JP2001081806A - 建設発生土の流動化埋戻し工法 - Google Patents

建設発生土の流動化埋戻し工法

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JP2001081806A
JP2001081806A JP31997199A JP31997199A JP2001081806A JP 2001081806 A JP2001081806 A JP 2001081806A JP 31997199 A JP31997199 A JP 31997199A JP 31997199 A JP31997199 A JP 31997199A JP 2001081806 A JP2001081806 A JP 2001081806A
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Hidenori Hino
英則 日野
Yuzo Kuriyama
雄三 栗山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設発生土に適正な流動性および硬化性を与
えて使用することにより短期地盤強度および長期地盤強
度を的確に達成し、高品質な埋戻しを行い得る建設発生
土の流動化埋戻し工法を提供する。 【解決手段】 建設発生土に水を混合して調整泥水を作
製し(ステップS13)、調整泥水の比重を測定し(ス
テップS19)、セメント類と硬化促進剤と流動化促進
剤の添加量を推定し(ステップS21)、この添加量の
セメント類および硬化促進剤と流動化促進剤を調整泥水
に混練し(ステップS23)、この混練土の強度とフロ
ー値を所定の基準値と比較し(ステップS27)、この
比較の結果に応じてセメント類、硬化促進剤および流動
化促進剤の添加量を補正し(ステップS29)、強度と
フロー値が最適な混練土を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に管路を埋設
する際に、建設発生土を流動化して掘削箇所を埋め戻す
建設発生土の流動化埋戻し工法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に都市部においては電気通信用
管路、ガス管、水道管、下水道管などの種々の管路やケ
ーブル等のライフライン設備等の地中埋設物が道路の地
下部分に多数埋設されている。
【0003】具体的には、図2に道路断面を示すよう
に、車両1などが走行する道路は掘削されて孔や溝等の
空洞部が地中に形成され、この空洞部の中にはマンホー
ル3が埋設され、またマンホール3からは側方に種々の
管路やケーブルなどを収容した管路5が延出して埋設さ
れるとともに、さらにこの管路5の上方にも別の管路7
が埋設される。
【0004】そして、これらのマンホール3や管路5な
どが埋設された後には、地中に形成された空洞部に対し
て図2において破線のハッチングで示すような埋戻し土
で埋戻しが行われた後、上側を車両1などが走行しても
沈下しないように締め固められるようになっている。
【0005】なお、このような埋戻しは、マンホール3
の全周囲、管路5の下側部分や管路5と管路7の間を含
む管路の全周囲等に対して完全に行う必要があり、特に
管路の下側や管路間の隙間などの狭い所に対しても埋戻
し土が十分に入り込んで行き渡るとともに、車両等が走
行しても沈下しないように十分に締め固まることが必要
である。
【0006】ところで、上述したように管路等の多数の
地中埋設物が輻輳しているような都市部等の工事現場で
は、施工後に道路表面に沈下が生じないように埋戻し部
の締め固めに対して十分な品質管理を行うとともに、水
締め工法等により施工を実施している。
【0007】このような埋戻し作業において、埋戻し土
は周辺地盤の土質や施工方法の影響を大きく受けるため
に、従来は、地中を掘削して発生した土を使用せず、埋
戻し土として山砂を主たる材料として使用しているが、
一般的に山砂は砂質土ではあるが、かなり細粒分を含有
するものであり、自然含水状態では、輻輳した管路等の
空隙に容易かつ十分に充填することは期待できなく、ま
た水締め等によっても高品質な埋戻しを期待できないも
のである。
【0008】そこで、地中に形成された空洞部である掘
削溝の埋戻し土として、良質で高価な山砂を用いる代わ
