JP2001082566A - トロイダル形無段変速機 - Google Patents

トロイダル形無段変速機

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JP2001082566A
JP2001082566A JP26045299A JP26045299A JP2001082566A JP 2001082566 A JP2001082566 A JP 2001082566A JP 26045299 A JP26045299 A JP 26045299A JP 26045299 A JP26045299 A JP 26045299A JP 2001082566 A JP2001082566 A JP 2001082566A
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Japan
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disk
toroidal
power roller
continuously variable
variable transmission
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JP26045299A
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English (en)
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Tomonobu Yoshikawa
朋伸 吉川
Yasuo Murakami
保夫 村上
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/06Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、きわめて長寿命なトロイダル形無段
変速機を得ることを課題とする。 【解決手段】同軸上に対向配置された入力ディスク及び
出力ディスクと、前記入力ディスク及び出力ディスクの
トロイダル面を転走するパワーローラとを有したトロイ
ダル形無段変速機において、前記入力ディスク、出力デ
ィスク、パワーローラの少なくとも一つが0.3%から
0.5%の中炭素鋼からなることを特徴とするトロイダ
ル形無段変速機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトロイダル形無段変
速機に関し、特に自動車等の車両に用いられるトロイダ
ル形無段変速機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トロイダル形無段変速機として
は、図1に示すものが知られている。
【0003】図中の付番1、2は、図示しないハウジン
グ内で同軸上に夫々対向配置された入力ディスク、出力
ディスクを示す。これら入力ディスク1及び出力ディス
ク2を有するトロイダル変速部の軸心部分には、入力軸
3が貫通されている。この入力軸3の一端には、ローデ
ィングカム4が配設されている。そして、このローディ
ングカム4が、カムローラ5を介して入力ディスク1
に、入力軸3の動力(回転力)を伝達する構造となって
いる。
【0004】前記入力ディスク1及び出力ディスク2
は、略同一形状を有して多少に配設され、それらの対向
面が協働して軸方向断面でみて、略半円形となるように
トロイダル面に形成されている。そして、前記入力ディ
スク1及び出力ディスク2のトロイダル面で形成される
トロイダルキャビティ内に、入力ディスク1及び出力デ
ィスク2に接して一対の運転伝達用のパワーローラ軸受
6及びパワーローラ軸受7が配設された構造を有してい
る。
【0005】ここで、前記パワーローラ軸受6は、入力
ディスク1及び出力ディスク2のトロイダル面を転走す
るパワーローラ6a(パワーローラ軸受6を構成する内
輪に相当)、外輪6b及び複数の転動体(鋼球)6cか
ら構成されている。一方、前記パワーローラ軸受7は、
入力ディスク1及び出力ディスク2のトロイダル面を転
走するパワーローラ7a(パワーローラ軸受7を構成す
る内輪に相当)、外輪7b及び複数の転動体(鋼球)7
cから構成されている。
【0006】即ち、前記パワーローラ6aはパワーロー
ラ軸受6の構成要素である内輪の役割も兼ねており、前
記パワーローラ7aはパワーローラ軸受7の構成要素で
ある内輪の役割も兼ねている。
【0007】この構造では、前記パワーローラ6aは、
枢軸8、外輪6b及び複数の転動体6cを介してトラニ
オン10に回転自在に枢着されると共に、入力ディスク
1及び出力ディスク2のトロイダル面の中心となるピボ
