JP2001085964A - Sawデバイスの製造方法 - Google Patents

Sawデバイスの製造方法

Info

Publication number
JP2001085964A
JP2001085964A JP25797499A JP25797499A JP2001085964A JP 2001085964 A JP2001085964 A JP 2001085964A JP 25797499 A JP25797499 A JP 25797499A JP 25797499 A JP25797499 A JP 25797499A JP 2001085964 A JP2001085964 A JP 2001085964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
acoustic wave
saw device
oxide film
pad
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25797499A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Sakurai
誠 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Communication Equipment Co Ltd
Original Assignee
Toyo Communication Equipment Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Communication Equipment Co Ltd filed Critical Toyo Communication Equipment Co Ltd
Priority to JP25797499A priority Critical patent/JP2001085964A/ja
Publication of JP2001085964A publication Critical patent/JP2001085964A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空蒸着法によって厚肉パッドを形成した圧
電素板を一旦真空炉外へ出してから、別の真空炉内にセ
ットしてスパッタ蒸着法によってIDT電極を形成する
場合に、外気に触れた時に厚肉パッド表面に形成される
酸化膜が厚肉パッドとIDT電極の接続端部との導通を
阻害する要因となり、当該弾性表面波素子を用いて完成
されたSAWデバイスの特性を低下させるという不具合
を有効に防止することができるSAWデバイスの製造方
法を提供する。 【解決手段】 弾性表面波素子4をフェイスダウン状態
で収納し、且つ内底面の各電極33と各電極パッド36
とを金バンプ37を介して接続した構成を備えた絶縁パ
ッケージ31と、該絶縁パッケージの開口を気密封止す
る金属蓋38と、を備えたSAWデバイスの製造方法に
おいて、電極パッドの表面に形成された酸化膜45を介
してIDT電極の接続端部が積層接続されている場合
に、SAWデバイスを所要温度にて加熱することにより
酸化膜による導通阻害を排除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電デバイスとして
の弾性表面波(SAW)デバイスの製造方法の改良に関
し、例えばセラミックパッケージの内底面に形成した電
極と、弾性表面波素子のIDT電極形成面に配置した電
極パッドとの間を金バンプを用いてフリップチップ接続
するタイプのSAWデバイスにおける電極パッドの形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7(a) は従来の表面実装用の弾性表面
波(SAW)デバイスの構造を説明する為の内部斜視
図、(b) はその縦断面図である。このSAWデバイス1
は、表面実装用の構成を備えた3層構造のセラミックパ
ッケージ2と、セラミックパッケージ2の上面に形成さ
れた凹陥部3内に配置された弾性表面波素子4と、凹陥
部3の外枠上面に固定されて凹陥部を閉止する金属蓋5
とを有する。凹陥部3内の2つの対向し合う段差10上
には夫々ワイヤボンディング用端子11、アースパター
ン12等が形成され、凹陥部3の内底面には接地用電極
面13がほぼ全面的に形成されている。セラミックパッ
ケージ2の外枠上面には図示しない金属蓋をシーム溶接
等によって溶着固定する際に使用するシームリング15
が予め形成されている。凹陥部3内にフェースアップ