りに建設工事や管路工事などで土砂の堀削を行った時に
発生する建設発生土や、安価な土砂を用いることができ
る流動化埋戻し工法が開発され、施工現場において実際
に適用されるようになってきている。
【0009】この流動化埋戻し工法は、建設発生土に水
や固化材や流動性を高める材料を混練し、流体状にする
ことにより狭隘な空間を高品質に埋め戻す工法であり、
図2に示すように管路の下側や管路間に形成された狭隘
な間隙や空洞部のような締め固め困難な個所にも適した
工法である。
【0010】上述したように、埋戻しは、管路の下側や
管路間の隙間などの狭い所に対しても埋戻し土が十分に
入り込んで行き渡るとともに、車両等が走行しても沈下
しないように埋戻し後にある程度硬化して固まることが
必要であり、このためには埋戻し土は流動性を有するこ
とに加えて、硬化性を有することが必要である。
【0011】特に、この硬化性は、埋戻し工事を完了し
た後、例えば4時間程度の短時間で交通開放可能な程
度、すなわち車両が通行し得る程度の地盤強度である短
期地盤強度を確保し得ると同時に、例えば28日以上の
長時間経過後において道路の再掘削可能な地盤強度であ
る長期地盤強度に抑えることができる必要がある。
【0012】この短時間で交通開放可能な流動化処理技
術、すなわち即日復旧可能な流動化処理技術は、例えば
特願平11−21946号、特願平9−87622号お
よび特願平7−82984号に記載されているが、建設
発生土や安価な土砂に水などを混合し、土粒子が完全に
ほぐれ均一な泥水状態になるまで混練した後、固化材を
均一に混合して作製した流動性埋戻し材を用いているた
め、狭隘な空隙や地中に形成された空洞でも締め固め作
業なしに埋戻し材を充填可能であり、また固化材の持つ
自硬性により地山と同等以上の強度を発現することが可
能である。
【0013】また、特願平6−82124号および特願
平10−299029号には施工現場設置型プラント方
式の発生土処理システムや流動化処理土作成装置が提案
されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した各特願平に記
載された従来の流動化埋戻し工法は、固化材として主に
セメント類を用いており、長期地盤強度の基準は明記さ
れているが、短期地盤強度については検討されてなく、
現在即日復旧可能な流動化埋戻し技術が国内で最も多く
求められている東京都の基準「流動化処理土取扱い指
針」(短期強度が一軸圧縮強度が4時間で0.133N
/cm2 (=1.3kgf/cm2 )、長期強度が一軸
圧縮強度が28日で0.57N/cm2 (=5.6kg
f/cm2 )を十分に達成するに至っていないという問
題がある。
【0015】すなわち、上述した各特願平に記載されて
いる従来の流動化埋戻し工法は、硬化時間が長く、明確
な短期強度の基準を達成しているわけではない。そこ
で、例えば特殊な硬化剤を用いれば固化時間を短縮する
ことはできるが、経済的に不利になるとともに、早期に
硬化しすぎるために施工管理が困難になるという問題が
発生する可能性がある。
【0016】また、掘削土砂を使用せずに山砂のみで埋
め戻す従来の工法では、山砂の採取が環境保護の面から
困難になってきているとともに、掘削土砂の廃棄場所の
受け入れ規制等により受け入れが困難になってきている
という社会的問題がある。
【0017】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、工事現場で発生した建設発生
土に適正な流動性および硬化性を与えて使用することに
より掘削した空洞部の狭隘な間隙にも容易に入り込んで
充填するとともに短時間で硬化し、短期地盤強度および
長期地盤強度を的確に達成し、高品質な埋戻しを行い得
る建設発生土の流動化埋戻し工法を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明は、地中に管路を埋設する際
に、該管路の周囲の空隙を流動化した建設発生土により
充填し埋め戻す建設発生土の流動化埋戻し工法であっ
て、前記建設発生土に水を混合して調整泥水を作製し、
この調整泥水の流動性を確保するための流動化促進剤と
該調整泥水を固化するための固化剤および該調整泥水の
余剰水分を吸収して硬化を促進する硬化促進剤とを該調
整泥水に添加するときの土質に応じたそれぞれの最適な
添加量を設定し、この設定されたそれぞれの添加量の流
