JP2001082242A - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

エンジンの点火時期制御装置

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JP2001082242A
JP2001082242A JP26277699A JP26277699A JP2001082242A JP 2001082242 A JP2001082242 A JP 2001082242A JP 26277699 A JP26277699 A JP 26277699A JP 26277699 A JP26277699 A JP 26277699A JP 2001082242 A JP2001082242 A JP 2001082242A
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Japan
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correction
ignition timing
fuel
engine
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JP26277699A
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English (en)
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Keitaro Esumi
圭太郎 江角
Shigeru Yamamoto
山本  茂
Kenji Sasaki
健二 佐々木
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高オクタン価燃料にも低オクタン価燃料にも
対応でき、かつ、高オクタン価燃料の場合に実際のオク
タン価に対応した最適な点火時期を速やかに設定できる
ようにする。 【解決手段】 低オクタン価燃料用の要求進角値を基本
点火時期とし、ノッキング発生時に点火時期を遅角補正
するとともに点火時期を強制的に所定量ずつ進角補正
し、それによる進角側のノック補正値(thtk)が1
cAを越える度に減算タイマをセットして、1cAを越
えたノック補正値をタイマが0になるまで積算し、積算
値(thtks)が60cAを越えると、使用燃料が高
オクタン価燃料であると判定し、ノック補正値の学習を
開始する。そして、次回ノッキング制御を開始する時
に、前回の学習値をノック補正値の初期値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの点火時
期制御装置、特に、高オクタン価燃料にも低オクタン価
燃料にも対応できる点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高オクタン価燃料すなわちハイオク燃料
の使用を前提とするエンジンでは、低オクタン価燃料す
なわちレギュラー燃料の使用を前提とするエンジンに較
べて点火時期が進角側すなわちアドバンス側に設定され
るが、そうしたハイオク仕様のエンジンでもレギュラー
燃料が使用される場合があり、その場合、点火時期がハ
イオク用のままではノッキングが頻発する。そのため、
ハイオク用の点火時期に加えてレギュラー用の点火時期
を予め用意し、ハイオク用の点火時期で運転を開始し
て、ノッキングが発生するとその都度点火時期を遅角す
なわちリタードさせ、リタード量が所定値に達するとレ
ギュラー燃料が使用されていると判定してハイオク用か
らレギュラー用に点火時期を切り換えるようにする制御
が従来から行われている。
【0003】しかし、そのようにハイオク用の点火時期
から出発し、レギュラー燃料と判定した時にレギュラー
用の点火時期に切り換えるのでは、レギュラー燃料の場
合に最初は必ず何回かノッキングが発生することになる
が、一時的にしろそうしたノッキングが発生することは
商品性上好ましくない。そこで、特公平5−31673
号公報に記載されているように、基本点火時期をレギュ
ラー用に設定し、運転領域がノック制御領域になると点
火時期を強制的に進角させてノッキングを発生させ、そ
の時の点火時期に基づいて使用燃料がハイオクかレギュ
ラーかを判定して、ハイオクと判定した時は基本点火時
期をレギュラー用からハイオク用に切り換えるようにし
たものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載のよう
に、点火時期を当初レギュラー用に設定しておいて、ハ
イオクと判定した時にハイオク用の点火時期に切り換え
るようにすると、ハイオク燃料およびレギュラー燃料の
