JP2001081093A - アルコキシシランの製造方法 - Google Patents

アルコキシシランの製造方法

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Yuji Takamura
祐司 高村
Tadashi Yoshino
正 芳野
Takashi Ono
隆 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応溶媒に関わる煩雑な工程や不純物
の混入等の問題が一切なく、反応層内の温度や反応性を
均一に制御することが容易でかつ反応の進行とともに生
成する反応残渣を反応器外へ選択的に除去し、連続式反
応にて効率よくアルコキシシランを製造する。 【解決手段】 触媒存在下において金属ケイ素粒子と
アルコールとの反応からアルコキシシランを製造する方
法において、該金属ケイ素粒子と該アルコールとの反応
を気相系でかつ加振操作を付加した流動層において媒体
粒子を振動し、反応残渣を粉砕・微細化し選択的に飛散
除去させながら行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコキシシラン
を効率よく製造する方法に関する。さらに詳しくは、触
媒存在下において金属ケイ素粒子とアルコールとの反応
からアルコキシシランを効率よく製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルコキシシラン、特にトリアルコキシ
シランは反応性に富むケイ素−水素結合を分子内に有
し、複合材、塗料などの分野で用いられるシランカップ
リング剤や、半導体用のシリコン製造の原料となるシラ
ンガスの製造原料として、産業上重要な化合物であり、
これらを安価で効率よく製造する方法が求められてい
る。
【0003】従来のアルコキシシランの製造方法として
は、クロロシラン類とアルコールを反応させる方法が知
られている。しかし、目的とするアルコキシシランの他
に塩酸や塩素を含有する化合物が多量に副生するため、
アルコキシシランを得るために精製が不可欠である。そ
の操作は容易でなく、塩酸や塩素を含有する化合物を低
レベルまで除去するためには、中和剤を用いて中和した
後に蒸留を行うなどの煩雑な操作を要する。さらには、
反応装置などの機器を腐食させる等の欠点があり、高級
な材質を用いなくてはならない。
【0004】一方、金属ケイ素とアルコールとを触媒の
存在下に反応させてアルコキシシランを製造する方法も
知られている。反応は液相系または気相系で行うことが
知られているが、高いトリアルコキシシラン選択率が一
般的に得られやすいことから、専ら液相系での研究に注
力されてきた。しかし液相系で反応を行う場合、高沸点
の反応溶媒を多量に用いるためにコスト高であり、反応
残渣と反応溶媒との分離も容易でなく、生成物中に反応
溶媒が混入する問題点もある。また金属ケイ素とアルコ
ールとの接触性が低いため、気相系に比べて反応器容量
当たりの反応速度が低くなり、製造効率が低減する等の
問題がある。
【0005】そこで、気相系にてアルコキシシランを効
率よく製造する方法が望まれており、固定層方式や移動
層方式、流動層方式等が知られている。しかし、金属ケ
イ素とアルコールとからアルコキシシランを生成する反
応は発熱反応であるため、固定層方式や移動層方式では
層内における局所的な高温や温度分布の発生が避けられ
ず、均一な温度制御が容易でない。また除熱速度を超え
ないようにアルコールの供給速度を抑制する必要があ
り、効率性が低下する等の問題がある。
【0006】一方、流動層方式で反応を行う場合、層内
を均一の温度に保つことが容易であり、また除熱効率性
も高い。しかし、反応の進行に伴って金属ケイ素が凝集
性を有してくるために流動性が悪化し、金属ケイ素とア
ルコールとの接触効率が低減するために金属ケイ素やア
ルコールの反応率が低下したり、層内での金属ケイ素の
反応性に分布が生じる。また、均一な温度制御も困難と
なる。さらに条件によっては流動が停止して層内で偏流
が起こり、その結果金属ケイ素の反応率が全体として著
しく低下する。その対策として反応を減圧下で行うこと
が開示されている(特開平5−178864号公報)