動化促進剤、固化剤および硬化促進剤とを前記調整泥水
に混練して混練土を作製し、この作製された混練土で埋
戻しを行うことを要旨とする。
【0019】請求項1記載の本発明にあっては、建設発
生土に水を混合して調整泥水を作製し、この調整泥水の
流動性を確保するための流動化促進剤と該調整泥水を固
化するための固化剤および該調整泥水の余剰水分を吸収
して硬化を促進する硬化促進剤とを該調整泥水に添加す
るときの土質に応じたそれぞれの最適な添加量を設定
し、この設定されたそれぞれの添加量の流動化促進剤、
固化剤および硬化促進剤とを前記調整泥水に混練して混
練土を作製し、この作製された混練土で埋戻しを行うた
め、このような混練土は管路間の空隙を含む地中のどの
ような空洞部にも流動性が高く容易に入り込んで充填す
るとともに、適正な強度を有し、所定の短期地盤強度お
よび長期地盤強度を的確に達成し、信頼性の高い埋戻し
を経済的に行うことができる。
【0020】また、請求項2記載の本発明は、請求項1
記載の硬化促進剤は、ゼオライトを主成分として含有し
て、前記固化剤とともに調整泥水に混合したときに余剰
水分を効果的に吸収することを要旨とする。
【0021】請求項2記載の本発明にあっては、硬化促
進剤を構成するゼオライトは、産業廃棄物として処分さ
れる製紙汚泥の焼却灰から生成され、また微粒状で多孔
質の微細孔構造を有し、固化剤としてのセメント類とと
もに調整泥水に混合した場合に余剰水分を効果的に吸収
し、硬化作用を促進し、また、このゼオライトを主成分
とする材料が、セメントとの反応水を吸収し、さらに地
盤強度を高めていくことを抑制する。
【0022】また、請求項3記載の本発明は、請求項1
記載の発明において、前記最適な添加量が、混練土によ
る埋戻し後、略4時間で車両の通行が可能となる強度を
発揮し、かつ28日以上の時間経過後であっても再度堀
削が可能な程度に強度が抑制される添加量であることを
要旨とする。
【0023】さらに、請求項4記載の本発明は、請求項
1記載の発明において、前記最適な添加量が、前記混練
土のフロー値が160mm以上となるように調整される
ことを要旨とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る
建設発生土の流動化埋戻し工法の処理手順、特に本実施
形態における流動化埋戻し工法に使用される埋戻し土の
配合を決定する際の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【0025】図1に示す本実施形態の流動化埋戻し工法
は、例えば建設工事や土木工事で発生する建設発生土、
或いは電気通信用管路、ガス管、水道管、下水道管など
の種々の管路等のライフライン設備を地中に埋設するた
めに地面を堀削して孔や溝等を形成する工事で発生した
建設発生土を利用して、図2に示したように、地中に埋
設されるマンホール3の周囲、管路5,7の下側、管路
5,7の間に形成された狭隘な空隙を含む地中の空洞部
を充填して埋め戻すものであるが、このような埋戻しで
は、埋戻し土に適度の流動性および適切な強度を持た
せ、これにより狭隘な間隙を含むどのような空洞部にも
埋戻し土を完全に充填し得るとともに、また埋戻した後
の地面上を車両などが走行しても沈下しないような強度
を確保し、これにより例えば4時間程度の短時間で交通
開放可能な程度、すなわち車両が通行し得る程度の地盤
強度を確保しなければならないとする短期地盤強度条件
および例えば28日以上の長時間経過後において道路の
再堀削可能な地盤強度を確保しなければならないとする
長期地盤強度条件を達成しているものである。
【0026】本実施形態では、このような埋戻し土は、
工事現場で発生した建設発生土に水を混合して流動性の
ある調整泥水を作製し、この調整泥水に対してさらに流
動化促進剤と固化剤としてセメント類(例えば早強セメ
ント)と硬化促進剤とを混合したものを混練して適切な
流動性と強度のある埋戻し土を作製し、このように作製
される埋戻し土を地中の空洞部の充填に使用している。
【0027】なお、このような建設発生土の流動化埋戻
し工法の施工形態には、図3に示すように、現場混合方
式31と流体運搬方式33等がある。
【0028】現場混合方式31は、工事現場で発生した
建設発生土に対して上述した水、セメント類、硬化促進
