JP2001081374A - 水性インク - Google Patents

水性インク

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JP2001081374A
JP2001081374A JP26403699A JP26403699A JP2001081374A JP 2001081374 A JP2001081374 A JP 2001081374A JP 26403699 A JP26403699 A JP 26403699A JP 26403699 A JP26403699 A JP 26403699A JP 2001081374 A JP2001081374 A JP 2001081374A
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phosphoric acid
alkyl ether
ether phosphoric
aqueous ink
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Hiroyuki Nakaarata
弘幸 中新田
Kengo Ito
謙吾 伊東
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮明な画像を形成することができ、且つ高温
下での保存安定性に優れたものとする。 【解決手段】 層間に交換性イオンを有するハイドロタ
ルサイト群鉱物又はハイドロタルサイト群鉱物の焼成体
からなり、ハイドロタルサイト群鉱物又は焼成体の交換
性イオンの少なくとも一部が、アニオン染料又は酸性染
料で置換されてなる顔料と、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルリン酸とを含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるインクジ
ェット記録方式による画像形成に使用可能な水性インク
に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ等で作成した画
像情報等を記録紙に出力する方法の一つとして、インク
ジェット記録方式がある。インクジェット記録方式は、
電界、熱、圧力等を駆動源として、インクジェットプリ
ンタのノズルより溶液状のインクを被記録媒体上に吐出
させ、被記録媒体上に画像を形成するものである。この
ようなインクジェット記録方式は、低騒音、ランニング
コストの安さ、普通紙に画像形成することが可能である
等の長所を有することから、オフィス用又は個人用の情
報出力装置として、印刷及び写真用途に用いられてい
る。近年、高精細な画像の要求が高まるにつれ、インク
ジェットプリンタにおけるノズル先端部の開口径が狭ま
りつつある。
【0003】インクジェット記録方式に用いられるイン
クとしては、インクジェットプリンタのノズルにおける
目詰まりがしにくく装置の保守が容易であることや、形
成される画像が高品位であることから、色剤として染料
を用いた水溶性インクが一般的に用いられている。
【0004】しかし、染料を用いた水溶性インクを用い
て、コピー紙、レポート紙、リサイクル紙等の一般紙へ
出力する際、吐出されたインクが紙の繊維に沿って広が
り、ドット形状が不定形となったり、著しいにじみが発
生して、形成した画像が不鮮明となるといった不都合が
発生する。また、染料を用いた水溶性インクでは、形成
された画像の耐水性に劣るといった問題もあった。
【0005】このような問題は、色剤として顔料を用い
たインクを用いることで解決することが可能である。顔
料を用いることで、吐出後のにじみの少ない、鮮明な画
像を形成することができる。また、顔料は水に不溶なた
め、紙へ吐出されたインクが乾燥すると、耐水性に優れ
た画像を形成することができる。
【0006】しかし、顔料を色剤として用いたインクに
おいては、顔料の種類、粒子サイズ等に依存するが、顔
料を構成する分子の集合体の屈折率が大きい場合、光散
乱が大きくなり、多重内部反射の影響を受けやすくな
る。すなわち、形成された画像の彩度が低下し、画像の
鮮明さが損なわれるといった問題があった。
【0007】これらの問題を解決する手段として、特開
平10−46049号公報に開示される、層間化合物の
層間に、層間イオンと逆の極性を示す染料イオンにて置
換した顔料を用いる方法がある。この層間化合物の層間
に、層間イオンと逆の極性を示す染料イオンにて置換し
た顔料を用いることで、染料を用いたインクに匹敵する
ような色調が得られ、簡易な製造プロセスでインクを得
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような顔料を用いたインクをインクジェットプリンタに
