JP2001076642A - 引張マスク付カラー受像管 - Google Patents

引張マスク付カラー受像管

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JP2001076642A JP2000236429A JP2000236429A JP2001076642A JP 2001076642 A JP2001076642 A JP 2001076642A JP 2000236429 A JP2000236429 A JP 2000236429A JP 2000236429 A JP2000236429 A JP 2000236429A JP 2001076642 A JP2001076642 A JP 2001076642A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/02Electrodes; Screens; Mounting, supporting, spacing or insulating thereof
    • H01J29/06Screens for shielding; Masks interposed in the electron stream
    • H01J29/07Shadow masks for colour television tubes

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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直方向及び水平方向に予め張力が付与され
ておりその水平方向の張力が垂直方向への引き伸ばしに
よって作り出されるシャドーマスクにおいて、水平方向
の張力をマスクに付与するために生成可能な張力を従来
生成された張力よりも著しく増大させることにより、熱
膨張係数が低い高価なマスク材料を鉄などのより安価な
マスク材料で代替させる。 【解決手段】 シャドーマスク25側部のマスクフレー
ム19に接合されない両外側境界29を、湾曲形状を有
しシャドーマスクの内側領域26よりも高い強度を有す
るように構成する。これにより、従来生成された張力よ
りも高い張力を引き伸ばし方向に直交する方向に生成す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーテレビ受像機
あるいはカラーモニターに関し、特に垂直方向及び水平
方向に予め張力が付与された引張マスクを備えたカラー
受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビ受像機およびコンピュータ
のモニターは電気信号をカラー映像に変換するよう機能
する。最近のカラーテレビ受像機およびモニターは、例
えば、複合カラー画像信号、アナログあるいはデジタル
成分信号などの様々なビデオ信号形式用のインターフェ
イスを備えている。これらの信号はテレビ受像機やモニ
ター内のカラー受像管を制御するアナログRGB信号に
変換される。テレビ受像機もしくはモニターに送られた
各ビデオ信号は再生画面の個々のピクセルが対応する特
定の明るさと色値を持ち得るように変換される。ビデオ
信号に含まれた画像を再生する場合、カラーテレビ受像
機あるいはモニターに含まれるカラー受像管で3種類の
電子ビームが作り出される。そのそれぞれの電子ビーム
は加法混色の3原色、すなわち、赤、緑、青のいずれか
一つに相当する。再生位置に応じて、ビデオ信号のピク
セル情報、すなわち、明るさと色の情報がカラー受像管
の発光スクリーン上の各ピクセルと関連している。
【0003】3種類のカラー分解画像をピクセルに関連
して重ね合わせることにより、カラー受像管で加法混色
が得られる。カラー受像管の発光スクリーンは約40万
個のカラートライアド、すなわち、3つのグループで構
成された蛍光ドットを含んでおり、各グループは赤色光
蛍光ドット、緑色光蛍光ドット、青色光蛍光ドットであ
る。このような蛍光ドットの直径は約0.3mmであ
る。
【0004】ビデオ信号が再生されている際、3種類の
ドットのそれぞれは3種類の電子ビームの一つにアクセ
スされることで発光する。電子ビームはカラー受像管の
頸部にある電子ビーム生成装置によって生成される。図