が、その効果は充分でなく、また装置や操作が煩雑であ
るために工業的な製造方法に適していない。
【0007】さらに、流動層方式で連続式反応を行う場
合、反応の進行とともに生成する反応残渣が反応器内に
滞留、滞積し、流動性の悪化、金属ケイ素やアルコール
の反応率の低下および層内での金属ケイ素の反応性の分
布が顕著となる。しかし、その対策は今まで見いだされ
ていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は触媒存在下金
属ケイ素とアルコールとの反応によりアルコキシシラン
を製造する方法において、反応溶媒に関わる煩雑な工程
や不純物の混入等の問題が一切なく、反応層内の温度や
反応性を均一に制御することが容易でかつ反応の進行と
ともに生成する反応残渣を反応器外へ選択的に除去し、
連続式反応にて効率よくアルコキシシランを製造する方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルコキ
シシランの効率的な製造方法について鋭意検討を重ねた
結果、反応を気相系でかつ加振操作を付加した流動層で
媒体粒子を振動させることにより、広範な条件で流動状
態が安定し、層内の温度や反応性を容易に均一制御で
き、かつ反応の進行とともに生成する反応残渣を反応器
外へ選択的に除去できるため、連続式反応にて効率よく
アルコキシシランを製造できることを見出し、本発明に
至った。
【0010】すなわち、本発明は触媒存在下において金
属ケイ素粒子とアルコールとの反応からアルコキシシラ
ンを製造する方法において、該反応を気相系でかつ加振
操作を付加した流動層で媒体粒子を振動させて行うこと
を特徴とするアルコキシシランを連続式反応にて効率よ
く製造する方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明において原料の一つとして使用する金属
ケイ素粒子は、特に限定するものではないが、純度90
重量%以上のものが好適である。不純物の種類および量
については特に限定するものではない。また、表面の酸
化層を除去することにより転化率などが向上することか
ら、フッ酸などで処理したものを用いてもよい。金属ケ
イ素粒子の形状としては粒状が好適であり、大きさは特
に限定するものではないが、平均粒子径が2mm以下が
好ましく、10〜500μmであることが特に好まし
い。反応において均一に流動化するために、金属ケイ素
粒子の粒子径分布は狭いことが好ましい。粒子径分布が
広いと均一に流動せず、流動しない粒子や反応器の上部
より器外に飛散する粒子が生じる場合がある。粒子径分
布の指標である変動係数は80%以下であることが好ま
しく、50%以下であることが特に好ましい。なお、変
動係数は以下の式により算出する値である。・変動係数
(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100
【0012】もう一つの原料であるアルコールとして
は、低級アルコールが好ましく、メタノール、エタノー
ルが特に好ましい。アルコールの純度は95重量%以上
が好適であり、不純物の種類および量については特に限
定するものではない。また、脱水処理などを施すことに
より水分の含有量を1000ppm以下、さらには30
0ppm以下としたものを用いるのが好ましい。
【0013】本発明における触媒としては、銅触媒、亜
鉛触媒、ニッケル触媒等の公知のものを用いることがで
きるが、銅触媒が特に好ましい。具体例としては、金属
銅、酸化銅、水酸化銅、炭酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化
銅、銅メトキシド等が挙げられる。触媒の純度は90重
量%以上であることが好ましいが、不純物の種類および
量については特に限定するものではない。触媒の使用量
は、金属ケイ素1モルに対し、0.001〜0.1モル
が好ましく、より好ましくは0.005〜0.05モル
が好適である。この範囲を外れると、金属ケイ素の転化
率が低減したり、トリアルコキシシランの選択率が低下
するので好ましくない。
【0014】触媒存在下において金属ケイ素粒子とアル