いずれにも対応でき、ハイオク用から出発してレギュラ
ー用に切り換える場合のようなノッキングの発生を防止
することができる。しかしながら、このようにハイオク
と判定した時に点火時期をレギュラー用からハイオク用
に切り換えるといっても、所謂ハイオク燃料にはオクタ
ン価の異なるものが幾種類もあるため、ハイオク判定を
して切り換えた時の点火時期が、実際に使用されている
燃料のオクタン価に対応した最適な点火時期となるとは
限らない。そして、例えば、ハイオク燃料ではあっても
オクタン価が比較的低いものが使われた場合に、ハイオ
ク判定で切り換わった点火時期の進角量が大きすぎてノ
ッキングを招くことがあり、逆に、ハイオクの中でもオ
クタン価の高い燃料の場合は、設定されたハイオク用の
点火時期では進角量に余裕があって、実際のオクタン価
に対応した十分な出力性能が得られない。
【0005】したがって、高オクタン価燃料にも低オク
タン価燃料にも対応でき、かつ、高オクタン価燃料使用
の場合に実際のオクタン価に対応した最適な点火時期を
速やかに設定できるようにすることが課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるエンジンの
点火時期制御装置は、エンジンの運転状態に応じて基本
点火時期を低オクタン価燃料(すなわちレギュラー燃
料)に対応した値に設定する基本点火時期設定手段と、
エンジンのノッキングの発生を検出するノッキング検出
手段と、所定のノッキング補正実行条件が成立した状態
で、上記ノッキング検出手段によるノッキング検出の出
力を受けてエンジンの点火時期を遅角側に補正するノッ
キング制御手段と、上記ノッキング補正実行条件が成立
し、かつ、ノッキングが発生しない状態で、エンジンの
点火時期を強制的に上記基本点火時期に対し所定量ずつ
進角側に補正する進角補正手段と、上記進角補正手段に
より補正された点火時期の進角側の補正量が所定値を越
える状態になった時、使用燃料が高オクタン価燃料(す
なわちハイオク燃料)であると判定する燃料性状判定手
段と、上記燃料性状判定手段により使用燃料が高オクタ
ン価燃料であると判定されると、上記進角補正手段によ
り設定された進角側の補正量の学習を開始する進角補正
学習手段と、上記進角補正学習手段により学習した補正
量を、上記ノッキング補正実行条件が再度成立した時の
上記進角補正手段による進角側への補正の初期値に設定
する進角補正初期値設定手段を備えたことを特徴とす
る。
【0007】このようにエンジンの点火時期制御装置を
構成することにより、基本点火時期はレギュラー燃料に
対応した値に設定される。そして、ノッキング補正実行
条件が成立すると、エンジンの点火時期は基本点火時期
に対し所定量ずつ進角側に補正され、また、ノッキング
が発生すると逆に遅角側に補正され、そうして点火時期
がノッキング限界にフィードバック制御される。また、
点火時期を進角側に補正していって、その進角側の補正
量がノッキングが発生しない状態で所定値を越え、レギ
ュラー燃料ではそれ以上進角できないという進角補正量
に達した状態となると、使用燃料がハイオク燃料である
と判定され、進角補正量の学習が開始される。そして、
ノッキング補正実行条件が成立しなくなって、点火時期
の補正量がリセットされた後、ノッキング補正実行条件
が再度成立した時に、前回の学習値が進角補正量の初期
値に設定される。この学習値は、使用されているハイオ
ク燃料の実際のオクタン価に対応したノッキング限界の
進角補正量であり、したがって、ノッキングを招くこと
なく最大限の出力性能を得るようにできる。
【0008】上記点火時期の制御において、エンジン運
転状態の過渡時には、上記進角補正学習手段による学習
を制限するのがよい。加速時等の過渡時には空燃比のず
れによるノッキングが発生しやすく、そういった空燃比
のずれによるノッキングが発生したときにも点火時期が
遅角補正されるため、その間で誤学習となってしまう。
過渡時に学習を制限することによりそういった誤学習を
防止できる。
【0009】また、過渡時以外でもノッキング制御手段
による遅角補正以外の他の要求に基づく点火時期遅角時
には学習を制限するのがよく、そうすることにより、そ
ういった他の要求に基づく遅角により進角補正量が減少
することによる誤学習を防止できる。
【0010】また、上記進角補正手段による点火時期の
進角側の補正量にはガード値を設定するのがよく、特
に、そのガード値をエンジン回転数に応じて変更するの
がよい。ノッキング限界はエンジン回転数によって異な
り、最大トルクが出る点火時期(MBT)とのずれ度合
いがエンジン回転数によって異なる。したがって、出力
向上のために進角補正量にガードをかけ、かつ、そのガ