4に、そのようなカラー受像管の断面図を示す。カラー
受像管は主にガラス部材15から成っている。カラー受
像管の前面スクリーン16の内側には、蛍光ドットを有
する蛍光層17が配置されている。蛍光ドットにアクセ
スするための電子ビームはカラー受像管の頸部にある電
子銃18によって生成される。この電子銃を制御する電
気信号は接続ピン20を介して外部から上記電子銃に供
給される。カラー受像管の外側に設けられた図示しない
偏向装置を用いることによって、電子ビームを偏向さ
せ、発光スクリーンの全てのピクセルがアクセスされる
ようにする。カラー受像管内部の発光スクリーン17か
ら約15mm離れた所に、マスクフレーム19を有する
シャドーマスクが設けられている。このシャドーマスク
には、発光スクリーンの各カラートライアドに対応して
個別の開口が形成されている。これらの開口すなわち孔
は約0.25mmの直径を有しシャドーマスク(ホール
マスク)に一定間隔でエッチングにより形成されてい
る。上記3種類の電子ビームはビーム結合偏向によって
アクセスされた各開口内で出会い、開口の背後に位置す
る発光スクリーン17の蛍光ドットに当たる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の過程の間に、電
子ビーム生成装置で生成された電子の大部分がシャドー
マスクに当たる。それにより、シャドーマスクが熱せら
れそれに伴って熱膨張を起こす。その結果、シャドーマ
スクの開口が対応する蛍光ドットに対する位置を変えて
しまうことになる。この位置の変化により、再生された
ピクセルの色の純度が低下する。このような色純度の低
下はマスクの周辺部の開口において特に著しい。
【0006】シャドーマスクは開口型のマスクとしてだ
けでなく、帯状のマスクとしても使用可能である。この
ような帯状マスクの場合、カラー受像管の発光スクリー
ン17には、個別の蛍光ドットではなく、シャドーマス
クの帯片の方向に延びる蛍光帯片が設けられている。し
たがって、シャドーマスクには各電子ビーム用の帯状開
口が設けられ、各帯状開口が発光スクリーンの各帯片と
対応している。このような帯状マスクは平行に延びる
「ワイヤ」から構成されていることが多い。
【0007】図4から分かるように、シャドーマスクは
マスクに機械的安定性を付与するとともにマスクを扱い
やすくするためにマスクフレーム19に保持されてい
る。また、最近のカラー受像管のマスクフレームは薄い
金属板からなっている。
【0008】小さな熱膨張を考慮して、最近のシャドー
マスクは熱膨張係数が非常に小さい鉄ニッケル合金から
製造されている。このような鉄ニッケル合金は鉄よりも
遥かに高価であるので、マスクフレームは鉄から製造さ
れている。熱膨張係数の異なる材料から成るシャドーマ
スクとマスクフレームを接合することは問題がある。こ
のようなマスクとフレームの組み合わせは暖められる
と、シャドーマスクの変形が起こる恐れがある。このこ
とはシャドーマスクの孔の位置が対応する蛍光ドットや
蛍光帯片の位置に対して変化するという影響をもたら
す。
【0009】最も広く使用されているシャドーマスク
は、賦形された自己支持型のシャドーマスクである。こ
のようなシャドーマスクを図1に示す。発光スクリーン
1の背後に配置されたシャドーマスクは発光スクリーン
上の発光色の配置に対応する孔状もしくは帯状の開口3
を備えている。マスクはフレーム2に固定されている。
このようなマスクの外形は垂直方向にも水平方向にも可
変である。この場合、マスク用の支持フレームは大きな
力を吸収する必要はない。したがって、フレームの材料
は事実上経済性の観点から選択することができる。
【0010】別のタイプのカラー受像管は予め垂直方向
に張力が付与されている。このようなシャドーマスク、
いわゆる引張マスクが主に使用されるのは、トリニトロ
ン(登録商標)受像管に対してである。このシャドーマ
スクはその上部境界及び下部境界がマスクフレームに接
合固定されている。シャドーマスクに予め張力を付与す
るのは、発光スクリーンとシャドーマスクとの間の間隔
がカラー受像管の縦軸21の方向に一定であることを保
証するために必要だからである。この予張力のせいで、
垂直方向に配向されたワイヤが張力のかかった状態に保
たれる。これにより、帯状マスクに機械的強度が付与さ
