JP2001082258A - 排気再循環装置の異常検出装置 - Google Patents

排気再循環装置の異常検出装置

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JP2001082258A
JP2001082258A JP25780899A JP25780899A JP2001082258A JP 2001082258 A JP2001082258 A JP 2001082258A JP 25780899 A JP25780899 A JP 25780899A JP 25780899 A JP25780899 A JP 25780899A JP 2001082258 A JP2001082258 A JP 2001082258A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】排気再循環装置の異常検出を行う際にドライバ
ビリティが悪化するのを抑制することのできる排気再循
環装置の異常検出装置を提供する。 【解決手段】EGR機構の異常を検出する際には、EG
Rバルブ43の目標EGR開度Etを通常の値から異常
検出用の値へと変更し、EGRバルブ43を異常検出用
の目標EGR開度Etまで閉じる。この異常検出用の目
標EGR開度Etは、EGR機構が正常状態である条件
下において上記のようにEGRバルブ43が閉じられる
とき、エンジン11の吸気圧PMの低下量ΔPがほぼ一
定となるよう、機関運転状態に基づき算出される。従っ
て、上記のようにEGRバルブ43が閉じられるとき、
吸気圧PMの低下量ΔPに伴い変化するエンジン11の
出力トルクの低下量ΔTがほぼ一定になり、所定の機関
運転状態のときだけ同出力トルクの低下量ΔTが過度に
大きくなることは抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気を
同機関の吸気系に再循環する排気再循環装置の異常検出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費改善を意図して理論空燃比よ
りもリーンな空燃比で混合気を燃焼させる、いわゆる希
薄燃焼を実行することが可能な内燃機関が提案され、実
用化されている。こうした内燃機関にあっては、混合気
の空燃比をリーンにすべく理論空燃比の状態で混合気を
燃焼させる場合に比べてスロットルバルブが開き側に制
御されるため、ポンピングロスが低減されて燃費が改善
されるようになる。
【0003】このように希薄燃焼を行う内燃機関におい
ては、排気の一部を吸気系に再循環させて燃焼時に生じ
る窒素酸化物(NOx )の増加を抑制する排気再循環
(EGR)機構が設けられる。このEGR機構は、内燃
機関の排気通路と吸気通路とを連通するEGR通路と、
同通路に設けられたEGRバルブとを備えている。そし
て、EGRバルブの開度を調整することで、排気通路か
ら吸気通路へ再循環される排気の量(EGR量)が調整
される。こうしたEGR機構によって排気の一部が吸気
通路に戻されると、同排気により燃焼室内の温度が下が
ってNOx の生成が抑制され、排気中におけるNOx の
増加が抑制されるようになる。
【0004】しかし、EGR機構に何らかの異常、例え
ばEGRバルブの作動不良が生じたりすると、EGR量
がそのときの機関運転状態に適した値から外れて燃焼状
態が悪化するおそれがある。そこで、特開平8−424
03号公報においては、所定の異常検出条件が成立した
ときEGRバルブを全閉状態とし、このときの吸気通路
内の圧力変化に基づきEGR機構の異常検出を行うよう
にしている。こうした異常検出を行うことにより、EG
R機構におけるEGRバルブの作動不良等の異常を的確
に検出することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、EGR機構
の異常検出を行うためにEGRバルブを閉じると、内燃
機関の吸気圧が低下してポンピングロスが増大するた
め、機関出力トルクが低下することは避けられない。こ
の機関出力トルクの低下量はEGRバルブを閉じる量、
即ち吸気圧の低下量等によって変化するため、例えばE
GRバルブが全開に近い状態となる機関運転状態にあっ
て、上記異常検出のためにEGRバルブが全閉状態まで
閉じられると、上記機関出力トルクの低下量が非常に大
きいものとなる。このように機関運転状態によっては、
EGRバルブを閉じるときに機関出力トルクが大幅に低
下し、ドライバビリティの悪化を招くこととなる。
【0006】特に、希薄燃焼のうちでも、点火プラグ周
りのみに燃料濃度の高い混合気を存在させ、混合気全体
の平均空燃比を大幅にリーンとしても良好な着火が得ら
れるようにした「成層燃焼」を行う場合には、EGRバ
ルブを全閉状態にするときに機関出力トルクが大きく低
下する。これは、「成層燃焼」時にはNOx の増加を抑
制すべくEGR量を多くする必要があることから、通常
状態でのEGRバルブが大きく開いた状態になり、EG
R機構の異常検出を行うときにEGRバルブが大きく開
いた状態から全閉状態まで閉じられることが原因であ
る。従って、「成層燃焼」時には、上述したドライバビ
リティの悪化という不具合が一層顕著なものになる。
【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、排気再循環装置の異常検出
を行う際にドライバビリティが悪化するのを抑制するこ
