JP2001076674A - メタルハライドランプの封止構造 - Google Patents

メタルハライドランプの封止構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニオブを用いず、安価で品質の安定したセラ
ミックメタルハライドランプの封止構造を提供する。 【解決手段】 アルミナ，ＹＡＧ等の透光性ランプ容器
(1)の封止部は電極(3)及び外部リード(4)を保持した導
通封止部材(2)により封止されている。導通封止部材(2)
はセラミック棒材(2a)の表面に金属層(2b)が形成された
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックメタル
ハライドランプの封止構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来のセラミックメタルハライドランプ
では透光性ランプ容器の封止部にセラミックと膨張係数
の等しいニオブを使用し、これと発光管容器をフリット
ガラスにて封止していた。
【０００３】しかしながら、ニオブは酸素に対し活性で
あり、ランプを空気中で使用するためにコーティングが
必要であった。
【０００４】又、発光管内部のメタルハライドとの反応
も問題点の一つであり、ニオブをコーティング等して保
護する必要があった。
【０００５】そのため、製造コストが高くなると共に、
コーティングを確実に行わないと露出したニオブが空気
やメタルハライドと反応を起こすためにランプの品質が
不安定になりやすいという問題があった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ニオ
ブを用いず、安価で品質の安定したセラミックメタルハ
ライドランプの封止構造を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項１のメタ
ルハライドランプの封止構造は、アルミナ，ＹＡＧ等の
透光性ランプ容器(1)の封止部は電極(3)及び外部リード
(4)を保持した導通封止部材(2)により封止されており、
該導通封止部材(2)はセラミック棒材(2a)の表面に金属
層(2b)が形成されたものであり、該セラミック棒材(2a)
の膨張係数は透光性ランプ容器(1)の膨張係数に近似す
ることを特徴とする。
【０００８】これによれば、導通封止部材の表面に通電
性を有する金属層が設けられているので、両端に位置す
る電極と外部リードとの間の通電が確保される。又、透
光性ランプ容器とセラミック棒材とは膨張係数に近似す
るので各部材の膨張の差により封止部が破損したり、封
止状態が確保できなくなることを防止することができ
る。
【０００９】そして、ニオブにコーティングを行う必要
がないので、安価で品質の安定したランプとすることが
できる。
【００１０】また、請求項２のメタルハライドランプの
封止構造は請求項１の封止構造において、セラミック棒
材(2a)の表面に形成された金属層(2b)は、けいタングス
テン酸被膜が還元されてなるものであることを特徴とす
る。
【００１１】これによれば、けいタングステン酸被膜は
還元されて通電性のあるタングステンとシリカの膜とな
る。
【００１２】請求項３のメタルハライドランプの封止構
造は、請求項１又は請求項２記載の封止構造において、
導通封止部材(2)の透光性ランプ容器(1)外部に露出した
部分にはクロムメッキが施されていることを特徴とす
る。
【００１３】これによれば、導通封止部材(2)の封止部
外側に露出した部分、すなわち外部リード(4)が取り付
けられている部分の周辺の金属層(2b)はクロムメッキに
より保護され耐酸化性が向上する。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適な実施例を用
いて説明する。
【００１５】［実施例］図１は本実施例によるメタルハ
ライドランプの封止構造の概略を示す断面図である。図
中において、(1)は透光性ランプ容器、(2)は導通封止部
材、(3)は電極、(4)は外部リードである。
【００１６】導通封止部材(2)の基部はセラミック棒材
としてのアルミナ棒材(2a)であり、その両端には電極
(3)及び外部リード(4)が挿入できる穴を有している。そ
して、アルミナ棒材(2a)の表面は導通性を有した金属に
よりコートされ、金属層(2b)が形成されている。
【００１７】製作に際しては、両端に穴を有したアルミ
ナ棒材(2a)の表面に、純粋に溶解した「けいタングステ
ン酸（SiO2・12WO3・26H2O）」を塗布し、これを乾燥させ
る。
【００１８】次いで、このアルミナ棒材を水素炉中に投
入して、けいタングステン酸被膜を還元する。被膜は還
元されると導通性のあるタングステンとシリカの膜とな
る。
【００１９】その後両端の穴に電極(3)及び外部リード
(4)を圧入もしくは挿入し、再度けいタングステン酸に
浸けた後に乾燥させる。
【００２０】この組立品を真空炉内1700℃付近で焼成し
て、セラミックメタルハライドランプの封止材料として
の導通封止部材(2)ができあがる。
【００２１】電極(3)と外部リード(4)との間の通電は、
導通封止部材(2)の表面に施された金属層(2b)により確
保されることとなる。
【００２２】導通封止部材(2)の透光性ランプ容器(1)外
に露出した部分、すなわち封止外部リード(4)周辺部に
クロムメッキ(5)を施せば、その部分の金属層(2b)がク
ロムメッキにより保護され、耐酸化性が向上する。
【００２３】組立熱処理された導通封止部材(2)を透光
性ランプ容器(1)の封止部に挿入し、フリットガラス(6)
をセットし、真空中又は不活性ガス中でフリットガラス
(6)を溶解させることにより封止する。
【００２４】セラミック棒材(2a)の膨張係数は透光性ラ
ンプ容器(1)の膨張係数と近似するので、ランプ点灯に
より封止部が加熱された場合でも膨張の差が少なく、封
止部が破損しにくい。
【００２５】空気やメタルハライドと反応し易いニオブ
を用いず、そのコーティングに手間をかける必要がない
ため製造コストを安くすることができ、コーティング不
良によるランプの品質が不安定という問題も生じない。
【００２６】
【発明の効果】以上述べたように本発明により、ニオブ
を用いず、安価で品質の安定したセラミックメタルハラ
イドランプの封止構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施例の封止構造の概略を示す断面図。
【符号の説明】
(1) 透光性ランプ容器 (2) 導通封止部材 (2a) セラミック棒材 (2b) 金属層 (3) 電極 (4) 外部リード (5) クロムメッキ (6) フリットガラス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 アルミナ，ＹＡＧ等の透光性ランプ容器
    の封止部は電極及び外部リードを保持した導通封止部材
    により封止されており、 該導通封止部材はセラミック棒材の表面に金属層が形成
    されたものであり、 該セラミック棒材の膨張係数は透光性ランプ容器の膨張
    係数に近似することを特徴とするメタルハライドランプ
    の封止構造。
  2. 【請求項２】 セラミック棒材の表面に形成された金属
    層は、けいタングステン酸被膜が還元されてなるもので
    あることを特徴とする請求項１記載のメタルハライドラ
    ンプの封止構造。
  3. 【請求項３】 導通封止部材の透光性ランプ容器外部に
    露出した部分にはクロムメッキが施されていることを特
    徴とする請求項１又は請求項２記載のメタルハライドラ
    ンプの封止構造。
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