JP2001081288A - エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた高圧電気電子部品 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた高圧電気電子部品Info
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- JP2001081288A JP2001081288A JP26386499A JP26386499A JP2001081288A JP 2001081288 A JP2001081288 A JP 2001081288A JP 26386499 A JP26386499 A JP 26386499A JP 26386499 A JP26386499 A JP 26386499A JP 2001081288 A JP2001081288 A JP 2001081288A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 粘度が低く、注入作業性に優れるとともに、
高温下で長時間熱履歴を受けても黒色系硬化物の色抜け
がなく、黒色又は濃紺色を保持しうるエポキシ樹脂組成
物及びこれを用いた絶縁性に優れる高圧電気電子部品を
提供する。 【解決手段】 酸無水物に無機充填剤及び硬化促進剤を
配合した組成物をA剤、エポキシ樹脂をB剤とする酸無
水物硬化型エポキシ樹脂組成物であって、B剤にフタロ
シアニン構造を有する着色剤及びジアゾ系染料を配合し
たことを特徴とするエポキシ樹脂組成物並びにこのエポ
キシ樹脂組成物を注入し、硬化させてなる高圧電気電子
部品。
高温下で長時間熱履歴を受けても黒色系硬化物の色抜け
がなく、黒色又は濃紺色を保持しうるエポキシ樹脂組成
物及びこれを用いた絶縁性に優れる高圧電気電子部品を
提供する。 【解決手段】 酸無水物に無機充填剤及び硬化促進剤を
配合した組成物をA剤、エポキシ樹脂をB剤とする酸無
水物硬化型エポキシ樹脂組成物であって、B剤にフタロ
シアニン構造を有する着色剤及びジアゾ系染料を配合し
たことを特徴とするエポキシ樹脂組成物並びにこのエポ
キシ樹脂組成物を注入し、硬化させてなる高圧電気電子
部品。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器の充填用
樹脂として有用なエポキシ樹脂組成物及びこれを用いた
高圧電気電子部品に関する。
樹脂として有用なエポキシ樹脂組成物及びこれを用いた
高圧電気電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高圧電気電子部品の製造法として
は、ケース又は金型内に部品をセットし、エポキシ樹脂
と無機充填剤との均一混合物に酸無水物及びその硬化促
進剤を混合したエポキシ樹脂組成物を常圧又は真空下で
注入して硬化させるポッティング法が知られている。
は、ケース又は金型内に部品をセットし、エポキシ樹脂
と無機充填剤との均一混合物に酸無水物及びその硬化促
進剤を混合したエポキシ樹脂組成物を常圧又は真空下で
注入して硬化させるポッティング法が知られている。
【0003】しかし、この方法ではエポキシ樹脂そのも
のが高粘稠であるため混合する無機充填剤の量に限界が
あり、硬化する際にエポキシ樹脂組成物に体積収縮が生
じるため、硬化物にクラックが生じ、内蔵されているコ
イル及び部品やケースに剥離やクラックが発生し易く、
また、熱伝導率が悪いために電気機器の温度が高くな
り、使用する温度が制限されるなどの問題がある。さら
に、エポキシ樹脂組成物と無機充填剤を混合して減圧下
で脱泡した後に注入し作業を行うため、エポキシ樹脂組
成物の硬化時間の長いものを使用する必要があり、注入
後の硬化時間も長くなり、作業工程の合理化、省エネル
ギー化に限界がある。
のが高粘稠であるため混合する無機充填剤の量に限界が
あり、硬化する際にエポキシ樹脂組成物に体積収縮が生
じるため、硬化物にクラックが生じ、内蔵されているコ
イル及び部品やケースに剥離やクラックが発生し易く、
また、熱伝導率が悪いために電気機器の温度が高くな
り、使用する温度が制限されるなどの問題がある。さら
に、エポキシ樹脂組成物と無機充填剤を混合して減圧下
で脱泡した後に注入し作業を行うため、エポキシ樹脂組
成物の硬化時間の長いものを使用する必要があり、注入
後の硬化時間も長くなり、作業工程の合理化、省エネル
ギー化に限界がある。
【0004】また、これら高圧電気・電子部品の設置場
所には、その他の構成部品が多数配置されており、これ
ら構成部品のほとんどが黒色又は濃紺色系であることか
ら、高圧電気・電子部品に用いるエポキシ樹脂組成物も