て吐出する際、ノズル先端部分でインクが目詰まりし易
いといった問題があった。これは、顔料をインク中に分
散させる際、顔料は平均粒子径0.1μmまで微粒子化
されるが、この微粒子化された状態の顔料は不安定であ
り、高温下でインクを長期保存すると顔料同士が凝集し
てしまうためである。
【0009】そこで本発明はこのような従来の実状に鑑
みて提案されたものであり、鮮明な画像を形成すること
ができ、且つ高温下での保存安定性に優れた水性インク
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる水性インクは、層間に交換性イオ
ンを有するハイドロタルサイト群鉱物又はハイドロタル
サイト群鉱物の焼成体からなり、ハイドロタルサイト群
鉱物又は焼成体の交換性イオンの少なくとも一部が、ア
ニオン染料又は酸性染料で置換されてなる顔料と、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルリン酸とを含有するこ
とを特徴とする。
【0011】以上のように構成される水性インクは、イ
ンクジェット記録方式において形成される画像の彩度が
優れたものになるとともに、微粒子化され、水性インク
中に分散された顔料が高温下における保存によって凝集
することを抑制する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる水性インク
の具体的な実施の形態について、詳細に説明する。
【0013】本発明にかかる水性インクは、少なくとも
顔料とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸とを
含有している。
【0014】先ず、顔料について説明する。水性インク
に含有される顔料は、層間に交換性イオンを有するハイ
ドロタルサイト群鉱物又はハイドロタルサイト群鉱物の
焼成体であり、当該ハイドロタルサイト群鉱物又は当該
焼成体の交換性イオンの少なくとも一部が、アニオン染
料又は酸性染料で置換されている。すなわち、本発明に
おいては、イオン交換作用に基づくインターカレーショ
ン反応により、染料を定着保持させることが可能なハイ
ドロタルサイト群鉱物又はハイドロタルサイト群鉱物の
焼成体が顔料として用いられている。ハイドロタルサイ
ト群鉱物は、層状構造を有し、その親水性の層間に水溶
性染料とイオン交換しうる交換性イオンを有する層状無
機化合物である。
【0015】具体的なハイドロタルサイト群鉱物として
は、化学式(3)で表される構造の、天然鉱物を挙げる
ことができる。
【0016】
【化3】
【0017】また、本発明においては、上記ハイドロタ
ルサイト群鉱物のかわりに、化学式(4)で表される構
造の、ハイドロタルサイト群鉱物の焼成体を用いること
も可能である。
【0018】
【化4】
【0019】ハイドロタルサイト群鉱物又はハイドロタ
ルサイト群鉱物の焼成体の有する交換性イオンの少なく
とも一部を置換するアニオン染料としては、アゾ基、ア
ントラキノン骨格、トリフェニルメタン骨格等を有し、
さらに分子中に1〜3個のスルホン酸基又はカルボキシ
ル基等の陰イオン性の水溶性基を有するものが挙げられ
る。具体的なアニオン染料として、イエロー系直接染
料、マゼンタ系直接染料、シアン系直接染料、ブラック
系直接染料、イエロー系酸性染料、マゼンタ系酸性染
料、シアン系酸性染料、ブラック系酸性染料等が挙げら
れる。
【0020】具体的なイエロー系直接染料として、C.
I.ダイレクトイエロー1、同8、同11、同12、同
24、同26、同27、同28、同33、同39、同4
4、同50、同58、同85、同86、同87、同8
8、同89、同98、同100、同110等が挙げられ
る。
【0021】具体的なマゼンタ系直接染料として、C.
I.ダイレクトレッド1、同2、同4、同9、同11、
同13、同17、同20、同23、同24、同28、同
31、同33、同37、同39、同44、同46、同6
2、同63、同75、同79、同80、同81、同8
3、同84、同89、同95、同99、同113、同1
97、同201、同218、同220、同224、同2
25、同226、同227、同228、同229、同2
30、同321等が挙げられる。
【0022】具体的なシアン系直接染料として、C.
I.ダイレクトブルー1、同2、同6、同8、同15、
同22、同25、同41、同71、同76、同77、同
78、同80、同86、同90、同98、同106、同
108、同120、同158、同160、同163、同
165、同168、同192、同193、同194、同
195、同196、同199、同200、同201、同
202、同203、同207、同225、同226、同
236、同237、同246、同248、同249等が
挙げられる。
【0023】具体的なブラック系直接染料として、C.
