JP2001082289A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
送量を適切に調整し、同燃料圧送量の制御性を向上する
ことのできる内燃機関の燃料供給装置を提供する。 【解決手段】燃料供給装置の高圧燃料ポンプ47におい
て、カム22aが単位角度回転する際のプランジャ48
bの移動量(カム速度)は、カム22aの位相に応じて
変化する。高圧燃料ポンプ47の燃料圧送量は、電磁ス
ピル弁54の閉弁開始時期を変更することにより制御さ
れるが、同閉弁開始時のカム速度によって大きく影響さ
れることとなる。そのため、燃料噴射に必量とされる燃
料圧送量の最大値が得られる電磁スピル弁54の閉弁開
始時期が、カム位相の変化によるカム速度の変化が一定
となる所定カム角度範囲内に位置するよう、例えばカム
22aのカムプロフィールが設定される。そして、燃料
圧送量を調整するのための電磁スピル弁54の閉弁開始
時期の変更は上記所定カム角度範囲内で行われる。
Description
給装置に関するものである。
おいては、燃費の向上等を意図して燃焼室内に直接燃料
を噴射供給するタイプのものが実用化されている。こう
した内燃機関では、高圧になる燃焼室内の圧力に抗して
燃料噴射弁からの燃料噴射を行うため、同燃料噴射弁に
供給される燃料を高圧にする必要がある。そのため、フ
ィードポンプによって燃料タンクから送り出された燃料
を高圧燃料ポンプによって加圧し、その加圧後の燃料を
燃料噴射弁に圧送するようにしている。上記のような高
圧燃料ポンプを備える燃料供給装置としては、例えば特
開平10−176618号公報や特開平10−1766
19号公報に記載されたものが知られている。ここで、
これらの公報に記載された燃料供給装置を図9に示す。
料ポンプ101は、カム100の回転によりシリンダ1
02内で往復移動するプランジャ103と、シリンダ1
02とプランジャ103とにより区画される加圧室10
4とを備えている。この加圧室104には、燃料タンク
105から燃料を送り出すフィードポンプ106と連通
する吸入通路107、加圧室104から燃料を流出させ
て燃料タンク105に戻すスピル通路108、及び加圧
室104内の燃料を燃料噴射弁109に向けて圧送する
圧送通路110がそれぞれ接続されている。また、高圧
燃料ポンプ101には、上記吸入通路107及びスピル
通路108と加圧室104との間を開閉するスピル弁1
11が設けられている。
って、加圧室104の容積が大きくなる方向(図中下
方)にプランジャ103が移動するとき、即ち高圧燃料
ポンプ101が吸入行程にあるとき、吸入通路107か
ら加圧室104内に燃料が吸入される。また、加圧室1
04の容積が小さくなる方向(図中上方)にプランジャ
103が移動するとき、即ち高圧燃料ポンプ101が圧
送行程にあるときにスピル弁111を閉じると、吸入通
路107及びスピル通路108と加圧室104との間が
遮断され、加圧室104内の燃料が圧送通路110を介
して燃料噴射弁109に向けて圧送される。
は、圧送行程中におけるスピル弁111の閉弁期間中の
み燃料噴射弁109に向けて燃料が圧送されるため、同
スピル弁111の閉弁開始時期を制御してスピル弁11
1の閉弁期間を調整することで燃料圧送量が調整される
ようになる。即ち、燃料圧送量においては、スピル弁1
11の閉弁期間を長くすることで多くなり、同閉弁期間
を短くすることで少なくなる。そして、この燃料圧送量
の調整により、燃料噴射弁109に圧送される燃料の圧
力(燃圧)が機関運転状態に応じて定められる目標値に
制御され、燃圧と燃料噴射時間とによって決定される燃
料噴射弁109からの燃料噴射量が適正なものになる。
り出された燃料を高圧燃料ポンプ101で加圧し、この
加圧後の燃料を燃料噴射弁109に向けて圧送すること
で、燃焼室に直接燃料を噴射供給する内燃機関にあって
も、その燃料噴射を的確に行うことができるようにな
る。
ンプ101からの燃料圧送量は、スピル弁111が閉弁
開始するときのカム速度、即ちカム100が単位角度回
転するときのプランジャ103の移動量に影響される。
上記スピル弁111の閉弁開始時におけるカム速度は、
同スピル弁111の閉弁開始時期の変化に対し、必ずし
も一定の変化量で変化(一定の傾きをもって推移)する
ものではない。即ち、カムの位相によっては、スピル弁
111の閉弁開始時期の変化に対する同閉弁開始時のカ
ム速度の変化量(傾き)が大きく変動することとなる。
この状態にあって、スピル弁111の閉弁開始時期を変
更して上記燃圧を目標値に制御すべく燃料圧送量を調整
しようとしても、同閉弁開始時期の変更によって燃料圧
送量を適切に調整することが難しく、上記燃圧を目標値
に制御する際に同燃圧が大きく変動してしまう。
ものであって、その目的は、スピル弁の閉弁開始時期の
変更に応じて燃料圧送量を適切に調整し、同燃料圧送量
の制御性を向上することのできる内燃機関の燃料供給装
置を提供することにある。
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、カムの
回転によるシリンダとプランジャとの相対移動に基づき
加圧室の容積を変化させて前記加圧室に燃料を吸入する
とともに同燃料を内燃機関の燃料噴射弁に向けて圧送す
る燃料ポンプと、前記加圧室から燃料を流出させるスピ
ル通路と同加圧室との間を開閉するスピル弁とを備え、
前記スピル弁の閉弁期間を制御することにより前記燃料
ポンプから前記燃料噴射弁への燃料圧送量を調整する内
燃機関の燃料供給装置において、前記スピル弁の閉弁開
始時期を変更して同スピル弁の閉弁期間を制御すること
により、前記燃料噴射弁の燃料噴射に必要とされる前記
燃料ポンプからの燃料圧送量を得られるようにする閉弁
期間制御手段を備え、前記必要とされる燃料圧送量の最
大値を得る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が、前記カ
ムが単位角度回転する際の前記シリンダと前記プランジ
ャとの相対移動量が前記カムの位相変化に対して一定の
傾きで推移する所定カム角度範囲内に位置するよう設定