コールとを反応させてアルコキシシランを製造するが、
あらかじめ触媒を金属ケイ素粒子に担持することが好ま
しく、担持した後に前処理によって活性化することがさ
らに好ましい。触媒の担持方法および前処理方法として
は公知の方法に従えばよく、担持方法の具体例としては
ボールミル等による金属ケイ素粒子と触媒の物理混合
法、触媒が溶解した溶液に金属ケイ素粒子を浸漬させて
表面に担持する含浸法等が挙げられ、また前処理方法と
しては、熱処理、還元ガスやハロゲンガスとの接触等が
挙げられる。
【0015】本発明の方法は、反応を気相系でかつ加振
操作を付加した流動層で媒体粒子を振動させ、反応残渣
を粉砕・微細化し選択的に飛散除去させながら行う。す
なわち触媒存在下で金属ケイ素粒子を、アルコールガス
を含む流動化ガスにより流動化させ、かつ加振操作を行
いながら反応させる。媒体粒子の振動方法は、流動層装
置本体容器に設置もしくは接続された加振装置により、
流動層装置本体容器を振動させる方法によって行われ
る。加振装置は化学工学便覧化学工学会編(丸善株式会
社出版)等に掲載されている市販の振動ミルや振動篩等
の加振装置を有する粉体機器に一般的に組み込まれてい
る加振機構の中で、振動に垂直成分を有する形式のもの
を用いればよい。また、安定した振動を得るためには、
振動源の中心と流動層装置本体容器の重心を一致させる
必要がある。
【0016】本発明において、媒体粒子を用いて反応残
渣を粉砕・微細化し、選択的に飛散除去するが、反応残
渣の嵩比重は金属ケイ素粒子の嵩比重の約1/2以下で
あり、反応残渣を媒体粒子によって飛散可能な粒子径以
下に粉砕・微細化することにより、飛散除去可能とな
る。ここで、金属ケイ素粒子は粉砕・微細化されない条
件で粉砕操作を行うことが、反応残渣を選択的に飛散除
去するために必要となる。媒体粒子は粒子径1.0〜5
0mmのものを用いる。媒体粒子の粒子径が1.0mm
未満では、媒体粒子の衝突による反応残渣の粉砕効果が
得られず、一方、50mmを越えると、媒体粒子の衝突
確率が低くなる一方で、金属ケイ素粒子までも粉砕・微
細化され、飛散除去されてしまい、本発明の効果を十分
に得られない。
【0017】媒体粒子の充填量は下記に示される式の範
囲とする。 (媒体粒子単独の静止層高/流動層反応器の内径)<
1.0 (媒体粒子単独の静止層高/流動層反応器の内径)の値
が1.0を越えると、金属ケイ素粒子の流動性が維持で
きなくなり、本発明の効果を十分に得られない。
【0018】媒体粒子は不活性のものを用いる。媒体粒
子の材質としては、原料や生成物等に対して不活性であ
れば特に限定するものではないが、熱や圧力等の反応条
件、装置材質に対してに安定な材質であることが好まし
い。好適にはシリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機酸
化物が用いられる。媒体粒子の形状としては球状が好適
であり、表面が滑らかであるものが好ましい。
【0019】本発明においては、振動の垂直成分の振幅
および周波数を、下記に示される式の範囲にすることが
好ましい。 ・1.0≦A≦50 、 1≦f≦100 かつ 10≦A×f≦200 ただし、A:振動の垂直成分の振幅[mm] f:振動の垂直成分の周波数[Hz] A×fの値が10未満では、媒体粒子の振動が不十分と
なって媒体粒子の衝突による反応残渣の粉砕効果が得ら
れず、200を越えると、媒体粒子の振動が過大となっ
て媒体粒子の衝突により、金属ケイ素粒子まで粉砕・微
細化され、飛散除去されてしまい、本発明の効果を十分
に得られない。加振装置として振動モーターや偏心加振
装置などがあるが、媒体粒子に振動の垂直成分を伝えら
れるものであればよく、特に限定されるものではない。
【0020】流動化ガスはアルコールガス単独でもよ
く、原料や生成物等に影響しない希釈ガスにより希釈し
て用いてもよい。層断面基準流動化ガス流速は、金属ケ
イ素粒子が反応中において十分に流動する条件であれば
よく、特に限定されるものではない。反応温度は150
〜300℃が好ましく、より好ましくは180〜280
℃が好適である。アルコールガスと金属ケイ素粒子との
接触時間は、常温、常圧でのガス空間速度(G.H.