I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同3
2、同38、同51、同56、同62、同71、同7
4、同75、同77、同94、同105、同106、同
107、同108、同112、同113、同117、同
118、同132、同133、同146等が挙げられ
る。
【0024】具体的なイエロー系酸性染料として、C.
I.アシッドイエロー1、同3、同7、同11、同1
7、同19、同23、同25、同29、同36、同3
8、同40、同42、同44、同49、同59、同6
1、同70、同72、同75、同76、同78、同7
9、同98、同99、同110、同111、同112、
同114、同116、同118、同119、同127、
同128、同131、同135、同141、同142、
同161、同162、同163、同164、同165等
が挙げられる。
【0025】具体的なマゼンタ系酸性染料として、C.
I.アシッドレッド1、同6、同8、同9、同13、同
14、同18、同26、同27、同32、同35、同3
7、同42、同51、同52、同57、同75、同7
7、同80、同82、同83、同85、同87、同8
8、同89、同92、同94、同97、同106、同1
11、同114、同115、同117、同118、同1
19、同129、同130、同131、同133、同1
34、同138、同143、同145、同154、同1
55、同158、同168、同180、同183、同1
84、同186、同194、同198、同199、同2
09、同211、同215、同216、同217、同2
19、同249、同252、同254、同256、同2
57、同262、同265、同266、同274、同2
76、同282、同283、同303、同317、同3
18、同320、同321、同322等が挙げられる。
【0026】具体的なシアン系酸性染料として、C.
I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、
同23、同25、同27、同29、同40、同41、同
43、同45、同54、同59、同60、同62、同7
2、同74、同78、同80、同82、同83、同9
0、同92、同93、同100、同102、同103、
同104、同112、同113、同117、同120、
同126、同127、同129、同130、同131、
同138、同140、同142、同143、同151、
同154、同158、同161、同166、同167、
同168、同170、同171、同175、同182、
同183、同184、同187、同192、同199、
同203、同204、同205、同229、同234、
同236等が挙げられる。
【0027】具体的なブラック系酸性染料として、C.
I.アシッドブラック1、同2、同7、同24、同2
6、同29、同31、同44、同48、同50、同5
1、同52、同58、同60、同62、同63、同6
4、同67、同72、同76、同77、同94、同10
7、同108、同109、同110、同112、同11
5、同118、同119、同121、同122、同13
1、同132、同139、同140、同155、同15
6、同157、同158、同159、同191等が挙げ
られる。
【0028】次に、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルリン酸について説明する。ここで、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルリン酸としては、化学式(1)で表
される構造のジポリオキシエチレン(4)アルキルエー
テルリン酸を挙げることができる。
【0029】
【化5】
【0030】また、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルリン酸としては、化学式(2)で表される構造のトリ
ポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸であ
っても良い。
【0031】
【化6】
【0032】さらにまた、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸としては、上記化学式(1)で表される
構造のジポリオキシエチレン(4)アルキルエーテルリ
ン酸と、上記化学式(2)で表される構造のトリポリオ
キシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸との混合物
であっても良い。
【0033】上述のようなポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸を含有する水性インクは、高温下での顔
料の凝集が抑制される。特に、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルリン酸として、ジポリオキシエチレン
