JP2001078793A - 新規生理活性物質の醗酵法による製造法 - Google Patents

新規生理活性物質の醗酵法による製造法

Info

Publication number
JP2001078793A
JP2001078793A JP25723299A JP25723299A JP2001078793A JP 2001078793 A JP2001078793 A JP 2001078793A JP 25723299 A JP25723299 A JP 25723299A JP 25723299 A JP25723299 A JP 25723299A JP 2001078793 A JP2001078793 A JP 2001078793A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active substance
culture
nk30424bs
nk30424as
physiologically active
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25723299A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Takayasu
義行 高安
Tadao Yamazaki
忠雄 山崎
Yoshikazu Sukenaga
義和 助永
Takayuki Aoyama
貴之 青山
Takashi Harada
隆 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP25723299A priority Critical patent/JP2001078793A/ja
Publication of JP2001078793A publication Critical patent/JP2001078793A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】抗腫瘍活性あるいはTNFα産生抑制作用を有
する新規化合物の製造法を提供する。 【解決手段】 【請求項1】下記式(1) 【化1】 で表れる化合物を生産する能力を有する微生物を、栄養
培地にて培養し、培養物中に該式(1)で表される化合
物を生成蓄積せしめ、これらを採取することを特徴とす
る式(1)で表される化合物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規生理活性物質
NK30424AS−1、NK30424AS−2、N
K30424BS−1、およびNK30424BS−2
の製造法に関する。本発明の化合物は、細胞増殖抑制作
用を示し、悪性腫瘍に対する化学療法剤等として使用さ
れる抗癌物質として期待される。また、本発明の化合物
は、TNFα産生抑制作用を示し、慢性関節リウマチ、
川崎病、クローン病、ベーチェット病、気管支喘息、癌
悪液質、敗血症、腎炎、肝炎、血管炎、心不全、高脂血
症、多発性硬化症、神経障害、脊髄症、痴呆症、糖尿
病、ウイルス感染症等の治療薬あるいは予防薬等として
期待できる。
【0002】
【従来の技術】従来、抗腫瘍剤としては、アドリアマイ
シン、マイトマイシンC等が知られている。しかし、こ
れらは副作用が重篤で、治療上満足すべきものではな
く、癌の治療に適する化合物の発明が待たれている。
【0003】一方、TNFαは、マクロファージ、単球
のみならず、多くの細胞から産生され、多様な生物活性
を示す事が知られており、各種の疾患、例えば慢性関節
リウマチ〔Ann.Rheum.Dis.、第49巻、
669頁(1990)〕、川崎病〔Clin.Immu
nol.Immunopathol.、第56巻、29
頁(1990)〕、クローン病〔Arch.Dis.C
hild、第66巻、561頁(1991)〕、ベーチ
ェット病〔J.Rheumatol.、第17巻、11
07頁(1990)〕、気管支喘息〔J.Allerg
y Clin.Immunol.、第89巻、958頁
(1992)〕、癌悪液質〔Immunol.Let
t.、第11巻、173頁(1985)〕、敗血症〔S
cience、第229巻、869頁(1986)〕等
では、TNFαの異常な産生が見られ、疾患の増悪因子
として働いていると考えられている。さらに腎炎、肝
炎、血管炎、心不全、高脂血症、多発性硬化症、神経障
害、脊髄症、痴呆症、糖尿病、ウイルス感染症等の疾患
においてもTNFαの関与が示唆されている。したがっ
て、TNFαの産生を抑制する物質がこれら疾患の治療
薬あるいは予防薬として期待され、有用なTNFα産生
抑制物質の発明が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有用
な抗腫瘍剤の製造法を提供することにある。
【0005】また、本発明の目的は、TNFα産生抑制
活性をもつ生理活性物質の製造法を提供することにあ
る。
【0006】また、本発明の目的は、慢性関節リウマ
チ、川崎病、クローン病、ベーチェット病、気管支喘
息、癌悪液質、敗血症、腎炎、肝炎、血管炎、心不全、
高脂血症、多発性硬化症、神経障害、脊髄症、痴呆症、
糖尿病、ウイルス感染症等の疾患において、その治療上
あるいは予防上有用な医薬の製造法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微生物の