されているものとした。
と前記プランジャとの相対移動量(以下、カム速度とい
う)がカムの位相変化に対して一定の傾きで推移する所
定カム角度範囲内に、必要とされる燃料圧送量の最大値
を得る際のスピル弁の閉弁開始時期が位置する同構成に
よれば、燃料ポンプからの燃料圧送量を調整すべくスピ
ル弁の閉弁開始時期を変更するとき、この変更に対して
同閉弁開始時のカム速度が一定の変化量で変化する。ス
ピル弁の閉弁開始時におけるカム速度は燃料ポンプの燃
料圧送量に影響を及ぼすが、上記のようにスピル弁の閉
弁開始時期の変更に対して一定の変化量で同閉弁開始時
のカム速度が変化すれば、上記スピル弁の閉弁開始時期
の変更による燃料圧送量の調整を適切に行うことがで
き、同燃料圧送量の制御性を向上させることができる。
発明において、前記閉弁期間制御手段は、前記カムが上
死点付近にあるときに前記スピル弁の閉弁を終了するも
のであって、前記必要とされる燃料圧送量の最大値を得
る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が、同閉弁開始時期
を前記所定カム角度範囲内の最進角位置付近に位置させ
るように設定されているものとした。
めのスピル弁の閉弁開始時期の変更を、上記所定カム角
度範囲内において最進角位置付近からカムが上死点付近
に位置するときまでという広い範囲で行うことができ
る。
記載の発明において、前記必要とされる燃料圧送量の最
大値を得る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が前記所定
カム角度範囲内に位置するようカムプロフィールが設定
されるものとした。
の最大値を得る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が前記
所定カム角度範囲内に位置するよう、燃料ポンプにおけ
るカムのカムプロフィールが設定されるため、燃料ポン
プからの燃料圧送量を調整すべくスピル弁の閉弁開始時
期を変更するとき、この変更に対して同閉弁開始時のカ
ム速度が一定の変化量で変化する。そのため、上記スピ
ル弁の閉弁開始時期の変更による燃料圧送量の調整を適
切に行うことができ、同燃料圧送量の制御性を向上させ
ることができる。
いずれかに記載の発明において、前記必要とされる燃料
圧送量の最大値を得る際の前記スピル弁の閉弁開始時期
が前記所定カム角度範囲内に位置するよう所定カム角度
分での燃料圧送回数が設定されるものとした。
の最大値を得る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が前記
所定カム角度範囲内に位置するよう、所定カム角度分で
の燃料圧送回数が設定されるため、燃料ポンプからの燃
料圧送量を調整すべくスピル弁の閉弁開始時期を変更す
るとき、この変更に対して同閉弁開始時のカム速度が一
定の変化量で変化する。そのため、上記スピル弁の閉弁
開始時期の変更による燃料圧送量の調整を適切に行うこ
とができ、同燃料圧送量の制御性を向上させることがで
きる。
いずれかに記載の発明において、前記必要とされる燃料
圧送量の最大値を得る際の前記スピル弁の閉弁開始時期
が前記所定カム角度範囲内に位置するよう前記加圧室の
内径が設定されるものとした。
の最大値を得る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が前記
所定カム角度範囲内に位置するよう、前記加圧室の内径
が設定されるため、燃料ポンプからの燃料圧送量を調整
すべくスピル弁の閉弁開始時期を変更するとき、この変
更に対して同閉弁開始時のカム速度が一定の変化量で変
化する。そのため、上記スピル弁の閉弁開始時期の変更
による燃料圧送量の調整を適切に行うことができ、同燃
料圧送量の制御性を向上させることができる。
直列4気筒の自動車用直噴ガソリンエンジンに適用した
第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
シリンダブロック11a内に往復移動可能に設けられた
合計四つのピストン12(図1には一つのみ図示)を各
気筒毎に備えている。これらピストン12は、コンロッ
ド13を介して出力軸であるクランクシャフト14に連
結されている。そして、ピストン12の往復移動は、上
記コンロッド13によってクランクシャフト14の回転
へと変換されるようになっている。
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
シリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド15と
ピストン12との間には燃焼室16が設けられている。
この燃焼室16には吸気通路32及び排気通路33が接
続されている。そして、燃焼室16と吸気通路32とは
吸気バルブ19の開閉動作によって連通・遮断され、燃
焼室16と排気通路33とは排気バルブ20の開閉動作
によって連通・遮断される。
バルブ19及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸
気カムシャフト21及び排気カムシャフト22が回転可
能に支持されている。これら吸気及び排気カムシャフト
21,22は、タイミングベルト及びギヤ(共に図示せ
ず)等を介してクランクシャフト14に連結され、同ベ
ルト及びギヤ等によりクランクシャフト14の回転が伝
達されるようになる。そして、吸気カムシャフト21が
回転すると吸気バルブ19が開閉動作し、排気カムシャ
フト22が回転すると排気バルブ20が開閉動作する。
ャフト21の側方には、同シャフト21の外周面に設け
られた突起21aを検出して検出信号を出力するカムポ
ジションセンサ21bが設けられている。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、同シャフト21の突起
21aがカムポジションセンサ21bの側方を通過す
る。この状態にあっては、カムポジションセンサ21b
から上記突起21aの通過に対応して所定間隔毎に検出
信号が出力されるようになる。