とのできる排気再循環装置の異常検出装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機
関の排気系と吸気系とを連通する排気再循環通路に設け
られる制御弁を、機関運転状態に基づき設定される目標
開度へと制御することにより、前記吸気系への排気再循
環量を調整する排気再循環装置の異常検出装置におい
て、所定の異常検出条件が成立したとき、前記目標開度
を機関運転状態に基づき設定される通常の値から異常検
出用目標開度へと変更する変更手段と、前記排気再循環
装置が正常である条件下で前記目標開度を前記通常の値
から前記異常検出用目標開度へと変更するとき、この変
更による前記吸気系の圧力変化量が機関運転状態に係わ
らず所定値未満に抑えられるよう、前記異常検出用目標
開度を機関運転状態に基づき設定する目標開度設定手段
と、前記変更手段により前記目標開度を異常検出用目標
開度へと変更したときの前記吸気系の圧力変化に基づ
き、前記排気再循環装置の異常を検出する異常検出手段
とを備えた。
【0009】同構成によれば、排気再循環装置の異常を
検出するために制御弁が異常検出用目標開度に制御され
るとき、排気再循環装置が正常である条件下では内燃機
関の吸気系の圧力変化量が所定値未満に抑えられる。こ
の圧力変化量に応じて機関出力トルクの低下量が変化す
るが、この圧力変化量は機関運転状態に係わらず所定値
未満に抑えられることから、上記制御弁が異常検出用目
標開度に制御される際、機関出力トルクの変化量が過度
に大きくなるのを機関運転状態に関わりなく抑制するこ
とができる。従って、所定の機関運転状態のときだけ、
上記機関出力トルクの変化量が過度に大きくなることに
伴いドライバビリティの悪化を招くのを抑制することが
できる。
【0010】請求項2記載の発明では、内燃機関の排気
系と吸気系とを連通する排気再循環通路に設けられる制
御弁を、機関運転状態に基づき設定される目標開度へと
制御することにより、前記吸気系への排気再循環量を調
整する排気再循環装置の異常検出装置において、所定の
異常検出条件が成立したとき、前記目標開度を機関運転
状態に基づき設定される通常の値から異常検出用目標開
度へと変更する変更手段と、前記排気再循環装置が正常
である条件下で前記目標開度を前記通常の値から前記異
常検出用目標開度へと変更するとき、この変更による前
記吸気系の圧力変化量が機関運転状態に係わらず所定範
囲内の値となるよう、前記異常検出用目標開度を機関運
転状態に基づき設定する目標開度設定手段と、前記変更
手段により前記目標開度を異常検出用目標開度へと変更
したときの前記吸気系の圧力変化に基づき、前記排気再
循環装置の異常を検出する異常検出手段とを備えた。
【0011】同構成によれば、排気再循環装置の異常を
検出するために制御弁が異常検出用目標開度に制御され
るとき、排気再循環装置が正常である条件下では内燃機
関の吸気系の圧力変化量が所定範囲内の値となる。この
圧力変化量に応じて機関出力トルクの低下量が変化する
が、この圧力変化量が機関運転状態に係わらず所定範囲
内の値になることから、上記制御弁が異常検出用目標開
度に制御される際、機関出力トルクの変化量を機関運転
状態に関わりなく略一定にすることができる。従って、
所定の機関運転状態のときだけ上記機関出力トルクの変
化量が過度に大きくなることに伴いドライバビリティが
悪化するのを抑制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車用直噴ガソ
リンエンジンに適用した一実施形態を図1〜図7に従っ
て説明する。
【0013】図1に示すように、エンジン11は、その
シリンダブロック11a内に往復移動可能に設けられた
ピストン12を気筒毎に備えている。ピストン12は、
その頭部に成層燃焼を実行するのに必要な窪み12aが
形成されるとともに、コンロッド13を介して上記クラ
ンクシャフト14に連結されている。そして、ピストン
12の往復移動は、上記コンロッド13によってクラン
クシャフト14の回転へと変換されるようになってい
る。
【0014】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
【0015】また、シリンダブロック11aの上端には
シリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド15と
ピストン12との間には燃焼室16が設けられている。
この燃焼室16には吸気通路32及び排気通路33が接
続されている。そして、燃焼室16と吸気通路32とは
吸気バルブ19の開閉動作によって連通・遮断され、燃
焼室16と排気通路33とは排気バルブ20の開閉動作
によって連通・遮断される。
【0016】一方、シリンダヘッド15には、上記吸気
バルブ19及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸
気カムシャフト21及び排気カムシャフト22が回転可
能に支持されている。これら吸気及び排気カムシャフト
21,22は、タイミングベルト及びギヤ(共に図示せ
ず)等を介してクランクシャフト14に連結され、同ベ
ルト及びギヤ等によりクランクシャフト14の回転が伝
達されるようになる。そして、吸気カムシャフト21が
回転すると吸気バルブ19が開閉動作し、排気カムシャ
フト22が回転すると排気バルブ20が開閉動作する。
【0017】吸気通路32の上流部分には、エンジン1
1の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ23