黒色又は濃紺色系への着色要求がある。
所には、その他の構成部品が多数配置されており、これ
ら構成部品のほとんどが黒色又は濃紺色系であることか
ら、高圧電気・電子部品に用いるエポキシ樹脂組成物も
黒色又は濃紺色系への着色要求がある。
【0005】さらに、従来、エポキシ樹脂組成物の黒色
系着色に実績のあるカーボンブラック顔料は、カーボン
が導電性材料であることから、高圧電気・電子部品ユー
ザーは信頼性を向上させるため、使用を控える傾向があ
る。一方で、黒色又は濃紺色のカーボンの代替着色剤と
して考えられる。アジン結合を有する化合物又はジアゾ
結合を有する化合物は、エポキシ樹脂組成物にしたと
き、初期の発色は良いものの、130℃以上の高温下で
長時間熱履歴を受けると色抜けが目立ち、黒色又は濃紺
色を保持することができない。
系着色に実績のあるカーボンブラック顔料は、カーボン
が導電性材料であることから、高圧電気・電子部品ユー
ザーは信頼性を向上させるため、使用を控える傾向があ
る。一方で、黒色又は濃紺色のカーボンの代替着色剤と
して考えられる。アジン結合を有する化合物又はジアゾ
結合を有する化合物は、エポキシ樹脂組成物にしたと
き、初期の発色は良いものの、130℃以上の高温下で
長時間熱履歴を受けると色抜けが目立ち、黒色又は濃紺
色を保持することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解消し、粘度が低く、注入作業性に優れ
るとともに、高温下で長時間熱履歴を受けても黒色系硬
化物の色抜けがなく、黒色又は濃紺色を保持しうるエポ
キシ樹脂組成物及びこれを用いた絶縁性に優れる高圧電
気電子部品を提供するものである。
技術の問題点を解消し、粘度が低く、注入作業性に優れ
るとともに、高温下で長時間熱履歴を受けても黒色系硬
化物の色抜けがなく、黒色又は濃紺色を保持しうるエポ
キシ樹脂組成物及びこれを用いた絶縁性に優れる高圧電
気電子部品を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸無水物に無
機充填剤及び硬化促進剤を配合した組成物をA剤、エポ
キシ樹脂をB剤とする酸無水物硬化型エポキシ樹脂組成
物であって、B剤にフタロシアニン構造を有する着色剤
及びジアゾ系染料を配合したことを特徴とするエポキシ
樹脂組成物に関する。また本発明は、前記フタロシアニ
ン構造を有する着色剤が、β型フタロシアニン構造を有
する有機顔料であるエポキシ樹脂組成物に関する。また
本発明は、前記エポキシ樹脂組成物を注入し、硬化させ
てなる高圧電気電子部品に関する。
機充填剤及び硬化促進剤を配合した組成物をA剤、エポ
キシ樹脂をB剤とする酸無水物硬化型エポキシ樹脂組成
物であって、B剤にフタロシアニン構造を有する着色剤
及びジアゾ系染料を配合したことを特徴とするエポキシ
樹脂組成物に関する。また本発明は、前記フタロシアニ
ン構造を有する着色剤が、β型フタロシアニン構造を有
する有機顔料であるエポキシ樹脂組成物に関する。また
本発明は、前記エポキシ樹脂組成物を注入し、硬化させ
てなる高圧電気電子部品に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物にお
いて、前記のように、A剤は、酸無水物に無機充填剤及
び硬化促進剤を配合した組成物である。使用しうる酸無
水物としては、特に制限はないが、常温で液体のものが
好ましく、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレ
ン無水フタル酸、ドデセニル無水フタル酸などが用いら
れる。市販品としては、HN−2200(日立化成工業
(株)製商品名)、QH−200(日本ゼオン(株)製商品
名)などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上組
み合わせて用いることもできる。
いて、前記のように、A剤は、酸無水物に無機充填剤及
び硬化促進剤を配合した組成物である。使用しうる酸無
水物としては、特に制限はないが、常温で液体のものが
好ましく、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレ
ン無水フタル酸、ドデセニル無水フタル酸などが用いら
れる。市販品としては、HN−2200(日立化成工業
(株)製商品名)、QH−200(日本ゼオン(株)製商品
名)などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上組
み合わせて用いることもできる。
【0009】酸無水物の硬化促進剤としては、例えば2
−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル
−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル
イミダゾール等のイミダゾール及びその誘導体、トリス
ジメチルアミノフェノール、ベンジルジメチルアミン等
の第3級アミン類などが用いられる。市販品としては2
E4MZ(四国化成工業(株)製商品名)、BDMA(花
王(株)製商品名)などが挙げられる。硬化促進剤は、単
独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。これら
の硬化促進剤の配合量は、酸無水物100重量部当たり
0.1〜10重量部が反応性の点で好ましく、0.1〜
5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部が特に好ま
しい。
−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル
−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル
イミダゾール等のイミダゾール及びその誘導体、トリス
ジメチルアミノフェノール、ベンジルジメチルアミン等
の第3級アミン類などが用いられる。市販品としては2
E4MZ(四国化成工業(株)製商品名)、BDMA(花
王(株)製商品名)などが挙げられる。硬化促進剤は、単
独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。これら
の硬化促進剤の配合量は、酸無水物100重量部当たり
0.1〜10重量部が反応性の点で好ましく、0.1〜
5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部が特に好ま
しい。
【0010】無機充填剤としては、例えば、結晶シリ
カ、溶融シリカ、水和アルミナ、酸化アルミナ、タル
ク、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、クレー、酸化マグ
ネシウムなどが用いられる。この市販品としては、CR
T−AA、CRT−D、RD−8((株)龍森製商品
名)、COX−31((株)マイクロ製商品名)、C−3
03H、C−315H、C−308(住友化学工業(株)
製商品名)、SL−700(竹原化学工業(株)製商品
名)などが挙げられる。これらの無機充填剤は、単独で
又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
カ、溶融シリカ、水和アルミナ、酸化アルミナ、タル
ク、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、クレー、酸化マグ
ネシウムなどが用いられる。この市販品としては、CR
T−AA、CRT−D、RD−8((株)龍森製商品
名)、COX−31((株)マイクロ製商品名)、C−3
03H、C−315H、C−308(住友化学工業(株)
製商品名)、SL−700(竹原化学工業(株)製商品
名)などが挙げられる。これらの無機充填剤は、単独で
又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0011】無機充填剤の配合量は、酸無水物100重
量部に対して50〜500重量部が好ましく、80〜4
00重量部がさらに好ましく、100〜300重量部が
より好ましい。無機充填剤が少なすぎると、硬化物にし
た時の熱伝導率又は線膨張係数に悪影響を及ぼし、無機
充填剤が多すぎると注入作業性に劣る傾向がある。
量部に対して50〜500重量部が好ましく、80〜4
00重量部がさらに好ましく、100〜300重量部が
より好ましい。無機充填剤が少なすぎると、硬化物にし
た時の熱伝導率又は線膨張係数に悪影響を及ぼし、無機
充填剤が多すぎると注入作業性に劣る傾向がある。
【0012】また、本発明のエポキシ樹脂組成物におけ
るB剤は、エポキシ樹脂を必須成分として含有するもの
である。本発明に使用しうるエポキシ樹脂としては、1
分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物が
用いられるが、エポキシ当量が100〜4000のもの
が好ましく、エポキシ当量が150〜1000のものが
より好ましく、特に、エポキシ当量が170〜500の
ものが好ましい。
るB剤は、エポキシ樹脂を必須成分として含有するもの
である。本発明に使用しうるエポキシ樹脂としては、1
分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物が
用いられるが、エポキシ当量が100〜4000のもの
が好ましく、エポキシ当量が150〜1000のものが
