JP2001079377A - 多軸ミキサ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次電池の電極材料等の製造に好適に使用さ
れる多軸ミキサ−を提供する。 【解決手段】 ミキサ−本体（１）の上方に攪拌頭
（４）を設ける。この攪拌頭（４）に、高速回転タ−ビ
ンブレ−ド(23),(23) を上下に有する２本の高速軸
（６),（６）と、低速回転バタフライブレ−ド(24)を有
する低速軸（８）を設ける。上記高速軸（６),（６）及
び低速軸（８）は、フ−ド（９）内の円筒状ケ−ス(1
2),(12）に設けた軸受(13)に軸支されている。上記低速
回転バタフライブレ−ド(24)は、一定時間毎に正転、逆
転運動を繰り返す。タンク(16)は、昇降可能に設けられ
ている。タンクが上昇すると、上記低速回転バタフライ
ブレ−ド(24)は、タンク壁から一定の間隔をあけてタン
ク壁に近接して位置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池、リチウムポリマ−二次電池等の電極材等の製造
に好適に使用される多軸ミキサ−に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電池の製造においては、電極材料となる
各種の粉粒体に溶媒、バインダ−、添加剤等を均一に混
練分散する製造工程があり、この工程に用いる二次電池
用ミキサ−として従来は型枠ブレ−ドを有するプラネタ
リ−ミキサ−が用いられている。しかし、この枠型ブレ
−ドは、単にタンク内で遊星運動しているだけであり、
しかも上記各種材料は比重が異なっているため、従来の
通常のプラネタリ−ミキサ−では、簡単に混練すること
がむずかしく、特に粉粒体の分散粒子径は電池性能に大
きな影響を及ぼすが、従来のプラネタリ−ミキサ−では
必ずしも満足できる数値が得られないものもあった。

【０００３】また、プラネタリ−ミキサ−の構造上、型
枠ブレ−ドにプラネタリ−運動を与えるためのロ−タ−
ケ−ス（ギアボックス）がフ−ド内の上方に略円盤状に
広がって設けられており、このフ−ドからタンク内に粉
粒体を仕込むようになっているので、フ−ド内部に飛散
した粉粒体がロ−タ−ケ−スの上面に堆積し、混練分散
終了後の混練物上に落下することがある。そして、次工
程において、上記混練物を集電体表面に塗工する際、堆
積物が異物を除去するためのフイルタ−に捕捉され、そ
の結果、配合の均一性や材料ロス等に影響を及ぼしてい
た。

【０００４】さらに、従来のプラネタリ−ミキサ−で
は、タンクを基台上に固定し、その上方にフ−ドを含め
た攪拌頭が昇降する構成になっており、フ−ドに設けら
れた粉粒体等の材料投入口も一緒に上下動するので、投
入口に粉粒体投入配管を脱着式に接続したり、蛇腹式の
伸縮管を配管に用いなければならなかった。そのため、
脱着時や伸縮管が伸縮する際に、管内等に付着した粉粒
体が混練分散終了後の混練物上に落下し、上述した如き
弊害を与えることがあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
上述の如き二次電池等の製造において、好適に使用で
き、粉粒体、溶媒、バインダ−、添加剤等の比重の異な
る材料を所望の分散粒子径になるまで簡単に混練分散す
ることができ、粉粒体等の堆積物も生じないようにした
多軸ミキサ−を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、ミキサ
−本体の上方に高速軸と低速軸を有する攪拌頭を設け、
該攪拌頭の下方に上記高速軸、低速軸を囲みかつ側面に
材料投入口を有するフ−ドを形成し、該フ−ドの下方に
タンクを昇降可能に設け、該タンクを上昇させて開口部
をフ−ドで覆った際、タンク内に挿入されるよう上記高
速軸に高速回転タ−ビンブレ−ドを設けると共に上記タ
ンク壁に沿って位置するよう上記低速軸に低速回転バタ
フライブレ−ドを設けたことを特徴とする多軸ミキサ−
が提供され、上記課題が解決される。