が設けられている。このスロットルバルブ23の開度
は、アクセルポジションセンサ26によって検出される
アクセルペダル25の踏込量(アクセル踏込量)に基づ
きスロットル用モータ24を駆動制御することで調節さ
れる。こうしたスロットルバルブ23の開度調節によ
り、エンジン11の吸入空気量が調整される。吸気通路
32においてスロットルバルブ23の下流側に位置する
部分には、同通路32内の圧力を検出するバキュームセ
ンサ36が設けられている。そして、バキュームセンサ
36は検出した吸気通路32内の圧力に対応した検出信
号を出力する。
【0018】また、シリンダヘッド15には、燃焼室1
6内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁40と、燃焼室1
6内に充填される燃料と空気とからなる混合気に対して
点火を行う点火プラグ41とが設けられている。そし
て、燃料噴射弁40から燃焼室16内へ燃料が噴射され
ると、同燃料が吸気通路32を介して燃焼室16に吸入
された空気と混ぜ合わされ、燃焼室16内で空気と燃料
とからなる混合気が形成される。更に、燃焼室16内の
混合気は点火プラグ41によって点火がなされて燃焼
し、燃焼後の混合気は排気として排気通路33に送り出
される。
【0019】一方、吸気通路32のスロットルバルブ2
3よりも下流側は、排気再循環(EGR)通路42を介
して排気通路33と連通している。このEGR通路42
の途中には、ステップモータ43aを備えたEGRバル
ブ43が設けられている。そして、EGRバルブ43
は、ステップモータ43aを駆動制御することで開度調
節が行われる。こうしたEGRバルブ43の開度調節に
より、排気通路33を介して吸気通路32へ再循環する
排気の量(EGR量)が調整されるようになる。そし
て、エンジン11の排気が吸気通路32に再循環される
ことで、燃焼室16内の温度が下がって窒素酸化物(N
Ox )の生成が抑制され、エミッション悪化の抑制が図
られる。
【0020】次に、本実施形態における異常検出装置の
電気的構成を図2に基づいて説明する。この異常検出装
置は、燃料噴射量制御、及びEGR制御など、エンジン
11の運転状態を制御するための電子制御ユニット(以
下「ECU」という)92を備えている。このECU9
2は、ROM93、CPU94、RAM95及びバック
アップRAM96等を備える算出論理演算回路として構
成されている。
【0021】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時にその記憶されたデータ等を
保存する不揮発性のメモリである。そして、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外
部入力回路98及び外部出力回路99と接続されてい
る。
【0022】外部入力回路98には、クランクポジショ
ンセンサ14c、アクセルポジションセンサ26、及び
バキュームセンサ36等が接続されている。一方、外部
出力回路99には、燃料噴射弁40、及びEGRバルブ
43等が接続されている。
【0023】このように構成されたECU92は、エン
ジン11の運転状態に応じて燃焼方式を「均質燃焼」と
「成層燃焼」との間で切り換える。即ち、ECU92
は、クランクポジションセンサ14cからの検出信号に
基づきエンジン回転数NEを求める。更に、ECU92
は、機関負荷に対応した値となる基本燃料噴射量Qbse
をエンジン11の吸入空気量に関係したパラメータ等に
基づき算出する。こうしたパラメータとしては、現在の
燃焼方式が「均質燃焼」であるときにはエンジン11の
吸気圧PMが採用され、現在の燃焼方式が「成層燃焼」
であるときにはアクセル踏込量ACCPが採用される。
なお、上記吸気圧PMはバキュームセンサ36からの検
出信号に基づき求められ、アクセル踏込量ACCPはア
クセルポジションセンサ26からの検出信号に基づき求
められる。
【0024】ECU92は、上記基本燃料噴射量Qbse
(機関負荷)及びエンジン回転数NEに応じて、現在の
運転状態が「成層燃焼」と「均質燃焼」とのうちのいず
れの燃焼方式を実行すべき状態であるか判定し、同判定
に応じた燃焼方式を実行する。即ち、エンジン11の運
転状態が高回転高負荷領域にあるときに「均質燃焼」を
行い、低回転低負荷領域にあるときには「成層燃焼」を
行う。このように燃焼方式を変化させるのは、高出力が
要求される高回転高負荷時には混合気の空燃比をリッチ
側の値にしてエンジン出力を高め、あまり高出力を必要
としない低回転低負荷時には空燃比をリーン側の値にし
て燃費の改善を図るためである。
【0025】エンジン11の燃焼方式を「均質燃焼」と
した場合、ECU92は、燃料噴射弁40を駆動制御し
てエンジン11の吸気行程中に、基本燃料噴射量Qbse
から求められる最終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃
料を燃焼室16内に噴射供給する。こうした燃料噴射に
基づき燃焼室16内に形成される混合気においては、そ
の空燃比が理論空燃比若しくは理論空燃比よりもリッチ
になる。ECU92は、「均質燃焼」時にはEGRバル
ブ43を閉じ、吸気通路32への排気の再循環を停止す
る。
【0026】エンジン11の燃焼方式を「成層燃焼」と
した場合、ECU92は、燃料噴射弁40を駆動制御し
てエンジン11の圧縮行程中に、基本燃料噴射量Qbse