剤、流動化促進剤などを埋戻し現場等で混合して埋戻し
土を作製しながら埋戻しを行うものである。
【0029】また、流体運搬方式33は、工事現場で発
生した建設発生土を一旦仮置場に運んで堆積していたも
のをベルトコンベアで作泥ミキサまで運び、ここで水を
混合して調整泥水を作製し、さらに上述した流動化促進
剤を混入し、このように仮置場で作製された調整泥水を
ミキシングトラックで混練しながら埋戻し現場まで運搬
して現場においてセメント類、硬化促進剤などを混合し
て埋戻しを行うものである。
【0030】次に、図1に示すフローチャートを参照し
て、本実施形態の流動化埋戻し工法に使用される埋戻し
土の配合比を決定する際の処理手順について説明する。
【0031】図1では、まず工事現場で管路等の掘削に
より建設発生土が発生すると(ステップS11)、この
建設発生土が埋戻し土として適用可能な発生土か否かを
判定する(ステップS13)。ここで適用に不適と判定
されたときには不適土として排除される(ステップS1
5)。すなわち、工事現場で発生した建設発生土には埋
戻しに適さない土砂などが混入している場合があり、こ
のような場合には不適土として、例えば礫や玉石などを
排除することになる。
【0032】一方、適用可と判定されたときには、ステ
ップS17に進み、この建設発生土に水を混合して調整
泥水を作製する。
【0033】次に、ステップS17で作製された調整泥
水の比重を測定する(ステップS19)。続いて、この
泥水比重から調整泥水の余剰水分を吸収して硬化を促進
するために、流動化促進剤、硬化促進剤、セメント類の
順で順次、調整泥水に添加される添加量(添加割合)を
それぞれ推定する(ステップS21)。
【0034】さらに管路工事などの現場においては、調
整泥水に対しセメント類と硬化促進剤などを調整泥水に
混入することにより、余剰水分を効果的に吸収し、セメ
ントなどの固化材の硬化を促進し、例えば数時間または
4時間程度の短時間で所定の強度、すなわち短期地盤強
度を発現することができる。
【0035】硬化を促進する硬化促進剤は、従来は水石
膏等が現場で実際に使用されていたが、本実施形態では
所謂マイクロポーラマテリアル(MPM)を使用してい
る。
【0036】このマイクロポーラマテリアルは、酸化ケ
イ素およびアルミニウムを主成分とする製紙汚泥の焼却
灰からの反応生成物であるゼオライトを主成分として含
有している材料からなる微粒状で多孔質の微細孔構造を
有するものであり、セメント類とともに調整泥水に混合
した場合に、この硬化促進剤が余剰水分を効果的に吸収
し、硬化作用と硬化抑制作用とを最適な状態で発揮す
る。
【0037】すなわち、硬化促進剤であるマイクロポー
ラマテリアルの有する微細孔構造により、調整泥水にセ
メント類とマイクロポーラマテリアルを混合した時に、
その硬化過程において調整泥水中の余剰水分がマイクロ
ポーラマテリアル中に急速に吸収され、これにより短期
地盤強度の発現に寄与しているものである。
【0038】また、一方では、最適な重量配合としたマ
イクロポーラマテリアルの中のゼオライト成分が、セメ
ントとの反応水(水)を吸着し、さらに強度発現するた
めに必要となる水を失わせるため、長期強度を一軸圧縮
強度で0.57N/cm2 (=5.6kgf/c
2 )以下とする「長期強度抑制効果」もある。
【0039】上述したように、調整泥水に添加されるセ
メント類と硬化促進剤と流動化促進剤の添加量を推定す
ると、この推定した添加量の流動化促進剤とセメント類
および硬化促進剤とを調整泥水に混入し、混練して、混
練土を試験的に作製する(ステップS23)。
【0040】次に、この試験的に作製された混練土の強
度とフロー値を測定し(ステップS25)、この測定し
た強度を所定の基準値と比較する(ステップS27)。
このフロー値は、いわゆる土木学会関連基準「セメント
の物理試験方法(JIS R5201−1981)」や
日本道路公団規格によるフロー試験といわれる土質の検
査法により求められるものであって、平面板の上方の所
定の高さから検査対象としての混練土を自由落下させ、
平面板に落下した混練土の直径を計測し、この直径から
検査対象の土質を簡易に測定するものである。
【0041】この比較の結果に応じて調整泥水に添加さ
れるセメント類と硬化促進剤と流動化促進剤の添加量を
補正し(ステップS29)、この補正された添加量のセ
メント類と硬化促進剤と流動化促進剤を再度調整泥水に