れる。予め張力を付与するためには、数kNの値をとる
ような高い張力が必要である。したがって、マスクフレ
ームは非常に堅固に組み立てられる必要がある。材料を
選択すれば、カラー受像管の製造過程で使用される高い
処理温度も特に考慮に入れる必要がある。このようなマ
スクは高い透明性を有し、熱安定性の高いマスク外形を
有するという長所をもつ一方、常に円筒状の曲率しか持
っていないという限りにおいて不利である。さらに、緊
張したマスクワイヤは強い振幅を伴う機械的振動に反応
する傾向がある。
【0011】このような垂直方向の張力を有する引張マ
スクを図2に示す。このマスクにも、発光スクリーン1
とマスクフレーム2が設けられている。マスクのワイヤ
5には、予め垂直方向の張力が付与されている。この予
張力を図2に矢印7,8で示す。ワイヤの振動を避ける
とともにワイヤ間の間隔を一定に保つために、緊張した
マスクワイヤ5に接していわゆる緩衝ワイヤ6がマスク
ワイヤ5を横切るように配置されている。これら緩衝ワ
イヤはマスクワイヤ5の機械的振幅を抑制しかつ個々の
ワイヤ間の間隔を一定に保つために設けられている。こ
の緩衝ワイヤ6の短所は、カラー受像管の画面上に結像
されて画像内に常に存在する水平方向の暗線として見え
てしまう点である。
【0012】そのような予め垂直方向の張力が付与され
たマスクの場合、ワイヤ間に小さなクロスピースを配置
することによって機械的安定性も向上させることができ
る。これらクロスピースはマスクワイヤが個々に振動す
るのを防止する。このようなクロスピースの均等な配置
によって、ワイヤ間の間隔が一定に保たれ、賦形された
シャドーマスクから分かるような均質で乱雑さのない構
造が作成される。
【0013】しかしながら、このようなクロスピースを
使用すると、マスクワイヤが水平方向に結合される限り
ワイヤに関して不利であり、熱が加わると、シャドーマ
スクが水平方向に膨張するという影響を及ぼす。この種
の膨張は、ひいては、発光スクリーン上で電子ビームが
当たる位置のずれを引き起こす恐れがある。このずれは
画像再生品質の低下をもたらす。この影響を少なくする
ため、熱膨張係数の小さいインバールやその他の鉄ニッ
ケル合金をシャドーマスク及びマスクフレームの材料と
して使用することが好ましい。しかしながら、それはカ
ラー受像管の製造コストを著しく上昇させることにな
る。
【0014】水平方向の熱膨張によって引き起こされる
画像品質の低下を避けるために、上述したように、マス
ク材料として特別な合金を使用することが一つの可能性
として存在する。あるいは、マスクに対して垂直方向の
予張力に加えてさらに水平方向の張力を予め付与するこ
とも可能である。これにより、マスクが熱くなったとき
にカラー受像管の縦方向に湾曲するのを防止することが
できる。そのようなマスクフレーム2が付いたマスクを
図3に示す。矢印7ないし10はマスクが垂直方向と水
平方向の両方に予め張力が付与されていることを示して
いる。このようにして、水平方向の孔3間のクロスピー
スの熱膨張の結果を補償することもできる。
【0015】このような水平方向の予張力を作るため
に、最も単純な方法は、シャドーマスクをさらにマスク
フレームの両側部にも固定することである。あるいは、
シャドーマスクをマスクフレームの横部材に接合するこ
となく水平方向の予張力を作り出すことも可能である。
この目的のため、シャドーマスクを両側の細幅の無孔部
分だけ水平方向に延長させる。シャドーマスクを垂直方
向に引き伸ばすことにより、上記無孔部分が引き伸ばし
方向に長くなる。同時に、これらの部分の中央で圧縮が
起こる。すなわち、これらの部分が引き伸ばしのせいで
より細くなり、最も細い部分が中央に位置する。このこ
とはシャドーマスクの2つの無孔境界領域の間に位置す
る有孔の内側領域が外側方向に引っ張られるという影響
を及ぼす。したがって、垂直方向の予張力と同時に、さ
らに水平方向の予張力も発生する。この方法は一般に半
延伸引張法、略してSST法と呼ばれる。
【0016】この方法の原理を図5に基づいて説明す
る。この目的のため、シャドーマスク全体の一部のみを
図示し、図5に示すシャドーマスクの部分は上記無孔の
側方領域の一方を有する上記マスクの片側である。シャ
ドーマスク25は、有孔部分26と、孔を全く有してい