1の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ23
が設けられている。このスロットルバルブ23の開度
は、アクセルポジションセンサ26によって検出される
アクセルペダル25の踏込量(アクセル踏込量)に基づ
きスロットル用モータ24を駆動制御することで調節さ
れる。こうしたスロットルバルブ23の開度調節によ
り、エンジン11の吸入空気量が調整される。また、吸
気通路32においてスロットルバルブ23の下流側に位
置する部分には、同通路32内の圧力を検出するバキュ
ームセンサ36が設けられている。そして、バキューム
センサ36は検出した吸気通路32内の圧力に対応した
検出信号を出力する。
6内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁40と、燃焼室1
6内に充填される燃料と空気とからなる混合気に対して
点火を行う点火プラグ41とが設けられている。そし
て、燃料噴射弁40から燃焼室16内へ燃料が噴射され
ると、同燃料が吸気通路32を介して燃焼室16に吸入
された空気と混ぜ合わされ、燃焼室16内で空気と燃料
とからなる混合気が形成される。更に、燃焼室16内の
混合気は点火プラグ41によって点火がなされて燃焼
し、燃焼後の混合気は排気として排気通路33に送り出
される。
態に応じて燃焼方式が「成層燃焼」と「均質燃焼」との
間で切り換えられる。即ち、エンジン11の運転状態が
高出力を要求される高回転負荷領域にあるときには、吸
気行程中に燃焼室16に燃料を噴射供給して空気に対し
燃料が均等に混合された均質混合気を形成し、この混合
気を燃焼させることで高出力を得ることの可能な「均質
燃焼」が実行される。また、エンジン11の運転状態が
あまり高出力を要求されない低回転低負荷領域にあると
きには、圧縮行程中に燃焼室16に燃料を噴射供給して
点火プラグ41回りに燃料濃度の高い混合気を存在さ
せ、混合気全体の平均空燃比を理論空燃比よりも大幅に
リーン側の値としても良好な着火を得ることの可能な
「成層燃焼」を実行する。
燃比を理論空燃比よりもリーン側の値とすべく、「均質
燃焼」を実行する場合に比べてスロットルバルブ23の
開度が開き側の値となるため、エンジン11のポンピン
グロスが低減して燃費が向上するようになる。このよう
に機関運転状態に応じて燃焼方式を切り換えることで、
必要な機関出力を得ることと燃費の向上との両立が図ら
れる。
11においては、燃焼室16内の高い圧力に抗して燃料
を噴射供給するために、燃料噴射弁40に供給される燃
料の圧力を高圧にするようにしている。ここで、燃料噴
射弁40に高圧燃料を供給するためのエンジン11の燃
料供給装置の詳細構造について図2を参照して説明す
る。
給装置は、燃料タンク45内から燃料を送り出すフィー
ドポンプ46と、そのフィードポンプ46によって送り
出された燃料を加圧して燃料噴射弁40に向けて圧送す
る高圧燃料ポンプ47とを備えている。上記フィードポ
ンプ46による燃料の供給圧力は、本実施形態では例え
ば0.3MPaとなっている。
22に取り付けられたカム22aの回転に基づきシリン
ダ48a内で往復移動するプランジャ48bを備えてい
る。上記カム22aは、排気カムシャフト22の軸線を
中心とする等角度毎に二つのカム山22bを有してい
る。そして、排気カムシャフト22が回転すると、それ
らカム山22bに応じてプランジャ48bがシリンダ4
8a内で往復移動するようになる。
フト14が二回転(720°回転)する間に一回転(3
60°回転)し、上記プランジャ48bは排気カムシャ
フト22が一回転する間に二回往復移動する。また、ク
ランクシャフトが720°回転する間には、エンジン1
1において燃料噴射弁40からの燃焼室16内への四回
の燃料噴射が行われる。従って、上記エンジン11にお
いては、高圧燃料ポンプ47におけるプランジャ48b
の一回の往復移動につき、二回の燃料噴射が行われるこ
ととなる。
ダ48aとプランジャ48bとによって区画されてプラ
ンジャ48bの往復移動に基づき容積が変化する加圧室
49を備えている。この加圧室49は、低圧燃料通路5
0を介して上記フィードポンプ46に接続されており、
低圧燃料通路50の途中には同通路50内の圧力を一定
(0.3MPa)にするためのプレッシャレギュレータ
51が設けられている。また、上記加圧室49は、高圧
燃料通路52及びチェック弁52aを介してデリバリパ
イプ53に連通しており、デリバリパイプ53にはエン
ジン11の各気筒に対応した燃料噴射弁40がそれぞれ
接続されている。
3内の燃料圧力(燃圧)を検出するための燃圧センサ5
5が設けられている。また、上記デリバリパイプ53
は、チェック弁50aを介して低圧燃料通路50と連通
している。そして、燃圧センサ55によって検出される
燃圧が過度に高くなると、チェック弁50aが開いて同
パイプ53内の燃料が低圧燃料通路50へ流出する。こ
うしてデリバリパイプ53からの燃料が流れ込む低圧燃
料通路50は、上記プレッシャレギュレータ51によっ
て一定(0.3MPa)の圧力に維持される。従って、
上記チェック弁50a及びプレッシャレギュレータ51
によって、デリバリパイプ53内が過度に高圧になるこ
とは抑制される。
燃料通路50と上記加圧室49との間を連通・遮断する
電磁スピル弁54が設けられている。この電磁スピル弁
54は電磁ソレノイド54aを備え、同ソレノイド54
aへの印加電圧を制御することにより開閉動作する。即
ち、電磁ソレノイド54aに対する通電が停止された状
態にあっては、コイルスプリング54bの付勢力により
電磁スピル弁54が開いて低圧燃料通路50と上記加圧
室49とが連通した状態になる。
きくなる方向にプランジャ48bが移動すると、即ち高
圧燃料ポンプ47の吸入行程が行われると、フィードポ
ンプ46から送り出された燃料が低圧燃料通路50を介
して加圧室49内に吸入される。そして、加圧室49の
容積が収縮する方向にプランジャ48bが移動すると
き、即ち高圧燃料ポンプ47の圧送行程中に、電磁ソレ
ノイド54aに対する通電により電磁スピル弁54がコ