ット軸Oを中心として傾転自在に支持されている。一
方、前記パワーローラ7aは、枢軸9、外輪7b及び複
数の転動体7cを介してトラニオン11に回転自在に枢
着されると共に、入力ディスク1及び出力ディスク2の
トロイダル面の中心となるピボット軸Oを中心として傾
転自在に支持されている。
【0008】そして、前記入力ディスク1及び出力ディ
スク2、パワーローラ6a及びパワーローラ7aとの接
触面には、粘性摩擦抵抗の大きい潤滑油が供給され、入
力ディスク1に入力される動力を、潤滑油膜とパワーロ
ーラ6a及びパワーローラ7aとを介して出力ディスク
2に伝達する構造となっている。
【0009】なお、前記入力ディスク1及び出力ディス
ク2は、ニードル12を介して入力軸3とは独立した状
態(即ち、回転軸?の動力に直接影響されない状態)と
なっている。前記出力ディスク2には、入力軸3と平行
に配設されると共に、アンギュラ軸受13を介して図示
しないハウジングに回転自在に支持された出力軸14が
配設されている。
【0010】ところで、トロイダル無段変速機20で
は、入力軸3の動力がローディングカム4に伝達され
る。そして、この動力の伝達により、ローディングカム
4が回転すると、この回転による動力が、カムローラ5
を介して入力ディスク1に伝達され、入力ディスク1が
回転する。さらに、この入力ディスク1の回転により発
生した動力は、パワーローラ6a及びパワーローラ7a
を介して、出力ディスク2に伝達される。そして、出力
ディスク2は、出力軸4と一体となって回転する。変速
時には、トラニオン10及びトラニオン11をピボット
軸O方向に微少距離移動させる。
【0011】即ち、前記トラニオン10、11の軸方向
移動で、パワーローラ6a及びパワーローラ7aの回転
軸と、入力ディスク1及び出力ディスク2の軸との交差
が、わずかに外れる。すると、パワーローラ6a及びパ
ワーローラ7aの回転周速度と、入力ディスク1の回転
周速度との均衡が崩れ、且つ入力ディスク1の回転駆動
力の分力によって、パワーローラ6a及びパワーローラ
7aが、ピボット軸Oの回りに傾転する。
【0012】このため、パワーローラ6a及びパワーロ
ーラ7aが、入力ディスク1及び出力ディスク2の曲面
上を傾転し、その結果、速度比が変わり、減速又は増速
が行われる。このような構造を備えたトロイダル形無段
変速機としては、例えば、実公平2−49411号公報
などに開示された従来例がある。また、前記のような入
力ディスク、出力ディスク及びパワーローラ軸受として
は、「NASA Technical note NA
SA ATN−8362」に記載されているように、A
ISI52100(JISSUJ2,高炭素クロム軸受
鋼相当)を使用した従来例がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のトロイダル形無段変速機は、駆動した際に、入
力ディスク1とパワーローラ軸受との間、及び出力ディ
スク2とパワーローラ軸受との間に高い接触圧力が生じ
ると同時に、高い曲げ応力がかかる。この接触応力と曲
げ応力がディスクあるいはパワーローラに負荷される
と、ディスクあるいはパワーローラ内部にある非金属介
在物等を起点として、亀裂が発生、進展し、割れに至る
という問題がある。
【0014】本願第1の発明の目的は、入力ディスク、
出力ディスク、パワーローラの少なくとも一つを0.3
%から0.5%の中炭素鋼からなる構成することによ
り、パワーローラ軸受と入力ディスク及び出力ディスク
の割れ寿命を向上させ、長超寿命なトロイダル形無段変
速機を提供することにある。
【0015】本願第2の発明の目的は、入力ディスク、
出力ディスク、パワーローラの少なくとも一つを0.3
%から0.5%の中炭素鋼からなるとともに、浸炭又は
浸炭窒化処理された構成することにより、パワーローラ
軸受と入力ディスク及び出力ディスクの割れ寿命を向上
させ、長超寿命なトロイダル形無段変速機を提供するこ
とにある。
【0016】本願第3の発明の目的は、入力ディスク、
出力ディスク、パワーローラの少なくとも一つを0.3
%から0.5%の中炭素鋼からなるとともに、浸炭又は
浸炭窒化処理し、さらに焼入,焼戻を施した後の芯部硬
さをHRC35以上構成することにより、パワーローラ
軸受と入力ディスク及び出力ディスクの割れ寿命を向上
させ、長超寿命なトロイダル形無段変速機を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、同軸
上に対向配置された入力ディスク及び出力ディスクと、
前記入力ディスク及び出力ディスクのトロイダル面を転
走するパワーローラとを有したトロイダル形無段変速機
において、前記入力ディスク、出力ディスク、パワーロ