ード値をエンジン回転数に応じて変更することにより、
適切な学習値が得られ、適切な初期値の設定が可能とな
る。
【0011】上記燃料性状判定手段は、上記進角補正手
段により補正された点火時期の進角側の補正量が所定の
積算開始しきい値を越えた時の該補正量の積算値が所定
の判定しいき値を越えた時、使用燃料が高オクタン価燃
料であると判定するものとするのがよく、そうすること
により、ノイズ等の影響を排して、ハイオク燃料が使用
されているために進角補正量が所定値を越える状態とな
ったことを確認でき、精度の良いハイオク判定が可能と
なる。
【0012】また、初期値を適切なものとするために
は、エンジン温度が所定温度以上になった時に上記進角
補正学習手段により学習された補正値を一旦リセット
し、学習をやり直すのがよい。すなわち、エンジンの冷
間時にはノッキングが発生しにくいため進角補正が進
み、進角補正量の初期値を設定するための学習値が進角
量の大きなものとなる。しかし、そうした冷間時に設定
された学習値は暖機後のノッキング限界に対しては過剰
進角で、そのままではノッキングが発生する。そのた
め、エンジン温度が所定温度以上になった時に学習値を
一旦リセットし、学習をやり直すのがよいのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0014】図1乃至図10は本発明の実施の形態の一
例に係るもので、図1はエンジンシステムの全体構成を
示し、図2はノッキング制御およびアドバンス制御のタ
イムチャートを示し、図3はノッキング制御領域を示
し、図4はアドバンス制御のガード特性を示す。そし
て、図5はハイオク判定のタイムチャートであり、図6
はアドバンス学習のタイムチャートである。また、図7
および図8はアドバンス学習のメインルーチンを示し、
図9はハイオク判定のルーチンを示し、図10は初期化
のルーチンを示す。
【0015】図1において、1はエンジン本体であっ
て、シリンダブロック2を有し、該シリンダブロック2
が構成するシリンダボア3の内部には、図示しない連結
棒を介しエンジン駆動軸(クランクシャフト)に連結さ
れたピストン4が往復移動自在に組み込まれ、該ピスト
ン4の頂面と、シリンダボア3の内面と、シリンダブロ
ック2の上部に連結されたシリンダヘッド5の下面凹部
とによってエンジンの燃焼室6が画定されている。そし
て、シリンダヘッド5には燃焼室6に開口する吸気ポー
ト7および排気ポート8が設けられ、それら吸気ポート
7および排気ポート8にポペット式の吸気弁9および排
気弁10が設けられている。また、シリンダヘッド5に
は下面凹部の略中央に点火プラグ11が配設されてい
る。
【0016】シリンダヘッド5には吸気ポート7上流に
吸気通路12を構成する吸気管13が接続され、また、
排気ポート8上流に排気通路14を構成する排気管15
が接続されている。
【0017】吸気管13には、入口にエアクリーナ16
が接続されて、その接続部近傍に吸気温センサを兼ねた
熱線式のエアフローメータ17が配置され、その下流に
はスロットル弁18を内蔵したスロットルボディ19が
配置され、更にその下流にサージタンク20が配置され
ている。そして、スロットルボディ19には、スロット
ル開度を検出するスロットルセンサ21が設けられてい
る。また、吸気ポート7に連通する吸気管13の出口部
分は、仕切壁22により二つの通路に仕切られて、片方
の通路にスワールコントロールバルブ23が配置されて
いる。そして、その吸気管13の出口部分には、スワー
ルコントロールバルブ23が配置されていない側の通路
に臨む接続位置に、吸気ポート7に指向して燃料噴射用
のインジェクタ24が配置されている。
【0018】スワールコントロールバルブ23は、リン
ク25を介して負圧ダイヤフラム式のアクチュエータ2
6により開閉駆動されるもので、アクチュエータ26の
作動圧室は、サージタンク20から導いた負圧を溜める
バキュームチャンバ27にチェック弁28を介して接続
されている。そして、バキュームチャンバ27とチェッ
ク弁28との間には、アクチュエータ26に導入する作
動圧をバキュームチャンバ27側(負圧)と大気側(大
気圧)とに切り替える三方ソレイド弁29が配置されて
いる。エンジンの低負荷時には三方ソレイド弁29がバ
キュームチャンバ27側(負圧)に切り替えられ、その
負圧によりアチュクエータ26が作動してスワールコン
トロールバルブ23が閉じられる。それにより、吸気流
速が増大し、エンジンの燃焼室6内にスワールが生成さ
れる。また、高負荷時には三方ソレイド弁29が大気側
(大気圧)に切り替えられ、アチュクエータ26が作動
解除となってスワールコントロールバルブ23が開かれ
る。高負荷時にはこうして通路面積が増大し、吸気充填
量が確保される。