より好ましく、特に、エポキシ当量が170〜500の
ものが好ましい。
【0013】使用しうるエポキシ樹脂としては、具体的
には例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポ
キシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテルな
どが用いられる。これらの樹脂としては、特に制限はな
いが、常温で液状のものが好ましく、市販品としてはエ
ピコート828(油化シェルエポキシ(株)製商品名)、
GY−260(チバガイギ社製商品名)、DER−33
1(ダウケミカル日本(株)製商品名)などが挙げられ
る。これらは単独で又は併用して用いることができる。
には例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポ
キシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテルな
どが用いられる。これらの樹脂としては、特に制限はな
いが、常温で液状のものが好ましく、市販品としてはエ
ピコート828(油化シェルエポキシ(株)製商品名)、
GY−260(チバガイギ社製商品名)、DER−33
1(ダウケミカル日本(株)製商品名)などが挙げられ
る。これらは単独で又は併用して用いることができる。
【0014】また、エポキシ樹脂として、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシ
ジルエーテル等の反応性希釈剤となる低分子量エポキシ
樹脂を使用する場合には、それより高分子量のものと併
用することが好ましい。
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシ
ジルエーテル等の反応性希釈剤となる低分子量エポキシ
樹脂を使用する場合には、それより高分子量のものと併
用することが好ましい。
【0015】さらに、エポキシ樹脂として、1分子中に
エポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでい
てもよい。このようなエポキシ化合物は、エポキシ樹脂
全量に対して0〜40重量%の範囲で使用することが好
ましく、0〜20重量%の範囲で使用することがより好
ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチ
ルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、
ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモクレジ
ルグリシジルエーテルなどがある。
エポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでい
てもよい。このようなエポキシ化合物は、エポキシ樹脂
全量に対して0〜40重量%の範囲で使用することが好
ましく、0〜20重量%の範囲で使用することがより好
ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチ
ルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、
ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモクレジ
ルグリシジルエーテルなどがある。
【0016】これらエポキシ樹脂の配合量は、酸無水物
100重量部に対して70〜100重量部であるのが好
ましく、90〜150重量部がより好ましく、100〜
140重量部がさらに好ましい。エポキシ樹脂が少なす
ぎても多すぎても、酸無水物とエポキシ樹脂のバランス
が崩れて、充分に硬化が進まない。
100重量部に対して70〜100重量部であるのが好
ましく、90〜150重量部がより好ましく、100〜
140重量部がさらに好ましい。エポキシ樹脂が少なす
ぎても多すぎても、酸無水物とエポキシ樹脂のバランス
が崩れて、充分に硬化が進まない。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物のB剤は、さ
らにフタロシアニン構造を有する着色剤及びジアゾ系染
料を含有する。フタロシアニン構造を有する着色剤とし
ては、フタロシアニンの構造をその骨格に有するもので
あれば特に制限はなく、たとえば、中心金属のない構造
のもの、中心金属を有するもの、また、その結晶系とし
てα型、β型など各種の物が知られているが、本発明に
おいては、β型銅フタロシアニンが特に効果が高く好ま
しい。
らにフタロシアニン構造を有する着色剤及びジアゾ系染