ーラの少なくとも一つが0.3%から0.5%の中炭素
鋼からなることを特徴とするトロイダル形無段変速機で
ある。
【0018】本願第2の発明は、同軸上に対向配置され
た入力ディスク及び出力ディスクと、前記入力ディスク
及び出力ディスクのトロイダル面を転走するパワーロー
ラとを有したトロイダル形無段変速機において、前記入
力ディスク、出力ディスク、パワーローラの少なくとも
一つが0.3%から0.5%の中炭素鋼からなるととも
に、浸炭又は浸炭窒化処理されていることを特徴とする
トロイダル形無段変速機である。
【0019】本願第3の発明は、同軸上に対向配置され
た入力ディスク及び出力ディスクと、前記入力ディスク
及び出力ディスクのトロイダル面を転走するパワーロー
ラとを有したトロイダル形無段変速機において、前記入
力ディスク、出力ディスク、パワーローラの少なくとも
一つが0.3%から0.5%の中炭素鋼からなるととも
に、浸炭又は浸炭窒化処理し、さらに焼入,焼戻を施し
た後の芯部硬さがHRC35以上であることを特徴とす
るトロイダル形無段変速機である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトロイダル形無段
変速機について更に詳しく説明する。
【0021】トロイダル形無段変速機のように、転がり
応力を受けるとともに、曲げ応力を同時に受けるような
場合、応力場に存在する非金属介在物等を起点として、
亀裂が発生し、割れに至る場合がある。この場合、起点
となる介在物の大きさ及び量がその疲労強度に大きく影
響を与える。即ち、介在物が大きく、量が多いほど疲労
強度が下がることが広く知られている。
【0022】従来の様々な研究より、非金属介在物の中
でも、酸化物系の非金属介在物が特に亀裂発生の原因と
なることが解明されている。
【0023】製鋼メーカーにおいては、鋼中の不純物で
ある、非金属介在物を低減される試みが長い年月にわた
りなされてきた。例えば、山陽特殊鋼技法Vol.5,
1997[軸受鋼]には、鋼中酸素量と転がり寿命の関
係が示されており、鋼中酸素量を低減させると、寿命が
向上するという結果が示されている。また、山陽特殊鋼
技法Vol.4,1997「当社の製鋼技術の変遷」に
は1965年から1990年に至る鋼中酸素低減の推移
が示されており、製鋼メーカによる鋼中酸素量の低減の
結果、転がり寿命が向上したことが分かる。
【0024】また、NSK Technical Jo
urnal No.652,1992「EP鋼(超長寿
命・高信頼性軸受用鋼)」では、介在物の大きさ、分布
に着目し、鋼中非金属介在物の大きさ、分布を小さくす
るように製鋼時に抑制することにより、同じレベルの鋼
中酸素量でも、転がり寿命および回転曲げ疲労強度を向
上させうることが述べられている。
【0025】鋼中酸素量の低減は、これまで新しい製鋼
技術の導入により計られてきたが、基本となる反応は炭
素と酸素の化学反応であり、炭素量の多くなるに従い、
鋼中酸素との反応が多くなる結果として、鋼中酸素の除
去を行える。従って、材料中の炭素量が低下するほど、
鋼中酸素量は増加することになる。
【0026】本発明者らは、鋼中の炭素量が0.3%以
上になると、材料中に含まれる酸化物系の非金属介在物
の分布が小さくなること、また極値統計法により推定さ
れる鋼中の最大介在物径が小さくなることを見出した。
また、同時に、疲労亀裂進展速度は、亀裂が発生してか
ら割れに至るまでの速度を決定する。鋼中の炭素量が
0.5%を超えると、亀裂進展速度が著しく大きくなる
ことを見出した。これらのことから、炭素量が0.3%
〜0.5%の中炭素鋼を用いることにより、長寿命なト
ロイダル形無断変速機を得ることができる。
【0027】また、本発明者らは、応力を受ける部位の
材料硬さを高くすることにより、疲労強度を向上させる
ことを見出した。「金属疲労 微小欠陥と介在物の影
響」,村上敬宜著,養賢堂,1993,には、介在物
径、材料のビッカーズ硬さと疲労限度との間に以下の関
係があることを述べている。
【0028】[表面の微小欠陥、亀裂、介在物に対する
肥料限度評価式] σw=1.43(Hν+120)/{(area)
1/21/6 [表面に接するような微小欠陥、亀裂、介在物に対する
疲労限度評価式] σw=1.41(Hν+120)/{(area)
1/21/6 [表面に接するような微小欠陥、亀裂、介在物に対する
疲労限度評価式] σw=1.56(Hν+120)/{(area)
1/21/6 但し、上記式において、σwは疲労限度(MPa)、H
νは材料硬さ(kgf/mm)、(area)1/2
は介在物の投影面積(μm)を夫々示す。
【0029】これらの式によると、疲労限度は介在物の
大きさ及び材料の硬さによって決定される。ところで、