代謝産物について種々検索した結果、放線菌に属する一
菌株が、哺乳動物の癌細胞に対する細胞増殖抑制作用お
よびTNFα産生抑制作用を有する生理活性物質、NK
30424AS−1、NK30424AS−2、NK3
0424BS−1、およびNK30424BS−2を産
生する事を見出し、本発明を完成した。即ち、本発明
は、 下記式(1)
【化2】 で表される化合物を生産する能力を有する微生物を、栄
養培地にて培養し、培養物中に該式(1)で表される化
合物を生成蓄積せしめ、これらを採取することを特徴と
する式(1)で表される化合物の製造法。 式(1)で表される化合物がNK30424AS−
1、NK30424AS−2、NK30424BS−
1、またはNK30424BS−2である上記記載の
製造法。 微生物がストレプトミセス属に属する微生物である上
記記載の製造法。 上記記載の式(1)で表される化合物を生産する能
力を有するストレプトミセス属放線菌。 に関する。
【0008】以下に本発明について詳細に述べる。
【0009】
【発明の実施の形態】
【0010】本発明の製造法は、上記式(1)で表され
る化合物を生産する能力を有する微生物を、栄養培地に
て培養し、培養物中に該式(1)で表される化合物当該
化合物を生成蓄積せしめ、これらを採取することを特徴
とする。上記式(1)で表される化合物としては、例え
ばNK30424AS−1、NK30424AS−2、
NK30424BS−1、およびNK30424BS−
2があげられる。これらは、互いにジアステレオマーの
関係にある。
【0011】以下にNK30424AS−1、NK30
424AS−2、NK30424BS−1、NK304
24BS−2の理化学的性質を示す。 a)NK30424AS−1 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
(M+H)=643) 4)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
で測定したスペクトルを第1図に示す。 5)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 6)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 7)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43シリカ
ゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄層を用
い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水(4:
1:1)を用いた。
【0012】b)NK30424AS−2 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
(M+H)=643) 4)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
で測定したスペクトルを第2図に示す。 5)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 6)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 7)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43シリカ
ゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄層を用
い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水(4:
1:1)を用いた。
【0013】c)NK30424BS−1 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
(M+H)=643) 4)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
で測定したスペクトルを第3図に示す。 5)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 6)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 7)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43シリカ
ゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄層を用
い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水(4:
1:1)を用いた。
【0014】d)NK30424BS−2 1)外観:白色粉末 2)分子式:C304611S(高分解能マス
スペクトル法により測定) 3)分子量:642(FAB−MS法により測定した
(M+H)=643) 4)水素核磁気共鳴スペクトル:重水中、400MHz
で測定したスペクトルを第4図に示す。 5)溶解性:水、メタノール、ジメチルスルホキシドに