イルスプリング54bの付勢力に抗して閉弁し、低圧燃
料通路50と上記加圧室49との間が遮断されると、加
圧室49内の燃料が燃料噴射弁40に向けて圧送され
る。
ィードポンプ46から送り出された燃料が例えば12M
Paまで加圧される。そして、この加圧された燃料が高
圧燃料通路52及びデリバリパイプ53を介して燃料噴
射弁40に圧送されるため、高圧となる燃焼室16内の
圧力に抗して同燃焼室16内に直接燃料を噴射供給する
ことができるようになる。
48bが一回往復移動する際における燃料圧送量の調整
は、電磁スピル弁54の閉弁開始時期を制御して圧送行
程中における同スピル弁54の閉弁期間を調整すること
によって行われる。即ち、電磁スピル弁54の閉弁開始
時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料圧送量が増加
し、電磁スピル弁54の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期
間を短くすると燃料圧送量が減少するようになる。そし
て、上記のように高圧燃料ポンプ47の燃料圧送量を調
整することにより、デリバリパイプ53内の燃圧が機関
運転状態に応じて定められる目標燃圧へと制御される。
図3を参照して説明する。なお、図3において、(a)
はカム22aの位相変化に対するプランジャ48bのリ
フト量の変化を示すグラフであって、(b)はカム22
aの位相変化に対するカム速度の変化、即ちカム22a
が1°回転したときのプランジャ48bのリフト量の変
化を示すグラフである。
の位相変化に対するプランジャ48bのリフト量が図3
(a)に示すように推移するよう形成されている。こう
したカム22aにおいては、カム22aが上死点(TD
C)から下死点(BDC)へ変化する過程(吸入行程)
においてはプランジャ48bのリフト量が徐々に小さく
なり、同カム22aが下死点から上死点へ変化する過程
(圧送行程)においてはプランジャ48bのリフト量が
徐々に大きくなる。
に、吸入行程において前半にはマイナス方向について徐
々に大きくなるとともに後半にはマイナス方向について
徐々に小さくなり、圧送行程において前半にはプラス方
向について徐々に大きくなるとともに後半にはプラス方
向について徐々に小さくなる。従って、圧送行程にあっ
てカム22aが上死点付近に位置するときには、同カム
22aが上死点に向かうほどカム速度がプラス方向につ
いて小さくなる。
る際には、圧送行程中に電磁スピル弁54が閉弁され、
同圧送行程が終了してカム22aが上死点に位置したと
き電磁スピル弁54が開弁される。こうした電磁スピル
弁54の開閉動作によって高圧燃料ポンプ47から燃料
噴射弁40に向けた燃料の圧送が行われる。そして、高
圧燃料ポンプ47における燃料圧送量の調整は、電磁ス
ピル弁54の閉弁開始時期を変化させて閉弁期間を調節
することによって行われる。
(b)に斜線で示す部分の面積に対応したものとなる
が、この斜線部分の面積は電磁スピル弁54の閉弁期間
に応じて変化する。即ち、電磁スピル弁54の閉弁開始
時期が早められて閉弁期間が長くなると、上記斜線部分
の面積が大きくなって高圧燃料ポンプ47の燃料圧送量
が増加する。また、電磁スピル弁54の閉弁開始時期が
遅らされて閉弁期間が短くなると、上記斜線部分の面積
が小さくなって高圧燃料ポンプ47の燃料圧送量が減少
する。
4に基づいて説明する。この燃料供給装置は、燃料噴射
制御、及び燃料圧力制御など、エンジン11の運転状態
を制御するための電子制御ユニット(以下「ECU」と
いう)92を備えている。このECU92は、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6等を備える算術論理演算回路として構成されている。
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時にその保存すべきデータ等を
記憶する不揮発性のメモリである。そして、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外
部入力回路98及び外部出力回路99と接続されてい
る。
ンセンサ14c、カムポジションセンサ21b、アクセ
ルポジションセンサ26、バキュームセンサ36、及び
燃圧センサ55等が接続されている。一方、外部出力回
路99には、燃料噴射弁40、及び電磁スピル弁54等
が接続されている。
ンクポジションセンサ14cからの検出信号に基づきエ
ンジン回転数NEを求める。また、アクセルポジション
センサ26からの検出信号に基づきアクセル踏込量AC
CPを求めるとともに、バキュームセンサ36からの検
出信号に基づき吸気圧PMを求める。そして、成層燃焼
運転時にはアクセル踏込量ACCPとエンジン回転数N
Eとに基づき基本燃料噴射量Qbse を算出し、均質燃焼
運転時には吸気圧PMとエンジン回転数NEとに基づき
基本燃料噴射量Qbse を算出する。
は、燃料噴射弁40を駆動制御し、上記基本燃料噴射量
Qbse から求められる最終燃料噴射量Qfin に対応した
量の燃料をエンジン11の圧縮行程にて噴射させる。ま
た、均質燃焼運転時においては、ECU92は、燃料噴
射弁40を駆動制御し、上記基本燃料噴射量Qbse から
求められる最終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃料を
エンジン11の吸気行程にて噴射させる。
は、デリバリパイプ53内の燃圧Pと燃料噴射時間によ
って定まるため、燃圧センサ55からの検出信号に基づ
き求められる上記燃圧Pを、機関運転状態に応じて定め
られる目標燃圧P0 に維持することが好ましい。しか
し、デリバリパイプ53内の燃圧Pは、燃料噴射が行わ
れる毎に低下するため、所定のクランク角度毎(カム2
2aの所定カム角度毎)に高圧燃料ポンプ47からデリ
バリパイプ53への燃料の圧送を行う必要がある。
高圧燃料ポンプ47を駆動する場合、燃料噴射弁40か
らの燃料噴射が四回行われるクランクシャフト14の7
20°回転間に、プランジャ48bの往復移動が二回行