(4)アルキルエーテルリン酸とトリポリオキシエチレ
ン(2)アルキルエーテルリン酸との混合物を用いるこ
とで、顔料の凝集はさらに抑制されることとなる。
【0034】さらにまた、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸としては、上述したような化合物の他
に、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン
酸、ジポリオキシエチレン(6)アルキルエーテルリン
酸、ジポリオキシエチレン(8)アルキルエーテルリン
酸、ジポリオキシエチレン(10)アルキルエーテルリ
ン酸、ジポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエー
テルリン酸、トリポリオキシエチレン(2)アルキルエ
ーテルリン酸、トリポリオキシエチレン(6)アルキル
エーテルリン酸、トリポリオキシエチレン(8)アルキ
ルエーテルリン酸、トリポリオキシエチレン(10)ア
ルキルエーテルリン酸等が挙げられる。これらの化合物
は、1種類を単独で用いても良いし、複数種を混合して
用いても良い。
【0035】上述したようなポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルリン酸の含有量は、水性インク全重量のう
ち、0.1重量%以上、20重量%以下の範囲であるこ
とが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルリ
ン酸の含有量が0.1重量%未満であると、粒子の凝集
を防ぐ効果が十分現れない虞がある。一方、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルリン酸の含有量が20重量%
を上回ると、水性インクの粘度が高くなり、吐出特性が
劣化する虞がある。
【0036】上記の顔料、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸の他に、水性インク中には、水溶性有機
溶剤、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、pH調整剤等が含
有されていても良い。
【0037】具体的な水溶性有機溶剤としては、脂肪族
一価アルコール、多価アルコール、環状ケトン等が挙げ
られ、これらのうち少なくとも一種を用いることができ
る。脂肪族一価アルコールとしては、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール
等を用いることが好ましい。多価アルコールとしては、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のグリコールや、その誘導体を用いることが
好ましい。上記のグリコールやその誘導体を用いること
で、ヘッドの目詰まりやインクの目詰まりを防止するこ
とができる。環状ケトンとしては、2−ピロリドン、N
−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、炭酸
プロピレン等を用いることができる。
【0038】これら水溶性有機溶剤の含有量は、水性イ
ンク全重量のうち、1重量%以上、40重量%以下であ
ることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が1重量%
未満であると、インクジェットプリンタのノズルにおけ
る目詰まりが起こりやすくなる虞がある。一方、水溶性
有機溶剤の含有量が40重量%を上回ると、高粘度の水
性インクとなり、水性インクの飛翔速度が低下してしま
う虞がある。特に、水溶性有機溶剤の含有量は、5重量
%以上、20重量%以下であることが好ましい。
【0039】具体的な界面活性剤としては、アルキル硫
酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル類等のノニオン界面活性剤等が挙
げられ、これらを少なくとも一種使用すればよい。界面
活性剤の含有量は、種類によるものの、水性インク全重
量のうち0.01重量%〜5重量%であることが好まし
い。
【0040】それとともに、界面活性剤は、水性インク
の表面張力が25dyne/cm以上、70dyne/
cm以下となるように含有量を適宜調節することが好ま
しい。水性インクの表面張力が25dyne/cm未満
であると、水性インク液滴の形状が悪くなり、形成され
るドット形状が歪む虞がある。一方、水性インクの表面
張力が70dyne/cmを上回ると、水性インク液滴
がインクジェットプリンタのノズルから飛翔し難くなる
虞がある。特に、水性インクの表面張力は、30dyn
e/cm以上、50dyne/cm以下となるように界