料を含有する。フタロシアニン構造を有する着色剤とし
ては、フタロシアニンの構造をその骨格に有するもので
あれば特に制限はなく、たとえば、中心金属のない構造
のもの、中心金属を有するもの、また、その結晶系とし
てα型、β型など各種の物が知られているが、本発明に
おいては、β型銅フタロシアニンが特に効果が高く好ま
しい。
【0018】β型銅フタロシアニンとしては、下記一般
式(I)
式(I)
【化1】 の構造を有するものが好ましいものとして挙げられる。
この製品は、例えば、クロモフタルブルー4GNP(チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名)として
市販されている。
この製品は、例えば、クロモフタルブルー4GNP(チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名)として
市販されている。
【0019】また、ジアゾ系染料としては、種々の公知
のものが挙げられ、特に制限はない。この市販品として
は、例えば、オイルブラックHBB(オリエント化学工
業(株)製商品名)として市販されている。
のものが挙げられ、特に制限はない。この市販品として
は、例えば、オイルブラックHBB(オリエント化学工
業(株)製商品名)として市販されている。
【0020】フタロシアニン構造を有する着色剤とジア
ゾ系染料の配合比率としては、ふたロシアニン構造を有
する着色剤/ジアゾ系染料(重量比)で30/70〜7
0/30の範囲で使用するのが着色の点から好ましい。
フタロシアニン構造を有する着色剤が30/70より少
ない場合は、高温下で長時間熱履歴を受けるとエポキシ
樹脂組成物の色抜けが目立ち、70/30より多いと、
フタロシアニン構造特有の青色の発色が目立つことにな
り、いずれの場合にも黒色又は濃紺色の色相を保持する
ことができない。配合比率は40/60〜60/40の
範囲がより好ましく、45/55〜55/45の範囲が
特に好ましい。
ゾ系染料の配合比率としては、ふたロシアニン構造を有
する着色剤/ジアゾ系染料(重量比)で30/70〜7
0/30の範囲で使用するのが着色の点から好ましい。
フタロシアニン構造を有する着色剤が30/70より少
ない場合は、高温下で長時間熱履歴を受けるとエポキシ
樹脂組成物の色抜けが目立ち、70/30より多いと、
フタロシアニン構造特有の青色の発色が目立つことにな
り、いずれの場合にも黒色又は濃紺色の色相を保持する
ことができない。配合比率は40/60〜60/40の
範囲がより好ましく、45/55〜55/45の範囲が
特に好ましい。
【0021】フタロシアニン構造を有する着色剤とジア
ゾ系染料の着色剤は、エポキシ樹脂組成物全量に対して
0.1〜10重量%の範囲で使用するのが着色の点から
好ましく、0.1〜5重量%の範囲がより好ましく、
0.2〜3重量%の範囲が特に好ましい。
ゾ系染料の着色剤は、エポキシ樹脂組成物全量に対して
0.1〜10重量%の範囲で使用するのが着色の点から
好ましく、0.1〜5重量%の範囲がより好ましく、
0.2〜3重量%の範囲が特に好ましい。
【0022】本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに
必要に応じて、赤リン、ヘキサブロモベンゼン、三酸化
アンチモン等の難燃剤、シラン系カップリング剤、シリ
コーン剤等の消泡剤などを配合することができる。
必要に応じて、赤リン、ヘキサブロモベンゼン、三酸化
アンチモン等の難燃剤、シラン系カップリング剤、シリ
コーン剤等の消泡剤などを配合することができる。
【0023】本発明の高圧電気電子部品は、上記A剤と
上記B剤を混合したエポキシ樹脂組成物を注入し、硬化
させることによって得られる。具体的には、A剤及びB
剤を混合してエポキシ樹脂組成物とし、これを好ましく
は30〜70℃に予熱し、減圧下(好ましくは133.
3Pa(1Torr)以下)で脱泡した後、高圧電気電子部品
が搭載されたケース又は金型に注入し、好ましくは60
〜170℃(特に好ましくは80〜160℃)で1〜8
時間加熱硬化させることにより、また、金型を用いた場
合には硬化後金型から取り外すことにより高圧電気電子
部品が得られる。また、A剤及びB剤をそれぞれ好まし
くは30〜70℃に予熱し、減圧下(好ましくは13
3.3Pa(1Torr)以下)で脱泡した後、空気が入らな
いように混合してエポキシ樹脂組成物とし、その後は上
記のようにして成形し、高圧電気電子部品を製造するこ
とができる。
上記B剤を混合したエポキシ樹脂組成物を注入し、硬化
させることによって得られる。具体的には、A剤及びB
剤を混合してエポキシ樹脂組成物とし、これを好ましく
は30〜70℃に予熱し、減圧下(好ましくは133.