材料の硬さは炭素量が0.8%程度までは、炭素量が増
加するに従って、硬さも高くなることが知られている。
【0030】そこで、接触応力を受ける入力ディスク、
出力ディスク、パワーローラの表面に浸炭あるいは浸炭
窒化を施すことにより、表面負荷炭素量を増やし、硬さ
をあげることにより、大きな介在物がある中炭素鋼を使
用した場合においても、疲労限度が上がり、長寿命なト
ロイダル形無断変速機を得ることができる。また、本発
明者らは、芯部硬さをHRC35以上にすることによ
り、入力ディスク、出力ディスク、パワーローラの剛性
を向上させ、曲げ疲労強度が高くなることを見出し、長
寿命なトロイダル形無断変速機を得た。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明に係るトロイダル形無段変速機の基本構成は
図1と同様であり、入力ディスク、出力ディスク、パワ
ーローラの少なくとも1つの材料が従来の変速機のそれ
らの材料と異なる。SCM415、SCM420、SC
M430、SCM435、SCM440、SCM445
及びSCM445の炭素量を0.6%に高めたものにつ
いて、夫々入力ディスク、出力ディスク、パワーローラ
を製造した。
【0032】このうち入力ディスクを夫々切断、研磨し
た後、非金属介在物について極統計法による最大介在物
の推定を行った。介在物は100mm中の最大介在物
を測定し、30個の試料を検鏡し、計3000mm
測定より、3000000mmにおける推定介在物径
を求めた。
【0033】図2は、各材料の炭素量と極値統計により
求められた、推定最大介在物径をあらわしたものであ
る。これより、炭素量が0.2%から0.3%に増加す
ると、推定最大介在物径が小さくなることが分かる。図
2より、3000000mmで推定した推定最大介在
物径は、炭素量を0.3%以上としていることから40
μm以下とすることが好ましい。
【0034】次に、上記で製造した入力ディスク、出力
ディスク、パワーローラを使用し、CVTを組み立て、
実験室内で耐久試験を行った。入力軸はダイナモメータ
ーにより回転させ、出力軸に取付けたダイナモメーター
によりトルク負荷がかかるようにした。試験条件は以下
の通りに行った。
【0035】試験条件 回転速度 3500r.p.m. 出力トルク 400Nm 潤滑 トラクション油 油温 100℃ 試験は、CVTユニットの振動値をモニターし、振動値
が設定レベル以上になるまで試験を行った。試験終了
後、ディスク又はパワーローラの破損状態について調査
を行った。調査をした結果を下記表1及び表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】SCM415及びSCM420の場合、破
損状態は全て割れであった。破損品の破面を観察する
と、亀裂の起点は全て材料中の非金属介在物であった。
起点となった介在物を走査型電子顕微鏡による観測を行
い、夫々の直径を求めた。起点となった介在物の大きさ
は59〜78μmであった。SCM430、SCM43
5、SCM440、SCM445及びSCM445の炭
素量を0.6%に高めたものの破損形態は全て起動面の
剥離であり、剥離部に介在物は観察されなかった。
【0039】次に、SCM415、SCM420、SC
M430、SCM435、SCM440、SCM445
及びSCM445の炭素量を0.6%に高めたものにつ
いて、表面に浸炭処理あるいは浸炭窒化処理を行い、夫
々入力ディスク、出力ディスク、パワーローラを製造し
た。熱処理は、図3〜図6の通りに行った。但し、図3
は表1及び表2による条件下の焼入焼戻し条件下で、図
4は浸炭焼入焼戻し条件下で、図5は浸炭窒化焼入焼戻
し条件下で、図6は浸炭窒化焼入焼戻し条件下による時
間と温度との関係を示す特性図を夫々示す。
【0040】製造した入力ディスク、出力ディスク、パ
ワーローラを使用し、CVTを組み立て、実験室内で耐
久試験を行った。入力軸はダイナモメーターにより回転
させ、出力軸に取り付けたダイナモメータによりトルク
負荷がかかるようにした。試験条件は以下の通りに行っ
た。
【0041】試験条件 回転速度 3500r.p.m. 出力トルク 400Nm 潤滑 トラクション油 油温 100℃ 試験はCVTユニットの振動値をモニターし、振動値が
設定レベル以上になるまで試験を行った。また、振動値
が上昇しなかったものについては、試験時間が800時
間で試験を打ち切った。試験終了後、ディスク又はパワ
ーローラの破損状態について調査を行った。調査した結
果を下記表3、表4に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】SCM415及びSCM420の場合、破