面活性剤の含有量を適宜調節することが好ましい。
【0041】具体的な消泡剤としては、水性インク中の
気泡の発生を抑え、水性インクの吐出安定性を高める効
果のある一般的な消泡剤を用いることが可能であり、例
えば脂肪族一価アルコール等が挙げられる。消泡剤の含
有量は、水性インク全重量のうち、0.5重量%以上、
20重量%以下であることが好ましく、特に1重量%以
上、10重量%以下であることが好ましい。
【0042】防腐剤としては、水性インクの腐敗を防止
し、水性インクの保存安定性を高める効果のある化合物
を用いることができる。具体的な防腐剤として、デヒド
ロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナ
トリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が挙げ
られる。防腐剤の含有量は、水性インク全重量のうち
0.01重量%以上、5重量%以下であることが好まし
く、特に0.1重量%以上、2重量%以下であることが
好ましい。
【0043】具体的なpH調整剤としては、アンモニ
ア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の各
種有機アミンや、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等
のアルカリ金属水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸、
鉱酸等が挙げられる。pH調整剤は、水性インクのpH
を7〜10の範囲とするように適宜水性インク中に含有
させることが好ましい。これらpH調整剤を用いること
で、水性インクのpHが接する材料に及ぼす影響を無く
し、使用される記録装置を保護する効果や水性インクの
保存性を高めることができる。
【0044】以上のような組成の水性インクは、形成さ
れる画像の彩度が優れたものになるとともに、高温下で
保存した際の顔料の凝集が起こりにくくなる。すなわ
ち、この水性インクは、高温下で保存した後の水性イン
クをインクジェットプリンタにて吐出される際、ノズル
先端部にて目詰まりを起こしにくく、且つ鮮明な画像を
形成することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を適用して実際に作製した水性
インク(サンプル)について、実験結果に基づいて説明
する。
【0046】サンプル1 先ず、ハイドロタルサイト群鉱物(以下、ハイドロタル
サイトと称する。)を以下の工程で微粉砕処理して、分
散液を調製した。
【0047】<ハイドロタルサイト微粉砕処理>ハイド
ロタルサイトの焼成物(協和化学社製 KW−220
0):100重量部 純水:450重量部 2−ピロリドン:450重量部 以上の組成からなる水分散液を、ディゾルバー型撹拌機
が設置された撹拌層で60分間処理して、ハイドロタル
サイトの予備分散液を得た。
【0048】次に、この予備分散液を、分散機として流
通管型ミル(ネッチェ社製 LMZ−10型)を用い、
これに粉砕メディアとしてチタニアビーズ(比重3.
9、平均径1.0mm)を充填率80%に充填し、ディ
スク外周の周速度を10m/秒として湿式粉砕装置で循
環流量300l/hrの条件で、平均滞留時間が40分
になるまで微粉砕処理を施した。以上の処理によって、
平均粒子径65nmのハイドロタルサイトの分散液を得
た。
【0049】次に、得られた分散液を用いて、以下の工
程で水性インクを作製した。
【0050】<水性インクの作製>得られた分散液10
0重量部に、置換染料としてC.I.ダイレクトイエロ
ー86(ダイワ化成(株)社製 商品名Daiwa I
J Yellow 214H)を2重量部と、純水を9
7.8重量部とを撹拌しながら添加し、出力1KWの超
音波を10分間照射した後、ジポリオキシエチレン
(4)アルキルエーテルリン酸(日光ケミカルズ(株)
社製 商品名DDP−4)0.2重量部を添加し、さら
に出力1KWの超音波を30分間照射した。その後、こ
れをメンブランフィルタ(ポア径0.8μm)で濾過す
ることによって、水性インクを作製した。
【0051】サンプル2 サンプル1と同様にして、ハイドロタルサイトの分散液
を得、この分散液を用いて以下の工程で水性インクを作
製した。
【0052】<水性インクの作製>得られた分散液10
0重量部に、置換染料としてC.I.ダイレクトイエロ
ー86(ダイワ化成(株)社製 商品名Daiwa I
J Yellow 214H)を2重量部と、純水9
7.8重量部とを撹拌しながら添加し、出力1KWの超
音波を10分間照射した後、トリポリオキシエチレン
(2)アルキルエーテルリン酸(日光ケミカルズ(株)
社製 商品名TDP−2)0.2重量部を添加し、さら
に出力1KWの超音波を30分間照射した。その後、こ