3Pa(1Torr)以下)で脱泡した後、高圧電気電子部品
が搭載されたケース又は金型に注入し、好ましくは60
〜170℃(特に好ましくは80〜160℃)で1〜8
時間加熱硬化させることにより、また、金型を用いた場
合には硬化後金型から取り外すことにより高圧電気電子
部品が得られる。また、A剤及びB剤をそれぞれ好まし
くは30〜70℃に予熱し、減圧下(好ましくは13
3.3Pa(1Torr)以下)で脱泡した後、空気が入らな
いように混合してエポキシ樹脂組成物とし、その後は上
記のようにして成形し、高圧電気電子部品を製造するこ
とができる。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁
処理される高圧電気電子部品としては、例えば、プラス
チック又は金属製のケース又は金型内に部品を収納した
トランス、フライバックトランス、ネオントランス、イ
グニッションコイル又はこれらのケースレスタイプのト
ランス等が挙げられる。
処理される高圧電気電子部品としては、例えば、プラス
チック又は金属製のケース又は金型内に部品を収納した
トランス、フライバックトランス、ネオントランス、イ
グニッションコイル又はこれらのケースレスタイプのト
ランス等が挙げられる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0026】実施例1及び比較例1〜3 表1に示す配合のエポキシ樹脂組成物を60℃に加温
し、66.65Pa(0.5Torr)で5分間脱泡した後、
1333.2Pa(10Torr)の減圧下で注入し、80℃
で2時間、135℃で2時間硬化させた後、各種評価の
試験片とした。
し、66.65Pa(0.5Torr)で5分間脱泡した後、
1333.2Pa(10Torr)の減圧下で注入し、80℃
で2時間、135℃で2時間硬化させた後、各種評価の
試験片とした。
【0027】なお、実施例及び比較例に用いた物質は、
下記のものである。 〔A剤〕 酸無水物:メチルテトラヒドロ無水フタル酸(日立化成
工業株式会社製、商品名HN−2200) 硬化促進剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四
国化成工業株式会社製商品名2E4MZ) 充填剤:平均粒径7μmの結晶シリカ(株式会社龍森
製、商品名CRT−AA)
下記のものである。 〔A剤〕 酸無水物:メチルテトラヒドロ無水フタル酸(日立化成
工業株式会社製、商品名HN−2200) 硬化促進剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四
国化成工業株式会社製商品名2E4MZ) 充填剤:平均粒径7μmの結晶シリカ(株式会社龍森
製、商品名CRT−AA)
【0028】〔B剤〕 エポキシ樹脂:ビスフェノールA型EP(油化シェル株
式会社製、商品名エピコート828) β型銅フタロシアニン系着色剤:クロモフタルブルー4
GNP(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社
製、商品名) ジアゾ系染料:オイルブラックHBB(オリエント化学
工業株式会社製、商品名)
式会社製、商品名エピコート828) β型銅フタロシアニン系着色剤:クロモフタルブルー4
GNP(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社
製、商品名) ジアゾ系染料:オイルブラックHBB(オリエント化学
工業株式会社製、商品名)
【0029】試験片の評価は、下記の方法で行った。 (1)硬化物の色相変化 表1に示す配合のエポキシ樹脂組成物硬化後の試験片
を、150℃の恒温槽に投入、規定時間放置後の試験片
の色相変化を目視で判断した。 (2)絶縁破壊の強さ 50mm×100mm×2mmの金型内で、BDV測定機(明
和電機(株)製)を用いて、油槽中で試験片を直径20mm
の球電極と直径20mmの円板電極の間に挟んでセット
し、絶縁破壊電圧を測定し、絶縁破壊の強さを求めた。
を、150℃の恒温槽に投入、規定時間放置後の試験片
の色相変化を目視で判断した。 (2)絶縁破壊の強さ 50mm×100mm×2mmの金型内で、BDV測定機(明
和電機(株)製)を用いて、油槽中で試験片を直径20mm
の球電極と直径20mmの円板電極の間に挟んでセット
し、絶縁破壊電圧を測定し、絶縁破壊の強さを求めた。
【0030】(3)モデル含浸率 直径15mmのポリプロピレン製試験管に100℃で1時
間乾燥したガラスビーズ(平均粒径が80μm)を振動
させながら試験管内に高さで約60mmになるように充填
した後秤量してガラスビーズの重量(W0g)を測定し
た。次いで、樹脂組成物をガラスビーズ充填済みのポリ
プロピレン製試験管に高さで約60mmになるように注入
し、1333.2Pa(10mmHg)に減圧して10分間放
置した後、規定の条件で熱硬化させた。この後、含浸さ
れずに硬化物から分離されるガラスビーズを集めてその
重量(W1g)を測定した。次の式からモデル含浸率を
算出した。
間乾燥したガラスビーズ(平均粒径が80μm)を振動
させながら試験管内に高さで約60mmになるように充填
した後秤量してガラスビーズの重量(W0g)を測定し
た。次いで、樹脂組成物をガラスビーズ充填済みのポリ
プロピレン製試験管に高さで約60mmになるように注入
し、1333.2Pa(10mmHg)に減圧して10分間放
置した後、規定の条件で熱硬化させた。この後、含浸さ
れずに硬化物から分離されるガラスビーズを集めてその
重量(W1g)を測定した。次の式からモデル含浸率を