【0019】排気管15には、上流側に第1の触媒コン
バータ30が接続され、下流側に第2の触媒コンバータ
31が接続されている。そして、第1の触媒コンバータ
30の上流には、空燃比フィードバック制御のための空
燃比センサ32が設けられている。空燃比センサ32
は、排気ガス中の酸素濃度を検出するセンサ(O2セン
サ)であって、エンジンに供給された空気と燃料の混合
比すなわち空燃比が理論空燃比(14.7)付近である
ときの排気ガス中の酸素濃度において出力が反転する。
【0020】エンジン本体1には、また、各種センサと
して、エンジン駆動軸(クランクシャフト)の回転を検
出するクランク角センサ33、吸気用カムシャフトの回
転角に基づいて点火時期・噴射時期の基準位置を決める
基準角センサ34、エンジン水温を検出する水温センサ
35等が設けられ、また、ノックセンサ36が設けられ
ている。
【0021】インジェクタ24に燃料を供給する燃料供
給系は、燃料タンク37を備え、該燃料タンク37内
に、燃料ポンプ38と、低圧側の燃料フィルタ39A
と、高圧側の燃料フィルタ39Bと、プレッシャレギュ
レータ40とが配置されている。そして、燃料タンク3
7とインジェクタ24の間にプレッシャレギュレータ4
0下流の燃料通路41が配設され、該燃料通路41の途
中にパルセーションダンパ41Aが配設されている。燃
料は燃料タンク37に収容され、低圧側の燃料フィルタ
39Aを通して燃料ポンプ38により吸い上げられる。
そして、高圧側の燃料フィルタ39Bを通り、プレッシ
ャレギュレータ40で所定圧力に調整されて、燃料通路
41を流れ、パルセーションダンパ41Aを経てインジ
ェクタ24に供給される。
【0022】また、燃料タンク37に発生した蒸発燃料
を吸着捕捉(トラップ)し所定条件成立時にパージして
吸気側に供給する蒸発燃料供給装置として、燃料タンク
37の上部に蒸発燃料通路42が接続され、該蒸発燃料
通路42の他端は吸着捕捉用の活性炭を収納したキャニ
スタ43の上部に接続されている。また、キャニスタ4
3の上部と吸気系のサージタンク20とを結ぶパージ通
路44が設けられ、該パージ通路44の途中には、デュ
ーティー制御によって流量を制御するソレノイド式のパ
ージバルブ45が配設されている。また、キャニスタ4
3とパージバルブ45の間には液化した蒸発燃料を捕捉
するキャッチタンク46が配設されている。キャニスタ
43の下部には、パージ用の空気を導入する大気通路4
7が接続されている。
【0023】エンジンの各種制御はECU(エンジン・
コントロール・ユニット)48によって行われる。その
ため、エアフローメータ17、空燃比センサ32、クラ
ンク角センサ33、基準角センサ34、水温センサ3
5、ノックセンサ36等の出力である各種信号がECU
48に入力される。ECU48ではこれら入力された信
号に基づいて各種制御の演算が行われる。そして、EC
U48から、点火プラグ11に接続されたイグナイタ4
9に点火信号が出力され、インジェクタ24に噴射信号
が出力され、三方ソレノイド弁29にスワールコントロ
ール信号が出力され、パージバルブ45にパージコント
ロール信号が出力される。こうして点火時期が制御さ
れ、燃料噴射量の調整による空燃比の制御が行われ、ス
ワール制御が行われ、また、パージ制御(蒸発燃料制
御)が行われる。
【0024】点火時期の制御では、エンジン回転数と負
荷によって定まるレギュラー燃料(低オクタン価燃料)
用の要求進角値が基本点火時期とされ、所定のノッキン
グ補正実行条件が成立した時に、ノックセンサ36によ
るノッキング検出の出力を受けて点火時期を遅角側(リ
タード側)に補正するノッキング制御が実行されるとと
もに、点火時期を強制的に所定量ずつ進角側に補正する
アドバンス制御(進角補正)が実行される。
【0025】ノッキング制御およびアドバンス制御によ
る点火時期の補正量すなわちノック補正値(thtk)
は、例えば図2に示すように、ノッキング検出(ノック
検出)時に1cA(クランク角)遅角し、ノッキングが
検出されない時は、所定時間が経過する毎に所定量ずつ
進角する。ノッキングが検出されない時のノック補正値
(thtk)の変化は、例えば図示のように、ノック補
正値(thtk)が進角値である時には1sec経過毎
に0.25cAずつ進角し、ノック補正値(thtk)
が遅角値である時には0.5sec経過毎に0.5cA
ずつ進角するというものである。そして、そのノック補
正値(thtk)には、進角側と遅角側にそれぞれガー
ド値(アドバンスガード値、リタードガード値)が設定
される。
【0026】上記ノッキング補正実行条件すなわち上記
ノッキング制御およびアドバンス制御を実行するための
条件は、エンジンの回転数と負荷がノッキング制御領域