れをメンブランフィルタ(ポア径0.8μm)で濾過す
ることによって、水性インクを作製した。
【0053】サンプル3 サンプル1と同様にして、ハイドロタルサイトの分散液
を得、この分散液を用いて以下の工程で水性インクを作
製した。
【0054】<水性インクの作製>得られた分散液10
0重量部に、置換染料としてC.I.ダイレクトイエロ
ー86(ダイワ化成(株)社製 商品名Daiwa I
J Yellow 214H)を2重量部と、純水を5
8重量部とを撹拌しながら添加し、出力1KWの超音波
を10分間照射した後、ジポリオキシエチレン(4)ア
ルキルエーテルリン酸(日光ケミカルズ(株)社製 商
品名DDP−4)40重量部を添加し、さらに出力1K
Wの超音波を30分間照射した。その後、これをメンブ
ランフィルタ(ポア径0.8μm)で濾過することによ
って、水性インクを作製した。
【0055】サンプル4 サンプル1と同様にして、ハイドロタルサイトの分散液
を得、この分散液を用いて以下の工程で水性インクを作
製した。
【0056】<水性インクの作製>得られた分散液10
0重量部に、置換染料としてC.I.ダイレクトイエロ
ー86(ダイワ化成(株)社製 商品名Daiwa I
J Yellow 214H)を2重量部と、純水を9
7.6重量部とを撹拌しながら添加し、出力1KWの超
音波を10分間照射した後、ジポリオキシエチレン
(4)アルキルエーテルリン酸(日光ケミカルズ(株)
社製 商品名DDP−4)0.2重量部を添加し、さら
に、トリポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリ
ン酸(日光ケミカルズ(株)社製 商品名TDP−2)
0.2重量部を添加し、さらに出力1KWの超音波を3
0分間照射した。その後、これをメンブランフィルタ
(ポア径0.8μm)で濾過することによって、水性イ
ンクを作製した。
【0057】サンプル5 サンプル1と同様にして、ハイドロタルサイトの分散液
を得、この分散液を用いて以下の工程で水性インクを作
製した。
【0058】<水性インクの作製>得られた分散液10
0重量部に、置換染料としてC.I.ダイレクトイエロ
ー86(ダイワ化成(株)社製 商品名Daiwa I
J Yellow 214H)を2重量部と、純水を9
8重量部とを撹拌しながら添加し、出力1KWの超音波
を40分間照射した。その後、これをメンブランフィル
タ(ポア径0.8μm)で濾過することによって、水性
インクを作製した。
【0059】サンプル6 サンプル1と同様にして、ハイドロタルサイトの分散液
を得、この分散液を用いて以下の工程で水性インクを作
製した。
【0060】<水性インクの作製>得られた分散液10
0重量部に、置換染料としてC.I.ダイレクトイエロ
ー86(ダイワ化成(株)社製 商品名Daiwa I
J Yellow 214H)を2重量部と、純水を4
8重量部とを撹拌しながら添加し、出力1KWの超音波
を10分間照射した後、ジポリオキシエチレン(4)ア
ルキルエーテルリン酸(日光ケミカルズ(株)社製 商
品名DDP−4)50重量部を添加し、さらに出力1K
Wの超音波を30分間照射した。その後、これをメンブ
ランフィルタ(ポア径0.8μm)で濾過することによ
って、水性インクを作製した。
【0061】以上のように作製したサンプル1〜サンプ
ル6について、各水性インクの組成を重量百分率で表し
たものを、表1に示す。なお、表1において、ジPOE
とはジポリオキシエチレン(4)アルキルエーテルリン
酸を表し、トリPOEとはトリポリオキシエチレン
(2)アルキルエーテルリン酸を表す。
【0062】
【表1】
【0063】以上のように作製したサンプル1〜サンプ
ル6に関して、高温下での保存特性及びインクジェット
プリンタ吐出特性を評価した。
【0064】高温下での保存特性は、得られた水性イン
クをガラス製のスクリュー管瓶に5ml入れ密閉したも
のを60℃で静地保存し、水性インクに変化があるか否
かを、1週間後及び2週間後のハイドロタルサイトの平
均粒子径の変化にて評価した。平均粒子径の測定は、粒
度分析計マイクロトラックUPA(日機装(株)社製)
を用いた。平均粒子径の初期と比較した変化が20%以
内の場合を○とし、20%〜50%の範囲である場合を
△とし、50%を上回る場合を×と表した。結果を表2
に示す。なお、1週間後および2週間後の保存特性評価
と併せて、それぞれの保存後の平均粒子径をかっこ内に
記載した。
【0065】
【表2】
【0066】インクジェットプリンタ吐出特性は、得ら
れた水性インクをインクジェットプリンタ(セイコーエ
プソン(株)社製 PM−700C)を用いて、インク
ジェット専用紙(セイコーエプソン(株)社製 スーパ
ーファイン専用紙)に吐出させて、テストパターンを印
画した後、水性インクが安定して吐出されているか否か
を、形成されたドットを目視することにより評価した。