算出した。
【0031】
【数1】
【0032】
【表1】
【0033】表1に示した結果から、本発明のエポキシ
樹脂組成物を用いた場合、ジアゾ系の染料だけを用いた
場合(比較例1)とは異なり、高温下で熱履歴を受けて
も試験片の色抜けがなく、また、β型銅フタロシアニン
構造を有する有機顔料だけを用いた場合(比較例2)と
も異なり、試験片の色相を濃紺色に着色できることがわ
かった。
樹脂組成物を用いた場合、ジアゾ系の染料だけを用いた
場合(比較例1)とは異なり、高温下で熱履歴を受けて
も試験片の色抜けがなく、また、β型銅フタロシアニン
構造を有する有機顔料だけを用いた場合(比較例2)と
も異なり、試験片の色相を濃紺色に着色できることがわ
かった。
【0034】また、本発明のエポキシ樹脂組成物を用い
た場合には、絶縁破壊の強さにおいても高い値を示すこ
とから、比較例3に示す従来技術の無着色品エポキシ樹
脂組成物と同等の特性が得られることがわかった。さら
に、β型銅フタロシアニン構造を有する着色剤及びジア
ゾ系染料を配合した本発明のエポキシ樹脂組成物を用い
た場合、着色も黒色の色相となり、その他の構成部品と
同様の色相になり、高圧電気電子部品ユーザーの要求を
満たすことができる。
た場合には、絶縁破壊の強さにおいても高い値を示すこ
とから、比較例3に示す従来技術の無着色品エポキシ樹
脂組成物と同等の特性が得られることがわかった。さら
に、β型銅フタロシアニン構造を有する着色剤及びジア
ゾ系染料を配合した本発明のエポキシ樹脂組成物を用い
た場合、着色も黒色の色相となり、その他の構成部品と
同様の色相になり、高圧電気電子部品ユーザーの要求を
満たすことができる。
【0035】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、粘度が
低く注入作業性に優れるとともに、高い絶縁性を有し、
高温下で長時間熱履歴を受けても黒色系硬化物の色抜け
がなく、黒色又は濃紺色を保持しうる黒色又は濃紺系の
高圧電気電子部品を提供することができる。
低く注入作業性に優れるとともに、高い絶縁性を有し、
高温下で長時間熱履歴を受けても黒色系硬化物の色抜け
がなく、黒色又は濃紺色を保持しうる黒色又は濃紺系の
高圧電気電子部品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CD011 CD051 DE078 DE148 DE238 DJ018 DJ038 DJ048 DL008 EL136 EN057 EN107 EU009 EU117 EZ009 FA088 FD018 FD099 FD146 FD157 GQ00 5E044 AC01
Claims (3)
- 【請求項1】 酸無水物に無機充填剤及び硬化促進剤を
配合した組成物をA剤、エポキシ樹脂をB剤とする酸無
水物硬化型エポキシ樹脂組成物であって、B剤にフタロ
シアニン構造を有する着色剤及びジアゾ系染料を配合し
たことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 フタロシアニン構造を有する着色剤が、
β型銅フタロシアニン構造を有する有機顔料である請求
項1記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成
物を注入し、硬化させてなる高圧電気電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26386499A JP2001081288A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた高圧電気電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26386499A JP2001081288A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた高圧電気電子部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001081288A true JP2001081288A (ja) | 2001-03-27 |
Family
ID=17395313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26386499A Pending JP2001081288A (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた高圧電気電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001081288A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101771729B1 (ko) * | 2012-07-25 | 2017-08-25 | 삼성전기주식회사 | 적층형 인덕터 및 적층형 인덕터의 보호층 조성물 |
-
1999
- 1999-09-17 JP JP26386499A patent/JP2001081288A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101771729B1 (ko) * | 2012-07-25 | 2017-08-25 | 삼성전기주식회사 | 적층형 인덕터 및 적층형 인덕터의 보호층 조성물 |
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