混入して試験的に混練し(ステップS23)、その強度
とフロー値を測定し(ステップS25)、基準値と比較
し(ステップS27)、不適と判定されたときにはステ
ップS29に進み、添加量の補正を行い、再度ステップ
S23で試験練りを行い、強度とフロー値を測定し(ス
テップS25)、比較判定を行う(ステップS25)と
いう処理を繰り返し行う。
【0042】この結果、調整泥水にセメント類と硬化促
進剤を混練して作製される混練土の強度が所定の基準値
を満たす最適な配合が決定され、最適な配合の混練土が
作製される(ステップS31)。この作製された最適な
強度を有する混練土で埋戻しを行う(ステップS3
3)。
【0043】上述したように、建設発生土に水を混合し
て調整泥水を作製し、この調整泥水にセメント類と硬化
促進剤と流動化促進剤を混練して作製される混練土を使
用して埋戻しを行った地面は、4時間程度の短時間で交
通開放可能な程度の短期地盤強度条件および28日以上
の長時間経過後において道路の再堀削可能な長期地盤強
度条件を的確に満足しているものである。
【0044】さらに具体的に説明する。上述した所定の
基準強度を満足する配合の一例は、乾燥重量で1000
の建設発生土に対し、質量比で水150〜250程度、
固化材50〜80程度、硬化促進剤は60〜100程
度、流動化促進剤は20〜50程度の配合である。
【0045】なお、東京都建設局道路管理部から指針と
して発行されている「流動化処理土取扱基準」に記載さ
れている強度基準では、建設発生土は汚染土を除くすべ
ての発生土とされ、道路交通開放可能な短期地盤強度、
いわゆる即日復旧可能な短期地盤強度としては4時間経
過後の一軸圧縮強度が0.133N/cm2 (=1.3
kgf/cm2 )以上という数値が設定され、建設工事
が完了した後、再度堀削の必要性が発生した場合に、流
動化埋戻し土を適用した箇所について建設機械等で堀削
可能であることが必要とされているが、これに関わる基
準として例えば28日以上の長時間経過後において道路
の再堀削可能な長期地盤強度が一軸圧縮強度で0.57
N/cm2 (=5.6kgf/cm2 )以下という数値
が設定されている。
【0046】本実施形態では各地方自治体の提示する基
準に対して柔軟に対応し得るように配合を可変とし、短
期地盤強度および長期地盤強度に柔軟に変化することが
できる。
【0047】図4は、上述した本実施形態の配合で作製
された混練土、すなわち流動化埋戻し土で埋戻しを行っ
た場合の埋戻し後の経過時間に対する一軸圧縮強度値を
示す硬化特性の試験結果のグラフである。このグラフで
は、短期地盤強度の基準値として一軸圧縮強度で0.1
33N/cm2 (=1.3kgf/cm2 )の所に点線
で示すように基準線が引かれ、また長期地盤強度の基準
値として一軸圧縮強度で0.57N/cm2 (=5.6
kgf/cm2 )の所に点線で示すように基準線が引か
れている。流動化埋戻し土の一軸圧縮強度値は、埋戻し
後から4時間以内で短期地盤強度値の一軸圧縮強度で
0.133N/cm2 (=1.3kgf/cm2 )を超
えて急速に増大し、28日経過した後でも長期地盤強度
値の0.57N/cm2 (=5.6kgf/cm2 )を
超えないようになっている。
【0048】また、流動化埋戻し土、すなわち混練土の
有効範囲の一例は、施工条件で要求される一軸圧縮強
度、フロー値160mm以上、ブリージング率1%未
満、密度1.35t/m3 以上に調整されたものが好ま
しい。
【0049】上述したように本実施形態によれば、作製
された混練土は管路間の空隙を含む地中のどのような空
洞部にも流動性が高く容易に入り込んで充填するととも
に、適正な強度を有し、所定の短期地盤強度および長期
地盤強度を的確に達成し、信頼性の高い埋戻しを経済的
に行うことができると共に、硬化促進剤に産業廃棄物と
して処分される製紙汚泥の焼却灰から生成されるゼオラ
イトを主成分として含有する材料を用いるので、ゼオラ
イトの微粒状で多孔質の微細孔構造を有する構造から、
セメント類とともに調整泥水に混合した場合に余剰水分
を効果的に吸収し、硬化作用を的確に促進することがで
きる。
【0050】なお、上記実施の形態では、地面の掘削に
より生じた土砂等を建設発生土として説明したが、本発
明では埋め戻しに供される任意の土砂等の埋め戻し用土
を建設発生土として利用できるのは言うまでも無いこと