(ノック制御ゾ−ン)にあり、かつ、エンジン水温が所
定値(例えば70℃)以上というものである。ノッキン
グ制御領域は、例えば図3に示すようにエンジン回転数
が750〜5500rpm、吸気充填効率(Ce)が
0.6以上の領域とされる。
【0027】上記ガード値のうち進角側のガード値(ア
ドバンスガード値)は、図4に示すとおりで、エンジン
回転数が例えば4000rpm以下でのアドバンス制御
を前提とし、低回転側でガードが高くなるよう設定され
る。
【0028】そして、ノッキング制御と同時にアドバン
ス制御が実行されて、図5に示すようにノック補正値
(thtk)が進角側に大きくなり、その進角側の補正
量が所定の積算開始しきい値(例えば1cA)を越える
と、減算タイマ(積算値クリアタイマ)が毎回例えば7
secにセットされるとともに、その減算タイマの値が
0になるまでは、積算開始しきい値を越えた時の進角補
正量であるノック補正値(thtk)の積算が行われ、
その積算値(thtks)が所定のハイオク判定しきい
値(例えば60cA)を越えると、使用燃料がハイオク
燃料(高オクタン価燃料)であると判定される。
【0029】ハイオク燃料であると判定されると、進角
補正量であるノック補正値(thtk)の学習(アドバ
ンス学習)が開始される。但し、図6に示すように、ス
ロットル開度(tvo)が急変する加速時で、加速遅角
タイマ(caacch)がセットされ、点火時期が遅角
補正される時には、その加速時の遅角補正が終了し、更
にディレータイマT2により設定される所定時間が経過
するまでは、過渡判定フラグ(X2)がセットされ、ア
ドバンス学習が禁止される。なお、この時、アドバンス
学習は完全禁止以外に、所定の制限を加えるものであっ
てもよい。
【0030】そして、ノッキング補正実行条件が一旦非
成立となり、再度成立した時に、前回の学習値(tkl
rn)が、ノック補正値(thtk)すなわち進角補正
量の初期値に設定される。
【0031】そうしてノック補正値(thtk)の初期
値を設定するための上記学習値(tklrn)は、エン
ジン水温が低温側から80℃以上へ移行した時に、一旦
リセットされ、再度学習が行われる。
【0032】また、上記積算値(thtks)、ノック
補正値(thtk)および学習値(tklrn)は、エ
ンジンが一旦停止して、次に点火スイッチがオンとなっ
た時にリセットされる。
【0033】次に、上記ノッキング制御およびアドバン
ス制御を含む学習制御のフローチャーを説明する。
【0034】学習制御のメインルーチンは図7および図
8に示すとおりで、各気筒の燃焼に同期して、例えば4
気筒エンジンの場合、180cA毎にスタートする。そ
して、ステップS101で、エンジン水温が80℃未満
から80℃以上へ今回移行したかどうかを見て、今回移
行したというときはステップS102でハイオク判定フ
ラグXをリセットするとともに学習値(tkln)をリ
セットし、そうでないときはそのままなにもせず、ステ
ップS103へ進む。
【0035】そして、ステップS103で、エンジンの
回転数および負荷が図3に示すノック制御ゾーンにあ
り、かつ、エンジン水温が所定値(例えば70℃)以上
という上述のノッキング補正実行条件が成立しているか
どうかを見て、ノッキング補正実行条件が成立していな
いときは、ステップS104でノック補正値(tht
k)を0cAにリセットし、そのままリターンする。
【0036】また、ステップS103の判定でノッキン
グ補正実行条件成立というときは、ステップS105
で、ノッキング補正実行条件が前回も成立していたかど
うかを見て、前回も成立していればそのままなにもせ
ず、前回成立していなければ今回非成立から成立になっ
たということで、ステップ106で学習値(tklr
n)をノッキング補正値(thtk)の初期値に設定す
る。そして、ステップS107へ進み、ノッキングが検
出されているかどうかを見て、ノッキングが検出されて
いるときは、ステップS108でノック補正値(tht
k)を1cAずつ遅角させる。また、ノッキングが検出
されていないときは、ステップS109でノック補正値
(thtk)が0cA以上かどうかを見る。
【0037】ステップS109でノック補正値(tht
k)が進角側の値(0cA以上)であるというときは、
ステップS110で、タイマ(T)の値が1secを越
えたかどうかを見て、1secを越えていなければなに
もせず、1secを越えたというときは、ステップS1
11でノック補正値(thtk)を0.25cAずつ進
角させて、ステップS112でタイマ(T)の値を0s
ecにリセットする。
【0038】また、ステップS109でノック補正値
(thtk)が遅角値(0cA未満)であるというとき
は、ステップS113でタイマ(T)の値が0.5se