(IDT電極が開口側を向いている)状態で収納される
弾性表面波素子4は、圧電素板20上に少なくともID
T電極21と、パッケージ側の段差10上の電極11と
ワイヤ接続されるボンディング用電極22とを備えてい
る。この弾性表面波素子4の底面を接着剤等を用いて凹
陥部3の内底面に設けた接地用電極面13と接続するこ
とにより、弾性表面波素子は凹陥部内に固定される。
【0003】ところで、このようなパッケージ構造を備
えたSAWデバイスにあっては、弾性表面波素子4の上
面よりも上方に突出するワイヤWが金属蓋5の下面と接
触してショートすることを防止する為に、ワイヤWと金
属蓋5の下面との間に十分な空間を確保しておく必要が
あり、そのためパッケージ2の高さ方向寸法が大型化
(高背化)することは不可避であった。しかし、SAW
デバイスを搭載する各種機器に対する小型化の要請に対
応してSAWデバイス自体についても低背化が強く要求
されている。このような低背化の要請を満たすパッケー
ジ構造として、最近では図8(a) (b) に示した如きフェ
ースダウン(IDT電極が底面を向くように弾性表面波
素子を配置する)方式のパッケージ構造が採用されてい
る。このタイプのパッケージ31は、上面の凹陥部32
の内底面に通電用の電極33を有し、この凹陥部32内
に弾性表面波素子34をフェイスダウン方式でフリップ
チップ接続する構造を備えている。即ち、弾性表面波素
子34はその圧電素板35の下面にIDT電極と電極パ
ッド36と、電極パッド36上に予め固着した金バンプ
37を有し、電極33と電極パッド36とを一対一で対
応させた状態で、バンプ37と電極33との間を半田、
或は熱圧着により接合することにより、弾性表面波素子
34の組付けが完了する。その後、金属蓋38を凹陥部
32の外枠上面に気密的に固定することによりSAWデ
バイスが完成する。このパッケージ構造によれば、ワイ
ヤと金属蓋との間のショート発生を防止する為の空間を
設ける必要がない分だけ低背化が可能であり、またパッ
ケージの内壁にワイヤボンディング用の端子を配置する
為の段差を設ける必要がなくなる分だけ平面形状も小型
化する。
【0004】ところで、図9(a) (b) に示すようにバン
プ37は、IDT電極(電極指)40から引き出された
パッド36上に超音波を併用した熱圧着等により固着さ
れる金製の小突起であり、純粋アルミニウムと金との接
合強度が高いことから、従来のパッド36及びIDT電
極40は純粋アルミニウムから構成されている。なお、
パッド36とIDT電極40は、通常フォトリソグラフ
ィ技術により一括して製造される為、同一材料により構
成される。IDT電極によって圧電素板表面に励起され
る弾性表面波の大きな定在波によりパッド36及びID
T40は大きなストレスを受けることになるが、アルミ
ニウムだけを使用した場合には、この応力によってパッ
ド及びIDT電極を構成するアルミ膜にひび割れ等の破
損が発生する。そこで、最近ではアルミニウムに数%の
銅を含有させたAl−Cu合金を用いてパッド及びID
T電極膜の強化を図っているが、Al−Cu合金膜と金
バンプとの接合強度が著しく低いという不具合がある。
つまり、金バンプ37とパッド36とが容易に剥離して
しまい、機器の落下等によって発生する衝撃に耐えられ
なくなるという問題が発生している。また、パッド36
とIDT電極40は同一プロセスにて製造されるため、
両者の肉厚が3100〜4000Åと薄くなるが、パッ
ドを純粋アルミニウムにて構成したとしても、パッドの
肉厚がこのように薄過ぎる場合には、バンプを形成する
為の熱圧着等の工程で、パッド自体が破損し、圧電素板
面から剥離し易い為、金バンプがパッド諸共剥離し易く
なるという欠点を有している。このような事情から、最
近では図10に示すように圧電素板35の上面適所に肉
厚約1μm程度の厚肉のアルミニウム(或は、アルミニ
ウム合金)から成るパッド36を真空蒸着法によって予
め形成しておいてから、Al−Cu合金から成るIDT
電極40をスパッタ蒸着法にて形成し、厚肉のパッド3
6上に金バンプ37を熱圧着等により形成する手法が採
用されている。なお、IDT電極40とパッド36との
接続は、IDT電極40の接続端部40aをパッド36
上にオーバーラップ状態で積層形成することにより実現
される。
【0005】このSAWデバイスのパッド36は厚肉の
アルミニウムから構成されている為、金バンプを形成す
る際にパッドが破損して金バンプの固定が困難になると
いう不具合を解消できるという利点を有する。このよう
なIDT電極及びパッドの構造を備えた弾性表面波素子
を製造する際には、厚肉のパッド36を圧電素板35上