われることとなる。従って、プランジャ48bの一回の
往復移動毎に電磁スピル弁54を制御して燃料圧送を行
えば、高圧燃料ポンプ47からの一回の燃料圧送量につ
き、燃料噴射弁40から二回の燃料噴射が行われること
となる。ここで、この場合におけるデリバリパイプ53
内の燃圧Pの推移について図6を参照して説明する。
弁開始されると、高圧燃料ポンプ47から燃料が圧送さ
れて燃圧Pが目標燃圧P0 に対し低い値から高い値へと
変化し、その後に電磁スピル弁54が開弁されると燃圧
Pの上昇が停止する。この上昇が停止して一定となった
燃圧Pは、燃料噴射が行われる毎に段階的に低下し、二
回の燃料噴射が行われた後には上記燃料圧送が行われる
前の値付近まで低下する。
圧Pが過度に低下しないように、一回の燃料圧送で二回
の燃料噴射に必要な量の燃料を送り出して燃圧Pを十分
に高めておく必要がある。そして、このように燃圧Pを
十分に高めるべく、電磁スピル弁54の閉弁開始時期
(閉弁期間)が調整される。
て説明する。ECU92は、上記燃圧P、目標燃圧P0
、最終燃料噴射量Qfin 、及びエンジン回転数NE等
から、電磁スピル弁54の閉弁開始時期を制御するため
のデューティ比DTを算出する。このデューティ比DT
は、カム22aにおける一定のカム角度、例えば高圧燃
料ポンプ47の圧送行程に位置するカム角度θ0 の間
で、電磁スピル弁54が閉弁しているカム角度θの割合
(θ/θ0 )を示すものである。これらカム角度θ,θ
0 の関係を図3(a)に示す。
カム22aが上死点に位置するときに電磁スピル弁54
の閉弁を終了(開弁)させる。そのため、デューティ比
DTが大きくなるほど電磁スピル弁54の閉弁開始時期
が早められ、高圧燃料ポンプ47からデリバリパイプ5
3への燃料圧送量(図3(b)中に斜線で示す部分の面
積)が多くなる。
によって算出される。 DT=DTp +DTi +FF …(1) DTp :比例項 DTi :積分項 FF :フィードフォワード項 式(1)において、比例項DTp は燃圧Pを目標燃圧P
0 に近づけるためのものであって、積分項DTi は燃料
漏れ等に起因するデューティ比DTのばらつきを抑制す
るためのものである。これら比例項DTp 及び積分項D
Ti は、それぞれ下記の式(2),(3)によって算出
される。
は、所定クランク角度分において必要とされる燃料を予
めデリバリパイプ53に供給し、機関過渡時等において
も速やかに燃圧Pを目標燃圧P0 へと近づけることがで
きるようにするためのものである。このフィードフォワ
ード項FFは、最終燃料噴射量Qfin とエンジン回転数
NEとに基づきマップを参照して算出される。こうして
算出されるフィードフォワード項FFは、最終燃料噴射
量Qfin が大きくなるほど大きい値になるとともに、エ
ンジン回転数NEが高くなるほど大きい値になる。
るデューティ比DT等に基づき、電磁ソレノイド54a
に対する通電開始時期、即ち電磁スピル弁54の閉弁開
始時期を制御する。ここで、最終燃料噴射量Qfin 及び
エンジン回転数NEに対する電磁スピル弁54の閉弁開
始時期の関係を図5に示す。
NEを一定とした条件のもとで、電磁スピル弁54の閉
弁開始時期を変更したときの高圧燃料ポンプ47からの
燃料圧送量(一回の圧送行程での燃料圧送量)の推移を
示すものである。また、図5における一点鎖線L2は、
最終燃料噴射量Qfin に対応する量の燃料を燃料噴射弁
40から噴射するのに必要とされる一回の燃料圧送量を
示すものである。
が高くなるほど二点鎖線で示すように図中左方へ移行す
るようになり、上記一点鎖線L2は最終燃料噴射量Qfi
n が大きくなるほど図中上方へ移行するようになる。そ
して、上記デューティ比DTに基づき制御される電磁ス
ピル弁54の閉弁開始時期は、実線L1と一点鎖線L2
とが交差する時期(図中のp点)となる。従って、電磁
スピル弁54の閉弁開始時期は、最終燃料噴射量Qfin
が大きくなるとともにエンジン回転数NEが高くなるほ
ど早められる。
量は、電磁スピル弁54の閉弁開始時期を変更すること
によって調整されるが、この電磁スピル弁54の閉弁開
始時における高圧燃料ポンプ47のカム速度に大きく影
響される。
ポンプ47の圧送行程において、カム22aが上死点
(TDC)に位置する前の所定カム角度範囲Aでは、カ
ム22aの位相変化に対するカム速度の変化がほぼ一定
になり、同カム22aの位相変化に対してカム速度がほ
ぼ一定の傾きで減少側に推移するようになる。従って、
燃料圧送量の調整のための電磁スピル弁54の閉弁開始
時期の変更を、同閉弁開始時期が上記所定カム角度範囲
A内から外れないようにして行えば、的確な燃料圧送量
の調整を容易に行うことができるようになる。
速度の変化がほぼ一定であれば、電磁スピル弁54の閉
弁開始時期を変更したときの燃料圧送量の変化量がカム
位相に応じて変動することが起こりにくくなる。従っ
て、カム位相の変化に対してカム速度の傾きが一定にな
る上記所定カム角度範囲A内から、電磁スピル弁54の
閉弁開始時期が外れないように、同スピル弁54の閉弁
開始時期の変更を行うことにより、燃圧Pを目標燃圧P
0 に近づけるに際して的確な燃料圧送量の調整を容易に
行うことができるようになる。
は、燃料噴射を行うのに必要な燃料圧送量を得るために
変更されるものであって、燃料噴射量が多くなって必要
な燃料圧送量が多くなるほど進角側の値へと変更され、
上記所定カム角度範囲A内から進角側へと外れやすくな
る。
fin が小さいときには、燃料噴射に必要とされる燃料圧
送量が少なくなるため、即ち図5において同必要とされ
る燃料圧送量に対応する一点鎖線L2が図中下方に移行
する。そのため、電磁スピル弁54の閉弁開始時期をカ
ム22aが上死点に位置する前の上記所定カム角度範囲
A内に位置させても必要な燃料圧送量を得ることができ
る。
fin が大きいときには、燃料噴射に必量とされる燃料圧
送量が多くなるため、即ち図5において同必要とされる
燃料圧送量に対応する一点鎖線L2が図中上方に移行す
る。そのため、上記必要な燃料圧送量を得るために、電
磁スピル弁54の閉弁開始時期を早めなければならず、