cを越えたかどうかを見て、0.5secを越えていな
ければなにもせず、0.5secを越えたというとき
は、ステップS114でノック補正値(thtk)を
0.5cAずつ進角させて、やはりステップS112で
タイマ(T)の値を0secにリセットする。
【0039】そして、ステップS115へ進み、ノック
補正値(thtk)がアドバンスガード値を越えたかど
うかを見て、越えていなければそのままで、アドバンス
ガード値を越えたら、ステップS116でアドバンスガ
ード値をノック補正値(thtk)に設定する。そし
て、ステップS117へ進み、ノック補正値(tht
k)がリセットガード値を越えたかどうかを見て、越え
ていなければそのままで、リセットガード値を越えたら
そのリセットガード値をノック補正値(thtk)に設
定する。
【0040】そして、ステップS119へ進み、ハイオ
ク判定フラグ(X)がセットされているかどうかを見
て、セットされていなければ、ステップS120で学習
値(tklrn)を0cAにリセットし、そのままリタ
ーンする。また、ハイオク判定フラグ(X)がセットさ
れているときは、ステップS121で、過渡判定フラグ
(X2)がセットされているかどうかを見て、過渡判定
フラグ(X2)がセットされていれば、そのままリター
ンする。また、過渡判定フラグ(X2)がセットされて
いないときは、ステップS122で、学習実行条件(エ
ンジン回転数が4000rpm以下)が成立しているか
どうかを見て、学習実行条件が成立していないときはそ
のままリターンし、成立しているときは、ステップS1
23でノック補正値(thtk)の学習値(tklr
n)を設定する。そして、リターンする。
【0041】図9に示すハイオク判定のルーチンは、5
00ms毎にスタートし、ステップS201で積算値ク
リアタイマ(T1)を0.5sec減算する。そして、
ステップS202で積算値クリアタイマ(T1)が0s
ecになっていないかどうかを見て、0secになって
いなければ、ステップS203で補正値(thtk)が
1cAを越えているかどうかを見る。そして、補正値
(thtk)が1cAを越えていないときはなにもせず
にリターンするが、補正値(thtk)が1cAを越え
ているときは、ステップS204へ進み、その時の補正
値(thtk)を積算値(thtks)に加算して新た
な積算値(thtks)とし、次いで、ステップS20
5で積算値クリアタイマT1を7secにセットする。
【0042】そして、ステップS206で、積算値(t
htks)が60cAを越えたかどうかを見て、越えて
いなければそのままリターンするが、積算値(thtk
s)が60cAを越えたら、ステップS207でハイオ
ク判定フラグ(X)を1にセットする。
【0043】一方、ステップS202で積算値クリアタ
イマ(T1)が0secになっているときは、ステップ
S208で積算値(thtks)を0にリセットし、そ
のままリターンする。
【0044】図10に示す初期化のルーチンは、点火ス
イッチがオンとなった時にスタートする。そして、積算
値(thtks)、ノック補正値(thtk)および学
習値(tklrn)をリセットし、タイマ(T)、積算
値クリアタイマ(T1)およびハイオク判定フラグ
(X)をリセットする。
【0045】
【発明の効果】本発明によるエンジンの点火時期制御装
置は、基本点火時期をレギュラー燃料に対応した値に設
定し、進角補正量がノッキングが発生しない状態で所定
値を越えると高オクタン価燃料であると判定して進角補
正量の学習を開始し、ノッキング補正実行条件が再度成
立した時に前回の学習値を進角補正量の初期値に設定す
るよう構成されているため、高オクタン価燃料にも低オ
クタン価燃料にも対応でき、かつ、高オクタン価燃料使
用の場合に実際のオクタン価に対応した最適な点火時期
を速やかに設定することができ、ノッキングを招くこと
なく最大限の出力性能を得るようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るエンジンシステムの
全体図である。
【図2】本発明の実施の形態のアドバンス学習のための
ノッキング制御およびアドバンス制御のタイムチャート
である。
【図3】本発明の実施の形態のノッキング制御の実行領
域を示す領域図である。
【図4】本発明の実施の形態のアドバンス制御のガード
特性図である。
【図5】本発明の実施の形態のアドバンス学習のための
ハイオク判定のタイムチャートである。
【図6】本発明の実施の形態のアドバンス学習のタイム
チャートである。
【図7】本発明の実施の形態のアドバンス学習のメイン
ルーチンを示すフローチャート(その1)である。
【図8】本発明の実施の形態のアドバンス学習のメイン
ルーチンを示すフローチャート(その2)である。