に形成する為の真空蒸着工程を真空炉内にて実施したあ
とで、この弾性表面波素子を真空炉から外部に取り出し
て運搬し、スパッタ蒸着用の他の真空炉内にセットした
上で、IDT電極40を形成する為のスパッタ蒸着工程
を実施する手順を踏むこととなる。しかし、パッド36
を形成した弾性表面波素子を真空炉から取り出して外気
に触れさせると、アルミニウム合金から成るパッド36
の表面に自然酸化膜45が形成される。自然酸化膜45
上にIDT電極の接続端部40aが積層形成されると、
パッド36と接続端部40aとの間の導通が低下する。
自然酸化膜45は、その肉厚、粗密の程度が、弾性表面
波素子毎に一定しておらず、バラツキがあるため、この
弾性表面波素子を用いたSAWデバイスのフィルタ特
性、特に最小挿入損失に製造バラツキが発生する。図1
1はロット間での製造バラツキが発生している状態を示
す測定結果であり、縦軸にフルスケール10dBの減衰
量(ロス値)が示され、横軸には±50MHzの範囲で
周波数が示されている。この図から明らかなように、自
然酸化膜を備えた電極パッドを用いた弾性表面波素子の
特性は、個片毎に異なっていた。従って、SAWデバイ
スの製造段階で個々のSAWデバイス毎に減衰量を調整
する作業が必要となり、生産性を低下させる原因となっ
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように金バンプ
を支持するための十分な強度を備えた厚肉のパッドを圧
電素板上に形成した後で、別工程にてIDT電極を形成
する従来の弾性表面波素子にあっては、パッドを形成し
た圧電素板を真空炉から取り出して外気に触れさせたと
きにパッド表面に自然酸化膜が形成される為、パッド上
にIDT電極の接続端部を積層形成した時に両者の導通
が低下し、この圧電表面波素子を用いたSAWデバイス
のフィルタ特性にバラツキが発生するという不具合があ
った。そこで本発明は、真空蒸着法によって厚肉パッド
を形成した圧電素板を一旦真空炉外へ出してから、別の
真空炉内にセットしてスパッタ蒸着法によってIDT電
極を形成する場合に、外気に触れた時に厚肉パッド表面
に形成される酸化膜が厚肉パッドとIDT電極の接続端
部との導通を阻害する要因となり、当該弾性表面波素子
を用いて完成されたSAWデバイスの特性を低下させる
という不具合を有効に防止することができるSAWデバ
イスの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、圧電素板と、該圧電素板面に形
成されたIDT電極と、圧電素板面に形成され且つ金バ
ンプとの接合性が良好な金属から成る厚肉の電極パッド
と、を有し、IDT電極から延びた接続端部が電極パッ
ド上に積層状態で接続された弾性表面波素子と、該弾性
表面波素子をフェイスダウン状態で収納し、且つ内底面
の各電極と各電極パッドとを上記金バンプを介して接続
した構成を備えた絶縁パッケージと、該絶縁パッケージ
の開口を気密封止する金属蓋と、を備えたSAWデバイ
スの製造方法において、上記電極パッドの表面に形成さ
れた酸化膜を介してIDT電極の接続端部が積層接続さ
れている場合に、上記SAWデバイスを所要温度にて加
熱することにより上記酸化膜による導通阻害を排除する
ことを特徴とする。請求項2の発明は、圧電素板と、該
圧電素板上に形成されたIDT電極と、圧電素板上に形
成され且つ金バンプとの接合性が良好な金属から成る厚
肉の電極パッドと、を有し、IDT電極から延びた接続
端部が電極パッド上に積層状態で接続された弾性表面波
素子と、該弾性表面波素子をフェイスダウン状態で収納
し、且つ内底面の各電極と各電極パッドとを上記金バン
プを介して接続した構成を備えた絶縁パッケージと、該
絶縁パッケージを気密封止する金属蓋と、を備えたSA
Wデバイスの製造方法において、表面に電極パッドを形
成した圧電素板にマスクを施して真空炉内で電子銃から
ターゲットに向けてイオンを照射するスパッタ工程を行
う直前に、同じ真空炉内で圧電素板上の電極パッドに電
子銃からイオンを照射することにより電極膜上の酸化膜
を除去することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
の形態により詳細に説明する。図1は厚肉パッド表面に
酸化膜を備えた弾性表面波素子をセラミックパッケージ
内に気密封止した構造のSAWデバイスを加熱している
状態を示す断面図、図2は加熱により自然酸化膜が除去
された状態を示す断面図である。このSAWデバイス
は、フェースダウン(IDT電極が底面を向くようにS
AW素子を配置する)方式のパッケージ構造が採用され