S.V.)にて、20,000〜200/時が好まし
く、10,000〜500/時がより好ましい。反応時
の圧力は特に制限されることはなく、加圧下や減圧下で
反応を行ってもよい。
【0021】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、その要旨を越えない限り、以下の実施例に
よって本発明の範囲が制限されるものではない。なお、
本発明における金属ケイ素の転化率、トリアルコキシシ
ランの選択率および反応残渣の飛散率は下記の式で算出
される値である。 ・金属ケイ素転化率(%)=[(単位時間あたりの生成
したアルコキシシランのモル数)/(単位時間あたりに
供給された原料中の金属ケイ素のモル数)]×100 ・トリアルコキシシラン選択率(重量%)=[(トリア
ルコキシシランの単位時間あたりの生成重量)/(トリ
アルコキシシランの単位時間あたりの生成重量+テトラ
アルコキシシランの単位時間あたりの生成重量)]×1
00 ・反応残渣の飛散除去率(重量%)=[(飛散除去され
た反応残渣の重量)/(生成した反応残渣の重量)]×
100
【0022】実施例1 金属ケイ素(和光純薬工業株式会社製、純度98重量
%)をふるい分けをし、重量基準の平均粒子径106μ
m、重量基準の変動係数35%、比表面積基準の平均粒
子径90μmの金属ケイ素粒子を得た。この金属ケイ素
粒子2700gに酸化第一銅(和光純薬工業株式会社
製、純度99.5重量%、重量基準の平均粒子径1.7
μm)339gを加えて十分に混合した後、アルミナ製
熱処理器に充填した。窒素で希釈した水素(1容積%)
を240L/時(0℃、常圧換算)で流通させながら、
950℃で2時間熱処理を行い、活性化した金属ケイ素
粒子を得た。次いで、この活性化した金属ケイ素粒子4
00gおよび媒体粒子として粒子径8mmのアルミナ製
ボール(株式会社ニッカトー製、純度99.3%)17
5個を、内径110mm、高さ500mmのSUS30
4製の筒状本体容器からなる流動層装置(1)に仕込ん
だ。静止時の層高は50mmとなった。この筒状本体容
器の下部には焼結金属フィルター製の分散板(2)が設
置され、下方より流動化ガスが供給されて活性化した金
属ケイ素粒子が流動化する仕組みとなっている。また、
筒状本体容器の側面には、冷却用パイプ(3)と加熱用
ヒーター(4)が巻かれており、流動層内を所定温度に
維持できるようになっている。さらに、分散板から高さ
50mmのところにスクリューフィダー(5)が取り付
けられており、流動層内へ所定量の金属ケイ素粒子を供
給できるようになっている。筒状本体容器の上部から回
収される反応生成ガスは、飛散粒子捕捉のためのフィル
ター(6)を経て凝縮器(7)(プレート式熱交換機、
約0℃およびドライアイス・メタノールトラップ、約−
70℃)にて捕集する。振動モーター(8)を筒状本体
容器に取り付け、支持バネ(9)により支持台(10)
に据え付けられている。この振動モーターで本体容器を
振動させることにより、流動層内で媒体粒子が振動す
る。反応前および反応中の流動層内の温度を測定するた
めに、筒状本体容器の上部より流動に影響しない極微細
な熱伝対温度計が2本挿入され、1本(11)は筒の中
心部分に、またもう1本(12)は筒の側面内壁近傍に
設置されている。これら熱伝対の先端は上下に移動させ
ることが可能であり、流動層の上下方向の温度について
も各々の箇所で測定できる。活性化した金属ケイ素粒子
を仕込んだ後、流動化ガスとして窒素ガスを流通させな
がら250℃に保持し、混合粒子が充分に流動するよう
に層断面基準流動化ガス流速を調整し、10cm/秒の
最適な層断面基準流動化ガス流速を得た。温度等の条件
が安定したところで振動モーターを振動の垂直成分の振
幅が5.0mm、周波数が10Hzとなるように振動さ
せ、流動化ガスによる層断面基準流動化ガス流速が10
cm/秒となるように、メタノールガス22.31L/
分(0℃、常圧換算)と窒素ガス7.44L/分(0
℃、常圧換算)の混合ガスを流動化ガスとして、金属ケ
イ素粒子2.3g/分を供給し、常圧でメトキシシラン
の製造を行った。流動化ガスおよび金属ケイ素粒子の供
給は12時間行い、反応を終了した。反応生成物の分析
は、TCD型ガスクロマトグラフィーにより行った。そ
の結果、誘導期なしでメトキシシランが生成し始め、6
時間後に反応が定常状態に達し、定常状態での金属ケイ