から求められる最終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃
料を噴射供給する。こうした燃料噴射により燃焼室16
内に形成される混合気においては、その空燃比が「均質
燃焼」時の空燃比よりもリーン側の値とされる。更に、
ECU92は、基本燃料噴射量Qbse やエンジン回転数
NE等に基づきEGRバルブ43の開度を制御し、EG
R量がそのときの機関運転状態に適した値となるように
する。
【0027】上記「成層燃焼」時において、エンジン1
1の圧縮行程中に燃料噴射弁40から噴射された燃料
は、ピストン12の頭部に設けられた窪み12a(図
1)に入り、ピストン12の移動によって点火プラグ4
1の周りに集められる。このように点火プラグ41の周
りに燃料を集めることによって、燃焼室16内の混合気
全体の平均空燃比を「均質燃焼」時より大幅にリーンに
しても、同プラグ41周りの混合気の空燃比が着火に適
したものとされて良好な混合気への着火が行われる。ま
た、燃焼室16内の混合気全体の平均空燃比を「均質燃
焼」時よりリーンにするためにスロットル開度が開き側
に制御されて吸入空気量が多くされるため、「成層燃
焼」時にはエンジン11のポンピングロスが低減される
ようになる。
【0028】次に、EGRバルブ43の開度制御の概要
を説明する。ECU92は、下記の式(1)に示される
ように、基本EGR開度Ebse にその他の補正量Aを加
算することにより目標EGR開度Etを算出する。
【0029】Et=Ebse +A …(1) 上記基本EGR開度Ebse は、基本燃料噴射量Qbse
(機関負荷)及びエンジン回転数NEに基づき、予め実
験等によって設定されるマップを参照して算出される。
こうして算出される基本EGR開度Ebse は、エンジン
11の運転状態が中回転中負荷領域に位置する状態のと
きに最も開き側の値になり、低回転低負荷領域又は高回
転高負荷領域に移行するほど閉じ側の値になる。そし
て、目標EGR開度Etが算出されると、ECU92
は、EGRバルブ43の開度が同目標EGR開度Etに
近づくようステップモータ43aを駆動制御する。こう
してEGRバルブ43の開度を制御することにより、E
GR量が機関運転状態に応じた適切な値に調整されるよ
うになる。
【0030】ところで、EGR通路42及びEGRバル
ブ43等を備える排気再循環機構(EGR機構)に何ら
かの異常、例えばEGRバルブ43の作動不良が生じた
りすると、同EGRバルブ43の開度が不適切なものに
なる。その結果、EGRバルブ43の開度によって決定
されるEGR量がそのときの機関運転状態に適した値か
ら外れ、EGR量が不適切な値になることに伴い燃焼状
態が悪化するおそれがある。
【0031】そのため、EGR機構の異常検出として、
所定の異常検出条件が成立したときにEGRバルブ43
を全閉状態とし、このときの吸気圧PMの低下量に基づ
き上記異常検出を行うことも考えられる。例えばEGR
バルブ43の作動不良が発生している場合、上記のよう
にEGRバルブ43を全閉状態にしようとしても、同バ
ルブ43が全閉状態になりきらないために吸気圧PMの
低下量が正常時よりも小さくなる。従って、この吸気圧
PMの低下量が所定の判定値以上であるか否かの判断に
基づき、EGRバルブ43の作動不良等の異常を的確に
検出することができる。
【0032】ところで、EGR機構の異常検出のために
EGRバルブ43を閉じると、エンジン11の吸気圧P
Mが低下してポンピングロスが増大するため、同エンジ
ン11の出力トルクが低下することは避けられない。こ
の出力トルクの低下量は、EEGRバルブ43を閉じる
量に応じて変化する吸気圧PMの低下量に関係している
ため、同EGRバルブ43を閉じる前の目標EGR開度
Etに応じて変化することとなる。更に、この目標EG
R開度Etは基本燃料噴射量Qbse 及びエンジン回転数
NE等の機関運転状態に基づき算出されるため、上記出
力トルクの低下量は、基本燃料噴射量Qbse 及びエンジ
ン回転数NEに応じて変化する。
【0033】ここで、EGR機構の異常検出のために、
EGRバルブ43を通常の目標EGR開度Etから全閉
状態まで閉じたときの吸気圧PMの低下量ΔPについて
図3のグラフを参照して説明する。
【0034】このグラフにおいて実線は、エンジン回転
数NEを一定とした条件のもとで機関負荷(基本燃料噴
射量Qbse )が変化するときの上記吸気圧PMの低下量
ΔPの推移を示すものである。このグラフから明らかな
ように、上記異常検出のためにEGRバルブ43を全閉
状態まで閉じるときの吸気圧PMの低下量ΔPは、エン
ジン回転数NEを一定とした条件下では、中負荷のとき
に最も大きくなり、低負荷又は高負荷になるほど小さく
なる。これは中負荷のときに最も目標EGR開度Etが
開き側の値になり、上記異常検出を行うべくEGRバル
ブ43を全閉状態まで閉じるときの閉じ量が最も大きく
なるためである。
【0035】エンジン11の中負荷運転時など、目標E
GR開度Etが開き側の値であってEGRバルブ43が
全開に近い状態になる機関運転状態で、上記異常検出の
ためにEGRバルブ43が全閉状態まで閉じられると、
吸気圧PMの低下量ΔPが大きいために機関出力トルク
の低下量が非常に大きいものとなる。このように機関出
力トルクの低下量は、EGRバルブ43を閉じるときの
機関負荷(基本燃料噴射量Qbse )やエンジン回転数N
E等の機関運転状態(目標EGR開度Et)に応じて異
なるものとなる。そのため、機関運転状態によっては、
