソフト・コピー及びハード・コピーを交互に利用すると
きには、一貫した両者のコントラスト又は光学濃度を維
持することが望ましかろう。加えて、医師にとっては、
患者の特定の解剖学的構造に対応する領域の部分集合に
おいてダイナミック・レンジを最適化することが望まし
い場合もある。迅速なアクセスを提供するために、限定
された数のコントラスト/光学濃度設定をプリセットす
る機構が必要である。
ステムでは、医用画像のダイナミック・レンジの非理想
的な圧縮が見受けられている。ディジタル検出器は典型
的には、各々のピクセル位置毎に8ビット乃至16ビッ
トの値を記憶する。従って、14ビットの検出器は、約
1乃至16,000のダイナミック・レンジを提供す
る。しかしながら、実際の診断用レンジでは検出器のダ
イナミック・レンジの部分集合のみが用いられる可能性
がある。つまり、出力装置すなわちモニタ又はディジタ
ル・フィルム・プリンタのダイナミック・レンジは典型
的には、8ビット、10ビット又は12ビットのデータ
値をサポートしている。
出器ピクセル値を医用画像のピクセル値にマッピングす
る固定されたダイナミック・レンジ関係を用いている。
従って、検出された画像からディジタル画像が形成され
るときには、出力される医用画像は、検出器のダイナミ
ック・レンジよりも遥かに小さいダイナミック・レンジ
に制限される。例えば、画像処理後の医用画像は、8ビ
ットのピクセル値に制限されたピクセル値を含んでい
る。これにより、1乃至256のグレイ・スケール値か
ら成るダイナミック・レンジを提供することができる。
従って、画像処理システムは、ピクセル当たり14ビッ
トの値からピクセル当たり8ビットの値へ画像のダイナ
ミック・レンジを圧縮する。ダイナミック・レンジを圧
縮すると、一般に、不均等な光学濃度が生ずる。従来の
システムの固定されたダイナミック・レンジ関係は、ダ
イナミック・レンジ圧縮について補正されていない。
共に用いるための改善されたダイナミック・レンジの検
出及び制御の方法及び装置が必要とされている。
れば、医用診断撮像システムのためにディジタル医用画
像のダイナミック・レンジを制御する方法及び装置が提
供される。先ず、特定の解剖学的構造について、フィル
ム種別が光学濃度と共に選択される。システムは、多数
のフィルム種別及び/又は多数の解剖学的構造に関連し
た特性を記憶することができる。一旦、特定のフィルム
種別が選択されると、メモリからこのフィルム種別につ
いての最大及び最小光学濃度が取得される。次に、原医
用画像について、画像全体にわたって又は画像の部分領
域においてのいずれかで統計的方法を用いて、検出され
た医用画像のダイナミック・レンジを表わす特性が取得
される。検出された画像についてのダイナミック・レン
ジ特性、選択されたフィルムの特性及び特定の解剖学的
構造についての光学濃度を用いて、原医用画像のグレイ
・レベルと所望の出力表示医用画像についての目標光学
濃度との間の関係を定義する「感光度」モデルを形成す
る。プリンタ又はモニタ等を介して利用者に表示される
表示画像のグレイ・レベルを較正するために、出力装置
の特性曲線(グレイ・レベル表示関数)の逆関数が算出
される。感光度モデルを、この特性曲線又はグレイ・レ
ベル表示関数と関連した逆関数と組み合わせて、原医用
画像のダイナミック・レンジと原医用画像から形成され
るべき所望の表示画像についての目標ダイナミック・レ
ンジとの間の関係を定義する自動コントラスト・マップ
を形成する。次いで、原医用画像は自動コントラスト・
マップを通過して最終表示画像を形成し、最終表示画像
は、ライト・ボックス上のプリントされたフィルム又は
モニタ等を介して利用者に対して表示される。
画像を取得するためにディジタル検出器を用いてもよい
し、又はフィルム/スクリーン構成を用いてもよい。
濃度モデルは、予め定義されている最大及び最小光学濃
度と、特定の解剖学的構造に関連するN個の選択された
光学濃度と、原医用画像から得られる測定グレイ・レベ
ルであって、N個の光学濃度に関連した選択された解剖
学的構造に相関している測定グレイ・レベルとに基づい
ている。これらのグレイ・レベルは、較正可能な関数を
用いて対数露出領域へ変換される。グレイ・レベル対光
学濃度モデルは、S字形の曲線又は線形の曲線に相当し
得る。選択によっては、グレイ・レベル対光学濃度モデ
ルは、特定の解剖学的構造について利用者が選択した光
学濃度及び/又は測定された光学濃度に基づいて、原医
用画像のダイナミック・レンジを目標ダイナミック・レ
ンジに相関させてもよい。グレイ・レベルと光学濃度と
の間の関係の特徴を表わす感光曲線を記憶するためにル
ックアップ・テーブルを用いることができる。ルックア
ップ・テーブルを用いてグレイ・レベル対光学濃度モデ
ルを定義し、次いで、グレイ・レベル対光学濃度モデル
を用いて自動コントラスト・マップを形成することがで
きる。
/又は解剖学的領域についてのフィルム特性を記憶して
おいてもよく、操作者が所望のフィルム種別を選択する
と、これらのフィルム特性のうち1つが選択される。こ
れらのフィルム特性は、関連するフィルム種別について
の最大及び最小光学濃度特性を含み得る。また、自動コ
ントラスト・マップは、ルックアップ・テーブルとして
記憶されてもよい。
で特定の解剖学的構造に関連した関心領域を選択する場
合に、グレイ・レベル対光学濃度モデルを局在化された
特性曲線で置き換えてもよい。局在化された特性曲線
は、原医用画像についてのダイナミック・レンジの一部