可溶。ノルマルヘキサン、酢酸エチルに不溶。 6)呈色反応:以下に陽性。ライドン−スミス、ニンヒ
ドリン(オレンジ色)、硫酸、過マンガン酸カリウム 7)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.43シリカ
ゲル(メルク社製 シリカゲル60F254)薄層を用
い、展開溶媒として、1−ブタノール−酢酸−水(4:
1:1)を用いた。
【0015】生理活性物質NK30424AS−1、N
K30424AS−2、NK30424BS−1、NK
30424BS−2は、例えば、ストレプトミセス属に
属するこれらの生産菌を培養し、該化合物を生成せし
め、この培養物より採取する事により得られる。
【0016】生理活性物質NK30424AS−1、N
K30424AS−2、NK30424BS−1、NK
30424BS−2の生産菌の代表的なものとして、例
えば、土壌より分離したストレプトミセス・エスピー
(Streptomycessp.)NA 30424
株が挙げられる。以下に、本菌株の菌学的性状を示す。
【0017】1.形態的性質 27℃で2週間後に観察した結果、気菌糸は単純分岐
し、その先端はらせん状で、輪生枝の形成は認められな
い。また、胞子嚢および遊走子も認められない。胞子表
面は平滑で、胞子はシリンダー型で、大きさは0.5〜
0.9×0.9〜1.3μmである。また、10個以上
の連鎖をなして胞子が形成される。
【0018】2.各種培地における生育 各種培地上、27℃、2週間後の生育状態を下記表1に
示す。
【0019】 表1 培 地 生育 菌糸 基生菌糸 可溶性色素 グルコース・アスパラギン 良好 適度、茶灰〜 無色〜 なし 寒天培地 明るい茶灰 うす黄 (湿潤性) グリセリン・アスパラギン 良好 適度、茶白〜 無色〜 なし 寒天培地 (ISP 5 med.) 明るい灰茶 うす黄 (湿潤性) スターチ・無機塩寒天培地 良好 豊富、茶白〜 うす黄〜 なし (ISP 4 med.) 黒(湿潤性) うす黄茶 チロシン寒天培地 良好 豊富、茶白〜 うす黄茶 茶色味 (ISP 7 med.) 明るい茶灰 〜うす茶 (湿潤性) 栄養寒天培地 良好 適度、白〜 無色〜 わずかに 明るい茶灰 うす黄 茶色味 (湿潤性) イースト・麦芽寒天培地 良好 適度、茶灰〜 うす黄〜 わずかに (ISP 2 med.) 明るい茶灰 うす黄茶 茶色味 (湿潤性) オートミール寒天培地 良好 適度、茶灰〜 無色〜 なし (ISP 3 med.) 明るい茶灰 うす黄
【0020】 3.生理学的性質 生育至適温度 : 27〜37℃ 硝酸塩の還元 : 陽性 スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培地): 陽性 脱脂牛乳のペプトン化 : 陰性 ゼラチンの液化 : 陽性 メラニン様色素の生成 : 陽性 4.炭素源の利用性(プリドハム・ゴドリーブ寒天培地上) L−アラビノース + D−キシロース + D−グルコース + D−フラクトース + シュクロース + イノシトール + L−ラムノース + ラフィノース − D−マンニトール +
【0021】5.細胞壁中のジアミノピメリン酸 LL−ジアミノピメリン酸である。以上を要約すると、
本菌株は細胞壁がLL−ジアミノピメリン酸であり、ま
た、メナキノンの種類は、主にMK−9(H8)、MK
−9(H6)である。インターナショナル・ストレプト
ミセス属・プロジェクト(略称ISP)の方法によれ
ば、胞子形成菌糸の形態は、Section Spir
alesに属し胞子表面は平滑で、成熟した菌糸の色は
灰色系統(Gray color−series)で黒
色の湿潤性(ハイグロスコピック)を呈する。メラニン
様色素を生産し、培地中に茶色味の可溶性色素を呈す
る。また、基生菌糸の色はうす黄からうす黄茶を呈す
る。炭素源としてはL−アラビノース、D−キシロー
ス、D−グルコース、D−フラクトース、シュクロー
ス、イノシトール、L−ラムノース、D−マンニトール
を利用し、ラフィノースは、利用しない。
【0022】以上の性質をもとにアール・イー・ブッフ
ァナン・アンド・エヌ・イー・ギボンズ編、バージーズ
・マニュアル・オブ・デタミネーティブ・バクテリオロ
ジー(Bergey’s Manual of Det
erminative Bacteriology)第
8版、1974年に従って検索を行った結果、上記NA
30424株はストレプトミセス属に属することが判
明した。よって、本菌をストレプトミセス・エスピー
(Streptomyces sp.)NA 3042
4と命名した。該菌株は、工業技術院生命工学工業技術
研究所に、FERM P−16422として寄託されて
いる。
【0023】本発明に用いるストレプトミセス属に属す
る菌株は他のストレプトミセス属の菌株と同様、その性
状が変化しやすい。例えば、紫外線、エックス線および
薬品等を用いる人工的な変異手段で容易に変異しうるも
のである。このように得られたどの様な変異株であって
も、本発明の対象とする生理活性物質NK30424A
S−1、NK30424AS−2、NK30424BS
−1、またはNK30424BS−2の生産能を有する
ものは、全て本発明に使用する事ができる。
【0024】本発明により生理活性物質NK30424
AS−1、NK30424AS−2、NK30424B