上記のようにEGRバルブ43を閉じる際に機関出力ト
ルクの低下量が過度に大きくなり、ドライバビリティの
悪化を招くこととなる。
【0036】そこで本実施形態では、EGR機構の異常
検出を行う際にEGRバルブ43を全閉状態まで閉じる
のではなく、同EGRバルブ43を通常の目標EGR開
度Etよりも閉じ側の値となるが全閉状態よりは開き側
の値となる異常検出用の目標EGR開度Etへと制御す
る。そして、こうした異常検出用の目標EGR開度Et
を、EGR機構が正常状態である条件下でEGRバルブ
43を同異常検出用の目標EGR開度Etまで閉じたと
き、これによる吸気圧PMの低下量ΔPが機関運転状態
に係わらずほぼ一定となり、しかも同低下量ΔPがEG
R機構の異常検出を行うのに必要な値となるよう算出す
る。
【0037】従って、EGR機構の異常検出を行う際に
は、まず、EGRバルブ43を開度制御するための目標
EGR開度Etが、図4(a)に示されるように通常の
値から異常検出用の値へと変更される。その結果、EG
Rバルブ43が通常の目標EGR開度Etから異常検出
用の目標EGR開度Etまで閉じられ、図4(b)に示
されるように吸気圧PMが低下する。この吸気圧PMの
低下量ΔPは、上記のように異常検出用の目標EGR開
度Etが算出されることから、EGR機構が正常であれ
ば機関運転状態(機関負荷等)に関わりなく、図3に破
線で示すようにほぼ一定になる。この低下量ΔPは、E
GR機構の異常検出を行うのに必要な値とされ、過度に
小さい値となって同異常検出が困難な値になることはな
い。
【0038】また、上記吸気圧PMが低下することによ
りエンジン11のポンピングロスが増大し、図4(c)
に示されるようにエンジン11の出力トルクも低下す
る。EGR機構が正常であれば、上記吸気圧PMの低下
量ΔPが機関運転状態に関わりなくほぼ一定になるた
め、この吸気圧PMの低下量ΔPに応じて低下する機関
出力トルクの低下量ΔTも機関運転状態に関わりなくほ
ぼ一定となる。そのため、上記異常検出のためにEGR
バルブ43を異常検出用の目標EGR開度Etまで閉じ
る際、吸気圧PMの低下量ΔPに応じて変化する機関出
力トルクの低下量ΔTが過度に大きくなり、ドライバビ
リティの悪化を招くことが抑制される。
【0039】なお、EGRバルブ43の作動不良などE
GR機構に何らかの異常が発生している場合、上記のよ
うにEGRバルブ43を通常の目標EGR開度Etから
異常検出用の目標EGR開度Etまで閉じるとき、同バ
ルブ43の開度が異常検出用の目標EGR開度Etに達
せず、吸気圧PMの低下量ΔPが正常時よりも小さくな
る。そのため、この吸気圧PMの低下量ΔPが所定の判
定値よりも大きいか否かに基づき、EGR機構の異常を
的確に検出することができるようになる。
【0040】次に、目標EGR開度Etの算出手順につ
いて図5を参照して説明する。図5は、目標EGR開度
Etを算出するための目標EGR開度算出ルーチンを示
すフローチャートである。この目標EGR開度算出ルー
チンは、ECU92を通じて例えば所定時間毎の時間割
り込みにて実行される。
【0041】目標スロットル開度算出ルーチンにおいて
は、ステップS106の処理で、基本燃料噴射量Qbse
(機関負荷)及びエンジン回転数NEに基づき算出され
る基本EGR開度Ebse 等から、上記式(1)を用いて
目標EGR開度Etを算出する。ECU92は、EGR
バルブ43の開度を上記のように算出される目標EGR
開度Etに近づけるべく、同目標EGR開度Etに基づ
きステップモータ43aを駆動制御する。
【0042】また、目標EGR開度算出ルーチンにおい
て、ステップS101の処理は、EGR機構の異常検出
を実行するか否かの基準となる異常検出実行が成立して
いるか否かを判断するためのものである。こうした異常
検出が行われない通常時においては、ステップS105
の処理で通常時での基本EGR開度Ebse が算出され、
この基本EGR開度Ebse を用いて目標EGR開度Et
が通常時の値として算出されるようになる。
【0043】一方、上記異常検出が行われるときには、
ステップS102の処理で異常検出用の基本EGR開度
Ebse が算出され、この基本EGR開度Ebse を用いて
目標EGR開度Etが異常検出時の値として算出される
ようになる。こうして算出される異常検出用の目標EG
R開度Etは、通常時の目標EGR開度Etに比べて閉
じ側の値であって、EGR機構が正常状態である条件下
ではEGRバルブ43の開度を通常時の目標EGR開度
Etから異常検出用の目標EGR開度Etへと閉じたと
き、吸気圧PMの低下量ΔPが機関運転状態に関わりな
くほぼ一定になるとともに上記異常検出に必要な値にな
るよう算出される。
【0044】ECU92は、上記ステップS101の処
理として、下記の異常検出条件が全て成立しているか否
かを判断する。 ・アクセル踏込量ACCPやエンジン回転数NEの変動
が少なく、機関運転状態が安定していること ・今回エンジン11が始動されてから一度も正常判断が
なされていないこと ・前回の異常検出が実行されてから所定時間が経過して
いること 上記各条件のうちのいずれか一つでも不成立であって、
エンジン11の運転状態がEGR機構の異常検出を行う
べきでない状態でない旨判断されると、ステップS10
4に進む。
【0045】ECU92は、ステップS104の処理
で、異常検出未完フラグFとして「0」をRAM95の
所定領域に記憶する。この異常検出未完フラグFは、初
期値が「0」であって上記各異常検出条件が成立したと