と特定の解剖学的構造についての拡張された目標ダイナ
ミック・レンジとの間の関係を定義する。自動コントラ
スト・マップは、局在化された特性曲線及び出力装置グ
レイ・レベル表示関数の逆関数から形成される。
って構成されている医用撮像システムを示している。医
用撮像システム8は、画像取得ワークステーション10
と、患者検査サブシステム12とを含んでいる。患者検
査サブシステム12は、制御回路14によって制御され
る線源16を含んでいる。線源16は、放射線等の媒体
18を患者20を通して放出する。ディジタル検出器2
2が、患者20を通過した媒体18を検出する。検出器
出力回路24が、ディジタル検出器22によって記憶さ
れた情報を、画像取得ワークステーション10によって
処理可能な電子形態へ変換する。画像取得ワークステー
ション10は、検出器出力回路24からの入力を受け取
って、この入力に基づいて、生のディジタル画像をダイ
ナミック・レンジ検出サブシステム26へ渡す。
6は、ディジタル検出器22によって取得されたディジ
タル医用画像の全部又は部分のダイナミック・レンジを
算出する。代替的には、ダイナミック・レンジ検出サブ
システム26は、ディジタル検出器22によって取得さ
れた医用画像内の関心領域又は特定の解剖学的構造のダ
イナミック・レンジを算出してもよい。少なくとも1つ
のダイナミック・レンジ検出サブシステムの詳細な具現
化形態が、1999年6月24日出願の、発明者Kennet
h Kumpによる米国特許出願第09/344190号、発
明の名称「ディジタル医用画像のダイナミック・レンジ
を決定する方法及び装置(Method andApparatus for De
termining A Dynamic Range of A Digital Medical Ima
ge)」に記載されている。なお、この出願は、本出願人
に譲渡されている。ダイナミック・レンジ検出サブシス
テム26は、ディジタル医用画像の全部又は部分のダイ
ナミック・レンジを表わす少なくとも1つのダイナミッ
ク・レンジ特性を生成する。ダイナミック・レンジ検出
サブシステム26によって生成されるダイナミック・レ
ンジ特性は例えば、ディジタル医用画像全体、ディジタ
ル医用画像内の臨床的区域、解剖学的構造又は関心領域
についての最大及び最小グレイ・レベルであり得る。代
替的には、ダイナミック・レンジ特性は、医用画像全
体、解剖学的構造、臨床的区域又は関心領域等の領域に
ついての平均グレイ・レベル、メジアン・グレイ・レベ
ル、相加平均グレイ・レベル及びグレイ・レベルの標準
偏差等に相当し得る。この領域は、自動的に選択されて
もよいし、利用者が描線してもよいし、又は何らかの利
用者制御式インタフェイスを介して選択されてもよい。
表示器28と、ユーザ・インタフェイス30とを含んで
おり、それぞれ操作者に対して情報を表示し、また操作
者からの情報を取得する。画像取得ワークステーション
10は、取得された医用画像のダイナミック・レンジを
制御するために後述する処理系列を実行する少なくとも
1つのCPU32とメモリ34とを含んでいる。画像取
得ワークステーション10は、ダイナミック・レンジ調
節の後の処理済医用画像を表示する遠隔モニタ36に接
続されている。モニタ36に表示される医用画像は、医
用画像の「ソフト・コピー」に相当しており、より一般
的には、フィルムにプリントされて、ハード・コピーと
してバック・ライト式ボード上で医師によって目視され
る。画像取得ワークステーション10は、ライト・ボッ
クス上に配置して解析するためのフィルムを形成するデ
ィジタル・レーザ・カメラ等のプリンタ38に接続され
ていてもよい。
用画像を受け取る入力を含んでいる。画像取得ワークス
テーション10には、原医用画像のダイナミック・レン
ジと目標ダイナミック・レンジとの間の関係を定義する
表示マップが記憶されている。画像取得ワークステーシ
ョン10内のCPUは、内部に記憶されている表示マッ
プに基づいて原医用画像から表示画像を形成する。画像
取得ワークステーション10への入力は、ディジタル検
出器であってもよい。画像取得ワークステーション10
は、原医用画像のグレイ・レベルと、原医用画像に関連
する所望の出力医用画像についての目標ダイナミック・
レンジの目標光学濃度との間の関係を定義するグレイ・
レベル−光学濃度モデルを算出するモジュールを含み得
る。このモデルは、所望のフィルム種別のフィルム特
性、選択された解剖学的構造について選択された光学濃
度、及び原医用画像について測定されたダイナミック・
レンジ等に基づくものであり得る。算出用モジュール
は、解剖学的構造について利用者が選択した光学濃度及
び測定された光学濃度に基づいて、原医用画像のダイナ
ミック・レンジを目標ダイナミック・レンジに相関させ
るグレイ・レベル−光学濃度モデルを算出することがで
きる。ルックアップ・テーブルが、グレイ・レベルと光
学濃度との間の関係の特徴を表わす感光曲線を記憶する
ことができる。表示マップの関係は、ルックアップ・テ
ーブルに記憶されている感光曲線に基づいていてもよ
い。画像取得ワークステーション10内のメモリは、多
数のフィルム種別についてのフィルム特性を記憶するこ
とができる。表示マップの関係は、メモリに記憶されて
いる多数のフィルム種別のうち1つのフィルム種別につ
いて記憶されているフィルム特性に基づいていてもよ
い。表示マップは、ルックアップ・テーブルに記憶する
ことができる。表示マップは、自動コントラスト・マッ
プ46(図1)を含み得る。算出用モジュールは、図1