ている。このタイプのパッケージ31は、上面の凹陥部
32の内底面に通電用の電極33を有し、この凹陥部3
2内に弾性表面波素子34をフェイスダウン方式でフリ
ップチップ接続する構造を備えている。即ち、弾性表面
波素子34はその圧電素板35の下面にIDT電極40
及び厚肉の電極パッド36と、電極パッド36上に予め
固着した金バンプ37を有し、電極33と電極パッド3
6とを一対一で対応させた状態で、バンプ37と電極3
3との間を半田、或は熱圧着により接合することによ
り、弾性表面波素子34の組付けが完了する。その後、
金属蓋38を凹陥部32の外枠上面に気密的に固定する
ことによりSAWデバイスが完成する。
【0009】この弾性表面波素子34を構成する電極パ
ッド36の表面は、上記従来例に関して説明した如き理
由によって自然酸化膜45が被覆された状態となってお
り、IDT電極40の接続端部40aは、この自然酸化
膜45を介して電極パッド36上に積層一体化されてい
る。即ち、アルミニウム或はアルミニウム合金から成る
電極パッド36を圧電素板上に真空蒸着法により形成し
た後で該圧電素板を一旦真空炉外に搬出し、スパッタ蒸
着用の真空炉内に移送する作業が行われる為、外気に触
れた時に電極パッド36上に自然酸化膜45が形成され
る。前述のように自然酸化膜45は、電極パッド36と
IDT電極の接続端部40aとの間の導通を低下させ、
その結果SAWフィルタの特性を不安定化させる要因と
なる。このような自然酸化膜45による悪影響を排除し
て電極パッド36とIDT電極接続端部40aとの間の
導通状態を良好に維持する為に、本発明では、図1に示
すように完成されたSAWデバイスをホットプレート5
0等の加熱手段上に載置して自然酸化膜45を所要温度
(例えば、300℃)にて3分以上加熱するようにし
た。その結果、図2のように電極パッド36と接続端部
40aとの間に介在していた酸化膜45の絶縁性が大幅
に低下し、電極パッド36と接続端部40aとの間の導
通を良好化、安定化することができる。なお、酸化膜4
5は、電極パッド36と金バンプ37との間にも介在し
ているが、ホットプレート50により加熱することによ
り、電極パッド36と金バンプ37との間の導通をも確
保することが可能となる。ところで、加熱によって酸化
膜45の絶縁性が低下するという現象のメカニズムは、
現段階では正確には解明されていないが、酸化膜45は
電極パッド36の表面を緊密な密度で完全に被覆してい
る膜ではなく、散点的に分散した微小な酸化物質の集合
体として一つの膜を構成していると考えられる。従っ
て、粗密を有して散在した微小な酸化物質間には電極パ
ッド36を構成する金属材料が露出した状態にある。酸
化膜45を加熱する前においては、微小な酸化物質の集
合体が導通を阻害しているが、上記温度にて所要時間以
上加熱を行うと、電極パッド36を構成する金属材料が
活性化するため、上記微小な酸化物質間に露出した金属
材料と接続端部40aとの間の導通不良状態が解消さ
れ、最適な電気的接続状態になる、と考えられる。
【0010】図3は上記自然酸化膜を備えた一つのSA
Wデバイスについて加熱前の減衰量、加熱後3分経過し
た時の減衰量、加熱後6分経過した時の減衰量を夫々示
す測定結果であり、縦軸にフルスケール10dBの減衰
量(ロス値)が示され、横軸には±50MHzの範囲で
周波数が示されている。この図から明らかなように、本
実施形態により自然酸化膜45による悪影響を排除した
SAWデバイスにあっては、3分以上加熱を行うことに
より、酸化膜に起因した特性のバラツキがなくなる。3
分以上の加熱であれば、6分加熱したとしても、特性の
変動量はほとんど皆無であった。このように最低3分間
加熱することによりSAWデバイスの減衰量が定常値に
なるため、SAWデバイスのフィルタとしての特性を顧
客が要求するスペックの範囲内にとどめることができ、
信頼性を維持することができる。特に、ホットプレート
等の加熱手段を用いた熱処理を行わないでSAWデバイ
スを出荷した場合、購入者が表面実装部品としてのSA
Wデバイスを図示しないプリント基板上にリフロー実装
した時に、リフロー時の熱により自然酸化膜による悪影
響が部分的に排除されて特性の変動をもたらし、顧客に
納入した時の初期設定値と異なる特性となる虞れがあ
る。
【0011】しかし、本実施の形態によれば、出荷前に
SAWデバイスを加熱するという極めて容易な方法によ
って酸化膜による悪影響を全面的に排除し、酸化膜に起
因した特性の変動を有効に防止することが可能となるの
で、生産性の低下やコストアップを招くことなく、SA
Wデバイスの特性を安定化して信頼性を高めることがで