同閉弁開始時期が上記所定カム角度範囲A内から進角側
へと外れるおそれがある。
期が上記所定カム角度範囲A内から外れると、カム22
aの位相変化に対するカム速度の変化が一定でなくな
る。そのため、電磁スピル弁54の閉弁開始時期を変更
したときの燃料圧送量の変化量がカム位相に応じて変動
し易くなり、燃圧Pを目標燃圧P0 に近づけるに際して
的確な燃料圧送量の調整を行うことが難しくなる。この
燃料圧送量の調整が的確に行われないと、燃圧Pを目標
燃圧P0 に近づける際に同燃圧Pが大きく変動してしま
うという不具合が生じる。
な燃料圧送量の最大値が得られるときの電磁スピル弁5
4の閉弁開始時期が上記所定カム角度範囲A内に位置す
るようにカム22aを形成する。即ち、カム22aが上
死点付近に位置するときのプランジャ48bのリフト量
が通常のカムよりも大きくなるようにカムプロフィール
を設定する。こうしたカムプロフィールの設定により、
上記必要な燃料圧送量の最大値が得られるときの電磁ス
ピル弁54の閉弁開始時期を、上記所定カム角度範囲A
内の最進角位置付近に位置させる。
磁スピル弁54の閉弁開始時期の変更を所定カム角度範
囲Aの全領域において、即ち同所定カム角度範囲A内の
最進角位置付近からカム22aが上死点付近に位置する
ときまでという広い範囲で行うことができる。そして、
上記電磁スピル弁54の閉弁開始時期を上記所定カム角
度範囲A内で変更するだけで、必要な燃料圧送量を得る
ための同燃料圧送量の調整が行えるようになる。
弁54の閉弁開始時期の変更においては、同変更よる閉
弁開始時のカム速度の変化量がカム位相に係わらずほぼ
一定になる。そのため、電磁スピル弁54の閉弁開始時
期を変更したときの燃料圧送量の変化量がカム位相に応
じて変動することが起こりにくくなる。従って、上記電
磁スピル弁54の閉弁開始時期の変更により、的確な燃
料圧送量の調整を容易に行うことができ、燃圧Pを目標
燃圧P0 に近づけるに際して同燃圧Pが大きく変動する
のを抑制することができるようになる。
示す効果が得られるようになる。 (1)燃料噴射に必要とされる燃料圧送量の最大値を得
る際の電磁スピル弁54の閉弁開始時期が、カム22a
の位相変化に対してカム速度が一定の傾きで減少側に推
移する所定カム角度範囲A内に位置するように、高圧燃
料ポンプ47におけるカム22aのカムプロフィールを
設定した。このようにカムプロフィールの設定を行うこ
とにより、燃料圧送量を調整するための電磁スピル弁5
4の閉弁開始時期の変更は上記所定カム角度範囲A内で
行われる。こうした電磁スピル弁54の閉弁開始時期の
変更により、的確な燃料圧送量の調整を容易に行うこと
ができ、燃圧Pを目標燃圧P0 に近づけるに際して同燃
圧Pが大きく変動するのを抑制することができる。
の最大値を得る際の電磁スピル弁54の閉弁開始時期が
上記所定カム角度範囲A内の最進角位置付近に位置する
とともに、電磁スピル弁54の閉弁はカム22aが上死
点付近に位置するときに終了する。そのため、燃料圧送
量を調整するための電磁スピル弁54の閉弁開始時期の
変更を、所定カム角度範囲A内の最進角位置付近からカ
ム22aが上死点付近に位置するときまでという広い範
囲で行うことができ、燃料圧送量の調整幅を広くとるこ
とができる。
形態を図7及び図8に基づき説明する。本実施形態で
は、必要とされる燃料圧送量の最大値が得られる電磁ス
ピル弁54の閉弁開始時期を上記所定カム角度範囲A内
に位置させるよう高圧燃料ポンプ47におけるカム22
aのカムプロフィールを設定するのに代えて、上記閉弁
開始時期を上記所定カム角度範囲A内に位置させるよう
所定カム角度分(360°)での高圧燃料ポンプ47か
らの燃料圧送回数を設定する。このように本実施形態に
おいては、必要とされる燃料圧送量の最大値が得られる
電磁スピル弁54の閉弁開始時期を上記所定カム角度範
囲A内に位置させる手法のみが第1実施形態と異なって
いる。従って、本実施形態においては第1実施形態と異
なる部分のみ説明し、第1実施形態と同一の部分につい
ては詳細な説明を省略する。
においては、高圧燃料ポンプ47を駆動するカム22a
が排気カムシャフト22の軸線を中心とする等角度毎に
四つのカム山22bを有している。こうしたカム22a
によって駆動される高圧燃料ポンプ47にあっては、四
回の燃料噴射が行われるクランクシャフト14の720
°回転(排気カムシャフト22の360°回転)間にプ
ランジャ48bが四回往復移動する。従って、プランジ
ャ48bの一回の往復移動につき一回の燃料噴射が行わ
れることとなる。
ポンプ47の燃料圧送回数は、電磁スピル弁54を制御
することによって調整可能である。即ち、高圧燃料ポン
プ47からの燃料の圧送は、同ポンプ47の圧送行程中
に電磁スピル弁54を閉弁させずに開弁状態に維持する
ことによって停止することができる。カム22aが36
0°回転する間にはプランジャ48bの往復移動も四回
行われるとともに、クランクシャフト14が720°回
転して燃料噴射弁40からの燃料噴射が四回行われるこ
ととなる。上記四回のプランジャ48bの往復移動のう
ち、何回かの圧送行程で電磁スピル弁54の閉弁を行わ
ないようにすることで、カム22aの360°回転間で
の高圧燃料ポンプ47の燃料圧送回数を調整することが
できる。
動のうち、電磁スピル弁54の閉弁を一回の圧送行程お
きに行うと、カム22aの360°回転間での燃料圧送
回数が二回となり、同燃料圧送一回当たりに二回の燃料
噴射が行われることとなる。また、四回のプランジャ4
8bの往復移動のうち、全ての圧送行程で電磁スピル弁
54の閉弁を行うと、カム22aの360°回転間での
燃料圧送回数が四回となり、同燃料圧送一回当たりに上
記燃料噴射が一回行われることとなる。この場合、一回
の燃料圧送で燃料噴射一回分の燃料をデリバリパイプ5
3に送るだけでよいため、カム22aの360°回転間
での燃料圧送回数が二回の場合に比べて一回の燃料圧送
量を約半分にすることができるようになる。
燃料圧送回数の変化と燃圧Pの推移の変化との関係につ
いて図8を参照して説明する。なお、図8において、
(a)はカム22aの360°回転間での燃料圧送回数