である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
建設発生土に水を混合して調整泥水を作製し、この調整
泥水を固化するための固化剤と該調整泥水の余剰水分を
吸収して硬化を促進する硬化促進剤および該調整泥水の
流動性を確保するための流動化促進剤とを該調整泥水に
添加するときの土質に応じたそれぞれの最適な添加量を
設定し、この設定されたそれぞれの添加量の固化剤、硬
化促進剤および流動化促進剤を前記調整泥水に混練して
混練土を作製し、この作製された混練土で埋戻しを行う
ので、強度とフロー値が適切な混練土を使用することが
可能となり、管路間の空隙を含む地中のどのような空洞
部をも的確に埋戻しすることができるとともに、埋戻し
部は適正な強度を有し、所定の短期地盤強度および長期
地盤強度を的確に達成し、信頼性の高い埋戻しを経済的
に行うことができ、また建設発生土を使用するため環境
問題の解消も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る建設発生土の流動化
埋戻し工法の処理手順、特に本流動化埋戻し工法に使用
される埋戻し土の配合を決定する処理手順を示すフロー
チャートである。
【図2】地面を掘削して形成される地中の空洞部に埋設
されたマンホールや管路の周囲、間、下側などに形成さ
れる狭隘な間隙を含む空洞部を埋め戻す流動化処理土の
適用箇所を示す地中の断面図である。
【図3】流動化埋戻し工法の施工形態である現場混合方
式と流体運搬方式を説明するための図である。
【図4】図1に示す実施形態の配合で作製された混練
土、すなわち流動化埋戻し土で埋戻しを行った場合の埋
戻し後の経過時間に対する一軸圧縮強度値を示す硬化特
性の試験結果のグラフである。
【符号の説明】
3 マンホール 5,7 管路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に管路を埋設する際に、該管路の周
    囲の空隙を流動化した建設発生土により充填し埋め戻す
    建設発生土の流動化埋戻し工法であって、 前記建設発生土に水を混合して調整泥水を作製し、 この調整泥水の流動性を確保するための流動化促進剤と
    該調整泥水を固化するための固化剤および該調整泥水の
    余剰水分を吸収して硬化を促進する硬化促進剤とを該調
    整泥水に添加するときの土質に応じたそれぞれの最適な
    添加量を設定し、 この設定されたそれぞれの添加量の流動化促進剤、固化
    剤および硬化促進剤とを前記調整泥水に混練して混練土
    を作製し、 この作製された混練土で埋戻しを行うことを特徴とする
    建設発生土の流動化埋戻し工法。
  2. 【請求項2】 前記硬化促進剤は、ゼオライトを主成分
    として含有して、前記固化剤とともに調整泥水に混合し
    たときに余剰水分を効果的に吸収することを特徴とする
    請求項1記載の建設発生土の流動化埋戻し工法。
  3. 【請求項3】 前記最適な添加量が、混練土による埋戻
    し後、略4時間で車両の通行が可能となる強度を発揮
    し、かつ28日以上の時間経過後であっても再度堀削が
    可能な程度に強度が抑制される添加量であることを特徴
    とする請求項1記載の建設発生土の流動化埋戻し工法。
  4. 【請求項4】 前記最適な添加量が、前記混練土のフロ
    ー値が160mm以上となるように調整されることを特
    徴とする請求項1記載の建設発生土の流動化埋戻し工
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003024915A (ja) * 2001-07-19 2003-01-28 Yokohama City 石灰系下水汚泥焼却灰使用の充填材およびその配合選定方法
JP2004044328A (ja) * 2002-07-16 2004-02-12 Kumagai Gumi Co Ltd ソイルモルタルの配合管理方法
JP2014009487A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Tokuyama Corp 流動化処理土

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