【０００７】また、上記高速回転タ−ビンブレ−ドは、
高速軸に上下２段に設けられ、この高速軸が上記低速軸
の周囲に少くとも２本設けられ、上記低速軸は低速回転
バタフライブレ−ドを所定時間毎に正転、逆転するよう
自動制御され、上記高速軸、低速軸は、粉粒体を堆積さ
せないよう円筒状ケ−ス内の軸受に軸支され、これによ
り上記課題が解決される。

【０００８】

【発明の実施の形態】図は本発明の一実施例を示してい
る。図１，図２を参照し、ミキサ−本体（１）は、基台
（２）の上方に一対の支柱（３),（３）を有し、該支柱
（３),（３）の上端には、攪拌頭（４）が設けられてい
る。該攪拌頭（４）には、モ−タ−（５）により高速回
転する高速軸（６),（６）と、モ−タ−（７）により低
速回転する低速軸（８）が設けられ、該低速軸（８）を
中心としてその周囲に高速軸（６),（６）が位置するよ
うに配置される。図において、上記高速軸は２本設けて
あるが、所望により１本若しくは３本以上設けることも
できる。

【０００９】上記攪拌頭（４）の下方には、上記高速軸
（６),（６）及び低速軸（８）を囲むようフ−ド（９）
が設けられ、該フ−ド（９）の側面には粉粒体等の材料
を投入するための材料投入口(10),(11) が設けられてい
る。図３に示すように、上記高速軸（６),（６）、低速
軸（８）は、攪拌頭（４）に取付けた円筒状ケ−ス(1
2),(12),(12)内に軸受(13)・・・を設けて軸支してあ
り、低速軸（８）は、継手(14)を介して減速機付モ−タ
−（７）に連結され、高速軸（６),（６）はプ−リ−、
ベルト等の伝達機構(15)を介して上記モ−タ−（５),
（５）にそれぞれ連結されている。

【００１０】上記フ−ド（９）の下方に昇降可能にタン
ク(16)が設けられている。該タンク(16)は、下部に車輪
(17),(17) があり、基台（２）上を走行して支柱（３),
（３）間に搬入され、両側に突出する突軸(18),(18) を
有する。昇降手段は、種々に構成することができるが、
図においては、油圧シリンダ−等の流体圧シリンダ−(1
9),(19) が使用され、該シリンダ−の軸(20),(20) の先
端に受具(21),(21) を設け、該受具(21),(21) で上記突
軸(18),(18) を保持して上方にシリンダ軸(20)を引き上
げ、該タンク(16)の開口部(22)がフ−ド（９）の下縁に
よって覆われる高さまで上記タンク(16)を上昇させるよ
うにしてある。なお、タンク(16)の開口縁とフ−ド
（９）の下縁は、クランプ等の適宜な締着具により離脱
可能に締着される（図示略）。

【００１１】上記高速軸（６),（６）には、上記タンク
内に挿入されるよう高速回転タ−ビンブレ−ド(23)が設
けられている。該高速回転タ−ビンブレ−ド(23)は、好
ましくは図４に示すように高速軸（６）の下端(23a) と
上方部(23b) の２ヶ所に上下２段に設けてあるが、下端
のみに設けるようにしたり、さらに多段に設けるように
してもよい。

【００１２】上記低速軸（８）には、上記タンク壁に沿
って一定の間隔をあけて位置するよう低速回転バタフラ
イブレ−ド(24)が設けられている。上記高速軸（６）及
び低速軸（８）に取付けた各ブレ−ド(23),(24) は、い
ずれもインバ−タ−制御により上記各モ−タ−の回転を
調整して変速可能に制御されているが、上記低速回転バ
タフライブレ−ド(24)は、一定時間毎に正転、逆転運転
を繰り返すよう自動制御するのが好ましい。上記バタフ
ライブレ−ドをそのように正転、逆転させると、正転に
よる掻き上げ形状ブレ−ドで混練分散効果を向上させる
ことができると共に逆転による掻き下げ形状ブレ−ドで
材料の混入や排出を良好にすることができる。