きる。次に、図4は本発明の他の実施の形態において使
用するスパッタ蒸着装置の概略構成図であり、このスパ
ッタ蒸着装置は、真空炉60内に方向転換可能な電子銃
61を備えた構成を備えており、電子銃61と対向する
位置にターゲット62と、厚肉の電極パッド36を備え
た圧電素板35とを、夫々離間して配置している。な
お、圧電素板35としては、個片に分離する前の大面積
の母材を用いてバッチ処理を行う。ターゲット62は、
例えばIDT電極膜を形成する為のアルミニウム合金で
あり、電子銃61をターゲット62に向けた状態で高エ
ネルギーのイオンを照射することによりターゲット62
を構成する金属原子が放出されて圧電素板35へ向けて
飛翔し、圧電素板面に設けた図示しないマスクの形状に
応じて圧電素板上に付着し、所要の電極パターンを形成
する。この実施の形態の特徴的な点は、圧電素板面にI
DT電極40を形成する前に、電子銃61を圧電素板3
5へ向けて高エネルギーのイオンを照射することによ
り、マスクから露出した電極パッド36の表面に形成さ
れた自然酸化膜45を除去し、然る後に電子銃61をタ
ーゲット62に向けて照射することによりIDT電極膜
40を形成するようにした点にある。このようにして製
造された弾性表面波素子は、電極パッド36上に電極端
部40aが直接成膜されているので、両者間の電気的導
通は最適の状態となっている。更に、図5に基づいて詳
述すると、まず、図5(a) のように電子銃から高エネル
ギーのイオンを電極パッド表層の自然酸化膜45に照射
すると、イオンと自然酸化膜を構成する原子との核衝突
によって酸化膜が除去される(スパッタクリーニン
グ)。次いで、図5(b) のように電子銃をターゲット6
2に向けてイオンを照射すると、ターゲット原子が放出
されて、図示しないマスクパターンに従って圧電素板3
5上に積層し、IDT電極40を形成する(図5(c)
)。
【0012】次に、図6(a) はスパッタクリーニングを
受けていない弾性表面波素子について、ロット間での製
造バラツキが発生している状態を示す測定結果であり、
縦軸にフルスケール10dBの減衰量(ロス値)が示さ
れ、横軸には±50MHzの範囲で周波数が示されてい
る。この図から明らかなように、スパッタクリーニング
により自然酸化膜を除去していない電極パッドを用いた
弾性表面波素子の特性は、個片毎に異なっていた。従っ
て、SAWデバイスの製造段階で個々のSAWデバイス
毎に減衰量を調整する作業が必要となり、生産性を低下
させる原因となる。これに対して、図6(b) はスパッタ
クリーニングを受けた弾性表面波素子について、ロット
間での製造バラツキが発生していない状態を示す測定結
果である。この図から明らかなように、スパッタクリー
ニングにより自然酸化膜を除去した電極パッドを用いた
弾性表面波素子の特性は、個片毎の特性バラツキが大幅
に低減している。従って、SAWデバイスの製造段階で
個々のSAWデバイス毎に減衰量を調整する作業が不要
となり、生産性を向上することができる。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明では、酸化膜を有し
た弾性表面波素子を用いて製造されたSAWデバイスを
ホットプレート等の加熱手段によって所要温度以上に加
熱することにより酸化膜に起因した導通の低下を解消さ
せたり、真空炉内において酸化膜を有した弾性表面波素
子に対してIDT電極をスパッタ蒸着により形成する直
前に電子銃によって酸化膜を除去するようにした。この
ため、真空蒸着法によって厚肉パッドを形成した圧電素
板を一旦真空炉外へ出してから、別の真空炉内にセット
してスパッタ蒸着法によってIDT電極を形成する場合
に、外気に触れた時に厚肉パッド表面に形成される酸化
膜が厚肉パッドとIDT電極の接続端部との導通を阻害
する要因となり、当該弾性表面波素子を用いて完成され
たSAWデバイスの特性を低下させるという不具合を有
効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の第1の実施形態を説明する図。
【図2】本発明方法により自然酸化膜の影響を排除した
状態を示す図。
【図3】本発明方法により得られたSAWデバイスのロ
スの変動を示す図。
【図4】本発明方法を実施するための第2の実施形態の
構成略図。
【図5】(a) (b) 及び(c) は第2の実施形態による成膜
手順を示す図。
【図6】(a) 及び(b) はパッド表面に対するスパッタク
リーニング有無による製造バラツキを比較する図。
【図7】(a) は従来の表面実装用の弾性表面波(SA
W)デバイスのパッケージ構造を説明する為の内部斜視