きに「1」に設定されるものである。
【0046】そして、ECU92は、ステップS105
の処理として基本燃料噴射量Qbse及びエンジン回転数
NEに基づき通常時の基本EGR開度Ebse を算出し、
続くステップS106の処理で算出される目標EGR開
度Etを通常時の値とする。こうして算出される目標E
GR開度Etは、エンジン回転数NEが一定である条件
のもとでは、機関負荷(基本燃料噴射量Qbse )が中負
荷であるときに最も開き側の値になり、低負荷又は高負
荷になるほど閉じ側の値になる。
【0047】この目標EGR開度Etを算出した後、E
CU92は、当該目標EGR開度算出ルーチンを一旦終
了する。そして、ECU92は、EGRバルブ43の開
度が上記目標EGR開度Etに近づくようステップモー
タ43aを駆動制御し、EGR量をこのときの機関運転
状態に適したものへと調整する。
【0048】一方、上記ステップS101の処理におい
て、上記各条件が全て成立しており、エンジン11の運
転状態がEGR機構の異常検出を行うべき状態である旨
判断されると、ステップS102に進む。
【0049】ECU92は、ステップS102の処理と
して、基本燃料噴射量Qbse 及びエンジン回転数NEに
基づき異常検出用の基本EGR開度Ebse を算出する。
こうして算出される異常検出用の基本EGR開度Ebse
の機関負荷及びエンジン回転数NEの変化に対する推移
傾向を図6に示す。図6において(a)〜(b)は、エ
ンジン回転数NEをそれぞれNE1、NE2、NE3
(「NE1<NE2<NE3」)に固定した状態で、機
関負荷(基本燃料噴射量Qbse )を変化させたときの異
常検出用の目標EGR開度Etの推移を示すものであ
る。
【0050】図6から明らかなように、いずれのエンジ
ン回転数NE(=NE1、NE2、NE3)であって
も、目標EGR開度Etは機関負荷が中負荷であるとき
に最も開き側の値になり、低負荷又は高負荷になるほど
閉じ側の値になる。これは、ステップS105の処理で
算出される通常の基本EGR開度Ebse が、上記と同じ
く中負荷であるときに最も開き側の値になり、低負荷又
は高負荷になるほど閉じ側の値になるためである。この
通常時の基本EGR開度Ebse に比べて、上記異常検出
用の基本EGR開度Ebse は閉じ側の値になる。
【0051】上記のように異常検出用の基本EGR開度
Ebse を算出した後、ECU92は、ステップS103
の処理で異常検出未完フラグFとして「1(未完)」を
RAM95の所定領域に記憶し、続くステップS106
の処理で算出される目標EGR開度Etを異常検出用の
値とする。この目標EGR開度Etを算出した後、EC
U92は、当該目標EGR開度算出ルーチンを一旦終了
する。そして、ECU92は、EGRバルブ43を上記
異常検出用の目標EGR開度Etまで閉じるべくステッ
プモータ43aを駆動制御する。このようにEGRバル
ブ43が閉じられるときの吸気圧PMの低下量ΔPに基
づき、EGR機構に異常が発生しているか否かが判断さ
れる。
【0052】次に、EGR機構の異常検出手順について
図7を参照して説明する。図7は、ER機構における異
常の有無を、EGRバルブ43が異常検出用の目標EG
R開度Etへと制御されるときの吸気圧PMの低下量Δ
Pに基づき判断する異常検出ルーチンを示すフローチャ
ートである。この異常検出ルーチンは、ECU92を通
じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0053】異常検出ルーチンにおいては、ステップS
201の処理は、上記異常検出のためにEGRバルブ4
3が閉じられてから吸気圧PMが低下するのに必要な時
間が経過したか否かを判断するためのものである。ま
た、ステップS202〜S204の処理は、上記吸気圧
PMの低下量ΔPに基づきEGR機構での異常発生の有
無を判断するためのものである。更に、ステップS20
5の処理は、上記EGR機構の異常検出が未完であるか
否かを判断するための異常検出未完フラグFを「0(完
了)」に設定するためのものである。
【0054】ECU92は、ステップS201の処理と
して、異常検出未完フラグFが「1(未完)」であり、
且つ上記異常検出条件が成立して異常検出未完フラグF
が「1(未完)」とされてから所定時間が経過したか、
即ち上記異常検出のためにEGRバルブ43が閉じられ
てから吸気圧PMが低下するのに必要な時間が経過した
か否かを判断する。そして、ステップS201の処理に
おいて、NOであれば当該異常検出ルーチンを一旦終了
し、YESであればステップS202に進む。ECU9
2は、ステップS202の処理として、上記吸気圧PM
の低下量ΔPが判定値a未満であるかに基づき、EGR
機構における異常発生の有無を判断する。
【0055】EGRバルブ43を異常検出用の目標EG
R開度Etまで閉じるとき、EGRバルブ43の作動不
良などEGR機構に何らかの異常が発生していると、E
GRバルブ43が上記目標EGR開度Etまで閉じきら
ず、吸気圧PMの低下量ΔPが適正な値よりも小さくな
る。そのため、ステップS202の処理において、「Δ
P<a」であれば、EGR機構に異常が発生している旨
の判断、即ち異常判断がなされてステップS203に進
む。ECU92は、ステップS203の処理で、異常フ
ラグFWとして「1(異常有り)」をバックアップRA
M96の所定領域に記憶する。このように異常フラグF
Wが「1」とされると、ECU92は、例えば自動車の