のCPU32を含み得る。
フィルム露出と光学濃度との間の予め決定されている関
係を定義する方程式又はルックアップ・テーブル等のフ
ィルム特性40の組を記憶するメモリを含んでいる。フ
ィルム特性40の各々の組は、例えばKodakのInsight系
列のスクリーン/フィルム・コンビネーションすなわち
Regular Screen/IT Film、High Contrast Screen/IT Fi
lm及びVery High Contrast Screen/ITC Film等の特定の
種別のアナログ・フィルムに関連付けられている。80
0スピード、400スピード及び200スピード等のよ
うに異なるスピードを有するフィルム毎に別個のフィル
ム特性を記憶することができる。フィルム特性は、市販
のフィルムに対応している必要はなく、その代わりに、
目標のフィルム、理論的なフィルム又は仮想的なフィル
ムであってもよい。異なる種別のフィルムは、露出と光
学濃度との間に異なる関係を呈する。フィルムの特性
は、メーカー、フィルムのスピード(例えば、800、
400、200)、フィルムのコントラスト及びフィル
ム種別に依存し得る。
ーション10はグレイ・レベル−光学濃度モデル42を
生成する。モデル42は、ディジタル検出器22のグレ
イ・レベルと予め定義された又は操作者によって定義さ
れた所望の光学濃度との間の具体的な関係を定義してい
る。例えば、操作者は、特定のフィルム種別と、特定の
解剖学的構造について所望の光学濃度とを選択すること
ができる。画像取得ステーション10においては、表示
較正関数の逆関数44もまた生成される。表示較正関数
の逆関数44は、グレイ・レベルと、モニタ36又はプ
リンタ38等の出力装置の光学濃度又は輝度(luminanc
e)との間の関係を定義する。関心領域又は臨床的区域
についてディジタル検出器22によって検出された原グ
レイ・レベルを、モニタ36又はプリンタ38等の較正
済出力装置へ送ることのできる表示グレイ・レベルを包
含する目標ダイナミック・レンジへマッピングするため
に、画像取得ワークステーション10によって自動コン
トラスト・マップ46が生成される。画像取得ワークス
テーション10は、取得された医用画像を自動コントラ
スト・マップ46に通過させて、フィルムを模擬する結
果を与える医用画像を較正済のプリンタ又はモニタ上に
プリント又は表示する。患者の胸部を検査する場合に
は、プリント又は表示される医用画像は、所定の所望の
肺用光学濃度を有する肺野と、所定の所望の横隔膜用光
学濃度を有する横隔膜(脊椎)とを含むものとなる。
較正することができる。Barten較正関数は表示較正関数
であり、この関数から、表示較正関数の逆関数44を算
出することができる。Barten較正関数はDICOM規格
の一部として定義されている周知の関数に相当する。Ba
rten較正関数は、グレイ・レベルと輝度との間の標準的
な関係を記述するものであり、輝度は光学濃度へ変換す
ることができる。
ジタル検出器22によって取得されたディジタル医用画
像内の臨床的に意味のある区域又は関心領域についての
グレイ・レベルのダイナミック・レンジを取り扱う。画
像取得ワークステーション10は、ディジタル検出器2
2によって取得された医用画像についての診断用レンジ
の差を調整する。画像取得ワークステーション10は更
に、プリンタ38によってプリントされ又はモニタ36
によって表示される医用画像に、プリンタ種別又はモニ
タ種別に独立に一貫した光学濃度を保証する。プリンタ
38によって形成される制御された光学濃度を有するフ
ィルムにバック・ライトを当てることにより発生される
輝度は、モニタ36上に表示される画像の輝度に対応し
たものとなる。画像取得ワークステーション10は、利
用者に対して、特定の解剖学的構造について所望の光学
濃度を選択し且つ/又は各々の応用について所望のフィ
ルム種別を選択する能力を与える。加えて、利用者は、
解剖学的領域に対応して関心領域を選択したり、又は自
動的に算出された目標値を操作したりすることができ
る。
と光学濃度特性との間の関係のグラフ図を示している。
例えば、フィルムはKodakのVHC Screen/ITC Filmコンビ
ネーションに相当し得る。図2のグラフは、横軸に沿っ
て対数尺度でフィルムの相対露出を示している。縦軸
は、フィルムの光学濃度を示している。図2の例示的な
フィルムは、相対的なグレイ・レベルと光学濃度との間
にS字形の関係を呈しており、最初の圧縮された下端部
100と、後部の圧縮された上端部102とを有してい
る。グラフの中央には実質的に線形の部分104が位置
している。
を有する例示的なフィルムに関連した1組の曲線を示し
ている。ここでも、横軸は対数尺度に沿って相対露出を
表わしており、縦軸は各々の露出に関連付けられた光学
濃度を示している。特性曲線106、108及び110
は、異なるフィルム・コントラスト、例えば、超高コン
トラスト、高コントラスト及びレギュラーに対応してい
る。曲線112は、曲線106、108及び110より
も低いスピードのコンビネーションに相当している。選
択によっては、特定のフィルムについての露出対光学濃
度特性を表わすこの1組の曲線を、画像取得ワークステ
ーション10内にフィルム特性40の組として記憶して
おいてもよい。特性曲線106〜112は、ルックアッ
プ・テーブルとして記憶されてフィルム特性40を形成
していてもよい。代替的には、特性曲線106〜112
は、特定の曲線をフィルム特性40として定義する方程