【図9】本発明の実施の形態のアドバンス学習のサブル
ーチン(ハイオク判定)を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態のアドバンス学習のサブ
ルーチン(初期化)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体 11 点火プラグ 21 スロットルセンサ 33 クランク角センサ 35 水温センサ 36 ノックセンサ 48 ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 健二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G022 CA04 CA05 CA09 DA02 EA02 EA07 FA04 FA05 FA06 GA00 GA01 GA05 GA08 GA09 GA13 3G084 BA17 CA04 CA06 CA09 DA27 DA38 EA11 EB08 EB12 EB19 EB20 EC01 FA10 FA14 FA20 FA25 FA33 FA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの運転状態に応じて基本点火時
    期を低オクタン価燃料に対応した値に設定する基本点火
    時期設定手段と、 エンジンのノッキングの発生を検出するノッキング検出
    手段と、 所定のノッキング補正実行条件が成立した状態で、上記
    ノッキング検出手段によるノッキング検出の出力を受け
    てエンジンの点火時期を遅角側に補正するノッキング制
    御手段と、 上記ノッキング補正実行条件が成立し、かつ、ノッキン
    グが発生しない状態で、エンジンの点火時期を強制的に
    上記基本点火時期に対し所定量ずつ進角側に補正する進
    角補正手段と、 上記点火フィードバック補正手段により補正された点火
    時期の進角側の補正量が所定値を越える状態になった
    時、使用燃料が高オクタン価燃料であると判定する燃料
    性状判定手段と、 上記燃料性状判定手段により使用燃料が高オクタン価燃
    料であると判定された時、上記進角補正手段により設定
    された進角側の補正量の学習を開始する進角補正学習手
    段と、 上記進角補正学習手段により学習した補正量を、上記ノ
    ッキング補正実行条件が再度成立した時の上記進角補正
    手段による進角側への補正の初期値に設定する進角補正
    初期値設定手段を備えたことを特徴とするエンジンの点
    火時期制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジン運転状態の過渡時に上記進角補
    正学習手段による学習を制限する学習制限手段を備えた
    請求項1記載のエンジンの点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】 上記ノッキング制御手段による遅角補正
    以外の他の要求に基づく点火時期遅角時に上記進角補正
    学習手段による学習を制限する学習制限手段を備えた請
    求項1記載のエンジンの点火時期制御装置。
  4. 【請求項4】 上記進角補正手段による点火時期の進角
    側の補正量にガード値を設定し、該ガード値をエンジン
    回転数に応じて変更するガード設定手段を備えた請求項
    1記載のエンジンの点火時期制御装置。
  5. 【請求項5】 上記燃料性状判定手段は、上記進角補正
    手段により補正された点火時期の進角側の補正量が所定
    の積算開始しきい値を越えた時の該補正量の積算値が所
    定の判定しいき値を越えた時、使用燃料が高オクタン価
    燃料であると判定するものとした請求項1記載のエンジ
    ンの点火時期制御装置。
  6. 【請求項6】 エンジン温度が所定温度以上になった時
    に上記進角補正学習手段により学習した補正値を一旦リ
    セットするリセット手段を備えた請求項1記載のエンジ
    ンの点火時期制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008031948A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の制御方法
JP2017155729A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 トヨタ自動車株式会社 エンジン装置

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