S−1、またはNK30424BS−2を製造するに
は、まず前記菌株を放線菌が利用し得る栄養物を含有す
る培地で好気的に培養する。栄養源としては、従来から
放線菌の培養に利用されている公知のものが使用でき、
例えば炭素源としては、グルコース、グリセリン、ガラ
クトース、水飴、デキストリン、シュクロース、でんぷ
ん、糖蜜、動・植物油等を使用できる。また、窒素源と
しては、大豆粉、小麦、小麦胚芽、コーンスティープ・
リカー、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモ
ニウム、硝酸ソーダ、尿素等を単独かまたは組み合わせ
て用いることができる。その他、必要に応じ、ナトリウ
ム、コバルト、塩素、硫酸、燐酸、およびその他のイオ
ンを生成することのできる無機塩類を添加することは有
効である。また、菌の生育を助け、生理活性物質NK3
0424AS−1、NK30424AS−2、NK30
424BS−1、またはNK30424BS−2の生産
を促進するような有機および無機物を適当に添加するこ
とができる。
【0025】培養法としては、液体培養法、特に深部攪
拌培養法が適している。培養に適当な温度は15〜37
℃であるが、多くの場合、26〜30℃付近で培養す
る。生理活性物質NK30424AS−1、NK304
24AS−2、NK30424BS−1、またはNK3
0424BS−2の生産は、培地や培養条件により異な
るが、振盪培養、タンク培養とも通常1〜10日の間で
その蓄積が最高に達する。培養物中に当該化合物の蓄積
量が最高になった時に、培養を停止し、培養液から目的
物質を単離する。
【0026】生理活性物質NK30424AS−1、N
K30424AS−2、NK30424BS−1、また
は、NK30424BS−2の培養液からの採取にあた
っては、その性状を利用した通常の分離手段を適宜組み
合わせて精製することができる。即ち、培養液を遠心分
離あるいはろ過によりろ液と菌体部に分離し、得られた
ろ液をダイアイオンHP−20(商品名:三菱化成製)
等に吸着させ、低級アルコールやアセトン等により溶出
するか、あるいは1−ブタノール等の有機溶媒で抽出す
ることによりNK30424AS−1、NK30424
AS−2、NK30424BS−1、またはNK304
24BS−2の画分を得ることができる。
【0027】上述の方法に加え、物質の採取に用いられ
る公知の方法、たとえば吸着・分配クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフ
ィーよりのかき取り、高速液体クロマトグラフィー等を
適宜組み合わせ、あるいは繰り返すことによってNK3
0424AS−1、NK30424AS−2、NK30
424BS−1、またはNK30424BS−2を純粋
に単離することができる。
【0028】本発明のNK30424AS−1、NK3
0424AS−2、NK30424BS−1、またはN
K30424BS−2は後記のごとく、哺乳動物の癌細
胞に対する細胞増殖抑制作用およびTNFα産生抑制活
性をもつ生理活性物質である。
【0029】以下に試験例を挙げてNK30424AS
−1、NK30424AS−2、NK30424BS−
1、またはNK30424BS−2が、癌細胞に対する
細胞増殖抑制作用およびTNFα産生抑制作用をもつこ
とを示す。
【0030】試験例1 細胞増殖抑制作用 5%牛胎児血清を添加したRPMI1640培地を用い
て、マウス白血病由来癌細胞J774.1を、37℃、
5%CO2 下で培養した。この細胞を、96穴プレート
へ播種し、1日間培養した後、NK30424AS−
1、NK30424AS−2、NK30424BS−
1、およびNK30424BS−2をそれぞれ添加し
た。薬剤処理は、3日間行い、増殖度は、MTT法によ
り評価した。結果は、用量−反応曲線からIC50値を
求め、その値を表2に示した。
【0031】表2 NK30424AS−1、NK30424AS−2、N
K30424BS−1、およびNK30424BS−2
の細胞増殖抑制作用 化合物 IC50(μM) NK30424AS−1 0.07 NK30424AS−2 0.07 NK30424BS−1 0.06 NK30424BS−2 0.06
【0032】試験例2 TNFα産生抑制作用 チオグリコレートにより誘導したマウス腹腔マクロファ
ージを用いて、NK30424AS−1、NK3042
4AS−2、NK30424BS−1、およびNK30
424BS−2のTNFα産生抑制活性を測定した。上
記細胞の培養液(細胞数50万個/ウェル)中に被験薬
を添加し、その後TNFαの誘導物質としてリポポリサ
ッカライドを最終濃度100ng/mlとなるよう加
え、さらに20時間培養した。この培養液中のTNFα
濃度をバイオアッセイにて定量した。バイオアッセイは
L−929(マウス結合組織由来細胞)に対する細胞障
害性試験(Kiener,P.A.らの方法、J.Im
munol.、第141巻、870頁、(1988)を
一部改変)により行った。結果は、容量−反応曲線から
IC50値を求め、その値を表3に示した。
【0033】表3 NK30424AS−1、NK30424AS−2、N
K30424BS−1、およびNK30424BS−2
のTNFα産生抑制活性 化合物 IC50(μM) NK30424AS−1 0.7 NK30424AS−2 0.7 NK30424BS−1 0.04 NK30424BS−2 0.03