図、(b) はその縦断面図。
【図8】(a) 及び(b) は他の従来例の説明図。
【図9】(a) 及び(b) は従来の弾性表面波素子の表面斜
視図、及びX−X断面図。
【図10】他の従来例の弾性表面波素子の要部断面図。
【図11】ロット間での製造バラツキが発生している状
態を示す測定結果図。
【符号の説明】
1 SAWデバイス、2 セラミックパッケージ、3
凹陥部、4 弾性表面波素子、5 金属蓋、10 段
差、11 ワイヤボンディング用端子、12 アースパ
ターン、13 接地用電極面、15 シームリング、2
0 圧電素板、21IDT電極、22 ボンディング用
電極、31 パッケージ、32 凹陥部、33 通電用
の電極、34 弾性表面波素子、35 圧電素板、36
電極パッド、37 金バンプ、38 金属蓋、40
IDT電極、45 自然酸化膜、50 ホットプレート
(加熱手段)、60 真空炉、61 電子銃、62 タ
ーゲット。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素板と、該圧電素板面に形成された
    IDT電極と、圧電素板面に形成され且つ金バンプとの
    接合性が良好な金属から成る厚肉の電極パッドと、を有
    し、IDT電極から延びた接続端部が電極パッド上に積
    層状態で接続された弾性表面波素子と、 該弾性表面波素子をフェイスダウン状態で収納し、且つ
    内底面の各電極と各電極パッドとを上記金バンプを介し
    て接続した構成を備えた絶縁パッケージと、 該絶縁パッケージの開口を気密封止する金属蓋と、 を備えたSAWデバイスの製造方法において、 上記電極パッドの表面に形成された酸化膜を介してID
    T電極の接続端部が積層接続されている場合に、 上記SAWデバイスを所要温度にて加熱することにより
    上記酸化膜による導通阻害を排除することを特徴とする
    SAWデバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 圧電素板と、該圧電素板上に形成された
    IDT電極と、圧電素板上に形成され且つ金バンプとの
    接合性が良好な金属から成る厚肉の電極パッドと、を有
    し、IDT電極から延びた接続端部が電極パッド上に積
    層状態で接続された弾性表面波素子と、 該弾性表面波素子をフェイスダウン状態で収納し、且つ
    内底面の各電極と各電極パッドとを上記金バンプを介し
    て接続した構成を備えた絶縁パッケージと、 該絶縁パッケージを気密封止する金属蓋と、 を備えたSAWデバイスの製造方法において、 表面に電極パッドを形成した圧電素板にマスクを施して
    真空炉内で電子銃からターゲットに向けてイオンを照射
    するスパッタ工程を行う直前に、同じ真空炉内で圧電素
    板上の電極パッドに電子銃からイオンを照射することに
    より電極膜上の酸化膜を除去することを特徴とするSA
    Wデバイスの製造方法。
JP25797499A 1999-09-10 1999-09-10 Sawデバイスの製造方法 Pending JP2001085964A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25797499A JP2001085964A (ja) 1999-09-10 1999-09-10 Sawデバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25797499A JP2001085964A (ja) 1999-09-10 1999-09-10 Sawデバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001085964A true JP2001085964A (ja) 2001-03-30

Family

ID=17313801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25797499A Pending JP2001085964A (ja) 1999-09-10 1999-09-10 Sawデバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001085964A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002261571A (ja) * 2001-02-27 2002-09-13 Kyocera Corp 弾性表面波装置及びその製造方法