【００１３】上記構成により、タンク(16)を上昇位置に
移動し、高速回転タ−ビンブレ−ド(23),(23) と低速回
転バタフライブレ−ド(24)を回転させてタンク(16)内に
入れた粉粒体、溶媒、バインダ−、添加剤等を混練分散
する。これらの材料は、フ−ド（９）に開口する材料投
入口(10),(11) から適時にタンク内に投入される。混練
分散は、上述のようにフ−ドでタンク内を密閉して行う
が、さらにフ−ド内を真空源に連結して、混練中に吸引
することもある（図示略）。所望程度に混練分散が済ん
だら、タンク(16)の吐出口から混練物を排出すればよ
い。この際、タンクを上昇させたままで排出する場合
は、上述のように低速回転バタフライブレ−ド(24)を逆
転して混練物を掻き下げるようにすると排出が容易であ
る。昇降手段によりタンク(16)を降下させて混練物を取
り出すこともできる。

【００１４】

【発明の効果】本発明は上記のように構成され、ミキサ
−本体の上方に高速軸と低速軸を有する攪拌頭を設け、
該攪拌頭の下方に上記高速軸、低速軸を囲みかつ側面に
材料投入口を有するフ−ドを形成し、該フ−ドの下方に
タンクを昇降可能に設け、該タンクを上昇させ開口部を
フ−ドで覆った際、タンク内に挿入されるよう上記高速
軸に高速回転タ−ビンブレ−ドを設けると共に上記タン
ク壁に沿って位置するよう上記低速軸に低速回転バタフ
ライブレ−ドを設けたから、二次電池等の電極材料のよ
うに比重の異なる粉粒体、溶媒、バインダ−、添加剤等
も高速回転と低速回転の各ブレ−ドによってタンク内で
充分に混練分散され、粉粒体の分散粒子径も満足すべき
大きさに分散することができ、上下２段の高速回転ブレ
−ドを用いると一層短時間で作業を行うことができる。

【００１５】また、低速回転バタフライブレ−ドを一定
時間毎に正転、逆転させることによりタンク壁部分での
混練物の掻き上げ、掻き下げが確実に行われてタンク内
に滞溜部分を生ずることもなく、均一な混練分散を奏す
ることができ、その上材料投入口を有するフ−ドを固定
式にしたので、粉粒体等の供給の際に伸縮管を用いた
り、脱着式の投入配管を設ける必要がなく、フ−ド内に
円筒状ケ−スを設けて高速軸、低速軸を軸支するように
したから、粉粒体が堆積したり、管内に付着して混練分
散後の混練物上に堆積物等が落下するおそれもなく、極
めて良好な電極材料を得ることができ、二次電池の製造
以外のその他の用途にも適宜使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す正面図。

【図２】上昇位置にあるタンク部分を断面した側面図。

【図３】主としてフ−ド部分の拡大断面図。

【図４】一部を断面した高速回転タ−ビンブレ−ドの正
面図。

【符号の説明】

１ ミキサ−本体 ４ 攪拌頭 ６ 高速軸 ８ 低速軸 ９ フ−ド 10,11 材料投入口 12 円筒状ケ−ス 16 タンク 23 高速回転タ−ビンブレ−ド 24 低速回転バタフライブレ−ド

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ミキサ−本体の上方に高速軸と低速軸を
   有する攪拌頭を設け、該攪拌頭の下方に上記高速軸、低
   速軸を囲みかつ側面に材料投入口を有するフ−ドを形成
   し、該フ−ドの下方にタンクを昇降可能に設け、該タン
   クを上昇させて開口部をフ−ドで覆った際、タンク内に
   挿入されるよう上記高速軸に高速回転タ−ビンブレ−ド
   を設けると共に上記タンク壁に沿って位置するよう上記
   低速軸に低速回転バタフライブレ−ドを設けたことを特
   徴とする多軸ミキサ−。
2. 【請求項２】 上記高速回転タ−ビンブレ−ドは、上記
   高速軸に上下２段に設けられ、該高速軸は上記低速軸の
   周囲に２本設けられている請求項１に記載の多軸ミキサ
   −。
3. 【請求項３】 上記低速回転バタフライブレ−ドは、正
   転、逆転を繰り返すように回転される請求項１または２
   に記載の多軸ミキサ−。
4. 【請求項４】 上記高速軸及び低速軸は、フ−ド内に存
   する円筒状ケ−ス内の軸受に軸支されている請求項１に
   記載の多軸ミキサ−。