水性インクが安定して吐出され、ドット欠損が認められ
ない場合を○とし、吐出が不安定でドット欠損並びにサ
テライトが認められる場合を×と表した。結果を表3に
示す。
【0067】
【表3】
【0068】この表2からも明らかなように、サンプル
1〜サンプル4及びサンプル6では、1週間保存後でも
凝集が抑制されている。また、サンプル4では2週間保
存後でもなお凝集が抑制されている。一方、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルリン酸を全く含有しないサン
プル5では、保存によって粒子の著しい凝集が起こっ
た。このことから、水性インクはポリオキシエチレンア
ルキルエーテルリン酸を含むことで、粒子の凝集を抑制
し、良好な保存特性を有することがわかる。特に、ジポ
リオキシエチレン(4)アルキルエーテルリン酸とトリ
ポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸との
混合物を用いることで、保存特性はさらに向上すること
がわかる。
【0069】また、表3からも明らかなように、サンプ
ル1〜サンプル5では、水性インクは安定して吐出され
ている。一方、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリ
ン酸の含有量が20重量%を上回るサンプル6では、水
性インクの粘度が高くなりすぎて、インクジェット吐出
特性が劣化することがわかる。
【0070】以上のことから、水性インクは、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルリン酸を含有し、その含有
量を0.1重量%以上、20重量%以下とすることで、
良好な保存特性を有するとともに、良好な吐出特性を有
することが可能となる。
【0071】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、層間に交換性イオンを有するハイドロタル
サイト群鉱物又はハイドロタルサイト群鉱物の焼成体か
ら成り、ハイドロタルサイト群鉱物又は当該焼成体の交
換性イオンの少なくとも一部がアニオン染料又は酸性染
料で置換されてなる顔料と、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルリン酸とを含有することにより、この水性イ
ンクは、鮮明な画像を形成するとともに、高温下におけ
る保存安定性を有するものとなる。したがって、本発明
によれば、高彩度、高精細な画像を形成し、高温下での
保存後に使用してもインクジェットプリンタのノズルに
おける目詰まりが起きにくい水性インクを提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 FC01 2H086 BA53 BA55 BA57 BA59 BA62 4J039 BA16 BC56 BE01 CA06 EA38 EA41 EA47 GA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層間に交換性イオンを有するハイドロタ
    ルサイト群鉱物又はハイドロタルサイト群鉱物の焼成体
    からなり、当該ハイドロタルサイト群鉱物又は当該焼成
    体の交換性イオンの少なくとも一部が、アニオン染料又
    は酸性染料で置換されてなる顔料と、 ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸とを含有す
    ることを特徴とする水性インク。
  2. 【請求項2】 上記ポリオキシエチレンアルキルエーテ
    ルリン酸は、化学式(1)で表される構造のジポリオキ
    シエチレン(4)アルキルエーテルリン酸であることを
    特徴とする請求項1記載の水性インク。 【化1】
  3. 【請求項3】 上記ポリオキシエチレンアルキルエーテ
    ルリン酸は、化学式(2)で表される構造のトリポリオ
    キシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸であること
    を特徴とする請求項1記載の水性インク。 【化2】
  4. 【請求項4】 上記ポリオキシエチレンアルキルエーテ
    ルリン酸は、上記ジポリオキシエチレン(4)アルキル
    エーテルリン酸と、上記トリポリオキシエチレン(2)
    アルキルエーテルリン酸との混合物であることを特徴と
    する請求項1記載の水性インク。
  5. 【請求項5】 上記ポリオキシエチレンアルキルエーテ
    ルリン酸の含有量は、水性インク全重量のうち0.1重
    量%以上、20重量%以下の範囲であることを特徴とす
    る請求項1記載の水性インク。
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