を二回とした場合の燃圧Pの推移を示すタイムチャート
であり、(b)はカム22aの360°回転間での燃料
圧送回数を四回とした場合の燃圧Pの推移を示すタイム
チャートである。
回数を二回とした場合、図8(a)に示すように、電磁
スピル弁54が閉弁開始されると、高圧燃料ポンプ47
から燃料が圧送されて燃圧Pが目標燃圧P0 に対し低い
値から高い値へと変化し、その後に電磁スピル弁54が
開弁されると燃圧Pの上昇が停止する。この上昇が停止
して一定となった燃圧Pは、燃料噴射が行われる毎に段
階的に低下し、二回の燃料噴射が行われた後には上記燃
料圧送が行われる前の値付近まで低下する。この場合、
上記二回の燃料噴射によって燃圧Pが過度に低下しない
ように、一回の燃料圧送で二回の燃料噴射に必要な量の
燃料を送り出して燃圧Pを十分に高めておく必要があ
る。そして、このように燃圧Pを十分に高めるべく、電
磁スピル弁54の閉弁開始時期(閉弁期間)が調整され
る。
料圧送回数を四回とした場合、図8(b)に示すよう
に、電磁スピル弁54が閉弁開始されると、高圧燃料ポ
ンプ47から燃料が圧送されて燃圧Pが目標燃圧P0 に
対し低い値から高い値へと変化し、その後に電磁スピル
弁54が開弁されると燃圧Pの上昇が停止する。この上
昇が停止して一定となった燃圧Pは、一回の燃料噴射が
行われた後には上記燃料圧送が行われる前の値付近まで
低下し、その後に上記燃料圧送によって再び目標燃圧P
0 よりも高い値となる。この場合、一回の燃料圧送で一
回の燃料噴射に必要な量の燃料を送り出すだけでよいた
め、上記のようにカム22aの360°回転間での燃料
圧送回数を二回とした場合ほど燃圧Pを上昇させる必要
はなくなる。そのため、上記燃圧Pを上昇させるべく電
磁スピル弁54が閉弁されるとき、同閉弁開始時期が上
記の場合に比べて遅らされるとともに閉弁期間が短くさ
れる。
の燃料圧送回数を変更することにより、燃料噴射量を一
定とした条件下でも、必要とされる一回の燃料圧送量が
変化するため、電磁スピル弁54の閉弁開始時期を調整
することが可能になる。そして、本実施形態では、カム
22aの360°回転間での燃料圧送回数を例えば四回
に設定することにより、必要とされる燃料圧送の最大値
が得られる電磁スピル弁54の閉弁開始時期を所定カム
角度範囲A内に位置させる。その結果、上記電磁スピル
弁54の閉弁開始時期を上記所定カム角度範囲A内で変
更するだけで、必要な燃料圧送量を得るための同燃料圧
送量の調整が行えるようになる。
弁54の閉弁開始時期の変更においては、同変更よる閉
弁開始時のカム速度の変化量がカム位相に係わらずほぼ
一定になる。そのため、電磁スピル弁54の閉弁開始時
期を変更したときの燃料圧送量の変化量がカム位相に応
じて変動することが起こりにくくなる。従って、上記電
磁スピル弁54の閉弁開始時期の変更により、的確な燃
料圧送量の調整を容易に行うことができ、燃圧Pを目標
燃圧P0 に近づけるに際して同燃圧Pが大きく変動する
のを抑制することができるようになる。
示す効果が得られるようになる。 (3)燃料噴射に必要とされる燃料圧送量の最大値を得
る際の電磁スピル弁54の閉弁開始時期が、カム22a
の位相変化に対してカム速度が一定の傾きで減少側に推
移する所定カム角度範囲A内に位置するように、カム2
2aの360°回転間での高圧燃料ポンプ47の燃料圧
送回数を四回に設定した。このように上記燃料圧送回数
を設定することにより、燃料圧送量を調整するための電
磁スピル弁54の閉弁開始時期の変更は上記所定カム角
度範囲A内で行われる。こうした電磁スピル弁54の閉
弁開始時期の変更により、的確な燃料圧送量の調整を容
易に行うことができ、燃圧Pを目標燃圧P0 に近づける
に際して同燃圧Pが大きく変動するのを抑制することが
できる。
形態について説明する。本実施形態においては、必要と
される燃料圧送量の最大値が得られる電磁スピル弁54
の閉弁開始時期を上記所定カム角度範囲A内に位置させ
る手法のみが第1及び第2実施形態と異なっている。従
って、本実施形態においては第1及び第2実施形態と異
なる部分についてのみ説明し、第1及び第2実施形態と
同一の部分については詳細な説明を省略する。
48aに対するプランジャ48bの移動幅(ストロー
ク)、及び電磁スピル弁54の閉弁開始時期を一定とし
た条件のもとでは、加圧室49の内径が大きくなるほど
一回の燃料圧送量が多くなる。本実施形態では、必要と
される燃料圧送量の最大値が得られる電磁スピル弁54
の閉弁開始時期を上記所定カム角度範囲A内における最
進角位置付近に位置させるよう、高圧燃料ポンプ47に
おける加圧室49の内径が設定される。こうした加圧室
49における内径の設定は、シリンダ48a及びプラン
ジャ48bの径を調整することによって行われる。
られるようになる。 (4)燃料噴射に必要とされる燃料圧送量の最大値を得
る際の電磁スピル弁54の閉弁開始時期が、カム22a
の位相変化に対してカム速度が一定の傾きで減少側に推
移する所定カム角度範囲A内に位置するように、高圧燃
料ポンプ47における加圧室49の内径を設定した。こ
のように加圧室49における内径の設定を行うことによ
り、燃料圧送量を調整するための電磁スピル弁54の閉
弁開始時期の変更は上記所定カム角度範囲A内で行われ
る。こうした電磁スピル弁54の閉弁開始時期の変更に
より、的確な燃料圧送量の調整を容易に行うことがで
き、燃圧Pを目標燃圧P0 に近づけるに際して同燃圧P
が大きく変動するのを抑制することができる。
の最大値を得る際の電磁スピル弁54の閉弁開始時期が
上記所定カム角度範囲A内の最進角位置付近に位置する
とともに、電磁スピル弁54の閉弁はカム22aが上死
点付近に位置するときに終了する。そのため、燃料圧送
量を調整するための電磁スピル弁54の閉弁開始時期の
変更を、所定カム角度範囲A内の最進角位置付近からカ
ム22aが上死点付近に位置するときまでという広い範
囲で行うことができ、燃料圧送量の調整幅を広くとるこ
とができる。
うに変更することもできる。 ・上記各実施形態において、必要とされる燃料圧送量の
最大値が得られる電磁スピル弁54の閉弁開始時期を上