計器パネルに設けられた警告ランプを点灯させ、EGR
機構に異常が発生していることを自動車の運転者に知ら
せる。
【0056】一方、上記ステップS202の処理におい
て、吸気圧PMの低下量ΔPが判定値a未満でなければ
(「ΔP≧a」)、EGR機構に異常が発生していない
旨の判断、即ち正常判断がなされる。このようにEGR
機構に異常が発生していなければ、吸気圧PMの低下量
ΔPは機関運転状態に係わらずほぼ一定となる。即ち、
EGR機構の異常検出のためにEGRバルブ43を通常
の目標EGR開度Etから異常検出用の目標EGR開度
Etへと閉じるとき、基本燃料噴射量Qbse 及びエンジ
ン回転数NEといった機関運転状態に応じて変化する上
記通常時の目標EGR開度Etに係わらず上記吸気圧P
Mの低下量ΔPは一定となる。
【0057】これは、同低下量ΔPが機関運転状態に関
わりなく一定となるよう、しかも上記異常検出を行うの
に必要な値となるよう目標EGR開度算出ルーチン(図
5)におけるステップS102の処理で異常検出用の基
本EGR開度Ebse が算出されるためである。このよう
に上記異常検出のためにEGRバルブ43が閉じられる
ときの吸気圧PMの低下量ΔPが、機関運転状態に関わ
りなくほぼ一定にされるため、同低下量ΔPに応じて変
化する機関出力トルクの低下量ΔTが過度に大きくな
り、ドライバビリティの悪化を招くことが抑制される。
【0058】上記ステップS202の処理において、
「ΔP<a」でない旨判断されると、ECU92は、ス
テップS204の処理で異常フラグFWとして「0(異
常無し)」をバックアップRAM96の所定領域に記憶
する。上記S202〜S204の処理により、EGR機
構での異常発生の有無を判断して同異常の検出を実行し
た後には、ステップS206に進む。ECU92は、ス
テップS206の処理で、異常検出未完フラグFとして
「0(完了)」をRAM95の所定領域に記憶した後、
この異常検出ルーチンを一旦終了する。
【0059】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)EGR機構の異常検出を行うためにEGRバルブ
43が通常の目標EGR開度Etから異常検出用の目標
EGR開度Etへと閉じられるとき、エンジン11の吸
気圧PMが低下するが、この吸気圧PMの低下量ΔP
は、EGR機構が正常である条件下では機関負荷に関わ
りなくほぼ一定で、且つ上記異常検出を行うのに必要な
値とされる。これは、異常検出用の目標EGR開度Et
(基本EGR開度Ebse )は、EGR機構が正常状態で
ある条件下において上記のようにEGRバルブ43が閉
じられたとき、吸気圧PMの低下量ΔPがほぼ一定で且
つ上記異常検出に必要な値となるよう、基本燃料噴射量
Qbse 及びエンジン回転数NEといった機関運転状態に
基づき算出されるためである。
【0060】EGRバルブ43が通常の目標EGR開度
Etから異常検出用の目標EGR開度Etへと閉じられ
るとき、吸気圧PMの低下量ΔPに応じてエンジン11
の出力トルクが低下する。しかし、EGR機構が正常状
態である条件下では吸気圧PMの低下量ΔPがほぼ一定
とされることから、上記出力トルクの低下量ΔTは、吸
気圧PMの低下量ΔPに対応する値以上に大きくなるこ
とはなく、機関運転状態に係わらず上記低下量ΔPに対
応する値にてほぼ一定となるよう抑制される。また、上
記吸気圧PMの低下量ΔPは、機関運転状態に係わらず
上記EGR機構の異常検出に必要とされる値にてほぼ一
定とされる。
【0061】従って、EGRバルブ43を通常の目標E
GR開度Etから異常検出用の目標EGR開度Etへと
閉じることにより、上記EGR機構の異常検出に必要な
吸気圧PMの低下量ΔPを確保して同異常検出の性能を
維持して同異常検出の性能を維持しつつ、所定の機関運
転状態のときだけエンジン11の出力トルクTの低下量
ΔTの過度に大きくなることに伴いドライバビリティが
悪化するのを抑制することができる。
【0062】(2)「成層燃焼」では、NOx が発生し
易いために同NOx の増加を抑制すべくEGR量を多く
する必要があることから、通常状態ではEGRバルブ4
3が大きく開いた状態になり、EGR機構の異常検出の
ためにEGRバルブ43が閉じられるときの出力トルク
の低下量ΔTが大きくなり易い。しかし、上記のように
異常検出用の基本EGR開度Ebse (目標EGR開度E
t)を算出することにより、上記「成層燃焼」の行われ
るエンジン11であっても、的確に上記出力トルクの低
下に伴うドライバビリティの悪化を抑制することができ
る。
【0063】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。 ・本実施形態では、EGR機構の異常検出のためにEG
Rバルブ43を異常検出用の目標EGR開度Etまで閉
じる際、EGR機構が正常状態である条件下では機関運
転状態に係わらず吸気圧PMの低下量ΔPがほぼ一定と
なるよう上記異常検出用の目標EGR開度Etを同機関
運転状態に基づき算出したが、本発明はこれに限定され
ない。
【0064】要は、上記のようにEGRバルブ43を閉
じる際、EGR機構が正常状態である条件下では機関運
転状態に係わらず吸気圧PMの低下量ΔPがほぼ一定を
含み所定範囲内の値となるよう、上記異常検出用の目標
EGR開度Etを同機関運転状態に基づき算出すればよ
い。この場合、上記所定範囲は、吸気圧PMの低下量Δ
Pに応じて変化する機関出力トルクの低下量ΔTが過度