式として記憶されていてもよい。更なる代替的な方法と
しては、曲線に沿った最大点及び最小点等の各々の曲線
106〜112に沿った幾つかの点のみを記憶してもよ
い。
ており、この関数118は、画像取得ワークステーショ
ン10内に露出−光学濃度モデル42として記憶してお
くことができる。露出−光学濃度関数118は、ディジ
タル検出器22によって得られる医用画像のグレイ・レ
ベルと、医師若しくは操作者によって定義されるか又は
履歴データ若しくは利用者の好みに基づいて予め設定さ
れている目標光学濃度との間の関係を定義するフィルム
と同様のモデルに相当し得る。ディジタル検出器は一般
的には、入射線への露出に対して非線形の応答を有す
る。従って、グレイ・レベルから対数露出空間への変換
が対数型関数(flog)を介して行われる。この関数
を較正することもできるし、又は指定することもでき
る。図4の露出/光学濃度関数は、横軸に沿って、ディ
ジタル検出器22によって検出された原取得医用画像の
対数露出又はflog(グレイ・レベル)を示してい
る。縦軸は、操作者によって望まれるか又は利用者の好
みに基づいて予め設定されている光学濃度に対応してい
る。図4は、最初の下端部120と後部の上端部122
とを有するS字形の関数を示している。下端部120及
び上端部122は、幾分か線形の部分124によって分
離されている。図4に示す例示的な関数では、縦軸に沿
った光学濃度(OD)は、次の方程式に従って定義され
る。
している。
底とする対数値又はディジタル検出器22における特定
のピクセルのflog(グレイ・レベル)の関数であ
る。光学濃度はまた、変数p0、p1、p2及びp3の
関数でもある。ここで、p0〜p3は、次の方程式を用
いて解かれる。
[gi,ODi],i=1,....,Nを用いてパラメー
タp0及びp1を推定する。このとき、フィッティング
誤差の全平均平方は最小化されている。[g1,OD
1]及び[g2,OD2]という2つの対を用いる場合
には(N=2)、(式4)を次のように単純化すること
ができる。
ィルムの最大及び最小光学濃度値に対応している。関数
flog( )は、グレイ・レベルを対数露出へ変換す
るものであり、固定されていてもよいし、又は較正され
てもよい。値MaxOD及びMinODは、フィルム特
性40として又はフィルム特性40に基づいて記憶され
得る。値MaxOD及びMinODは、利用したい所望
のフィルムの種別に基づいている。選択されたフィルム
についての最大及び最小光学濃度は、フィルムの光学濃
度についての最大値及び最小値を含めた具体的なフィル
ム動作特性を記載したフィルムのメーカによって供給さ
れるデータ・シートから得ることができる。
択されるか又は予め定義されている第1及び第2の解剖
学的光学濃度に対応している。例として述べると、解剖
学的光学濃度OD1及びOD2は、所与の検査種別にお
いて目視したい特定の解剖学的構造、例えば肺及び脊椎
に対応したものとすることができる。医師は、胸部X線
を目視するときに、結果として得られる表示画像内の肺
が特定の光学濃度、例えば2.5を有することを望むか
も知れない。医師は更に、結果として得られる表示画像
内の脊椎が異なる特定の光学濃度、例えば0.7を有す
ることを望むかも知れない。このように、第1及び第2
の解剖学的光学濃度OD1及びOD2を肺及び脊椎につ
いて選択することができる。代替的には、OD1及びO
D2は、骨及び軟組織等のような異なる解剖学的構造に
対応していてもよい。代替的には、医師が光学濃度OD
1及びOD2を選択しなくてもよい。その代わりに、O
D1及びOD2をシステムにおいて予め定義して、履歴
情報並びに/又は過去の医師及び操作者の好みに基づい
てメモリ34に記憶しておくことができる。
米国特許出願において詳細に説明されているように、ダ
イナミック・レンジ検出システム26によって供給され
る測定されたグレイ・スケール値に対応している。例と
して述べると、測定されたグレイ・レベルg1及びg2
は、ディジタル検出器22によって得られた医用画像か
らの臨床的区域又は関心領域についての最大及び最小グ
レイ・レベルに相当し得る。関数flogは、グレイ・
レベルを対数露出へ変換する。1つの具現化形態では、
検出器は露出に対して線形であってもよく、関数は単純
な10を底とした対数であってもよい。後に説明するよ
うに、一旦、画像取得ワークステーション10によって
MaxOD、MinOD、OD1、OD2並びにg1及
びg2が決定されたら、ディジタル検出器22によって
取得される特定の原医用画像について式1〜式7に従っ
てグレイ・レベル−光学濃度モデル42を定義すること
ができる。
ケール標準表示関数及びその具現化形態を示している。
図7Aは、横軸に沿って、例えば0と256との間にあ
る出力装置のグレイ・レベルのディジタル値を示してい
る。図7Aの縦軸は、出力装置が0と256との間にあ
る対応するグレイ・レベル・ディジタル値を受け取った
ときに特定のピクセルにおいて生成される輝度のレベル
を示している。グラフ200は、一般的な容認された
「標準」を示しており、この標準に関して表示装置は動
作すべきである(例えば、装置は0〜256のビット値
を受け取るとグラフ200に従って輝度を出力すべきで
ある。)。グラフ202は、例示的な出力装置を較正す
る際に測定される一連の輝度値を示している。プリンタ
及びモニタ等の出力装置は、経時的変化及び消耗等が装
置性能に影響を与えるので、予め決定されている一定の
輝度を装置の全寿命にわたって提供する訳ではない。従