【0034】試験例から明らかな様に、本発明のNK3
0424AS−1、NK30424AS−2、NK30
424BS−1、またはNK30424BS−2は、哺
乳動物の癌細胞に対する細胞増殖抑制作用およびTNF
α産生抑制作用を示す。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これは単な
る一例示であって何等、本発明を限定するものではな
く、種々の変法が可能である。
【0036】実施例1 NK30424AS−1、NK
30424AS−2、NK30424BS−1、NK3
024BS−2の生産 (1)醗酵 凍結菌および種母作成用の培地として、グリセリン2.
0%、グルコース1.0%、アジプロンE3(味の素
製)0.5%、ペプトン(極東社製)0.5%、酵母エ
キス0.5%、燐酸水素二カリウム0.05%、硫酸マ
グネシウム0.05%、炭酸カルシウム0.2%から成
る培地を用いた。
【0037】500ml容三角フラスコに上記培地を1
00mlずつ分注し、120℃で20分間滅菌し、これ
にストレプトミセス・エスピーNA 30424株(F
ERM P−16422)の斜面培養の1〜2白金耳を
接種し、27℃、200回転/分の回転式振盪機にて2
日間培養した。得られた培養物に同容量の30%グリセ
リン水溶液を加え、攪拌後5mlずつ分注して−80℃
にて凍結したものを凍結菌とした。
【0038】こうして得た凍結菌を、同様の培地100
mlを含む2本の500ml容三角フラスコに、接種量
が1%となるように、解凍直後に接種し、同一条件下で
2日間培養を行い、これを種母とした。
【0039】生産培地としては、水飴8.0%、アジプ
ロンE3(味の素製)3.0%、燐酸水素二カリウム
0.05%、硫酸マグネシウム0.05%、炭酸カルシ
ウム0.2%、から成る培地を用いた。なお、滅菌前の
培地はpH6.8に調整して使用した。
【0040】生産培地10リットルを500ml容三角
フラスコ100本に分注し、120℃で20分間滅菌
後、上記の種母1mlずつを移植し、27℃、200回
転/分の回転式振盪機にて4日間培養した。培養終了
後、培養液9リットルを6N塩酸にてpH5.5とした
後、濾過し培養濾液6.5リットルを得た。
【0041】(2)精製 この濾液を700ml(φ46×420mm)のダイア
イオンHP−20(三菱化成製)のカラムに吸着させ、
700mlの水と2.1リットルの35%メタノール水
溶液にて洗浄した後、2.1リットルの50%メタノー
ル水溶液と同容量の80%メタノール水溶液にて溶出
し、さらに溶出液を385mlに濃縮した。この濃縮液
を希塩酸にてpH5.6とし、脂溶性の不純物を等量の
酢酸エチルで2回抽出して除去した。得られた水層を濃
縮して90mlとし、水酸化ナトリウム水溶液を加えて
pH7.0とした後、50mM燐酸ナトリウム緩衝液
(pH7.0)にて平衡化したDEAE−セファデック
スA−25(ファルマシア製)の300ml(φ40×
240mm)のカラムに通液し、さらに上記緩衝液を通
液し、未吸着の画分204mlを得た。これを再び希塩
酸にてpH5.5とし、メタノールを加え25%メタノ
ール水溶液とし、これを250ml(φ30×115m
m)のダイアイオンHP−20SS(100−200メ
ッシュ、三菱化成製)に吸着させ、200mlの25%
メタノール水溶液で洗浄後、40%、50%、60%メ
タノール水溶液それぞれ500mlにて段階的に溶出、
分画した。50%および60%メタノール水溶液で溶出
した分画のうち、目的物質を多く含む画分を集め、凍結
乾燥し、170mgを得た。
【0042】次いでこの画分を逆相高速液体クロマトグ
ラフィーに付して精製した。即ち、逆相カラムのPEG
ASIL ODS(10φ×250mm、センシュー科
学製)に上記画分の15.6mgに相当する50%メタ
ノール水溶液を注入し、17%のアセトニトリルを混合
した10mM燐酸アンモニウム緩衝液(pH7)を用い
て流速2.5ml/分で展開溶出した。NK30424
AS−1は注入後27.8分に、NK30424BSー
1は注入後29.7分に、また、NK30424AS−
2とNK30424BS−2は注入後31〜34分に溶
出された。同様の操作をさらに一度繰り返し、NK30
424AS−1およびNK30424BS−1の溶出部
を集め、ダイアイオンHP−20SSのカラムを用いて
脱塩した後、凍結乾燥し、1.3mgのNK30424
AS−1と1.1mgのNK30424BS−1を得
た。
【0043】
【発明の効果】本発明では、癌細胞増殖抑制作用および
TNFα産生抑制作用示す生理活性物質NK30424
AS−1、NK30424AS−2、NK30424B
S−1、およびNK30424BS−2の製造法が提供
された。これらは、悪性腫瘍に対する化学療法剤等とし
て、あるいは、慢性関節リウマチ、川崎病、クローン
病、ベーチェット病、気管支喘息、癌悪液質、敗血症、
腎炎、肝炎、血管炎、心不全、高脂血症、多発性硬化
症、神経障害、脊髄症、痴呆症、糖尿病、ウイルス感染
症等の疾患における、その治療薬あるいは予防薬として
利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NK30424AS−1の重水中で測定した4
00MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図2】NK30424AS−2の重水中で測定した4
00MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図3】NK30424BS−1の重水中で測定した4
00MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図4】NK30424BS−2の重水中で測定した4
00MHz水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/06 A61P 3/06 3/10 3/10 7/00 7/00 9/00 9/00 11/06 11/06 13/12 13/12 25/28 25/28 29/00 29/00 101 101 31/12 31/12 35/00 35/00 C07D 405/06 C07D 405/06 (C12P 17/16 C12R 1:465) (C12N 1/20 C12R 1:465) (72)発明者 原田 隆 東京都大田区羽田3−15−11 Fターム(参考) 4B064 AE54 CA04 CD01 CD09 CD13 CE10 CE11 DA05 4B065 AA50X AC12 AC14 AC15 BA22 BB03 BB14 BB19 BC01 BC02 BC03 BC09 BC26 BD14 CA18 CA34 CA44 4C063 AA01 BB05 CC80 DD10 EE01 4C086 AA02 AA04 BA10 BC22 GA02 GA07 GA16 GA17 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA36 ZA59 ZA62 ZA68 ZB02 ZB11 ZB15 ZB33 ZB35 ZC33 ZC35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 で表される化合物を生産する能力を有する微生物を、栄
    養培地にて培養し、培養物中に該式(1)で表される化
    合物を生成蓄積せしめ、これらを採取することを特徴と
    する式(1)で表される化合物の製造法。
  2. 【請求項2】式(1)で表される化合物がNK3042
    4AS−1、NK30424AS−2、NK30424
    BS−1、またはNK30424BS−2である請求項
    1記載の製造法。
  3. 【請求項3】微生物がストレプトミセス属に属する微生
    物である請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の式(1)で表される化合物
    を生産する能力を有するストレプトミセス属放線菌。
JP25723299A 1999-09-10 1999-09-10 新規生理活性物質の醗酵法による製造法 Pending JP2001078793A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25723299A JP2001078793A (ja) 1999-09-10 1999-09-10 新規生理活性物質の醗酵法による製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25723299A JP2001078793A (ja) 1999-09-10 1999-09-10 新規生理活性物質の醗酵法による製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001078793A true JP2001078793A (ja) 2001-03-27

Family

ID=17303524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25723299A Pending JP2001078793A (ja) 1999-09-10 1999-09-10 新規生理活性物質の醗酵法による製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001078793A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006034478A3 (en) * 2004-09-23 2006-11-30 Sloan Kettering Inst Cancer Isomigrastatin analogs in the treatment of cancer
US7943800B2 (en) 2003-03-28 2011-05-17 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Migrastatin analogs and uses thereof
US8957056B2 (en) 2004-05-25 2015-02-17 Sloan-Kettering Instiute For Cancer Research Migrastatin analogs in the treatment of cancer