ない付設部分27を備えている。垂直方向の張力を予め
付与するために、マスクはマスクフレームに取り付けら
れる前に垂直方向に引き伸ばされる。これにより、シャ
ドーマスク25はマスクフレームに取り付けられたとき
垂直方向の永久張力を受ける。この予張力はマスクが垂
直方向の熱膨張のせいで作動中にカラー受像管の縦軸方
向に湾曲することを防止する。図5に、引き伸ばし中に
シャドーマスクの無孔境界部分27の形状が変化する様
子を示す。引き伸ばし前のシャドーマスクの形状を実線
で示し、引き伸ばし後の形状を破線30で示す。引き伸
ばし時に、境界領域27の幅が縮小される。最も幅が縮
小されるのは上端縁と下端縁との間の中間部分である。
この過程の最中で発生する上記境界領域27の幅の最大
縮小は領域縮小または収縮Cと称する。上記有孔部分と
無孔部分27との間の境界線28の位置がシャドーマス
ク25の外側境界29の方向の領域縮小によってずれる
ことにより、マスクの内側領域26も外側に引っ張られ
る。このことは有孔部分26が水平方向に引き伸ばされ
てこの水平方向に同時に予張力が作り出されるという影
響をもたらす。
【0017】言い換えれば、マスクを垂直方向に引き伸
ばすことに伴って、水平方向の外向きの張力も発生させ
ることになる。この張力の大きさは収縮Cの程度に左右
される。垂直方向引き伸ばし前の境界領域27の幅が広
いほど、収縮C、したがって作り出される水平方向の張
力がより大きくなる。しかしながら、付設の無孔部分2
7の幅は、再生面として使用不可能な領域を妨げること
によって水平方向の画面領域を増やすことなしにはある
程度までしか増やすことができない。したがって、作り
出し得る水平方向の張力は非常に小さいものに過ぎなか
った。
【0018】このような方法で最近作り出される水平方
向の張力を利用することにより、特に熱膨張係数が低い
マスク材料の熱膨張だけが補償可能である。インバール
などこれらのマスク材料は特に高価であるので、より低
価格なもので代替させることが望ましい。
【0019】本発明の目的は、公知のカラーテレビ受像
機およびカラーモニター、特にカラー受像管をさらに改
良してカラー受像管のシャドーマスクがより低価格なマ
スク材料から製造可能にすることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的はカラー受像
管に関する請求項1の特徴、カラーテレビ受像機に関す
る請求項8の特徴およびカラーモニターに関する請求項
9の特徴によって達成される。
【0021】本発明によれば、水平方向に生成可能な張
力がこれまで生成された張力よりも著しく大きいとき、
作動時により安価な材料の遥かに大きな熱膨張をも補償
する能力を提供することになるので、熱膨張係数が低い
高価なマスク材料を鉄などのより安価な材料に代替させ
ることができる。この目的のため、マスクフレームに接
合されないシャドーマスクの辺が湾曲形状を有しこの湾
曲状の外側境界がシャドーマスクの内側領域よりも高い
強度を有している。シャドーマスクの内側領域に作用す
る外向きの張力を生成するために、側方境界が内側に湾
曲する形状を有している必要がある。マスクが垂直方向
に引き伸ばされると、湾曲形状も同様に引き伸ばされ、
曲率が減少する。このことは外側の補強境界領域の全て
の点が外側に移動し、結果的にマスクの内側領域も対応
して外側に移動するという作用をもたらす。シャドーマ
スクが引き伸ばされた状態でも、側方の外側境界は湾曲
形状を維持するが、その曲率は遥かに小さくなる。シャ
ドーマスク上端縁と下端縁との間の中間部分の収縮の大
きさはシャドーマスクの引き伸ばし前後の補強境界の湾
曲形状(曲率)に起因している。引き伸ばし後、シャド
ーマスクの外側補強境界はほとんど真っ直ぐな形状をと
るかもしれない。このようにして、シャドーマスクの垂
直方向引き伸ばし前後の湾曲形状間に存在する差異の大
きさに比例して増大する収縮を実現することができる。
このようにして実現される収縮は従来のシャドーマスク
の場合に生成可能な収縮を凌駕しているので、上記のよ
うにして生成可能な水平方向の張力も著しく大きくな
る。
【0022】このようなより高い張力を利用して補償可
能なシャドーマスクの膨張はこれまで通常補償可能であ
ったシャドーマスクの水平方向の膨張を凌駕している。