って、装置は輝度と入力グレイ・レベルとを相関させる
ように較正されねばならない。曲線202に沿っている
測定されたデータ点は、出力装置が較正されていない場
合に、出力装置によって特定のグレイ・レベルの受け取
りに応答して生成される輝度を示している。例えば、出
力装置が64のグレイ・レベルを受け取った場合には、
出力装置は約1.6の輝度(点204)を有するピクセ
ルを形成する。しかしながら、装置が理想的に誤差なく
動作していれば、64のグレイ・レベル入力を受け取っ
た場合には約4.0の輝度(点206)を有するピクセ
ルを形成するものと期待される。
いられ、この較正は、各々の入力グレイ・レベルについ
て、所望の輝度値を生成するような較正された又は補正
されたグレイ・レベルを算出することにより行われる。
図7Aの例では、グレイ・レベル64が較正されていな
い装置に入力された場合には、標準表示関数は、所望の
輝度(点206)を識別して、出力装置に入力された場
合に所望の輝度を生成する補正されたグレイ・レベル
(点208)を識別する。図7Aの例では、点208に
おける較正されたグレイ・レベルは約98に対応してい
る。図7Aに示す点204〜点208の間での補正処理
は、各々のピクセル値毎に繰り返されて、図7Bに示す
ようなグレイ・スケール標準表示関数に相当し得る較正
曲線210を形成する。
関連した0と256との間にあるグレイ・レベルを示し
ている。縦軸は、較正後の出力装置のグレイ・レベルを
示している。較正曲線210は、入力画像の各々のグレ
イ・レベルと補正後のグレイ・レベルとの間の関係を定
義しており、所望の輝度を得るためには補正後のグレイ
・レベルを出力装置に供給しなければならない。図7A
及び図7Bの例では、原入力画像からのグレイ・レベル
64は、図7Aにおいて較正後のピクセル値98に対応
するように決定されていた。従って、較正曲線210
は、原画像からのグレイ・レベル64を出力装置に供給
されるべきグレイ・レベル98に関連付ける点212を
含んでいる。
される処理系列を示している。ステップ300で開始す
ると、利用者は、フィルム種別と、特定の解剖学的構造
についての目標光学濃度とを選択する。選択されるフィ
ルム種別は、医師の好みのフィルムの種別であってもよ
いし、一般に用いられているフィルムの種別であっても
よい。目標光学濃度は、肺及び脊椎等の特定の関心区域
に基づいて、記憶されている値から自動的に決定するこ
とができる。選択によっては、目標光学濃度は、予め定
義されて、操作者が後に利用中に選択するようにメモリ
34に記憶しておいてもよい。一旦、操作者がフィルム
種別を選択したら、ステップ302において、CPU3
2は、選択されたフィルムについての最小及び最大光学
濃度値を取得する。最小及び最大光学濃度は、画像取得
ワークステーション10に記憶されているフィルム特性
40から取得される。
第1及び第2の光学濃度OD1及びOD2へ変換され
る。光学濃度OD1及びOD2は、関心のある解剖学的
構造に一致している関心区域についてのダイナミック・
レンジの上限及び下限に対応し得る。例えば、肺及び脊
椎は、関心区域についての目標ダイナミック・レンジの
両端に位置する光学濃度を有し得る。ステップ304で
の変換は単純に、システムのモードに基づいて、又はユ
ーザ・インタフェイス30を介して操作者によって行わ
れる選択に基づいてメモリからOD1及びOD2の値を
得ることに対応していてもよい。次に、ステップ306
において、CPU32は、ダイナミック・レンジ検出サ
ブシステム26から、ディジタル検出器22において得
られた医用画像についてのダイナミック・レンジを表わ
す測定されたグレイ・レベルg1及びg2を取得する。
測定されたグレイ・レベルg1及びg2は、医用画像の
臨床的区域についての最小及び最大のグレイ・レベルに
対応し得る。測定されたグレイ・レベルg1及びg2
は、OD1及びOD2に対応していてもよい。代替的に
は、グレイ・レベルg1及びg2は、ディジタル検出器
22によって取得された医用画像全体の最小及び最大の
グレイ・レベルに単に対応していてもよく、これらのグ
レイ・レベルはディジタル検出器22の全ダイナミック
・レンジよりも小さくてもよい。グレイ・レベルg1及
びg2は、臨床的区域のダイナミック・レンジに対応し
ている場合には、肺及び横隔膜又は脊椎にそれぞれ関連
しているグレイ・レベルに相当し得る。代替的には、グ
レイ・レベルg1及びg2は、骨及び軟組織等のその他
の解剖学的構造に対応していてもよい。ダイナミック・
レンジ検出サブシステム26は、実行したい特定の試験
に基づいて、又は操作者の好みに基づいて、異なる解剖
学的構造に関連したグレイ・レベルg1及びg2を取得
することができる。
ステップ306、304及び302においてそれぞれ得
られた測定されたグレイ・レベルg1及びg2、目標光
学濃度OD1及びOD2、並びに光学濃度の最大値及び
最小値MaxOD及びMinODに基づいてグレイ・レ
ベル−光学濃度モデル42を生成する。グレイ・レベル
−光学濃度モデルは、前述の式1〜式7に従って算出さ
れる。グレイ・レベル−光学濃度モデル42は、図4に
示すS字形関数に類似したものであってもよい。選択に
よっては、グレイ・レベル−光学濃度モデル42は、必
ずしも露出又はグレイ・レベルと光学濃度との間のS字
形の関係を定義するものでなくてもよい。その代わり
に、グレイ・レベル−光学濃度モデル42は、グレイ・
レベルと光学濃度との間の線形の関係に対応するもので