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7943800B2 (en) 2003-03-28 2011-05-17 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Migrastatin analogs and uses thereof
US8202911B2 (en) 2003-03-28 2012-06-19 Cornell Research Foundation, Inc. Migrastatin analog compositions and uses thereof
US8324284B2 (en) 2003-03-28 2012-12-04 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Migrastatin analogs and uses thereof
US8835693B2 (en) 2003-03-28 2014-09-16 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Migrastatin analogs and uses thereof
US8957056B2 (en) 2004-05-25 2015-02-17 Sloan-Kettering Instiute For Cancer Research Migrastatin analogs in the treatment of cancer
WO2006034478A3 (en) * 2004-09-23 2006-11-30 Sloan Kettering Inst Cancer Isomigrastatin analogs in the treatment of cancer
US8188141B2 (en) 2004-09-23 2012-05-29 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Isomigrastatin analogs in the treatment of cancer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001078793A (ja) 新規生理活性物質の醗酵法による製造法
JPH11127882A (ja) 新規生理活性物質nk30424a,nk30424b,それらの製造法およびそれらの用途
EP1369425A1 (en) Thiopeptide compounds
JPH07188098A (ja) ヒドロキシル化、あるいは酸化された脂質側鎖を有するモエノマイシン分解物およびモエノマイシン同族体、これらの化合物の製造方法および使用
JP2593495B2 (ja) 化合物tan−999、その製造法および用途
JPH1045738A (ja) 抗生物質エポキシキノマイシンcおよびdとその製造法ならびに抗リウマチ剤
WO2000032587A1 (fr) Substances sf2809-i, ii, iii, iv, v et vi presentant une activite d'inhibition de la chymase
JP3036923B2 (ja) デプシペプチドa、bその製造方法、並びに抗ウイルス剤及び抗菌剤
JPH03141290A (ja) 抗腫瘍抗生物質bmy―41339
JPH01246288A (ja) Tan−1030aおよびその誘導体,これらの製造法ならびに用途
JP4095116B2 (ja) スクレロデルマ・テキセンスからの抗真菌性ペプチド
US4950605A (en) FR-900493 substance, a process for its production and a pharmaceutical composition containing the same
JP2001046092A (ja) 新規生理活性物質nk34944、その製造法及びその用途
WO1991017982A1 (en) Novel compound matristatin
WO2001046451A1 (fr) Migrastatine, procede de production et compositions medicales correspondants
JPH1045789A (ja) 新規生理活性物質na16887、その製造法およびその用途
JP2002068980A (ja) 生理活性物質nk34896類縁体の用途
JP2002069075A (ja) 新規生理活性物質nk34896b、及びその製造法
JP2004168680A (ja) 生理活性物質nk33882p1、その製造法及び用途
JPH06343480A (ja) Sf2315aの製造法及びその薬学的用途
JPH10251262A (ja) プロテアーゼ阻害物質およびその製造方法
JP2002363184A (ja) 生理活性物質nk12838、その製造法及び用途
JP2000086627A (ja) 抗菌性物質be−54476及びその製造法
WO1992022562A1 (en) Substances wb2663, production thereof and use
JPH0570470A (ja) 生理活性物質カンレマイシンc、その製造法及びその薬学的用途