記所定カム角度範囲A内に位置させる三種類の手法を例
示したが、それら一つ一つの手法を独立して採用する代
わりに、二つ以上の手法を組み合わせて採用してもよ
い。この場合、必要とされる燃料圧送量の最大値が得ら
れる電磁スピル弁54の閉弁開始時期を、一層的確に上
記所定カム角度範囲A内に位置させることができ、燃料
圧送量の調整を的確に行って同燃料圧送量の制御性を向
上させることができる。
2bが形成されたカム22aを用いて高圧燃料ポンプ4
7を駆動する場合について説明したが、上記カム山22
bの数は四つに限らず、三つや五つ以上などに適宜変更
してもよい。例えばカム山22bを四つ以上にすれば、
所定期間中における燃料圧送回数を細かく調整すること
ができ、カム22aの360°回転間での燃料圧送回数
の設定範囲を広くとることができるようになる。この場
合、必要とされる燃料圧送量の最大値が得られる電磁ス
ピル弁54の閉弁開始時期を上記所定カム角度範囲A内
に位置させることを条件に、カム22aの360°回転
間での燃料圧送回数を四回以外の値に適宜変更してもよ
い。なお、この場合においては、必要とされる燃料圧送
量の最大値が得られる電磁スピル弁54の閉弁開始時期
を上記所定カム角度範囲A内の最進角位置付近に位置さ
せて、電磁スピル弁54の閉弁開始時期の変更を広い範
囲で行えるようにすることが好ましい。
送量の最大値が得られる電磁スピル弁54の閉弁開始時
期を上記所定カム角度範囲A内に位置させるため、カム
22aが上死点付近に位置するときのプランジャ48b
のリフト量が通常よりも大きくなるようカム22aのカ
ムプロフィールに設定した。これに代えて、カム22a
のカムプロフィールを上記所定カム角度範囲Aが通常よ
りも大きくなるようなカムプロフィールに設定すること
で、必要とされる燃料圧送量の最大値が得られる電磁ス
ピル弁54の閉弁開始時期を上記所定カム角度範囲A内
に位置させてもよい。
プ47の圧送行程中における電磁スピル弁54の閉弁終
了(開弁)時期を、カム22aが上死点に位置したとき
としたが、これを適宜変更してもよい。
プ47の圧送行程中における電磁スピル弁54の閉弁開
始時期を、所定カム角度範囲A内の最進角位置付近に位
置させたが、これを適宜変更してもよい。
の燃料供給装置に本発明を適用したが、これに代えてデ
ィーゼルエンジンの燃料供給装置に本発明を適用しても
よい。
ジンを示す断面図。
に対するプランジャのリフト量及びカム速度の推移を示
すグラフ。
図。
ジン回転数NEと電磁スピル弁の閉弁開始時期との関係
を示すグラフ。
燃料圧送及び燃料噴射弁による燃料噴射が行われる際に
おけるデリバリパイプ内の燃圧Pの推移を示すタイムチ
ャート。
を示す概略図。
燃料圧送及び燃料噴射弁による燃料噴射が行われる際に
おけるデリバリパイプ内の燃圧Pの推移を示すタイムチ
ャート。
21b…カムポジションセンサ、22…排気カムシャフ
ト、22a…カム、22b…カム山、26…アクセルポ
ジションセンサ、36…バキュームセンサ、40…燃料
噴射弁、47…高圧燃料ポンプ、48a…シリンダ、4
8b…プランジャ、49…加圧室、50…低圧燃料通
路、52…高圧燃料通路、53…デリバリパイプ、54
…電磁スピル弁、54a…電磁ソレノイド、54b…コ
イルスプリング、92…電子制御ユニット(ECU)。
Claims (5)
- 【請求項1】カムの回転によるシリンダとプランジャと
の相対移動に基づき加圧室の容積を変化させて前記加圧
室に燃料を吸入するとともに同燃料を内燃機関の燃料噴
射弁に向けて圧送する燃料ポンプと、前記加圧室から燃
料を流出させるスピル通路と同加圧室との間を開閉する
スピル弁とを備え、前記スピル弁の閉弁期間を制御する
ことにより前記燃料ポンプから前記燃料噴射弁への燃料
圧送量を調整する内燃機関の燃料供給装置において、 前記スピル弁の閉弁開始時期を変更して同スピル弁の閉
弁期間を制御することにより、前記燃料噴射弁の燃料噴
射に必要とされる前記燃料ポンプからの燃料圧送量を得
られるようにする閉弁期間制御手段を備え、 前記必要とされる燃料圧送量の最大値を得る際の前記ス
ピル弁の閉弁開始時期が、前記カムが単位角度回転する
際の前記シリンダと前記プランジャとの相対移動量が前
記カムの位相変化に対して一定の傾きで推移する所定カ
ム角度範囲内に位置するよう設定されていることを特徴
とする内燃機関の燃料供給装置。 - 【請求項2】前記閉弁期間制御手段は、前記カムが上死
点付近にあるときに前記スピル弁の閉弁を終了するもの
であって、 前記必要とされる燃料圧送量の最大値を得る際の前記ス
ピル弁の閉弁開始時期が、同閉弁開始時期を前記所定カ
ム角度範囲内の最進角位置付近に位置するよう設定され
ている請求項1記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 【請求項3】前記必要とされる燃料圧送量の最大値を得
る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が前記所定カム角度
範囲内に位置するようカムプロフィールが設定される請
求項1又は2のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装
置。 - 【請求項4】前記必要とされる燃料圧送量の最大値を得
る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が前記所定カム角度
範囲内に位置するよう所定カム角度分での燃料圧送回数
が設定される請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関
の燃料供給装置。 - 【請求項5】前記必要とされる燃料圧送量の最大値を得
る際の前記スピル弁の閉弁開始時期が前記所定カム角度
範囲内に位置するよう前記加圧室の内径が設定される請
求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装
置。
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