あってもよい。
標準表示関数の逆関数、例えば、図7Bの較正曲線21
0の逆関数を算出する。例えば、医用画像をディジタル
・レーザ・カメラによってプリントしたい場合には、
「Barten較正関数」等の較正関数を得て、この較正関数
を用いてその逆関数を算出することができる。標準表示
関数(図7A及び図7B)は、グレイ・レベル値を輝度
(例えば、光学濃度)にマッピングする。較正関数の逆
関数44は、光学濃度をグレイ・レベルにマッピングす
るためにステップ310において算出される。ステップ
312において、CPU32は、グレイ・レベル−光学
濃度モデル42と、較正関数の逆関数44とを組み合わ
せて、自動コントラスト・マップ46を構築する。グレ
イ・レベル−光学濃度モデル42は、原医用画像のグレ
イ・レベルを目標光学濃度へマッピングする。較正関数
の逆関数44は、目標光学濃度を出力装置用の較正後の
グレイ・レベル入力へマッピングする。
正関数の逆関数44とを組み合わせることにより、画像
取得ワークステーション10は、ディジタル検出器22
によって取得された原医用画像におけるグレイ・レベル
と、選択された出力装置、すなわちプリンタ38及びモ
ニタ36等に関連した較正後のグレイ・レベル入力との
間の関係を定義する。自動コントラスト・マップ46
は、ルックアップ・テーブル及び多項式等として記憶し
ておくことができる。最後に、ステップ314におい
て、ディジタル検出器22によって取得されたディジタ
ル医用画像は自動コントラスト・マップ46を通過し
て、操作者の好みに基づいて調節されたダイナミック・
レンジを有する較正された画像を形成し、この較正画像
は、表示器28、プリンタ38又はモニタ36にて表示
される。
レイ・レベル空間と光学濃度空間との間の変換を更に詳
細に示すことを目的とした図である。ディジタル検出器
22によって取得され、ピクセル値の2次元アレイとし
て記憶されている原医用画像に対応するものとして生画
像グレイ・レベル空間350が示されている。例として
述べると、ピクセル値は14ビットの値であり、0〜1
6Kのディジタル検出器用のダイナミック・レンジを提
供することができる。ディジタル医用画像は、ディジタ
ル検出器の16Kのダイナミック・レンジ全体に広がる
露出又はグレイ・レベルを含んでいる訳ではない。その
代わりに、ディジタル医用画像は、ディジタル検出器2
2の16Kのレンジよりも小さいダイナミック・レンジ
に相当する数千の別個のグレイ・レベルのみを含んでい
る可能性がある。ダイナミック・レンジ検出サブシステ
ム26は、所望のダイナミック・レンジを測定する。目
標光学濃度空間352は、医師又は操作者に対してディ
ジタル医用画像を表示する際に望ましい出力媒体に関連
した目標光学濃度又は輝度に対応している。較正後のグ
レイ・レベル空間354は、出力装置から所望の輝度値
を達成するために補正されたグレイ・レベルを有する画
像に対応している。
10は、グレイ・レベル空間350から目標光学濃度空
間352へ原ディジタル医用画像を変換するのに用いら
れるグレイ・レベル−光学濃度モデル42を算出する。
目標光学濃度空間352は、操作者が所望のフィルム種
別及び特定の解剖学的構造についての光学濃度を選択し
たときに定義される光学濃度値に対応している。例え
ば、グレイ・レベル空間350におけるディジタル医用
画像は、図4に示す関係に従って目標光学濃度空間35
2へマッピングされ得る。
像は、所望の出力媒体(例えば、プリンタ又はモニタ)
に従って較正される。目標光学濃度画像は、光学濃度空
間352に位置している目標光学濃度画像を較正関数の
逆関数44に通過させて、較正後のグレイ・レベル空間
354に位置する較正された画像を形成することにより
較正される。
較正関数の逆関数44及び較正関数を組み合わせて、原
画像グレイ・レベル空間350と、プリンタ38又はモ
ニタ36等の所望の出力媒体に関連した較正後のグレイ
・レベル空間354との間の関係を定義する単一のマッ
プとしてもよい。結果として得られるマップを自動コン
トラスト・マップ46として記憶しておくことができ
る。一旦、自動コントラスト・マップ46が算出された
ら、CPU32は、ディジタル検出器22によって取得
された原医用画像をグレイ・レベル空間350から自動
コントラスト・マップ46を介して較正されたグレイ・
レベル空間354へ直接通過させることができる。
た処理系列を実行する際に画像取得ワークステーション
10によって利用され得る例示的なグラフを示してい
る。図8Aは、特定のフィルム種別に関連しており、露
出と光学濃度との間の対数的な関係によって定義されて
いる特性曲線を示している。図8Dは、図8Aと同じフ
ィルムの特性曲線を示しているが、線形の尺度での露出
対光学濃度を示している。図8Bは、一旦、アナログ・
フィルムが露出−光学濃度モデル42に従ってスケーリ
ングされた後にアナログ・フィルムが適合する特性曲線
を示している。図8Bの特性曲線は、入力グレイ・レベ
ルとフィルムの光学濃度との間の関係を示している。図
8Eは、入力グレイ・レベルと、Barten較正規格に従っ
て較正されたディジタル・レーザ・カメラの光学濃度と
の間の関係を定義するスケーリング後のBarten較正曲線
を示している。図8Cは、ディジタル検出器22によっ
て取得された原医用画像のグレイ・レベルと、プリンタ
等の特定の出力媒体に関連している光学濃度値との間の
関係を定義する自動コントラスト・マップ46を示して
いる。
作を示している。図9によって表わされている代替的な