損形態は全て割れであった。破損品の破面を観察する
と、亀裂の起点は全て材料中の非金属介在物であり、起
点となった介在物の大きさは54〜77μmであった。
SCM430、SCM435、SCM440、SCM4
45及びSCM445の炭素量を0.6%に高めたもの
の破損形態は全て起動面の剥離であり、剥離部に介在物
は観察されなかった。
【0045】次に、SCM430、SCM435、SC
M440、SCM445を使用しディスクを製造した。
浸炭又は浸炭窒化後、焼入、焼戻を行い、熱処理を変
え、芯分硬さが夫々HRC30,40,45となるよう
に処理を行った。
【0046】図7のようにディスク軌道面の端面を2点
で荷重を繰り返し加え、ディスクが破断するまで試験を
行った。試験条件は、以下の通りである。
【0047】(試験条件) 試験機 サーボ型疲労試験機 制御 荷重制御 負荷荷重 最大6.4t(1点あたり3.2t) 繰り返し速度 30Hz 図8及び図9に試験結果を示す。ここで、図8はディス
ク割れ試験結果(浸炭)を示し、横軸は応力繰返し数
(Nf)、縦軸は芯分硬さ(Hv)を示す。また、図9
はディスク割れ試験結果(浸炭窒化)を示し、横軸は応
力繰返し数(Nf)、縦軸は芯分硬さ(Hv)を示す。
この結果より、芯部硬さがHRC35以上であれば、1
サイクルでは破断が生じないことが分かる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
い接触圧力と高い曲げ応力が同時に加わる、入力ディス
ク、出力ディスク、パワーローラ軸受においても、きわ
めて長寿命なトロイダル形無段変速機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のトロイダル形無断変速機の説明図。
【図2】各材料の炭素量と極値統計により求められた推
定最大介在物径との関係を示す特性図。
【図3】本発明における実施例に係る表1及び表2の条
件下の焼入焼戻し条件の時間と温度との関係を示す特性
図。
【図4】本発明における実施例に係る浸炭焼入焼戻し
(Wクエンチ)条件下の時間と温度との関係を示す特性
図。
【図5】本発明における実施例に係る浸炭窒化焼入焼戻
し(ダイレクトクエンチ)条件下の時間と温度との関係
を示す特性図。
【図6】本発明における実施例に係る浸炭窒化焼入焼戻
し(Wクエンチ)条件下の時間と温度との関係を示す特
性図。
【図7】本発明にかけるディスクの破断試験の説明図。
【図8】ディスク割れ試験結果(浸炭)による応力繰返
し数と芯部硬さとの関係を示す特性図。
【図9】ディスク割れ試験結果(浸炭窒化)による応力
繰返し数と芯部硬さとの関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…入力ディスク、 2…出力ディスク、 3…入力軸、 4…ローディングカム、 5…カムローラ、 6、7…パワーローラ軸受、 6a、7a…パワーローラ、 8、9…枢軸、 10、11…トラニオン、 12…ニードル、 14…出力軸、 20…トロイダル形無段変速機。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸上に対向配置された入力ディスク及
    び出力ディスクと、前記入力ディスク及び出力ディスク
    のトロイダル面を転走するパワーローラとを有したトロ
    イダル形無段変速機において、 前記入力ディスク、出力ディスク、パワーローラの少な
    くとも一つが0.3%から0.5%の中炭素鋼からなる
    ことを特徴とするトロイダル形無段変速機。
  2. 【請求項2】 同軸上に対向配置された入力ディスク及
    び出力ディスクと、前記入力ディスク及び出力ディスク
    のトロイダル面を転走するパワーローラとを有したトロ
    イダル形無段変速機において、 前記入力ディスク、出力ディスク、パワーローラの少な
    くとも一つが0.3%から0.5%の中炭素鋼からなる
    とともに、浸炭又は浸炭窒化処理されていることを特徴
    とするトロイダル形無段変速機。
  3. 【請求項3】同軸上に対向配置された入力ディスク及び
    出力ディスクと、前記入力ディスク及び出力ディスクの
    トロイダル面を転走するパワーローラとを有したトロイ
    ダル形無段変速機において、 前記入力ディスク、出力ディスク、パワーローラの少な
    くとも一つが0.3%から0.5%の中炭素鋼からなる
    とともに、浸炭又は浸炭窒化処理し、さらに焼入,焼戻
    を施した後の芯部硬さがHRC35以上であることを特
    徴とするトロイダル形無段変速機。
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