このことは、本発明に従って特に高い水平方向の張力を
予め付与することにより、シャドーマスクが受像管の縦
方向に湾曲することを防止することができるので、シャ
ドーマスクに使用される材料が特に熱膨張係数が低くく
はない材料であってもかまわないという利点をもたら
す。したがって、従来のマスクに比べて画像品質を低下
させることなく、鉄などのより安価な材料もマスク材料
として使用可能になる。したがって、カラー受像管の製
造コスト、ひいては、モニターやテレビ受像機の製造コ
ストも画像品質を維持したまま削減することができる。
【0023】有利な実施形態によれば、シャドーマスク
はその湾曲状辺を補強するためにその内側領域よりも湾
曲状辺の材料断面を大きくしている。これにより、マス
クの強度を非常に簡単な方法で高めることができる。
【0024】シャドーマスクの製造時、マスクは通常開
口を形成するためにエッチングされる。このエッチング
工程の際、マスク全体の材料断面が減少する。補強され
るべき湾曲状境界領域の材料断面は、上記エッチング時
にこれら境界領域を大きくエッチングしないまま残すこ
とによって非常に簡単な方法で形成することができる。
このことは、エッチング工程後に、上記境界領域がマス
クの有孔部分よりも大きな材料断面を有することになる
という効果をもたらす。
【0025】湾曲状境界領域の強度の向上は、これらの
領域においてシャドーマスクの材料組成を変えることに
よっても達成可能である。境界領域の材料の組成を変え
ることにより、この領域でさらに高い強度を実現するこ
とができる。こうすれば、マスクの断面積の増加をより
少なくしたり、境界領域における断面積の増加を完全に
不要にすることができる。
【0026】強度の向上や材料断面積の増加は補強され
るべき境界領域に付設部材を設けることによっても実現
可能である。このやり方は、マスクが最初は通常の方法
で製造されその後最終工程で別個に製造された付設部材
と結合可能である限りは有利である。これにより、本発
明はカラー受像管の通常の一連の製造工程に容易に組み
込むことが可能になる。上記付設部材が強度の高い材料
から製造される場合、付設部材の材料断面を小さくする
ことができる。
【0027】シャドーマスクが鉄製である場合は特に有
利である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて詳細に説明する。
【0029】図6に、本発明にかかるシャドーマスク2
5の一実施形態を示す。シャドーマスク25は有孔部分
26と無孔部分27からなっている。無孔部分27はそ
れぞれ異なる構造を有する2つの部分AとBから構成さ
れている。部分Aは、その強度に関して、特に材料断面
に関してシャドーマスクの有孔(有長孔)部分26と同
等である。その一方、部分Bは、例えばその材料断面を
大きくすることによって、より高い強度を備えている。
Aで示す部分の断面は、いわゆるエッチング除去部分に
よって、強度に関する限り有孔マスク部分26に相当す
る程度まで削減することができる。しかしながら、Bで
示す部分は著しく高い機械的強度を有するように実現さ
れる。したがって、部分Bはエッチング除去部分のない
いわゆる「むく材料」であるかもしくは例えば別の部材
を取り付けることにより設けられた付設材料であっても
よい。
【0030】図6の実線は、図5と同様に、垂直方向へ
の引き伸ばし前のシャドーマスク25の状態を示す。湾
曲状境界領域の部分Aの幅をシャドーマスクの上端縁と
下端縁との間の中間位置にX1で示し、部分Bの幅をX2で
示す。無孔部分27の部分AおよびBの内向きの半径を
部分Bの外端縁についてはR1で、部分Aと部分Bとの
間の境界に関してRMで、部分Aとシャドーマスク25
の有孔部分26との間の境界線についてはR2でそれぞ
れ示す。
【0031】垂直方向への引き伸ばし後の本発明にかか
るシャドーマスク25の境界領域27の状態を、図6に
破線で示す。引き伸ばしは補強部分Bの湾曲形状が直線
状にされるという作用をもたらす。このことは、半径R
1およびRMと比較すれば、部分Bの境界線がほとんど直
線に近いくらいのわずかな湾曲形状を有しているに過ぎ
ないことを意味している。しかしながら、正確な直線形
状はこのような引き延ばしでは実現できないので、補強