実施例では、通常のディジタル医用画像によって提供さ
れる完全なレンジよりも小さいグレイ・レベル・ダイナ
ミック・レンジを有する特定の関心領域に焦点を合わせ
る又は局在化することが望ましい場合等に、グレイ・レ
ベル−光学濃度モデル42を省略することができる。例
えば、操作者が先ず、表示器28上でディジタル医用画
像を目視して、ユーザ・インタフェイス30を介してデ
ィジタル医用画像から関心領域を選択することができ
る。例えば、利用者は、マウス、ライト・ペン又はキー
パッドを用いて、関心領域を包囲する頂点を選択しても
よいし、又は関心領域の周囲を描線してもよい。一旦、
関心領域が選択されたら、ダイナミック・レンジ検出サ
ブシステム26は、関心領域のダイナミック・レンジを
識別する。関心領域は、表示器28、モニタ36又はプ
リンタ38上に表示することが可能な全ダイナミック・
レンジよりも幾分小さいダイナミック・レンジを有する
可能性がある。図9にグラフで示す実施例では、画像取
得ワークステーション10は、関心領域のダイナミック
・レンジを拡張又は伸長して、関心領域内のグレイ・レ
ベルの間によりよいコントラストを与えている。
(横軸)と、出力画像の伸長又は拡張されたダイナミッ
ク・レンジ(縦軸)との間の予め定義されている関係を
表わす「局在化された」曲線250を示している。局在
化された曲線250を、グレイ・レベル−光学濃度モデ
ル42の代わりに記憶することができる。局在化された
曲線250は、線形であってもよいし又は非線形であっ
てもよく、また、1つ又はこれよりも多い特性によって
定義されていてもよい。
の代わりに、局在化された特性の多数の組を記憶しても
よい。局在化された特性の各々の組は、肺、骨、軟組
織、又は全解剖学的構造等のように、特定の解剖学的構
造に対応し得る。各々の解剖学的構造についての局在化
された特性の組は、該特定の解剖学的構造に関連するダ
イナミック・レンジ・ウィンドウの中心を定義するパラ
メータを含み得る。各々の局在化された特性の組は更
に、対応する構造に関連するダイナミック・レンジの上
限及び下限を定義するダイナミック・レンジ・ウィンド
ウ幅を含み得る。例えば、肺設定についての特性の組
は、ダイナミック・レンジ・ウィンドウ中心グレイ・レ
ベルとして10,000、及びダイナミック・レンジ・
ウィンドウ幅として4,000を含み得る。こうする
と、肺についての例示的なダイナミック・レンジは8,
000と12,000との間となる。同様に、骨設定に
ついての局在化された特性の組も、対応するダイナミッ
ク・レンジ・ウィンドウについての予め定義された中心
グレイ・レベルと幅とを有し得る。
ィンドウの上限及び下限は、特定の解剖学的構造に関連
したダイナミック・レンジ・ウィンドウについての最小
及び最大のグレイ・レベルに相当するMinGL及びM
axGLに対応している。グレイ・レベルMinGL及
びMaxGLは、特性40として記憶されていてもよ
い。図9の実施例によれば、ダイナミック・レンジ検出
サブシステム26が、原医用画像内の解剖学的構造、臨
床的領域又は関心領域のダイナミック・レンジを指定す
るグレイ・レベルg1及びg2を供給する。図9の実施
例によれば、画像取得ワークステーション10が、ダイ
ナミック・レンジ検出サブシステム26から供給された
グレイ・レベルg1及びg2、並びに特性の組40とし
て記憶されている最小及び最大グレイ・レベルMinG
L及びMaxGLに基づいて、局在化された特性曲線2
50を定義する。加えて、所望のダイナミック・レンジ
についての中心グレイ・レベル・パラメータを特性40
と共に記憶しておき、曲線250の生成を容易にするた
めにこのパラメータをレベルCGL(中心グレイ・レベ
ル)として用いてもよい。
局在化された特性曲線250を定義したら、曲線250
をグレイ・レベル−光学濃度モデル42の代わりに記憶
して、図5の処理に従って、較正関数の逆関数44と組
み合わせて、自動コントラスト・マップ46を定義し、
自動コントラスト・マップ46が究極的には、原医用画
像のグレイ・レベルを較正後のグレイ・レベル空間35
4(図6)にマッピングする。図9に示す局在化された
特性曲線250は、入力グレイ・レベル空間を出力グレ
イ・レベル空間にマッピングする。従って、較正関数の
逆関数44は、所望の自動コントラスト・マップ46を
正確に形成するように修正されることを理解されたい。
について図示すると共に記述したが、当業者は、特に以
上の教示に照らせば改変を施し得るから、言うまでもな
く、本発明はこれらの構成要素、実施例及び応用に限定
されている訳ではないものと理解されたい。従って、特
許請求の範囲は、本発明の要旨及び範囲に含まれる特徴
を組み入れたような改変を網羅しているものとする。
光学濃度との間で感光曲線を呈する特定のフィルム種別
についての例示的なグラフである。
びコントラストを有するフィルム種別に関連する多数の
感光曲線を示す図である。
対数型関数flog(グレイ・レベル)と目標光学濃度
との間の例示的な関係を定義する露出対光学濃度モデル
を示す図である。
列を示す図である。
間を光学濃度空間に関係付ける概念的なマップを示す図
である。
実際の例示的出力装置の出力輝度に関係付ける測定され
た曲線及び理想的な曲線を示す図である。
ついての較正後に出力されるグレイ・レベルとを相関さ
せるグレイ・レベル表示関数を示す図である。
度を互いに関係付ける例示的なグラフである。
及び光学濃度を互いに関係付ける例示的なグラフであ
る。