に大きくならず、且つEGR機構の異常検出に必要な吸
気圧PMの低下量ΔPが得られる範囲とする。このよう
に異常検出用の目標EGR開度Etを算出することで、
上記異常検出に必要な吸気圧PMの低下量ΔPを確保し
て同異常検出の性能を維持しつつ、所定の機関運転状態
のときだけ上記機関出力トルクの低下量ΔTが過度に大
きくなることに伴いドライバビリティが悪化するのを抑
制することができる。
【0065】また、上記のようにEGRバルブ43を閉
じる際、EGR機構が正常状態である条件下では機関運
転状態に係わらず吸気圧PMの低下量ΔPがほぼ一定に
なるのではなく所定値未満に抑制されるよう、上記異常
検出用の目標EGR開度Etを同機関運転状態に基づき
算出してもよい。この場合、上記所定値は、吸気圧PM
の低下量ΔPに応じて変化する機関出力トルクの低下量
ΔTが過度に大きくならず、且つEGR機構の異常検出
に必要な吸気圧PMの低下量ΔPが得られる値とする。
このように異常検出用の目標EGR開度Etを算出する
ことで、上記異常検出に必要な吸気圧PMの低下量ΔP
を確保して同異常検出の性能を維持しつつ、所定の機関
運転状態のときだけ上記機関出力トルクの低下量ΔTが
過度に大きくなることに伴いドライバビリティが悪化す
るのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の異常検出装置が適用されるエンジ
ン全体を示す断面図。
【図2】同異常検出装置の電気的構成を示すブロック
図。
【図3】EGR機構の異常検出を行う際の吸気圧PMの
低下量ΔPの機関負荷の変化に対する推移を示すグラ
フ。
【図4】EGR機構の異常検出を行う際の時間経過に対
する目標EGR開度Et、吸気圧PM、及び出力トルク
の推移を示すタイムチャート。
【図5】目標EGR開度Etの算出手順を示すフローチ
ャート。
【図6】異常検出用の基本EGR開度Ebse の機関負荷
及びエンジン回転数の変化に対する推移傾向を示すグラ
フ。
【図7】EGR機構の異常検出手順を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
11…エンジン、14c…クランクポジションセンサ、
26…アクセルポジションセンサ、36…バキュームセ
ンサ、42…EGR通路、43…EGRバルブ、43a
…ステップモータ、92…電子制御ユニット(EC
U)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G062 AA03 AA07 BA06 EA11 ED02 ED04 FA18 GA02 GA04 GA06 3G301 HA01 HA04 HA06 HA13 HA16 JB09 LA03 LB04 LC03 LC04 MA13 MA14 PA07Z PE01Z PF03Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気系と吸気系とを連通する排
    気再循環通路に設けられる制御弁を、機関運転状態に基
    づき設定される目標開度へと制御することにより、前記
    吸気系への排気再循環量を調整する排気再循環装置の異
    常検出装置において、 所定の異常検出条件が成立したとき、前記目標開度を機
    関運転状態に基づき設定される通常の値から異常検出用
    目標開度へと変更する変更手段と、 前記排気再循環装置が正常である条件下で前記目標開度
    を前記通常の値から前記異常検出用目標開度へと変更す
    るとき、この変更による前記吸気系の圧力変化量が機関
    運転状態に係わらず所定値未満に抑えられるよう、前記
    異常検出用目標開度を機関運転状態に基づき設定する目
    標開度設定手段と、 前記変更手段により前記目標開度を異常検出用目標開度
    へと変更したときの前記吸気系の圧力変化に基づき、前
    記排気再循環装置の異常を検出する異常検出手段と、 を備えることを特徴とする排気再循環装置の異常検出装
    置。
  2. 【請求項2】内燃機関の排気系と吸気系とを連通する排
    気再循環通路に設けられる制御弁を、機関運転状態に基
    づき設定される目標開度へと制御することにより、前記
    吸気系への排気再循環量を調整する排気再循環装置の異
    常検出装置において、 所定の異常検出条件が成立したとき、前記目標開度を機
    関運転状態に基づき設定される通常の値から異常検出用
    目標開度へと変更する変更手段と、 前記排気再循環装置が正常である条件下で前記目標開度
    を前記通常の値から前記異常検出用目標開度へと変更す
    るとき、この変更による前記吸気系の圧力変化量が機関
    運転状態に係わらず所定範囲内の値となるよう、前記異
    常検出用目標開度を機関運転状態に基づき設定する目標
    開度設定手段と、 前記変更手段により前記目標開度を異常検出用目標開度
    へと変更したときの前記吸気系の圧力変化に基づき、前
    記排気再循環装置の異常を検出する異常検出手段と、 を備えることを特徴とする排気再循環装置の異常検出装
    置。
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WO2010104268A2 (ko) * 2009-03-12 2010-09-16 Ki Kum 내연기관의 흡배기 연결장치
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