境界部分Bは引き伸ばし前に存在していた湾曲形状の方
向への「残留曲率」を常に有していることになる。
【0032】補強境界部分Bの湾曲形状を引き伸ばした
ことにより、収縮Cが再度発生する。図5と異なり、こ
の場合の無孔部分27の収縮はその部分27の両側で起
こるのではなく、シャドーマスクの有孔部分26と境を
接する片側でのみ起こる。その結果、本発明にかかるシ
ャドーマスクの場合に発生する面積の減少は片側での収
縮のみであって、無孔部分27全体の幅の減少は水平方
向の張力の生成に有利になる。したがって、面積の減少
が大きいほどシャドーマスクの水平方向への予張力が大
きくなる。
【0033】生成可能な最大予張力は補強境界部分Bの
半径に特に左右される。シャドーマスクの垂直方向への
引き伸ばし前後の半径の差異が大きいほど、生成可能な
水平方向予張力が大きくなる。
【0034】本発明にかかるカラーテレビ受像機および
カラーモニターに組み込まれるカラー受像管の一実施形
態は、ほぼ以下の寸法を有している。
【0035】 シャドーマスクの高さ: 約414mm シャドーマスクの材料: 鉄 アスペクト比: 約4:3 シャドーマスクの厚さ: 約0.1mm(補強境
界部分を除く) X1+X2: 約5mm R1: 約3.35m RM: 約12.0m このようなカラー受像管を使用することにより、約10
00N/mm2程度の水平方向の張力を実現することが
できる。本発明の効果を得るためには、カラー受像管の
シャドーマスクが上記の寸法を精確に有している必要は
ない。同様に、半径R1が約4.5mより小さい、特に
4mより小さいシャドーマスクであっても、シャドーマ
スクの他の部分が上記の寸法を有していれば、高い水平
方向張力を実現することができる。また、RMが20m
より小さい、特に15mより小さい場合であっても、シ
ャドーマスクの他の部分が上記の寸法を有していれば、
高い水平方向張力を実現することができる。カラー受像
管の寸法が異なれば、個別の事例毎に十分に高い水平方
向張力が得られるようにそのパラメータも変える必要が
ある。
【0036】図6から分かるように、本発明によって実
現可能な収縮Cは従来の公知の方法によって実現される
収縮よりも著しく大きいので、通常よりも大きな水平方
向の熱膨張を補償することができる。対向する両側辺で
マスクフレームに固定されただけのシャドーマスクの場
合に熱膨張係数がさらに高い別のマスク材料を使用する
ことができるのはこの状況の場合のみである。これによ
り、製造材料として使用可能な比較的高価なインバール
を鉄に代替させることができる。実際には、鉄はインバ
ールより高い熱膨張係数を有しているが、本発明によっ
て水平方向に大きな張力を付与することにより、シャド
ーマスクのカラー受像管縦方向への湾曲が起こらない程
度に鉄の大きな熱膨張を補償することができる。
【0037】実現可能な領域Cの削減(ひいては、水平
方向張力)はシャドーマスクの補強外側境界部分の半径
だけでなく上記境界部分の補強の程度にも左右される。
この補強は材料断面を拡大することによって実現可能で
ある。補強の度合いはシャドーマスクの補強境界部分の
非補強部分に対する厚さ比に因る。引き伸ばしによって
実現される補強外側境界部分Bの湾曲形状の形状変化に
起因する水平方向の張力は、外側境界部分の湾曲形状の
引き伸ばしがマスクの内側領域の逆向きの力に抵抗し得
る度合いに左右される。マスクの内側領域もまた水平方
向の収縮によって垂直方向の延伸を補償しようとする。
水平方向の実効張力の増大は、外側境界部分すなわち2
つの対向する外側境界部分の強度が垂直方向の引き伸ば
し時にこれら外側境界部分がマスク内側領域の形状をほ
ぼ強制的に変化させるように上昇することによって実現
される。
【0038】図7に、シャドーマスクが所定のパラメー
タを有する場合に、曲率、すなわち収縮C(単位:m
m)が部分AとBの厚さ比を変えることによって可変で
ある様子を示す。得られる曲率、ひいては得られる水平
方向の張力は、部分AとBの厚さの違いが大きくなるに
従って、すなわち部分Aの厚さは同じのまま部分Bの材
料断面が増大するに従って著しく増大する。例えば、上
記のパラメータを有するシャドーマスクの場合に、部分
Aの部分Bに対する厚さ比が約0.7であると、0.2
mmの曲率を達成することができる。部分Aの部分Bに