US6831340B2 (en) 2001-10-17 2004-12-14 Murata Manufacturing Co., Ltd. Surface acoustic wave device and method of producing the same
CN110708035A (zh) * 2019-10-21 2020-01-17 中国电子科技集团公司第二十六研究所 温度补偿型声表面波器件的温补层上表层表面波抑制方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002261571A (ja) * 2001-02-27 2002-09-13 Kyocera Corp 弾性表面波装置及びその製造方法
JP4731026B2 (ja) * 2001-02-27 2011-07-20 京セラ株式会社 弾性表面波装置の製造方法
US6831340B2 (en) 2001-10-17 2004-12-14 Murata Manufacturing Co., Ltd. Surface acoustic wave device and method of producing the same
KR100467180B1 (ko) * 2001-10-17 2005-01-24 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 탄성 표면파 장치 및 그 제조 방법
CN110708035A (zh) * 2019-10-21 2020-01-17 中国电子科技集团公司第二十六研究所 温度补偿型声表面波器件的温补层上表层表面波抑制方法
CN110708035B (zh) * 2019-10-21 2022-04-01 中国电子科技集团公司第二十六研究所 温度补偿型声表面波器件的温补层上表层表面波抑制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6492194B1 (en) Method for the packaging of electronic components
US6643920B2 (en) Electronic component such as a saw device and method for producing the same
US6437439B1 (en) Electronic component
US6698084B2 (en) Method for manufacturing radio frequency module components with surface acoustic wave element
WO2001067600A1 (fr) Dispositif de vibration a cristal
JPWO2012057137A1 (ja) 電子装置
JP2002290200A (ja) 弾性表面波装置及びその製造方法
JPH07111438A (ja) 弾性表面波装置、及びその製造方法
US6817071B2 (en) Method of manufacturing surface acoustic wave device having bump electrodes
JP5152012B2 (ja) 圧電振動デバイスおよび圧電振動デバイスの製造方法
JP7347955B2 (ja) 弾性波デバイスおよびその製造方法、フィルタおよびマルチプレクサ
JP2001085964A (ja) Sawデバイスの製造方法
US6627966B2 (en) Method and device for sealing ceramic package of saw filter
JP2003283289A (ja) 弾性表面波装置
JP2002299982A (ja) 水晶発振器の製造方法
JP3546506B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
WO2024111495A1 (ja) 薄板サーミスタおよび薄板サーミスタ搭載型圧電振動デバイス
WO2024111494A1 (ja) 薄板サーミスタおよび薄板サーミスタ搭載型圧電振動デバイス
JP3847220B2 (ja) 配線基板
JP2004047897A (ja) 電子部品および電子部品の製造方法
JP2001156193A (ja) 電子部品装置
JPH09148878A (ja) 弾性表面波デバイス
JP3850338B2 (ja) 配線基板
JPH05226514A (ja) 半導体素子収納用パッケージ
JP2002158557A (ja) 圧電振動デバイスの保持構造