素の転化率は91%、トリメトキシシランの選択率は7
5%であった。なお、トリメトキシシラン以外の主な生
成物はテトラメトキシシランであった。反応中は粒子が
凝集することなく、反応残渣の飛散除去率は96重量%
に達した。
【0023】実施例2 振動の垂直成分の振幅が2mm、周波数が30Hzとな
るように変更した以外は、実施例1と同様にしてメトキ
シシランの製造を行った。その結果、誘導期なしでメト
キシシランが生成し始め、5時間後に反応が定常状態に
達し、定常状態での金属ケイ素の転化率は92%、トリ
メトキシシランの選択率は76%であった。なお、トリ
メトキシシラン以外の主な生成物はテトラメトキシシラ
ンであった。反応中は粒子が凝集することなく、反応残
渣の飛散除去率は97重量%に達した。
【0024】比較例1 加振操作を行わなかった以外は、実施例1と同様にして
メトキシシランの製造を行った。その結果、誘導期なし
でメトキシシランが生成し始めたが、反応が定常状態に
達することなく、反応開始1時間後の金属ケイ素の転化
率が7%に留まったため、流動化ガスおよび金属ケイ素
粒子の供給を停止し、反応を停止した。反応層内には反
応残渣の大部分が飛散除去されず、滞積、凝集してい
た。また、反応残渣の飛散除去率は1重量%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によるアルコキシシランの製造方
法は、反応溶媒に関わる煩雑な工程や不純物の混入、流
動状態や反応層内温度均一性の維持が困難であり、ま
た、反応の進行とともに生成する反応残渣の反応層外へ
の選択的除去といった、従来技術の製造方法では解決で
きなかった問題点を解決でき、連続式反応にて効率よく
アルコキシシランを製造することができる。よって本発
明の工業的意義は大きい。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するに適したフローシートの一
【符号の説明】
1 流動層装置 2 分散板 3 冷却用パイプ 4 加熱用ヒーター 5 スクリューフィーダー 6 フィルター 7 凝縮器 8 振動モーター 9 支持バネ 10支持台 11熱伝対温度計 12熱伝対温度計
フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ21 VR11 VR43 VR44 VS99 VT04 VT20 VT22 VT23 VT25 VU22 VU26 VV22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒存在下において金属ケイ素粒子と
    アルコールとの反応からアルコキシシランを製造する方
    法において、該金属ケイ素粒子と該アルコールとの反応
    を気相系でかつ加振操作を付加した流動層において媒体
    粒子を振動し、反応残渣を粉砕・微細化し選択的に飛散
    除去させながら行うことを特徴とするアルコキシシラン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 媒体粒子の粒子径が1.0〜50mm
    である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 媒体粒子の充填量が下記に示される式
    の範囲である請求項1記載の方法。 (媒体粒子単独の静止層高/流動層反応器の内径)<
    1.0
  4. 【請求項4】 媒体粒子が不活性である請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 振動の垂直成分の振幅および周波数が
    下記に示される式の範囲である請求項1記載の方法。 1.0≦A≦50 、 1≦f≦100 かつ 10≦A×f≦200 ただし、A:振動の垂直成分の振幅[mm] f:振動の垂直成分の周波数[Hz]
  6. 【請求項6】 あらかじめ触媒を担持した金属ケイ素
    粒子を用いる請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 あらかじめ触媒を担持し、前処理によ
    って活性化した金属ケイ素粒子を用いる請求項1記載の
    方法。
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