及び光学濃度を互いに関係付ける例示的なグラフであ
る。
度を互いに関係付ける例示的なグラフである。
及び光学濃度を互いに関係付ける例示的なグラフであ
る。
イナミック・レンジと出力ダイナミック・レンジとの間
の関係を定義する局在化された特性曲線を示す図であ
る。
Claims (20)
- 【請求項1】 医用診断システムにより形成される医用
診断画像のダイナミック・レンジを制御する方法であっ
て、 患者を表わす原医用画像のダイナミック・レンジと目標
ダイナミック・レンジとの間の関係を定義する表示マッ
プを生成する工程と、 前記表示マップ及び前記原医用画像に基づいて前記目標
ダイナミック・レンジを有する表示画像を作成する工程
と、を有する方法。 - 【請求項2】 前記原医用画像としてディジタル画像を
取得する工程を更に含んでいる請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記表示マップを生成する工程は、前記
原医用画像に関連する所望の出力医用画像についての前
記目標ダイナミック・レンジの目標光学濃度と前記原医
用画像のグレイ・レベルとの間の関係を定義するグレイ
・レベル−光学濃度モデルを算出する工程を更に含んで
いる請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 前記グレイ・レベル−光学濃度モデルを
所望のフィルム種別についてのフィルム特性に基づいて
定める工程を更に含んでいる請求項3に記載の方法。 - 【請求項5】 前記グレイ・レベル−光学濃度モデルを
選択された解剖学的構造についてのN個の選択された光
学濃度に基づいて定める工程を更に含んでいる請求項3
に記載の方法。 - 【請求項6】 前記グレイ・レベル−光学濃度モデルを
前記原医用画像についての測定されたダイナミック・レ
ンジに基づいて定める工程を更に含んでいる請求項3に
記載の方法。 - 【請求項7】 解剖学的構造について利用者が選択した
光学濃度及び測定された光学濃度に基づいて、前記原医
用画像の前記ダイナミック・レンジを前記目標ダイナミ
ック・レンジに相関させるモデルを算出する工程を更に
含んでいる請求項1に記載の方法。 - 【請求項8】 グレイ・レベルと光学濃度との間の関係
の特徴を表わす感光曲線を記憶するルックアップ・テー
ブルを定義する工程を更に含んでおり、前記表示マップ
を生成する工程は、前記ルックアップ・テーブルに基づ
いて前記表示マップの前記関係を定義する請求項1に記
載の方法。 - 【請求項9】 多数のフィルム種別についてのフィルム
特性を記憶する工程を更に含んでおり、前記表示マップ
を生成する工程は、前記多数のフィルム種別のうち1つ
のフィルム種別について記憶されているフィルム特性に
基づいて前記表示マップの前記関係を定義する請求項1
に記載の方法。 - 【請求項10】 1つのフィルム種別についての最大及
び最小光学濃度特性を得る工程を更に含んでおり、前記
表示マップを生成する工程は、前記最大及び最小光学濃
度特性に基づいて前記表示マップの前記関係を定義する
請求項1に記載の方法。 - 【請求項11】 出力装置について前記表示画像のグレ
イ・レベルを較正する出力装置較正関数を得る工程を更
に含んでおり、前記表示マップを生成する工程は、前記
出力装置較正関数に基づいて前記表示マップの前記関係
を定義する請求項1に記載の方法。 - 【請求項12】 前記グレイ・レベル標準表示関数の逆
関数を算出する工程を更に含んでおり、前記表示マップ
を生成する工程は、前記グレイ・レベル表示関数の前記
逆関数に基づいて前記表示マップの前記関係を定義する
請求項11に記載の方法。 - 【請求項13】 前記表示マップはルックアップ・テー
ブルとして記憶されている請求項1に記載の方法。 - 【請求項14】 医用診断画像のダイナミック・レンジ
を制御する医用診断システムであって、 原医用画像を受け取る入力と、 前記原医用画像のダイナミック・レンジと目標ダイナミ
ック・レンジとの間の関係を定義する表示マップと、 該表示マップに基づいて前記原医用画像から表示画像を
形成するCPUと、を備えている医用診断システム。 - 【請求項15】 前記入力はディジタル検出器である請
求項14に記載のシステム。 - 【請求項16】 前記原医用画像のグレイ・レベルと、
前記原医用画像に関連する所望の出力医用画像について
の前記目標ダイナミック・レンジの目標光学濃度との間
の関係を定義するグレイ・レベル−光学濃度モデルを算
出するモジュールを更に含んでいる請求項14に記載の
システム。 - 【請求項17】 前記グレイ・レベル−光学濃度モデル
は、所望のフィルム種別のフィルム特性に基づいて定め
られている請求項16に記載のシステム。 - 【請求項18】 前記グレイ・レベル−光学濃度モデル
は、選択された解剖学的構造についてのN個の選択され
た光学濃度に基づいて定められている請求項16に記載
のシステム。 - 【請求項19】 前記グレイ・レベル−光学濃度モデル
は、前記原医用画像についての測定されたダイナミック
・レンジに基づいて定められている請求項16に記載の
システム。 - 【請求項20】 前記原医用画像の前記ダイナミック・
レンジを、解剖学的構造について利用者が選択した光学
濃度及び測定された光学濃度に基づいて前記目標ダイナ
ミック・レンジに相関させるモデルを算出するモジュー
ルを更に含んでいる請求項14に記載のシステム。
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