対する厚さ比が0.2であると、2倍の、すなわち約
0.4mmの曲率を達成することができる。
【0039】本発明は基本的に最初の張力付与を介して
間接的に生成される2次予張力を増大させることを目的
としている。この2次予張力は1次予張力の方向に対し
てほぼ直角に延びる方向に生成される。側方マスク境界
部分が内向きの湾曲形状をしているためかつ上記境界部
分を補強することにより、得られる2次予張力を著しく
増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】賦形された自己支持型シャドーマスクを示す斜
視図。
【図2】垂直方向の張力を有する引張マスクを示す斜視
図。
【図3】水平方向及び垂直方向の張力を有する引張マス
クを示す斜視図。
【図4】カラー受像管の基本構成を示す断面図。
【図5】引き伸ばされる前後の状態のシャドーマスクの
水平方向延長部分を示す概略図。
【図6】本発明において引き伸ばされる前後の状態のシ
ャドーマスクの側方境界部分を示す概略図。
【図7】本発明におけるシャドーマスクの側方境界部分
の曲率と厚さ比との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
19 マスクフレーム 25 シャドーマスク 26 有孔部分(内側領域) 27 無孔部分(側方境界領域) 28 有孔部分と無孔部分との境界線 29 外側境界 A、B 部分 C 収縮
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597137419 Fritz−Mueller−Stras se112 73730 Esslingen G ermany

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ矩形のシャドーマスク(25)とこ
    のシャドーマスク(25)を支持するマスクフレーム
    (19)とを備えたカラー受像管であって、 上記シャドーマスク(25)には互いにほぼ直交する2
    方向に予め張力が付与されており、 上記シャドーマスク(25)は互いに対向する両側部で
    上記マスクフレーム(19)に固定されているととも
    に、残る2つの側部では上記マスクフレーム(19)に
    接続されておらず、 上記マスクフレームに接続されていないシャドーマスク
    側部の外側境界(29)は、上記シャドーマスクの内側
    領域よりも強度が補強されているとともに、シャドーマ
    スク(25)の内側へ向かって湾曲した形状を有してい
    るカラー受像管。
  2. 【請求項2】 上記シャドーマスク(25)の湾曲側の
    外側境界部分(B)の強度の補強が材料断面の増加によ
    って実現されている請求項1記載のカラー受像管。
  3. 【請求項3】 上記シャドーマスク(25)の境界部分
    (B)はこの境界部分(B)の材料断面をマスク製造時
    のエッチングで削減しないようにして補強されている請
    求項2記載のカラー受像管。
  4. 【請求項4】 上記シャドーマスク(25)の外側境界
    部分(B)はその強度を該境界部分(B)におけるマス
    ク材料の組成を変えることで高めるようにして補強され
    ている請求項1または2記載のカラー受像管。
  5. 【請求項5】 上記シャドーマスク(25)の境界部分
    (B)はそこに付設部材が設置されるようにして補強さ
    れている請求項1ないし4のいずれかに記載のカラー受
    像管。
  6. 【請求項6】 上記付設部材はより強度の高い材料から
    なっている請求項5記載のカラー受像管。
  7. 【請求項7】 上記シャドーマスク(25)が鉄製であ
    る請求項1ないし6のいずれかに記載のカラー受像管。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載のカ
    ラー受像管を備えたカラーテレビ受像機。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれかに記載のカ
    ラー受像管を備えたカラーモニター。
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